JP2004204661A - 粒状体の充填廃タイヤによる地盤造成方法と造成された地盤 - Google Patents
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Abstract
【課題】廃タイヤにせん断変形によるダイレイタンシーを生じさせて剛性の増加を図ると共に筒型積層体に応力―歪の非線形ループを形成させ、硬い杭状改良体の形成と地盤変形に順応的追随ができる粒状体の充填廃タイヤによる地盤造成方法と造成された地盤を提供する。
【解決手段】本発明による地盤造成方法と造成された地盤は、廃タイヤ2の筒型積層体1に粒状体5を詰め込んでダイレイタンシーを生じさせた膨張状筒型積層体10を形成し、これを地盤改良区域に配置してジオテキスタイルの採用、タイヤチップ・タイヤシュレッズの併用で造成地盤を構成し、膨張状筒型積層体の上端部に圧縮充填された粒状体の余盛りを形成したり、積層前の廃タイヤの凹凸隙間に粒状体を予め充填させて置くことや粒状体に水膨張性ポリマーを混在させることを特徴としている。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明による地盤造成方法と造成された地盤は、廃タイヤ2の筒型積層体1に粒状体5を詰め込んでダイレイタンシーを生じさせた膨張状筒型積層体10を形成し、これを地盤改良区域に配置してジオテキスタイルの採用、タイヤチップ・タイヤシュレッズの併用で造成地盤を構成し、膨張状筒型積層体の上端部に圧縮充填された粒状体の余盛りを形成したり、積層前の廃タイヤの凹凸隙間に粒状体を予め充填させて置くことや粒状体に水膨張性ポリマーを混在させることを特徴としている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粒状体の充填廃タイヤによる地盤造成方法と造成された地盤に関し、特に、硬い杭状の改良体を形成すると同時に地盤変形に順応的に追随することのできる粒状体の充填廃タイヤによる地盤造成方法と造成された地盤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年における自動車の普及と相俟って、廃タイヤに対する処理問題は、今後も大量に発生する廃棄物としてさらに問題視されることが予想され、その対策は緊急の課題として浮上している。
【0003】
廃タイヤの有効利用については、これまでも、多くの検討が成されており、少しずつ実行に移されているものの、大幅に利用できる方法に関しては未だに提案されていなかった。一方、廃タイヤにおけるリサイクル問題は、タイヤ業界全体として取り組まれてはいるが、近年の傾向としては、対象数がほぼ横ばい状態になっている。
【0004】
又、タイヤチップにして再利用することも検討されているが、この場合は、廃タイヤをわざわざ破砕すると同時に、繊維・スチールワイヤー等のゴム部分以外のものを除去した後でなければ、その後の加熱処理や再生製品としての製造ができないという問題が未解決であり、手間とコストが掛かることで実用化は、今一歩の感がある。
【0005】
以上のように、従来の廃タイヤ対策は、主としてリサイクルと再生であったが、再生の困難さから廃タイヤをそのままの形で利用する方法も以下のように提案されている。(例えば、特許文献1、2を参照)
【0006】
【特許文献1】
特開2001−106211号公報(「段落番号」0011、「段落番号」0013〜「段落番号」0015、図1、2)
【特許文献2】
特開2001−180237号公報(「段落番号」0010〜「段落番号」0023、図1、2)
【0007】
又、他の提案として図7に示すような廃タイヤを活用した造成工法も提案されている。
本提案では、図7(a)の斜視図が示すように、タイヤブロック杭30は、積み重ねた廃タイヤ31の中にコンクリート、石、砕石等の中詰材32を詰め込むことで形成している。
【0008】
タイヤブロック杭30は、図7(b)の平面図が示すようにその複数個を平面状に配置することで、建物や構築物又はポール等の基礎杭33として使用しており、この他にも、地盤の沈下予防もしくは道路等で例示される路盤の沈下防止材として用いるものである。
【0009】
しかしながら、本例では、中詰材32の砕石を廃タイヤ31に存在する隙間の隅々にまで満遍なく詰めることは困難である。即ち、縦に積み上げる廃タイヤの中空部分には、図示されていないが出っ張りのあるのが普通であり、中詰材の砕石等を仮に詰め込むことができたとしても、廃タイヤと中詰材との間には随所に空隙部が存在することに成って、中詰材の締固め効果は、使用期間中に緩む可能性が大であった。
【0010】
このために、本提案による廃タイヤの層積体は、長期に亘って荷重が加えられたり、地震等で横揺れが加えられたりすると、強度的に耐えられない状況も危惧されている。(例えば、特許文献3を参照)
【0011】
【特許文献3】
特開平11−29927号公報(第2頁、第1欄、第34行〜第2頁、第2欄、第20行、図1〜4)
【0012】
以上のように、現状における廃タイヤ対策は、未解決の部分が多く存在していることから、今後も続く自動車の普及と相俟って、大量に発生する廃棄物問題として、早急な改善策の提案が要望されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の状況に鑑みて提案するものであり、廃タイヤにせん断変形による体積膨張状態( 以下、ダイレイタンシーという)を生じさせることによって、廃タイヤに充填する粒状体に拘束力に応じた剛性の増加を図ると同時に、廃タイヤの筒型積層体に応力―歪の非線形ループを形成させることで、硬い杭状改良体の形成と地盤変形に順応的な追随とができる粒状体の充填廃タイヤによる地盤造成方法を提供している。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明による粒状体の充填廃タイヤによる地盤造成方法は、基本的に、廃タイヤの筒型積層体に粒状体を詰め込み、次いで粒状体を廃タイヤが体積膨張するまで筒型積層体内に圧縮充填させることで膨張状筒型積層体を形成し、しかる後に、膨張状筒型積層体を地盤改良区域に配置して構造物を構成しており、具体的には、膨張状筒型積層体の上端部に圧縮充填された粒状体の余盛りを形成したり、積層前の廃タイヤの凹凸隙間に粒状体を予め充填させて置くことや粒状体に水膨張性ポリマーを混在させることを特徴としている。
【0015】
これによって、廃タイヤを原型のままで再利用可能にし、中詰めする粒状体の緩みを無くすると共に、廃タイヤのフープテンションを活用させた長期間の締固め効果を確立させて、硬い杭状の改良体を形成しながら地盤変形に順応的に追随することで有効な地盤改良を図っている。
【0016】
又、本発明による造成された地盤は、上記地盤造成方法で形成された膨張状筒型積層体と盛土とを所定の間隙で配置することを基本にしており、膨張状筒型積層体を盛土の周辺に隔壁を形成するように配置したり、膨張状筒型積層体と盛土とをジオテキスタイルに構成すると共に、配置する膨張状筒型積層体間の盛土をタイヤチップ・タイヤシュレッズで兼用し、法面を構成する盛土をタイヤチップ・タイヤシュレッズで構成することを特徴としている。
【0017】
