JPH09136371A - 発泡体及びその製造方法 - Google Patents

発泡体及びその製造方法

Info

Publication number
JPH09136371A
JPH09136371A JP29530595A JP29530595A JPH09136371A JP H09136371 A JPH09136371 A JP H09136371A JP 29530595 A JP29530595 A JP 29530595A JP 29530595 A JP29530595 A JP 29530595A JP H09136371 A JPH09136371 A JP H09136371A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foam
thermoplastic resin
resin
foaming
foamed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29530595A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoyuki Kobayashi
智行 小林
Michiaki Sasayama
道章 笹山
Hidefumi Nagara
英史 長良
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP29530595A priority Critical patent/JPH09136371A/ja
Publication of JPH09136371A publication Critical patent/JPH09136371A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧縮強度、柔軟性及び凹凸追従性に優れた発
泡体を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂よりなる高発泡体(H)
が、高発泡体(H)の外表面を被覆している熱可塑性樹
脂よりなる低発泡薄膜(L)を介して熱融着されてなる
板状発泡体6の少なくとも片面に、高発泡体(H)より
も発泡倍率が高い柔軟性発泡樹脂層Cが熱融着されてな
る発泡体及び発泡剤を含有している発泡性熱可塑性樹脂
ペレット(a)を、樹脂発泡シート(c)の上面に散布
する工程と、散布された発泡性熱可塑性樹脂ペレット
(a)を発泡剤の発泡温度以上の温度に加熱することに
より、発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a)を発泡させて
融着・一体化する工程とを備えることを特徴とする発泡
体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡体及びその製
造方法に関し、特に、コンクリート構造物などに断熱材
や床材として用いるのに適した発泡体及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂を用いた発泡体は、軽量性
及び断熱性などにおいて優れているため、屋上断熱材や
床用断熱材などの種々の分野で用いられている。ところ
で、屋上断熱材や床用断熱材として用いた場合には、発
泡体は、凹凸を有するコンクリート表面に敷き詰められ
る。さらに、上記のようにして施行された発泡体の上面
には重量物が載置されることが多く、従って、上記のよ
うな用途に用いられる発泡体では、高い圧縮強度と優れ
た凹凸追従性(柔軟性)とを兼ね備えることが求められ
ている。
【0003】しかしながら、発泡体の圧縮強度と凹凸追
従性(柔軟性)を両立させることは容易ではなかった。
例えば、発泡性樹脂ビーズを用いて成形された発泡成形
体は、個々のビーズ表面に無発泡の樹脂薄膜が形成され
ているため、比較的高い圧縮強度を有する。しかしなが
ら、ビーズ発泡成形体は、予備発泡を行った発泡性ビー
ズを型内に充填し、二次発泡・融着させることにより成
形されている。従って、発泡性ビーズ同時の融着力が低
いため、発泡成形体に負荷が加えられた際の柔軟性に乏
しく、ビーズ同士の融着界面においてビーズが剥離した
り破壊するといった問題があった。
【0004】また、ビーズ発泡成形体では、成形体表面
に無発泡の薄膜が形成されており、それによって上記の
ように圧縮強度が高められるが、該薄膜により凹凸に対
する追従性が低下するという問題もあった。
【0005】加えて、ビーズ発泡成形体の製造に際して
は、発泡性ビーズを予備発泡させる第1の工程と、予備
発泡させた発泡性ビーズを型内に充填し、発泡・融着さ
せる第2の工程とを実施しなければならず、すなわち二
段階の工程を実施しなければならないため、生産性が低
いという問題もあった。
【0006】他方、特開平4−151238号公報に
は、圧縮強度を高め得る構造を有する発泡成形体が開示
されている。すなわち、ここでは、繊維強化樹脂層が多
数の樹脂柱を介してつながっており、層間の樹脂柱以外
の部分が発泡層で充填されている発泡成形体が開示され
ている。
【0007】しかしながら、この先行技術に開示の発泡
成形では、樹脂柱が発泡体で構成されていないため熱伝
導率が高く、断熱性が十分でなかった。また、圧縮強度
が高められるものの、圧縮負荷が加えられた後の変形量
が大きく、圧縮永久歪みが大きかった。さらに、無発泡
の樹脂柱を介して繊維強化樹脂層がつながれているた
め、凹凸に対する追従性においても十分なものではなか
った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の発泡体では両立することが困難であった圧縮強度及び
柔軟性(凹凸追従性)の双方において優れている発泡体
及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る発泡体及び
その製造方法は、上記課題を達成するために成されたも
のであり、それぞれ、下記の構成を備えることを特徴と
する。なお、以下において、樹脂発泡シートは、発泡さ
れた後の発泡体としてのシートを、発泡性樹脂や発泡性
樹脂シートは、加熱により発泡される前の材料であるこ
とを意味する。
【0010】すなわち、請求項1に記載の発明は、熱可
塑性樹脂よりなる高発泡体(H)と、前記熱可塑性樹脂
よりなる高発泡体(H)の外表面を被覆しており、かつ
熱可塑性樹脂よりなる低発泡薄膜(L)とを備え、複数
の前記高発泡体(H)が、前記低発泡薄膜(L)を介し
て熱融着されてなる板状発泡体の少なくとも片面に、前
記高発泡体(H)よりも発泡倍率が高い柔軟性発泡樹脂
層が熱融着されていることを特徴とする発泡体である。
【0011】また、請求項2に記載の発明では、上記請
求項1に記載の発泡体において、前記柔軟性発泡樹脂層
が、熱可塑性樹脂よりなる高発泡体(H´)と、前記熱
可塑性樹脂よりなる高発泡体(H´)の外表面を被覆し
ており、かつ熱可塑性樹脂よりなる低発泡薄膜(L´)
とを備え、複数の高発泡体(H´)が、低発泡薄膜(L
´)を介して熱融着されていることを特徴とする。
【0012】また、請求項3に記載の発明に係る発泡体
の製造方法は、上記請求項1に記載の発泡体を製造する
方法であり、発泡剤を含有している発泡性熱可塑性樹脂
ペレット(a)を、樹脂発泡シート(c)の上面に散布
する工程と、散布された発泡性熱可塑性樹脂ペレット
(a)を発泡剤の発泡温度以上の温度に加熱することに
より、発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a)を発泡させて
融着・一体化する工程とを備えることを特徴とする。
【0013】また、請求項4に記載の発明は、上記請求
項3に記載の発明に係る発泡体の製造方法において、前
記発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a)を樹脂発泡シート
(c)の上面に散布した後に、散布された発泡性熱可塑
性樹脂ペレット(a)上に第2の樹脂発泡シート(c
´)を重ねる工程をさらに備え、それによって、板状発
泡体の両面に柔軟性発泡樹脂層を形成することを特徴と
する。
【0014】請求項5に記載の発明は、発泡剤を含有し
ている発泡性熱可塑性樹脂ペレット(b)を加熱し、発
泡させた際に、柔軟性発泡樹脂層が形成されるように該
発泡性熱可塑性樹脂ペレット(b)を散布する工程と、
散布された前記発泡性熱可塑性樹脂ペレット(b)上
に、発泡剤を含有している別の発泡性熱可塑性樹脂ペレ
ット(a)を加熱して発泡させた際に板状発泡体が形成
されるように、該発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a)を
散布する工程と、前記発泡性熱可塑性樹脂ペレット
(a)及び(b)に含有されている両発泡剤の発泡温度
以上の温度に加熱することにより、発泡性熱可塑性樹脂
ペレット(a)及び(b)を発泡させて融着・一体化す
る工程とを備える発泡体の製造方法であり、それによっ
て上記請求項2に記載の発明に係る発泡体を提供するこ
とができる。
【0015】請求項6に係る発泡体の製造方法は、発泡
剤を含有している発泡性熱可塑性樹脂ペレット(b)を
加熱して発泡させた際に、柔軟性発泡樹脂層が形成され
