JPH1077631A - 軽量埋戻し、裏込工法および軽量盛土工法 - Google Patents

軽量埋戻し、裏込工法および軽量盛土工法

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JPH1077631A
JPH1077631A JP23157696A JP23157696A JPH1077631A JP H1077631 A JPH1077631 A JP H1077631A JP 23157696 A JP23157696 A JP 23157696A JP 23157696 A JP23157696 A JP 23157696A JP H1077631 A JPH1077631 A JP H1077631A
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backfilling
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Abstract

(57)【要約】 【課題】発泡スチロール破砕片を使用して埋戻し、裏込
および盛土を行う場合であっても、施工後の地盤沈下を
実用上問題がない程度まで低減し得るとともに、所定の
圧縮強度を確保する。 【解決手段】実質的に周囲が拘束された埋戻しまたは裏
込め箇所に対して発泡スチロール破砕片2、2…を投入
し、この投入した発泡スチロール破砕片2、2…の上面
に、透水性シート5Aおよび土砂5Bよりなる被覆層4
を形成し、投入した発泡スチロール破砕片層3の上面を
被覆拘束した状態で上載荷重を載荷し、前記発泡スチロ
ール破砕片層3を圧縮変形させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡スチロールな
どの発泡樹脂を礫、玉石程度に破砕した人工軽量資材を
用いて、所定の圧縮強度を保有するとともに、地盤沈下
の少ない地盤を形成するようにした軽量埋戻し・裏込工
法および軽量盛土工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、軽量盛土工法の一つとして、
発泡スチロールブロックを盛土材料、裏込材料として用
い、道路や土地造成、埋戻し、構造物の背面裏込を行う
EPS(Expanded poly-Styrol) 工法が存在する。
【0003】発泡スチロールは、石油精製に生じるスチ
レンモノマーの重合から得られるポリスチレンと、これ
に添加される発泡材を主に原料とするもので、超軽量
性、耐圧縮性、耐候性、耐薬品性に優れるなどの物理・
力学特性を有しており、軽量盛土材等として好適に使用
できるとともに、積み重ねた場合の自立性、大型重機を
必要としないなどの施工上の利点を備えているため、荷
重軽減や土圧軽減を目的とする土構造物や埋戻し・裏込
めに頻繁に適用されるようになってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記E
PS工法においては、所定の圧縮強度を確保するためお
よび供用後の圧縮変形を防止するために、図7(A)〜
(C)に示すように、規定寸法の発泡スチロールブロッ
ク30、30…(2m ×1m×0.1mと2m ×1m×0.5mとが
ある。) を整然と積み重ねて使用するものであり、土圧
軽減や上載荷重軽減効果により、軟弱地盤上構造物の沈
下抑制、隣接する構造物規模の縮小化などの多大な利点
を有するものの、埋め戻しや盛土単独の施工単価を比較
すると、通常の土砂埋立よりも費用が嵩むなどの問題が
ある。
【0005】一方で、発泡スチロールは、超軽量性に加
えて優れた断熱性、クッション性および易成形性を有し
ているため、今日においては生鮮魚介類などの食料品収
容箱や電気機器などの梱包、各種イベント会場での催し
物など、多方面で不可欠な資材となっているが、一般的
に1度使用されるとそのまま廃棄されるのが普通であっ