これによって、上記地盤造成方法形成された膨張状筒型積層体の機能に加えて、地盤に散乱減衰機能を発揮させて振動の伝搬を低減させ、軽量化を図ると共に急勾配にも対応できる地盤を構成している。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の粒状体の充填廃タイヤによる地盤造成方法は、廃タイヤの筒型積層体に粒状体を詰め込み、次いで粒状体を廃タイヤが体積膨張するまで筒型積層体内に圧縮充填させることで、膨張状筒型積層体を形成しており、この膨張状筒型積層体を地盤改良区域に配置することで、軟弱地盤等を有効に地盤改良した構造物を構成している。
以下に、本発明の粒状体の充填廃タイヤによる地盤造成方法について、その実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
図1、2は、本発明の粒状体の充填廃タイヤによる地盤造成方法において形成される膨張状筒型積層体の製造工程を示しており、図1は、廃タイヤを筒状に積み上げることで廃タイヤの筒型積層体を形成する工程を示している。
【0020】
廃タイヤの筒型積層体1は、複数の廃タイヤ2を積み重ねることで形成されており、必要に応じて、図1(a)のようにずれ止め用に鉄筋3を通して位置決めをするか、接着剤で廃タイヤ2の相互間を止めている。
【0021】
図1(b)は、筒型積層体に粒状体を詰める工程を示しており、筒型積層体1を形成した廃タイヤ2の空洞部分4には、粒状体5を上方の開口6から詰めている。
【0022】
粒状体5は、後述するように正のダイレイタンシーを生じることのできる材料か、突固めによる密度増加が期待できる材料であれば何でも良く、以下のような安価な材料であって良い。
【0023】
▲1▼ 砕石
▲2▼ 砂、砂礫
▲3▼ コンクリート塊
▲4▼ ガラス破砕片、陶器破砕片
▲5▼ 石炭灰
▲6▼ スラグ類
▲7▼ カキ殻
【0024】
粒状体5としては、この他にも、「建設発生土」や「浚渫土砂」等であっても採用可能であるが、これらの場合には、中詰めされた粒状体がタイヤとタイヤの隙間から漏れ出るのを防止するために、ある程度以上の粒径を備えた粒状体を選択することが望ましいものである。
【0025】
又、浚渫土や建設汚泥のようにヘドロが混ざったような軟弱土や粒径の小さい材料を用いる場合であっても、それぞれの粒状体に所定量のポリマーを混入させたり、廃タイヤの相互間を接着剤で隙間無く貼り合わせることで、ダイレイタンシーを確保できるように処置することによっても対処可能である。
【0026】
さらに、粒状体として産業廃棄物である「コンクリート塊」、「カキ殻」「石炭灰」及び「鉄鋼スラグ」等を使用するようにした場合には、産業廃棄物に対するさらなる有効利用になるものであり、有意義な産業廃棄物の処理方法にもなる。
【0027】
粒状体5は、廃タイヤ2の空洞部分4に詰められた後に、廃タイヤ2の空洞部分4に形成されている凹凸隙間にも粒状体が満遍なく充填されるように注意しながら、突き固め棒7を用いた振動もしくは上下運動によって詰め込まれるが、その際の突き固め棒7をずれ止め用の鉄筋3で兼用することも可能である。
【0028】
しかして、突き固め棒7等の機械による振動の場合であっても、加圧される粒状体5の移動は、下方もしくは加圧力の分力によって飛散する横方向が大部分であるから、廃タイヤの上方に存在する隙間のように、粒状体5の上方移動が必要になる場合を含めた、全ての隙間の隅々にまで粒状体5を詰めることの困難な揚合がある。
【0029】
このような場合の対策としては、積上げる前の廃タイヤに対する処置であり、その上方に存在する隙間に粘着材を混ぜた粒状体5もしくは発泡スチロール等で予め充分に充填して置くことによって、正規の詰め込み時に際しては、粒状体5の上方移動を不必要にすることである。
【0030】
又、他の対策としては、粒状体に水膨張性ポリマーを混ぜる方法である。これによると、下方からの吸水によって地下水を供給するか上方からの散水による水分の供給によって水膨張性ポリマーを膨張させることによって、粒状体は、廃タイヤの上方に存在する隙間にまで充填され、残っている隙間にも粒状体が行き渡らせることができる。
【0031】
尚、本工程は、上記実施の形態のように廃タイヤを地上に積み重ねて置いた状態で、廃タイヤの中に粒状体を充填することで廃タイヤの筒型積層体1を形成することもできるが、軟弱地盤に形成した掘削孔中に中空の筒型積層体1を予め設置した後に、粒状体を充填して行く実施の形態であっても採用可能である。
【0032】
図2は、粒状体が詰め込まれた廃タイヤの筒型積層体を膨張状筒型積層体に形成する工程であって、図2(a)は、余盛りもしくは水膨張性ポリマーによって形成された膨張状筒型積層体の断面図であり、図2(b)は、膨張状筒型積層体の拡大部分断面図である。
【0033】
図2(a)は、上記実施形態の工程によって粒状体を詰め終わった状態を示している。本実施の形態では、廃タイヤの筒型積層体1の上端部に圧縮充填された粒状体を少し余分に盛っておいて、余盛り8を形成しており、余盛りに荷重を加えることで粒状体をより密に詰める状態にすることで膨張状筒型積層体10を構成させることができる。
【0034】
又、圧縮充填された粒状体5に水膨張性ポリマーを混合させておくことで粒状体5を廃タイヤ2の空洞部分4に充填させる場合は、上述したように地下水を下方から吸水することによって供給するか、地下水位が低いために地下水の給水が不可能な場合には、上方からの散水9で水分を供給することによって、水膨張性ポリマーを膨張させるものであり、これによって空洞部分4に粒状体5を充分に圧縮充填した膨張状筒型積層体10を構成させることができる。
【0035】
以上の形態は、図2(b)の左側に示す拡大断面のように、筒型積層体1の状態では、粒状体5が廃タイヤ2の空洞部分4に充分に詰められた状態にあるのみで仮想線の膨張形態には至っていなかったが、余盛り8もしくは突き固め棒7によって荷重が加えられると、余盛り8等の粒状体5が廃タイヤ2の中に押し込まれることで、仮想線の廃タイヤ2を押し広げて、図2(b)の右側に示す拡大断面のように、ダイレイタンシーを確保できる膨張状筒型積層体10を形成している。
【0036】
膨張状筒型積層体10におけるダイレイタンシーの確保は、一般的に確認されているように、筒状の袋の中に粒状体を隙間無く詰めた形態の下に上からの荷重を加えると、粒状体が正のダイレイタンシーを生じることで、中詰め材料は自らを膨張させて袋を押し広げることになり、袋にはテンションが働くことになって粒状体を拘束する原理と同様である。
【0037】
上記の状況にある袋内の粒状体は、拘束力に応じた剛性の増加を発揮するものであり、この際の筒状の袋は、全体として硬い杭状の改良体を形成することになるが、同様の原理に従う膨張状筒型積層体10は、結果的に全体として硬い杭形状を構成することになり、大きな上載荷重にも耐え得るものである。
【0038】
特に、膨張状筒型積層体10を形成している廃タイヤ2は、本来的にスチールワイヤーがメッシュ状に入っていることでフープテンションに非常に強くなっているものであるから、スチールワイヤーさえ切れていなければ多少磨り減ったタイヤであっても粒状体5に対する相当の拘束応力を期待できる。それ故に、膨張状筒型積層体10は、粒状体5を相当に硬い剛性の杭形状に形成させることになるので、有効な地盤改良材を構成できるものである。
【0039】
