JPH09137422A - 連結性土嚢および土嚢連結体 - Google Patents

連結性土嚢および土嚢連結体

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JPH09137422A
JPH09137422A JP29436795A JP29436795A JPH09137422A JP H09137422 A JPH09137422 A JP H09137422A JP 29436795 A JP29436795 A JP 29436795A JP 29436795 A JP29436795 A JP 29436795A JP H09137422 A JPH09137422 A JP H09137422A
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Japan
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resin
sandbag
resin foam
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bag
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Application number
JP29436795A
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English (en)
Inventor
Tsuneo Otaki
滝 恒 雄 大
Tomoyoshi Harada
田 智 嘉 原
Kazuhito Sato
藤 一 仁 佐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OKASAN KOGYO KK
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
OKASAN KOGYO KK
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂発泡体を原料とした軽量な土嚢を水のあ
る現場等で使用した場合であっても安定した姿勢で用い
ることが可能になる連結性土嚢および土嚢連結体を提供
する。 【解決手段】 樹脂発泡体の熱処理により形成され、平
均径が2〜50mmの範囲内にあり、圧縮強度が30〜7
0kgf/cm2 の範囲内にあり、真比重が0. 55〜0. 9
5の範囲内にある樹脂粒状物2が、連結部材を係止する
係止部7が形成された袋状体1内に充填されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、包装材料等として
汎用されている樹脂発泡体を再利用した軽量土嚢に関す
る。
【0002】
【従来の技術】包装材料あるいは緩衝材等として樹脂を
5〜80倍程度に発泡させながら成形した樹脂発泡体が
広く使用されている。こうした樹脂発泡体は、被梱包の
形態等に対応して所定の形状に発泡成形され、またこう
した樹脂発泡体自体の強度はそれほど高くないことから
そのままの形態で繰り返し使用することが難しい。そこ
で、従来は、使用された樹脂発泡体を焼却して廃棄する
のが一般的であった。
【0003】ところが、樹脂発泡体は、比重が低いた
め、即ち体積が大きいために焼却廃棄のためのコストが
高くなると共に、発熱量が大きいために、こうした樹脂
発泡体を焼却廃棄すると焼却炉が傷み易いという傾向が
ある。
【0004】そこで、このような樹脂発泡体は、石油製
品であり、限りある化石資源を有効に利用しようとする
昨今の情勢から、一旦使用された樹脂発泡体を焼却廃棄
せずに再利用しようとする試みがなされている。
【0005】こうした樹脂発泡体の再利用方法として、
樹脂発泡体を粉砕してこの粉砕物をコンクリート中に混
和して軽量骨材として使用する方法などが提案されてい
る。しかしながら、樹脂発泡体は非常に嵩高であり、ま
た発泡体を形成する樹脂の種類、発泡倍率等により、粉
砕物の特性が異なることから、発泡体の状態での再利用
には限界がある。
【0006】樹脂発泡体はポリスチレンのような熱可塑
性樹脂で形成されていることが多く、こうした樹脂発泡
体を熱処理すれば、その体積は減少する。こうして体積
が減ぜられた樹脂発泡体(熱処理物)を、非酸化雰囲気
で加熱して、発泡体を形成していた樹脂を熱分解により
油状物にまで分解して、こうして得られた油状物を利用