て、回収再利用されることは殆どなく、その廃棄量は膨
大である。また、発泡スチロールの食料品収容箱や梱包
材などを製作するときにそれぞれ不合格品が発生し、こ
れがそのまま廃材となっている。しかも、この発泡スチ
ロールは合成樹脂であることから、焼却すると煙の発生
量が多く公害原因となることから、焼却処理にも特別な
処理コストを必要とすることが多い。
【0006】そこで、本出願人の一人は、先の特願平7
−344322号、特願平7−344323号におい
て、所定サイズの発泡スチロール破砕片を土木用軽量骨
材として使用する発明を提案した。一般的に、発泡スチ
ロールは、点的な圧縮に対しては脆弱であるが、全体ま
たは一定面積に対して面的な圧縮荷重に対しては大きな
抵抗力を示す。従来のEPS工法が、大型ブロック形状
の発泡スチロールを整列的に積重ねて配設するのは、こ
の点に理由があるわけであるが、仮に礫または玉石サイ
ズの発泡スチロール破砕片を軽量埋戻し資材として使用
した場合には、スチロール片同士が面で接触する部分
と、点で接触する部分とが存在し、耐圧縮強度はそれ程
大きくはない。また、空隙率が50%前後と高いため、
上載荷重による沈下が大きいなどの問題がある。もちろ
ん、大きな上載荷重が生じない箇所での単なる埋戻し置
換材として使用されるのであれば問題はないが、所定の
荷重が載荷されるような場所での使用に当たっては、そ
れに耐え得る圧縮強度を確保するとともに、埋立または
盛土後の沈下を実用上支障のない程度まで改善した施工
方法が要求されることになる。
【0007】そこで本発明の主たる課題は、発泡スチロ
ール破砕片を使用して埋戻し、裏込および盛土を行うに
当り、施工後の地盤沈下を実用上問題がない程度まで低
減し得るとともに、所定の圧縮強度を確保するようにし
た軽量埋戻し、裏込工法および軽量盛土工法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明軽量埋戻し、裏込工法は、実質的に周囲が拘
束された埋戻しまたは裏込め箇所に対して発泡スチロー
ル破砕片を投入し、この投入した発泡スチロール破砕片
の上面に、透水性シート、ネット、ジオグリッドやジオ
ネットなどのジオテキスタイル、土砂よりなる群から選
ばれた1または2以上の組合せによる被覆層を形成し、
投入した発泡スチロール破砕片層の上面を被覆拘束した
状態で上載荷重を載荷し、前記発泡スチロール破砕片層
を圧縮変形させることを特徴とするものである。
【0009】また、本発明に係る軽量盛土工法は、発泡
スチロール破砕片を所定厚さで敷き均したならば、その
上面に透水性シート、ネット、ジオグリッドやジオネッ
トなどのジオテキスタイル、土砂よりなる群から選ばれ
た1または2以上の組合せによる被覆層を形成し、敷き
均した発泡スチロール破砕片層の上面を被覆拘束した状
態で転圧して、前記発泡スチロール破砕片層を圧縮変形
させる工程を順次繰り返すことにより所定高さの盛土地
盤を造成することを特徴とするものである。この場合、
発泡スチロール破砕片を30〜100cmの厚さで敷き均
すとともに、ステージ毎に盛土周囲を実質的に拘束した
状態で転圧を行い、発泡スチロール破砕片層を圧縮変形
させるようにするのが望ましい。
【0010】また、これらの場合、前記埋戻しまたは裏
込め地盤上に構造物を構築するに当り、上載荷重として
構造物設計荷重以上の荷重を先行載荷し、発泡スチロー
ル破砕片層の圧縮変形がほぼ完了したならば、前記上載
荷重を除去するようにするプレロード方法を併用するこ
とにより、構造物構築時または構築後の地盤沈下を抑制
することができる。
【0011】次いで、本発明に係る他の方法(注入工
法)は、実質的に周囲が拘束された埋戻し、裏込めまた
は盛土箇所に対して発泡スチロール破砕片を投入した
後、その上面を透水性シート、ネット、ジオグリッドや
ジオネットなどのジオテキスタイルよりなる群から選ば
れた1または2以上の組合せによる被覆層を形成し、投
入した発泡スチロール破砕片層の上面を被覆拘束した状
