JP2014051320A - スロッシング制振方法及び制振装置 - Google Patents

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廣和 平野
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和也 藤田
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Shigetoshi Muraji
重俊 連
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Abstract

【課題】水平断面形状が四角形である液体貯蔵タンクにおけるスロッシングを適切かつ簡易に制振するスロッシング制振方法、及び、貯蔵タンクへの取付けが容易でスロッシングを効率良く制振可能な制振装置を提供する。
【解決手段】水平断面形状が四角形である液体用の貯蔵タンクTのスロッシング制振方法であって、液体の流通を許容する部分と液体の流通を阻止する部分とを夫々複数有する二つのパネル状の制振装置1を、互いに交差する状態、かつ、貯蔵タンクTに貯蔵された貯蔵液体Wに対して液面WLから所定深さDまでの範囲内に位置する状態で、鉛直方向に沿って貯蔵タンクTに配設する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水平断面形状が四角形である液体用貯蔵タンクのスロッシング制振方法及びその方法に使用する制振装置に関する。
従来から、地震時における貯蔵タンク内でのスロッシング現象(以下、「スロッシング」と略称する)が問題となっていた。スロッシングとは、容器内の液体が外部からの比較的長周期な振動によって揺動することである。このスロッシングに対して何の対策も施していないと、液体の波がタンク周壁や天井に繰り返し衝突し、貯蔵タンクが損傷することがある。したがって、スロッシングへの各種対策が提案されてきた。
スロッシングのメカニズムとしては、貯蔵液体の水深とタンク長とでスロッシングの固有振動数が決まることは解明されている。しかし、その他の細かなメカニズムについては完全には解明されていない。このような実情の中、球状の貯蔵タンクであれば、水平断面形状が円であるため、地震波の入力方向が何れの方向であっても、スロッシングの挙動が同じであり、スロッシングへの対策を講じやすい。しかし、水平断面形状が四角形の貯蔵タンクは、地震波の入力方向によってスロッシングの挙動が異なり、その方向によっては想像以上の甚大な被害が生じることがあった。
例えば、受水槽には、水平断面形状が四角形状の貯蔵タンクが多く採用されているところ、平成23年東北地方太平洋沖地震においては、病院や学校等の大型施設における大容量の受水槽の損壊が多く見られた。受水槽内に貯蔵された上水の容量が大きく、その揺動エネルギー自体が大きいことが原因の一つであるのは当然ながら、その他の原因として、波が受水槽の角部分に集まって、波の進行速度が一気に高められると共に液面が一気に上昇させられ、周壁や天井に衝突したと推定できる。
これまでに、水平断面形状が四角形である貯蔵タンクのスロッシングを制振するものとして、例えば、特許文献1に示すようなものが提案されている。特許文献1に記載の技術においては、水平断面形状が四角形である貯蔵タンク(文献では、「流体貯蔵タンク」)の内部空間を、内部セル壁構造体によって複数の小さいセルに分割している。内部セル壁構造体は、複数の板状の内部セル壁を、貯蔵タンクの全高に亘って鉛直方向に沿った状態で、平面視格子状に組み合わせて構成されている。さらに、貯蔵タンクの底部分において、内部セル壁に一つの大きな通路開口を備え、全セル間で流体(点検時には人)が行き来可能なように構成されている。
特許文献1に記載の技術のように構成すると、貯蔵タンク全体としての実質的な容量は確保しつつも、見かけ上の容量が小さくなるので、スロッシング時の流体の揺動エネルギーが細かく分断され、スロッシングによる貯蔵タンクの損壊が軽減されると考えられる。
特表2008−503703号公報(請求項1、段落番号[0051]、[0052]、図1等参照)
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、スロッシング自体を制振するものではなく、液体の揺動エネルギーを分割するだけであって、かつ、セルの下部空間では通路開口を介して流体の移動が可能であるものの、スロッシングが顕著に発生する上部空間では流体の移動が全くできない。したがって、大地震が発生して各セル内でのスロッシングが非常に大きくなった場合は、全ての揺動エネルギーが内部セル壁に作用し、かつ、液体の揺動エネルギーが減衰されないので、最終的に内部セル壁が損壊する虞がある。
また、特許文献1に記載の技術では、内部セル壁が全高に亘っており、かつ、格子状に組み合わされている。一般的に、受水槽等は、ジャングルジムのように構造フレームを組んで、その周囲にパネルを取付けた構造であるので、この技術では、既存のものに対しての施工が困難であり、汎用性が低くなる虞がある。しかも、この技術では、部材量が多いので、設置コストが嵩む虞もある。
本発明は、上記実情に鑑み、水平断面形状が四角形である液体貯蔵タンクにおけるスロッシングを適切かつ簡易に制振するスロッシング制振方法、及び、貯蔵タンクへの取付けが容易でスロッシングを効率良く制振可能な制振装置を提供することを目的とする。
本発明のスロッシング制振方法の特徴は、
水平断面形状が四角形である液体用の貯蔵タンクのスロッシング制振方法であって、
液体の流通を許容する部分と前記液体の流通を阻止する部分とを夫々複数有する二つのパネル状の制振装置を、互いに交差する状態、かつ、前記貯蔵タンクに貯蔵された貯蔵液体に対して液面から所定深さまでの範囲に位置する状態で、鉛直方向に沿って前記貯蔵タンクに配設する点にある。
本発明によれば、パネル状の制振装置が、液体の流通を許容する部分と前記液体の流通を阻止する部分とを夫々複数有するので、スロッシング時に液体の一部の制振装置流通が制限される。したがって、液体は、制振装置流通の際に粘性が高まったかのような挙動を示し、その揺動エネルギーが減衰される。その結果、スロッシングが制振され、貯蔵タンクの損壊が防止される。また、逆の観点からすると、一部の液体が制振装置を流通できるので、流体の流通を完全阻止するようなものと比較して、制振装置に作用する液体の衝突力が小さくなり、この点からも貯蔵タンクの損壊が防止される。
