JPH09141867A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH09141867A
JPH09141867A JP32957395A JP32957395A JPH09141867A JP H09141867 A JPH09141867 A JP H09141867A JP 32957395 A JP32957395 A JP 32957395A JP 32957395 A JP32957395 A JP 32957395A JP H09141867 A JPH09141867 A JP H09141867A
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JP
Japan
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piezoelectric element
voltage
polarization
ink
temperature
Prior art date
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Pending
Application number
JP32957395A
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English (en)
Inventor
Shogo Suzuki
祥五 鈴木
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 経年使用後においても、インクを所望の吐出
量で吐出させて画質を良好な状態に維持する。 【解決手段】 分極処理された圧電素子部材24を備
え、該圧電素子部材24を駆動電圧の印加により伸縮さ
せることによって、インクを吐出させて印字を行う記録
ヘッド12と、記録ヘッド12を環境温度以上で且つキ
ュリー温度未満である所定温度に保温するフロントヒー
タ26と、圧電素子部材24に印加する為の分極方向と
同極性を有する電圧を発生する駆動電圧発生手段と、駆
動電圧発生手段による電圧を可変に制御する電圧制御部
60と、所定温度下において、電圧制御部60により駆
動電圧発生手段による電圧を駆動電圧以上で且つ絶縁破
壊電圧未満に昇圧して圧電素子部材24に印加させるこ
とによって、圧電素子部材24を再分極させる記録装置
制御系40とを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、用紙にインクを吹
き付けて印字するインクジェット記録装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ファクシミリ装置等の通信装置やパーソ
ナルコンピュータ等の情報処理装置は、通常、文字や図
形からなるデータを視覚情報として記録するように、こ
れらのデータを用紙に記録可能な記録装置を有してい
る。この記録装置には、インパクト方式や感熱方式、イ
ンクジェット方式等の各種の印字方式が採用されている
が、近年においては、静粛性に優れていると共に各種材
質の用紙に印字可能なインクジェット方式を採用したイ
ンクジェット記録装置が注目されている。
【0003】上記のインクジェット記録装置は、多数の
ノズルを有した記録ヘッドと用紙とを対向配置し、記録
ヘッドを主走査しながら、ノズルからインクを吐出させ
て用紙に吹き付けることによって、用紙に文字や図形を
印字するようになっている。この際、ノズルからのイン
クの吐出は、一般に、ノズルに連通されたインク室の容
積を圧電素子の伸縮により増減させる構成により行われ
ている(図4参照)。従って、この構成においては、イ
ンクの吐出量が画質に大きな影響を与えるため、駆動電
圧を印加したときに圧電素子を所望の伸縮量で伸縮可能
であることが画質を向上させる上での重要な要素となっ
ている。
【0004】これにより、従来は、圧電素子が所望の伸
縮量で伸縮する変位特性を有するように、記録ヘッドの
製造時に、所定の分極温度下で所定の分極電圧を印加す
ることにより圧電素子を分極処理し、この圧電素子を記
録ヘッドに搭載することにより所望の吐出量でインクを
吐出させるようになっている。
【0005】
【発明を解決しようとする課題】ところで、分極処理
は、圧電素子の分子構造を高温、高圧により強制的に歪
ませる処理であるため、この分極処理により生成された
圧電素子の変位特性は、時間の経過に伴って分子構造の