るように、該熱可塑性発泡性樹脂ペレット(b)を散布
する工程と、散布された発泡性熱可塑性樹脂ペレット
(b)上に、発泡剤を含有している発泡性熱可塑性樹脂
ペレット(a)を加熱により発泡させた際に板状発泡体
が形成されるように該発泡性熱可塑性樹脂ペレット
(a)を散布する工程と、発泡剤を含有している発泡性
熱可塑性樹脂ペレット(b´)を、加熱して発泡させた
際に、第2の柔軟性発泡樹脂層が形成されるように、該
発泡性熱可塑性樹脂ペレット(b´)を散布する工程
と、前記発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a)、(b)及
び(b´)に含有されている各発泡剤の発泡温度以上の
温度に加熱することにより、発泡性熱可塑性樹脂ペレッ
ト(a)、(b)及び(b´)を発泡させて融着・一体
化する工程とを備える発泡体の製造方法であり、それに
よって板状発泡体の両面に柔軟性発泡樹脂層を有する上
記請求項2に記載の発泡体を提供することができる。
【0016】また、請求項7に記載の発明は、発泡剤を
含有している発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a)を散布
する工程と、前記発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a)
を、前記発泡剤の発泡温度以上の温度に加熱することに
より、発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a)を発泡させて
融着・一体化し、板状発泡体を形成する工程と、前記板
状発泡体の少なくとも片面に柔軟性発泡樹脂層を形成す
るための樹脂発泡シートを積層する工程とを備えること
を特徴とする発泡体の製造方法であり、それによって請
求項1に記載の発明に係る発泡体を提供することができ
る。
【0017】以下、請求項1,2に記載の発明に係る発
泡体及び請求項3〜7に記載の発明に係る発泡体の製造
方法の詳細を説明する。高発泡体(H)及び低発泡薄膜(L)を構成する熱可塑
性樹脂 請求項1,2に記載の発明に係る発泡体において、上記
高発泡体(H)及び低発泡薄膜(L)を構成する熱可塑
性樹脂としては、発泡可能な熱可塑性樹脂であれば特に
限定されない。用い得る熱可塑性樹脂としては、例え
ば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン(以下「ポリエチレン」は、低密度
ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリ
エチレンまたはこれらの混合物を含むものとする。)、
ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、ブロッ
ク状ポリプロピレン(以下、「ポリプロピレン」は、上
記ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、極僅
か、すなわち通常5重量%以下のエチレンとのブロック
共重合体状ポリプロピレン、またはこれらの混合物を含
むものとする。)などのオレフィン系樹脂、ポリエチレ
ンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリ塩化ビ
ニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、ポリスチレ
ン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフッ化ビニリ
デン、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポ
リエーテルエーテルケトン、及びこれらの共重合体を挙
げることができ、これらの熱可塑性樹脂は、高発泡体及
び低発泡薄膜のそれぞれを構成するに際し、単独で用い
られてもよく、あるいは2種以上が混合されて用いられ
てもよい。
【0018】上記熱可塑性樹脂の中でも、得られる発泡
体の柔軟性を高めるには、ポリエチレン、ポリプロピレ
ンなどのオレフィン系樹脂、またはこれらの混合物が好
ましく、特に、高密度ポリエチレン及びホモポリプロピ
レンの混合物がさらに好ましい。
【0019】なお、低発泡薄膜(L)を構成するための
熱可塑性樹脂と、上記高発泡体(H)を構成するための
熱可塑性樹脂は、同一種類の樹脂であることが必要であ
る。また、上記熱可塑性樹脂は、必要に応じて架橋され
たものであってもよい。架橋された熱可塑性樹脂を用い
た場合には、発泡倍率を高めることができ、従って、得
られる発泡体の軽量化を図ることができ、かつ発泡体の
耐熱性を高めることも可能となる。
【0020】また、上記熱可塑性樹脂としては、好まし
くは、ほとんど相溶性を示さない高架橋樹脂組成(X)
と低架橋もしくは無架橋樹脂組成(Y)の混合物が用い
られる。この場合には、発泡時に上記低架橋もしくは無
架橋樹脂組成(Y)が十分に流動することができ、それ
によって低発泡薄膜(L)を介した高発泡体(H)同士
の熱融着性が高くなり、強度が高められかつ板状発泡体
の表面平滑性も高められる。
【0021】なお、上記高架橋樹脂組成(X)及び低架
橋もしくは無架橋樹脂組成(Y)における、高架橋及び
低架橋は双方の架橋度の大小により決定される相対的な
ものであり、これらの架橋樹脂組成のうち、高架橋の樹
脂組成を高架橋樹脂組成(X)、他方を低架橋または無
架橋樹脂組成(Y)というものとする。
【0022】上記高架橋樹脂組成(X)は、樹脂成分
(X´)を主成分とする樹脂組成であり、他方、低架橋
もしくは無架橋樹脂組成(Y)は、樹脂成分(Y´)を
主成分とする樹脂組成である。従って、ほとんど相溶性
を有さない、高架橋樹脂組成(X)と、低架橋もしくは
無架橋樹脂組成(Y)の混合物を、上記板状発泡体を構
成する熱可塑性樹脂として用いる場合には、その主成分
である樹脂成分(X´)と樹脂成分(Y´)とがほとん
ど相溶性を示さないことが必要となる。
【0023】上述したほとんど相溶性を有さない2種類
の樹脂成分(X´)(Y´)に使用される熱可塑性樹脂
としては、前述した熱可塑性樹脂の中から適宜の熱可塑
性樹脂を用いることができるが、樹脂成分X´と樹脂成
分Y´とが均一微細に分散し合っている混合相を形成す
るには、2種類の熱可塑性樹脂の溶解性パラメーターの
差が0.1〜2.0の範囲であることが好ましく、0.
2〜1.5の範囲にあることがより好ましい。
【0024】上記溶解性パラメーターの差が2.0を超
えると、樹脂成分(X´)と樹脂成分(Y´)とが非常
に粗く分散し合うため、板状発泡体における発泡倍率が
低下する。他方、溶解性パラメーターの差が小さすぎる
場合には、2種類の熱可塑性樹脂の相溶性が高くなり、
単一相に近くなり樹脂成分(X´)と樹脂成分(Y´)
との混合相を形成することができなくなる。
【0025】なお、上記溶解性パラメーターは、
【0026】
【数1】
【0027】により求められた値であり、式中、ρは、
樹脂成分の密度を、Mは、樹脂成分を構成するモノマー
の分子量、Fiは、モノマー構成グループのモル吸引定
数である。
【0028】上記2種類の熱可塑性樹脂のメルトインデ
ックス(MI)の差が大きすぎると、樹脂成分(X´)
と樹脂成分(Y´)とが非常に粗く分散するため、板状
発泡体の発泡倍率が低下しがちとなる。また、2種類の
熱可塑性樹脂のMIの差が小さすぎると、2種類の樹脂
の相溶性が高くなり、樹脂成分(X´)と樹脂成分(Y
´)との混合相を形成することができなくなる。
【0029】従って、上記樹脂成分(X´)と樹脂成分
(Y´)を構成している2種類の熱可塑性樹脂のMIの
差は、3〜15g/10分の範囲が好ましく、2種類の
樹脂の粒径が細かくかつ均一な混合相を実現することが
でき、さらに高発泡倍率に発泡し得る点からは、5〜1
3g/10分がより好ましく、7〜11g/10分がさ
らに好ましい。
【0030】なお、本明細書におけるメルトインディッ
クス(MI)は、JIS K7210に従って測定され
た値をいうものとする。上記2種類の熱可塑性樹脂の混
合比率としては、樹脂成分(X´)と樹脂成分(Y´)
とが均一に分散し、かつ表面平滑性に優れた発泡体を得
ることを可能とするためには、樹脂成分(X´)と樹脂
成分(Y´)とを、重量比で2:8〜8:2の範囲で混
合することが望ましく、4:6〜6:4がより好まし
く、5:5がさらに好ましい。
【0031】ほとんど相溶性を有さない高架橋樹脂組成
(X)と低架橋もしくは無架橋樹脂組成(Y)の混合物
を調製する方法としては、上記2種類の熱可塑性樹脂を
混合し、一方の樹脂成分(X´)のみに、または樹脂成
分(Y´)より樹脂成分(X´)に優先的に架橋する方
法、放射線を用いて架橋する方法、過酸化物を用いた架
橋方法などを用いることができる。
【0032】一方の樹脂成分(X´)のみに、または樹
脂成分(Y´)より樹脂成分(X´)に優先的に架橋す
る方法としては、例えば一方の樹脂成分(X´)にの
み、または他方の樹脂成分(Y´)よりも樹脂成分(X
´)に優先的に架橋する架橋剤を用いて架橋する方法、
第1段階で、架橋性官能基を有する樹脂成分(X´)
と同種の架橋性樹脂成分(Z)を、該樹脂成分(X´)
と混合し、架橋し、高架橋樹脂組成(X)を形成した
後、第2段階において、樹脂成分(Y´)を混合する方