また、一つの制振装置だけを設けた場合、液体の揺動方向(貯蔵タンクの揺れ方向)が制振装置に沿った方向と平行または略平行な方向であると、制振装置を流通する液体量が少なくなり、制振装置が機能せず、スロッシングが制振されない虞がある。しかし、本特徴構成によれば、二つの制振装置が互いに交差する状態で配設されるので、液体の揺動方向が何れの方向であっても、少なくとも何れか一方の制振装置と液体の揺動方向との交差角度が45度以上となり、制振装置を流通する液体量をある程度確保でき、スロッシングの制振効果が担保される。
さらに、発明者の鋭意研究により、制振装置を、鉛直方向に沿った状態で液面から所定深さまで差し込むだけで、スロッシングの制振効果が得られることが分かった。
なお、本発明の「鉛直方向」という用語には、鉛直方向及び略鉛直方向の意味が含まれるものとする。
本発明においては、
二つの前記制振装置の夫々を、前記貯蔵タンクの内周の全幅に亘る状態で配設すると好適である。
液体は抵抗の少ない箇所を流通しようとする性質があるので、制振装置と貯蔵タンクの内周との間に比較的広い隙間が存在すると、スロッシング時に液体の一部が制振装置を流通せずにその隙間を流通する虞があり、この場合、制振装置によるスロッシング制振効果が下がってしまう。しかし、本構成であれば、制振装置と貯蔵タンクの内周との間に隙間がないので、制振装置によるスロッシング制振効果を十分に発揮させられる。
本発明においては、
少なくとも何れか一方の前記制振装置を、前記貯蔵タンクの対角に亘るように配設すると好適である。
本構成であると、制振装置が貯蔵タンクの対角に亘っているので、水平断面形状が四角形である貯蔵タンクにおいて、最も効率良く広範囲に制振装置が配設されていることなる。したがって、本構成であれば、制振装置によるスロッシング制振効果を効率良く最大限に発揮させられる。
本発明においては、
前記所定深さは、前記貯蔵液体の貯蔵深さの1/9以上、かつ、1/3以下であると好適である。
発明者の鋭意研究により、制振装置を液面から貯蔵液体の貯蔵深さの1/9以上、かつ、1/3以下の深さだけ差し込むだけで、制振装置のスロッシング制振効果が十分に発揮されることが分かった。したがって、本構成であれば、制振装置の設置量が少なくて済み、設置コストを削減できると共に、施工手間が少なくて済む。したがって、既存の貯蔵タンクへの設置が容易である。
本発明においては、
水平方向に沿った状態の別の前記制振装置を、前記液面から所定深さまでの範囲内に位置するように前記貯蔵タンクに配設すると好適である。
スロッシング時には、表面に波が発生するだけでなく、波よりも下層の部分において液体の揺らぎが発生する。即ち、下層での液体の揺らぎによって表面の波が増幅されることとなる。本構成であれば、鉛直方向に沿った状態の制振装置によって表面の波を制振しつつ、水平方向に沿った状態の制振装置によって、下層での揺らぎが表面の波に伝わり難くなり、効率良くスロッシングを制振できる。
なお、本発明の「水平方向」という用語には、水平方向及び略水平方向の意味が含まれるものとする。
本発明においては、
前記制振装置が、前記貯蔵液体に浮遊した状態で設けられていると好適である。
本構成であれば、予め作製した制振装置を、既設の貯蔵タンクに設置することが可能であるため、施工性が良い。さらに、制振装置自体が固定されておらず、貯蔵液体に浮遊しているため、制振装置が水平方向に揺動して波の乱れを生じさせることができ、これにより、貯蔵液体の揺動エネルギーが大きく減衰され、効率良くスロッシングを制振することが可能となる。
本発明のスロッシング制振装置の特徴は、
液体用貯蔵タンクに配設されてスロッシングを制振する制振装置であって、
前記貯蔵タンクの構造フレームに取付けられる四方枠体と、
前記四方枠体に平行に取付けられる複数の線状体と、が備えられた点にある。
本構成であると、四方枠体と複数の線状体とから成るという単純な構成の制振装置であるので、貯蔵タンクの内部構造に合わせて自由に制振装置の形状やサイズを変更できる。したがって、現場加工が可能であって汎用性の高い制振装置を提供でき、既存の貯蔵タンクへの施工も容易となる。
本発明においては、
複数の前記線状体は、前記四方枠体に格子状に取付けられると好適である。
本構成であると、複数の線状体が格子状に取付けられるので、一方向に沿った線状体と他方向に沿った線状体とが互いに補強し合い、一方向に沿った線状体のみを設けた場合と比較して、耐久性が高く、より高い制振効果が得られる。
本発明においては、
前記線状体は、樹脂製であると好適である。
本構成であると、線状体が樹脂製であるので、金属製の線状体を用いる場合と比べて、制振装置の軽量化を図ることができ、貯蔵タンクの構造フレームへの負担が少ない。また、貯蔵タンクが受水槽である場合、液体は上水であって上水中には塩素が含まれるが、樹脂は塩素環境下においてほとんど溶出しないので、飲料水基準の適用がある受水槽にも設置可能な制振装置とすることができる。
本発明においては、
前記線状体は、弾性素材によって形成されていると好適である。
本構成であれば、線状体自体の弾性変形によってスロッシング時の液体の揺動エネルギーが減衰される。したがって、制振装置のスロッシング制振効果が向上されると共に、スロッシングによる四方枠体及び貯蔵タンクへの負担を軽減できる。
本発明においては、
前記線状体は、円形断面形状であると好適である。
本構成のように、線状体を円形断面形状に形成すると、この円形に内接する多角形を断面とするものと比較して、外周長が長くなる。即ち、線状体と線状体との配設ピッチを一定にしたまま、液体と線状体との接触面積を効率良く広げられる。この結果、線状体の数を増やすことなく、液体が線状体の外周面と接触する間に、より多くの液体揺動エネルギーが減衰され、制振装置のスロッシング制振効果が向上する。
本発明においては、
前記線状体は、中空状に形成されていると好適である。
本構成のように、線状体を中空状に形成すれば、制振装置の重量が軽減される。
本発明においては、
前記線状体の外周面に、凹凸が形成されていると好適である。
本構成であると、線状体の外周面に凹凸が形成されているので、液体が線状体の外周面と接触する間に、より多くの液体揺動エネルギーが減衰され、制振装置のスロッシング制振効果が向上する。
