JPH09136531A - ビスカスヒータ - Google Patents

ビスカスヒータ

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JPH09136531A
JPH09136531A JP22903496A JP22903496A JPH09136531A JP H09136531 A JPH09136531 A JP H09136531A JP 22903496 A JP22903496 A JP 22903496A JP 22903496 A JP22903496 A JP 22903496A JP H09136531 A JPH09136531 A JP H09136531A
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JP
Japan
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rotor
heat generating
generating chamber
viscous heater
wall surface
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Pending
Application number
JP22903496A
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English (en)
Inventor
Takashi Ban
孝志 伴
Satoshi Yagi
聖史 八木
Hidefumi Mori
英文 森
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ロータの1回転当たりの発熱量を大きく確保し
つつ、ロータの外面と発熱室の壁面との干渉を防止可能
なビスカスヒータを提供する。 【解決手段】発熱室7を形成する前部ハウジング1の後
端面の内周域と、発熱室7を形成する後部プレート2の
前端面の内周域とに、干渉防止手段としての規制部1
a、2aをそれぞれ対面する方向にリング状に突設す
る。また、干渉防止手段として、発熱室7を形成する前
部ハウジング1の後端面と、発熱室7を形成する後部プ
レート2の前端面とを外広がりのテーパ面とし、これに
より両者の外周域に遊隙を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘性流体をせん断
により発熱させ、放熱室内を循環する循環流体に熱交換
して暖房熱源に利用するビスカスヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特開平2−246823号公報に
車両用暖房装置に利用されるビスカスヒータが開示され
ている。このビスカスヒータでは、前部及び後部ハウジ
ングが対設された状態で通しボルトにより締結され、内
部に発熱室と、この発熱室の外域にウォータジャケット
とを形成している。ウォータジャケット内では循環水が
入水ポートから取り入れられ、出水ポートから外部の暖
房回路へ送り出されるべく循環されている。前部ハウジ
ングには軸受装置を介して駆動軸が回動可能に支承さ
れ、駆動軸には発熱室内で回動可能なロータが固定され
ている。発熱室の壁面とロータの外面とは互いに近接す
るラビリンス溝を構成し、これら発熱室の壁面とロータ
の外面との間隙にはシリコンオイル等の粘性流体が介在
される。
【0003】車両の暖房装置に組み込まれたこのビスカ
スヒータでは、駆動軸がエンジンにより駆動されれば、
発熱室内でロータが回動するため、粘性流体が発熱室の
壁面とロータの外面との間隙でせん断により発熱する。
この発熱はウォータジャケット内の循環水に熱交換さ
れ、加熱された循環水が暖房回路で車両の暖房に供され
ることとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のビ
スカスヒータでは、ロータの1回転当たりの発熱量を向
上させると、ロータの外面が発熱室の壁面と干渉しやす
いことが明らかとなった。すなわち、この種のビスカス
ヒータでは、運転時において、エンジンの回転数の変化