法などを挙げることができる。
【0033】もっとも、粒径が細かくかつ均一な樹脂成
分(X´),(Y´)を形成すること、樹脂成分(X
´)を優先的に架橋し得ること、並びに発泡体を構成す
る樹脂を容易に形成し得ることなどの観点から、樹脂
成分(X´)とほとんど同じメルトインデックスを有
し、架橋性官能基を有し、かつ樹脂成分(X´)と同種
の架橋性樹脂成分(Z)を、樹脂成分(X´)及び(Y
´)に混合した後、架橋させる方法が最も好ましい。
【0034】樹脂成分(X´)とほとんど同じメルトイ
ンデックスを有し、かつ架橋性官能基を有し、さらに、
樹脂成分(X´)と同種の架橋性樹脂(Z)としては、
反応性官能基を有し、かつ上記熱可塑性樹脂を架橋し得
る樹脂であれば特に限定されず、このような架橋性樹脂
(Z)としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロピ
レン基などの不飽和基、水酸基、カルボキシル基、エポ
キシ基、アミノ基、シラノール基、シラネート基などを
有する上記した熱可塑性樹脂を挙げることができる。
【0035】架橋性樹脂(Z)の具体的な例としては、
マレイン酸変性ポリエチレン、マレイン酸変性ポリプロ
ピレン、シラン変性ポリエチレン、シラン変性ポリプロ
ピレンなどを挙げることができる。
【0036】上記樹脂成分(X´)のみに、または樹脂
成分(Y´)よりも樹脂成分(X´)に優先的に架橋す
ることが容易であること、混合後の架橋が容易であるこ
となどから、架橋性樹脂(Z)としては、シラン変性ポ
リエチレンやシラン変性ポリプロピレンが好ましい。
【0037】樹脂成分(X´)と架橋性樹脂(Z)との
メルトインデックスの差が大きすぎると、樹脂成分(X
´)のみに、または樹脂成分(Y´)よりも樹脂成分
(X´)に優先的に架橋することが困難となるため、上
記メルトインデックスの差は2g/10分以下であるこ
とが好ましく、1g/10分以下であることがさらに好
ましい。
【0038】上記架橋性樹脂(Z)を用いて架橋する方
法としては、架橋性樹脂(Z)が不飽和基を有する場合
には、水酸基、カルボキシル基またはイソシアネートを
用いて架橋する方法、エポキシ基を有する場合にはアミ
ンを用いて架橋する方法、シラノール基またはチタネー
ト基を有する場合には、反応性官能基を加水分解した
後、水架橋する方法などを挙げることができるが、混合
後の架橋が容易なことから、中でも、反応性官能基を加
水分解した後に水架橋する方法が最も好ましい。
【0039】なお、本発明においては、高架橋樹脂組成
(X)の架橋度が高いと、架橋がかかりすぎ、得られる
発泡体の発泡倍率が低下し、低すぎると発泡時にセルが
破泡し、均一なセルを得ることができない。従って、高
架橋樹脂組成(X)における架橋度の指標となるゲル分
率は5〜40重量%が好ましく、10〜30重量%であ
ることがより好ましい。
【0040】低架橋または無架橋樹脂組成(Y)におい
ては、該低架橋樹脂組成(Y)の架橋度が高いと架橋が
かかりすぎ、得られる発泡体の流動性が低下し、シート
状に成形し難くなり、かつ発泡体の表面平滑性が低下す
るので、上記架橋度の指標となるゲル分率は5重量%以
下が好ましく、3重量%以下がより好ましい。
【0041】なお、本明細書における上記ゲル分率とは
架橋樹脂成分を120℃のキシレン中に24時間浸漬後
の残渣重量のキシレン浸漬前の架橋樹脂成分の重量に対
する重量百分率をいうものとする。
【0042】上記板状発泡体に用いられる熱可塑性樹脂
には、発泡体の強度、弾性などを高めるために、必要に
応じて、ガラス短繊維、炭素短繊維、ポリエステル短繊
維などの補強材;炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム
またはガラスパウダーなどの充填剤などを添加してもよ
い。
【0043】補強材として、上記各種短繊維を添加する
場合には、短繊維の添加量が多すぎると、発泡に際して
セルが破壊し、高発泡倍率を得ることができず、短繊維
の添加量が少なすぎると、板状発泡体を補強する効果が
十分に得られなくなる。従って、補強材として短繊維を
添加する場合の添加量は、上記板状発泡体を構成する熱
可塑性樹脂100重量部に対し、1〜30重量部の範囲
であることが好ましく、3〜10重量の範囲であること
が特に好ましい。
【0044】また、短繊維の長さが長いと、板状発泡体
の軽量化を図ることが困難となり、短すぎると、板状発
泡体の強度を補強する効果が十分に得られなくなる。従
って、短繊維の長さとしては、1〜20mmの範囲が好
ましく、3〜5mmの範囲が特に好ましい。
【0045】また、上記充填剤を添加する場合に、充填
剤の添加量が多すぎると、板状発泡体の軽量化を図るこ
とが困難となり、少なすぎると、板状発泡体の強度を補
強する効果が十分に得られなくなる。従って、充填剤
は、板状発泡体を構成する熱可塑性樹脂100重量部に
対し、10〜100重量部の範囲が好ましく、30〜5
0重量部の範囲が特に好ましい。
【0046】また、上記低発泡薄膜(L)の発泡倍率が
低いと、板状発泡体、ひいては本発明の発泡体の柔軟性
が低下し、かつ熱伝導率も高くなる。また、低発泡薄膜
(L)の発泡倍率が高すぎると、高圧縮強度を有する本
発明の発泡体を得ることが困難となる。従って、低発泡
薄膜(L)の発泡倍率は1.1〜10倍が好ましく、
1.2〜7倍がさらに好ましく、1.2〜5倍が特に好
ましい。
【0047】低発泡薄膜(L)の厚みが厚すぎると、板
状発泡体の軽量化を図ることが困難となり、また薄すぎ
ると、高圧縮強度を有する本発明の発泡体を得ることが
困難となる。従って、低発泡薄膜(L)の厚みは、30
〜500μmが好ましく、40〜400μmがさらに好
ましく、50〜400μmが特に好ましい。
【0048】また、低発泡薄膜(L)の厚みは均一であ
る必要は必ずしもなく、不均一であってもよい。なお、
本明細書において低発泡薄膜(L)の厚みとは、本発明
に係る発泡体において、板状発泡体の厚み方向に沿う低
発泡薄膜(L)の平均寸法をいうものとする。
【0049】請求項1,2に記載の発明に係る発泡体に
おける、上記低発泡薄膜(L)の発泡倍率と厚みとの好
ましい組み合わせを説明する。すなわち、上記板状発泡
体中の低発泡薄膜(L)の発泡倍率が1.1〜10倍、
厚みが30〜500μmのときに、軽量化と圧縮強度と
を両立することが容易となり、好ましくは、低発泡薄膜
の発泡倍率が1.2倍〜7倍、厚みが40〜400μm
のときがさらに好ましく、発泡倍率が1.2〜5倍、厚
みが50〜400μmのときが特に好ましい。
【0050】高発泡体(H)の発泡倍率が低いと、発泡
体の熱伝導率が増大し、得られる請求項1,2に記載の
発明に係る発泡体の断熱性が低下し、高すぎると、高圧
縮強度を有する発泡体が得られなくなる。従って、上記
高発泡体(H)の発泡倍率は2〜100倍が好ましく、
5〜50倍がさらに好ましく、10〜35倍が特に好ま
しい。
【0051】また、高発泡体(H)の大きさが大きすぎ
ると、上記板状発泡体の曲げ強度が低下し、小さすぎる
と得られる発泡体の表面平滑性が低下する。従って、高
発泡体(H)の大きさは、5〜100mmが好ましく、
7〜50mmが特に好ましい。
【0052】なお、高発泡体(H)の大きさは均一であ
る必要は必ずしもなく、不均一であってもよい。本明細
書において、上記高発泡体(H)の大きさとは、上記板
状発泡体に柔軟性発泡樹脂層を熱融着してなる本発明の
発泡体における板状発泡体の厚み方向に沿う高発泡体
(H)の寸法の最大値をいうものとする。
【0053】請求項1,2に記載の発明に係る発泡体
は、上記板状発泡体に柔軟性発泡樹脂層を熱融着した構
成を有するが、該板状発泡体は、高発泡体(H)が低発
泡薄膜(L)を介して熱融着した構造を有し、その形態
は板状、すなわち通常シート状である。
【0054】上記板状発泡体は、低発泡薄膜(L)で外
表面を被覆された高発泡体(H)が該低発泡薄膜(L)
を介して接合された構造を有し、その接合方法は上記の
ように熱融着により行われている。
【0055】請求項1,2に記載の発明に係る発泡体に
おいて、上記板状発泡体は、低発泡薄膜(L)で外表面
を被覆された高発泡体(H)が低発泡薄膜(L)を介し
て接合されている構造を有するが、上記高発泡体(H)
は、厚さ方向(一次元的)にほぼ単一の層を構成してお
り、長さ方向及び幅方向(二次元的)に低発泡薄膜
(L)を介して熱融着されている構造を有する場合に
は、得られる板状発泡体の厚み方向において、上記熱可
塑性樹脂よりなる低発泡薄膜(L)が延びている、いわ
ゆる疑似トラス構造を構成することになるため、上記板
状発泡体の厚み方向に沿う圧縮強度をさらに高めること
ができ、かつ板状発泡体の柔軟性も高められるため好ま
しい。
【0056】柔軟性発泡樹脂層 請求項1,2に記載の発明において、上記柔軟性発泡樹
脂層を構成する樹脂としては、発泡可能であり、かつ板
状発泡体と熱融着可能な樹脂であれば熱可塑性及び熱硬
化性を問わず、特に限定されるものではない。例えば、
熱可塑性樹脂としては、前述した高発泡体(H)及び低
発泡薄膜(L)を構成するのに用い得る熱可塑性樹脂を
単独もしくは2種以上併用して用いることができる。ま
た、熱硬化性樹脂としては、ウレタン樹脂、ポリイソシ