本発明においては、
前記四方枠体は、分解した状態で前記貯蔵タンクの点検口から搬入可能であり、かつ、前記線状体は、前記四方枠体に対して取外し可能であると好適である。
本構成であれば、制振装置を貯蔵タンク内において組み上げることができるので、特に、既存の貯蔵タンクに制振装置を設置する場合において、制振装置が点検口よりも大きくても、制振装置の材料を無理なく点検口から搬入して、制振装置を貯蔵タンクに設置することができる。また、タンク内のうち足場のしっかりとしたタンクの底部で、安定した状況で、制振装置を組み上げること(いわゆる、「地組み作業」)ができる。
本発明スロッシング制振装置の特徴は、
液体用貯蔵タンクに配設されてスロッシングを制振する制振装置であって、
前記液体用貯蔵タンクに貯蔵された貯蔵液体に対して液面から所定深さまでの範囲に位置する状態で前記液体用貯蔵タンクに貯蔵された貯蔵液体に浮遊可能な、複数の穴を有するパネルを備える点にある。
本構成であれば、予め作製した制振装置を、既設の貯蔵タンクに設置することが可能であるため、施工性が良い。さらに、制振装置自体が固定されておらず、貯蔵液体に浮遊しているため、制振装置が水平方向に揺動して波の乱れを生じさせることができ、これにより、貯蔵液体の揺動エネルギーが大きく減衰され、効率良くスロッシングを制振することが可能となる。
本発明の制振装置の第1実施形態を適用した受水槽の斜視図である。 本発明の制振装置の第1実施形態の配置を示す横断平面図である。 本発明の制振装置の第1実施形態を適用した受水槽の一部縦断側面図である。 ダンパーパネルの正面図である。 図4におけるV−V方向視の縦断平面図である。 ダンパーパネルの組立容量を示す分解斜視図である。 ダンパーパネルを受水槽のフレームに取付ける要領を示す斜視図である。 ダンパーパネルの一部を拡大した正面図である。 制振装置によるスロッシング制振効果を示す模式図である。 実証実験の条件を示す模式図である。 (a)は、実証実験における各試料のパラメータを示す図であり、(b)は、そのパラメータとダンパーパネルとの対応関係を示す図である。 制振装置の液面からの差込長と最高波高との関係を示す実証データである。 ダンパーパネルにおける閉塞率と最高波高との関係を示す実証データである。 変位センサ計測箇所における波高の時系変化を示す実証データであって、(a)は制振装置を配設していない場合のデータを表し、(b)は制振装置を配設した場合のデータを表す。 制振装置設置による減衰定数の変化を示す図である。 第1実施形態に係る第一の別実施形態における制振装置の配置及びスロッシング制振効果を示す模式図である。 第1実施形態に係る第二の別実施形態における制振装置の配置を示す横断平面図である。 本発明の制振装置の第2実施形態を適用した受水槽の縦断側面図である。 本発明の制振装置の第2実施形態の配置を示す横断平面図である。 本発明の制振装置の第2実施形態の斜視図である。 ダンパーパネルとジョイントバーとの組み付け前(a)と組み付け後(b)の斜視図である。 ダンパーパネル、ジョイントバー、及びストッパーキャップの組み付けを示す斜視図である。 制振装置によるスロッシング制振効果を示す模式図である。 制振装置を配設していない場合の最大波高の時系変化を示す実証データである。 制振装置を配設していない場合の応答波高の時系変化を示す実証データである。 固定配置した制振装置における最大波高の時系変化を示す実証データである。 固定配置した制振装置における応答波高の時系変化を示す実証データである。 第2実施形態に係る浮遊配置した制振装置における最大波高の時系変化を示す実証データである。 第2実施形態に係る浮遊配置した制振装置における応答波高の時系変化を示す実証データである。 制振装置を配設していない場合(非制振)、固定配置した制振装置、及び第2実施形態に係る浮遊配置した制振装置のそれぞれにおける加振方向角と最大波高との関係を示す実証データである。
〔第1実施形態〕
本発明のスロシング制振方法及び制振装置の第1実施形態について、貯蔵タンクの一例である受水槽Tに適用した例を、図面に基づいて説明する。したがって、本実施形態においては、上水が本発明の「貯蔵液体」に相当する。なお、本実施形態において、二つの方向を区別するために、便宜上、「左右」と「前後」とを使い分けるが、双方を入れ替えて読んでも実質的な差異はない。
〔受水槽の構成について〕
受水槽Tは、一般的に、図1乃至図3に示すごとく、鉛直方向に沿った状態で、前後方向かつ左右方向に一定間隔を空けて設置された複数の鉛直フレームFVと、水平方向に沿った状態で、前後方向及び左右方向に一定間隔を空けて設置された複数の水平フレームFHと、を備えている。そして、鉛直フレームFVと水平フレームFHとをジャングルジムのような籠状に組み上げて構造体を構成し、その外周にパネルPを取付けてある。受水槽Tの天井部には、保守点検用のマンホールMが設けられている。なお、鉛直フレームFV及び水平フレームFHが、本発明の「構造フレーム」に相当する。
鉛直フレームFVや水平フレームFHには、例えば、ステンレス製の角材やアングル材が使用される。また、パネルPとしては、例えば、ステンレス製のものやFPR製のものが使用される。また、一般的に、鉛直フレームFV及び水平フレームFHは、1000mmピッチに配設され、縦横1000mm程度のパネルPが、これらのフレームFV,FHに取付けられている。本実施形態においては、前後、左右、上下共に4スパンであり、約4000mm×4000mm×4000mmの受水槽Tとなっている。また、マンホールMは、人が出入り可能な大きさである600mm程度に構成されている。
特に図示はしないが、受水槽Tへの給水は受水槽Tの上端部から行われ、受水槽Tからの排水(外部の水使用箇所への給水)は受水槽Tの下端部から行われる。そして、周知のボールタップや定水位弁等によって、受水槽T内の上水Wは一定水位に保たれる。したがって、この一定水位時の液面WLが、本発明の「液面」に相当する。本実施形態においては、一定水位は、受水槽Tの天井から500mm程度に設定されていることとする。つまり、上水Wの貯蔵深さは、貯蔵深さは約3500mmである。
〔制振装置の構成及び配置について〕
