JP3261659B2 - ドライエッチング装置に於けるエッチング監視方法及び装置 - Google Patents

ドライエッチング装置に於けるエッチング監視方法及び装置

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JP3261659B2 JP05383692A JP5383692A JP3261659B2 JP 3261659 B2 JP3261659 B2 JP 3261659B2 JP 05383692 A JP05383692 A JP 05383692A JP 5383692 A JP5383692 A JP 5383692A JP 3261659 B2 JP3261659 B2 JP 3261659B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ドライエッチング装置
に於けるエッチング処理の終点を監視する方法と装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ドライエッチング装置に於ける光
学式終点検出モニターとして、図1に示すようなドライ
エッチング装置内のエッチング処理されるべき基板aに
形成されている遮光膜bに対するエッチングの終点を検
出するために、図2の監視領域cの反射率(又は透過
率)を監視する方式のものが知られている(特開昭61
−149955号公報)。
【0003】この種のドライエッチング装置を更に詳述
すると、排気口dとガス導入口eを備えた真空容器f内
に高周波電源gに接続した高周波電極hとこれに対向す
る対向電極iを設け、該高周波電極hの上に、エッチン
グ処理されるべき基板(以下、製品基板ともいう)aを
載せ、監視領域cの反射率を測定するために、外部の光
源jからのレーザー光線kをビームスプリッターuを介
して該基板aに照射し、その反射光をモノクロメーター
m、光検出器n、増幅器o、アナログ/デジタル変換器
p、制御・演算部qを介してレコーダーr又はメーター
sで検出するように構成されている。レーザー光線kは
真空容器f、対向電極iに設けた光学窓lを介して該基
板aに入射し、透過光を検出する場合には高周波電極h
にも光学窓lを設け、真空容器fの外部にもう1組のビ
ームスプリッターu、モノクロメーターm、光検出器
n、増幅器o、アナログ/デジタル変換器pが設けられ
る。該基板aがフォトマスクブランクスの遮光膜bの上
にレジストパターンが形成されたものであり、この遮光
膜bのエッチング過程の終点検出を行なう場合は次の通
りである。
【0004】光源jから射出される光線kは、まずビー
ムスプリッターuで分けられ、光学窓lを透過して基板
a上の監視領域cに入射し、ここからの反射光はビーム
スプリッターuまで逆行してモノクロメーターmにより
単色化され、光検出器nに入る。検出信号は増幅器oに
よって増幅され、アナログ/デジタル変換器pによる信
号処理がなされ、制御・演算部qに入り、逐次、基板a
上の遮光膜bの反射率に対応した出力信号がレコーダー
r及びメーターsに出力される。基板a上の遮光膜bが
全部エッチングされると図3に示すように出力信号Aが
変化しなくなることによって、エッチング工程の終点が
検出される。
【0005】該基板aのエッチング処理は次の手順で行
なわれる。
【0006】まず、真空容器f内の気体を排気口dから
真空ポンプにより排気し、ガス導入口eからエッチング
用ガスを導入してガス流量と真空容器f内の圧力を一定
の作動圧力に維持し、高周波電源gを作動させて高周波
電極hに13.5MHzの高周波をかけると、高周波電極hと
対向電極iの間の空間にプラズマが形成され、励起され
た反応ガスが基板aの表面に入射反応して基板a上の遮
光膜bのエッチングが進行する。この間、終点検出系に
よって基板aの反射率を監視してエッチングの終点が検
出されたら、高周波電源hを切り、ガスの供給を停止
し、真空容器f内のガスを排気した後、真空容器a内に
窒素ガスまたは空気を導入して大気圧とし、エッチング
処理済み基板aを取り出し、次の基板をセットする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、紫外線露光法、
遠紫外線露光法などのフォトリソグラフィ技術で位相シ
フトマスクによる露光法によって微細なパターンを形成
する方法が各種試みられているが、その中でも特に高品
質で安定な性質を有するためにLSIなどの半導体の品質
・性能の向上に有望なシフター部の基板をエッチングす
る次のような方法が提案されている(特開平2−211
450号公報、中川健二他 NIKKEI MICRODEVICES 5月
号 P.53〜58)。
【0008】この提案の方法は、図4、図5に示すよう
に、シフター部tを透明の基板aに設けた深さd=λ/
{2(n−1)}の凹部とした位相シフトマスクであっ
て、図6の(a)〜(i)の工程によって形成される。
この位相シフトマスク形成方法でシフター部tの深さd
をλ/{2(n−1)}≒0.397μm(λはi線0.436μ
m、n=1.46 石英)に精度良くエッチングするために
は、例えば、まず約90%エッチングした後、深さを確
認してから残りをエッチングするようにしている。仮
に、従来の遮光膜の反射率または透過率を測定してエッ
チングの終点を検出する方法をこの位相シフトマスクの
シフター部tのエッチングに適用するために、シフター
部tに測光用の光を入射して、エッチングに伴う反射率
または透過率の変化を検出しようとしても、反射率に対
する光量は図7のように、エッチング開始から終了まで
一定の値しか示さず、終点は検出できないために、この