アネート樹脂、フェノール樹脂などを挙げることができ
る。
【0057】もっとも、柔軟性発泡樹脂層は、上記板状
発泡体に熱融着により一体化されるものであるため、該
柔軟性発泡樹脂層を構成する樹脂としては、熱可塑性樹
脂が好ましく、さらに、板状発泡体を構成している樹脂
と同種の樹脂を用いることがより好ましい。特に、得ら
れる柔軟性発泡樹脂層において柔軟性を高めるには、ポ
リエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂や
これらの混合物を用いることが最も好ましい。
【0058】また、上記熱可塑性樹脂は、必要に応じて
架橋されたものであってもよい。架橋された熱可塑性樹
脂を用いた場合には、柔軟性発泡樹脂層の発泡倍率を高
めることができ、従って、最終的に得られる請求項1,
2に記載の発明に係る発泡体の軽量化及び柔軟性の向上
を図ることができ、加えて最終的に得られる発泡体の耐
熱性をも高め得る。
【0059】柔軟性発泡樹脂層の発泡倍率は、請求項
1,2に記載の発明に係る発泡体に柔軟性を付与するも
のであるため、板状発泡体の発泡倍率よりも高くする必
要があり、板状発泡体と柔軟性発泡樹脂層との発泡倍率
の差は5倍以上が好ましく、10倍以上がさらに好まし
い。
【0060】柔軟性発泡樹脂層の厚みが大きすぎると、
本発明の発泡体が厚み方向に荷重を受けた際の圧縮変形
が大きくなりすぎ、厚みが小さすぎると、本発明に係る
発泡体の凹凸追従性が十分でなくなる。従って、柔軟性
発泡樹脂層の厚みは、1〜50mmが好ましく、2〜2
0mmの範囲内であることがより好ましい。
【0061】また、好ましくは、請求項2に記載の発明
のように、上記柔軟性発泡樹脂層は、熱可塑性樹脂より
なる高発泡体(H´)と、熱可塑性樹脂よりなる高発泡
体(H´)の外表面を被覆している熱可塑性樹脂よりな
る低発泡薄膜(L´)を備え、複数の高発泡体(H´)
が上記低発泡薄膜(L´)を介して熱融着された構造を
有する。この場合には、柔軟性発泡樹脂層の低発泡薄膜
(L´)が請求項1,2に記載の発明における発泡体の
厚み方向に沿う圧縮強度を高めるように作用し、高発泡
体(H´)が柔軟性を付与するように機能するため、請
求項1,2に記載の発明に係る発泡体において、柔軟性
と高圧縮強度とを両立する上で、より好ましい。
【0062】上記低発泡薄膜(L´)の発泡倍率が低す
ぎると、最終的に得られる発泡体の柔軟性が低下し、熱
伝導率も高くなり、逆に、低発泡薄膜(L´)の発泡倍
率が高すぎると、高圧縮強度を有する発泡体を得ること
ができなくなる。従って、低発泡薄膜(L´)の発泡倍
率は、1.1〜10倍が好ましく、1.2〜7倍がさら
に好ましく、1.2〜5倍が特に好ましい。
【0063】上記低発泡薄膜(L´)の厚みが厚すぎる
と、最終的に得られる発泡体において軽量化を図ること
が困難となり、薄すぎると高圧縮強度を有する発泡体を
得ることができなくなる。従って、低発泡薄膜(L´)
の厚みは30〜50μmが好ましく、40〜400μm
がさらに好ましく、50〜400μmが特に好ましい。
【0064】なお、上記低発泡薄膜(L´)の厚みは、
均一である必要は必ずしもなく、不均一であってもよ
い。本明細書において、上記低発泡薄膜(L´)の厚み
とは、柔軟性発泡樹脂層の厚み方向に沿う該低発泡薄膜
(L´)の平均寸法をいうものとする。
【0065】次に、発泡体の軽量化及び圧縮強度を向上
を両立する上で、上記低発泡薄膜(L´)の発泡倍率と
厚みとの好ましい組み合わせにつき説明する。すなわ
ち、低発泡薄膜(L´)の発泡倍率が1.1〜10倍、
厚みが30〜500μmのとき、発泡体の軽量化と圧縮
強度の向上を両立する上で好ましく、より好ましくは、
発泡倍率が1.2〜7倍、厚みが40〜400μm、特
に好ましくは発泡倍率が1.2〜5倍、厚みが50〜4
00μmの組み合わせが用いられる。
【0066】上記柔軟性発泡樹脂層における高発泡体
(H´)の発泡倍率が低すぎると、最終的に得られる発
泡体の熱伝導率が増大し、得られる発泡体の断熱性が低
下し、逆に、高発泡体(H´)の発泡倍率が高すぎる
と、高圧縮強度を有する発泡体を得ることができなくな
る。従って、上記高発泡体(H´)の発泡倍率が5〜1
00倍が好ましく、10〜50倍がさらに好ましく、1
5〜35倍が特に好ましい。
【0067】また、高発泡体(H´)の大きさが大きす
ぎると、得られる発泡体の曲げ強度が低下し、小さすぎ
ると得られる発泡体の表面平滑性が低下する。従って、
高発泡体(H´)の大きさは、5〜100mmの範囲内
であることが好ましく、7〜50mmの範囲内であるこ
とが特に好ましい。
【0068】なお、上記高発泡体(H´)の大きさは均
一である必要はなく、不均一であってもよい。また、本
明細書において、上記高発泡体(H´)の大きさとは、
柔軟性発泡樹脂層の厚み方向に沿う高発泡体(H´)の
最大寸法をいうものとする。また、上記柔軟性発泡樹脂
層は、低発泡薄膜(L´)を介して高発泡体(H´)が
熱融着した構造を有するが、その形態は、通常はシート
状である。
【0069】本発明の発泡体の製造方法 上記請求項1,2に記載の発明に係る発泡体の製造方法
は特に限定されるものではない。もっとも、好ましく
は、上述した請求項3〜7に記載の各製造方法を好適に
用いることができる。以下、請求項3〜7に記載の発泡
体の製造方法の詳細を説明する。
【0070】請求項3〜7に記載の発明に係る発泡体の
製造方法では、上記のように、発泡性熱可塑性樹脂ペレ
ット(a),(b)及び(b´)が適宜用いられるが、
これらの発泡性熱可塑性樹脂ペレットは、熱可塑性樹脂
と、熱分解型発泡剤とを含む発泡性樹脂組成物からな
る。
【0071】上記発泡性樹脂組成物に用いられる熱可塑
性樹脂としては、前述した高発泡体(H)や低発泡薄膜
(L)を構成するのに用いられる適宜の熱可塑性樹脂を
用いることができる。なお、得られる発泡体の柔軟性を
高める上では、中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン
などのオレフィン系樹脂またはこれらの混合物が好まし
く、高密度ポリエチレンとホモポリプロピレンの混合物
を用いることが特に好ましい。
【0072】上記熱可塑性樹脂は、前述したように、必
要に応じて架橋されたものであってもよく、架橋された
熱可塑性樹脂を用いることにより、発泡倍率を高めるこ
とができ、得られる発泡体の軽量化を図ることができ、
かつ耐熱性も高め得る。
【0073】上記架橋方法としては、特に限定されるも
のではなく、前述したように、例えば、シラングラフ
ト重合体を熱可塑性樹脂に溶融混練後、水処理を行い、
架橋する方法、放射線を照射して架橋する方法、過
酸化物を熱可塑性樹脂に過酸化物の分解温度よりも低い
温度で溶融混練後、該過酸化物の分解温度以上に加熱し
て架橋する方法などを挙げることができる。
【0074】上記シラングラフト重合体は、特に限定さ
れず、例えば、シラングラフトポリエチレン、シラング
ラフトポリプロピレン等が挙げられる。ここで、シラン
グラフト重合体とは、重合体を不飽和シラン化合物でグ
ラフト変性したものをいう。
【0075】上記シラン変性に用いられる不飽和シラン
化合物は、一般に、
【0076】
【化1】
【0077】で表されるものである。なお、上記、式
(1)において、Rはビニル基、アリル基、プロペニル
基、シクロヘキセニル基などのアルケニル基;グリシジ
ル基;アミノ基;メタクリル基;γ−クロロエチル基、
γ−ブロモエチル基などのハロゲン化アルキル基などの
有機官能基、R´は、メチル基、エチル基、プロピル
基、デシル基などの脂肪族飽和炭化水素基であり、Y
は、メトキシ基、エトキシ基、ホルミルオキシ基、プロ
ピオノキシアリールアミノ基などの加水分解可能な有機
官能基であり、nは0、1または2である。
【0078】また、架橋反応が速いため、特にCH2
CHSi(OA)3 (ただし、Aは、炭素数1〜8、好
ましくは1〜4の脂肪族飽和炭化水素基)が好ましく、
例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、ビニルトリアセトキシシランなどを挙げるこ
とができる。
【0079】上記シラン変性ポリエチレンやシラン変性
ポリプロピレンのようなシラングラフト重合体の製造方
法としては、一般的な方法を用いることができ、特に限
定されるものではない。例えば、ポリエチレン、RR´
SiY2 (式中、Rは、オレフィン性の不飽和な一価の
炭化水素基、またはハイドロカーボンオキシ基であり、
各Yは、加水分解し得る有機基であり、R´はRまたは
Yである。)で表される不飽和シラン化合物及び有機過
酸化物を反応させ、シラン変性ポリエチレンを得る方法
を挙げることができる。
【0080】シリル基を有するシラングラフト重合体
は、例えば、Yがメトキシ基である場合には、これが水
と接触することにより加水分解して水酸基となり、異な
る分子の水酸基同士が反応し、Si−O−Si結合を形
成し、シラングラフト重合体同士が架橋する。
【0081】シラングラフト重合体を添加する方法は、
均一に添加し得る方法であれば特に限定されない。例え
ば、上記熱可塑性樹脂及びシラングラフト重合体を一軸
または二軸押出機に供給し、溶融混練する方法、ロール
を用いて溶融混練する方法、ニーダーを用いて溶融混練