歪みの解消と共に劣化することになる。これにより、上
記従来のように製造時に分極処理された状態で圧電素子
が使用されると、印字当初に実現されていた圧電素子の
所望の伸縮量が変位特性の劣化により次第に低下するた
め、経年使用後に、インクの吐出量が画質を大きく低下
させる程度にまで減少することになるという問題があ
る。
【0006】従って、本発明は、経年使用後において
も、インクを所望の吐出量で吐出させて画質を良好な状
態に維持することができるインクジェット記録装置を提
供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、分極処理された圧電素子を備
え、該圧電素子を駆動電圧の印加により伸縮させること
によって、インクを吐出させて印字を行う記録ヘッド
と、上記記録ヘッドを環境温度以上で且つキュリー温度
未満である所定温度に保温する加熱手段と、上記圧電素
子に印加する為の上記分極方向と同極性を有する電圧を
発生する駆動電圧発生手段と、上記駆動電圧発生手段に
よる電圧を可変に制御する電圧制御手段と、上記所定温
度下において、上記電圧制御手段により上記駆動電圧発
生手段による電圧を上記駆動電圧以上で且つ絶縁破壊電
圧未満に昇圧して上記圧電素子に印加させることによっ
て、上記圧電素子を再分極させる再分極処理手段とを有
していることを特徴としている。これにより、加熱手段
により圧電素子が昇温されると共に、駆動電圧発生手段
の電圧が圧電素子に印加されるため、圧電素子が劣化し
た場合でも、圧電素子を再分極して変位特性を回復させ
ることができる。これにより、圧電素子を良好な変位特
性に維持することができるため、経年使用後において
も、インクを所望の吐出量で吐出させて画質を良好な状
態に維持することができる。
【0008】請求項2の発明は、請求項1記載の上記再
分極処理手段は、圧電素子の電極間距離d(mm)に対
して3000×d(V)未満の電圧を、再分極時におい
て上記圧電素子に印加することを特徴としている。これ
により、さらに、圧電素子の絶縁破壊を招来しない範囲
の電圧が圧電素子に印加されるため、再分極処理時にお
ける圧電素子の損傷を確実に防止することができる。
【0009】請求項3の発明は、請求項1または2記載
の上記再分極処理手段は、再分極時には圧電素子の初期
分極に用いられた分極電圧程度に昇圧させた電圧を、上
記圧電素子に印加させることを特徴としている。これに
より、さらに、初期分極に用いられた分極電圧程度に昇
圧された電圧が再分極処理に用いられるため、圧電素子
の変位特性を初期分極時の変位特性に近い状態または同
等の状態にまで回復させることができる。
【0010】請求項4の発明は、請求項1乃至3のいず
れかに記載の上記インクは、常温では固形のホットメル
トインクであり、該ホットメルトインクは上記加熱手段
の加熱を受けて常に溶融されていることを特徴としてい
る。これにより、さらに、加熱手段が圧電素子の加熱と
ホットメルトインクの加熱とに共用されているため、ホ
ットメルトインクを採用したインクジェット記録装置に
とっては、部品コストの増大を防止しながら、再分極処
理を行うことができる。
【0011】請求項5の発明は、請求項4記載の上記所
定温度は、上記ホットメルトインクの融点以上で且つ圧
電素子のキュリー温度未満であることを特徴としてい
る。これにより、さらに、圧電素子を熱により破損させ
ない範囲の温度が圧電素子に印加されるため、再分極処
理時における圧電素子の損傷を確実に防止することがで
きる。
【0012】請求項6の発明は、請求項1乃至5のいず
れかに記載の上記所定温度は、上記圧電素子の初期分極
に用いられた分極温度程度であることを特徴としてい
る。これにより、さらに、初期分極に用いられた分極電
圧程度に昇圧された電圧が再分極処理に用いられるた
め、圧電素子の変位特性を初期分極時の変位特性に近い
状態または同等の状態にまで回復させることができる。
【0013】請求項7の発明は、請求項1乃至6のいず
れかに記載の上記再分極処理手段は、電源投入時、印字
開始前、および周期的のうち少なくとも一つの機会に上
記圧電素子を再分極させることを特徴としている。これ
により、さらに、再分極処理がオペレータを介さずに自
動的に実施されるため、画質を常に許容範囲内に維持す
ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例を図1乃至図5
に基づいて以下に説明する。本実施例に係るインクジェ
