JPH09136148A - 溶融金属の流動制御装置 - Google Patents

溶融金属の流動制御装置

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JPH09136148A
JPH09136148A JP29149895A JP29149895A JPH09136148A JP H09136148 A JPH09136148 A JP H09136148A JP 29149895 A JP29149895 A JP 29149895A JP 29149895 A JP29149895 A JP 29149895A JP H09136148 A JPH09136148 A JP H09136148A
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崎 敬 介 藤
Hiroshi Harada
田 寛 原
Keiichi Takahashi
橋 啓 一 高
Shigenao Anzai
斉 栄 尚 安
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リニアモ−タによる溶融金属の撹拌効果を大
きく落すことなく、溶融金属のメニスカスにおける湯面
乱れ(メニスカスの波打ち)を低減することを目的とす
る。 【解決手段】 鋳型内溶融金属(MM)のメニスカス下方に
推力を与えるための、水平方向に分布する複数個の電気
コイルを含む電磁石(1E,1L);前記電気コイルに、前記
溶融金属(MM)に鋳型面に沿う水平方向の移動磁界を与え
るための交流電流を通電する手段(20F1);および、鋳型
(M1,M2,M3)直近にあって、前記電気コイルの垂直方向z
の中心位置(Co)もしくはそれより高い位置から上方に延
びる導電体(S2);を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融金属の水平流
動速度を調節する流動制御装置に関し、特に、これに限
定する意図ではないが、並設された複数個の鋳型内の溶
融金属の流動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばビレットの連続鋳造では、タンデ
イッシュより鋳型に溶鋼が注入され、鋳型において溶鋼
は鋳型壁面から次第に冷却されつつ引き抜かれる。同一
高さの鋳型壁面における温度が不均一であると、表面割
れやシェル破断を生じ易い。これを改善するために、従
来は、鋳型長辺の外に配置したリニアモ−タ又は溶鋼上
面に対向するリニアモ−タで、鋳型内溶鋼に一定方向の
電磁駆動力(推力)を与えて溶鋼を積極的に流動駆動し
ている。鋳型内溶鋼に与える推力はリニアモ−タ電流に
より調整することができる。
【0003】ところで一般的にリニアモ−タは、溶鋼が
凝固しはじめる位置(初期凝固位置)に配置される。こ
れは、製品の縦割れ又は横割れを防止する為には凝固が
始まる部位において均一に溶鋼を撹拌する撹拌流を起こ
す必要がある為である。しかし、比較的に小断面の鋳型
を用いる連続鋳造、例えばビレットの鋳造においては、
複数個の鋳型を並設して同時並行してそれぞれの鋳型で
鋳造を行なうが、鋳型形状が小さいので、溶鋼が早期に
冷却され始める。つまり初期凝固位置が溶鋼表面すなわ
ちメニスカス近傍になるのでそれに伴いリニアモ−タも
メニスカス近傍に配置されるので、メニスカスがリニア
モ−タの電磁力の影響を受け易く、撹拌流による湯面乱
れ(波打ち)を生じ易い。
【0004】メニスカス部は、溶鋼の速やかな鋳型内へ
の流れ込みを促すパウダで覆われており、過剰に電磁力
を加えて大きな撹拌流を加えるとパウダが凝固シェルへ
混ざり込んで製品に傷が生じることもあり、歩留まりが
低下する。特開平4−220149号公報には、リニア
モ−タの磁界がメニスカスに及ぶのを防止するために、
漏斗状の強磁性体のスクリ−ンをリニアモ−タの電気コ
イルの上端部と鋳型との間に介挿することを提案してい
る。この強磁性体のスクリ−ンが、リニアモ−タの上部
からメニスカス部の溶鋼に流れようとする磁束にバイパ