反射率、透過率の方法はエッチングの終点検出に適用さ
れなかった。これは、ガラス基板が厚いために、通常使
用される光の測定波長スペクトル幅Δλ1に対し反射率
(又は透過率)について波長分解能が悪く、実際上、干
渉効果を測定できないためである。
【0009】前記特開昭61−149955号公報の実
施例で使用された波長800nmのレーザーダイオードを
使用しても、まだスペクトル幅が広すぎてうまくいかな
い。そこで、測定用光源として単色性の高いHe-Neレー
ザーなどの気体レーザーを使用すれば基板が厚くても干
渉効果を測定できることが期待されるが、エッチング深
さΔd2に対する精度は、 δΔd2/Δd2≒±ΔJ/J …(1) (ここにJは4nΔd2/λ1に近い整数、λ1は測定波
長ΔJ≒1/3(エッチング終点が極値と一致しない場
合)、ΔJ≒1/12(エッチング終点が極値と一致す
る場合))で与えられるが、表1に示すように、測定波
長を633nm(He-Neレーザー)とした場合、フォト露光
波長λ2=365nm(Hg i線)では、δΔd2/Δd2
13%、また、フォト露光波長λ2=248nm(KrFエキ
シマレーザー)ではδΔd2/Δd2≒±20%となっ
て、必要なシフター部深さの精度±(3〜6)%以内に
及ばない。これは、波長精度の高い実用的なレーザー光
源の種類は多くはなく、反射率あるいは透過率の数値
が、丁度エッチング終点に対応するような測定波長のレ
ーザー光源を見出だすのは難しく、充分なエッチングの
精度が得られないためである。しかも、エッチング処理
中の基板は、例えば18℃〜55℃の温度上昇で板厚が
64〜200nmも熱膨脹し、露光波長248nm(K
r−Fレーザー)或いは露光波長365nm(Hg i
線)に対応するシフターエッチング深さΔd2は、8
4.5nm或いは125nmと同程度であって、両者を
分離して測定できない。
【0010】
【表1】
【0011】本発明は、エッチングされるべき基板のエ
ッチング深さを精度良く任意の深さにエッチングするこ
との可能なドライエッチング装置に於けるエッチング監
視方法及び装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明では、ドライエッ
チング装置内のエッチング処理されるべき基板外或いは
該基板上に板厚0.01mm〜0.5mmのモニター用
基板を設置し、該モニター用基板に白色光源からの測定
用光を照射し、測定用光の波長λ1 及び測定波長スペク
トル幅Δλ1 を、モノクロメーターにより、 Δλ1<λ1 2/2n11 …(2) (ここでn1はモニター用基板の屈折率、d 1 は該モニタ
ー用基板の厚みを表わす)の条件を満足するように設定
してモニター用基板の反射率或いは透過率を測定するこ
とによってエッチング処理されるべき基板のエッチング
量を監視することにより、上記の目的を達成するように
した。高周波電極上の基板のエッチング速度分布から決
まるエッチング速度比C=d2/d3(ここで、d2はモ
ニター用基板の設置場所に於けるエッチング速度、d3
はエッチング処理される基板のエッチング速度代表値)
と、このエッチング速度比から決まるモニター用基板の
エッチング深さΔd3=CΔd2に対してモニター波長λ
1を次式によって選定する。
【0013】 λ1=4nΔd3/J …(3) (ここでJは正の整数である) 上記の監視の方法は、排気口とガス導入口を備えた真空
容器の内部に、エッチング処理される基板を載せる高周
波電極と、該高周波電極に対向した対向電極を設け、該
真空容器及び対向電極に、該真空容器の外部に設けた光
源から該基板に向けてそのエッチング量を監視するため
の測定用光を透過させる光学窓を設け、該高周波電極上
又は該基板の表面にモニター用基板を設けることによ
り、適切に実施される。
【0014】
【作用】エッチング処理されるべき基板よりも薄い、板
厚0.01mm〜0.5mmの板厚のモニター用基板で
単色光の反射率或いは透過率を測定し、且つ、上記
(2)式を満足するように光学的測定条件を設定したの
で、測定される反射光量或いは透過光量が板厚の変化に
対応した干渉効果によってエッチング深さに対し交互に
極大値と極小値を示すようになり、しかも、目的のエッ
チング深さで丁度これらの極値が得られるように測定用
光源の波長を選択できるので、精度良くエッチングの終
点を検出できる。そのため、例えば、精度の高い位相シ
フトマスクが得られるようになる。
【0015】以下、簡単のため、モニター用基板がエッ
チング処理される基板(製品基板)と同材質であると考
えて上述の作用を詳述する。エッチング処理される基板
とモニター用基板は、透明なガラスで簡単のため光吸収
率が0であると考える。この場合、波長λに於けるガラ
スの基板又はモニター用基板の分光反射率R(λ)と分
光透過率T(λ)とは次式によって関係している。 R(λ)=1−T(λ) …(4) 以下、記述の簡略化のため、反射率か透過率のどちらか
一方についてだけ説明する。エッチング処理する基板
(製品基板)及びモニター用基板がガラス基板であり、
この基板に光が入射し、屈折角がiであったとすると、
透過率は、久保田広著、「波動光学」p.62〜65、及び
p.199〜201、(1984)岩波書店によれば、 T=(1−r22/(1−2r2cosδ+r4) …(5) ここに、δ=4πndcosi/λ …(6) nはガラス屈折率、dは板厚である。以下、簡単のた
め、光は該ガラス基板に垂直に入射するものとすると、
i=0で(6)式は、 δ=4πnd/λ …(7) となり、(5)式のr2は次式で与えられる。 r2={(1−n)/(1+n)}2 n=1.46のとき(石英)、r2=0.0350となる。また、