態で、発泡スチロール破砕片層内に硬化性流動化材を注
入して、発泡スチロール破砕片間の空隙部を充填固化す
ることを特徴とするものである。
【0012】この場合に、前記硬化性流動化材の注入
は、投入した発泡スチロール破砕片層の底部側に吐出口
を位置させた注入パイプにより行うのが望ましい。ま
た、実際の施工に当たっては、一気にすべての発泡スチ
ロール破砕片を投入し、硬化性流動化材の注入を行うの
ではなく、高さ方向にステージを分け、多分割施工とす
るのが望ましい。すなわち、上記発泡スチロール破砕片
投入に続く硬化性流動化材注入による固化の工程の繰り
返しにより、所定高さまでの埋戻し、裏込めまたは盛土
を行うのが望ましい。
【0013】ところで、前記発泡スチロール破砕片は、
本発明の趣旨に則って発泡スチロール廃材を破砕したも
のを使用することとし、また前記発泡スチロール破砕片
とともに、またはこれに代えて、他の発泡樹脂破砕片を
使用することもできる。
【0014】本発明において、発泡スチロール破砕片を
用いる最大のメリットは、従来は産業廃棄物扱いとなっ
ていた発泡スチロール廃材の再資源化が可能になること
と、土木用埋戻し資材等として、安価に提供し得ること
にある。
【0015】また、従来使用されていた大型ブロックの
場合には、埋戻しまたは裏込め箇所の形状に合わせて隙
間なく充填するため、発泡スチロールブロックの切断等
を行いながら、発泡スチロールブロックを積み重ねて配
置しなければならなかったが、発泡スチロール破砕片の
場合には、無造作に投入するだけでよいため、充填性に
優れている。
【0016】これらの利点を有する一方で、単に充填す
るのみでは、発泡スチロール破砕片間の空隙が大きい、
隣接する破砕片が点接触となっているなどの理由から地
盤沈下が大きい、圧縮強度が確保できないなどの問題が
生じることになるが、本発明では被覆層により発泡スチ
ロール破砕片の上面を被覆拘束した状態で荷重載荷、転
圧または硬化性流動化材注入することによりこの問題を
解決している。
【0017】発泡スチロール破砕片は、投入した状態の
ままでは空隙率が概ね50%前後と大きく、各発泡スチ
ロール破砕片が自由に移動できる状態にあるため、上面
が開放された状態で圧縮力を加えても、効果的に空隙率
を低下させ、かつ破砕片自体を塑性圧縮変形させること
はできないが、透水性シート、ネット、ジオグリッド、
ジオネットなどのジオテキスタイル、または土砂類によ
る被覆層を形成した状態で、上面を上載荷重を載荷し、
あるいは転圧することにより、効果的に発泡スチロール
充填領域を圧縮変形させることができる。なお、本発明
において、「実質的に周囲が拘束された」または「盛土
周囲を実質的に拘束した」とは、擁壁、橋台、側方土
(切土斜面、盛土斜面などの傾斜地盤)、自立壁、土嚢
などの構造体によって拘束される場合の他、盛土道路の
道路軸方向のように実質的に半無限長と見做すことがで
きる場合をも含む意味である。また、「発泡スチロール
領域を圧縮変形」の意味は、空隙率を低下させること
と、破砕片自体を塑性圧縮変形させる両方の意味を含む
ものである。
【0018】他方、硬化性流動化材を注入する方法の場
合には、仮に充填した発泡スチロール破砕片の上面の拘
束無しに、底部側から硬化性流動化材を注入したので
は、図6に示されるように、比重が0.01程度の発泡
スチロール破砕片2、2…では上方に浮き上がってしま
い、注入した硬化材料と発泡スチロールとが分離した層
構成となってしまい圧縮強度の増加は臨めない。しか
し、本発明に従って上面を透水性シート、ネット、ジオ
グリッド、ジオネットなどのジオテキスタイル類によっ
て被覆拘束した状態で、好ましくは発泡スチロール破砕
片層の底部側から硬化性流動化材を注入するようにすれ
ば、発泡スチロール破砕片が移動できないため、その配
置状態のままで発泡スチロール破砕片の間隙部分にきっ
ちりと硬化性流動化材を充填することができ、これによ