しようとする提案もある。
【0007】しかしながら、樹脂発泡体を形成する樹脂
自体がそれほど高価な樹脂ではないので、こうした樹脂
発泡体を再利用するためのコストには自ずと制限があ
り、再利用するための処理に費やせる費用も制限され、
再利用のためのコストが必要以上に高くなるような再利
用法は、実際には採用されにくいのである。
【0008】そこで、今日では、樹脂発泡体を低コスト
で処理して、マテリアルとして土木分野で有効に再利用
することが行なわれている。この用途は、樹脂発泡体を
熱処理して得られる樹脂粒状物を土木の分野で使用する
途を開くものであり、具体的には樹脂発泡体を充填した
新規な軽量土嚢として提供されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
軽量土嚢の用途としては、例えば、仮設道路構築用の材
料として使用されたり、あるいは傾斜したスロープを形
成するための材料として使用されたり、あるいは崩壊し
た橋に代わる浮き橋を構築したりする場合の土嚢などと
して用いられていた。
【0010】しかしながら、このような軽量土嚢は文字
通り軽く、水に浮かせての使用が可能になる反面、水が
存在する場合いくら多数の土嚢を敷き詰めたとしても上
部に鉄板などの重量物を敷き詰めないと、これらの集合
体が堆積場所から少しづつ離反してしまう。
【0011】したがって、水気が存在する使用場所等で
鉄板などの押さえが無い状態で使用されると、積み重ね
られた姿勢が不安定になってしまうという問題があっ
た。本発明は、上記問題に鑑み、樹脂発泡体を原料とし
た軽量な土嚢を水気のある現場等で使用した場合であっ
ても安定した姿勢で用いることが可能になる連結性土嚢
および土嚢連結体を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る連結性土嚢は、樹脂発泡体により形成さ
れ、平均径が2〜50mmの範囲内にあり、圧縮強度が3
0〜70kgf/cm2 の範囲内にあり、真比重が0. 55〜
0. 95の範囲内にある樹脂発砲体粒状物が、連結部材
を係止する係止部が形成された袋状体に充填されている
ことを特徴としている。
【0013】ここで、前記樹脂粒状物が、樹脂発泡体を
粉砕し、熱処理すなわち加熱減容してなるか、又は樹脂
発泡体を加熱減溶した後、粉砕したものであることが好
ましい。
【0014】また、前記樹脂粒状物が、ポリスチレン、
ポリオレフィン、ABSおよびMBSよりなる群から選
ばれる少なくとも一種類の樹脂から形成されていると良
い。さらに、袋状体に形成されている係止部が、ロープ
状の連結部材が連通する貫通孔が形成されるように帯状
袋の縁部が袋状体の表面に係止されることにより形成さ
れるのが好ましい。
【0015】また、本発明に係る土嚢連結体は、樹脂発
泡体の熱処理により形成され、平均径が2〜50mmの範
囲内にあり、圧縮強度が30〜70kgf/cm2 の範囲内に
あり、真比重が0. 55〜0. 95の範囲内にある樹脂
発砲体粒状物が、袋状体に充填されている少なくとも2
個の土嚢が、連結部材で係止することにより連結一体化
されていても良い。
【0016】
【作用】上記構成による本発明に係る連結性土嚢は、袋
状体と、この袋状体に充填された樹脂粒状物とからな
る。この樹脂粒状物は、樹脂発泡体を熱処理することに
より製造されたものであり、圧縮強度が高い。従って、
本発明の軽量な連結性土嚢は、例えば大型の土木工事機
械が走行するような過酷な条件であっても従来の土嚢と
同様に使用することができる。しかも、本発明の連結性
土嚢は、比重が低く軽量であるために、積み上げが容易
である。また、この樹脂粒状物は化学的に安定であり、
水あるいは土砂との長期間の接触によってもその特性が
変動することがない。
【0017】このような本発明に係る軽量な連結性土嚢
を形成する樹脂粒状物は、使用済みの樹脂発泡体を加熱
処理することにより容易に製造することができる。従っ
て、本発明により使用済み樹脂発泡体の新たな用途が提
供される。
【0018】また、本発明に係る連結性土嚢には、連結
部材を係止する係止部が形成されているので、必要に応
じて複数個の連結性土嚢を予めあるいは現場で連結して
用いることができる。
【0019】さらに、このような連結性土嚢からなる本
発明に係る土嚢連結体は、少なくとも2個の連結性嚢体
が連結部材で係止されているので、積み重ね等の敷設作
業が一層容易になるとともに、水気が存在する場所で使
用したとしても、一部の連結性嚢体が不用意に離反して