等に起因し、電磁クラッチのプーリ又は駆動軸に直結さ
れたプーリに不可避的にベルトテンションが作用する。
このため、駆動軸は理想軸から不可避的に傾斜した状態
で駆動されることとなる。また、製造時の公差等から、
駆動軸とロータとの直角度、ロータと発熱室との平行度
及びロータと発熱室との軸方向の寸法は、完全なものと
はなり得ない。
【0005】したがって、上記従来のビスカスヒータで
は、ロータが駆動軸に固定されているため、運転時にお
いて、ロータが発熱室に対して傾斜したり、発熱室と軸
方向に寸法差を有したりしたまま回動し、ロータの外面
が発熱室の壁面と干渉しやすい。一方、かかる干渉を回
避すべく、発熱室の壁面とロータの外面との間隙を拡大
すると、粘性流体がせん断されにくくなるため、ロータ
の1回転当たりの発熱量が低下してしまう。
【0006】本発明の課題は、ロータの1回転当たりの
発熱量を大きく確保しつつ、ロータの外面と発熱室の壁
面との干渉を防止可能なビスカスヒータを提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】 (1)請求項1のビスカスヒータは、内部に発熱室及び
該発熱室に隣接して循環流体を循環させる放熱室を形成
するハウジングと、該ハウジングに軸受装置を介して回
動可能に支承された駆動軸と、該発熱室内で該駆動軸に
より回動可能に設けられたロータと、該発熱室の壁面と
該ロータの外面との間隙に介在され、該ロータの回動に
より発熱される粘性流体とを有するビスカスヒータにお
いて、前記発熱室の壁面と前記ロータの外面との間に
は、相互の外周域の干渉を防止する干渉防止手段が設け
られていることを特徴とする。
【0008】このビスカスヒータでは、ベルトテンショ
ンや製造時の公差等により、ロータが発熱室に対して傾
斜したり、ロータが発熱室と軸方向に寸法差を有してい
ても、干渉防止手段がロータの外面のうちの外周域と発
熱室の壁面のうちの外周域との干渉を防止する。このた
め、このビスカスヒータでは、ロータの1回転当たりの
発熱量を向上させるべく、粘性流体がせん断されやすい
ように発熱室の壁面とロータの外面との間隙をある程度
縮小することができる。
【0009】(2)請求項2のビスカスヒータは、請求
項1記載のビスカスヒータにおいて、干渉防止手段は、
ロータの前端面と発熱室の前壁面との間及び該ロータの
後端面と該発熱室の後壁面との間の内周域に設けられ、
当接により相互の外周域の干渉を防止する規制部である
ことを特徴とする。このビスカスヒータでは、規制部が
ロータの外面と発熱室の壁面との内周域において当接
し、相互の外周域の干渉を防止する。このとき、規制部
は内周域で当接するため、速度が小さく、当接による焼
付き等の不具合は生じない。
【0010】(3)請求項3のビスカスヒータは、請求
項1記載のビスカスヒータにおいて、干渉防止手段は、
ロータの前端面と発熱室の前壁面との間及び該ロータの
後端面と該発熱室の後壁面との間の外周域に設けられ、
当接により相互の外周域の干渉を防止する規制部である
ことを特徴とする。このビスカスヒータでは、規制部が
ロータの外面と発熱室の壁面との外周域において当接
し、相互の外周域の干渉を直接的に防止する。
【0011】(4)請求項4のビスカスヒータは、請求
項2又は3記載のビスカスヒータにおいて、ハウジング
には、発熱室の中央域と連通される制御室が配設され、
能力縮小時における該制御室内への粘性流体の移動は、
少なくとも該粘性流体のワイセンベルク効果により行わ
れ、規制部は軸芯回りに分割されていることを特徴とす
る。
【0012】このビスカスヒータでは、発熱室内の粘性
流体は、ロータが回動されたままであれば、液面と直角
に回動されることで、遠心力に逆らって軸芯回りに集合
するワイセンベルク効果(Weissenberg E
ffect)により、能力縮小時における制御室内への
移動を行う。このワイセンベルク効果は法線応力効果に
より生じると考えられている。これにより、このビスカ
スヒータでは、発熱室内の粘性流体が制御室内に回収さ
れる。このとき、規制部が軸芯回りに分割されているた
め、規制部が粘性流体の移動を阻止することはない。こ