ット記録装置は、図2に示すように、筐体となる下カバ
ー1および上カバー2を備えている。上カバー2の後部
側には、多数枚の用紙20を積層して収容可能な給紙機
構3・4が前後に設けられている。これらの給紙機構3
・4の下端部の近傍には、給紙ローラ5・6がそれぞれ
配設されており、給紙ローラ5・6は、給紙機構3・4
に収容された用紙20を搬送経路7に送り出すようにな
っている。
【0015】上記の搬送経路7は、第1搬送ローラ8と
第2搬送ローラ9と排紙トレイ部10と排紙口1aとを
給紙機構3・4側からこの順に有しており、第1および
第2搬送ローラ8・9により用紙20を矢符方向(副操
作方向)に定量的または連続的に移動させながら、用紙
20を排紙口1aから機外に排紙させるようになってい
る。
【0016】上記の搬送経路7の上カバー2側には、印
字機構本体11が配置されている。印字機構本体11
は、記録ヘッド12と、記録ヘッド12に接合されたキ
ャリッジ13と、キャリッジ13を副走査方向に対して
垂直となる主走査方向に移動自在に支持するガイド部材
14と、キャリッジ13をガイド部材14に沿わせて主
走査方向に往復移動(主走査)させる図示しない走行機
構とを有している。
【0017】上記の記録ヘッド12は、図3に示すよう
に、ホットメルトインクを吐出させるヘッド部15と、
ヘッド部15に供給されるホットメルトインクを収容す
るタンク部16とからなっている。尚、インクジェット
記録装置に用いられるホットメルトインクとは、常温で
固形化し、軟化点が40〜140℃、融点が50〜15
0℃、インクから吐出される際のインク粘度が3〜50
cpsである性質を有したインクの総称であり、好まし
くは30〜90%のワックスと、5〜70%の樹脂と、
0.1〜10%の色剤と、その他の添加剤(増粘剤や海
面活性剤、溶解剤等)とからなっている。
【0018】上記のヘッド部15は、図4にも示すよう
に、用紙20に対向され、副走査方向に多数のノズル2
1aが形成されたノズルプレート21を有している。ノ
ズルプレート21は、キャビティプレート22に接合さ
れており、キャビティプレート22には、各ノズル21
aに対応して形成された多数のインク吐出溝22aおよ
びインク室溝22bと、全てのインク室溝22bに接続
されたインク供給溝22cとが形成されている。
【0019】上記のキャビティプレート22の全面に
は、ダイアフラム23が接合されている。ダイアフラム
23は、キャビティプレート22の各溝22a〜22c
の上面を塞ぐことによって、ノズル室27とインク室2
8とインク供給室29とを形成させるようになってい
る。そして、ダイアフラム23には、ベースプレート2
5に支持された多数の圧電素子部材24が接合されてお
り、各圧電素子部材24は、ダイアフラム23を介して
インク室28の上方に位置するように配置されている。
【0020】上記の圧電素子部材24は、ジルコンチタ
ン酸鉛(PZT)等の材質からなっており、記録ヘッド
12の製造時において、所定の分極温度(例えば130
℃)下で所定の分極電圧(例えば80V)を印加するこ
とにより分極処理されている。また、本実施例の圧電素
子部材24の各々には、各々には、その分極方向と同一
方向の極性を有する駆動電圧が印加されるように少なく
とも一対の電極(駆動電圧発生手段)が設けられてい
る。具体的には、本実施例の各圧電素子部材24は、P
ZTからなる30μmの圧電層を2乃至3μmの電極層
を交互に積層した積層型圧電素子からなり、圧電層は、
各層毎に分極方向が反転している。一般に、圧電素子
は、分極方向と同一の電界をかけられると、電極の平行
方向に伸び、垂直方向に縮む特性を呈する。そして、上
記電極を介して圧電素子部材24に電圧を印加すると、
圧電素子部材24は、印加される駆動電圧に応じた伸縮
量で伸縮し、ダイアフラム23を上下に変位させてイン
ク室28の容積を増減させることによって、インク室2
8のインクをノズル室27およびノズル21aを介して
用紙20方向に吐出させるようになっている。尚、上記
の分極温度とは、圧電素子部材24の分極初期の際に用
いられる温度のことであり、分極電圧とは、圧電素子部
材24の分極初期の際に用いられる電圧のことである。
【0021】上記の圧電素子部材24を支持するベース
プレート25には、平板状に形成されたフロントヒータ
26(加熱手段)が面状に接合されている。フロントヒ
ータ26は、ベースプレート25からタンク部16のイ
ンク供給路16aにかけて配設されており、ベースプレ