公式cosδ=1−2sin2δ/2によって、(5)は次の
ように書ける。 T=1/(1+Fsin2δ/2) …(8) ここにF=4r2/(1−r22である。Tはδの周期
関数で δj=4πnd/λ=πj …(9) において、 Tmax=1 (j=0,2,4…のとき) Tmin=4n2/(1+n22 (j=1,3,5…のとき) 反射率Rについては、 R=1−T=Rmin=0 (j=0,2,4…のとき) …(10) R=1−T=Rmax={(1−n2)/(1+n2)}2 (j=1,3,5…のとき)…(10) (9)式より板厚が一定のとき、 T=Tmax=1 (λ=λj、j=2,4,…のとき) …(11) T=Tmin=4n2/(1+n22 (λ=λj、j=1,3,5…のとき) …(11) ここにλj=4nd/j 又はj=4nd/λj …(12) 隣り合う極大値の波長間隔Δλjは次式で与えられる Δλj≡λj-1−λj+1=4nd{2/(j2−1)} …(13) 或いは Δλj=(λj/2nd){1/(1−1/j2)} …(14) 波長λj近傍で分光測定をしているとして、 λj≒λ1、またj>>1又は4nd>>λj …(15) であるので Δλj≒λ1/2nd …(16) となる。
【0016】次に波長λ=一定の場合、λ=λ1とする
と、(9)式より T=Tmax=1 (nd=ndj、j=0,2,4…のとき) …(17) T=Tmin=4n2/(1+n22 (nd=nd、j=1,3,5…のとき)…(17) ここに ndj=(λ/4)×j …(18) 隣り合う極大値の板厚間隔Δdjは、次式で与えられ
る。 Δdj=dj+1−dj-1=λ1/(2n) …(19) これは干渉次数jや板厚dによらない。
【0017】(8)式を用いて、板厚一定の場合、波長
に対して反射率をプロットしたものを図8に示す。ま
た、測定波長を一定にして反射率をndに対してプロッ
トしたものを図9に示す。測定波長スペクトル幅Δλ1
が非常に狭い場合、分光カーブ(図8)を測定し、いく
つかの極値波長例えばλj及びλj+2mを検出すると、そ
のときの板厚dは(12)式と次式から算出できる。 d=mλj2/{2n(λj−λj+2m)} …(20) 波長一定にして、板厚がエッチングによって減少すると
き、反射光量に比例する信号を時間に対してレコーダー
にプロットすると、図10のような曲線が得られ、例え
ばエッチング開始から終了までの間にJ個の極値があっ
たとすると、対応する板厚の変化は、 Δd=(J/4n)λ1 …(21) で与えられる。一般にエッチング開始時も終了時も、反
射率が極値を示すとは限らないので、(1)式に示した
ようなエッチング精度の限界がある。この問題を解決す
るのに、製品基板をエッチング装置の室内にセットする
前に、予めモニター用基板の反射率を監視しながら反射
光量の極値の所までエッチングしておき、次いで、製品
基板をセットしてモニター用基板の反射率を監視して何
番目かの先の極値でエッチングを終了すれば、(21)で
示す光学的板厚変化分だけ精度良くエッチングすること
が可能となる。また、(21)式で与えられる板厚変化量
が製品基板のエッチング処理すべき深さΔd2例えば位
相シフトマスクのシフター深さλ2/{2(n−1)}
(ここにλ2はフォト露光波長)になっている必要があ
り、このためには測定波長λ1が次式を満足するように
選択する必要がある。モニター用基板のエッチング深さ
は、 nΔd1=(J/4)λ1 …(22) 又は、 λ1=4nΔd1/J …(23) 高周波電極上のエッチング速度分布に由来するモニター
用基板のエッチング速度d2と製品基板のエッチング速
度代表値(例えば平均値)d3との比Cを予め実測して
おく。ここに C=d2/d3=Δd3/Δd2 …(24) 又は、Δd3=CΔd2 …(25) ここにΔd2をシフター部のエッチング深さとすると、 Δd2=λ2/{2(n−1)} …(26) (25)式で与えられるΔd3でモニター用基板がエッチ
ング処理されると、製品基板のエッチング深さが目的の
値、例えば(26)式の値になる。(23)(25)(26)よ
り、シフター部を(26)の深さにエッチングする場合の
測定波長λ1は次式で決定できる。 λ1=C4nΔd2/J …(27) λ1=(C4n/J)・λ2/{2(n−1)} …(28) (5)式は、測定光の波長精度Δλ1が無限に小さい理
想的な単色光に対する透過率の式であり、この場合は、
板厚を一定にして波長を変化させたり、波長を一定にし
て板厚を変化させたりしたときには、図8或いは図9に
示すように反射光量が波長や板厚変化に対し、干渉効果
を示すが、実用上の光源では、スペクトル幅Δλ1は測
定上無視できない有限の値を持っている。以下、波長精
度Δλ1が有限の場合についてのモニター用基板の反射
率又は透過率の測定について説明する。モニター波長λ
1の測定波長スペクトル幅Δλ1である場合の測定波長λ
1(t)に対する分光透過率測定値T(λ1(t),t)
は、次式で与えられる。 T(λ1(t),d1(t),t)=∫I(λ−λ1(t))T(λ)dλ …(29) ここにd1(t)はモニター用基板の板厚であり、T
(λ)については、 T(λ)=T(δ(λ))=(1−r22/(1−2r2cosδ+r4) …(30) δ(λ)=4πnd1(t)/λ …(31) 上式でI(λ−λ1(t))は、図12の光源、モノク
ロメーター、光検出器などの波長特性によって決まるス
ペクトル分布関数であり、方形 Iホウケイ(λ)、ガ
ウス形 Iガウス(λ)、あるいはローレンツ形 Iロ