うして、このビスカスヒータでは、発熱室の壁面とロー
タの外面との間隙の発熱量が減少し、暖房が弱められる
こととなる。
【0013】(5)請求項5のビスカスヒータは、請求
項2、3又は4記載のビスカスヒータにおいて、規制部
は発熱室を形成するハウジングに突設されていることを
特徴とする。このビスカスヒータでは、規制部をハウジ
ングに突設しているため、ロータの外面と当接・摺動す
る規制部の先端は平滑にすることが好ましいが、発熱室
を形成する他の部位を例えば鋳肌のままにしておくこと
ができる。この場合、加工が容易であるとともに、粘性
流体が粗面によってよりせん断されやすく、発熱量が増
加する。
【0014】(6)請求項6のビスカスヒータは、請求
項2、3又は4記載のビスカスヒータにおいて、規制部
は自己潤滑性材料からなることを特徴とする。このビス
カスヒータでは、ロータの外面が自己潤滑性材料からな
る規制部と当接・摺動することとなり、ロータが滑らか
に摺動する。また、発熱室を形成する他の部位を例えば
鋳肌のままにしておくことができるため、この場合に
は、加工が容易であるとともに、粘性流体が粗面によっ
てよりせん断されやすく、発熱量が増加する。
【0015】ここで、規制部に回り止めを設け、これに
より規制部をロータと連れ回り不能にすることができ
る。かかる回り止めを設けず、規制部をロータと連れ回
り可能にする場合には、規制部自体の摩耗による劣化を
防止できる。 (7)請求項7のビスカスヒータは、請求項6記載のビ
スカスヒータにおいて、自己潤滑性材料はフッ素樹脂で
あることを特徴とする。
【0016】このビスカスヒータは、請求項6の手段を
具体化したものである。その具体的作用は実施形態にお
いて詳述する。 (8)請求項8のビスカスヒータは、請求項1記載のビ
スカスヒータにおいて、干渉防止手段は、ロータの前端
面と発熱室の前壁面との間及び該ロータの後端面と該発
熱室の後壁面との間の外周域に形成され、離反により相
互の外周域の干渉を防止する遊隙であることを特徴とす
る。
【0017】このビスカスヒータでは、ロータの外面と
発熱室の壁面との外周域において他方が遊隙により離反
し、相互の外周域の干渉を防止する。 (9)請求項9のビスカスヒータは、請求項8記載のビ
スカスヒータにおいて、遊隙は発熱室を形成するハウジ
ングに凹設されていることを特徴とする。このビスカス
ヒータでは、遊隙をハウジングに凹設しているため、発
熱室の壁面全部を例えば鋳肌のままにしておくことがで
きる。この場合、加工が容易であるとともに、粘性流体
が粗面によってよりせん断されやすく、発熱量が増加す
る。
【0018】(10)請求項10のビスカスヒータは、
請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載のビ
スカスヒータにおいて、ロータは駆動軸に相対回動不能
かつ該駆動軸の軸芯に対して傾斜及び軸方向の変位可能
に嵌合されていることを特徴とする。このビスカスヒー
タでは、駆動軸が回動されれば、ロータが駆動軸に相対
回動不能に嵌合されているため、発熱室内でロータが回
動され、粘性流体のせん断による発熱で暖房を行なうこ
とができる。
【0019】また、このビスカスヒータでは、ベルトテ
ンションや製造時の公差等により、ロータが発熱室に対
して傾斜したり、ロータが発熱室と軸方向に寸法差を有
していても、ロータが駆動軸の軸芯に対して傾斜可能に
嵌合されていることによりこの傾斜を吸収し、かつロー
タが軸方向に変位可能に嵌合されていることによりこの
寸法差を吸収する。このため、ロータの外面のうちの外
周域が発熱室の壁面のうちの外周域と一層干渉しにくく
なる。
【0020】また、ロータが駆動軸の軸芯に対して傾斜
し、又は軸方向に変位することによるロータの外面と発
熱室の壁面との接触は、請求項1〜9記載の干渉防止手
段により回避される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、各請求項記載の発明を具体
化した実施形態1〜7を図面を参照しつつ説明する。 (実施形態1)実施形態1のビスカスヒータは請求項
1、2、5を具体化している。
【0022】このビスカスヒータでは、図1に示すよう