って発泡スチロールと接着性の良い硬化材がリブ構造を
形成するとともに、周囲を硬化材によって拘束された発
泡スチロール破砕片は全方向から掛かる圧力によって独
立した固体となるため、地盤沈下が少なくかつ圧縮強度
の高い固化体を構築することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて詳述する。図1は本発明方法に従って
被覆層を設け発泡スチロール破砕片層の圧縮変形を行い
ながら裏込めを行った場合の横断面図、図2は被覆層を
設け発泡スチロール破砕片層の圧縮変形を行いながら軽
量盛土を構築した場合の横断面図である。図1におい
て、擁壁1などの耐土圧構造物と原地盤9とにより実質
的に周囲が拘束された凹空間に裏込材を充填するに当
り、先ず中間の所定高さまで発泡スチロール破砕片2を
充填して第1の発泡スチロール層3としたならば、その
上面に透水性シート5Aを布設するとともに、その上に
土砂5Bを敷き均して被覆層4を形成する。そして、こ
の被覆層4の上からショベルなどの掘削重機やローラな
どの転圧重機などにより上載荷重を掛けるようにする。
前記被覆層4によって上面を被覆拘束した状態で発泡ス
チロール破砕片2、2…に圧縮力を掛けることによっ
て、発泡スチロール破砕片2、2…が圧縮され間隙率が
小さくなるとともに、塑性圧縮変形して圧縮強度が増加
する。
【0020】次いで、前記被覆層4の上にさらに発泡ス
チロール破砕片2を投入して第2の発泡スチロール層6
としたならば、ショベルなどの掘削重機やローラなどの
転圧重機などにより表層土となる土砂7を展開、転圧し
ながら所定高さまでの埋め戻しを行い、前記第2の発泡
スチロール層6を圧縮変形させるようにする。前記掘削
重機や転圧重機に代えて、クレーンにより吊り上げた重
錘などによって圧縮荷重を与えることもできる。
【0021】前記被覆層4としては、透水性シート単
独、土砂単独とすることもできるし、あるいはネット、
ジオグリッドやジオネットなどのジオテキスタイルとす
ることもできる。いずれにしても発泡スチロール破砕片
2の上面を被覆拘束できるものが使用される。本例で
は、擁壁1が高いため施工を2分割施工とし、第1の発
泡スチロール層3と第2の発泡スチロール層6とに分け
て、それぞれをシリーズ工程で圧縮変形させるようにし
たが、もちろん擁壁1の高さが低い場合には、1回の施
工工程とすることができる。
【0022】前記発泡スチロール破砕片2としては、発
泡スチロール廃材が主として使われることは言うまでも
ないが、サイズは、縦、横、長さ寸法のいずれかが50
0mmを超えるようなものは、施工現場における充填操作
性あるいは取扱い上難点があるとともに、投入状態時に
も空隙率が大きくなるため、500mm以下、好ましくは
350mm以下のものが好適に使用される。一方、縦、
横、長さ寸法のいずれかが5mm以下の細粒片は、破砕な
どの手間が余計に掛かるばかりでなく、却ってこぼれ落
ちなどが生じて取扱いが難しくなるとともに、大きな発
泡スチロール破砕片の間に収まるのみで強度発現などに
も余り寄与し得ないため効果的でない。さらに、後述す
る硬化性流動化材の注入に際しても、却って注入を阻害
する要因となるため、最小寸法としては5mm以上、好ま
しくは10mm以上の破砕片とするのが良い。
【0023】他方で、発泡スチロール廃材から本発明に
係る埋戻し用資材を得るためには、打撃等を与えて破砕
することもできるが、裁断用ニクロム線などを使用した
裁断機などを通して裁断するようにすれば、破砕面が平
滑なものを多く得ることができるし、また破砕屑などを
発生させることもなく、適切な大きさの破砕片を多く得
ることができる。
【0024】ところで、前記裏込め地盤上に、建築物な
どの構造物が構築される場合には、構造物設計荷重以上
の先行荷重を与えるため、この荷重に相当する盛土8を
造成し、圧密を先行させることもできる。通常の粘土層
を対象とする圧密は、圧縮荷重によって間隙水圧を上昇