ーレンツ(λ)などで近似することができる。ここに Iホウケイ(λ)=1 |λ|<Δλ1/2 …(32) Iホウケイ(λ)=0 |λ|>Δλ1/2 …(32) Iガウス(λ)=(2√(In2)/√πΔλ1)e-A …(33) ここで、A=(In2)(2λ/Δλ12である。 Iローレンツ(λ)=(2/πΔλ1)/{1+(2λ/Δλ12} …(34) (32)〜(34)式はいづれも次式を満足する。 -∞∫∞I(λ)dλ=1 …(35) I(0)=max (λ=0のとき) …(36) I(Δλ1/2)=I(0)/2 …(37) 方形 Iホウケイ(λ)の場合、(29)式は近似的に次
のように計算される。 T(λ1(t),d1(t),t)=(1−r22/(1+r4)[1+{(2 r2)/(1+r2)}{cosδ(λ1(t))}{(sinΔ(t))/Δ(t)} …(38) ここで、 Δ(t)=δ(λ1(t))Δλ1/(2λ1(t)) …(39) δ(λ1(t))=4πnd1(t)/λ1(t) …(40) λ1(t),d1(t)は一般に測定波長や板厚が時間に
依存することを考慮したものである。
【0018】透過率が極値を示す位相δj(λ
1(t))、波長λj(t)、山と山の波長間隔Δλj、
板厚d(t)、極値間隔nΔdj(t)は、(9)、(1
2)〜(14)、(18)、(19)と同様、次式で与えられ
る。 δ(λ1(t))=4nd1(t)/λ1(t)=π×j …(41) 板厚一定のとき、d1(t)=一定=d1とおいて、 λ1(t)=λj=4nd1/j …(42) j=4nd1/λ1(t) …(43) Δλj=λj-1−λj+1=8nd1/(j2−1) …(44) 又は Δλj=(λ1 2/2nd1)/{1−(λ1(t)/4nd12}…(45) Δλj≒λ1 2/(2nd1) …(46) 波長一定のとき、λ(t)=一定=λ1として、 nd1(t)=jλ1/4 …(47) nΔd1(t)=λ1/2 …(48) (41)(42)(46)の位相δ(λ1(t))、波長λ
1(t)、及び板厚d1(t)に於いて、透過率は極値を
示し、 T=Tmax j=0,2,4,… T=Tmin j=1,3,5,… …(49) となる。 (39)(40)(45)式より Δ(t)=πΔλ1÷(λ1 2(t)/2nd1(t)) ≒πΔλ1/Δλj …(50) (38)式により透過率が与えられ、極値を示す位相、波
長、波長間隔、板厚、極値間隔は(9)(11)(12)
(13)(16)(18)(19)で与えられる。透過率変化の
振幅ΔTAMは、 ΔTAM≒{2r2/(1+r2)}×{sinΔ(t)/Δ(t)}…(51) で与えられる。(50)式を Δ(t)≒πΔλ1/Δλj ≒πΔλ1÷{λ1 2(t)/(2nd1(t))}=πJAM …(52) とおいたとき JAM=Δλ1/Δλj=1,3,5… …(53) においては |ΔTAM|=(1/πJAM)×{2r2/(1+r2)} =(0.318Δλj/Δλ1)×{2r2/(1+r2)}…(54) (この場合、石英板では、|ΔTAM|=(0.0215Δλj/Δλ1)) JAM=Δλ1/Δλj=2,4,6… …(55) においては |ΔTAM|=0 …(56) (53)(54)及び(55)(56)はそれぞれ透過率の位相
に対する変化の腹及び節に対応する。板厚一定のとき、
透過率分光カーブの腹及び節の位置及び振幅は、(53)
〜(56)及び λ1(t)=√(4nd1・Δλ1/JAM) …(57) で与えられ、同様に波長一定のとき d1(t)=(λ1 2/4nΔλ1)×JAM …(58) で与えられる。JAMの値と腹及び節の関係は、(53)〜
(56)と同じである。
【0019】以上は、(29)式に於けるスペクトル分布
関数I(λ)として方形(32)式を用いた結果である
が、一般の分布、例えばガウス形(33)式、ローレンツ
形(34)式についても上の結果はほぼ成立する。 Δλ1<<Δλj …(59) のとき、 ΔTAM≒{2r2/(1+r2)} …(60) で、(30)式に帰着する。
【0020】表2は、各種フォト露光光源に対してシフ
ター部深さΔd2、モニター用基板エッチング深さΔ
3、及び干渉次数変化分Jに対してエッチング速度比
C=0.93及びC=1の各々について、モニター波長λ1
の選び方を示したものである。
【0021】
【表2】
【0022】これらのモニター波長は、表2からも推定
できるように、実用的なレーザー光源波長(例えばHe-N
eレーザーの光源では633nm及び1150nm)とは一般に
は一致しない。一般に、板厚を一定にして波長を変化さ
せた場合や、波長を一定にして板厚を変化させた場合、
反射率光量が波長や板厚変化に対して図8或いは図9に
示すような干渉効果を示す条件は、(54)式から分かる
ように次式で与えられる。 Δλ1<Δλj≒λ1 2/(2nd1) …(61) 即ち、測定波長スペクトル幅Δλ1が、理想的な単色光
源に対する分光カーブの隣り合う山と山の間隔Δλj以
下でないと干渉効果は観測しにくくなる。各種気体レー
ザーは理想的な単色光源に近いが、前述のように波長選
択の自由に乏しい。白色光源とモノクロメーターを組み
合わせた測定装置では、波長選択の自由はあるが、波長
精度Δλ1は0.1〜10nmが一般的である。この値は、製
品基板を直接に監視しようとする従来の方法では、例え
ば板厚6.35mmの製品基板では、(16)式から算出され
るように、λ1=718nmとすると、Δλj≒0.028nmで
あってΔλ1/Δλj=4〜400であり、干渉効果は観測さ
れない。
【0023】本発明者は、製品基板の反射率を直接監視
する代りに、製品基板の近傍或いは該基板の表面に設置
した製品基板よりも板厚の薄いモニター用基板の反射率
を監視するようにしたので、(46)式により波長間隔Δ
λjは大きくなり、例えばモニター用基板の板厚d1を0.