に、前部ハウジング1、後部プレート2及び後部ハウジ
ング本体3が後部プレート2と後部ハウジング本体3と
の間にガスケット4を介し、各々積層された状態で複数
本の通しボルト5により締結されている。ここで、後部
プレート2及び後部ハウジング本体3が後部ハウジング
6を構成している。そして、前部ハウジング1の後端面
に凹設された凹部は後部プレート2の平坦な前端面とと
もに発熱室7を形成している。
【0023】ここで、このビスカスヒータの特徴的な構
成として、図2に示すように、発熱室7を形成する前部
ハウジング1の後端面の内周域と、発熱室7を形成する
後部プレート2の前端面の内周域とには、干渉防止手段
としての規制部1a、2aがそれぞれ対面する方向にリ
ング状に突設されている。規制部1a、2aの先端は平
滑に切削されているが、発熱室7を形成する他の部位は
鋳肌のままである。このため、加工が容易である。
【0024】また、図1に示すように、後部プレート2
の後端面と後部ハウジング本体3の内面とが発熱室7に
隣接する後部放熱室としての後部ウォータジャケットR
Wを形成している。後部ハウジング本体3の後面の外域
には、外部の図示しない暖房回路から循環流体としての
循環水を取り入れる入水ポート8と、循環水を暖房回路
へ送り出す図示しない出水ポートとが隣接して形成さ
れ、入水ポート8と出水ポートとは後部ウォータジャケ
ットRWに連通されている。
【0025】後部プレート2の後端面では中央域に円柱
状の凸部2bが突設され、入水ポート8と出水ポートと
の間には凸部2bから一径方向に延在する隔壁2cが突
設されている。また、後部プレート2の後端面では、入
水ポート8近傍から出水ポート近傍まで凸部2b回りに
円弧状に延在する4条のフィン2d〜2gが軸方向に突
設されている。これら凸部2b、隔壁2c及び各フィン
2d〜2gの先端は後部ハウジング本体3の内面と当接
されている。
【0026】また、前部ハウジング1には発熱室7に隣
接して軸封装置10及び軸受装置11が設けられ、これ
ら軸封装置10及び軸受装置11を介して駆動軸12が
回動可能に支承されている。駆動軸12の後端には発熱
室7内で回動可能な平板形状のロータ13が圧入され、
発熱室7の壁面とロータ13の外面との間隙には粘性流
体としてのシリコンオイルが介在されている。駆動軸1
2の先端にはボルト14によりプーリ15が固定され、
プーリ15は車両のエンジンによりベルトで回転される
ようになっている。
【0027】車両の暖房装置に組み込まれたこのビスカ
スヒータでは、駆動軸12がプーリ15を介してエンジ
ンにより駆動されれば、ロータ13が駆動軸12に相対
回動不能に圧入されているため、発熱室7内でロータ1
3が回動し、シリコンオイルが発熱室7の壁面とロータ
13の外面との間隙でせん断により発熱する。この発熱
は後部ウォータジャケットRW内の循環水に熱交換さ
れ、加熱された循環水が暖房回路で車両の暖房に供され
ることとなる。
【0028】このとき、このビスカスヒータにおいて
も、図2に示すように、ベルトテンションにより軸芯O
が理想軸から傾斜した状態で駆動軸12が回動されやす
い。また、製造時の公差等により、ロータ13と発熱室
7との平行度及び軸方向の寸法は完全なものとはなり得
ない。しかし、このビスカスヒータでは、規制部1a、
2aが発熱室7の内周域においてロータ13に当接し、
ロータ13の中心面Sと発熱室7の中心面S’とがほぼ
一致する。こうして、このビスカスヒータでは、ロータ
13の外面のうちの外周域と発熱室7の壁面のうちの外
周域との干渉が防止されている。このとき、規制部1
a、2aは発熱室7の内周域でロータ13に当接するた
め、速度が小さく、当接による焼付き等の不具合は生じ
ない。
【0029】このため、このビスカスヒータでは、ロー
タ13の1回転当たりの発熱量を向上させるべく、シリ
コンオイルがせん断されやすいように発熱室7の壁面と
ロータ13の外面との間隙をある程度縮小することがで
きる。また、発熱室7を形成する規制部1a、2aを除
く部位は鋳肌のままであるため、シリコンオイルが粗面
によってよりせん断されやすく、発熱量が増加してい
る。
【0030】これに対し、図3に示すように、前部ハウ