しまうこともない。
【0020】
【実施例】次に本発明に係る連結性土嚢および土嚢連結
体について具体的に説明する。図1は、本発明の一実施
例による連結性土嚢を示す斜視図であり、この土嚢は内
部に充填された樹脂粒状物を図示するために一部切りか
かれている。
【0021】本実施例の連結性土嚢10は、図1に示す
ように、袋状体1と、この袋状体1に充填された樹脂粒
状物2とからなる。この袋状体1としては、従来の土嚢
に使用されていた袋状体を使用することができ、こうし
た袋状体1を形成する繊維の例としては、麻等の天然繊
維、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンおよび
ポリエステル等の合成樹脂繊維を挙げることができる。
これらの合成樹脂の中では、ポリプロピレンあるいはナ
イロンが好ましい。
【0022】このような袋状体1の形態および大きさに
特に制限はないが、樹脂粒状物を5〜20kg程度充填で
きる大きさであることが好ましい。このような大きさの
土嚢は取り扱いが容易だからである。
【0023】この袋状体1は、樹脂粒状物が充填される
開口部3を有しており、この開口部3は、樹脂粒状物2
が充填された後、例えば紐4等を用いて封止される。本
発明において、この袋状体1としては、水の透過が可能
であって、かつ充填された樹脂粒状物が漏洩しないよう
に編み込まれている袋状体が好ましく使用される。ま
た、樹脂粒状物2の充填量を袋状体1の容量よりも少な
くすることにより、この連結性土嚢の形状変化を容易に
することができるようになり、地形の不陸に対する追随
性が向上する。例えば、樹脂粒状物の量を少なく調整す
れば、スロープ等を構築する場合に所望とする傾斜を容
易に構築することができる。
【0024】さらに、本実施例の袋状体1の外表面に
は、帯状袋5が付設されている。この帯状体5は、例え
ば、樹脂粒状物が充填される袋状体1と同一の材料から
なっており、内部に貫通孔6が形成されるように、それ
らの縁部は袋状体1の外表面に縫着されている。なお、
この貫通孔6を備えた帯状体5により、ロープ状の連結
部材を係止するための係止部7が構成されている。
【0025】一方、このようにロープ状の連結部材を係
止するための係止部7が形成された袋状体1内には、樹
脂粒状物2が充填されている。この樹脂粒状物2は、樹
脂発泡体を熱処理することにより製造される。樹脂発泡
体は、従来から、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン共重合体)、MBS(メチルメタアクリレート−
ブタジエン−スチレン共重合体)およびポリエチレンテ
レフタレート等の樹脂で形成されている。本発明で使用
される樹脂粒状物を製造する際には、上記のような従来
から使用されていている種々の樹脂で形成された樹脂発
泡体を使用することが可能であるが、本発明では特にポ
リスチレン、ポリオレフィン(例: ポリエチレン、ポリ
プロピレン)、ABSまたはMBSのいずれかの樹脂か
ら形成された樹脂発泡体を用いることが好ましい。この
ような樹脂からなる発泡体は、使用量が多く大量に処理
することが必要であると共に、熱処理が容易であるため
に処理コストが低く安価に樹脂粒状物を供給することが
でき、しかも熱処理により得られる粒状物の圧縮強度が
高い。本発明で使用される樹脂粒状物は、異なる樹脂か
ら形成された発泡体の混合物を熱処理して調製してもよ
いが、樹脂により熱処理温度が異なる場合が多いので、
同一の樹脂からなる発泡体をまとめて熱処理することに
より、より効率的に熱処理を行うことができると共に、
得られる樹脂粒状物の物性の変動幅も少なくなる。従っ
て、本発明では、例えば樹脂毎に熱処理することが好ま
しい。こうして熱処理して樹脂粒状物を製造した後は、
異なる樹脂から形成される粒状物を組み合わせて使用す
ることは可能である。
【0026】本発明で使用される樹脂粒状物は、上記の
ような樹脂で形成された発泡体を、熱処理することによ
り、含有される空気の少なくとも一部を排除し、その体
積を減じた粒状物である。即ち、本発明で使用される樹
脂粒状物は、樹脂発泡体を加熱して、その容積を減ずる
ことにより製造される粒状物である。
【0027】樹脂発泡体の熱処理方法には種々の方法が
既に知られており、本発明で使用される樹脂粒状物はこ
うした方法のいずれの方法を採用して形成されたもので
あってもよい。
【0028】例えば、発泡ポリスチレンの熱処理は、必
要により粗粉砕された発泡ポリスチレンを好ましくは加
