JPH09143761A - エッチング方法および装置 - Google Patents

エッチング方法および装置

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JPH09143761A
JPH09143761A JP30897895A JP30897895A JPH09143761A JP H09143761 A JPH09143761 A JP H09143761A JP 30897895 A JP30897895 A JP 30897895A JP 30897895 A JP30897895 A JP 30897895A JP H09143761 A JPH09143761 A JP H09143761A
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JP
Japan
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etching
wavelength
film
end point
light
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Application number
JP30897895A
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English (en)
Inventor
Masanobu Tsuruko
昌宣 鶴子
Akihiro Kenmochi
秋広 釼持
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、エッチングの終点の検出を精
度よく行え、配線寸法のバラツキ等を低減できるエッチ
ング方法および装置を提供するにある。 【解決手段】エッチング基板10には、エッチング液供
給制御ユニット40により、スプレーノズル20を介し
てエッチング液が噴霧される。エッチング基板10の上
の照射スポット60には、光源50Aから第1の波長λ
1の光が照射され、光源50Bからは第2の波長λ2の
光を照射され、それぞれの反射光は、、光検出器70
A,70Bによって、検出される。演算処理部80は、
2波長の反射率の比を求め、この反射率の比からエッチ
ング終点を検出して、エッチング終点検出信号をエッチ
ング液供給ユニット40に出力して、エッチング液の供
給を停止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エッチング方法お
よび装置に係り、特に、高加工精度、高密度配線形成を
必要とするプリント配線基板、半導体、薄膜配線板等の
電子部品製造に使用するに好適なエッチング方法および
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子部品においては、配線の微細
化や高密度化が進められ、従来から半導体分野等で広く
用いられてきた配線材料アルミニウム(Al)に変わ
り、電気抵抗の低い銅(Cu)が配線材料として多用さ
れるようになってきている。現在、配線材料の加工技術
であるCu膜ウエットエッチング技術は、プリント配線
基板分野で用いられており、配線微細化技術としては、
スプレーノズルを用いてエッチングを行う高精度スプレ
ーエッチング技術が、採用されている。
【0003】しかし、最近では、配線の更なる微細化,
高密度化の要求に応じ、低誘電率の絶縁材料、例えば、
ポリイミドを用いた薄膜多層配線形成も見られるように
なってきている。ポリイミドを用いた薄膜多層配線形成
の場合、接着性向上の目的から、例えば、Cu膜単体で
はなく、Cr/Cu/Cr膜のような積層膜の形成が必
要である。Cr薄膜では特性上、高精度エッチングの実
現が比較的容易である。しかしCu薄膜では、高精度エ
ッチングの実現はかなり困難である。そのため、配線抵
抗等の電気特性を決定するCu薄膜を、如何に高精度で
エッチングするかが、配線の微細化,高密度化を図る上
で重要な技術課題となる。
【0004】薄膜配線の形成においては、エッチング時
間バラツキや配線寸法バラツキを低減し、高精度な微細
配線加工技術の確立が必要であるが、従来からプリント
配線基板に用いている時間規定エッチングでは、流量,
温度,スプレー圧,エッチング液劣化によるエッチング
速度低下等の要因で、エッチング時間や配線寸法に大き
なバラツキが生じる。そこで、微細配線を加工する場合
には、前記要因を低減するため、エッチング途中の状態
を監視しながらエッチング処理を行い、エッチング終点
を明確に認識する必要がある。
【0005】エッチング途中の状態を監視しながらエッ
チング処理を行い、エッチング終点検出を行う方法とし
ては、光透過率や光反射率の違いを利用した方法が知ら
れている。例えば、上記原理を利用したものとして、特
開平3−267385に記載のように、ガラス(SiO
2)基板上のCr膜エッチングのエッチング終点の検出
に、光源からの光を基板に照射し、基板を透過した光の
強度を用いる方法が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、ガラ
ス基板上の単一膜のCr膜をエッチングする場合には、
ガラス表面は平坦であり、ガラス基板の光透過率とCr
膜の光透過率の相違から容易に、Cr膜のエッチングの
終点の検出することは可能である。
【0007】しかしながら、基板として、セラミック基
板を用いた場合でポリイミド等を用いても、その表面が
粗面である場合、その表面の面粗さに応じて、光透過率
や光反射率が変化する。即ち、面が粗いほど反射率が低
下する。ポリイミド等の表面が粗い場合には、その表面
に形成されるCr膜の表面も粗くなり、それに従って、
その上に積層して形成されるCu膜やCr膜の表面も粗
くなる。その結果、従来の方法を用いて、例えば、最上
層のCr膜をエッチングする場合のエッチング終点の検
出や、次層のCu層をエッチングする場合のエッチング
終点の検出が容易でなく、エッチングによって形成され
る配線の寸法にバラツキが生じるという問題があった。
【0008】本発明の目的は、エッチングの終点の検出
を精度よく行え、配線寸法のバラツキ等を低減できるエ
ッチング方法および装置を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、エッチング基板をエッチング液を用いて