ジング1と後部プレート2とに干渉防止手段としての規
制部1a、2aを突設しない比較形態のビスカスヒータ
では、ベルトテンションや製造時の公差等により、ロー
タ13の中心面Sが発熱室7の中心面S’と傾斜したま
ま、かつロータ13が発熱室7と軸方向の寸法差を有し
たまま、ロータ13が回動されやすい。このため、この
ビスカスヒータでは、発熱室7の壁面とロータ13の外
面との間隙をある程度縮小すれば、ロータ13の外面が
発熱室7の壁面と干渉してしまう。
【0031】したがって、実施形態1のビスカスヒータ
は、ロータ13の1回転当たりの発熱量を大きく確保し
つつ、ロータ13の外面と発熱室7の壁面との干渉を防
止可能であり、優れた暖房能力と耐久性とを発揮するこ
とができる。なお、プーリ15の代わりに電磁クラッチ
を用いて駆動軸12の断続駆動を行ってもよい。 (実施形態2)実施形態2のビスカスヒータは請求項
1、3、6、7を具体化している。
【0032】このビスカスヒータでは、図4に示すよう
に、発熱室7を形成する前部ハウジング1の後端面の外
周域と、発熱室7を形成する後部プレート2の前端面の
外周域とにリング状のPTFE製の規制部20、21が
別部材として埋設されている。各規制部20、21の後
端はそれぞれ前部ハウジング1と後部プレート2とに回
り止めされており、それらの先端はそれぞれ対面する方
向に平滑に突出されている。発熱室7を形成する他の部
位は鋳肌のままである。他の構成は実施形態1と同一で
ある。
【0033】このビスカスヒータにおいては、ロータ1
3の外面がPTFEからなる規制部20、21と当接・
摺動することとなり、ロータ13が滑らかに摺動する。
他の作用及び効果は実施形態1と同様である。 (実施形態3)実施形態3のビスカスヒータは請求項
1、2、4、5、10を具体化している。
【0034】このビスカスヒータでは、図5に示すよう
に、駆動軸12の後端に外スプライン12aが形成さ
れ、この外スプライン12aにはロータ13の内スプラ
イン13aが嵌合されている。こうして、ロータ13
は、図6に示すように、駆動軸12に相対回動不能かつ
駆動軸12の軸芯Oに対して傾斜及び軸方向の変位可能
に嵌合されている。
【0035】また、図7に示すように、前部ハウジング
1と後部プレート2とに突設された規制部1a、2a
(2aは図示せず)は軸芯O回りに分割されている。さ
らに、図5に示すように、ロータ13の中央域に前後に
貫通する複数個の連通孔13bが貫設されている。ま
た、後部プレート2が中央域に連通孔2hを有する環状
に形成されており、後部ハウジング本体3の内部中央域
には環状のリブ3aが軸方向に突設されている。また、
ガスケット4が後部プレート2の連通孔2hを覆うべく
ダイアフラム4aを一体に有し、後部ハウジング本体3
の中心に設けられた調整ねじ16がダイアフラム4aの
後面と当接可能になされている。こうして、ダイアフラ
ム4aの前方には発熱室7の中央域と連通する制御室1
7が形成されている。他の構成は実施形態1と同様であ
る。
【0036】このビスカスヒータでは、ベルトテンショ
ンや製造時の公差等により、ロータ13が発熱室7に対
して傾斜したり、ロータ13が発熱室7と軸方向に寸法
差を有していても、ロータ13が軸芯Oに対して傾斜可
能に嵌合されていることによりこの傾斜を吸収し、かつ
ロータ13が軸方向に変位可能に嵌合されていることに
よりこの寸法差を吸収する。このため、ロータ13の外
面のうちの外周域が発熱室7の壁面のうちの外周域と一
層干渉しにくくなっている。
【0037】また、このビスカスヒータでは、ロータ1
3が回動されたままであれば、暖房が過強である場合、
発熱室7内のシリコンオイルは、ワイセンベルク効果に
よりダイアフラム4aを後方に変位させて制御室17の
内部容積を拡大する。この制御室17の内部容積の拡大
はダイアフラム4aの後面が調整ねじ16の先端に当接
するまで行われる。これにより、発熱室7内のシリコン
オイルが制御室17内に回収される。このとき、規制部
1a、2aが軸芯O回りに分割されているため、規制部
1a、2aがシリコンオイルの移動を阻止することはな
い。このため、発熱室7の壁面とロータ13の外面との
間隙の発熱量が減少し、暖房が弱められることとなる。