熱された水蒸気を主な熱源として、330〜390℃、
より好ましくは350℃程度に加熱する。このようにし
て加熱された発泡ポリスチレンは溶融し、樹脂発泡体中
に包含されていた空気が放出されて減容する。こうして
溶融した樹脂を空気等で冷却しながら移動させ、ある程
度の粘度に達した時点でカットしてさらに冷却すること
により本発明で使用される樹脂粒状物を製造することが
できる。
【0029】また、長時間加熱する場合は、樹脂によっ
ても異なるが、120℃以上、好ましくは150℃程度
の加熱であってもよい。さらに、こうした加熱と同時に
機械的に押圧して減容することもできる。あるいは、発
泡体を加熱減溶した後、粉砕したものであっても良い。
【0030】本発明で使用される樹脂粒状物は、上記の
方法に限らず、例えば加熱水蒸気の代わりに遠赤外線を
用いて加熱することにより製造することもできる。さら
に、粗粉砕された樹脂発泡体をすり鉢状の粉砕器に投入
して粉砕しながら120〜150℃の摩擦熱を利用して
溶融ペレット化をすることもできる。
【0031】上記樹脂粒状物の製造方法は、単に本発明
で使用する樹脂粒状物の一例を示すものであり、樹脂発
泡体に熱を加えて樹脂発泡体中に包含される一部の気泡
を潰し容積を減少出来る方法であれば、上記の方法以外
の方法であっても樹脂粒状物を製造することができる。
【0032】熱処理する前の樹脂発泡体の密度は通常は
0. 01〜0. 05g/cm3 程度であるが、上記のように
熱処理をして、その真比重を0. 55〜0. 95の範囲
内、好ましくは0. 7〜0. 95の範囲内、特に好まし
くは0. 8〜0. 9程度にする。即ち、本発明で使用す
る樹脂粒状物は、原料となる樹脂発泡体の10倍程度の
比重を有しており、樹脂発泡体中に包含される空気の大
部分は上記熱処理により排出される。
【0033】本発明で使用される樹脂粒状物の形状には
特に制限がなく、不定形、球形、楕円球形、柱状、油滴
状など種々の形状のものを使用することができる。しか
しながら、この樹脂粒状物は、袋状体中に充填されるこ
とにより本発明に係る連結性土嚢の芯材を構成すること
から、充填された袋状体の織り目から漏れ出しにくい粒
子径を有していることが必要であり、この樹脂粒状物の
形状に拘わらず、樹脂粒状物の最も短い差し渡し径の平
均値(本発明では「平均径」と記載する)が2〜50m
m、好ましくは3〜45mmの範囲内にある。このような
平均径を有する樹脂粒状物は袋状体からの漏れ出しが少
ないと共に、圧力がかかった際に圧力が各樹脂粒状物に
分散するために、割れなどの樹脂粒状物自体の破損が少
ない。
【0034】また、本発明で使用される樹脂粒状物は、
上述のように種々の形状を有することから嵩密度は比重
よりも低く、通常は0. 2〜0. 5kg/m3 程度である。
このような樹脂粒状物の圧縮強度は30〜70kgf/c
m2 、好ましくは35〜60kgf/cm2 の範囲内にある。
即ち、樹脂発泡体を熱処理することにより、発泡体中に
含有される大部分の気泡が消滅して樹脂粒状物中にはわ
ずかに気泡が残存するだけであり、樹脂発泡体と比較す
ると著しく圧縮強度が向上して上記のような値を示す。
従って、このような樹脂粒状物を充填した本発明に係る
軽量な連結性土嚢は、例えば建築用重機が走行したとし
ても破壊されることがない。因みに、例えば樹脂発泡体
を製造するために市販されている樹脂の原料ペレット
は、気泡が全く含有されていないため、圧縮強度に関し
てみると本発明で使用される樹脂粒状物よりも高い値
(例えばポリスチレンの場合840〜910Kgf/cm2
度)を示すものが多いが、価格が本発明で使用される樹
脂ペレットの100倍近くになり、こうした原料ペレッ
トを土嚢充填材として使用しようとする発想自体、全く
実現性がないのである。
【0035】本実施例に係る連結性土嚢10は上記のよ
うに形成されているが、以下にその作用について説明す
る。先ず、このような連結性土嚢10は、単体として使
用することも勿論できるが、好ましくは複数個を連結し
て用いると良い。
【0036】その場合、図2および図3に示したよう
に、例えば幅方向に並べてあるいは多段にして配置され
る。この並べ方は勿論、ランダムであって良く、特に姿
勢を合わせる必要なない。しかしながら、このように整
合性をもって幅方向に並べるならば、各係止部7に形成
された貫通孔6内にロープ状の連結部材9を直線状に挿
通することができ、連結部材9の端部を引っ張ることに
より、これら一連の連結性土嚢10、10…を一つの集