エッチングし、上記エッチング基板の光学的性質により
エッチング終点を検出するエッチング方法において、上
記エッチング基板に2種類の波長の光を照射し、上記エ
ッチング基板からの2種類の波長の光の反射光を検出
し、この反射光に基づいて、エッチング終点を検出する
ようにしたもので、かかる方法を採用することにより、
基板側の表面粗さ等の影響を除去して、正確に、エッチ
ング終点を検出し得るものとなる。
【0010】上記エッチング方法において、好ましく
は、上記2種類の波長λ1及びλ2の内、一方の波長λ
1は、エッチングする膜及びこのエッチングする膜の下
層に位置する下層膜のいづれか一方に対してのみ分光反
射特性を有する波長であり、他方の波長λ2は、エッチ
ングする膜及びこのエッチングする膜の下層に位置する
下層膜の双方に対して分光反射特性を有しない波長とし
たものであり、かかる方法により、SN比を向上して、
エッチング終点を検出し得るものとなる。
【0011】上記エッチング方法において、好ましく
は、上記エッチング基板は、銅膜とクロム膜が積層され
る積層構造を有し、上記波長λ1として、600nm以
下とし、上記波長λ2として、600nm以上としたも
のであり、かかる特徴により、配線の寸法のバラツキを
低減し得るものとなる。
【0012】上記エッチング方法において、好ましく
は、さらに、上記エッチング基板に第3の波長λ3の光
を照射し、この波長λ3として、エッチングする膜及び
このエッチングする膜の下層に位置する下層膜の双方に
対して同様の光学的性質を有する波長とし、この第3の
波長λ3に対する反射光を、上記第1若しくは第2の波
長λ1,λ2に対する反射光と比較して、エッチング終
点を検出するものであり、かかる方法により、さらに、
SN比を向上して、エッチング終点を検出し得るものと
なる。
【0013】また、上記目的を達成するため、本発明
は、エッチング基板へのエッチング液を供給を制御する
エッチング液供給制御手段と、上記エッチング基板に第
1の波長λ1と第2の波長λ2の光を照射する光源と、
上記エッチング基板からのそれぞれの波長の光に対する
反射光を検出する光検出手段と、上記光検出手段が出力
する信号に基づいて、エッチング終点を検出するエッチ
ング終点検出手段を備え、このエッチング終点検出手段
からのエッチング終点検出信号に基づいて、上記エッチ
ング液供給手段は、エッチング液の供給を停止するよう
にしたものであり、かかる構成とすることにより、基板
側の表面粗さ等の影響を除去して、正確に、エッチング
終点を検出し得るものとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態につ
いて、図1乃至図7を用いて説明する。図1は、本発明
の一実施の形態によるエッチング装置の原理構成図であ
る。
【0015】エッチング基板10は、例えば、ポリイミ
ド基板の上に、Cr膜−Cu膜−Cr膜の多層薄膜がス
パッタ成膜にて順次積層形成され、さらに、その上に、
ポジ型フォトレジストを塗布してマスク膜が形成されて
いる。
【0016】エッチング基板10の上には、スプレーノ
ズル20が配置されている。エッチング液は、薬液タン
ク30に収容されている。Cr膜のエッチング用には、
フェリシアン化カリウム水溶液を使用し、Cu膜のエッ
チング用には、塩化第二鉄水溶液を使用するので、薬液
タンク30には、フェリシアン化カリウム水溶液及び塩
化第二鉄水溶液がそれぞれ独立して収容されている。薬
液タンク30内のエッチング液は、液供給制御ユニット
40によって、スプレーノズル20に供給・停止され
る。供給されたエッチング液は、スプレーノズル20の
先端から、エッチング基板10上に噴霧され、マスク膜
を介して、Cr膜若しくはCu膜をエッチングする。
【0017】光源50Aは、第1の波長λ1の光を照射
する光源であり、波長λ1の光を選択的に透過するバン
ドパスフィルタ52Aを備えている。光源50Bは、第
2の波長λ2の光を照射する光源であり、波長λ2の光
を選択的に透過するバンドパスフィルタ52Bを備えて
いる。光源50A,50Bから出射した光は、エッチン
グ基板10の上の所定の照射ポイント60の位置に照射
される。この照射ポイントの直径は、例えば、20mm
程度である。
【0018】照射ポイント60から反射した波長λ1の
光は、第1の光検出器70Aによって、電気信号に変換
される。照射ポイント60から反射した波長λ2の光
は、第2の光検出器70Bによって、電気信号に変換さ
れる。光検出器70A,70Bの出力信号は、照射ポイ
ント60におけるエッチング基板10の反射率を表す信
号として、演算処理部80に入力する。
【0019】演算処理部80は、波長λ1に対する電気
信号と波長λ2に対する電気信号の比(λ1/λ2)の
演算を行う。この比の信号は、Cr膜をエッチングして
いる場合、エッチング開始時には、Crの反射率を表す
信号であり、エッチングが進行し、Cr膜の下からCu
膜が露出すると、Cuの反射率を表す信号に変化する。
従って、この信号の変化に基づいて、エッチングの終点
を検出する。演算処理部80は、エッチングの終点を検
出すると、液供給制御ユニット40に終点検出信号を送
り、エッチング液の供給を停止して、エッチングを終了
する。
【0020】ここで、2種類の波長λ1,λ2は、エッ
チングする膜の材料及びエッチングする膜の下に存在す
る下層膜の材料に応じて選ばれるものであり、その詳細
については、後述するが、例えば、Cr膜−Cu膜−C
r膜の多層膜のエッチングの際には、波長λ1として、
632nmの光を用い、波長λ2としては、450nm
の光を用いる。波長λ1(632nm)の光及び波長λ
2(450nm)の光に対して、Cuは反射率が異なっ
ている。しかしながら、表面の粗さに対して、波長λ1
(632nm)の光及び波長λ2(450nm)の光は
同じ影響を受けるため、演算処理部80において、光検
出器70A,70Bの比を演算することにより、基板表
面の粗さの影響を除去して、Cu膜若しくはCr膜の反
射率を検出できるので、基板表面の粗さの程度に拘ら
ず、エッチング終点を精度よく検出することができる。
また、基板の表面には、エッチング液が滞留し、また流
動しているが、この影響をも除去して、エッチング終点