図3は、膨張状筒型積層体を構造物に適用して載荷荷重を支持する場合の一般的な変形状態を示しており、図3(a)は軟弱地盤に対する構造物からの荷重状態であって、図3(b)は地震時における膨張状筒型積層体の変形状態である。
【0040】
軟弱地盤11においては、基盤12の上に膨張状筒型積層体10を設置しており、膨張状筒型積層体10の上に構造物13を構築している。
【0041】
これらの状態にあっては、膨張状筒型積層体10の上に構造物13からの荷重が加えられると、膨張状筒型積層体10は、上述したように粒状体5は硬い剛性の杭形状を形成しており、構造物13の大きな上載荷重にも充分に耐え得るものである。
【0042】
尚、本実施の形態では、膨張状筒型積層体10の上面と構造物13の基礎底面との馴染みを良くして、余盛り8の粒状体5を廃タイヤ2の中にスムーズに押し込めるために、地表面に敷き砂利14等を敷いている。
【0043】
即ち、敷き砂利14の敷設は、積層するタイヤの高さが異なる図示のような場合にも、地表面を敷き砂利14によって平に出来るので、構造物との馴染みが良くなって安定化を確保することが出来る。、
一方、図3(b)に示す地震時にあっては、膨張状筒型積層体10が軟弱地盤11の変形に素直に追従して変形することになるので、通常の杭のように折損することがない。
【0044】
又、この時における膨張状筒型積層体10の粒状体5は、繰返しせん断変形を受けるが、この時の粒状体5は、応力〜ひずみ関係において、図示のように非線形の履歴ループ15を描いており、これによって、膨張状筒型積層体10の粒状体5は地震動のエネルギを吸収することができるので、構造物13に入力される加速度の低減を期待できるものである。
【0045】
以上のように、膨張状筒型積層体10の作動は、しなやかに変形するエネルギー吸収杭ともいうべきものであって、硬い杭状改良体を形成しながら地盤変形に順応的に追随することが可能であるから、有効な地盤改良を図れるものである。
【0046】
尚、振動中の廃タイヤは、鉄筋等の配置によってそのずれを防止できるものであるから、軟弱地盤の状況に対応させて、膨張状筒型積層体10の形態を適宜に設定できるものである。
【0047】
図4は、膨張状筒型積層体10を適用させる他の実施の形態であって、膨張状筒型積層体10の特性を有効に生かしながら、膨張状筒型積層体10を配置する各種の平面図である。
【0048】
図4(a)は、膨張状筒型積層体10の多数個をワイヤーもしくは鉄筋等の拘束材16によって連結したものであり、この他にも梱包用の樹脂を用いることで拘束材16を形成できるもので、結果として図示のように重厚なハニカム構造17として使用できる状態を構成できることを示す実施の形態である。
【0049】
又、図4(b)は、膨張状筒型積層体10を連続的に配置した布基礎18の実施の形態を示しており、図4(c)は、膨張状筒型積層体10を直接基礎19に適用した実施の形態を示している。
【0050】
以上の実施形態で説明したように、本発明による粒状体の充填廃タイヤによる地盤造成方法は、廃タイヤは原型のままで再利用されており、中詰めする粒状体の緩みを無くすると共に、廃タイヤのフープテンションを活用させて長期間の締固め効果を確立させることで、膨張状筒型積層体をエネルギー吸収杭のようにしなやかに変形させるものであり、硬い杭状の改良体を形成しながら地盤変形に順応的に追随することで有効な地盤造成を図っている。
【0051】
次に、本発明による造成された地盤について説明する。
本発明による造成された地盤は、上述した地盤造成方法で形成された膨張状筒型積層体と盛土とを所定の間隙で配置することを基本にしており、具体的には、膨張状筒型積層体を盛土の周辺に隔壁を形成するように配置し、膨張状筒型積層体と盛土とをジオテキスタイルに構成すると共に、配置する膨張状筒型積層体間の盛土をタイヤチップ・タイヤシュレッズで兼用し、法面を構成する盛土をタイヤチップ・タイヤシュレッズで構成することを特徴にしている。
以下に、本発明による造成された地盤の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0052】
図5は、膨張状筒型積層体で補強した造成される地盤の実施の形態を示している。
図5(a)は、切土地盤20と盛土地盤21に跨らして構築する構造物13のために膨張状筒型積層体10を用いて造成した例を示している。造成される地盤が図示のような切土地盤20と盛土地盤21の場合には、常時や地震時に不同沈下を生じ易いものであるが、本実施の形態のように膨張状筒型積層体10を用いて造成することで、これらの不同沈下にも随時に順応できるものであり、極めて有効な造成手段である。
【0053】
又、図5(b)は、膨張状筒型積層体10を盛土内と盛土支持地盤に適用して盛土の安定を図っている実施の形態を示している。
本実施の形態では、盛土22が長い線状構造物を構成しているので、大量の廃タイヤを利用することになるが、実際の施工にあたっては、軟弱地盤11を掘削して別途に製造してきた膨張状筒型積層体10を埋設した後に埋め戻す形態の施工法が効率的である。
【0054】
しかるに、道路・河川盛土23等のように埋立て造成地を新規に構築する場合には、廃タイヤを組上げた筒型積層体1を予め所定の位置に設置しながら、粒状体を廃タイヤの中に充填することで膨張状筒型積層体10を構成して置き、その後に盛土や埋立てしながら造成することが望ましいものである。
【0055】
そして、造成される地盤は、柔らかい盛土内に硬い棒状改良体を配置させて散乱減衰を発生させることもできると共に、盛土を軽量材料であるタイヤチップやタイヤシュレッズ、スチレン発泡体等によって兼用することで軽量化することもできる。
【0056】
又、道路盛土に適用して造成する場合に、膨張状筒型積層体10を盛土の左右に壁状に施工することで交通振動を遮断することができるものであり、工場等で発生している機械振動を低減させて外部伝搬しないようにするには、膨張状筒型積層体10が散乱減衰効果を有していることとも相俟って、工場の周りを膨張状筒型積層体10で囲むように施工して振動を低減することもできる。
【0057】
さらに、図6は、膨張状筒型積層体で補強した造成される地盤に関する他の実施形態を示している。本実施の形態では、上記実施の形態と同様の部材について同一の符号で表現している。
【0058】
図6(a)は、上記実施の形態と同様に膨張状筒型積層体10を切土地盤20と盛土地盤21に跨って建つ構造物13に適用した例を示しているが、タイヤを高く積上げる場合の安定性を確保するために、膨張状筒型積層体10に対してジオグリッド等の補強材24を数個ごとに敷くことでジオテキスタイル25に形成しており、粒状体5が下の地盤に逃げないようにシート27を敷設している。
【0059】
これによって、ジオテキスタイル25と中詰材である粒状体5とには、摩擦による相当のせん断抵抗が発揮されることになって、補強材24には引張り力が作用することになるが、ジオテキスタイル25と粒状体5とが一体となって安定した地盤構造を形成させている。
【0060】
従って、本発明による造成した地盤は、切土地盤20と盛土地盤21が平常時や地震時において不同沈下を生じても、地盤変形に順応的に追随できるものであり、軟弱地盤であっても構造物の支持力を確実に向上させている。
【0061】
又、図6(b)は、膨張状筒型積層体10を盛土内と盛土支持地盤に適用して造成した地盤の他の実施形態を示している。