する方法などを挙げることができる。
【0082】上記水処理する方法は、水中に浸漬する方
法のほか、水蒸気にさらす方法も含むものであり、10
0℃より高い温度で処理する場合には加圧下において行
えば好適である。
【0083】水処理の際の水及び水蒸気の温度が低い
と、架橋反応速度が低下し、高すぎると粒状物同士が融
着する。従って、上記水及び水蒸気の温度は50〜13
0℃の範囲が好ましく、90〜120℃の範囲が特に好
ましい。
【0084】水処理の時間が短いと、架橋反応が完全に
進行しないことがあり、長すぎると粒状物同士が融着す
るため、水処理の時間は5分〜12時間の範囲であるこ
とが好ましい。
【0085】また、上記シラングラフト重合体の添加量
が多すぎると、架橋がかかりすぎ、得られる発泡体の発
泡倍率が低下し、少なすぎるとセルが破泡し均一なセル
が得られなくなる。従って、シラングラフト重合体の添
加量は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、5〜50重
量部が好ましく、20〜35重量部が特に好ましい。
【0086】また、必要に応じて、シラン架橋触媒を添
加してもよい。上記シラン架橋触媒は、シラングラフト
重合体同士の架橋反応を進行させるものであればよく、
例えば、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレ
ート、ジオクチル錫ジラウレート、オクタン酸錫、オレ
イン酸錫、オクタン酸鉛、2−エチルヘキサン亜鉛、オ
クタン酸コバルト、ナフテン酸鉛、カブリル酸亜鉛、ス
テアリン酸亜鉛などを挙げることができる。
【0087】シラン架橋触媒の添加量が多すぎると、得
られる発泡体の発泡倍率が低下し、少なすぎると架橋反
応速度が低下し、水処理に時間を要する。従って、シラ
ン架橋触媒を添加する場合、その添加量は、高度に架橋
するポリオレフィン系樹脂100重量部に対し、0.0
01〜10重量部の範囲が好ましく、0.01〜0.1
重量部が特に好ましい。
【0088】また、上記架橋は放射線を用いて行っても
よい。この場合、放射線の照射量が多すぎると、架橋が
かかりすぎ、得られる発泡体の発泡倍率が低下すること
があり、また、少なすぎると、セルが破泡し、均一なセ
ルが得られない。従って、放射線の照射量は、1〜20
Mradが好ましく、3〜10Mradが特に好まし
い。
【0089】放射線を照射する方法は特に限定されるも
のではなく、例えば、2台の電子線発生装置を用い、そ
の間に樹脂を通過させ、樹脂に電子線を照射する方法な
どを挙げることができる。
【0090】また、上記熱可塑性樹脂の架橋は、過酸化
物による架橋方法で行ってもよく、過酸化物で架橋し得
る樹脂としては、ポリエチレン系樹脂を挙げることがで
き、分解する樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂を挙
げることができる。
【0091】この方法で用いられる過酸化物は特に限定
されるものではなく、例えば、ジブチルパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド、ターシャルブチルクミル
パーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイドなどを
挙げることかでき、ジクミルパーオキサイド、ターシャ
ルブチルクミルパーオキサイドが好ましく、ジクミルパ
ーオキサイドが特に好ましい。
【0092】過酸化物の添加量が多すぎると、過度に架
橋が進行し、得られる発泡体の発泡倍率が低下し、少な
すぎると、樹脂の架橋が不十分となる。従って、過酸化
物の添加量は、樹脂100重量部に対し、0.5〜5重
量部が好ましく、1〜3重量部がさらに好ましい。
【0093】また、上記発泡性熱可塑性樹脂ペレット
(a)に含有する熱分解型発泡剤の添加量が多すぎる
と、破泡し、均一なセルができず、得られる発泡体の圧
縮強度が低下し、少なすぎると発泡しないため、ペレッ
ト(a)に用いられる熱可塑性樹脂100重量部に対
し、熱分解型発泡剤の添加量は2〜20重量部の範囲と
することが好ましい。
【0094】同様に、発泡性熱可塑性樹脂ペレット
(b)及び(b´)に含有される熱分解型発泡剤の添加
量についても、多すぎると破泡し、均一なセルができ
ず、少なすぎると、発泡倍率が低下し、柔軟性が低下す
るため、各ペレット(b)及び(b´)を構成する熱可
塑性樹脂100重量部に対し、熱分解型発泡剤の添加量
を3〜30重量部の範囲とすることが好ましい。
【0095】上記発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a),
(b)及び(b´)の製造方法についても特に限定され
るものではなく、例えば、発泡性熱可塑性樹脂ペレッ
トを構成するための熱可塑性樹脂と、熱分解型発泡剤な
どを押出機に供給し、熱分解型発泡剤の分解温度よりも
低い温度で溶融混練した後、シート状に押出し、冷却
し、切断することによりペレットを製造する方法、ある
いは熱可塑性樹脂と、熱分解型発泡剤などのを押出機
に供給し、熱分解型発泡剤の分解温度よりも低い温度で
溶融混練した後、ストランド状に押出し、冷却し、切断
することによりペレットを製造する方法などを挙げるこ
とができる。
【0096】発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a),
(b)及び(b´)の形状は、特に限定されず、例え
ば、六方体、円柱、球状体等が挙げられるが、発泡性熱
可塑性樹脂ペレットを散布する際に、転がらないことか
ら六方体が最も好ましい。
【0097】発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a),
(b)及び(b´)は、得られる発泡体の発泡倍率が部
分的に不均一となるので略均一に散布されることが好ま
しい。発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a),(b)及び
(b´)を加熱する方法としては、発泡性熱可塑性樹脂
ペレットを構成する熱分解型発泡剤の分解温度以上に加
熱できれば特に限定されず、例えば、電気ヒーター、遠
赤外線ヒーター、加熱された油や空気等の加熱媒体を循
環させた加熱装置等を用いて加熱する方法が挙げられ
る。
【0098】発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a),
(b)及び(b´)を発泡・融着させる方法としては、
特に限定されず、例えば、2枚の板状体の間に、発泡
性熱可塑性樹脂ペレットを散布し、板状体の間隔を一定
に保持しつつ、発泡させる方法、発泡性熱可塑性樹脂
ペレットを散布し、2枚の板状体の間に挟み込んだ後、
板状体の間隔をある長さになるまで増加させながら発泡
させる方法、発泡性熱可塑性樹脂ペレットを散布し、
2枚の板状体の間に挟み込んだ後、発泡性熱可塑性樹脂
粒状体が発泡する際の発泡圧を利用して板状体の間隔を
ある長さになるまで増加させる方法等が挙げられる。
【0099】柔軟性発泡樹脂層を構成する樹脂は、板状
発泡体と熱融着により一体化させる必要性から熱可塑性
樹脂が好ましく、板状発泡体を構成する材料と同種の材
料がさらに好ましい。特に、得られる柔軟性発泡樹脂層
が高い柔軟性を有することから、ポリエチレン、ポリプ
ロピレンなどのオレフィン系樹脂、またはこれらの混合
物が最も好ましく用いられる。
【0100】また、請求項3〜7に記載の発明におい
て、樹脂発泡シート(c)及び(c´)を構成する樹脂
としては、発泡可能であり、かつ板状発泡体と熱融着可
能な樹脂であれば特に限定されない。このような樹脂と
しては、前述した請求項1,2に記載の発明に係る柔軟
性発泡樹脂層を構成するのに用いられる樹脂を同様に用
いることができる。
【0101】従って、樹脂発泡シート(c)及び(c
´)を構成する樹脂としては、熱可塑性樹脂を用いるこ
とが好ましく、板状発泡体を構成する材料と同種の材料
がさらに好ましく、特に、ポリエチレン、ポリプロピレ
ンなどのオレフィン系樹脂またはこれらの混合物が柔軟
性を効果的に高め得るために好ましい。
【0102】樹脂発泡シート(c)及び(c´)を構成
する熱可塑性樹脂についても、必要に応じて架橋された
ものであってもよい。架橋された熱可塑性樹脂を用いた
場合には、発泡倍率を高めることができ、従って得られ
る発泡体の軽量化及び柔軟性の向上を図ることができ、
かつ発泡体の耐熱性をも高め得る。
【0103】また、上記樹脂発泡シート(c)及び(c
´)の発泡倍率は、上記柔軟性発泡樹脂層を構成するも
のであるため、柔軟性を付与するように作用させるため
には、板状発泡体の発泡倍率よりも高くする必要があ
り、樹脂発泡シート(c)及び(c´)の発泡倍率と、
板状発泡体の発泡倍率との発泡倍率の差は5倍以上、よ
り好ましくは10倍以上であることが好ましい。
【0104】また、上記樹脂発泡シート(c)及び(c
´)の厚みが厚すぎると、発泡体が荷重を受けた際の圧
縮変形が大きくなりすぎ、厚みが小さくと、凹凸追従性
が十分に発揮され得ない。従って、上記樹脂発泡シート
(c)及び(c´)の厚みは、1〜50mmが好まし
く、2〜20mmの範囲にあることがさらに好ましい。