を精度よく検出することができる。
【0021】なお、上述した説明では、2波長に対応し
て2個の光検出器を用いていたが、1個の光検出器で2
波長の光を検出するようにしてもよい。その際には、2
波長の光を弁別するために、それぞれの光源を異なる周
波数で変調し、それぞれの周波数に応じて検波すること
により、2種類の信号を弁別することができる。
【0022】また、光源は1個として、2種類のバンド
パスフィルタを備えることにより、2種類の波長の光を
エッチング基板に照射するようにしてもよい。
【0023】次に、図2を用いて、光源及び光検出器の
具体的構成について説明する。図2は、本発明の一実施
の形態によるエッチング装置に用いる光源及び光検出器
の断面図である。
【0024】エッチング基板10は、最下層がポリイミ
ドを塗布した基板11であり、その上に、Cr膜12が
スパッタ成膜にて形成され、その上に、Cu膜13がス
パッタ成膜にて形成され、その上に、Cr膜14がスパ
ッタ成膜にて形成されており、Cr膜−Cu膜−Cr膜
の多層薄膜が形成されている。多層薄膜の上には、さら
に、ポジ型フォトレジスト膜15を塗布した後、配線パ
ターンのマスクを介して露光し、露光部分を除去して、
配線パターンのマスク膜が形成されている。フォトレジ
スト膜が除去されており、Cr膜の露出している部分の
面積は、全体の面積の90%程度であり、大部分のCr
膜が露出している状態である。
【0025】エッチング基板10の上には、エッチング
終点検出装置100が配置されている。エッチング終点
検出装置100の筺体の側壁には、光源50が取り付け
られており、光源50には、2種類の光源50A,50
Bが固定されている。光源50Aは、青色LEDランプ
であり、ピーク波長が450nmの光を発する。光源5
0Bは、橙色LEDランプであり、ピーク波長が632
nmの光を発する。
【0026】光源50から出射された光は、ハーフミラ
ー56によって50%の光が反射され、エッチング基板
10の照射スポット60の位置に照射される。エッチン
グ基板10からの反射光は、ハーフミラー56によって
50%の光が透過し、ハーフミラー58に導かれる。ハ
ーフミラー58で反射された光は、ピーク波長が450
nmで、半値幅が10nmのバンドパスフィルタ52A
を透過して、例えば、CCDを用いた光検出器70Aに
よって電気信号に変換される。ハーフミラー58を透過
した光は、ピーク波長が632nmで、半値幅が10n
mのバンドパスフィルタ52Bを透過して、例えば、C
CDを用いた光検出器70Bによって電気信号に変換さ
れる。
【0027】なお、バンドパスフィルター52A,52
Bの位置は、光検出器の前に配置しているが、図1にお
いて原理説明したように、光源の直後に配置して、エッ
チング基板に照射される光を特定波長の光としてもよ
い。いづれにしても、特定の2波長の光に対するエッチ
ング基板の反射率を検出できる構成であればよい。
【0028】次に、図3乃至図7を用いて、多層薄膜の
エッチング終点の検出方法について説明する。図3は、
本発明の一実施の形態によるエッチング基板のエッチン
グ工程を説明する図であり、図4は、Cr膜やCu膜等
の分光反射率の特性図であり、図5は、フォトレジスト
膜の感光特性図であり、図6は、本発明の一実施の形態
による2波長方式によるエッチング終点の検出原理説明
図であり、図7は、ポリイミドを塗布した基板の上に形
成されたCr膜のエッチング終点の検出原理説明図であ
る。
【0029】図3(a)において、エッチング基板10
は、最下層がポリイミドを塗布した基板11であり、そ
の上に、Cr膜12がスパッタ成膜にて形成され、その
上に、Cu膜13がスパッタ成膜にて形成され、その上
に、Cr膜14がスパッタ成膜にて形成されており、C
r膜−Cu膜−Cr膜の多層薄膜が積層形成されてい
る。多層薄膜の上には、さらに、ポジ型フォトレジスト
膜15を塗布した後、配線パターンのマスクを介して露
光し、その一部は除去され、Cr膜14が露出してい
る。
【0030】この状態で、図1に示したスプレーノズル
20から、フェリシアン化カリウム水溶液を噴霧して、
Cr膜14をエッチングする。Cr膜14のエッチング
終点は、光検出器70A,70Bからの信号に基づい
て、演算処理部80によって検出される。エッチング終
点が検出されると、演算処理部80は、終点検出信号を
液供給制御ユニット40に送って、エッチング液の噴霧
を停止する。最上層のCr膜のエッチングが終了する
と、図3(b)に示す状態となる。
【0031】図3(b)に示した状態で、Cr膜用のエ
ッチング液を除去後、液供給制御ユニット40は、薬液
タンク30内の塩化第二鉄水溶液を、スプレーノズル2
0からエッチング基板10上に噴霧して、Cu膜13の
エッチングを開始する。Cu膜13のエッチング終点
は、光検出器70A,70Bからの信号に基づいて、演
算処理部80によって検出される。エッチング終点が検
出されると、演算処理部80は、終点検出信号を液供給
制御ユニット40に送って、エッチング液の噴霧を停止
する。Cu膜13のエッチングが終了すると、図3
(c)に示す状態となる。
【0032】図3(c)に示す状態で、Cu膜用のエッ
チング液を除去後、液供給制御ユニット40は、薬液タ
ンク30内のフェリシアン化カリウム水溶液をスプレー
ノズル20からエッチング基板10上に噴霧して、Cr
膜12のエッチングを開始する。Cr膜12のエッチン
グ終点は、光検出器70Aからの信号に基づいて、演算
処理部80によって検出される。即ち、Cr膜12のエ
ッチング終点検出は、1波長方式で行うが、この詳細に
ついては、図7を用いて後述する。エッチング終点が検
出されると、演算処理部80は、終点検出信号を液供給
制御ユニット40に送って、エッチング液の噴霧を停止
する。Cr膜12のエッチングが終了すると、図3
(d)に示す状態となり、エッチングを完了する。
【0033】次に、2波長方式によるエッチング終点の
検出原理の詳細について、以下に説明する。
【0034】図4において、曲線200は、Cuの波長
に対する反射率の特性を示しており、曲線210は、C
rの波長に対する反射率の特性を示している。また、曲
線220は、ポリイミドの波長に対する反射率の特性を
示している。なお、曲線230は、Au(金)の、ま
た、曲線240は、Rh(ロジウム)の反射率の特性を