この能力縮小の際、発熱室7の前壁面とロータ13の前
側面との間のシリコンオイルは連通孔13bを経て制御
室17に回収されやすい。
【0038】逆に、暖房が過弱である場合、調整ねじ1
6を所望長さだけねじ込み、ダイアフラム4aを前方に
変位させて制御室17の内部容積を縮小する。これによ
り、制御室17内のシリコンオイルは発熱室7内に送り
出される。このときも、規制部1a、2aがシリコンオ
イルの移動を阻止することはない。このため、発熱室7
の壁面とロータ13の外面との間隙の発熱量が増大し、
暖房が強められることとなる。この能力拡大の際も、制
御室17内のシリコンオイルが発熱室7の前壁面とロー
タ13の前側面との間に送り出されやすい。
【0039】したがって、このビスカスヒータは、能力
制御が確実に行われ、耐久後の発熱効率の低下を防止で
きる。そして、このビスカスヒータでは、ロータ13が
軸芯Oに対して傾斜し、又は軸方向に変位することによ
るロータ13の外面のうちの外周域と発熱室7の壁面の
うちの外周域との接触は、規制部1a、2s及び両者の
間隙の中央域に作用するワイセンベルク効果で確実に残
留するシリコンオイルによって回避されている。他の作
用及び効果は実施形態1と同様である。 (実施形態4)実施形態4のビスカスヒータは請求項
1、2を具体化している。
【0040】このビスカスヒータでは、図8に示すよう
に、ロータ13の前後端面の内周域に規制部13c、1
3dを突設している。他の構成は実施形態1と同一であ
る。このビスカスヒータにおいても、実施形態1と同様
の作用及び効果を奏することができる。 (実施形態5)実施形態5のビスカスヒータは請求項
1、2、6、7を具体化している。
【0041】このビスカスヒータでは、図9に示すよう
に、発熱室7の壁面とロータ13の外面との間の内周域
に別部材として規制部18、19を介在させている。こ
れらの規制部18、19は、シリコンオイルをせん断す
るものではなく、当接・摺動により干渉を防止するもの
であるため、PTFE製としている。他の構成は実施形
態1と同一である。
【0042】このビスカスヒータにおいても、実施形態
1と同様の作用及び効果を奏することができる。 (実施形態6)実施形態6のビスカスヒータは請求項
1、8〜10を具体化している。このビスカスヒータで
は、図10に示すように、干渉防止手段として、発熱室
7を形成する前部ハウジング1の後端面と、発熱室7を
形成する後部プレート2の前端面とを外広がりのテーパ
面1b、2iとし、これにより両者の外周域に遊隙を形
成している。他の構成は実施形態3と同一である。
【0043】このビスカスヒータでは、テーパ面1b、
2iを前部ハウジング1及び後部プレート2に形成する
こととしているため、高精度に鋳造すれば、発熱室7の
壁面全部を鋳肌のままにしておくことができる。このた
め、シリコンオイルが粗面によってよりせん断されやす
く、発熱量が増加している。他の作用及び効果は実施形
態3と同様である。 (実施形態7)実施形態7のビスカスヒータは請求項
1、8を具体化している。
【0044】このビスカスヒータでは、図11に示すよ
うに、干渉防止手段として、ロータ13の前後端面を内
広がりのテーパ面13e、13fとし、これにより両者
の外周域に遊隙を形成している。他の構成は実施形態1
と同一である。このビスカスヒータにおいても、実施形
態1、6と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、各請求項のビスカ
スヒータは、ロータの1回転当たりの発熱量を大きく確
保しつつ、ロータの外面と発熱室の壁面との干渉を防止
可能である。したがって、このビスカスヒータは、優れ
た暖房能力と耐久性とを発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1のビスカスヒータの縦断面図であ
る。
【図2】実施形態1のビスカスヒータに係り、要部拡大
断面図である。
【図3】比較形態のビスカスヒータに係り、要部拡大断
面図である。
【図4】実施形態2のビスカスヒータの縦断面図であ
る。
【図5】実施形態3のビスカスヒータの縦断面図であ
る。