05mmとした場合には、波長718nm及び1574nmに対
し、Δλ1を夫々2nm及び5nmとしてもΔλ1/Δλ
jは0.57及び0.29となり、(61)式の条件を充分満足す
る。
【0024】表3は、各種板厚の合成石英基板(n=1.
46)について、モニター波長718nm及び1574nmの各
々に対して、夫々エッチング速度比C=0.93及び1.0に
ついて干渉次数j、分光カーブの干渉曲線の隣り合う山
と山の波長間隔Δλjを算出し、各種波長スペクトル幅
Δλ1に対し、Δλ1/Δλjの値を計算して(61)式の
条件が満たされるかどうかを見たものである。
【0025】
【表3】
【0026】表3より、モニター波長λ1=718nmに対
しては、スペクトル幅Δλ1が0.1nmであっても、板厚
は1.5mm以下である必要があり、板厚が0.0225mmで
あればスペクトル幅Δλ1は10nmまで許容されること
が分かる。また、モニター波長λ1=1574nmに対して
は、スペクトル幅Δλ1=0.5nmであれば、やはり板厚
は1.5mm以下にする必要があり、板厚が0.05mmであ
れば、スペクトル幅Δλ1は10nmまで許容されること
が分かる。表3で太線の枠内にある板厚と波長精度が
(61)式を満足することがわかる。
【0027】以上述べたように、板厚の薄いモニター用
基板の反射率を監視するようにしたので、(23)(61)
式を満足するように測定波長λ1及びスペクトル幅Δλ1
が設定でき、板厚変化あるいは波長変化に対して光の干
渉効果が観測でき、且つ、反射光量の極値をエッチング
終点とすることによって、精度良く製品基板のエッチン
グ深さを制御することが可能になる。
【0028】
【実施例】本発明の方法の実施に使用したドライエッチ
ング装置を図12に基づき説明すると、同図に於いて符
号1は真空ポンプに連なる排気口2とガス導入口3を備
えた真空容器を示し、該真空容器1内に、外部の高周波
電源4に接続された高周波電極5とこれに対向する対向
電極6とを設け、該高周波電極5の上に、エッチング処
理されるべき基板(製品基板)7が載せられる。8は高
周波電極5を支持する絶縁材、9はカップリングコンデ
ンサーで、対向電極5はアースするものとした。
【0029】該基板7の表面には図4に示すような遮光
膜が設けられており、この遮光膜をドライエッチングに
より除去し、その際、エッチングの終点を監視するため
に、該エッチング処理されるべき基板7の基板の近傍の
高周波電極5の上、或いは該基板7の表面に、図13に
示すように、モニター用基板10を設け、監視領域11
に於いて該モニター用基板10の反射率(又は透過率)
を監視する。この監視は、光源12からの測定用光13
の反射光或いは透過光を測定する光学系により行なわれ
る。該真空容器1、高周波電源5及び対向電極6には測
定用光13を透過させる光学窓14が1箇所或いは数箇
所に軸線を合致させて設けられる。
【0030】該光学系の構成自体は図1の従来のものと
同様で、光源12からの測定用光13はビームスプリッ
ター15を介してモニター用基板10に照射され、その
反射光をモノクロメーター16、光検出器17、増幅器
18、アナログ/デジタル変換器19、制御・演算部2
0を介してレコーダー21又はメーター22で検出する
ように構成される。また、該制御・演算部20には、該
モニター用基板10からの透過光を検出するための、ビ
ームスプリッター23、モノクロメーター24、光検出
器25、増幅器26、アナログ/デジタル変換器27か
ら成る光学系が必要に応じて設けられる。これらの光学
系は、特定の監視領域11に対して設けられる。28は
表示部である。
【0031】この装置の作動は、図1のものと基板7の
エッチングの監視をモニター用基板にて行なう点が異な
り、基板7のエッチング中にモニター用基板10の反射
光(又は透過光)はビームスプリッター15に逆行して
モノクロメーター16により単色化され、光検出器17
等を介してレコーダー21又はメーター22で反射率に
対応した出力信号が検出される。エッチングの終点は、
該出力信号の周期的な変化から知り得る。
【0032】この図12に示す装置を使用して本発明の
方法を実施した例を以下に詳述する。
【0033】実施例1 図12に示す光源12として、W−ハロゲンランプを使
用し、モノクロメーター16又は24としては、スペク
トル幅Δλ1=2nmの回折格子形モノクロメーターを
使用した。モニター用基板10はエッチング処理される
基板(製品基板)7と同材質の合成石英基板で厚さ0.05
mm×30mmの角型のものを使用した。製品基板7とし
ては、厚さ6.35mmで152mm角の合成石英基板の上
に、従来の方法で図6の(g)に示すような遮光膜を形
成したものを用意した。位相シフトマスクの適用パター
ンとしては、図5に示すものを使用した。製品基板7の
エッチング速度と、高周波電極5上のモニター用基板1
0のエッチング速度を測定して得られたエッチング速度
比C=d2/d3=0.93から、表2に示すように、Hgi線
のフォト露光波長λ2=365nmに対し、モニター用基板
10に於けるモニター波長λ1=718nmを選定し、レコ
ーダーチャート上に記録される反射光量或いは透過光量
対時間の周期的曲線について、エッチング開始から3番
目の極値をエッチング終点と判断してエッチングを停止
した。製品基板7を設置する直前に、モニター用基板1
0を基板7の近傍の高周波電極5の上にセットし、反射
光量が極値を示すところまで予備エッチングを行なっ
た。第1回の製品基板7のエッチングに続いて第2回目
のエッチングを行なった。モニター用基板10上の反射
光量対時間のレコーダーチャートの例を図10に示す。
第3回以後のレコーダートレースを点線で示した。製品