【0062】
本実施形態でも、盛土22を長い線状構造物に構成して大量の廃タイヤを利用しているが、軟弱地盤11を掘削して別途に製造してきた膨張状筒型積層体10を配置しながら、その間にタイヤチップ・タイヤシュレッジ26を充填させた後に埋め戻す形態で施工している。
【0063】
そして、道路・河川盛土23等のように埋立て造成地を新規に構築する場合に、廃タイヤを組上げた筒型積層体1を予め所定の位置に設置しながら、粒状体を廃タイヤの中に充填することで膨張状筒型積層体10を構成して置くことは、上記実施の形態と同様であるが、この際に、接合特性に優れているタイヤチップ・タイヤシュレッズ26を用いると図示のように極めて急勾配に盛土できる。
【0064】
さらに、上記図6(a)で説明したように膨張状筒型積層体10に対してジオグリッド等の補強材24を数個毎に敷くジオテキスタイル25をこれに加えて施工すると、ジオテキスタイル25は中詰材である粒状体5と摩擦による相当のせん断抵抗を発揮させることで補強材24に引張り力を作用させて、粒状体5と一体的に安定した地盤構造を形成させる特性を発揮させることで、接合特性に優れているタイヤチップ・タイヤシュレッズ26との併用による相乗効果で更に高盛土や急勾配の盛土から成る地盤を安定的に造成できるものである。
【0065】
従って、本発明による造成した地盤は、切土地盤と盛土地盤とに渡っていたり、道路・河川盛土等のように埋立て造成地を新規に構築する場合であっても、膨張状筒型積層体が硬い杭状改良体を形成しながらもしなやかな変形によってエネルギー吸収させることで、常時や地震時に不同沈下を生じても地盤変形に順応的に追随でき、軟弱地盤であっても構造物の支持力を確実に向上させている。
【0066】
以上のように、本発明による粒状体の充填廃タイヤによる地盤造成方法と造成された地盤は、廃タイヤを原型のままで再利用しながら中詰めする粒状体の緩みを無くすると共に、廃タイヤのフープテンションを活用させて長期間の締固め効果を確立させており、切土地盤と盛土地盤とに跨っていたり、道路・河川盛土等のように埋立て造成地を新規に構築する場合であっても、膨張状筒型積層体が硬い杭状改良体を形成しながらもしなやかな変形によってエネルギー吸収させることで、常時や地震時に不同沈下を生じても地盤変形に順応的に追随でき、軟弱地盤であっても構造物の支持力を確実に向上させて有効な地盤造成を図っている。
【0067】
以上、本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明してきたが、本発明による粒状体の充填廃タイヤによる地盤造成方法と造成された地盤は、上記実施の形態に何ら限定されるものでなく、本発明の上記の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは当然のことである。
【0068】
【発明の効果】
本発明による粒状体の充填廃タイヤによる地盤造成方法は、基本的に、廃タイヤの筒型積層体に粒状体を詰め込み、次いで粒状体を廃タイヤが体積膨張するまで筒型積層体内に圧縮充填させることで膨張状筒型積層体を形成し、しかる後に、膨張状筒型積層体を地盤改良区域に配置して構造物を構成しており、具体的には、膨張状筒型積層体の上端部に圧縮充填された粒状体の余盛りを形成したり、積層前の廃タイヤの凹凸隙間に粒状体を予め充填させて置くことや粒状体に水膨張性ポリマーを混在させることを特徴としているので、処理・処分に困っている廃タイヤを用いて、軟弱地盤の改良、構造物の支持力向上のために有効に再利用できることに加えて、以下の具体的な効果を発揮している。
【0069】
▲1▼ 廃タイヤを大量に再利用できて環境保全に大きく寄与できる。
▲2▼ 廃タイヤを粉砕せずに利用できるので、廃タイヤ中のスチールワイヤーも利用できる。
▲3▼ 廃タイヤを適宜に組合わて種々の改良体を形成できるので、設計の自由度を広げることができる。
▲4▼ 粒状体は、突固めで密度増加する材料であれば採用できる。
▲5▼ 廃棄物の密度増加する材料を利用することで一石三鳥となる。
▲6▼ 地震時には、履歴減衰によるエネルギー吸収が働くので減震効果を期待できる。
▲7▼ 機械振動源の周辺を囲みながら盛土することで振動伝搬を低減できる。
▲8▼ 道路盛土に使用することで、交通振動を低減させることができる。
【0070】
又、本発明による造成された地盤は、上記地盤造成方法で形成された膨張状筒型積層体と盛土とを所定の間隙で配置することを基本にしており、膨張状筒型積層体を盛土の周辺に隔壁を形成するように配置したり、膨張状筒型積層体と盛土とをジオテキスタイルに構成すると共に、配置する膨張状筒型積層体間の盛土をタイヤチップ・タイヤシュレッズで兼用し、法面を構成する盛土をタイヤシュレッズで構成することを特徴としているので、上記地盤造成方法形成された膨張状筒型積層体の効果に加えて、地盤に散乱減衰機能を発揮させて振動の伝搬を低減させ、軽量化を図ると共に急勾配にも対応できる地盤を構成することに加えて、以下の具体的な効果を発揮している。
▲1▼ 膨張状筒型積層体を適宜に組合わせて造成できるので、設計の自由度を広げることができる。
▲2▼ 地盤を軽量化しているので、地震時に履歴減衰によるエネルギー吸収を働かせて減震効果を期待できる。
▲3▼ 周辺地域への振動伝搬を低減させて、環境問題を解決できる。
▲4▼ 道路盛土等で交通振動を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において形成される筒型積層体の製造工程図
【図2】本発明において形成される膨張状筒型積層体の製造工程図
【図3】本発明における膨張状筒型積層体の適用状態図
【図4】本発明における膨張状筒型積層体を適用する実施の形態図
【図5】本発明による造成された地盤の実施の形態図
【図6】本発明による造成された地盤の他の実施の形態図
【図7】従来における粒状体の充填廃タイヤによる地盤改良図
【符号の説明】
1 筒型積層体、 2 廃タイヤ、 3 鉄筋、 4 空洞部分、
5 粒状体、 6 開口、 7 突き固め棒、 8 余盛り、
9 散水、 10 膨張状筒型積層体、 11 軟弱地盤、
12 基盤、 13 構造物、 14 敷き砂利、
15 履歴ループ、 16 拘束材、 17 ハニカム構造、
18 布基礎、 19 直接基礎、 20 切土地盤、
21 盛土地盤、 22 盛土、 23 道路・河川盛土、 24 補強材、
25 ジオテキスタイル、 26 タイヤチップ・タイヤシュレッズ、
27 シート、 30 タイヤブロック杭、 31 廃タイヤ、
32 中詰材、 33 基礎杭、
図−b 4個ごとにシートを敷いた例
ジオテキスタイル
中詰材が下の地盤へ逃げないようにシート
【発明の属する技術分野】
本発明は、粒状体の充填廃タイヤによる地盤造成方法と造成された地盤に関し、特に、硬い杭状の改良体を形成すると同時に地盤変形に順応的に追随することのできる粒状体の充填廃タイヤによる地盤造成方法と造成された地盤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年における自動車の普及と相俟って、廃タイヤに対する処理問題は、今後も大量に発生する廃棄物としてさらに問題視されることが予想され、その対策は緊急の課題として浮上している。
【0003】