させ強制排水を行うもので、数カ月から数年を要するの
に対して、対象が発泡スチロール破砕片層である場合に
は、空隙率の低下、発泡スチロール破砕片の塑性圧縮変
形、時効歪などを狙うものであり、1週間程度の載荷期
間で十分である。
【0025】次いで、本発明方法に従って盛土地盤を構
築する場合には、図2に示されるように、先ず側方法面
部分に植生土嚢10、10…を所定高さ、図示の例では
3段分まで積み上げて側方を拘束した状態で、発泡スチ
ロール破砕片2、2…を充填して第1の発泡スチロール
層12とし、かつその上面に土砂11を敷き均して被覆
層13を形成し、この被覆層4の上からローラなどの転
圧重機などにより転圧を行い、前記土砂11の締固めと
ともに、発泡スチロール層12を圧縮変形させる。
【0026】次いで、再び側方法面に植生土嚢10、1
0…を積み上げて側方を拘束したならば、前記被覆層1
3の上にさらに発泡スチロール破砕片2、2…を投入し
て第2の発泡スチロール層14とし、その上に土砂11
を敷き均してその上から転圧する。この場合、前記発泡
スチロール層12、14としては概ね30〜100cm程
度とし、被覆層13としては10〜30cm程度とするの
がよい。なお、盛土長手方向は、半無限長域と見做せる
ため構造的な側方拘束は行っていない。
【0027】前記被覆層13としては、前記土砂11の
下層面に透水シートやネットなどを合わせて布設するこ
ともできるし、ジオグリッドやジオネットなどのジオテ
キスタイルを単独、または土砂と併用で使用することも
できる。
【0028】次いで、図3〜図5に示される構造例は、
上載荷重の載荷、転圧などを一切行わずに、発泡スチロ
ール破砕片2により軽量盛土、裏込めを行った例であ
る。図3の盛土例では、先ず側方法面に植生土嚢10、
10…を3段まで積み上げて側方を拘束した状態で、そ
の高さまで発泡スチロール破砕片2、2…を充填して第
1の発泡スチロール層12としたならば、その上面にジ
オグリッド17を敷いて発泡スチロール層12を被覆す
るとともに、その両側を固定して各発泡スチロール破砕
片2、2…が移動しないように拘束し、この拘束状態の
ままで吐出口を発泡スチロール層12の底部側位置とし
た注入パイプ15によりゆっくりと硬化性流動化材16
を注入して、発泡スチロール層12領域を固化させる。
【0029】次いで、再び側方に植生土嚢10、10…
を積み上げて側方拘束したならば、発泡スチロール破砕
片2、2…を投入して第2の発泡スチロール層14と
し、注入パイプ15を上方に引上げ吐出口を発泡スチロ
ール層14の底部側位置としてゆっくりと硬化性流動化
材16を注入して、発泡スチロール層14領域を固化さ
せる。後は、最上層に被覆土20を被せ転圧して締め固
める。
【0030】図4に示される擁壁型盛土の場合には、施
工を高さ方向に3分割として行った点およびジオグリッ
ド17の地山側端部をアンカー18によって固定した点
がことなるのみで基本的施工手順は同様である。鉛直壁
が擁壁20である点で構造は異なるが、擁壁型盛土の埋
戻し手順を図5(A)〜(D) に示す。なお、図5の例では
表層に盛土19を造成してプレロードを与えている。
【0031】前記硬化性流動化材としては、たとえば土
と水、あるいはこれにベントナイトなどの流動化材を加
えた泥水と固化材とを混合したもの、モルタル、気泡セ
メントペースト、石炭灰と固化材とを混合したもの、こ
れらに気泡剤を加えたものなど適宜のものが使用でき
る。
【0032】
【発明の効果】以上詳説のとおり、本発明によれば、発
泡スチロール破砕片を使用して埋戻し、裏込および盛土
を行う場合であっても、施工後の地盤沈下を実用上問題
がない程度まで低減し得るとともに、所定の圧縮強度を
確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に従って裏込めを行った場合の横断
面図である。
【図2】本発明に従って軽量盛土を構築した場合の横断
面図である。