ート25を介して圧電素子部材24およびインク供給室
29のホットメルトインクを加熱すると共に、インク供
給路16aのホットメルトインクを加熱するようになっ
ている。
【0022】上記のインク供給路16aは、タンク部1
6のインク収容室16bに連通されており、インク収容
室16bに収容されたホットメルトインクをインク供給
室29に流動させるようになっている。また、インク収
容室16bの底面壁には、タンクヒータ31が貼設され
ており、タンクヒータ31は、インク収容室16bに収
容されたホットメルトインクを加熱して溶融させるよう
になっている。
【0023】上記のフロントヒータ26やタンクヒータ
31、圧電素子部材24等を備えた印字機構本体11
は、図1に示すように、記録装置制御系40(再分極処
理手段)により制御されるようになっている。記録装置
制御系40は、バス46を介して接続されたCPU4
2、ROM43、RAM45、タイマー44、インター
フェース49、メカ制御部47、ヒータ制御部53(加
熱制御手段)、および電圧制御部60(電圧制御手段)
を有している。そして、電圧制御部60は、上述の電極
と共に駆動電圧発生手段を構成する駆動電圧発生部54
と、初期分極の電圧である分極電圧を発生させる分極電
圧発生部57とを有している。
【0024】ROM43には、出力データ記憶領域のド
ットデータを印字させる印字ルーチンや、電源投入時、
印字開始前、および周期的のうち少なくとも一つの機会
に圧電素子部材24を再分極させる再分極処理ルーチン
等の各種の制御プログラムが格納されている。RAM4
5には、再分極処理を実施する時期を設定するタイマー
領域が形成されていると共に、主走査方向アドレスおよ
び副走査方向アドレスからなるマトリックス状のデータ
テーブルにドットデータを格納する出力データ記憶領域
が形成されている。また、タイマー44は、現在の時刻
を示す時刻データを出力するようになっており、インタ
ーフェース49は、図示しないパーソナルコンピュータ
等の情報処理装置に接続され、この情報処理装置からの
イメージデータ等の情報データを記録装置制御系40に
入力させるようになっている。
【0025】また、メカ制御部47は、記録ヘッド12
を主走査させるCRモータ55と、用紙20を副走査さ
せるPFモータ56とに接続されている。ヒータ制御部
48は、図3のフロントヒータ26およびタンクヒータ
31に接続されており、これらのヒータ26・31にそ
れぞれ設けられたサーミスタ50・50から発熱温度を
得ることによって、ヒータ26・31を所定の温度に調
整するようになっている。また、電圧制御部60の駆動
電圧発生部54は、図3の圧電素子部材24に印加され
る駆動電圧を発生するようになっている。一方、電圧制
御部60の分極電圧発生部57は、CPU42から再分
極処理を指示されたときにのみ作動するようになってお
り、圧電素子部材24を分極処理した分極電圧を発生
し、圧電素子部材24に印加するようになっている。
【0026】尚、電圧制御部60は、電圧制御部54に
よる駆動電圧と分極電圧発生部57による分極電圧との
2段階に電圧を変化させるようになっているが、連続的
に電圧を変化させるようになっていても良い。即ち、電
圧制御部60は、駆動電圧を発生させるようになっいる
と共に、再分極時において、駆動電圧以上で且つ絶縁破
壊電圧未満に昇圧された電圧を図3の圧電素子部材24
に印加させるようになっていれば良い。具体的には、再
分極時においては、圧電素子部材24の電極間距離d
(mm)に対して3000×d(V)未満の電圧(本実
施例においては90(V)未満に相当)を圧電素子部材
24に印加させるようになっていれば良い。
【0027】このような構成を有した記録装置制御系4
0は、通常の使用状態においては、フロントヒータ26
およびタンクヒータ31をホットメルトインクの溶融点
よりも僅かに高い温度に維持してホットメルトインクを
溶融させ、モータ55・56の作動により記録ヘッド1
2の主走査と用紙20の副走査とを繰り返すことによっ
て、RAM45の出力データ記憶領域に格納されたドッ
トデータを用紙20に1バンド単位で印字させるように
なっている。一方、再分極処理を実施する場合には、フ
ロントヒータ26を昇温させて圧電素子部材24を分極
温度に加熱した後、分極電圧発生部57により分極電圧
を発生させ、この分極電圧を圧電素子部材24に印加さ
せるようになっている。尚、フロントヒータ26と共に
タンクヒータ31も昇温されるようになっていても良
い。