示しているが、これらについては、後述する。
【0035】図4の曲線200に示すように、Cuは、
波長600nm以上では、反射率は、90%以上の高い
反射率を示すが、波長600nm以下では、反射率が低
下し、特に、500nm以下では、反射率は、60%以
下に低下する。一方、曲線210に示すように、Cr
は、全波長範囲で、反射率は、ほぼ一定であり、90%
程度の全反射を示している。
【0036】従って、最上層のCr層をエッチングする
際のエッチング終点検出用の2波長として、第1の波長
λ1は、600nm以下の450nmとし、第2の波長
λ2は600nm以上の632nmとしている。この理
由としては、エッチング層の下に位置する下層の材料で
あるCuに対して、波長λ1に対するCu(曲線20
0)の反射率R1(Cu)(約55%)と波長λ2に対
するCu(曲線200)の反射率R2(Cu)(約90
%)では、その反射率の比(R1(Cu)/R2(C
u))は、約0.4である。一方、エッチング層である
Crに対して、波長λ1に対するCr(曲線210)の
反射率R1(Cr)(約90%)と波長λ2に対するC
r(曲線210)の反射率R2(Cr)(約90%)で
は、その反射率の比(R1(Cr)/R2(Cr))
は、約1.0であり、エッチング層であるCr層のエッ
チングが終了し、Cu層が露出することにより、反射率
の比が大きく変化するので、エッチング終点の検出が容
易だからである。即ち、エッチング終点の検出に使用す
る2波長λ1,λ2としては、エッチング層に対する2
波長の反射率比とエッチング層の下層に対する2波長の
反射率比が相違する2波長が選択される。この反射率の
相違が大きいほどエッチング終点の検出が容易となる。
【0037】また、一方の膜が、例えば、Cr膜のよう
に、所定の波長範囲内で、反射率が高く、しかも、分光
反射率がそれほど変化しない、換言すると、その波長範
囲内で分光反射特性を有しない材料であり、他方の膜
が、例えば、Cu膜のように、600nm以上では、上
述する意味での分光反射特性を有さず、600nm以下
では、反射率が波長に応じて変化する分光反射特性を有
する材料である場合には、第1の波長として、一方の材
料に対してのみ、分光反射特性を有する波長、例えば、
600nm以下を選択し、第2の波長として、双方の材
料に対して分光反射特性を有さない波長、例えば、60
0nm以上を選択するようにすればよい。そして、2波
長の比を求め、その比の変化により、エッチング終点を
検出できる。
【0038】従って、Cr−Cu層のエッチングについ
て見ると、Cr層の反射率は、波長によらず、ほぼ一定
であるので、Cu層の分光反射率特性に基づいて2波長
を決めることができる。即ち、図4の曲線200に示す
ように、Cuの分光反射率は、波長を600nmを境と
して、大きく変化するので、第1波長λ1を600nm
以下とし、第2波長λ2を600nm以上とすればよ
い。さらに、反射率比を大きくするためには、図4の曲
線200に示すCuの分光特性から明らかなように、第
1波長λ1としては、分光反射率が特に低下する450
nm以下とすればよい。
【0039】さらに、この波長は、レジストの光吸収特
性をも加味して選択される。即ち、レジストには、ポジ
型レジストとネガ型レジストがあるが、ネガ型レジスト
の場合には、感光ダメージを考慮する必要がある。
【0040】図5は、レジストの分光吸収率の一例を示
す図である。
【0041】図5において、曲線300は、ネガ型レジ
ストの分光吸収率の一例であり、280nmに吸収ピー
クを有している。これは、一例であり、吸収ピークの位
置は、レジスト材料によっても異なるが、紫外域の短波
長側にピークを有する。従って、第1波長λ1を450
nm以下とする場合には、感光ダメージを考慮を考慮し
て、第1波長λ1を450nmとし、半値幅が10nm
程度のバンドパスフィルタを使用すれば、感光ダメージ
は殆ど影響しなくなる。即ち、ネガ型レジストを使用す
る場合には、450nm程度の波長の光を用いることが
好ましい。
【0042】また、図5において、曲線310は、ポジ
型レジストの分光吸収率の一例であり、350nmに吸
収ピークを有している。これは、一例であり、吸収ピー
クの位置は、レジスト材料によっても異なるが、紫外域
の長波長側にピークを有する。但し、ホジ型レジストの
場合には、感光ダメージについて考慮する必要はなく、
450nm以下の適当な波長を第1波長λ1として選択
できる。
【0043】さらに、光源との関係において、2波長
は、選択される。即ち、白色光を発す光源であれば、任
意の中心波長を有するバンドパスフィルタを使用するこ
とにより、任意の波長を選択できるが、発光ダイオード
を光源として使用する場合には、それぞれ発光波長が予
め決まっているため、上記した基準に応じて、適宜発光
ダイオードを選択する。
【0044】Cr−Cuのエッチングの際には、上述し
た条件を勘案して、第1波長λ1用の光源として、ピー
ク波長が450nmの光を発する青色LEDランプを使
用し、また、第2波長λ2用の光源として、ピーク波長
が632nmの光を発する橙色LEDランプを使用して
いる。
【0045】以上は、Cr層をエッチングし、Cr層の
下にCu層がある場合であるが、Cu層をエッチング
し、Cu層の下にCr層がある場合についても、同様で
ある。
【0046】次に、2波長を用いて、その反射率の比か
らエッチング終点を検出する原理について、図6を用い
て説明する。図6は、本発明の一実施の形態によるエッ
チング方法のエッチング終点検出の原理を説明する図で
ある。
【0047】第1波長λ1に対する反射率をR1、第2
波長λ2に対する反射率をR2とすると、図1の演算処
理部80は、1−(R1/R2)を演算する。図6の一
点鎖線は、Cr層をエッチングし、その下にCu層があ
る場合の演算処理部80の演算結果を示している。即
ち、Cr層のエッチング開始時には、反射率R1,R2
ともにほぼ等しいため、演算結果は、ほぼ0となってい
る。Crのエッチングが進行すると、徐々にCu層が露
出してくる。Cu層に対する反射率比R1/R2は、ほ
ぼ0.4であるため、演算結果は、Cu層が露出するに
従い、徐々に増加し、Cr層のエッチングが終了する
と、ほぼ一定値となる。従って、演算結果が変化し、一
定値となることにより、エッチング終点を検出すること