ス磁路を与えるので、リニアモ−タの上部から、磁束は
強磁性体のスクリ−ンを通って、リニアモ−タの上部で
鋳型から放射状に離れる方向に分散し、メニスカス部の
溶鋼に作用する回転磁界が低減し、撹拌流による湯面乱
れ(メニスカスの波打ち)が小さくなり、メニスカスか
ら溶鋼中への異物の巻込みが低減する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、スクリ−ンが
強磁性体であるので、また鋳型辺が非磁性ステンレスを
裏当てした銅板であって鋳型辺が磁気抵抗体でもあるの
で、強磁性体のスクリ−ン(特にその下端部)に、リニ
アモ−タが発生する磁束が強く吸引され、リニアモ−タ
が溶鋼に与える回転磁界強度が大きく低下する。すなわ
ち、リニアモ−タの溶鋼撹拌効果が大きく低下する。
【0006】本発明は、リニアモ−タによる溶融金属の
撹拌効果を大きく落すことなく、溶融金属のメニスカス
における湯面乱れ(メニスカスの波打ち)を低減するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の流動制御装置
は、鋳型内溶融金属(MM)のメニスカス下方に推力を与え
るための、水平方向に分布する複数個の電気コイルを含
む電磁石(1E,1L);前記電気コイルに、前記溶融金属(M
M)に鋳型面に沿う水平方向の移動磁界を与えるための交
流電流を通電する手段(20F1);および、鋳型(M1,M2,M3)
直近にあって、前記電気コイルの垂直方向zの中心位置
(Co)もしくはそれより高い位置から上方に延びる導電体
(S2);を備える。なお、理解を容易にするためにカッコ
内には、図面に示し後述する実施例の対応要素又は対応
事項に付した記号を、参考までに付記した。
【0008】これによれば、電磁石が発生し融金属(MM)
のメニスカスに向かう磁束は導電体(S2)を貫通しようと
する。このとき、磁束が交流磁束であるので、磁束を中
心とする渦電流が導電体(S2)に誘起し、これが導電体(S
2)でジュ−ル熱となる。すなわち、磁束が熱エネルギ−
に変わり導電体(S2)で消費される。したがって導電体(S
2)を透過する磁束は減衰し、メニスカスに及ぶ磁界強度
が低くなり、メニスカスにおける湯面乱れ(メニスカス
の波打ち)が低減する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施例では、電
磁石(1E,1L)は、鋳型(M1〜M3)を間に置いて水平方向x
で相対向しそれぞれ水平方向yに延びる2組(1E,1L)で
あり、導電体(S2のS21a,S21b)は水平方向xに延びる。
更に、導電体(S2=S21a,S21b+S22)は、鋳型の外側面を包
囲し水平方向xに延びる部位は厚肉、水平方向yに延び
る部位は薄肉である。これによれば、2組の電磁石(1E,
1L)が、x方向の主磁束を発生し、これがy方向に移動
することにより、鋳型(M1〜M3)のy平行辺(水平y方向
に延びる辺)に沿う、逆向きの移動磁界(y移動磁界)
となり、鋳型内の溶融金属に垂直軸zを中心とする水平
旋回流が励起される。電磁石が発生する磁束のy方向成
分は小さいが、鋳型の、y平行辺間のx平行辺に沿う推
力を溶融金属に与える。これは小さいが、y移動磁界に
よる旋回推力に対して逆向きであり、鋳型コ−ナにおい
てぶつかり合いを生じこれがメニスカスで起きると波打
ちをもたらすが、この実施例では、導電体(S2のS21a,S2
1b)が水平方向xに延びるので、電磁石が発生する磁束
の、問題のy方向成分を減衰させる。これにより、メニ
スカスの、鋳型コ−ナ部における波打ちが小さくなる。
【0010】本発明の好ましい実施例では、電磁石はメ
ニスカスより下方で溶融金属に対向し、導電体は、電気
コイルの垂直方向zの中心位置もしくはそれより高い位
置から上方zに、メニスカスまでもしくはそれより低い
位置まで延びる。導電体の上端は、メニスカスから少く
とも、電気コイルの垂直方向zの中心位置からメニスカ
スまでの距離の0.1倍分、下方にあり、導電体の垂直
方向zの幅は、電気コイルの垂直方向zの中心位置から