制振装置は、後述する4つのパネル状のダンパーパネル1を直線状に並べてパネル状に構成されている。図1乃至図3に示すごとく、二つの制振装置が、受水槽Tの内部のうち最上部のスパン(下から4番目のスパン)に、鉛直方向に沿った状態で設置されている。一方の制振装置は、貯蔵タンクの前後方向に沿った状態で左右方向中央に配設され、他方の制振装置は、貯蔵タンクの左右方向に沿った状態で前後方向中央に配設されている。即ち、二つの制振装置は、互いに90度に交差(直交)している。そして、各制振装置は、受水槽Tの内周の全幅に亘っている。
ダンパーパネル1の一枚の大きさは、約1000mm×1000mmであって、制振装置は、約4000mm×1000mmの大きさである。つまり、貯蔵された上水Wへの制振装置の差込長D(本発明の「所定深さ」に相当する)は約500mmである。上述したように、上水Wの貯蔵深さは約3500mmであるので、制振装置は、貯蔵された上水Wに対して、液面WLから貯蔵深さの1/7の深さまでの範囲に位置していることとなる。
各ダンパーパネル1の上端及び下端は、水平フレームFHに夫々固定され、各ダンパーパネル1の左右(前後)両端部は、鉛直フレームFVに夫々固定されている。
〔ダンパーパネルの構成について〕
ダンパーパネル1は、図4乃至図6に示すごとく、四方枠体2と、「線状体」としての樹脂チューブ3と、を備えている。四方枠体2は、4本のアングル部材2aをボルト連結して構成される。図4における紙面上下方向に沿ったアングル部材2aと、紙面左右方向に沿ったアングル部材2aとは、端部同士が互いに背中合わせとなる状態で連結されている。以下、説明の便宜上、ダンパーパネル1のうち、図4の紙面表面側の面を「表面」とし、その反対側の面を「裏面」と称呼する。
図5及び図6に示すごとく、各アングル部材2aのうち、他のアングル部材2aと背中合わせになっていない部分には、複数の凹部21が、アングル部材2aの長手方向に沿って等間隔で形成されている。凹部21の大きさは、樹脂チューブ3の外径に対応させてある。
樹脂チューブ3は、断面円形状かつ中空状に構成されており、弾性素材で形成されている。また、樹脂チューブ3は、四方枠体2の内周部分の辺長と略同じ長さに形成されている。図5及び図6の部分拡大図に示すごとく、樹脂チューブ3の両端部の夫々には、樹脂チューブ3の外径よりも大径の二つのフランジ部31が間隔を空けて設けられている。二つのフランジ部31によって、凹部21への係止部32が形成されている。係止部32の幅(二つのフランジ部31の隙間)は、アングル部材2aのうち凹部21が形成されている箇所の厚みに合わせられている。
その両端の係止部32を、四方枠体2のうち互いに平行に並んだアングル部材2aの凹部21に夫々係止させることにより、樹脂チューブ3を四方枠体2に取付る。ダンパーパネル1の表面においては、複数の樹脂チューブ3が、図4における紙面上下方向に沿った状態で、等間隔かつ平行に配設されている。ダンパーパネル1の裏面においては、複数の樹脂チューブ3が、図4における紙面左右方向に沿った状態で、等間隔かつ平行に配設されている。即ち、樹脂チューブ3は、四方枠体2に対して格子状に配設されている。そして、複数の樹脂チューブ3によって流体の流通は阻止され、かつ、樹脂チューブ3と樹脂チューブ3との複数の隙間によって流体の流通は許容される。
また、上記紙面上下方向に沿った表面の樹脂チューブ3と、上記左右方向に沿った裏面の樹脂チューブ3とは、図5に示すように、少し距離を空けて配設されており、これらの樹脂チューブ3の間に空間ができている。よって、流体の制振装置流通時に、この空間内で対流が起こり、上水Wの揺動エネルギーが減衰される。
樹脂チューブ3のアングル部材2aからの抜け止め構造について説明する。ダンパーパネル1は、図4乃至図8(特に、図5の部分拡大図、図6、図8参照)に示すごとく、抜け止め用のフラットバー4を備えている。フラットバー4には、波状の切欠部41が形成されている。切欠部41の凹凸の一つ一つは、樹脂チューブ3のフランジ部31の外径に対応した大きさに設定されている。そして、樹脂チューブ3を四方枠体2に取付けた状態において、図4乃至図6に示すごとく、切欠部41が係止部32よりも中心側のフランジ部31に作用する状態で、フラットバー4をアングル部材2aに取付ける。アングル部材2aの両端に形成された丸形状のボルト孔22とフラットバー4の両端に形成された丸形状のボルト孔42とをボルト連結することで、フラットバー4は四方枠体2に固定される。このように、係止部32に作用する凹部21と内側のフランジ部31に作用する切欠部41とによって、樹脂チューブ3の外周が挟持されるので、樹脂チューブ3がアングル部材2aから抜け出すことはない。
図4、図6及び図7に示すごとく、アングル部材2aの夫々には、複数の長孔状のボルト孔23(ルーズホール)が設けられている。このボルト孔23を介して、四方枠体2(ダンパーパネル1)は受水槽Tの構造フレーム(鉛直フレームFV、水平フレームFH)にボルト連結される。ボルト孔23は長孔状であるので、ダンパーパネル1の位置調整が容易である。なお、全てのボルト孔23を使う必要はなく、固定上必要なボルト孔23のみを使えば良い。
ダンパーパネル1は、以上のような構成であるので、アングル部材2aと樹脂チューブ3とフラットバー4とを、マンホールMから受水槽Tの内部に持ち込んで、受水槽Tの底部の安定した位置でダンパーパネル1を組み立て、それから、受水槽Tの構造フレーム(鉛直フレームFV、水平フレームFH)に取付けることが可能である。よって、上述したようにダンパーパネル1のサイズがマンホールMのサイズよりも大きくても、制振装置を無理なく受水槽Tに設置することが可能である。
〔制振装置の制振効果について〕
以上のような構成の制振装置であれば、例えば、受水槽Tがどの方向に沿って揺れても、スロッシング時に受水槽Tのうち上層部分において、上水Wは必ず制振装置を流通し、上水Wが制振装置を流通する際に、流通制限によって上水Wの見かけ上の粘度が上昇し、樹脂チューブ3の断面円形状によって、樹脂チューブ3を増やすことなく、樹脂チューブ3の外周面と上水Wとの接触面積が増大し、樹脂チューブ3が弾性変形し、表面の樹脂チューブ3と裏面の樹脂チューブ3との間の空間において対流が生じるので、制振装置の前後において、図9に示すごとく、上水Wの揺動エネルギーが減衰され、効率良くスロッシングを制振することができる(図9に実線で示した液面WL参照)。なお、図9において二点鎖線で示したWL−0は、制振装置を配設していない場合におけるスロッシング時の液面である。