ができる。
【0048】ここで、演算処理部80は、1−(R1/
R2)の演算を行うものとして説明したが、(R1/R
2)の演算を行うようにしてもよい。
【0049】また、図6の実線は、Cu層をエッチング
し、その下にCr層がある場合の演算処理部80の演算
結果を示している。即ち、Cu層のエッチング開始時に
は、反射率比R1/R2は、ほぼ0.4であるため、演
算結果は、0.6となっている。Cuのエッチングが進
行すると、徐々にCr層が露出してくる。Cr層に対す
る反射率比R1/R2は、ほぼ1であるため、演算結果
は、Cr層が露出するに従い、徐々に減少し、Cu層の
エッチングが終了すると、ほぼ一定値の0となる。従っ
て、演算結果が変化し、一定値となることにより、エッ
チング終点を検出することができる。
【0050】なお、上述の説明では、2波長に対する反
射率の検出信号R1,R2の比R1/R2を求め、この
比R1/R2の信号の変化によりエッチング終点を検出
するものとして説明したが、図4の反射率の特性から理
解されるように、2波長に対する反射率の検出信号R
1,R2の差、例えば、(R1−R2)を演算するよう
にしても、Cu膜のエッチング時には、その差信号は大
きく、Cr膜が露出すると差信号は、ほぼ0となること
から、エッチング終点を検出することはできる。
【0051】なお、オーバーエッチングが必要な場合に
あっては、上記エッチング終点から一定時間エッチング
を継続するようにエッチング液供給を制御すればよい。
【0052】一方、図3(d)に示したポリイミド膜の
上に形成されたCr層をエッチングする場合には、上述
した2波長方式は使用できない。その理由は、ポリイミ
ドの分光反射率特性にある。即ち、ポリイミドは、殆ど
光を透過するため、その分光反射率特性は、図4の曲線
220に示すようになる。従って、第1波長450nm
に対するポリイミドの反射率は、約3.5%であり、第
2波長632nmに対するポリイミドの反射率は、約6
%であり、ともに、0に近く、その反射率の比を正確に
求めることは困難である。従って、ポリイミド膜の上に
形成されたCr層をエッチングする場合には、上述した
2波長λ1,λ2のいづれか一方の波長の光を用いる。
【0053】次に、ポリイミド膜の上に形成されたCr
層をエッチングする場合のエッチング終点の検出方法に
ついて図7を用いて説明する。図7は、本発明の一実施
の形態による下層のCr層をエッチングする場合のエッ
チング終点の検出方法の説明図である。
【0054】図7において、曲線400,410,42
0は、それぞれ、図1に示した演算処理部80が第1の
波長λ1による反射率R1を取り込んだ時の変化を示し
ている。曲線400は、ポリイミド膜の表面の粗さが少
ない場合であり、曲線410は、ポリイミド膜の表面の
粗さが曲線400に比べて多い場合であり、曲線410
は、ポリイミド膜の表面の粗さがさらに粗い場合であ
る。ポリイミド膜の表面が粗い程、Cr膜の粗さも粗
く、乱反射の影響で反射率が低下している。しかしなが
ら、曲線400,410,420のいづれにしても、C
r膜のエッチングが進み、ポリイミド膜が露出してくる
と、反射率R1若しくはR2が低下し、ポリイミド膜が
露出すると、反射率は、ほぼ0に低下する。この反射率
の低下により、Cr膜のエッチング終点を検出する。
【0055】なお、基板とは、ポリイミド膜について説
明したが、他の材料、例えば、セラミック基板等につい
ても、同様にして、セラミック基板自体の表面粗さに起
因するその上に形成される積層薄膜の表面粗さの問題や
エッチング液の流動による反射率の揺らぎの問題は発生
するので、2波長方式を採用することにより、エッチン
グ終点を検出できる。
【0056】なお、上述したCr/Cu/Cr膜エッチ
ングにおいて、ネガ型レジストに替え、ホジ型レジスト
を用いてもよい。ポジ型レジストを用いる場合、エッチ
ング終点検出波長にレジスト感光ダメージを受ける波長
領域の波長を用いても、金属との密着性,レジストの耐
エッチング液性等が低下する恐れはなく、バントパスフ
ィルタを使用する必要はない。
【0057】更には、ホジ型レジストを用いる場合、検
出信号SN比向上を図るため、分光特性を有する波長光
λ1を、Cr膜とCu膜の反射率の違いが増大する波長
450nm以下に規定してもよい。
【0058】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、2波長方式をとり、エッチング終点の検出に使用す
る2波長λ1,λ2としては、エッチング層に対する2
波長の反射率比とエッチング層の下層に対する2波長の
反射率比が相違する2波長を用いることにより、また、
第1の波長として、一方の材料に対してのみ分光反射特
性を有する波長を用い、第2の波長として双方の材料に
対して分光反射特性を有さない波長を用いることによ
り、基板層等の表面粗さの影響やエッチング液の流動の
影響を取り除いて、エッチング終点を精度よく検出で
き、配線寸法のバラツキ等の低減することが可能とな
る。
【0059】また、上述した例では、Cr/Cu/Cr
の積層薄膜のエッチングについて説明したが、本発明
は、他の材料のエッチングにも適用できるものであり、
かかる点について、以下に説明する。
【0060】最初に、Cr/Au/Crの積層薄膜のエ
ッチングについて、図4を用いて、説明する。
【0061】図4において、曲線230に示すように、
Au(金)は、波長580nm以上では、反射率は、9
0%以上の高い反射率を示すが、波長580nm以下で
は、反射率が低下し、特に、480nm以下では、反射
率は、40%程度まで低下する。一方、曲線210に示
すように、Crは、全波長範囲で、反射率は、ほぼ一定
であり、90%程度の全反射を示している。
【0062】従って、Cr−Au層のエッチングについ
て見ると、Cr層の反射率は、波長によらず、ほぼ一定
であるので、Au層の分光反射率特性に基づいて2波長
を決めることができる。即ち、図4の曲線230に示す
ように、Auの分光反射率は、波長を580nmを境と
して、大きく変化するので、第1波長λ1を580nm
以下とし、第2波長λ2を580nm以上とすればよ
い。さらに、反射率比を大きくするためには、図4の曲
線230に示すAuの分光特性から明らかなように、第
1波長λ1としては、分光反射率が特に低下する480