【0028】上記の構成において、インクジェット記録
装置が印字開始前、記録装置の電源投入時、および周期
的に再分極処理を実施する場合の動作について説明す
る。図5に示すように、記録装置の電源が投入されると
(S1)、記録装置の初期設定の一つとして、現時点の
時刻から所定時間の経過に再分極処理を実施する時期を
示す設定時期データがタイマ領域に格納されると共に、
CPU42からヒータ制御部53に対して分極温度デー
タが送出されることになる。そして、温度データが入力
されたヒータ制御部53は、圧電素子部材24の分極処
理に用いた分極温度(例えば130℃)以上にフロント
ヒータ26を昇温させることによって、圧電素子部材2
4を加熱させることになる(S2)。
【0029】圧電素子部材24が分極温度に昇温する
と、CPU42から分極電圧発生部57に対して再分極
指示データが送出されることによって、分極処理に用い
た分極電圧(例えば80V)が分極電圧発生部57によ
り発生されることになる。そして、この分極電圧が圧電
素子部材24に印加されることによって、圧電素子部材
24が再分極処理され、記録装置の製造時における変位
特性に回復されることになる(S4)。
【0030】上記のようにして再分極処理が終了する
と、記録装置が通常の使用状態で作動するように、CP
U42からヒータ制御部53に対して通常温度データが
送出され、図3のフロントヒータ26およびタンクヒー
タ31がホットメルトインクの溶融温度よりも僅かに高
い温度(例えば105℃)となるように制御されること
によって、ホットメルトインクが溶融されながら、タイ
マー44の時刻データと、タイマー領域の設定時期デー
タとが比較され、所定期間が経過したか否かが判定され
ることになる(S4)。
【0031】そして、時刻データが設定時期データ以上
となり、所定期間が経過したと判定された場合には(S
4,YES)、上述のS2から再実行され、再分極処理
が実施されることになる。一方、所定期間が経過してい
ないと判定された場合には(S4,NO)、印字命令が
図示しない情報処理装置からインターフェース49を介
して入力されたか否かが判定され(S5)、印字命令が
入力されていないと判定された場合には(S5,N
O)、上述のS4が再実行され、S4とS5とが繰り返
して実行されて待機状態とされることになる。
【0032】一方、印字命令が入力されたと判定された
場合には(S5,YES)、上述のS2・S3の動作と
同様に、初期設定(S6)および再分極処理(S7)が
実施され、圧電素子部材24が記録装置の製造時におけ
る変位特性に回復された後、印字動作が実施されること
になる。
【0033】即ち、図2に示すように、給紙機構3・4
から用紙20が搬送経路7に繰り出され、用紙20が記
録ヘッド12に対向する所定位置に到達したときに、用
紙20が停止されることになる。そして、メカ制御部4
7がCRモータ55により記録ヘッド12を主走査する
と共に、RAM45の出力データ記憶領域に格納された
ドットデータに基づいて、駆動電圧が駆動電圧発生部5
4により圧電素子部材24に印加されることになる。こ
れにより、図3および図4に示すように、圧電素子部材
24が駆動電圧に応じた伸縮量で伸縮し、ダイアフラム
23を上下に変位させてインク室28の容積を増減させ
ることによって、インク室28のインクがノズル室27
およびノズル21aを介して用紙20方向に吐出される
ことになる。そして、記録ヘッド12の主走査により1
バンド分の印字が行われると、PFモータ56により用
紙20が1バンド分の紙送り量で副走査された後、次段
の印字が開始されることになる。この後、用紙20に対
する印字が完了すると、この用紙20は、搬送経路7か
ら排紙口1aを介して機外に排紙されることになる(S
8)。この後、上述のS4から再実行されることにな
る。
【0034】これにより、印字開始前、記録装置の電源
投入時、および周期的に再分極処理が実施されることに
よって、記録装置の経年使用後においても、インクを所
望の吐出量で吐出させて画質を良好な状態に維持するこ
とが可能になっている。
【0035】尚、上記のフローチャートにおいては、印
字開始前、記録装置の電源投入時、および周期的の全て
の機会に再分極処理を実施するようになっているが、こ
れに限定されることはなく、上記の機会のうちの少なく
とも一つの機会に再分極処理を実施するようになってい
れば良い。
【0036】また、本実施例においては、再分極処理を
実施するときに、フロントヒータ26を分極温度以上に