【0105】作用 請求項1,2に記載の発明に係る発泡体では、熱可塑性
樹脂よりなる高発泡体(H)と、該高発泡体(H)の外
表面を被覆しており、熱可塑性樹脂よりなる低発泡薄膜
(L)とを備え、複数の高発泡体(H)が低発泡薄膜
(L)を介して熱融着されてなる板状発泡体の少なくと
も片面に、上記高発泡体(H)よりも発泡倍率の高い柔
軟性発泡樹脂層が熱融着されているため、上記低発泡薄
膜(L)により圧縮強度が効果的に高められ、他方、上
記高発泡体(H)が十分な柔軟性を付与する。また、低
発泡薄膜(L)についても、低発泡であるが発泡してい
るため、全体として高い断熱性能を発揮し得る。
【0106】また、低発泡薄膜(L)により外表面を被
覆された高発泡体(H)は、発泡に際しての発泡圧力に
より、低発泡薄膜(L)を介して相互に強固に熱融着・
一体化されており、従って、該熱融着界面における剥離
・破壊が生じ難い。よって、板状発泡体は、曲げ強度に
おいても優れており、従って、高い圧縮強度と、柔軟性
との双方が両立され得る。
【0107】加えて、板状発泡体の少なくとも片面に熱
融着された柔軟性発泡樹脂層では、高発泡体(H)より
も発泡倍率が高くされているため、該柔軟性発泡樹脂層
は十分な柔軟性を有するので、高い凹凸追従性(柔軟
性)を示す。
【0108】また、請求項2に記載のように、柔軟性発
泡樹脂層を、高発泡体(H´)と、高発泡体の外表面を
被覆している低発泡薄膜(L´)とを有し、高発泡体
(H´)が低発泡薄膜(L´)を介して熱融着されてい
るように構成した場合には、柔軟性発泡樹脂層におい
て、高発泡体(H´)が柔軟性を付与し、さらに低発泡
薄膜(L´)が圧縮強度を高め得るように作用するた
め、圧縮強度と凹凸追従性がより高い次元において両立
されることになる。
【0109】また、請求項3に記載の発明に係る発泡体
の製造方法では、上記柔軟性発泡樹脂層を構成するため
の樹脂発泡シート(c)の上面に、発泡性熱可塑性樹脂
ペレット(a)を散布し、加熱により発泡させて融着・
一体化するという非常に簡単な工程により、請求項1に
記載の発明に係る発泡体を効率よく生産することができ
る。
【0110】また、請求項4に記載の発明に係る製造方
法では、上記請求項3に記載の発明に係る製造方法にお
いて、散布された発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a)上
に、さらに、第2の樹脂発泡シート(c´)が重ねら
れ、それによって比較的簡単な方法により、柔軟性発泡
樹脂層が両面に形成された発泡体を容易に得ることがで
きる。
【0111】また、請求項5に記載の発明に係る製造方
法では、柔軟性発泡樹脂層を構成するための発泡性熱可
塑性樹脂ペレット(b)を散布し、その上に板状発泡体
を構成するための発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a)を
散布し、しかる後加熱することにより発泡させ、融着・
一体化するという簡単な工程により、やはり請求項1,
2に記載の発明に係る発泡体を容易に製造することがで
きる。
【0112】また、請求項6に記載の発明の製造方法で
は、上記熱可塑性樹脂ペレット(b)を散布し、熱可塑
性樹脂ペレット(b)上に発泡性熱可塑性樹脂ペレット
(a)を散布した後に、さらに、第2の柔軟性発泡樹脂
層を構成するための発泡性熱可塑性樹脂ペレット(b
´)を散布し、加熱し、発泡させて融着・一体化すると
いう簡単な工程により、柔軟性発泡樹脂層が両面に形成
された発泡体を容易に得ることができる。
【0113】さらに、請求項7に記載の発明の製造方法
では、板状発泡体を構成するための発泡性熱可塑性樹脂
ペレット(a)を散布し、加熱により発泡させて板状発
泡体を形成した後に、該板状発泡体の少なくとも片面に
柔軟性発泡樹脂層としての樹脂発泡シートを積層するこ
とにより、請求項1に記載の発明に係る発泡体を容易に
得ることができる。
【0114】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を説明する
ことにより、本発明を明らかにする。
【0115】発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a)、発泡
性熱可塑性樹脂ペレット(b)、第1の樹脂発泡シート
(c)、第2の樹脂発泡シート(c´)、第3の樹脂発
泡シート(d)を以下の要領で作製した。
【0116】(1)発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a)
の調製 高密度ポリエチレン(三菱化学社製、商品名:EY4
0H、メルトインデックス(以下、MIと略す)=1.
5g/10分)50重量部と、ポリプロピレン(三菱
化学社製、商品名:MA3、MI=11g/10分)5
0重量部と、架橋性シラン変性ポリプロピレン(三菱
化学社製、商品名:XPM800H、MI=11g/1
0分、架橋後のゲル分率60重量%)20重量部と、架
橋触媒としてのジブチル錫ラウレート0.1重量部と、
熱分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド(大塚化学
社製、商品名:SO−20、分解温度210℃)5重量
部とを含有する組成物を、直径30mmの2軸押出機に
供給し、180℃の温度で溶融混練した。溶融混練され
た組成物を厚さ1mm及び幅300mmのシート状に押
出した後、冷却し、幅5mm×長さ5mmの寸法に切断
し、98℃の水中に2時間浸漬した後乾燥し、発泡性熱
可塑性樹脂ペレット(a)(発泡倍率10倍用)を得
た。
【0117】(2)発泡性熱可塑性樹脂ペレット(b)
の調製 高密度ポリエチレン(三菱化学社製、商品名:EY4
0H、MI=1.5g/10分)50重量部と、ポリ
プロピレン(三菱化学社製、商品名:MA3、MI=1
1g/10分)50重量部と、架橋性シラン変性ポリ
プロピレン(三菱化学社製、商品名:XPM800H、
MI=11g/10分、架橋後のゲル分率60重量%)
20重量部と、架橋触媒としてジブチル錫ラウレート
0.1重量部と、熱分解型発泡剤としてアゾジカルボン
アミド(大塚化学社製、商品名:SO−20、分解温度
210℃)10重量部とを含有する組成物を、直径30
mmの2軸押出機に供給し、180℃の温度で溶融混練
した。しかる後、混練物を、厚さ1mm及び幅300m
mの寸法のシート状に押出した後、冷却し、幅5mm×
長さ5mmの寸法に切断し、98℃の水中に2時間浸漬
した後、乾燥し、発泡性熱可塑性樹脂ペレット(b)
(発泡倍率20倍用)を得た。
【0118】(3)樹脂発泡シート(c)の調製 高密度ポリエチレン(三菱化学社製、商品名:EY4
0H、MI=1.5g/10分)50重量部と、ポリ
プロピレン(三菱化学社製、商品名:MA3、MI=1
1g/10分)50重量部と、架橋性シラン変性ポリ
プロピレン(三菱化学社製、商品名:XPM800H、
MI=11g/10分、架橋後のゲル分率60重量%)
20重量部と、架橋触媒としてジブチル錫ラウレート
0.1重量部と、発泡剤としてアゾジカルボンアミド
(大塚化学社製、商品名:SO−20、分解温度210
℃)10重量部とを含有する組成物を、直径30mmの
2軸押出機に供給し、180℃の温度で溶融混練し、厚
さ0.74mm、幅300mmのシート状に押出した
後、冷却し、98℃の水中に2時間浸漬した後、乾燥
し、発泡性樹脂シートを得た。上記発泡性樹脂シートを
210℃のギアオーブン中で10分間加熱し発泡させた
後、空冷し、厚さ2mm、発泡倍率20倍の樹脂発泡シ
ート(c)を得た。
【0119】(4)樹脂発泡シート(d)の調製 発泡剤としてのアゾジカルボンアミドの配合割合を10
重量部から5重量部に変更したことを除いては、上記第
1の発泡性樹脂シートを調製するのに用いたのと同様の
組成物を、直径30mmの2軸押出機に供給し、180
℃で溶融混練し、しかる後、厚さ0.93mm及び幅3
00mmのシート状に押出した後、冷却し、98℃の水
中に2時間浸漬した後乾燥し、発泡性樹脂シートを得
た。上記発泡性樹脂シートを210℃のギアオーブン中
で10分間加熱し、発泡させた後空冷し、厚さ2mm、
発泡倍率10倍の樹脂発泡シート(d)を得た。
【0120】(5)樹脂発泡シート(e)の調製 高密度ポリエチレン(三菱化学社製、商品名:EY4
0H、MI=1.5g/10分)50重量部と、ポリ
プロピレン(三菱化学社製、商品名:MA3、MI=1
1g/10分)50重量部と、架橋性シラン変性ポリ
プロピレン(三菱化学社製、商品名:XPM800H、
MI=11g/10分、架橋後のゲル分率60重量%)
20重量部と、架橋触媒としてジブチル錫ラウレート
0.1重量部と、発泡剤としてのアゾジカルボンアミド
(大塚化学社製、商品名:SO−20、分解温度210
℃)5重量部とを含有する組成物を、直径30mmの2
軸押出機に供給し、180℃で溶融混練した後、厚さ
4.65mm、幅300mmのシート状に押出した後冷
却し、98℃の水中に2時間浸漬した後乾燥し、発泡性
樹脂シートを得た。この発泡性樹脂シートを210℃の
ギアオーブン中で10分間加熱し発泡させた後、空冷
し、厚さ10mm、発泡倍率10倍の樹脂発泡シート
(e)を得た。