また、上述のような制振方法であれば、制振装置の差込長Dが水深の1/7程度であっても十分な制振効果があり、液面Wから受水槽Tの底部までに亘って制振装置を設置するような場合と比較して、制振装置の受水槽Tへの取付け作業が簡易である。したがって、既存の受水槽Tへの制振装置の施工も簡単に行える。
〔実証実験について〕
本発明の制振装置の効果を確認する実証実験を行ったので、その実証実験の条件及び実証結果を図10乃至図15に基づいて説明する。
1.使用した水槽等について
図10に示すごとく、貯蔵タンクとして、幅1000mm×奥行900mm×高さ750mmの水平断面形状四角形の水槽を用意した。水槽には、水深450mmまで注水してある。水槽を起振する手段として油圧式の振動台Aを使用した。水槽上方において、水槽の一側面から10mmの位置及び250mmの位置にレーザー式の変位センサSを設置した。特に図示はしないが、液面には測定用のマイクロビーズ(直径0.5mm、発泡ポリスチレン樹脂)を一面に浮遊させた。
起振条件は、水槽の一次固有振動数である0.83Hzの変位±3mm、20サイクルとした。変位センサSにより波高を起振開始から180秒間測定し、その間における最高波高を求めると共に、減衰波形に基づいて制振装置による減衰定数を算出した。
2.使用した制振装置について
制振装置は、縦200mm×横200mmのダンパーパネル1を4枚直線状に連結して構成し、その制振装置を、奥行き方向に沿った状態で水槽の中央部に設置した。樹脂チューブ3は直径6mmのものを使用した。
3.第一実証実験について
制振装置の差込長Dによって制振装置のスロッシング制振効果がどのように変わるかを実験した。差込長Dを0mm(制振装置設置せず・非制振)、50mm(水深の1/9)、100mm(水深の1/4.5)、150mm(水深の1/3)、350mm(水深の約1/1.3)の五種類に変更して実験した。試料(制振装置)としては、樹脂チューブ3の縦ピッチVと横ピッチH(図11(b)参照)とが、20mm×20mmのダンパーパネル1を使用した。
第一実証実験の結果を図12に示す。差込長Dが0mm(非制振時)の場合は、最高波高256mmであった。これに対し、制振装置を設置した場合、図12に示すように、差込長Dが大きくなるにつれて、制振効果は高まるものの、差込長Dと制振効果とは線形的に比例するものではなかった。即ち、本実験により、差込長Dが水深の1/9(50mm)から1/3(150mm)であれば、制振装置の制振効果が十分に発揮されることが分かった。
4.第二実証実験について
ダンパーパネル1の閉塞率によって制振装置のスロッシング制振効果がどのように変わるかを実験した。試料(制振装置)として、図11(a)に示すごとく、樹脂チューブ3の縦ピッチVと横ピッチH(図11(b)参照)とが、40mm×40mm(閉塞率28%)のものと、20mm×20mm(閉塞率51%)のものと、縦10mm×横10mm(閉塞率84%)のものと、を使用した。また、制振装置の差込長Dは150mmとした。
第二実証実験の結果を図13に示す。図13においても、第一実証実験(図12参照)と同様に、非制振時の最高波高(256mm)をプロットしてある。第二実証実験からは、閉塞率が28%であっても、波高を半減させられることや、制振装置の閉塞率を上げればスロッシング制振効果が二次曲線的に向上すること等が分かった。これらの結果から、閉塞率を100%(開口なしの単なるパネル)にすれば最も制振効果が高いと考えられる。しかし、閉塞率を上げることは施工手間の増大に繋がり、かつ、貯蔵タンクへの搬入ができなくなる虞もある。その一方で、閉塞率が28%であっても、相当の制振効果が得られるので、閉塞率は、施工性と制振効果とのバランスを勘案して適宜設定すると良いと言える。
5.その他の考察
(1)第一実証実験の結果に基づいて、制振装置の差込長Dが150mmであるとき波高の時系変化を図14に示した。図14(a)は制振装置を配設していない場合のデータを表し、図14(b)は制振装置を配設した場合のデータを表している。図14(a)と(b)とを比較すると、本発明の制振装置による優れたスロッシング制振効果が理解できると共に、制振装置を設置していないと、図14(a)に示すごとく、起振している間(約16.6秒間)は、波高が増大し続けているのに対し、制振装置を設置すると、起振途中から波高の成長が抑制されていることが分かる。
(2)第二実証実験の結果に基づいて、制振装置を設置することによって減衰定数がどのように変化するかを図15に示した。図15から、制振装置を設置すると、制振装置を設置していない場合(非制振時)と比較して飛躍的に減衰定数が上昇していることが分かる。
〔第一の別実施形態〕
上述の実施形態の制振方法では、制振装置を鉛直方向に沿った状態で配設したが、図16に示すごとく、水平方向に沿った状態の別の制振装置をさらに配設してあっても良い。この場合、鉛直方向に沿った状態の制振装置(ダンパーパネル1)の下端と同レベルの深さに、水平方向に沿った状態のダンパーパネル1を受水槽Tの内周に沿って設けて別の制振装置を構成すると良い。別の制振装置を設けると、鉛直方向に沿った制振装置によって表面の波を制振しつつ、水平方向に沿った制振装置によって、受水槽Tの下層での水の揺らぎが表面の波に伝わり難くなって、かつ、受水槽Tの側壁に沿って波が立ち上がるのが抑制され、より効率良くスロッシングを制振できる。
なお、別の制振装置は、必ずしも鉛直方向に沿った状態の制振装置(ダンパーパネル1)の下端と同レベルに設置しなければならないわけではない。例えば、別の制振装置が、鉛直方向に沿った状態の制振装置(ダンパーパネル1)の下端よりも高い位置に設置されても、鉛直方向に沿った状態の制振装置のみを設置した場合と比較して、スロッシングの制振効果は向上する。
〔第二の別実施形態〕
上述の実施形態の制振方法とは異なって、制振装置を、図17に示すごとく、受水槽Tの対角に亘るように配設しても良い。本構成であれば、水平断面形状が四角形である受水槽Tにおいて、最も効率良く広範囲に制振装置を配設でき、制振装置によるスロッシング制振効果を効率良く最大限に発揮させられる。
〔その他の別実施形態〕
(1)特に図示はしないが、本発明の制振方法において、制振装置は、広範囲に波を受け止められるのであれば、90度に交差(直交)していなくても、受水槽Tの内周の全幅に完全に亘っていなくても良い。