基板7のシフター部のエッチング深さの精度は、予定の
深さΔd2=397nmに対しδ(Δd2)/Δd2=±3%
の範囲に入っていた。透過光量についても同時に測定を
行ない、図10と同様のトレースを得た。
【0034】エッチングに使用したガスはCF4で流量1
00sccm,圧力0.1Torr,高周波電極5の供給電力は
周波数13.56MHz,電力密度で0.25Watt/cm2である。電極
5と6の間隔は60mmである。エッチング時間は21分で
あり、製品基板7上のエッチング速度平均値d3は18.7n
m/min,図13の監視領域11aに於けるモニター用基
板のエッチング速度d2は17.4nm/minであった。
【0035】この実施例に於いては、製品基板7よりも
薄い板厚で製品基板7と同材質のモニター用基板10の
反射率及び透過率を監視すると共に、モニター波長
λ1,スペクトル幅Δλ1が(2)式を満足するように選
んだので、表3に示したように、 Δλ1=2nm<Δλj=3.53nm となり、光の多重反射による干渉効果が現れ、エッチン
グによる板厚減少に伴なう反射率の周期的変化が測定さ
れるようになる。更に、白色光源と回折格子型モノクロ
メーターを使用してモニター波長を(3)式によってJ
=3に対し選定し、エッチング開始から3番目の反射率
又は透過率の極値でエッチングを停止したので、モニタ
ー用基板10のエッチング量は、 Δd1=3λ1/(4n) …(62) の値で精度良く終点が検出され、同時に、 Δd2=Δd1/C …(63) の関係により、製品基板7のエッチング深さΔd2も精
度良く終点が検出され、所定のエッチング深さが精度良
く得られる。
【0036】実施例2 製品基板7としては、実施例1と同じ材質、板厚、寸法
のもので、パターンも実施例1と同じものを使用した。
モニター用基板10は、材質が製品基板7と同じで、厚
さ0.1mm,10mm角のものとし、製品基板7の表面で
図13の監視領域11bの位置に載せ、測定用光13が
モニター用基板10の中央に当たるようにした。光源1
2,モノクロメーター18,光検出器17は実施例1と
同様のものを使用し、モニター波長は、表2に示すよう
に、フォト露光光源としてKrFレーザーの波長λ2=248
nmに対応するシフター部深さΔd2が270nmになるよ
うにモニター波長λ1を選定し、測定される反射光量の
エッチング時間に対して示すレコーダートレースの1番
目の極値がエッチング終点となるように、λ1=1574n
mとした。この例では、モニター用基板10が製品基板
7の上に載っており、エッチング速度の均一性が基板7
上では比較的良いことから、C=d2/d3=Δd3/Δ
2=1として計算した。スペクトル幅はΔλ1=5nm
である。エッチング条件は実施例1の場合と同じであ
り、この例のエッチング時間は15分であった。製品基
板7のシフター部のエッチングの深さの精度は、予定の
深さΔd2=270nmに対し、δ(Δd2)/Δd2=±6
%の中に入っていた。モニター用基板10は測定用光1
3が照射される中央部の板厚が、丁度監視波長λ1に対
し極値を示すように予めエッチング処理したものを使用
した。
【0037】この実施例の作用は実施例1の場合と同様
であり、モニター波長λ1を(3)式によってJ=1と
し長波長に選定したので、表3に示したように、スペク
トル幅Δλ1の許容値も大きくなり、(2)式を次の形
で満足する。 Δλ1=5nm<Δλj=8.48nm モニター用基板10は製品基板7の上に設置されている
ので、C=1となり、(24)(25)式により Δd3=λ1/(4n) …(64) Δd2=Δd3 …(65) となる。モニター用基板10の反射率測定によって、製
品基板7を精度良くエッチング終点が検出でき、目的の
エッチング深さが精度良く得られる。
【0038】実施例3 実施例1と同じ材質、板厚、寸法で、パターンも同じ製
品基板7を使用した。モニター用基板10としては、製
品基板7と同材質で、板厚0.0225mm,10mm角のもの
を使用し、これを製品基板7上に置き、測定用光13が
モニター用基板10の中央に当たるようにし、エッチン
グ中、6秒毎に測定波長を掃引して500〜800nmの波長
範囲の分光反射率(相対値)を測定し、図12の制御・
演算部20からリアルタイムで反射率極値波長と極値波
長の数を読取り、演算処理を行なって板厚を表示部28
及びレコーダー21に出力させ、設定された所定の板厚
でエッチングの終点の信号が出るようにした。各サンプ
リング時刻に測定される反射率曲線は図11に示すよう
なもので、山と山の各間隔Δλjとして約40の山を計数
するようにした。λ=670nm近くでΔλj=6.83nmで
ある。使用した分光器は測定波長範囲400〜800nm,検
出素子はフォトダイオードアレイで、測定波長スペクト
ル幅Δλ1=1nm,波長正確さδλ=±0.1nmであ
る。測定時間は解析結果の表示まで約4秒であった。シ
フター部深さΔd2はi線のフォト露光波長365nmに対
応してΔd2=397nmに設定した。実際のエッチング深
さはδ(Δd2)/Δd2=±5%の範囲内に入ってい
た。各サンプリング時間に計測される反射率極値に対応
する波長λj、λj+1、λj+2m及びmから板厚d1(t)
を算出する基本式としては次式を使用した。 j=4nd1(t)/λj …(66) 1/λj=j/(4nd1(t)) …(67) 1/λj+2m=(j+2m)/(4nd1(t)) …(68) Δλj=λj-1−λj+1=8nd1/(j2−1) …(69) d1(t)=(2m/4n){(1+2m/j)λj2}/{λj−λj+2m} …(70) 製品基板7の上にモニター用基板10を設置したので、