メニスカスまでの距離の0.9倍分、以下である。
【0011】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0012】
【実施例】図1に、本発明の一実施例の構成を示し、図
2に鋳型M1〜M3およびリニアモ−タ1E,1Lの水
平横断面を示す。まず図2を参照すると、鋳型M1,M
2,M3は、ビレット製造用の小型の連続鋳造鋳型であ
り、第1鋳型,第2鋳型及び第3鋳型である。これら
に、図示しない注入ノズルを通して溶鋼MMが、図2紙
面の表側から裏側に向けて(垂直方向zで上方から下方
に)、注入される。
【0013】この実施例では、各鋳型M1,M2,M3
内の溶鋼を、3相リニアモ−タで鋳型の各辺に沿って図
2紙面上において時計回り方向に回転駆動するために、
連続鋳造鋳型M1,M2,M3のx方向の外側面に対向
して第1および第2の電磁石コア1Eおよび1Lが、y
方向に等間隔一列で並べられた各鋳型M1,M2,M3
を挟んで、平行に、かつ、鋳型列M1〜M3に関して対
称に配置されている。各鋳型M1,M2,M3の外側面
にはそれぞれシールド体S1,S2,S3が鋳型の周面
を囲むように装着されている。
【0014】図1を参照すると、第1リニアモータ1E
の各電気コイルE1〜E12及び、第2リニアモータ1
Lの各電気コイルL1〜L12は3相交流電圧を発生す
る電源回路20F1の3相電源接続端子U11,V1
1,W11に接続されている。図1に示す第1リニアモ
−タ1Eの結線は2極のものである。電源回路20F1
は、3相電源接続端子U11,V11,W11に電気コ
イルに3相交流を通電する。第1リニアモ−タ1Eの電
気コイルE1〜E12は、図1ではこの順に、v,v,
W,W,u,u,V,V,w,w,U,Uと表してい
る。ここで、「U」は3相交流のU相の正相通電(その
ままの通電)を、「u」はU相の逆相通電(U相より1
80度の位相づれ通電)を表し、電気コイル「U」には
その巻始め端にU相が印加されるのに対し、電気コイル
「u」にはその巻終り端にU相が印加されることを意味
する。同様に、「V」は3相交流のV相の正相通電を、
「v」はV相の逆相通電を、「W」は3相交流のW相の
正相通電を、「w」はW相の逆相通電を表わす。
【0015】電源回路20F1は制御回路P2と接続さ
れる。制御回路P2には制御板P1を介して作業者が外
部より、コイル電圧指制値VdcA1および周波数指令値
Fdcを入力する。制御回路P2は、これらの指令値を、
電源回路20F1に出力(設定)する。
【0016】電源回路20F1は、制御回路P2より与
えられたコイル電圧指令値VdcA1により3相交流電圧
の電圧レベルを決定し、周波数指令値Fdcにより3相交
流電圧の周波数を設定する。電源回路20F1は、こう
して電圧レベル,周波数が決定された3相交流電圧
(U,V,W)をそれぞれ電気コイルE1〜E12,L
1〜L12に印加する。
【0017】図3の(a)には、第2鋳型M2,非磁性
かつ導電体のシールド体S2,リニアモータ1E及びリ
ニアモータ1Lの拡大縦断面(図2の3A−3A線拡大
断面)を示し、図3の(b)は、図3の(a)の3B−
3B線断面を示す。鋳型M2の正方形(内空間)の鋳型
を形成する各辺は、銅板M22に、非磁性ステンレス板
M21を裏当てしたものである。鋳型M1,鋳型M3の
構造は、鋳型M2に準じ、シールド体S1,S3の構造
はシールド体S2に準じる。
【0018】鋳型M2の外側面に装着されたシールド体
S2は、薄肉銅製の4角筒S22に鉄製の強度補強板S
23を裏当てし、銅製4角筒S22のx平行辺(x軸に
平行な辺)の外表面に、厚肉の銅板S21a,S21b
を接合して、銅製4角筒S22,強度補強板S23およ
び厚肉銅板S21a,S21bを一体にしたものであ
る。シ−ルド体S2は、その内空間に鋳型M2を受入れ
るようにして、鋳型M2に装着されている。
【0019】銅製4角筒S22,強度補強板S23およ
び厚肉銅板S21a,S21bのz方向上端は一致して
おり、鋳型M2内のメニスカス(溶鋼MMの表面)より