【図6】実施形態3のビスカスヒータに係り、要部拡大
断面図である。
【図7】実施形態3のビスカスヒータに係り、要部拡大
平面図である。
【図8】実施形態4のビスカスヒータに係り、要部拡大
平面図である。
【図9】実施形態5のビスカスヒータに係り、要部拡大
平面図である。
【図10】実施形態6のビスカスヒータに係り、要部拡
大平面図である。
【図11】実施形態7のビスカスヒータに係り、要部拡
大平面図である。
【符号の説明】
1…前部ハウジング 6…後部ハウジング 2…後部プレート 3…後部ハウジング本体 7…発熱室 RW…後部ウォータジャケット(後部放熱室) 10…軸封装置 11…軸受装置 12…駆動軸 13…ロータ 4…ガスケット 5…通しボルト 12a…外スプライン 13a…内スプライン O…軸芯 17…制御室 1a、2a、13c、13d、18、19、20、21
…規制部(干渉防止手段) 1b、2i、13e,13f…テーパ面(遊隙、干渉防
止手段)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に発熱室及び該発熱室に隣接して循環
    流体を循環させる放熱室を形成するハウジングと、該ハ
    ウジングに軸受装置を介して回動可能に支承された駆動
    軸と、該発熱室内で該駆動軸により回動可能に設けられ
    たロータと、該発熱室の壁面と該ロータの外面との間隙
    に介在され、該ロータの回動により発熱される粘性流体
    とを有するビスカスヒータにおいて、 前記発熱室の壁面と前記ロータの外面との間には、相互
    の外周域の干渉を防止する干渉防止手段が設けられてい
    ることを特徴とするビスカスヒータ。
  2. 【請求項2】干渉防止手段は、ロータの前端面と発熱室
    の前壁面との間及び該ロータの後端面と該発熱室の後壁
    面との間の内周域に設けられ、当接により相互の外周域
    の干渉を防止する規制部であることを特徴とする請求項
    1記載のビスカスヒータ。
  3. 【請求項3】干渉防止手段は、ロータの前端面と発熱室
    の前壁面との間及び該ロータの後端面と該発熱室の後壁
    面との間の外周域に設けられ、当接により相互の外周域
    の干渉を防止する規制部であることを特徴とする請求項
    1記載のビスカスヒータ。
  4. 【請求項4】ハウウジングには、発熱室の中央域と連通
    される制御室が配設され、能力縮小時における該制御室
    内への粘性流体の移動は、少なくとも該粘性流体のワイ
    センベルク効果により行われ、規制部は軸芯回りに分割
    されていることを特徴とする請求項2又は3記載のビス
    カスヒータ。
  5. 【請求項5】規制部は発熱室を形成するハウジングに突
    設されていることを特徴とする請求項2、3又は4記載
    のビスカスヒータ。
  6. 【請求項6】規制部は自己潤滑性材料からなることを特
    徴とする請求項2、3又は4記載のビスカスヒータ。
  7. 【請求項7】自己潤滑性材料はフッ素樹脂であることを
    特徴とする請求項6記載のビスカスヒータ。
  8. 【請求項8】干渉防止手段は、ロータの前端面と発熱室
    の前壁面との間及び該ロータの後端面と該発熱室の後壁
    面との間の外周域に形成され、離反により相互の外周域
    の干渉を防止する遊隙であることを特徴とする請求項1
    記載のビスカスヒータ。
  9. 【請求項9】遊隙は発熱室を形成するハウジングに凹設
    されていることを特徴とする請求項8記載のビスカスヒ
    ータ。
  10. 【請求項10】ロータは駆動軸に相対回動不能かつ該駆
    動軸の軸芯に対して傾斜及び軸方向の変位可能に嵌合さ
    れていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、
    6、7、8又は9記載のビスカスヒータ。
JP22903496A 1995-09-11 1996-08-29 ビスカスヒータ Pending JPH09136531A (ja)

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