【図3】本発明に従って軽量盛土を構築した場合の横断
面図である。
【図4】本発明に従って擁壁型盛土を構築した場合の横
断面図である。
【図5】擁壁型盛土の埋戻し手順図である。
【図6】被覆層を形成しない場合の問題点説明図であ
る。
【図7】従来のEPS工法の説明図である。
【符号の説明】
1…擁壁、2…発泡スチロール破砕片、3・12…第1
の発泡スチロール層、4・13…被覆層、5A…透水性
シート、5B・7・11…土砂、6・14…第2の発泡
スチロール層、8…盛土、10…植生土嚢、15…注入
パイプ、17…ジオグリッド、18…アンカー
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年4月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】これらの利点を有する一方で、単に充填す
るのみでは、発泡スチロール破砕片間の空隙が大きい、
隣接する破砕片が点接触となっているなどの理由から地
盤沈下が大きい、圧縮強度が確保できないなどの問題が
生じることになるが、本発明では被覆層により発泡スチ
ロール破砕片の上面を被覆拘束した状態で荷重載荷、転
圧または硬化性流動化材注入を行うことによりこの問題
を解決している。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】発泡スチロール破砕片は、投入した状態の
ままでは空隙率が概ね50%前後と大きく、各発泡スチ
ロール破砕片が自由に移動できる状態にあるため、上面
が開放された状態で圧縮力を加えても、効果的に空隙率
を低下させ、かつ破砕片自体を塑性圧縮変形させること
はできないが、透水性シート、ネット、ジオグリッド、
ジオネットなどのジオテキスタイル、または土砂類によ
る被覆層を形成した状態で、上面上載荷重を載荷し、
あるいは上面を転圧することにより、効果的に発泡スチ
ロール充填領域を圧縮変形させることができる。なお、
本発明において、「実質的に周囲が拘束された」または
「盛土周囲を実質的に拘束した」とは、擁壁、橋台、側
方土(切土斜面、盛土斜面などの傾斜地盤)、自立壁、
土嚢などの構造体によって拘束される場合の他、盛土道
路の道路軸方向のように実質的に半無限長と見做すこと
ができる場合をも含む意味である。また、「発泡スチロ
ール領域を圧縮変形」の意味は、空隙率を低下させるこ
とと、破砕片自体を塑性圧縮変形させる両方の意味を含
むものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】他方、硬化性流動化材を注入する方法の場
合には、仮に充填した発泡スチロール破砕片の上面の拘
束無しに、底部側から硬化性流動化材を注入したので
は、図6に示されるように、比重が0.01程度の発泡
スチロール破砕片2、2…では上方に浮き上がってしま
い、注入した硬化材料と発泡スチロールとが分離した層
構成となってしまい圧縮強度の増加はめない。しか
し、本発明に従って上面を透水性シート、ネット、ジオ
グリッド、ジオネットなどのジオテキスタイル類によっ
て被覆拘束した状態で、好ましくは発泡スチロール破砕
片層の底部側から硬化性流動化材を注入するようにすれ
ば、発泡スチロール破砕片が移動できないため、その配
置状態のままで発泡スチロール破砕片の間隙部分にきっ
ちりと硬化性流動化材を充填することができ、これによ
って発泡スチロールと接着性の良い硬化材がリブ構造を
形成するとともに、周囲を硬化材によって拘束された発
泡スチロール破砕片は全方向から掛かる圧力によって独
立した固体となるため、地盤沈下が少なくかつ圧縮強度
の高い固化体を構築することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】次いで、本発明方法に従って盛土地盤を構
築する場合には、図2に示されるように、先ず側方法面
部分に植生土嚢10、10…を所定高さ、図示の例では