廃タイヤの有効利用については、これまでも、多くの検討が成されており、少しずつ実行に移されているものの、大幅に利用できる方法に関しては未だに提案されていなかった。一方、廃タイヤにおけるリサイクル問題は、タイヤ業界全体として取り組まれてはいるが、近年の傾向としては、対象数がほぼ横ばい状態になっている。
【0004】
又、タイヤチップにして再利用することも検討されているが、この場合は、廃タイヤをわざわざ破砕すると同時に、繊維・スチールワイヤー等のゴム部分以外のものを除去した後でなければ、その後の加熱処理や再生製品としての製造ができないという問題が未解決であり、手間とコストが掛かることで実用化は、今一歩の感がある。
【0005】
以上のように、従来の廃タイヤ対策は、主としてリサイクルと再生であったが、再生の困難さから廃タイヤをそのままの形で利用する方法も以下のように提案されている。(例えば、特許文献1、2を参照)
【0006】
【特許文献1】
特開2001−106211号公報(「段落番号」0011、「段落番号」0013〜「段落番号」0015、図1、2)
【特許文献2】
特開2001−180237号公報(「段落番号」0010〜「段落番号」0023、図1、2)
【0007】
又、他の提案として図7に示すような廃タイヤを活用した造成工法も提案されている。
本提案では、図7(a)の斜視図が示すように、タイヤブロック杭30は、積み重ねた廃タイヤ31の中にコンクリート、石、砕石等の中詰材32を詰め込むことで形成している。
【0008】
タイヤブロック杭30は、図7(b)の平面図が示すようにその複数個を平面状に配置することで、建物や構築物又はポール等の基礎杭33として使用しており、この他にも、地盤の沈下予防もしくは道路等で例示される路盤の沈下防止材として用いるものである。
【0009】
しかしながら、本例では、中詰材32の砕石を廃タイヤ31に存在する隙間の隅々にまで満遍なく詰めることは困難である。即ち、縦に積み上げる廃タイヤの中空部分には、図示されていないが出っ張りのあるのが普通であり、中詰材の砕石等を仮に詰め込むことができたとしても、廃タイヤと中詰材との間には随所に空隙部が存在することに成って、中詰材の締固め効果は、使用期間中に緩む可能性が大であった。
【0010】
このために、本提案による廃タイヤの層積体は、長期に亘って荷重が加えられたり、地震等で横揺れが加えられたりすると、強度的に耐えられない状況も危惧されている。(例えば、特許文献3を参照)
【0011】
【特許文献3】
特開平11−29927号公報(第2頁、第1欄、第34行〜第2頁、第2欄、第20行、図1〜4)
【0012】
以上のように、現状における廃タイヤ対策は、未解決の部分が多く存在していることから、今後も続く自動車の普及と相俟って、大量に発生する廃棄物問題として、早急な改善策の提案が要望されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の状況に鑑みて提案するものであり、廃タイヤにせん断変形による体積膨張状態( 以下、ダイレイタンシーという)を生じさせることによって、廃タイヤに充填する粒状体に拘束力に応じた剛性の増加を図ると同時に、廃タイヤの筒型積層体に応力―歪の非線形ループを形成させることで、硬い杭状改良体の形成と地盤変形に順応的な追随とができる粒状体の充填廃タイヤによる地盤造成方法を提供している。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明による粒状体の充填廃タイヤによる地盤造成方法は、基本的に、廃タイヤの筒型積層体に粒状体を詰め込み、次いで粒状体を廃タイヤが体積膨張するまで筒型積層体内に圧縮充填させることで膨張状筒型積層体を形成し、しかる後に、膨張状筒型積層体を地盤改良区域に配置して構造物を構成しており、具体的には、膨張状筒型積層体の上端部に圧縮充填された粒状体の余盛りを形成したり、積層前の廃タイヤの凹凸隙間に粒状体を予め充填させて置くことや粒状体に水膨張性ポリマーを混在させることを特徴としている。
【0015】
これによって、廃タイヤを原型のままで再利用可能にし、中詰めする粒状体の緩みを無くすると共に、廃タイヤのフープテンションを活用させた長期間の締固め効果を確立させて、硬い杭状の改良体を形成しながら地盤変形に順応的に追随することで有効な地盤改良を図っている。
【0016】
又、本発明による造成された地盤は、上記地盤造成方法で形成された膨張状筒型積層体と盛土とを所定の間隙で配置することを基本にしており、膨張状筒型積層体を盛土の周辺に隔壁を形成するように配置したり、膨張状筒型積層体と盛土とをジオテキスタイルに構成すると共に、配置する膨張状筒型積層体間の盛土をタイヤチップ・タイヤシュレッズで兼用し、法面を構成する盛土をタイヤチップ・タイヤシュレッズで構成することを特徴としている。
【0017】
これによって、上記地盤造成方法形成された膨張状筒型積層体の機能に加えて、地盤に散乱減衰機能を発揮させて振動の伝搬を低減させ、軽量化を図ると共に急勾配にも対応できる地盤を構成している。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の粒状体の充填廃タイヤによる地盤造成方法は、廃タイヤの筒型積層体に粒状体を詰め込み、次いで粒状体を廃タイヤが体積膨張するまで筒型積層体内に圧縮充填させることで、膨張状筒型積層体を形成しており、この膨張状筒型積層体を地盤改良区域に配置することで、軟弱地盤等を有効に地盤改良した構造物を構成している。
以下に、本発明の粒状体の充填廃タイヤによる地盤造成方法について、その実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
図1、2は、本発明の粒状体の充填廃タイヤによる地盤造成方法において形成される膨張状筒型積層体の製造工程を示しており、図1は、廃タイヤを筒状に積み上げることで廃タイヤの筒型積層体を形成する工程を示している。
【0020】
廃タイヤの筒型積層体1は、複数の廃タイヤ2を積み重ねることで形成されており、必要に応じて、図1(a)のようにずれ止め用に鉄筋3を通して位置決めをするか、接着剤で廃タイヤ2の相互間を止めている。
【0021】
図1(b)は、筒型積層体に粒状体を詰める工程を示しており、筒型積層体1を形成した廃タイヤ2の空洞部分4には、粒状体5を上方の開口6から詰めている。
【0022】
粒状体5は、後述するように正のダイレイタンシーを生じることのできる材料か、突固めによる密度増加が期待できる材料であれば何でも良く、以下のような安価な材料であって良い。
【0023】
▲1▼ 砕石
▲2▼ 砂、砂礫
▲3▼ コンクリート塊
▲4▼ ガラス破砕片、陶器破砕片
▲5▼ 石炭灰
▲6▼ スラグ類
▲7▼ カキ殻
【0024】
粒状体5としては、この他にも、「建設発生土」や「浚渫土砂」等であっても採用可能であるが、これらの場合には、中詰めされた粒状体がタイヤとタイヤの隙間から漏れ出るのを防止するために、ある程度以上の粒径を備えた粒状体を選択することが望ましいものである。
【0025】
又、浚渫土や建設汚泥のようにヘドロが混ざったような軟弱土や粒径の小さい材料を用いる場合であっても、それぞれの粒状体に所定量のポリマーを混入させたり、廃タイヤの相互間を接着剤で隙間無く貼り合わせることで、ダイレイタンシーを確保できるように処置することによっても対処可能である。
【0026】