(2)上述の実施形態の制振装置においては、貯蔵液体が塩素を含有する上水Wであったので、線状体を樹脂製としたが、貯蔵する液体によっては、線状体は樹脂製でなくても良く、例えば、金属性のものであっても構わない。
(3)上述の実施形態の制振装置においては、線状体(樹脂チューブ3)を弾性素材で形成したが、弾性を有さないものであっても良い。
(4)上述の実施形態の制振装置においては、線状体を円形断面の中空状(チューブ状)に形成したが、これに限られるものではない。線状体は、他形状の断面形状であっても良く、また、中空状でなくても良い。
(5)上述の実施形態の制振装置においては、線状体(樹脂チューブ3)の外周面の形状については触れなかったが、線状体の外周面に凹凸を形成すると、制振装置のスロッシング制振効果が向上する。
(6)上述の実施形態の制振装置においては、線状体を格子状に設置したが、これに限られるものではない。線状体を平行な状態に配設しただけの制振装置であっても良い。
(7)上述の実施形態の制振装置においては、アングル部材2aを4本連結して四方枠体2を構成したが、四方枠体2はその他の部材(角材、丸材、フラットバー4等)を連結して構成してあっても良い。
(8)上述の実施形態の制振装置においては、樹脂チューブ3の端部をアングル部材2aとフラットバー4で挟持して、樹脂チューブ3の抜け止めを行ったが、この抜け止めの構成はこれに限られるものではなく、その他の構成であっても良い。
(9)上述の実施形態の制振装置においては、複数の樹脂チューブ3を一つ一つ四方枠体2に取付けたが、複数の樹脂チューブ3の端部同士を連結したような構成であっても良い。本構成であれば、複数本の樹脂チューブ3を四方枠体2に一度に取付けられる。
(10)上述の実施形態の制振方法においては、四方枠体2と線状体とを備えた制振装置を使用したが、制振装置はこの構成のものでなくても良い。液体の流通を許容する部分と前記液体の流通を阻止する部分とを夫々複数有するパネル状のものであれば、制振装置は、パンチングメタルや目の詰まったグレーチング状のものであっても良い。ただし、この場合は、制振装置を折畳式にしたりして、マンホールMから搬入可能なように構成すると良い。
(11)上述の実施形態においては、適用可能な貯蔵タンクとして、「構造フレーム」を備える受水槽を例示したが、これに限定されるものではなく、他にも例えば、「構造フレーム」を備えていないFRP水槽等に適用しても良い。
〔第2実施形態〕
続いて、本発明のスロシング制振方法及び制振装置の第2実施形態について、貯蔵タンクの一例である受水槽Tに適用した例を、図面に基づいて説明する。
〔受水槽の構成について〕
本実施形態における受水槽Tは、図18及び図19に示すごとく、一般的な箱状躯体として構成される。尚、当該受水槽Tにおけるその他の構成については、「構造フレーム」を備えていないことを除いて、上述の第1実施形態の受水槽Tの略同様と考えて良い。
〔制振装置の構成及び配置について〕
本実施形態における制振装置は、所謂「フロート式」の制振装置であって、図18及び図19に示すごとく、互いに90度で交差(直交)する二つの制振装置が、受水槽Tの内部の上水Wに浮いた状態で配置される。尚、制振装置のサイズや、貯蔵された上水Wへの制振装置の差込長D(本発明の「所定深さ」に相当する)は上述の第1実施形態と同様である。
本実施形態における制振装置は、ダンパーパネル50、第1及び第2ジョイントバー55,56、並びにストッパーキャップ60を備えて構成されている。
〔ダンパーパネルの構成について〕
ダンパーパネル50は、矩形の平板であり、ポリエチレン等の樹脂で構成されている。以下説明の便宜上、ダンパーパネル50の幅方向X1と長手方向X2とを図21に示すごとく定義する。
ダンパーパネル50は、その両面に、長手方向X2に延びる複数の溝51が幅方向X1に等間隔で設けられており、凹凸面が形成されている。また、厚み方向に貫通する複数の穴52が、ダンパーパネル50の略全面域にわたるように所定の間隔で整列配置されている。尚、ダンパーパネル50の開口率は10%〜50%とすることが望ましい。さらに、ダンパーパネル50の幅方向X1の両端には、断面T字状の係合部53を設けてある。尚、ダンパーパネル50は、溝51のいずれにおいて長手方向X2に沿って切断したとしても、その幅方向X1の両端に係合部53が形成されるように構成されている。
〔第1及び第2ジョイントバーの構成について〕
第1及び第2ジョイントバー55,56はいずれも、略円形の断面を有する棒状の部材であり、ポリエチレン等の樹脂で構成されている。第1ジョイントバー55は、ダンパーパネル50を連結する際に使用され、第2ジョイントバー56は、後述するストッパーキャップ60の補助係合部62に嵌め込んで使用するものであり、基本構成は同じであるが、本実施形態では、第1ジョイントバー55については、第2ジョイントバー56よりも長く、ダンパーパネル50の長手方向X2の長さと略一致するように設定されている。
第1及び第2ジョイントバー55,56の横断面中央部には、長手方向X2に貫通する断面円形の貫通孔57が形成されている。さらに、その貫通孔57の周りを囲むように、長手方向X2に貫通する断面T字状の4つの被係合溝58が周方向に等間隔で形成されている。
図21(a)に示すように、第1ジョイントバー55の被係合溝58に対しては、ダンパーパネル50の係合部53を、被係合溝58の端からスライドさせて被係合溝58の中に嵌め込むことができるように構成されており、勿論、ダンパーパネル50又は第1ジョイントバー55をスライドさせることによってダンパーパネル50から第1ジョイントバー55を取り外すことも可能である。
〔ストッパーキャップの構成について〕
ストッパーキャップ60は、第1及び第2ジョイントバー55,56の両端に取り外し自在に装着可能な部材であり、高密度ポリエチレンやABS樹脂等で構成されている。
以下説明の便宜上、ストッパーキャップ60の幅方向Y1と高さ方向Y2と厚み方向Y3とを図22に示すごとく定義する。また、便宜上、板部61の「表面」と「裏面」とを使い分けるが、これらを入れ替えて読んでも実質的に差異は生じない。
ストッパーキャップ60は、面積が第1及び第2ジョイントバー55,56の断面より大きい略正方形の板部61を備え、その板部61の表面に、断面T字状の補助係合部62を備え、またその裏面に、2つの断面T字状の閉塞用係合部63と、厚み方向Y3の長さが閉塞用係合部63よりも長い閉塞用円柱部64とを備える。