実施例2と同じようにC=d2/d3=1である。波長λ
1を掃引してm個の山を計数し、次数j及びj+2mの
極値波長を測定するようにしたので、各サンプリング時
刻tについて、(66)式によって次数jが算出され、
(70)式によってモニター用基板10の板厚d1(t)
が算出され、算出値d1(t)が所定の板厚d1(t)−
Δd2(t)になったときエッチングの終点とすること
ができる。この実施例3のように、測定波長λ1を掃引
する方式では、実施例1や2のように、製品基板7のエ
ッチングに先立ってモニター用基板10の板厚を予めエ
ッチング処理してモニター波長で反射率が極値を示すよ
うに調整しておくことが不要である。終点検出の精度は
(70)式を用いて次式が導かれる。 δΔd2/Δd2≒{8n(n−1)d5 2δλ1}/{mλ2λ1 2}…(71) 或いは、 δΔd2/Δd2≒{4(n−1)d5δλ1}/{mλ2Δλj} …(72) この実施例では、m=40,λ2=365nm,λ1=500〜80
0nm,λ1=λ1(平均値)≒670nm,波長正確さδλ
=±0.1nm,Δλj≒6.38nmとして、δΔd2/Δd2
≒±4.2%となるので、実際のエッチング深さがδΔd2
/Δd2=±5%の範囲内に入り得ることが分かる。
【0039】尚、実施例2、3では、モニター用基板1
0が製品基板7の上に直に設置してあるので、モニター
用基板10と製品基板7の表面との間に介在するギャッ
プ間の多重反射によって、反射率の測定に支障を来すか
と思われたが、実験では、該ギャップが測定に及ぼす影
響を無視できることが分かった。その理由は、下記の通
りである。上記ギャップをdギャップとすると、このギ
ャップによって反射率の分光曲線は(46)式で与えられ
る周期Δλjギャップで変調される。 Δλjギャップ≒λ1 2/2dギャップ …(73) このギャップは製品基板7とモニター用基板10の平面
度によって決まり dギャップ=0.05〜1μm …(74) である。従って、(73)式によりλ1=633nmとしても Δλjギャップ≒4000〜200nm …(75) であり、モニター用基板10の板厚d1=0.01〜1nm
についての周期Δdjは(λ1=633nmとして) Δλjギャップ=λ1 2/2nd1=14〜0.14nm …(76) と比べると Δλj<<Δλjギャップ …(77) であって、周期Δλjは周期Δλjギャップと容易に区別
できる。また、実施例1、2のように、波長を一定にし
て、板厚d1が変化する場合には、dギャップは時間的
に変化するわけではないので、やはり測定には支障は来
さない。
【0040】また、熱膨張がエッチング深さ測定に及ぼ
す影響を調べて見ると、製品基板7の熱膨張係数を
α1、モニター用基板10の熱膨張係数をα2、製品基板
7及びモニター用基板10のエッチング中の温度上昇を
夫々ΔT1、ΔT2とすると、熱膨張による板厚変化Δd
5及びΔd6は次式で与えられる。 従来例に対し Δd5=α15ΔT1 実施例に対し Δd6=α21ΔT2 ここにα1≒α2≒5.5×10- 7/℃、ΔT1≒ΔT2≒10〜
100℃、d5=6.35mm,d1≒0.1mm,またΔd2=270
nmとすると、 従来例では Δd5≒35〜350nm 又は、Δd5/Δd2=0.13〜1.3 実施例では Δd≒0.55〜5.5nm 又は、Δd6/Δd2=2.0×10- 3〜0.020 となって、従来例ではエッチング深さの誤差が熱膨張に
よって実用にならない位大きくなるが、実施例では、実
用上支障を受けない。
【0041】尚、実施例では測定用光を基板に垂直に入
射させたが、斜めに入射させることも可能である。上記
各実施例ではモニター用基板10に製品基板7と同材質
のものを使用したが、透明な別材質の基板をモニター用
基板10として使用しても良い。上記実施例1、2で
は、モノクロメーター16、24として回折格子型のも
のを用いたが、狭帯域干渉フイルターを用いても良い。
実施例2、3では、モニター用基板10を製品基板7の
上に単に載せるだけの形で設置したが、モニター用基板
10の周辺部に接着剤や粘着テープを用いて、或いは光
学用接着剤で製品基板7に固定するようにしてもよい。
実施例1では、モニター用基板10を高周波電極5の光
学窓14の上に設置したが、図12のように、高周波電
極5の光学窓14のない箇所にモニター用基板10aを
設置し、反射率を測定するようにしてもよい。実施例
2、3では、モニター用基板10を製品基板7の上にじ
か置きしたが、図14、図15のように、スペーサー2
9を介在させ、モニター用基板10と製品基板7との間
に形成される厚さd7のギャップによる多重反射による
干渉効果が測定に影響を及ぼさないようにするために、
スペーサー29の厚さd7が次式を満足するように設置
してもよい。 λ1 2/(2d7)<Δλ1<λ1 2/(2nd1) …(78) また、上記スペーサー29の代りに、図16、図17の
ように、拡散板30を使用してモニター用基板10と製
品基板7との間のギャップによる多重干渉が生じないよ
うにしてもよい。更に、実施例では光源12にW−ハロ
ゲンランプを使用したが、光源波長が目的に合えば、水
銀ランプやレーザー光源などの他の光源を使用できる。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明方法では、製品基板
の反射率あるいは透過率を直接測定する代りに、製品基
板よりも板厚の薄いモニター用基板を該製品基板の表面
或いはその近傍の高周波電極上に設け、該モニター用基
板の反射率或いは透過率を測定するようにしたので、測
定波長スペクトル幅が気体レーザー程小さくなくても、
基板内の多重反射による干渉効果が測定でき、且つ、回