やや下方に位置する。図3の(a)に示すように、電磁
石1L,1Eのz方向中心位置をCoとし、メニスカス
までの距離をLbとすれば、メニスカスからシールド体
S2の上端までの距離Laは、0.1Lb≦Laであ
る。なお、強度補強板S23は、鋳型M2に対するシー
ルド体S2の固着強度(シ−ルド体S2支持強度)を高
めるために、銅製4角筒S22および厚肉銅板S21
a,S21bの下端より長く下方に突出する。銅製4角
筒S22および厚肉銅板S21a,S21bのz方向長
さをLsとすれば、LsはLs≦0.9Lbである。
【0020】ここで厚肉銅板S21a,S21bは、y
並行辺のみ設置しており、x並行辺には設置していな
い。これは、撹拌するリニアモータ1E,1Lが既存設
備の場合、その位置変更が難しいことが多く、リニアモ
ータをx方向に移動することが困難なので、厚肉銅板を
x並行辺に設置できないからである。一方、電磁シール
ドの観点からすれば、厚みが多いほうが効果が大きいた
めに、空間的に余裕のあるy方向並行辺のほうを厚くし
ている。
【0021】一般的にリニアモータは、鋳型直下にはピ
ンチロ−ルがあるので、溶鋼MMのメニスカス直下から
鋳型の下端までの範囲内に配置される。そして、鋳型内
面への溶鋼の焼付の防止,介在物の巻込み(鋳造製品の
縦割れ又は横割れの原因)防止,鋳造製品の成分均一
化、などのために、溶鋼を旋回駆動する。
【0022】ところで、メニスカス部(溶鋼の上表面)
は、鋳型壁面に沿う溶鋼MMの滑らかな流下を促すため
のいわゆるパウダで覆われており、過剰に電磁力を加え
て撹拌流を大きくすると、パウダが溶鋼中に混ざり込ん
で、パウダを噛んだ製品となる等、却って歩留まりが低
下する。リニアモ−タ1E,1Lは、溶鋼MMが凝固し
はじめる位置の溶鋼に大きな、互に逆方向のy方向移動
磁界を加える。これにより溶鋼が鋳型内で時計方向又は
反時計方向に水平旋回して、温度および成分が均一化す
る。また、溶鋼中に異物が介在した場合、その浮上が促
進する。
【0023】シ−ルド体S2は、リニアモ−タ1E,1
Lが発生しメニスカス方向に及ぶ磁界を、メニスカス近
傍で減衰させるものである。
【0024】最も磁界減衰効果が最も高い厚肉銅板S2
1a,S21bを、鋳型のx平行辺のみに装着している
のは、リニアモータ1E,1Lのy方向への磁束のまわ
り込み(リニアモ−タが発生する磁束のy方向成分によ
る、鋳型の、y平行辺間のx平行辺に沿う推力)を抑制
し、x方向の磁束のy方向移動による電磁力のみを鋳型
に作用させてy方向平行辺に沿う推力のみ溶鋼MMに与
える為である。
【0025】ここで、シールド体としては、そこに積極
的に渦電流を流して作用する磁場を低減せしめるため
に、導電体であることがまず必要である。更に、印加す
る磁場を積極的に吸収させる意味で、強磁性体(例えば
鉄など)であれば、さらにその効果は向上する。
【0026】第1リニアモータ1Eと第2リニアモータ
1Lとは、同型で同一電気定格のものである。図2,図
3を参照すると、この実施例では、電磁石コア1Eは、
y方向に長く、この長手方向yにスロット用の12個の
切欠を等ピッチで形成した、平板面が櫛形の薄鋼板を積
層したものであり、12個のスロットがあり、スロット
のそれぞれに電気コイルE1〜E12が挿入されてい
る。なお、電磁石コア1Eおよび電気コイルE1〜E1
2は冷却されかつ耐熱カバ−で被覆されているが、冷却
構造およびカバ−は図示を省略している。電磁石コア1
Eは、横側面にx方向に延びるスロットがある櫛形であ
り、各スロットに電気コイルが挿入され、スロット間の
歯が磁極でありその端面が、連続鋳造鋳型M1,M2,
M3のx方向側面に対向している。電気コイルE1〜E
12は、電磁石コア1Eに「胴巻き」されている。
【0027】この実施例では、電気コイルE1〜E12
の内空間に電磁石コアEaを通した後、電気コイルE1
〜E12の一辺を各スロットに押し込むため、電気コイ
ルE1〜E12の内空間の幅方向xの長さは、電磁石コ
アEaの幅方向xの長さより大きく、電気コイルをスロ
ットに押し込んだ後は、電気コイルの上辺とコア1Eの