補助係合部62は、表面の幅方向Y1の中央部において、高さ方向Y2の全長に亘るように設けられており、第1及び第2ジョイントバー55,56の被係合溝58に対して嵌め込み可能に構成されている。閉塞用円柱部64は、裏面の中央部に設けられており、第1及び第2ジョイントバー55,56の貫通孔57に対して嵌め込み可能に構成されている。2つの閉塞用係合部63は、裏面の高さ方向Y2の中央部において、閉塞用円柱部64を挟んで対向する位置に設けられており、第1及び第2ジョイントバー55,56の被係合溝58に対して嵌め込み可能に構成されている。
これにより、第1及び第2ジョイントバー55,56の貫通孔57にストッパーキャップ60の閉塞用円柱部64を嵌め込むと共に、第1及び第2ジョイントバー55,56の4つの被係合溝58のうちの対向配置する2つの被係合溝58のそれぞれに、ストッパーキャップ60の2つの閉塞用係合部63のそれぞれを嵌め込むことによって、ストッパーキャップ60を第1及び第2ジョイントバー55,56の端部に取り付けることができる。
〔制振装置の組み立てについて〕
次に、制振装置の組み立て方法について説明するが、これは一例に過ぎず、ダンパーパネル50、第1及び第2ジョイントバー55,56、並びにストッパーキャップ60の組み付け手順については適宜変更して良い。
先ず、図21(a)、(b)に示すように、ダンパーパネル50の2つの係合部53のそれぞれに第1ジョイントバー55を嵌め込む。嵌め込んだ第1ジョイントバー55に対して、新たなダンパーパネル50を嵌め込み、当該新たなダンパーパネル50に対して、さらに別の新たな第1ジョイントバー55を嵌め込みという作業を繰り返して、4枚のダンパーパネル50を連結する。
次いで、図22に示すように、各第1ジョイントバー55の両端に対して、補助係合部62の向きがダンパーパネル50の幅方向X1に沿うようにストッパーキャップ60を装着する。そして長手方向X2の片側の5つのストッパーキャップ60の補助係合部62の全てに亘るように、第2ジョイントバー56を嵌め込み、さらに別の側の5つのストッパーキャップ60の補助係合部62に対しても同様に第2ジョイントバー56を嵌め込んで、4枚のダンパーパネル50を備える一つのパネル(以下、このパネルを構成パネル65と称する)を作製する。
上記作業を繰り返して、4つの構成パネル65を作製する。ただし、そのうちの3つの構成パネル65については、第2ジョイントバー56を一つだけ取り付けるものとする。
最後に、2つの第2ジョイントバー56を備える構成パネル65の片方の第2ジョイントバー56に対し、他の3つの構成パネル65のそれぞれの5つのストッパーキャップ60の補助係合部62を嵌め込むことによって、図20に示されるような4枚の構成パネル65を備え、且つ平面視で十字状となる制振装置を組み立てることができる。
本実施形態においては、2つの構成パネル65を直線状に並べて配置することで一つの制振装置が構成されるが、特にこの構成に限定されるものではない。構成パネル65については、第2ジョイントバー56を介して必要に応じていくらでも横方向に接続することができるため、適用される貯蔵タンクの形状や規模等に応じて、使用する構成パネル65の数については、自由に設定することができる。
また、本実施形態においては、第2ジョイントバー56の長さは、第1ジョイントバー55を介して4枚のダンパーパネル50を連結したときの幅方向X1の全長と同じ長さに設定されているが、特にこの構成に限定されるものではない。ダンパーパネル50については、第1ジョイントバー55を介して必要に応じていくらでも縦方向に接続することができるため、適用される貯蔵タンクの形状や規模等に応じて、構成パネル65に使用するダンパーパネル50の数については、第2ジョイントバー56の長さを適宜設定変更することによって、自由に設定することができる。
〔ダンパーパネル、第1及び第2ジョイントバー、及びストッパーキャップの成形方法について〕
ダンパーパネル50については、公知の押出成形方法によって作製した板材に、パンチング加工を施すことによって容易に作製することができる
第1及び第2ジョイントバー55,56については、公知の押出成形方法等によって作製することができる。また、ストッパーキャップ60については、公知の射出成型方法などによって作製することができる。
ダンパーパネル50、第1及び第2ジョイントバー55,56、及びストッパーキャップ60は、いずれも公知の成形方法によって容易に作製することが可能であるため、適用される貯蔵タンクの形状や規模に応じて、そのサイズを適宜変更し易い。
〔制振装置の制振効果について〕
以上のような構成の制振装置であれば、例えば、受水槽Tがどの方向に沿って揺れても、スロッシング時に受水槽Tのうち上層部分において、上水Wは必ず制振装置を流通し、上水Wが制振装置を流通する際に、流通制限によって上水Wの見かけ上の粘度が上昇し、ダンパーパネル50の凹凸面によって、ダンパーパネル50の外周面と上水Wとの接触面積が増大し、さらに制振装置自体が固定されておらず、上水Wに浮遊しているため、制振装置が水平方向に揺動して波の乱れを生じさせることができ、これにより、制振装置の前後において、図23に示すごとく、上水Wの揺動エネルギーが大きく減衰され、効率良くスロッシングを制振することができる(図23に実線で示した液面WL参照)。なお、図23において二点鎖線で示したWL−0は、制振装置を配設していない場合におけるスロッシング時の液面である。
上述の第1実施形態においては、平面視で十字状に固定された制振装置によって、受水槽Tが平面視で4つの区画に分けられている。そのため、制振装置の開口率が小さい場合(即ち、制振装置の閉塞率が大きい場合)、各区画において固有振動が発生する可能性がある。これにより、受水槽Tの振動と、各区画において生じる固有振動との連成振動によるバルジング現象が発生し、可能性は低いものの共振によって受水槽Tを損壊させる虞がある。
これに対し、第2実施形態のフロート式の制振装置では、制振装置が上水Wの動液圧で適度に移動するため、受水槽T内での動液圧から逃れようとして波の乱れを生じさせ、結果として消波することとなり、バルジング現象の発生を抑制することができる。
〔実証実験について〕
本発明の制振装置の効果を確認する実証実験を行ったので、その実証実験の条件及び実証結果を図24乃至図30に基づいて説明する。