nm以下とすればよい。
【0063】さらに、この波長は、レジストの光吸収特
性をも加味して選択される。即ち、レジストには、ポジ
型レジストとネガ型レジストがあるが、ネガ型レジスト
の場合には、感光ダメージを考慮する必要があるので、
ポジ型レジストを使用する場合には、できるだけ、長波
長の方が好ましく、かかる点から480nmが選択され
る。但し、ポジ型レジストの場合には、感光ダメージに
ついて考慮する必要はなく、480nm以下の適当な波
長を第1波長λ1として選択できる。
【0064】さらに、光源との関係も考慮して、Cr−
Auのエッチングの際には、エッチング終点検出用の2
波長として、第1の波長λ1は、580nm以下の48
0nmとし、第2の波長λ2は580nm以上の632
nmとしている。
【0065】次に、Cr/Rh/Crの積層薄膜のエッ
チングについて、図4を用いて、説明する。
【0066】図4において、曲線240に示すように、
Rh(ロジウム)は、波長350nm以上では、反射率
は、80%程度の高い反射率を示すが、波長350nm
以下では、反射率が低下する。一方、曲線210に示す
ように、Crは、全波長範囲で、反射率は、ほぼ一定で
あり、90%程度の全反射を示している。
【0067】従って、Cr−Rh層のエッチングについ
て見ると、Cr層の反射率は、波長によらず、ほぼ一定
であるので、Rh層の分光反射率特性に基づいて2波長
を決めることができる。即ち、図4の曲線240に示す
ように、Rhの分光反射率は、波長を350nmを境と
して、大きく変化するので、第1波長λ1を350nm
以下とし、第2波長λ2を350nm以上とすればよ
い。さらに、反射率比を大きくするためには、図4の曲
線240に示すRhの分光特性から明らかなように、第
1波長λ1としては、分光反射率が特に低下する300
nm以下とすればよい。
【0068】さらに、この波長は、レジストの光吸収特
性をも加味して選択される。即ち、レジストには、ポジ
型レジストとネガ型レジストがあるが、ネガ型レジスト
の場合には、300nm以下では、感光ダメージが生じ
るため、使用することができず、ポジ型レジストを使用
する必要がある。
【0069】さらに、光源との関係も考慮して、Cr−
Auのエッチングの際には、エッチング終点検出用の2
波長として、第1の波長λ1は、380nm以下の30
0nmとし、第2の波長λ2は380nm以上の632
nmとすればよい。
【0070】さらに、Cr/Ag/Crの積層薄膜のエ
ッチングについて、図4を用いて、説明する。
【0071】図4において、曲線250に示すように、
Ag(銀)は、波長360nm以上では、反射率は、9
0%以上の高い反射率を示すが、波長360nm以下で
は、反射率が急激に低下する。一方、曲線210に示す
ように、Crは、全波長範囲で、反射率は、ほぼ一定で
あり、90%程度の全反射を示している。
【0072】従って、Cr−Ag層のエッチングについ
て見ると、Cr層の反射率は、波長によらず、ほぼ一定
であるので、Ag層の分光反射率特性に基づいて2波長
を決めることができる。即ち、図4の曲線250に示す
ように、Agの分光反射率は、波長を360nmを境と
して、大きく変化するので、第1波長λ1を360nm
以下とし、第2波長λ2を360nm以上とすればよ
い。さらに、反射率比を大きくするためには、図4の曲
線250に示すAgの分光特性から明らかなように、第
1波長λ1としては、分光反射率が特に低下する320
nm以下とすればよい。
【0073】さらに、この波長は、レジストの光吸収特
性をも加味して選択される。即ち、レジストには、ポジ
型レジストとネガ型レジストがあるが、ネガ型レジスト
の場合には、320nm以下では、感光ダメージが生じ
るため、使用することができず、ポジ型レジストを使用
する必要がある。
【0074】さらに、光源との関係も考慮して、Cr−
Auのエッチングの際には、エッチング終点検出用の2
波長として、第1の波長λ1は、360nm以下の32
0nmとし、第2の波長λ2は360nm以上の632
nmとすればよい。
【0075】次に、Cr/Cu/Cr膜エッチングにお
いて、Cr膜をマスクとして、Cu膜をエッチングする
場合について説明する。
【0076】セラミック基板にCr/Cu/Cr膜をス
パッタ成膜後、マスクとしてネガ型レジストを塗布す
る。次に、Cr膜エッチング液として、フェリシアン化
カリウム水溶液を用い、上層Cr膜エッチング後、ネガ
型レジストを剥離する。レジスト膜剥離後は、Cr膜を
マスクとして用い、Cu膜エッチング液として塩化第二
鉄水溶液を用い、Cu膜エッチングを開始する。第1の
波長λ1の光として青色LEDランプによる波長480
nmの波長光を用いれば、Cr膜とCu膜の反射率の違
いからエッチング終点を認識することができる。
【0077】また、Cr膜をマスクとして用い、ネガ型
レジストを剥離したため、エッチング終点検出波長にレ
ジスト感光ダメージを受ける波長領域の波長を用いて
も、金属との密着性、レジストの耐エッチング液性等が
低下する恐れはなく、バントパスフィルタを使用する必
要はない。
【0078】また、さらには、ネガ型レジストを用いて
いないため、検出信号SN比向上を図るため、分光特性
を有する波長光をCr膜とCu膜の反射率の違いが増大
する波長450nm以下の光を用いることも可能であ
る。
【0079】次に、三波長方式によるエッチング終点の
検出方法について以下に説明する。
【0080】例えば、Ag/Cu/Ag膜の多層薄膜
は、例えば、カメラ,発光器,液晶デバイス等の配線と
して使用されるが、ここで、上述した二波長方式で、エ
ッチング終点を検出しようとすると、第1波長として、
例えば、450nmを使用し、第2波長として、例え
ば、632nmを使用してもエッチング終点の検出は可
能である。しかしながら、450nmにおけるCuの反
射率は、約50%程度であるので、さらに、SN比を上
げるために、第3の波長λ3を使用するものである。第
3の波長λ3としては、例えば、300nmを使用す
る。
【0081】Ag/Cu/Ag膜をセラミック基板上に
スパッタ成膜にて形成した後、上層のAg膜表面にネガ
型レジストを塗布し、上層Ag膜をエッチングする。こ
の際、Ag膜、Cu膜とも反射率が波長によって変化す
る分光反射特性を有する膜であるため、上記エッチング