折格子型或いは狭帯域干渉フイルターなどのモノクロメ
ーターを使用して例えば位相シフトマスクのシフター部
エッチング処理に際し、フォト露光の波長に対してモニ
ター波長を自由に選定することができ、モニター用基板
の反射率或いは透過率の極値が丁度エッチングの終点に
なるようにすることが可能になり、しかも、製品基板の
温度上昇に伴なう熱膨張による板厚変化の影響を受けな
いエッチングの終点検出が可能となり、従って精度の高
い位相シフトマスクの製作が可能になる等の効果があ
る。また、本発明の装置は真空容器と対向電極に光学窓
を設けたので、上記本発明方法を簡単且つ確実に実施で
きる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のドライエッチング装置のエッチング監
視装置の説明図
【図2】 図1の基板の平面図
【図3】 ドライエッチング工程の反射光量の変化を示
す線図
【図4】 位相シフトマスクの拡大断面図
【図5】 位相シフトマスクの適用パターンの拡大断面
【図6】 位相シフトマスクの形成工程の説明図
【図7】 従来のドライエッチング工程に於ける基板の
反射量の時間的変化の線図
【図8】 本発明の実施例に於ける板厚一定の場合の反
射率の線図
【図9】 本発明の実施例の測定波長を一定にした場合
の反射率の線図
【図10】 本発明の実施例の測定波長が一定で板厚が
減少する場合の反射光量の時間的変化の線図
【図11】 本発明の実施例の測定波長を掃引した場合
の反射光量変化を示す線図
【図12】 本発明の装置の一例の説明図
【図13】 図12のA−A線断面図
【図14】 モニター用基板の設置例の平面図
【図15】 図14の截断側面図
【図16】 モニター用基板の他の設置例の平面図
【図17】 図16の截断側面図
【符号の説明】
1 真空容器 2 排気口 3
ガス導入口 5 高周波電極 6 対向電極 7 エッチングされるべき基板(製品基板) 10 モニター用基板 11 監視領域 1
2 光源 13 測定用光 14 光学窓

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドライエッチング装置内のエッチング処
    理されるべき基板外或いは該基板上に該基板よりも薄い
    板厚0.01mm〜0.5mmのモニター用基板を設置
    し、該モニター用基板に白色光源からの測定用光を照射
    し、測定用光の波長λ1 及び測定波長スペクトル幅Δλ1
    を、モノクロメーターにより、 Δλ1<λ1 2/2n11 (ここでn1はモニター用基板の屈折率、d 1 は該モニタ
    ー用基板の厚みを表わす)の条件を満足するように設定
    してモニター用基板の反射率或いは透過率を測定するこ
    とによってエッチング処理されるべき基板のエッチング
    量を監視することを特徴とするドライエッチング装置に
    於けるエッチング監視方法。
  2. 【請求項2】 上記モニター用基板はエッチングされる
    べき基板と同一材質であることを特徴とする請求項1に
    記載のドライエッチング装置に於けるエッチング監視方
    法。
  3. 【請求項3】 エッチング処理すべき基板のエッチング
    深さΔd2とエッチング速度分布によって決まる速度比
    C=d2/d3(d2はモニター基板のエッチング速度、
    3はエッチング処理すべき基板のエッチング速度代表
    値)からモニター用基板のエッチング深さΔd3をΔd3
    =CΔd2によって決定し、モニター波長λ1をλ1=4
    1Δd3/J(Jは正の整数)によって選定し、反射率
    或いは透過率についてモニター用基板の板厚減少に伴っ
    て測定されるJ番目の極値を終点とすることを特徴とす
    る請求項1に記載のドライエッチング装置に於けるエッ
    チング監視方法。
  4. 【請求項4】 測定波長を掃引してモニター用基板の分
    光反射率或いは分光透過率を測定し、その反射率極値波
    長とその極値波長の数に基づいてリアルタイムで演算処
    理を行なって算出されるモニター用基板板厚によってエ
    ッチング処理の終点を検出することを特徴とする請求項
    1に記載のドライエッチング装置に於けるエッチング監
    視方法。
  5. 【請求項5】 排気口とガス導入口を備えた真空容器の
    内部に、エッチング処理される基板を載せる高周波電極
    と、該高周波電極に対向した対向電極を設け、該真空容
    器及び対向電極に、該真空容器の外部に設けた白色光源
    から該基板に向けてそのエッチング量を監視するための
    測定用光を透過させる光学窓を設け、該高周波電極上又
    は該基板の表面に該基板よりも薄い板厚0.01mm〜
    0.5mmのモニター用基板を設け、測定用光の光路中
    に測定用光の波長λ 1 及び測定波長スペクトル幅Δλ 1 Δλ 1 <λ 1 2 /2n 1 1 (ここでn 1 はモニター用基板の屈折率、d 1 は該モニタ
    ー用基板の厚みを表わす)の条件を満足するように設定
    する為のモノクロメーターを設け たことを特徴とするド
    ライエッチング装置に於けるエッチング監視装置。
  6. 【請求項6】 上記高周波電極に上記測定用光を透過さ
    せる光学窓を設けると共に該真空容器に該高周波電極を
    透過した測定用光を外部へと導き出す光学窓を設けたこ
    とを特徴とする請求項5に記載のドライエッチング装置
    に於けるエッチング監視装置。
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