1.使用した水槽等について
貯蔵タンクとして、一辺の長さが480mmの立方体形状の水槽を用意し、水深200mmまで注水した。水槽を起振する手段としての振動台、レーザー式の変位センサ、測定用のマイクロビーズ等については、上述の第1実施形態と同様の構成を採用した。
2.使用した制振装置について
制振装置は、4つの構成パネル65を備える十字状の制振装置であって、ダンパーパネル50の開口率は30%である。この制振装置を、差込長Dが水深の1/3となるように、水槽の中央部に固定して配置したものと、上記第2実施形態に係る浮かべた状態で配置したものとをそれぞれ用意した。
3.起振条件について
起振条件は、水槽の一次固有振動数である1.3Hzの変位±3mm、20サイクルとした。変位センサにより波高を起振開始から30秒間測定し、その間における最大波高を求めると共に、応答波高と減衰曲線とを求めた。また、水槽への加振方向を0°〜45°まで変化させて測定し、制振装置を配設していない場合(非制振)の0°を1として相対比較した。
図24〜図29に示すとおり、固定配置の制振装置及び浮遊配置の制振装置はいずれも、制振装置を配設していない場合と比べて、最大波高及び応答波高が小さく、優れたスロッシング制振効果を発揮することが理解できる。また特に図26〜図29に示すように、第2実施形態に係る浮遊配置の制振装置は、固定配置の制振装置よりも最大波高及び応答波高が小さく、より優れたスロッシング制振効果を発揮することが理解できる。
図30に示すとおり、水槽への加振方向を変化させた場合についても、固定配置の制振装置及び浮遊配置の制振装置は、制振装置を配設していない場合と比べて、最大波高が小さく、優れたスロッシング制振効果を発揮することが理解できる。また特に、第2実施形態に係る浮遊配置の制振装置は、小角度の範囲では固定配置の制振装置よりも最大波高がわずかに高くなる場合があるものの、それ以外の角度では固定配置の制振装置よりも最大波高が小さく、より優れたスロッシング制振効果を発揮することが理解できる。
〔その他の別実施形態〕
(1)上述の第2実施形態では、ダンパーパネル50をその長辺が水平となる横長の姿勢で使用しているが、この構成に限定されるものではく、ダンパーパネル50をその長辺が上下方向に沿うように縦長の姿勢で使用して、制振装置を構成しても良い。
(2)上述の第2実施形態に係る制振装置については、第1実施形態における「構造フレーム」を備える受水槽Tに適用することも可能である。また、第1実施形態に係る制振装置と同様に、必ずしも二つの制振装置が90度に交差(直交)していなくても良く、また二つの制振装置の夫々を、貯蔵タンクの内周の全幅に亘る状態で配設したり、あるいは少なくとも何れか一方の制振装置を、貯蔵タンクの対角に亘るように配設したり、またあるいは所定深さをは、貯蔵液体の貯蔵深さの1/9以上、かつ、1/3以下とするように構成しても良い。
本発明のスロッシング制振方法は、受水槽に限らず、流体を貯蔵する四角形断面形状の貯蔵タンクであれば、サイズを含めて上述の受水槽のような構成でない貯蔵タンク(石油タンク等)にも適用できる。さらに、本発明の制振装置は、水平断面形状が四角形の貯蔵タンクでなくとも、その他の形状(他の多角形断面や円形断面)の貯蔵タンクにも適用できる。
1 ダンパーパネル(制振装置)
2 四方枠体フレーム(四方枠体)
3 樹脂チューブ(線状体)
T 受水槽(液体用貯蔵タンク)
FV 鉛直フレーム(構造フレーム)
FH 水平フレーム(構造フレーム)
M マンホール(点検口)
W 水(貯蔵液体)
WL 液面
D 差込長(所定深さ)

Claims (15)

  1. 水平断面形状が四角形である液体用の貯蔵タンクのスロッシング制振方法であって、
    液体の流通を許容する部分と前記液体の流通を阻止する部分とを夫々複数有する二つのパネル状の制振装置を、互いに交差する状態、かつ、前記貯蔵タンクに貯蔵された貯蔵液体に対して液面から所定深さまでの範囲に位置する状態で、鉛直方向に沿って前記貯蔵タンクに配設するスロッシング制振方法。
  2. 二つの前記制振装置の夫々を、前記貯蔵タンクの内周の全幅に亘る状態で配設する請求項1に記載のスロッシング制振方法。
  3. 少なくとも何れか一方の前記制振装置を、前記貯蔵タンクの対角に亘るように配設する請求項2に記載のスロッシングの制振方法。
  4. 前記所定深さは、前記貯蔵液体の貯蔵深さの1/9以上、かつ、1/3以下である請求項1から3の何れか一項に記載のスロッシングの制振方法。
  5. 水平方向に沿った状態の別の前記制振装置を、前記液面から所定深さまでの範囲内に位置するように前記貯蔵タンクに配設する請求項1から4の何れか一項に記載のスロッシング制振方法。
  6. 前記制振装置が、前記貯蔵液体に浮遊した状態で設けられている請求項1から4の何れか一項に記載のスロッシングの制振方法。
  7. 液体用貯蔵タンクに配設されてスロッシングを制振する制振装置であって、
    前記貯蔵タンクの構造フレームに取付けられる四方枠体と、
    前記四方枠体に平行に取付けられる複数の線状体と、が備えられた制振装置。
  8. 複数の前記線状体は、前記四方枠体に格子状に取付けられる請求項7に記載の制振装置。
  9. 前記線状体は、樹脂製である請求項7または8に記載の制振装置。
  10. 前記線状体は、弾性素材によって形成されている請求項7から9の何れか一項に記載の制振装置。
  11. 前記線状体は、円形断面形状である請求項7から10の何れか一項に記載の制振装置。
  12. 前記線状体は、中空状に形成されている請求項7から11の何れか一項に記載の制振装置。
  13. 前記線状体の外周面に、凹凸が形成されている請求項7から12の何れか一項に記載の制振装置。
  14. 前記四方枠体は、分解した状態で前記貯蔵タンクの点検口から搬入可能であり、かつ、前記線状体は、前記四方枠体に対して取外し可能である請求項7から13の何れか一項に記載の制振装置。
  15. 液体用貯蔵タンクに配設されてスロッシングを制振する制振装置であって、
    前記液体用貯蔵タンクに貯蔵された貯蔵液体に対して液面から所定深さまでの範囲に位置する状態で前記液体用貯蔵タンクに貯蔵された貯蔵液体に浮遊可能な、複数の穴を有するパネルを備える制振装置。
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