合体としてまとめることができる。なお、ロープあるい
は針金等の連結部材10の端部は結び合わせても良く、
場合によっては他の部材、例えば杭等に係止させても良
い。また、複数個の連結性土嚢を現場で連結してもよ
く、工場内で予め連結しても良い。
【0037】尚、本発明の土嚢連結体においては、連結
性土嚢10に係止部7があることは必須ではない。例え
ばロープ状あるいは針金状の連結部材9を各連結性土嚢
の袋状体の織り目あるいは網目を通すことで相互に連結
することも可能である。
【0038】このように複数個が連結される連結性土嚢
10は、通常の土嚢と同等に使用することが出来る他、
その軽量性を生かして仮設工事、あるいは、緊急事態時
等に通常の土嚢の代わりに、あるいは、通常の土嚢と共
に使用することができる。
【0039】例えば、軟弱地盤上に仮設道路を形成する
際には、樹脂発泡体ブロックを敷設して仮設道路を構築
する工法が知られている。即ち、図4に示すように、軟
弱地盤12上に樹脂発泡体ブロック13を多数敷設し、
この樹脂発泡体ブロック13上に鉄板15を敷くことに
より、建築用重機等が走行することができる仮設道路を
構築することができる。このような仮設道路において、
土木用重機等がこの敷設した樹脂発泡体ブロック13上
に乗るためにはスロープ14を形成する必要がある。従
来こうしたスロープ14は、樹脂発泡体ブロック13を
斜めに切断して敷設したり、従来から使用されている土
嚢を積んだり、あるいは盛り土して形成する方法などが
採られていた。上記のような仮設道路は軟弱地盤の上に
形成されることが多く、樹脂発泡体ブロックを用いる場
合は別にして、従来から使用されている土嚢や盛り土に
よりスロープを形成しても、こうして形成されたスロー
プは、比較的短時間で軟弱地盤中に沈降しやすく、ま
た、一つづつが徐々に離反されやすい。また、H型鋼や
タイコオトシを用いて斜面を形成する作業は非常に煩雑
であったが、本発明のような軽量な連結性土嚢を使用す
ることにより容易に斜面を形成することができる。
【0040】そこで、こうしたスロープ14を連結性土
嚢10を用いて形成することにより上記のような問題は
解消される。このように本発明の連結性土嚢10を用い
てスロープ14を形成するには、まず樹脂発泡体ブロッ
クを敷設する地盤面12を整地し、ここに所定厚さにな
るように、樹脂発泡体ブロック13を敷設すると共に、
敷設した樹脂の端部が崩れないように固定する。次い
で、敷設した樹脂発泡体ブロック13の端部に本発明の
連結性土嚢10を登り勾配が10度前後になるように積
み上げてスロープ14を形成する。
【0041】こうしてスロープ14が略完成したら、各
連結性土嚢10の係止部7に形成された貫通孔6内に、
上記したロープ状の連結部材9を順次挿通し、これらを
一体化させる。その後、このスロープ14の上部および
樹脂発泡体ブロック13の上に鉄板15を敷き、全体を
固定する。なお、連結部材9の端部は、一連の各連結性
土嚢に巻回した後、互いに結びあわせても良く、あるい
は杭などに係止させても良い。
【0042】このようにして形成された仮設道路では、
樹脂発泡体ブロックおよび連結性土嚢の比重は共に水よ
りも低いので、軟弱地盤上であっても沈降することが少
ない。また、多数の連結性土嚢10は、ロープ状の連結
部材9で一体化されているので、例え、下方から水が湧
き出てきたとしても、これらの集合体から連結性土嚢1
0が部分的に離反してしまうことはない。
【0043】また、本発明の連結性土嚢を合成樹脂製の
袋状体に樹脂粒状物を充填して形成すると、この連結性
土嚢が長期間水に接触しても腐敗などが生じにくい。一
方、上記の仮設道路の説明は、構築が最も困難な軟弱地
盤上に仮設道路を構築する例であるが、本発明の軽量土
嚢は、こうした軟弱地盤のほか、通常の地盤上に仮設道
路を構築する場合にも適用できることは勿論である。
【0044】また、本発明に係る連結性土嚢は、軽量で
あるとの利点を利用して、例えば、災害復旧用に使用さ
れる土嚢として利用することができる。上記の連結性土
嚢およびこれらを一体化させた土嚢連結体の使用方法
は、一実施例を例示的に示したまでであり、他の用途で
使用できることは勿論である。
【0045】例えば、図5は他の実施例による連結性土
嚢40を示したもので、図1と同一要素は同一符号で示
している。この連結性土嚢40では、係止部7の他に第
2の係止部41が袋状体1の側面部に形成されている。
この係止部41は、環状のリングを中央に具備したもの
で、このリングにより貫通孔が構成されている。