【0121】(実施例1)図1に示すように、フッ化エ
チレン樹脂よりなるシート2上に発泡性熱可塑性樹脂ペ
レット1を下記の表1に示した目付け量だけ散布した。
この場合、図1の発泡性熱可塑性樹脂ペレット1として
は、上記発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a)を用いた。
【0122】次に、散布された発泡性熱可塑性樹脂ペレ
ット1上に、さらにフッ化エチレン樹脂よりなるシート
3を積層し、210℃のハンドプレス4,4を用いて1
0分間加熱・発泡させた。次に、図2に示すように、3
0℃の温度に設定されている冷却プレス5,5間に移
し、10分間冷却し、厚さ10mmの板状発泡体6を得
た。図2から明らかなように、板状発泡体6では、高発
泡体(H)が低発泡薄膜(L)で覆われており、かつ低
発泡薄膜(L)を介して融着している。次に、得られた
板状発泡体に、下記の表1に示すように、上記樹脂発泡
シート(c)を片面に160℃の温度でラミネートし、
実施例1の発泡体を得た。
【0123】(実施例2)樹脂発泡シート(c)のラミ
ネートを、上記板状発泡体の両面に行ったことを除いて
は、実施例1と同様にして、実施例2の発泡体を得た。
【0124】(実施例3)フッ化エチレン樹脂よりなる
シート2上に、図3に示すように、上記樹脂発泡シート
(c)を重ね、さらに、上記発泡性熱可塑性樹脂ペレッ
ト(a)を下記の表1に示す目付け量で散布し、該発泡
性熱可塑性樹脂ペレット(a)上に、さらにフッ化エチ
レン樹脂よりなるシート3を重ね、210℃のハンドプ
レスで10分間加熱し、発泡させた後、実施例1と同様
に30℃の冷却プレスに移し、10分間冷却し、発泡体
を得た。
【0125】(実施例4)フッ化エチレン樹脂シート上
に、下記の表1に示すように、樹脂発泡シート(c)を
重ねた上に、上記発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a)
を、下記の表1に示す目付け量で散布し、該発泡性熱可
塑性樹脂ペレット(a)上に、下記の表1に示すよう
に、樹脂発泡シート(c)及びフッ化エチレン樹脂より
なるシートを重ね、210℃のハンドプレスで10分間
加熱し、発泡させた後、30℃の冷却プレスに移し、1
0分間冷却し、発泡体を得た。
【0126】(実施例5)フッ化エチレン樹脂シート上
に、上記発泡性熱可塑性樹脂ペレット(b)を、下記の
表1に示す目付け量で散布した後、発泡性熱可塑性樹脂
ペレット(a)を下記の表1に示した目付け量で散布
し、該発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a)上にフッ化エ
チレン樹脂よりなるシートを重ね、210℃のハンドプ
レスで10分間加熱し、発泡させた後、30℃の冷却プ
レスに移し、10分間冷却し、発泡体を得た。
【0127】(実施例6)フッ化エチレン樹脂シート上
に、上記発泡性熱可塑性樹脂ペレット(b)を下記の表
1に示す目付け量で散布した後、上記発泡性熱可塑性樹
脂ペレット(a)を、表1に示す目付け量で散布し、さ
らに、発泡性熱可塑性樹脂ペレット(b´)を、下記の
表1に示す量で散布し、該発泡性熱可塑性樹脂ペレット
上に第2のフッ化エチレン樹脂よりなるシートを重ね、
210℃のハンドプレスで10分間加熱し発泡させた
後、30℃の冷却プレス4に移し、10分間冷却し、発
泡体を得た。
【0128】(比較例1)前述した発泡倍率10倍及び
厚さ10mmの樹脂発泡シート(e)を比較例1の発泡
体として用意した。
【0129】(比較例2)フッ化エチレン樹脂シート上
に、発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a)を、表1に示し
た目付け量で散布し、散布された発泡性熱可塑性樹脂ペ
レット(a)上にフッ化エチレン樹脂シートを重ね、2
10℃のハンドプレスで10分間加熱し、発泡させた
後、30℃の冷却プレスに移し、10分間冷却し、発泡
体を得た。
【0130】(比較例3)比較例1で用いた樹脂発泡シ
ート(e)の片面に、下記の表1に示すように、樹脂発
泡シート(c)を160℃でラミネートし、発泡体を得
た。
【0131】(比較例4)板状発泡体の片面に、樹脂発
泡シート(c)に代えて、樹脂発泡シート(d)を積層
したことを除いては、実施例1と同様にして、発泡体を
得た。
【0132】実施例及び比較例の評価 上記のようにして得られた各発泡体の25%圧縮強度、
及び凹凸追従性を以下の要領で測定し、その結果を下記
の表1に併せて示した。
【0133】(25%圧縮強度)JIS K6767に
従って、各発泡体の厚み方向に荷重を加え、25%圧縮
強度を測定した。
【0134】(凹凸追従性)直径2mm及び深さ1mm
の半球状、凹部が5mmピッチで形成されているエンボ
ス加工された樹脂板上に発泡体を置き、上面に0.5k
g/cm2 の荷重を加えた際の追従性を目視により評価
した。評価結果を表1に示す。なお、表1においては、
凹凸追従性が良好なものに○印を、不十分なものに×印
を付すことにより表した。
【0135】
【表1】
【0136】なお、表1では、板状発泡体及び柔軟性発
泡樹脂層の形態の表現として、「ペレット」及び「シー
ト」を用いているが、「ペレット」は、発泡性樹脂ペレ
ットから形成した場合を、「シート」は樹脂発泡シート
から形成したものを表す。
【0137】また、柔軟性発泡樹脂層の欄の積層方法に
おける「後ラミ」とは、板状発泡体を形成した後に、柔
軟性発泡樹脂層を積層したことを、「同時」とは、板状
発泡体を発泡性樹脂ペレットから成形する工程において
同時に柔軟性発泡樹脂層を積層したことを示す。
【0138】表1から明らかなように、比較例1,2の
発泡体では、柔軟性発泡樹脂層が積層されておらず、柔
軟性が十分でないためか、凹凸追従性が不十分であっ
た。さらに、比較例1では、全体が均一に発泡された発
泡体であるため、25%圧縮強度も低いことがわかる。
【0139】また、比較例3の発泡体では、同じく板状
発泡体が比較例1の場合と同様に均一な発泡体であるた
め、圧縮強度が低いことがわかる。さらに、比較例4の
発泡体では、板状発泡体は、本発明の板状発泡体と同様
に構成されているため、25%圧縮強度は5.3kg/
cm2 と高かったが、柔軟性発泡樹脂層の発泡倍率が低
いため、柔軟性が十分でなく、従って凹凸追従性が不十
分であった。
【0140】これに対し、実施例1〜6の発泡体では、
上記低発泡薄膜を介して高発泡体(H)が熱融着されて
いる板状発泡体を用いているため、十分な圧縮強度を示
した。加えて、高発泡体(H)が柔軟性を示し、さらに
柔軟性発泡樹脂層が積層されているため、十分な柔軟性
を有し、凹凸追従性において優れていた。
【0141】
【発明の効果】以上のように、請求項1,2に記載の発
明に係る発泡体では、熱可塑性樹脂よりなる高発泡体
(H)が柔軟性を有し、該熱可塑性樹脂よりなる高発泡
体(H)の外表面を被覆している熱可塑性樹脂よりなる
低発泡薄膜(L)を介して高発泡体(H)が熱融着され
ているため、該低発泡薄膜(L)により圧縮強度が効果
的に高められている。しかも、上記板状発泡体に柔軟性
発泡樹脂層が積層されているため、それによって柔軟性
がより一層高められており、よって、圧縮強度に優れて
いるだけでなく、柔軟性(凹凸追従性)に優れた発泡体
を提供することが可能となる。
【0142】特に、請求項2に記載の発明では、上記柔
軟性発泡樹脂層が、さらに、熱可塑性樹脂よりなる高発
泡体(H´)と、熱可塑性樹脂よりなる低発泡薄膜(L
´)とを有し、高発泡体(H´)が低発泡薄膜(L´)
を介して熱融着されているため、柔軟性発泡樹脂層の柔
軟性を高め得るだけでなく、上記低発泡薄膜(L´)に
より圧縮強度をより一層効果的に高め得る。
【0143】また、請求項3〜7に記載の発明によれ
ば、上記請求項1,2に記載の発明に係る発泡体を、柔
軟性発泡樹脂層を構成する樹脂発泡シートあるいは発泡
性樹脂ペレット上に、上記板状発泡体を構成するための
発泡性樹脂ペレットを散布し、加熱して発泡させたり、
発泡性熱可塑性樹脂ペレットを発泡させて板状発泡体を
得た後に柔軟性発泡樹脂層を積層したりする、非常に簡
単な方法により得ることができる。従って、発泡性樹脂
ペレットを予備発泡させるといった煩雑な工程を省略す
ることができるため、発泡体の生産性を効果的に高め得
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において、板状発泡体を製造する工程
を示す模式図。
【図2】実施例1において、板状発泡体を得る工程を説
明するための断面図。
【図3】実施例3において、樹脂発泡シート上に熱可塑
性樹脂ペレットを散布して発泡させる工程を示す断面
図。
【符号の説明】 1…発泡性熱可塑性樹脂ペレット 4…ハンドプレス 5…冷却プレス 6…板状発泡体

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂よりなる高発泡体(H)
    と、前記熱可塑性樹脂よりなる高発泡体(H)の外表面
    を被覆しており、かつ熱可塑性樹脂よりなる低発泡薄膜
    (L)とを備え、複数の前記高発泡体(H)が、前記低
    発泡薄膜(L)を介して熱融着されてなる板状発泡体の