終点検出器のエッチング終点検出波長として、第1波長
λ1(450nm)、第2波長(632nm)、第3波
長(300nm)を使用する。400nm以上の波長範
囲では、Agの反射率は、90%以上であるが、Cuは
600nm以下で反射率が低下する。そこで、上述した
二波長の終点検出方法における2波長の選択の基準に基
づいて、第1波長及び第2波長を選択する。
【0082】ここで、第1波長(450nm)において
は、Cu膜の反射率は約50%であり、Cu膜が分光反
射特性を示すが、Ag膜の反射率は、90%以上であ
り、Ag膜は分光反射特性を示さない波長である。ま
た、第2波長(632nm)は、Cu膜及びAg膜のい
づれに対しても、反射率は、90%以上であり、分光反
射特性を示さない波長である。さらに、第3波長(30
0nm)は、Ag膜の反射率も30%以下となり、Cu
膜及びAg膜のいづれに対しても分光反射特性を示す波
長である。若しくは、第3波長は、Cu膜及びAg膜の
いづれに対しても分光反射特性を示さない波長としても
よい。以上のような特性を有する波長を3種類の波長と
して選択している。
【0083】Ag膜エッチング液としては、硝酸・硫酸
混合溶液を用い、上層Ag膜のエッチングを行う。上記
三種類の波長光をそれぞれ同時に入射光として照射し、
それぞれの反射光を検出、それぞれ反射率信号に変換し
て後、反射率信号を演算して、エッチング終点を検出し
て、硝酸・硫酸混合溶液の供給を停止する。
【0084】また、Ag膜エッチング後の状態で、Cu
膜エッチング液として塩基性アンモニア水溶液を用いC
u膜のエッチングを行う。上記三種類の波長光を照射し
て後、演算値Fの高から低への変化を検出することでC
u膜のエッチング終了、すなわちエッチング終点、を検
知し、塩基性アンモニア水溶液の供給を停止する。
【0085】最後に、Cu膜エッチング後の状態で、A
g膜エッチング液として再度硝酸、硫酸混合溶液を用い
下層Ag膜のエッチングを行えばよい。
【0086】ここで、3波長を用いることによる利点に
ついて、図8を用いて説明する。図8は、本発明の他の
実施の形態による3波長方式のエッチング終点検出時の
演算信号の変化を説明する図である。
【0087】図8において、曲線500は、Cu膜をエ
ッチングするときの、2波長方式による反射信号強度の
変化を表している。
【0088】第1波長(450nm)に対するCu膜の
反射強度R1(Cu)を55.2%、Ag膜の反射強度
R1(Ag)を96.6%とする。また、第2波長に対
するCu膜の反射強度R2(Cu)を96.6%、Ag
膜の反射強度R2(Ag)を98.3%とする。
【0089】Cu膜のエッチング中におけるCu膜から
の反射信号強度は、 R1(Cu)/R2(Cu)=S(Cu)=0.57 であり、Cu膜のエッチングが終了し、Ag膜が露出す
ると、Ag膜の反射信号強度は、 R1(Ag)/R2(Ag)=S(Ag)=0.98 となる。従って、この時のSN比X1は、 X1=S(Ag)/S(Cu)=0.98/0.57=
1.72 である。
【0090】一方、3波長を用いると、曲線510に示
すような反射信号強度の変化を示す。第3波長に対する
Cu膜の反射強度R3(Cu)を36.3%、Ag膜の
反射強度R3(Ag)を5.5%とする。第3波長に対
するCu膜からの反射信号強度は、 R2(Cu)/R3(Cu)=T(Cu)=2.66 であり、Cu膜のエッチングが終了し、Ag膜が露出す
ると、Ag膜の反射信号強度は、 R2(Ag)/R3(Ag)=T(Ag)=17.87 となる。
【0091】演算処理部における演算としては、2つの
信号の積S・Tを求めるようにすると、Cuエッチング
中は、 S(Cu)・T(Cu)=0.57×2.66=1.5
1 となり、Ag面が露出すると、 S(Ag)・T(Ag)=0.98×17.87=1
7.52 となる。
【0092】従って、3波長におけるSN比X2を、 X2={S(Ag)・T(Ag)}/{S(Cu)/T
(Cu)} として求めると、 X2=17.52/1.72=10.2 となる。
【0093】従って、SN比は、1.72から10.2
へと、約5.9倍向上する。
【0094】本実施の形態によれば、3波長方式を用い
ることにより、表面の面粗さの影響やエッチング液の流
動による揺らぎの影響を除去して、エッチング終点を正
確に検出することが可能となり、配線のバラツキ等を低
減できる。
【0095】また、3波長方式を用いることにより、2
波長方式に比べてSN比を向上できるため、より正確に
エッチング終点を検出可能となる。
【0096】なお、3波長方式エッチング終点検出器以
外でも、エッチング終点を検出できる。例えば、検出波
長として、4波長λ1,λ2,λ3,λ4を用いた場合
は、分光反射特性を有する波長として、λ1,λ3(λ
1≠λ3)を選定し、分光反射特性を示さない波長とし
て、λ2,λ4(λ2≠λ4)を選定し、それぞれ、波
長λ1と波長λ3,波長λ2と波長λ4を比較演算(例
えば、λ1/λ3,λ2/λ4)を行うことで、検出感
度を向上させ、エッチング終点を明確化することが可能
である。この場合、エッチング終点検出信号としては、
2波長方式のR1/R2に対して、(R1・R4)/
(R2・R4)となる。この他にも、検出感度の向上を
目的として、多波長を用いてエッチング終点を検出する
ことも考えられる。
【0097】次に、参考までに、図9を用いて、表面粗
さと反射率の関係について説明する。図9は、表面粗さ
と反射率の関係の説明図である。
【0098】使用した金属膜はCu膜、反射率を測定し
た波長は、632nmと450nmの2種類であり、曲
線600は、分光特性を示さない波長(632nm)で
の反射率、曲線610は、分光特性を示さない波長(4
50nm)での反射率を、横軸をCu膜表面の面粗さ、
即ち、下地膜の面粗さとして測定したものである。
【0099】図に示す通り、いずれの波長も下地膜の面
粗さの増加に伴い、反射率が低下する。
【0100】また、図10は、金属膜厚と表面粗さの関
係を説明する図である。
【0101】使用した金属膜はCu膜であり、破線70
0は基準となる下地膜の面粗さを示しており、この面粗
さは、一定としている。それに対して、Cu膜の膜厚を
変えて、Cuの表面粗さを測定していみると、曲線71
0で示すようになる。
【0102】図に示す通り、Cu膜厚が薄くなるほどC