3段分まで積み上げて側方を拘束した状態で、発泡スチ
ロール破砕片2、2…を充填して第1の発泡スチロール
層12とし、かつその上面に土砂11を敷き均して被覆
層13を形成し、この被覆層13の上からローラなどの
転圧重機などにより転圧を行い、前記土砂11の締固め
とともに、発泡スチロール層12を圧縮変形させる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に周囲が拘束された埋戻しまたは裏
    込め箇所に対して発泡スチロール破砕片を投入し、この
    投入した発泡スチロール破砕片の上面に、透水性シー
    ト、ネット、ジオグリッドやジオネットなどのジオテキ
    スタイル、土砂よりなる群から選ばれた1または2以上
    の組合せによる被覆層を形成し、投入した発泡スチロー
    ル破砕片層の上面を被覆拘束した状態で上載荷重を載荷
    し、前記発泡スチロール破砕片層を圧縮変形させること
    を特徴とする軽量埋戻し、裏込工法。
  2. 【請求項2】発泡スチロール破砕片を所定厚さで敷き均
    したならば、その上面に透水性シート、ネット、ジオグ
    リッドやジオネットなどのジオテキスタイル、土砂より
    なる群から選ばれた1または2以上の組合せによる被覆
    層を形成し、敷き均した発泡スチロール破砕片層の上面
    を被覆拘束した状態で転圧して、前記発泡スチロール破
    砕片層を圧縮変形させる工程を順次繰り返すことにより
    所定高さの盛土地盤を造成することを特徴とする軽量盛
    土工法。
  3. 【請求項3】発泡スチロール破砕片を30〜100cmの
    厚さで敷き均すとともに、ステージ毎に盛土周囲を実質
    的に拘束した状態で転圧を行い、発泡スチロール破砕片
    層を圧縮変形させるようにした請求項2記載の軽量盛土
    工法。
  4. 【請求項4】前記埋戻し、裏込めまたは盛土地盤上に構
    造物を構築するに当り、上載荷重として構造物設計荷重
    以上の荷重を先行載荷し、発泡スチロール破砕片層の圧
    縮変形がほぼ完了したならば、前記上載荷重を除去する
    請求項1〜3記載の軽量埋戻し、裏込工法および軽量盛
    土工法。
  5. 【請求項5】実質的に周囲が拘束された埋戻し、裏込め
    または盛土箇所に対して発泡スチロール破砕片を投入し
    た後、その上面を透水性シート、ネット、ジオグリッド
    やジオネットなどのジオテキスタイルよりなる群から選
    ばれた1または2以上の組合せによる被覆層を形成し、
    投入した発泡スチロール破砕片層の上面を被覆拘束した
    状態で、発泡スチロール破砕片層内に硬化性流動化材を
    注入して、発泡スチロール破砕片間の空隙部を充填固化
    することを特徴とする軽量埋戻し、裏込工法および軽量
    盛土工法。
  6. 【請求項6】前記硬化性流動化材の注入は、投入した発
    泡スチロール破砕片層の底部側に吐出口を位置させた注
    入パイプにより行う請求項5記載の軽量埋戻し、裏込工
    法および軽量盛土工法。
  7. 【請求項7】上記発泡スチロール破砕片投入に続く硬化
    性流動化材注入による固化の工程の繰り返しにより、所
    定高さまでの埋戻し、裏込めまたは盛土を行う請求項
    5、6記載の軽量埋戻し、裏込工法および軽量盛土工
    法。
  8. 【請求項8】前記発泡スチロール破砕片は、発泡スチロ
    ール廃材を破砕したものを使用する請求項1〜7記載の
    軽量埋戻し、裏込工法および軽量盛土工法。
  9. 【請求項9】前記発泡スチロール破砕片とともに、また
    はこれに代えて、他の発泡樹脂破砕片を使用する請求項
    1〜8記載の軽量埋戻し、裏込工法および軽量盛土工
    法。
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