昇温させるようになっているが、通常の使用状態におい
て、フロントヒータ26を分極温度以上に発熱させなが
らホットメルトインクを溶融させるようになっていても
良い。そして、この場合には、常時、圧電素子部材24
を分極温度に維持しておくことができるため、分極電圧
発生部57により分極電圧を圧電素子部材24に印加さ
せるだけで、圧電素子部材24の再分極処理を実施でき
ることになる。これにより、再分極処理に要していたフ
ロントヒータ26の昇温時間を省略することができるた
め、再分極処理を短時間で完了することができる。
【0037】また、本実施例においては、初期分極に使
用された分極電圧および分極温度により再分極すること
によって、初期分極時と同等の分極特性に回復させる場
合について説明しているが、これに限定されることはな
い。即ち、圧電素子部材24を環境温度以上で且つキュ
リー温度未満に保温すると共に、圧電素子部材24に設
けられた電極(駆動電圧発生手段)による電圧を印加す
ることによって、圧電素子部材24を再分極させる構成
であれば良い。さらに、本実施例においては、ホットメ
ルトインクにより印字する記録装置に適用した場合につ
いて説明しているが、これに限定されることはなく、圧
電素子を用いて印字する方式であれば、液状インクによ
り印字する記録装置に適用することもできる。
【0038】
【発明の効果】請求項1の発明は、分極処理された圧電
素子を備え、該圧電素子を駆動電圧の印加により伸縮さ
せることによって、インクを吐出させて印字を行う記録
ヘッドと、上記記録ヘッドを環境温度以上で且つキュリ
ー温度未満である所定温度に保温する加熱手段と、上記
圧電素子に印加する為の上記分極方向と同極性を有する
電圧を発生する駆動電圧発生手段と、上記駆動電圧発生
手段による電圧を可変に制御する電圧制御手段と、上記
所定温度下において、上記電圧制御手段により上記駆動
電圧発生手段による電圧を上記駆動電圧以上で且つ絶縁
破壊電圧未満に昇圧して上記圧電素子に印加させること
によって、上記圧電素子を再分極させる再分極処理手段
とを有している構成である。これにより、加熱手段によ
り圧電素子が昇温されると共に、駆動電圧発生手段の電
圧が圧電素子に印加されるため、圧電素子が劣化した場
合でも、圧電素子を再分極して変位特性を回復させるこ
とができる。これにより、圧電素子を良好な変位特性に
維持することができるため、経年使用後においても、イ
ンクを所望の吐出量で吐出させて画質を良好な状態に維
持することができるという効果を奏する。
【0039】請求項2の発明は、請求項1記載の上記再
分極処理手段は、圧電素子の電極間距離d(mm)に対
して3000×d(V)未満の電圧を、再分極時におい
て上記圧電素子に印加する構成である。これにより、さ
らに、圧電素子の絶縁破壊を招来しない範囲の電圧が圧
電素子に印加されるため、再分極処理時における圧電素
子の損傷を確実に防止することができるという効果を奏
する。
【0040】請求項3の発明は、請求項1または2記載
の上記再分極処理手段は、再分極時には圧電素子の初期
分極に用いられた分極電圧程度に昇圧させた電圧を、上
記圧電素子に印加させる構成である。これにより、さら
に、初期分極に用いられた分極電圧程度に昇圧された電
圧が再分極処理に用いられるため、圧電素子の変位特性
を初期分極時の変位特性に近い状態または同等の状態に
まで回復させることができるという効果を奏する。
【0041】請求項4の発明は、請求項1乃至3のいず
れかに記載の上記インクは、常温では固形のホットメル
トインクであり、該ホットメルトインクは上記加熱手段
の加熱を受けて常に溶融されている構成である。これに
より、さらに、加熱手段が圧電素子の加熱とホットメル
トインクの加熱とに共用されているため、ホットメルト
インクを採用したインクジェット記録装置にとっては、
部品コストの増大を防止しながら、再分極処理を行うこ
とができるという効果を奏する。
【0042】請求項5の発明は、請求項4記載の上記所
定温度は、上記ホットメルトインクの融点以上で且つ圧
電素子のキュリー温度未満である構成である。これによ
り、さらに、圧電素子を熱により破損させない範囲の温
度が圧電素子に印加されるため、再分極処理時における
圧電素子の損傷を確実に防止することができるという効
果を奏する。
【0043】請求項6の発明は、請求項1乃至5のいず
れかに記載の上記所定温度は、上記圧電素子の初期分極
に用いられた分極温度程度である構成である。これによ