u膜表面粗さは増大し、下地膜の面粗さに近似する。C
r膜についても同様の現象が見られるが、特にCr膜の
場合、膜厚が薄い場合が多く、下地セラミック基板の影
響を強く受ける。
【0103】図9、図10の結果から理解されるよう
に、Cr/Cu/Cr膜エッチングにおいて、下地セラ
ミック基板表面の面粗さが大きい場合、Cu膜エッチン
グによる膜厚低下に伴い、下層Cr膜の面粗さの影響を
受け反射率が低下すること、また、下層Cr膜の面粗さ
は下地セラミック基板表面の面粗さの影響を受け増大す
ることがわかる。
【0104】次に、図11を用いて、エッチング時間と
配線寸法の関係について説明する。
【0105】図の曲線800で示す通り、エッチング終
点を過ぎると、オ−バ−エッチング時間の増加に伴っ
て、配線寸法は次第に小さくなる傾向にあることがわか
る。従来のエッチングの場合、エッチング終点の明確な
認識ができないため、エッチング時間バラツキΔT2が
増大し、結果として、配線寸法バラツキΔL2は増大す
る。しかし、本発明によるエッチング終点検出方法を用
いたエッチングの場合、、エッチング液流動による反射
光の揺らぎ、下地表面の面粗さ増大による絶対反射率の
低下、に係らずエッチング終点が明確に認識でき、エッ
チング時間バラツキΔT1を低減できるので、配線寸法
バラツキΔL1を低減できる。
【0106】例えば、配線幅30μmの薄膜配線を加工
する場合、従来法を用いると配線寸法にて±50%の誤
差を生ずるが、本発明を用いると配線寸法にて±10%
以下の誤差まで低減できる。
【0107】以上のように、本実施の形態によれば、エ
ッチング液流動による反射光の揺らぎ、下地表面の面粗
さ増大による絶対反射率の低下に係らず、エッチング終
点を正確に検出することが可能となる。
【0108】
【発明の効果】本発明によれば、エッチングの終点の検
出を精度よく行え、配線寸法のバラツキ等を低減でき
る。
【0109】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるエッチング装置の
原理構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態によるエッチング装置に
用いる光源及び光検出器の断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態によるエッチング基板の
エッチング工程を説明する図である。
【図4】Cr膜やCu膜等の分光反射率の特性図であ
る。
【図5】フォトレジスト膜の感光特性図である。
【図6】本発明の一実施の形態による2波長方式による
エッチング終点の検出原理説明ずである。
【図7】ポリイミドを塗布した基板の上に形成されたC
r膜のエッチング終点の検出原理説明図である。
【図8】本発明の他の実施の形態による3波長方式のエ
ッチング終点検出時の演算信号の変化を説明する図であ
る。
【図9】表面粗さと反射率の関係の説明図である。
【図10】金属膜厚と表面粗さの関係を説明する図であ
る。
【図11】エッチング時間と配線寸法の関係の説明図で
ある。
【符号の説明】
10…エッチング基板 11…ポリイミドを塗布した基板 12,14…Cr膜 13…Cu膜 15…レジスト 20…スプレーノズル 30…薬液タンク 40…液供給制御ユニット 50…光源 52…バンドパスフィルタ 60…照射ポイント 70…光検出器 80…反射率信号演算処理部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エッチング基板をエッチング液を用いて
    エッチングし、上記エッチング基板の光学的性質により
    エッチング終点を検出するエッチング方法において、 上記エッチング基板に2種類の波長の光を照射し、上記
    エッチング基板からの2種類の波長の光の反射光を検出
    し、この反射光に基づいて、エッチング終点を検出する
    ことを特徴とするエッチング方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエッチング方法におい
    て、 上記2種類の波長λ1及びλ2の内、一方の波長λ1
    は、エッチングする膜及びこのエッチングする膜の下層
    に位置する下層膜のいづれか一方に対してのみ分光反射
    特性を有する波長であり、他方の波長λ2は、エッチン
    グする膜及びこのエッチングする膜の下層に位置する下
    層膜の双方に対して分光反射特性を有しない波長である
    ことを特徴とするエッチング方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のエッチング方法におい
    て、 上記エッチング基板は、銅膜とクロム膜が積層される積
    層構造を有し、 上記波長λ1として、600nm以下とし、上記波長λ
    2として、600nm以上としたことを特徴とするエッ
    チング方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のエッチング方法におい
    て、さらに、 上記エッチング基板に第3の波長λ3の光を照射し、 この波長λ3として、エッチングする膜及びこのエッチ
    ングする膜の下層に位置する下層膜の双方に対して同様
    の光学的性質を有する波長とし、 この第3の波長λ3に対する反射光を、上記第1若しく
    は第2の波長λ1,λ2に対する反射光と比較して、エ
    ッチング終点を検出することを特徴とするエッチング方
    法。
  5. 【請求項5】 エッチング基板へのエッチング液を供
    給を制御するエッチング液供給制御手段と、 上記エッチング基板に第1の波長λ1と第2の波長λ2
    の光を照射する光源と、 上記エッチング基板からのそれぞれの波長の光に対する
    反射光を検出する光検出手段と、 上記光検出手段が出力する信号に基づいて、エッチング
    終点を検出するエッチング終点検出手段を備え、 このエッチング終点検出手段からのエッチング終点検出
    信号に基づいて、上記エッチング液供給手段は、エッチ
    ング液の供給を停止することを特徴とするエッチング装
    置。
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