背面(横側面)との間に空隙を生ずる。この空隙に、長
方形の薄鋼板を積層した補助コアEbが挿入されてい
る。電磁石コアEaおよび補助コアEbの両者にも、冷
却用の流体流路がありこれに冷媒管が接続されている
が、これらの図示は省略した。
【0028】図4に、電気コイルE1〜E12,L1〜
L12に3相交流を流す電源回路20F1の構成を示
す。3相交流電源(3相電力線)21には、直流整流用
のサイリスタブリッジ22A1が接続されており、その
出力(脈流)はインダクタ25A1およびコンデンサ2
6A1で平滑化される。平滑化された直流電圧は3相交
流形成用のパワ−トランジスタブリッジ27A1に印加
され、これが出力する3相交流のU相が図3に示す電源
接続端子U11に、V相が電源接続端子V11に、また
W相が電源接続端子W11に印加される。
【0029】電気コイルE1〜E12,L1〜L12が
連続鋳造鋳型(M1,M2,M3)内部の溶鋼MMを回
転駆動する推力を発生するコイル電圧指令値VdcA1
が、位相角α算出器24A1に与えられ、位相角α算出
器24A1が、指令値VdcA1に対応する導通位相角α
(サイリスタトリガ−位相角)を算出し、これを表わす
信号をゲ−トドライバ23A1に与える。ゲ−トドライ
バ23A1は、各相のサイリスタを、各相のゼロクロス
点から位相カウントを開始して位相角αで導通トリガ−
する。これにより、トランジスタブリッジ27A1に
は、指令値VdcA1が示す直流電圧が印加される。
【0030】一方、3相信号発生器31A1は、周波数
指令値Fdcで指定された周波数の、定電圧3相交流信号
U,V,Wを発生して、比較器29A1に与える。比較
器29A1にはまた、三角波発生器30A1が3KHz
の、定電圧三角波を与える。比較器29A1は、U相信
号が正レベルのときには、それが三角波発生器30A1
が与える三角波のレベル以上のとき高レベルH(トラン
ジスタオン)で、三角波のレベル未満のとき低レベルL
(トランジスタオフ)の信号を、U相の正区間宛て(U
相正電圧出力用トランジスタ宛て)にゲ−トドライバ2
8A1に出力し、U相信号が負レベルのときには、それ
が三角波発生器30A1が与える三角波のレベル以下の
とき高レベルHで、三角波のレベルを越えるとき低レベ
ルLの信号を、U相の負区間宛て(U相負電圧出力用ト
ランジスタ宛て)にゲ−トドライバ28A1に出力す
る。V相信号およびW相信号に関しても同様である。ゲ
−トドライバ28A1は、これら各相,正,負区間宛て
の信号に対応してトランジスタブリッジ27A1の各ト
ランジスタをオン,オフ付勢する。
【0031】これにより、電源接続端子U11には、3
相交流のU相電圧が出力され、電源接続端子V11に同
様なV相電圧が出力され、また電源接続端子W11に同
様なW相電圧が出力され、これらの電圧の上ピ−ク/下
ピ−ク間レベルはコイル電圧指令値VdcA1で定まる。
この3相電圧の周波数はこの実施例では周波数指令値F
dcにより定まる。すなわち、コイル電圧指令値VdcA1
で指定されたピ−ク電圧値(推力)の、周波数がFdc
(例えば3.5Hz)の3相交流電圧が、図1及び図2に
示す電気コイルE1〜E12に印加される。
【0032】図5に、鋳型内溶鋼に作用する推力のz方
向分布を示す。一点鎖線が、シ−ルド体S2の装着がな
いときのもの、実線がシ−ルド体S2の装置があるとき
のものである。これによれば、シ−ルド体S2を装着す
ることにより、メニスカス付近の電磁力は5割程度抑制
され、z方向のコイル中心位置Co(凝固シェルができ
始める位置)付近での電磁力低下は1割程度であり、所
要推力の低下は少く、有害なメニスカス部推力の低下が
著しい。上述のように、メニスカスからシールド体S2
の上端までの距離Laが、0.1Lb≦La、銅製4角
筒S22および厚肉銅板S21a,S21bのz方向長
さLsが、LsはLs≦0.9Lbであれば、このよう
な効果が同様に得られることが分かった。
【0033】したがって、上述の実施例によれば、溶鋼
MMの凝固が始まる部位(リニアモータ1E,1Lのコ
イル中心部Co)においては大きな電磁力が加えられて