り、さらに、初期分極に用いられた分極電圧程度に昇圧
された電圧が再分極処理に用いられるため、圧電素子の
変位特性を初期分極時の変位特性に近い状態または同等
の状態にまで回復させることができるという効果を奏す
る。
【0044】請求項7の発明は、請求項1乃至6のいず
れかに記載の上記再分極処理手段は、電源投入時、印字
開始前、および周期的のうち少なくとも一つの機会に上
記圧電素子を再分極させる構成である。これにより、さ
らに、再分極処理がオペレータを介さずに自動的に実施
されるため、画質を常に許容範囲内に維持することがで
きるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】記録装置制御系のブロック図である。
【図2】インクジェット記録装置の概略構成図である。
【図3】記録ヘッドの内部構造を示す説明図である。
【図4】記録ヘッドのヘッド部の内部構造を示す説明図
であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図5】再分極処理ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
11 印字機構本体 12 記録ヘッド 15 ヘッド部 16 タンク部 20 用紙 21 ノズルプレート 22 キャビティプレート 23 ダイアフラム 24 圧電素子部材 25 ベースプレート 26 フロントヒータ 27 ノズル室 28 インク室 29 インク供給室 31 タンクヒータ 53 ヒータ制御部 54 駆動電圧発生部 55 CRモータ 56 PFモータ 57 分極電圧発生部 60 電圧制御部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分極処理された圧電素子を備え、該圧電
    素子を駆動電圧の印加により伸縮させることによって、
    インクを吐出させて印字を行う記録ヘッドと、 上記記録ヘッドを環境温度以上で且つキュリー温度未満
    である所定温度に保温する加熱手段と、 上記圧電素子に印加する為の上記分極方向と同極性を有
    する電圧を発生する駆動電圧発生手段と、 上記駆動電圧発生手段による電圧を可変に制御する電圧
    制御手段と、 上記所定温度下において、上記電圧制御手段により上記
    駆動電圧発生手段による電圧を上記駆動電圧以上で且つ
    絶縁破壊電圧未満に昇圧して上記圧電素子に印加させる
    ことによって、上記圧電素子を再分極させる再分極処理
    手段とを有していることを特徴とするインクジェット記
    録装置。
  2. 【請求項2】 上記再分極処理手段は、圧電素子の電極
    間距離d(mm)に対して3000×d(V)未満の電
    圧を、再分極時において上記圧電素子に印加することを
    特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 上記再分極処理手段は、再分極時には圧
    電素子の初期分極に用いられた分極電圧程度に昇圧させ
    た電圧を、上記圧電素子に印加させることを特徴とする
    請求項1または2記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 上記インクは、常温では固形のホットメ
    ルトインクであり、該ホットメルトインクは上記加熱手
    段の加熱を受けて常に溶融されていることを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録
    装置。
  5. 【請求項5】 上記所定温度は、上記ホットメルトイン
    クの融点以上で且つ圧電素子のキュリー温度未満である
    ことを特徴とする請求項4記載のインクジェット記録装
    置。
  6. 【請求項6】 上記所定温度は、上記圧電素子の初期分
    極に用いられた分極温度程度であることを特徴とする請
    求項1乃至5のいずれかに記載のインクジェット記録装
    置。
  7. 【請求項7】 上記再分極処理手段は、電源投入時、印
    字開始前、および周期的のうち少なくとも一つの機会に
    上記圧電素子を再分極させることを特徴とする請求項1
    乃至6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
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