    少なくとも片面に、前記高発泡体(H)よりも発泡倍率
    が高い柔軟性発泡樹脂層が熱融着されていることを特徴
    とする発泡体。
  2. 【請求項2】 前記柔軟性発泡樹脂層が、熱可塑性樹脂
    よりなる高発泡体(H´)と、前記熱可塑性樹脂よりな
    る高発泡体(H´)の外表面を被覆しており、かつ熱可
    塑性樹脂よりなる低発泡薄膜(L´)とを備え、複数の
    高発泡体(H´)が、低発泡薄膜(L´)を介して熱融
    着されていることを特徴とする請求項1に記載の発泡
    体。
  3. 【請求項3】 発泡剤を含有している発泡性熱可塑性樹
    脂ペレット(a)を、樹脂発泡シート(c)の上面に散
    布する工程と、 散布された発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a)を発泡剤
    の発泡温度以上の温度に加熱することにより、発泡性熱
    可塑性樹脂ペレット(a)を発泡させて融着・一体化す
    る工程とを備えることを特徴とする発泡体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a)
    を樹脂発泡シート(c)の上面に散布した後に、散布さ
    れた発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a)上に第2の樹脂
    発泡シート(c´)を重ねる工程をさらに備えることを
    特徴とする請求項3に記載の発泡体の製造方法。
  5. 【請求項5】 発泡剤を含有している発泡性熱可塑性樹
    脂ペレット(b)を加熱し、発泡させた際に、柔軟性発
    泡樹脂層が形成されるように該発泡性熱可塑性樹脂ペレ
    ット(b)を散布する工程と、 散布された発泡性熱可塑性樹脂ペレット(b)上に、発
    泡剤を含有している別の発泡性熱可塑性樹脂ペレット
    (a)を加熱して発泡させた際に板状発泡体が形成され
    るように該発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a)を散布す
    る工程と、 前記発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a)及び(b)に含
    有されている両発泡剤の発泡温度以上の温度に加熱する
    ことにより、発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a)及び
    (b)を発泡させて融着・一体化する工程とを備える発
    泡体の製造方法。
  6. 【請求項6】 発泡剤を含有している発泡性熱可塑性樹
    脂ペレット(b)を加熱して発泡させた際に、柔軟性発
    泡樹脂層が形成されるように、該熱可塑性発泡性樹脂ペ
    レット(b)を散布する工程と、 散布された発泡性熱可塑性樹脂ペレット(b)上に、発
    泡剤を含有している発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a)
    を加熱により発泡させた際に板状発泡体が形成されるよ
    うに該発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a)を散布する工
    程と、 発泡剤を含有している発泡性熱可塑性樹脂ペレット(b
    ´)を、加熱して発泡させた際に、第2の柔軟性発泡樹
    脂層が形成されるように、該発泡性熱可塑性樹脂ペレッ
    ト(b´)を散布する工程と、 前記発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a)、(b)及び
    (b´)に含有されている各発泡剤の発泡温度以上の温
    度に加熱することにより、発泡性熱可塑性樹脂ペレット
    (a)、(b)及び(b´)を発泡させて融着・一体化
    する工程とを備える発泡体の製造方法。
  7. 【請求項7】 発泡剤を含有している発泡性熱可塑性樹
    脂ペレット(a)を散布する工程と、 前記発泡性熱可塑性樹脂ペレット(a)を、前記発泡剤
    の発泡温度以上の温度に加熱することにより、発泡性熱
    可塑性樹脂ペレット(a)を発泡させて融着・一体化
    し、板状発泡体を形成する工程と、 前記板状発泡体の少なくとも片面に柔軟性発泡樹脂層を
    形成するための樹脂発泡シートを積層する工程とを備え
    ることを特徴とする発泡体の製造方法。
JP29530595A 1995-11-14 1995-11-14 発泡体及びその製造方法 Pending JPH09136371A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29530595A JPH09136371A (ja) 1995-11-14 1995-11-14 発泡体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29530595A JPH09136371A (ja) 1995-11-14 1995-11-14 発泡体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09136371A true JPH09136371A (ja) 1997-05-27

Family

ID=17818895

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29530595A Pending JPH09136371A (ja) 1995-11-14 1995-11-14 発泡体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09136371A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7280669B2 (ja) 再循環された架橋ポリオレフィンフォーム材料からの同時押出された架橋多層ポリオレフィンフォーム構造体の製造方法
EP3406441A1 (en) Method of making coextruded, crosslinked polyolefin foam with tpu cap layers
WO1998029228A1 (fr) Resine synthetique, thermoplastique, expansible, de type feuille, resine expansee thermoplastique et procede de fabrication correspondant
JP3844499B2 (ja) 熱可塑性樹脂発泡体
WO2002016124A1 (fr) Produit moule de resine thermoplastique expansible, procede de production d'un produit moule de resine thermoplastique expansible, et mousse de resine thermoplastique
JP4299375B2 (ja) 発泡性熱可塑性樹脂シート状体、熱可塑性樹脂発泡体、及びそれらの製造方法
JP3117678B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂発泡性複合シートの製造方法
CN1358785A (zh) 用于微波烹饪的成型聚丙烯树脂容器
EP0646622B1 (en) Plastic foam material composed of thermoplastic resin and silane-modified thermoplastic resin and method for making same
JPH09136371A (ja) 発泡体及びその製造方法
JP3476323B2 (ja) 床 材
JP3366162B2 (ja) フロア材
JP3369091B2 (ja) 熱可塑性樹脂発泡体及びその製造方法
JP2003166335A (ja) 床 材
JP3958811B2 (ja) 発泡体の連続製造方法
JPH08112873A (ja) 発泡体及びその製造方法
JP3603068B2 (ja) 熱可塑性樹脂発泡体の製造方法
JP3792371B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法
JP3615662B2 (ja) 床材
JPH11138564A (ja) 発泡体及び床暖房用床材の製造方法
JP3848419B2 (ja) 発泡性熱可塑性樹脂シート及び発泡体の製造方法
JPH09234756A (ja) 発泡性熱可塑性樹脂シート及び発泡体の製造方法
JPH07237238A (ja) 複合発泡体の製造方法
JP2000071364A (ja) 床材の製造方法
JPH0873640A (ja) 発泡性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041215

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050511