均一に溶鋼MMを撹拌する撹拌流が起こり、介在物の浮
上が促され、かつ成分および温度の均一化が実現して、
溶鋼の焼付き,製品の縦割れ又は横割れあるいは成分の
偏在が防止される。その一方で、メニスカスに作用する
電磁力は抑制されて小さくなり湯面乱れが防止されるの
で、パウダが溶鋼に混ざり込むことが少くなる。溶鋼と
鋳型内面の間へのパウダの進入が鋳型の周方向で均一化
し、溶鋼降下速度の、鋳型内面のx,y方向の速度分布
が均一化し、鋳造製品表面が滑らかになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】 図1に示す鋳型およびリニアモ−タの水平横
断面図である。
【図3】 (a)は、図2の3A−3A線拡大断面図で
あり、(b)は(a)の3B−3B線断面図である。
【図4】 図1に示す電源回路20F1の構成を表す電
気回路図である。
【図5】 鋳型内溶鋼に作用する推力のz方向分布を示
す。一点鎖線が、図3に示すシ−ルド体S2の装着がな
いときのもの、実線がシ−ルド体S2の装置があるとき
のものである。
【符号の説明】
1E,1L:リニアモータ 20F1:電源
回路 1E,1L,La,Lb:電磁石コア Ea,Eb:補助
コア E1〜E12,L1〜L12:電気コイル MM:溶融
金属 M1,M2,M3:連続鋳造鋳型 M21:非磁性
ステンレス板 M22:銅板 S1,S2,S3:
シールド体 S21a,S21b:厚肉銅板 S22:銅製4
角筒 S23:補強板 P1:制御盤 P2:制御回路 U,V,W:交流
電圧 U11,V11,W11:電源接続端子
フロントページの続き (72)発明者 安 斉 栄 尚 室蘭市仲町12番地 新日本製鐵株式会社室 蘭製鐵所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋳型内溶融金属のメニスカス下方に推力を
    与えるための、水平方向に分布する複数個の電気コイル
    を含む電磁石;前記電気コイルに、前記溶融金属に鋳型
    面に沿う水平方向の移動磁界を与えるための交流電流を
    通電する手段;および、 鋳型直近にあって、前記電気コイルの垂直方向zの中心
    位置もしくはそれより高い位置から上方に延びる導電
    体;を備える溶融金属の流動制御装置。
  2. 【請求項2】電磁石は、鋳型を間に置いて水平方向xで
    相対向しそれぞれ水平方向yに延びる2組であり、導電
    体は水平方向xに延びる、請求項1記載の溶融金属の流
    動制御装置。
  3. 【請求項3】電磁石は、鋳型を間に置いて水平方向xで
    相対向しそれぞれ水平方向yに延びる2組であり、導電
    体は鋳型の外側面を包囲し水平方向xに延びる部位は厚
    肉、水平方向yに延びる部位は薄肉である、請求項1記
    載の溶融金属の流動制御装置。
  4. 【請求項4】電磁石はメニスカスより下方で溶融金属に
    対向し、導電体は、電気コイルの垂直方向zの中心位置
    もしくはそれより高い位置から上方zに、メニスカスま
    でもしくはそれより低い位置まで延びる、請求項1,請
    求項2又は請求項3記載の溶融金属の流動制御装置。
  5. 【請求項5】導電体の上端は、メニスカスから少くと
    も、電気コイルの垂直方向zの中心位置からメニスカス
    までの距離の0.1倍分、下方にある請求項1,請求項
    2,請求項3又は請求項4記載の溶融金属の流動制御装
    置。
  6. 【請求項6】導電体の垂直方向zの幅は、電気コイルの
    垂直方向zの中心位置からメニスカスまでの距離の0.
    9倍分、以下である、請求項1,請求項2,請求項3,
    請求項4又は請求項5記載の溶融金属の流動制御装置。
  7. 【請求項7】上記記載の導電体は強磁性体である、請求
    項2,請求項3,請求項4,請求項5又は請求項6記載
    の溶融金属の流動制御装置。
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