さらに、粒状体として産業廃棄物である「コンクリート塊」、「カキ殻」「石炭灰」及び「鉄鋼スラグ」等を使用するようにした場合には、産業廃棄物に対するさらなる有効利用になるものであり、有意義な産業廃棄物の処理方法にもなる。
【0027】
粒状体5は、廃タイヤ2の空洞部分4に詰められた後に、廃タイヤ2の空洞部分4に形成されている凹凸隙間にも粒状体が満遍なく充填されるように注意しながら、突き固め棒7を用いた振動もしくは上下運動によって詰め込まれるが、その際の突き固め棒7をずれ止め用の鉄筋3で兼用することも可能である。
【0028】
しかして、突き固め棒7等の機械による振動の場合であっても、加圧される粒状体5の移動は、下方もしくは加圧力の分力によって飛散する横方向が大部分であるから、廃タイヤの上方に存在する隙間のように、粒状体5の上方移動が必要になる場合を含めた、全ての隙間の隅々にまで粒状体5を詰めることの困難な揚合がある。
【0029】
このような場合の対策としては、積上げる前の廃タイヤに対する処置であり、その上方に存在する隙間に粘着材を混ぜた粒状体5もしくは発泡スチロール等で予め充分に充填して置くことによって、正規の詰め込み時に際しては、粒状体5の上方移動を不必要にすることである。
【0030】
又、他の対策としては、粒状体に水膨張性ポリマーを混ぜる方法である。これによると、下方からの吸水によって地下水を供給するか上方からの散水による水分の供給によって水膨張性ポリマーを膨張させることによって、粒状体は、廃タイヤの上方に存在する隙間にまで充填され、残っている隙間にも粒状体が行き渡らせることができる。
【0031】
尚、本工程は、上記実施の形態のように廃タイヤを地上に積み重ねて置いた状態で、廃タイヤの中に粒状体を充填することで廃タイヤの筒型積層体1を形成することもできるが、軟弱地盤に形成した掘削孔中に中空の筒型積層体1を予め設置した後に、粒状体を充填して行く実施の形態であっても採用可能である。
【0032】
図2は、粒状体が詰め込まれた廃タイヤの筒型積層体を膨張状筒型積層体に形成する工程であって、図2(a)は、余盛りもしくは水膨張性ポリマーによって形成された膨張状筒型積層体の断面図であり、図2(b)は、膨張状筒型積層体の拡大部分断面図である。
【0033】
図2(a)は、上記実施形態の工程によって粒状体を詰め終わった状態を示している。本実施の形態では、廃タイヤの筒型積層体1の上端部に圧縮充填された粒状体を少し余分に盛っておいて、余盛り8を形成しており、余盛りに荷重を加えることで粒状体をより密に詰める状態にすることで膨張状筒型積層体10を構成させることができる。
【0034】
又、圧縮充填された粒状体5に水膨張性ポリマーを混合させておくことで粒状体5を廃タイヤ2の空洞部分4に充填させる場合は、上述したように地下水を下方から吸水することによって供給するか、地下水位が低いために地下水の給水が不可能な場合には、上方からの散水9で水分を供給することによって、水膨張性ポリマーを膨張させるものであり、これによって空洞部分4に粒状体5を充分に圧縮充填した膨張状筒型積層体10を構成させることができる。
【0035】
以上の形態は、図2(b)の左側に示す拡大断面のように、筒型積層体1の状態では、粒状体5が廃タイヤ2の空洞部分4に充分に詰められた状態にあるのみで仮想線の膨張形態には至っていなかったが、余盛り8もしくは突き固め棒7によって荷重が加えられると、余盛り8等の粒状体5が廃タイヤ2の中に押し込まれることで、仮想線の廃タイヤ2を押し広げて、図2(b)の右側に示す拡大断面のように、ダイレイタンシーを確保できる膨張状筒型積層体10を形成している。
【0036】
膨張状筒型積層体10におけるダイレイタンシーの確保は、一般的に確認されているように、筒状の袋の中に粒状体を隙間無く詰めた形態の下に上からの荷重を加えると、粒状体が正のダイレイタンシーを生じることで、中詰め材料は自らを膨張させて袋を押し広げることになり、袋にはテンションが働くことになって粒状体を拘束する原理と同様である。
【0037】
上記の状況にある袋内の粒状体は、拘束力に応じた剛性の増加を発揮するものであり、この際の筒状の袋は、全体として硬い杭状の改良体を形成することになるが、同様の原理に従う膨張状筒型積層体10は、結果的に全体として硬い杭形状を構成することになり、大きな上載荷重にも耐え得るものである。
【0038】
特に、膨張状筒型積層体10を形成している廃タイヤ2は、本来的にスチールワイヤーがメッシュ状に入っていることでフープテンションに非常に強くなっているものであるから、スチールワイヤーさえ切れていなければ多少磨り減ったタイヤであっても粒状体5に対する相当の拘束応力を期待できる。それ故に、膨張状筒型積層体10は、粒状体5を相当に硬い剛性の杭形状に形成させることになるので、有効な地盤改良材を構成できるものである。
【0039】
図3は、膨張状筒型積層体を構造物に適用して載荷荷重を支持する場合の一般的な変形状態を示しており、図3(a)は軟弱地盤に対する構造物からの荷重状態であって、図3(b)は地震時における膨張状筒型積層体の変形状態である。
【0040】
軟弱地盤11においては、基盤12の上に膨張状筒型積層体10を設置しており、膨張状筒型積層体10の上に構造物13を構築している。
【0041】
これらの状態にあっては、膨張状筒型積層体10の上に構造物13からの荷重が加えられると、膨張状筒型積層体10は、上述したように粒状体5は硬い剛性の杭形状を形成しており、構造物13の大きな上載荷重にも充分に耐え得るものである。
【0042】
尚、本実施の形態では、膨張状筒型積層体10の上面と構造物13の基礎底面との馴染みを良くして、余盛り8の粒状体5を廃タイヤ2の中にスムーズに押し込めるために、地表面に敷き砂利14等を敷いている。
【0043】
即ち、敷き砂利14の敷設は、積層するタイヤの高さが異なる図示のような場合にも、地表面を敷き砂利14によって平に出来るので、構造物との馴染みが良くなって安定化を確保することが出来る。、
一方、図3(b)に示す地震時にあっては、膨張状筒型積層体10が軟弱地盤11の変形に素直に追従して変形することになるので、通常の杭のように折損することがない。
【0044】
又、この時における膨張状筒型積層体10の粒状体5は、繰返しせん断変形を受けるが、この時の粒状体5は、応力〜ひずみ関係において、図示のように非線形の履歴ループ15を描いており、これによって、膨張状筒型積層体10の粒状体5は地震動のエネルギを吸収することができるので、構造物13に入力される加速度の低減を期待できるものである。
【0045】
以上のように、膨張状筒型積層体10の作動は、しなやかに変形するエネルギー吸収杭ともいうべきものであって、硬い杭状改良体を形成しながら地盤変形に順応的に追随することが可能であるから、有効な地盤改良を図れるものである。
【0046】
尚、振動中の廃タイヤは、鉄筋等の配置によってそのずれを防止できるものであるから、軟弱地盤の状況に対応させて、膨張状筒型積層体10の形態を適宜に設定できるものである。
【0047】
図4は、膨張状筒型積層体10を適用させる他の実施の形態であって、膨張状筒型積層体10の特性を有効に生かしながら、膨張状筒型積層体10を配置する各種の平面図である。
【0048】