【0046】このように、周囲に係止部41を形成した
連結性土嚢40の場合には、幅方向に多数並べた連結性
土嚢40のうち、例えば相隣接する連結性土嚢40、4
0間を部分的に連結していくことを簡単に行なうことが
できる。また、無造作にこれらの連結性土嚢40が現場
に投入されたとしても、必要に応じた箇所だけ2つある
いは3つ程度の連結性土嚢40を連結していくこともで
きる。
【0047】このように、袋状体に形成するロープ状の
連結部材9を挿通するための係止部は、上記実施例に何
ら限定されない。例えば係止部7と係止部41とを共に
具備させたものであっても良い。
【0048】この場合には、無造作に置かれた連結土嚢
体であっても、複数本の連結体を用いてより簡単に一体
化させることができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る連結性
土嚢は、使用済みの樹脂発泡体を原料として、これを加
熱処理することにより製造することができるので、非常
に低コストで製造することができる。
【0050】また、本発明に係る連結性土嚢は、これら
を単体として用いることもできるが、必要に応じて複数
個の連結性土嚢を連結部材で係止させて一つの集合体と
して用いることができる。また、これにより、例えば水
気がある現場で使用する場合であっても、一部の連結性
土嚢が水により不用意に流されてしまったり、あるいは
集合体から離反してしまうことはない。したがって、敷
設した当初の姿勢を維持することができる。
【0051】さらに、本発明に係る土嚢連結体によれ
ば、現場に搬入する前に予め連結しておくこともできる
ので、敷設作業をより簡単にすることができる。また、
一部の連結性土嚢が水の影響を受けて所定場所から離反
しようとしても、その連結性土嚢は他の連結性土嚢と一
体に連結されているので、移動したりすることはない。
【0052】さらに、鉄板等の重量物が上部に載せられ
ない状態で連結性土嚢が積み重ねられたとしても、これ
らの土嚢連結体は安定した姿勢を保持することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例に係る連結性土嚢を一
部破断して示す斜視図である。
【図2】図2は同実施例による連結性土嚢を用いた土嚢
連結体の平面図である。
【図3】図3は同実施例による連結土嚢体の斜視図であ
る。
【図4】図4は同実施例により形成された連結土嚢体の
使用例の一例を示す斜視図である。
【図5】図5は本発明に係る連結性土嚢の他の実施例を
示す一部破断斜視図である。
【符号の説明】
1・・・ 袋状体 2・・・ 樹脂粒状物 5・・・ 帯状体 6・・・ 貫通孔 7・・・ 係止部 10・・・ 連結性土嚢 40・・・ 連結性土嚢 41・・・ 係止部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均径が2〜50mmの範囲内にあり、
    圧縮強度が30〜70kgf/cm2 の範囲内にあり、
    真比重が0.55〜0.95の範囲内にある樹脂発泡体
    粒状物が、連結部材を係止する係止部が形成された袋状
    体に充填されていることを特徴とする連結性土嚢。
  2. 【請求項2】 樹脂粒状物が、樹脂発泡体を粉砕し、加
    熱減容してなるか、又は樹脂発泡体を加熱減溶した後、
    粉砕したものであることを特徴とする請求項第1項記載
    の連結性土嚢。
  3. 【請求項3】 樹脂粒状物が、ポリスチレン、ポリオレ
    フィン、ABSおよびMBSよりなる群から選ばれる少
    なくとも一種類の樹脂から形成されていることを特徴と
    する請求項第1項または第2項記載の連結性土嚢。
  4. 【請求項4】 袋状体に形成されている係止部が、ロー
    プ状の連結部材が連通する貫通孔が形成されるように帯
    状袋の縁部が袋状体の表面に係止されることにより形成
    されていることを特徴とする請求項第1項乃至第3項記
    載の連結性土嚢。
  5. 【請求項5】 平均径が2〜50mmの範囲内にあり、
    圧縮強度が30〜70kgf/cm2 の範囲内にあり、
    真比重が0.55〜0.95の範囲内にある樹脂発泡体
    粒状物が、袋状体に充填されている少なくとも2個の土
    嚢が、連結部材で連結一体化されていることを特徴とす
    る土嚢連結体。
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