図4(a)は、膨張状筒型積層体10の多数個をワイヤーもしくは鉄筋等の拘束材16によって連結したものであり、この他にも梱包用の樹脂を用いることで拘束材16を形成できるもので、結果として図示のように重厚なハニカム構造17として使用できる状態を構成できることを示す実施の形態である。
【0049】
又、図4(b)は、膨張状筒型積層体10を連続的に配置した布基礎18の実施の形態を示しており、図4(c)は、膨張状筒型積層体10を直接基礎19に適用した実施の形態を示している。
【0050】
以上の実施形態で説明したように、本発明による粒状体の充填廃タイヤによる地盤造成方法は、廃タイヤは原型のままで再利用されており、中詰めする粒状体の緩みを無くすると共に、廃タイヤのフープテンションを活用させて長期間の締固め効果を確立させることで、膨張状筒型積層体をエネルギー吸収杭のようにしなやかに変形させるものであり、硬い杭状の改良体を形成しながら地盤変形に順応的に追随することで有効な地盤造成を図っている。
【0051】
次に、本発明による造成された地盤について説明する。
本発明による造成された地盤は、上述した地盤造成方法で形成された膨張状筒型積層体と盛土とを所定の間隙で配置することを基本にしており、具体的には、膨張状筒型積層体を盛土の周辺に隔壁を形成するように配置し、膨張状筒型積層体と盛土とをジオテキスタイルに構成すると共に、配置する膨張状筒型積層体間の盛土をタイヤチップ・タイヤシュレッズで兼用し、法面を構成する盛土をタイヤチップ・タイヤシュレッズで構成することを特徴にしている。
以下に、本発明による造成された地盤の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0052】
図5は、膨張状筒型積層体で補強した造成される地盤の実施の形態を示している。
図5(a)は、切土地盤20と盛土地盤21に跨らして構築する構造物13のために膨張状筒型積層体10を用いて造成した例を示している。造成される地盤が図示のような切土地盤20と盛土地盤21の場合には、常時や地震時に不同沈下を生じ易いものであるが、本実施の形態のように膨張状筒型積層体10を用いて造成することで、これらの不同沈下にも随時に順応できるものであり、極めて有効な造成手段である。
【0053】
又、図5(b)は、膨張状筒型積層体10を盛土内と盛土支持地盤に適用して盛土の安定を図っている実施の形態を示している。
本実施の形態では、盛土22が長い線状構造物を構成しているので、大量の廃タイヤを利用することになるが、実際の施工にあたっては、軟弱地盤11を掘削して別途に製造してきた膨張状筒型積層体10を埋設した後に埋め戻す形態の施工法が効率的である。
【0054】
しかるに、道路・河川盛土23等のように埋立て造成地を新規に構築する場合には、廃タイヤを組上げた筒型積層体1を予め所定の位置に設置しながら、粒状体を廃タイヤの中に充填することで膨張状筒型積層体10を構成して置き、その後に盛土や埋立てしながら造成することが望ましいものである。
【0055】
そして、造成される地盤は、柔らかい盛土内に硬い棒状改良体を配置させて散乱減衰を発生させることもできると共に、盛土を軽量材料であるタイヤチップやタイヤシュレッズ、スチレン発泡体等によって兼用することで軽量化することもできる。
【0056】
又、道路盛土に適用して造成する場合に、膨張状筒型積層体10を盛土の左右に壁状に施工することで交通振動を遮断することができるものであり、工場等で発生している機械振動を低減させて外部伝搬しないようにするには、膨張状筒型積層体10が散乱減衰効果を有していることとも相俟って、工場の周りを膨張状筒型積層体10で囲むように施工して振動を低減することもできる。
【0057】
さらに、図6は、膨張状筒型積層体で補強した造成される地盤に関する他の実施形態を示している。本実施の形態では、上記実施の形態と同様の部材について同一の符号で表現している。
【0058】
図6(a)は、上記実施の形態と同様に膨張状筒型積層体10を切土地盤20と盛土地盤21に跨って建つ構造物13に適用した例を示しているが、タイヤを高く積上げる場合の安定性を確保するために、膨張状筒型積層体10に対してジオグリッド等の補強材24を数個ごとに敷くことでジオテキスタイル25に形成しており、粒状体5が下の地盤に逃げないようにシート27を敷設している。
【0059】
これによって、ジオテキスタイル25と中詰材である粒状体5とには、摩擦による相当のせん断抵抗が発揮されることになって、補強材24には引張り力が作用することになるが、ジオテキスタイル25と粒状体5とが一体となって安定した地盤構造を形成させている。
【0060】
従って、本発明による造成した地盤は、切土地盤20と盛土地盤21が平常時や地震時において不同沈下を生じても、地盤変形に順応的に追随できるものであり、軟弱地盤であっても構造物の支持力を確実に向上させている。
【0061】
又、図6(b)は、膨張状筒型積層体10を盛土内と盛土支持地盤に適用して造成した地盤の他の実施形態を示している。
【0062】
本実施形態でも、盛土22を長い線状構造物に構成して大量の廃タイヤを利用しているが、軟弱地盤11を掘削して別途に製造してきた膨張状筒型積層体10を配置しながら、その間にタイヤチップ・タイヤシュレッジ26を充填させた後に埋め戻す形態で施工している。
【0063】
そして、道路・河川盛土23等のように埋立て造成地を新規に構築する場合に、廃タイヤを組上げた筒型積層体1を予め所定の位置に設置しながら、粒状体を廃タイヤの中に充填することで膨張状筒型積層体10を構成して置くことは、上記実施の形態と同様であるが、この際に、接合特性に優れているタイヤチップ・タイヤシュレッズ26を用いると図示のように極めて急勾配に盛土できる。
【0064】
さらに、上記図6(a)で説明したように膨張状筒型積層体10に対してジオグリッド等の補強材24を数個毎に敷くジオテキスタイル25をこれに加えて施工すると、ジオテキスタイル25は中詰材である粒状体5と摩擦による相当のせん断抵抗を発揮させることで補強材24に引張り力を作用させて、粒状体5と一体的に安定した地盤構造を形成させる特性を発揮させることで、接合特性に優れているタイヤチップ・タイヤシュレッズ26との併用による相乗効果で更に高盛土や急勾配の盛土から成る地盤を安定的に造成できるものである。
【0065】
従って、本発明による造成した地盤は、切土地盤と盛土地盤とに渡っていたり、道路・河川盛土等のように埋立て造成地を新規に構築する場合であっても、膨張状筒型積層体が硬い杭状改良体を形成しながらもしなやかな変形によってエネルギー吸収させることで、常時や地震時に不同沈下を生じても地盤変形に順応的に追随でき、軟弱地盤であっても構造物の支持力を確実に向上させている。
【0066】
以上のように、本発明による粒状体の充填廃タイヤによる地盤造成方法と造成された地盤は、廃タイヤを原型のままで再利用しながら中詰めする粒状体の緩みを無くすると共に、廃タイヤのフープテンションを活用させて長期間の締固め効果を確立させており、切土地盤と盛土地盤とに跨っていたり、道路・河川盛土等のように埋立て造成地を新規に構築する場合であっても、膨張状筒型積層体が硬い杭状改良体を形成しながらもしなやかな変形によってエネルギー吸収させることで、常時や地震時に不同沈下を生じても地盤変形に順応的に追随でき、軟弱地盤であっても構造物の支持力を確実に向上させて有効な地盤造成を図っている。
【0067】
以上、本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明してきたが、本発明による粒状体の充填廃タイヤによる地盤造成方法と造成された地盤は、上記実施の形態に何ら限定されるものでなく、本発明の上記の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは当然のことである。
【0068】
【発明の効果】
本発明による粒状体の充填廃タイヤによる地盤造成方法は、基本的に、廃タイヤの筒型積層体に粒状体を詰め込み、次いで粒状体を廃タイヤが体積膨張するまで筒型積層体内に圧縮充填させることで膨張状筒型積層体を形成し、しかる後に、膨張状筒型積層体を地盤改良区域に配置して構造物を構成しており、具体的には、膨張状筒型積層体の上端部に圧縮充填された粒状体の余盛りを形成したり、積層前の廃タイヤの凹凸隙間に粒状体を予め充填させて置くことや粒状体に水膨張性ポリマーを混在させることを特徴としているので、処理・処分に困っている廃タイヤを用いて、軟弱地盤の改良、構造物の支持力向上のために有効に再利用できることに加えて、以下の具体的な効果を発揮している。
【0069】
▲1▼ 廃タイヤを大量に再利用できて環境保全に大きく寄与できる。
▲2▼ 廃タイヤを粉砕せずに利用できるので、廃タイヤ中のスチールワイヤーも利用できる。
▲3▼ 廃タイヤを適宜に組合わて種々の改良体を形成できるので、設計の自由度を広げることができる。
▲4▼ 粒状体は、突固めで密度増加する材料であれば採用できる。
▲5▼ 廃棄物の密度増加する材料を利用することで一石三鳥となる。
▲6▼ 地震時には、履歴減衰によるエネルギー吸収が働くので減震効果を期待できる。
▲7▼ 機械振動源の周辺を囲みながら盛土することで振動伝搬を低減できる。
▲8▼ 道路盛土に使用することで、交通振動を低減させることができる。
【0070】
又、本発明による造成された地盤は、上記地盤造成方法で形成された膨張状筒型積層体と盛土とを所定の間隙で配置することを基本にしており、膨張状筒型積層体を盛土の周辺に隔壁を形成するように配置したり、膨張状筒型積層体と盛土とをジオテキスタイルに構成すると共に、配置する膨張状筒型積層体間の盛土をタイヤチップ・タイヤシュレッズで兼用し、法面を構成する盛土をタイヤシュレッズで構成することを特徴としているので、上記地盤造成方法形成された膨張状筒型積層体の効果に加えて、地盤に散乱減衰機能を発揮させて振動の伝搬を低減させ、軽量化を図ると共に急勾配にも対応できる地盤を構成することに加えて、以下の具体的な効果を発揮している。
▲1▼ 膨張状筒型積層体を適宜に組合わせて造成できるので、設計の自由度を広げることができる。
▲2▼ 地盤を軽量化しているので、地震時に履歴減衰によるエネルギー吸収を働かせて減震効果を期待できる。
▲3▼ 周辺地域への振動伝搬を低減させて、環境問題を解決できる。
▲4▼ 道路盛土等で交通振動を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において形成される筒型積層体の製造工程図
【図2】本発明において形成される膨張状筒型積層体の製造工程図
【図3】本発明における膨張状筒型積層体の適用状態図
【図4】本発明における膨張状筒型積層体を適用する実施の形態図
【図5】本発明による造成された地盤の実施の形態図
【図6】本発明による造成された地盤の他の実施の形態図
【図7】従来における粒状体の充填廃タイヤによる地盤改良図
【符号の説明】
1 筒型積層体、 2 廃タイヤ、 3 鉄筋、 4 空洞部分、
5 粒状体、 6 開口、 7 突き固め棒、 8 余盛り、
9 散水、 10 膨張状筒型積層体、 11 軟弱地盤、
12 基盤、 13 構造物、 14 敷き砂利、
15 履歴ループ、 16 拘束材、 17 ハニカム構造、
18 布基礎、 19 直接基礎、 20 切土地盤、
21 盛土地盤、 22 盛土、 23 道路・河川盛土、 24 補強材、
25 ジオテキスタイル、 26 タイヤチップ・タイヤシュレッズ、
27 シート、 30 タイヤブロック杭、 31 廃タイヤ、
32 中詰材、 33 基礎杭、
図−b 4個ごとにシートを敷いた例
ジオテキスタイル
中詰材が下の地盤へ逃げないようにシート
Claims (9)
- 廃タイヤの筒型積層体に粒状体を詰め込み、次いで該粒状体を廃タイヤが体積膨張するまで筒型積層体内に圧縮充填させて膨張状筒型積層体を形成し、しかる後に、該膨張状筒型積層体を地盤改良区域に配置して構造物を構成する粒状体の充填廃タイヤによる地盤造成方法。
- 膨張状筒型積層体が、圧縮充填された粒状体の余盛りを上端部に形成することを特徴とする請求項1に記載の粒状体の充填廃タイヤによる地盤造成方法。
- 積層前の廃タイヤが、粒状体を凹凸隙間に予め充填させて置くことを特徴とする請求項1又は2に記載の粒状体の充填廃タイヤによる地盤造成方法。
- 粒状体が、水膨張性ポリマーを混在させていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の粒状体の充填廃タイヤによる地盤造成方法。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の地盤造成方法で形成された膨張状筒型積層体による造成された地盤であって、所定の間隙で配置される膨張状筒型積層体と盛土とで構成される造成された地盤。
- 膨張状筒型積層体が、盛土の周辺に隔壁を形成するように配置されることを特徴とする請求項5に記載の造成された地盤。
- 膨張状筒型積層体と盛土とが、ジオテキスタイルに構成されることを特徴とする請求項5又は6に記載の造成された地盤。
- 配置される膨張状筒型積層体間の盛土が、タイヤチップ・タイヤシュレッズで兼用されることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の造成された地盤。
- 法面を構成する盛土が、タイヤチップ・タイヤシュレッズで構成されることを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の造成された地盤。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006274714A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Shimizu Corp | 地盤造成方法 |
JP2009150121A (ja) * | 2007-12-20 | 2009-07-09 | Nippon Solid Co Ltd | 軟弱地盤の改良法 |
CN108570889A (zh) * | 2018-05-07 | 2018-09-25 | 中铁二院工程集团有限责任公司 | 一种膨胀软质岩无砟轨道路堑基床的抗隆起结构及施工方法 |
CN114517462A (zh) * | 2022-02-24 | 2022-05-20 | 扬州大学 | 一种与废旧轮胎相结合的围堵圈及其施工方法 |
-
2003
- 2003-03-03 JP JP2003055074A patent/JP2004204661A/ja active Pending
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