JPH09134842A - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品の製造方法

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JPH09134842A
JPH09134842A JP7290985A JP29098595A JPH09134842A JP H09134842 A JPH09134842 A JP H09134842A JP 7290985 A JP7290985 A JP 7290985A JP 29098595 A JP29098595 A JP 29098595A JP H09134842 A JPH09134842 A JP H09134842A
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JP
Japan
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temperature
laminated
laminated body
delamination
ceramic electronic
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JP7290985A
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English (en)
Inventor
Gen Itakura
鉉 板倉
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 デラミネーションの発生のない積層セラミッ
ク電子部品の製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 セラミック誘電体粉末を主成分とする層
とPd粉末を主成分とする層とを一体に積み重ね、圧着
した積層体を焼成する過程において、従来の大気中で全
て焼成する方法とは異なり、常温から低くとも700
℃、高くとも900℃までH2を1〜10モル%とN2
99〜90モル%とを混合した雰囲気下で昇温し、その
後は大気中で焼成する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積層セラミックコン
デンサなどの積層セラミック電子部品の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より小型大容量化を目的としてセラ
ミック薄膜誘電体の並列配線構造を有する積層セラミッ
クコンデンサはよく知られている。
【0003】この積層セラミックコンデンサの製造方法
は一般的には次の通りである。まず、チタン酸バリウ
ム、チタン酸カルシウムなどの酸化物粉末に数種の添加
物を加えて混合した後、有機バインダーを加えて粘性の
高いスラリーとし、これをドクターブレード法、リバー
スロール法などの一般的なシート成型方法により、20
〜100μmのシートを作製する。
【0004】この後、シート上にパラジウムを主成分と
する粉末を有機バインダー中に分散させたペーストをス
クリーン印刷する。そして、印刷されたシートを2〜6
0層重ね合わせて圧着し積層体を作製する。この積層体
を適当な大きさに切断し、電気炉にて大気中、1200
〜1400℃の高温になるまで10〜30時間かけて昇
温し、最高温度で1〜5時間保持して積層体群を充分に
焼結させた後、10〜20時間かけて常温近くまで降温
すると積層セラミック群を得る。
【0005】この積層セラミック群に端子電極として、
銀とパラジウム合金または銀の粉末よりなるペーストを
付着し、700〜900℃で焼付けることにより、積層
セラミックコンデンサが得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような積層セラミ
ックコンデンサはプリント基板に直に自動装着して用い
られることがほとんどである。そして、自動装着された
積層セラミックコンデンサは高温ではんだ付けされる。
このため、積層セラミック内部にセラミック層とPd層
とが密着せず、層間剥離、すなわちデラミネーションが
存在するとはんだ付け時の熱衝撃により積層セラミック
が破壊し、もはやコンデンサとして機能しなくなる場合
がある。
【0007】既に述べた従来の積層セラミックコンデン
サの製造方法の中で、大気中で焼成を行うことによって
得られる積層セラミックはしばしばデラミネーションを
有することがある。特にPd層が多数積層された積層セ
ラミック程デラミネーションは発生しやすい。したがっ
て、最近は積層セラミックコンデンサの小型化、大容量
化が要望されているため、ますます多積層化が必要とな
ってきたことから、デラミネーションを防止する製造上
の技術確立が緊急を要する課題となっていた。
【0008】本発明は以上のような従来の欠点を除去
し、デラミネーションの発生のない積層セラミック電子
部品の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明はセラミック誘電体粉末を主成分とする層とP
d粉末を主成分とする層とを一体に積み重ねた積層体を
焼成過程において、常温から低くとも700℃まで、高
くとも900℃までH2を1〜10モル%とN2を99〜
90モル%とを混合した気流中で昇温し、その後は大気
中で焼成することにより、デラミネーションを防止し得
るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、所定の原料を秤量し、これを混合したスラリーを所
望の厚さのシート状に成形してなるセラミック誘電体粉
末を主成分とする層と、スクリーン印刷などにより成形
するPd粉末を主成分とする層とを一体に積み重ねて圧
着した積層体を焼成する過程において、常温から最低で
700℃、最高で900℃まではH2を1〜10モル%
とN2を99〜90モル%とを混合した気体雰囲気中で
昇温し、その後、前記積層体が焼結する温度までの昇温
過程並びに焼結する温度での保持過程とこれに続く常温
付近までの降温過程は大気中で焼成するものであり、こ
れによってデラミネーションの発生が防止できることに
なる。
【0011】上記のような方法によってデラミネーショ
ンが防止できる理由は次のような作用に基づくものと考
えられる。
【0012】すなわち、まず第一にPd粉末は400℃
以上の高温下で酸素が存在すると酸化が進み、700℃
付近で酸化が最も著しくなる。820℃付近に達すると
逆に酸素を放出する性質を有している。故にPd粒子が
しだいにPdO粒子へと変化する際、体積が約1.5倍
になるので積層体の体積も膨張するが、PdOが次に酸
素を放出する際にはPd粒子に急激に体積収縮すること
になり、セラミック粉末層とPd粒子層との間にすき間
が生じる。これがデラミネーション発生の原因と考えら
れる。
【0013】したがって、H2とN2の混合気流中ではP
d粒子は全く酸化しないため体積膨張を防止でき、デラ
ミネーションの原因を断つことができる。また、H2
2の混合気流中で焼成すると、H2の存在により電気炉
内壁、焼成サヤ表面および積層体表面に吸着する酸素を
容易に水蒸気に変化させるため、完全に酸素を除去で
き、多数量の積層体を焼成してもPdOは生じないので
デラミネーションの発生を防止できることになる。
【0014】尚、H21〜10モル%、N299〜90モ
ル%の混合気体は暴発限界内の安全な気体である。
【0015】以下、本発明の一実施の形態に基づき積層
セラミック電子部品の製造方法を詳細に説明する。
【0016】まず、チタン酸バリウム(BaTiO3
100重量部に対し、チタン酸カルシウム(CaTiO
3)、酸化ニオブ(Nb25)を共に3重量部、さらに
二酸化マンガン(MnO2)を0.2重量部添加して充
分に混合する。この後に有機バインダーとしてポリビニ
ルブチラール5重量%および可塑剤としてフタル酸ジブ
チル0.5重量%の酢酸ブチル溶液を加え、粘度2.5
〜3.5Pa・Sのスラリーとし、リバースロール工法
にて30μmの厚みのシートに成型する。
【0017】このシート上にPdペーストを所定のパタ
ーンで厚み3〜6μmとなるようスクリーン印刷したも
のを重ね合わせた後、加圧して積層する。この積層体を
所定の寸法に切断した後、種々の雰囲気で焼成した。た
だし、焼成過程での昇温速度は毎時200℃、焼成最高
保持温度は1360℃で2時間、降温速度は毎時200
℃に一律に設定した。また、雰囲気変更は昇温過程のみ
とし、その他の過程は全て大気中で行った。
【0018】(表1)は実験した条件分類に対して、昇
温の温度区間毎の雰囲気を示したものである。但し、表
中の記号AとBはそれぞれH21モル%、10モル%を
含むN2ガスである。
【0019】
【表1】
【0020】次に、(表2)は(表1)の条件分類毎に
実験を行った結果を示すもので、Pd印刷層数の異なる
積層体毎にデラミネーションの発生率を示したものであ
る。但し、条件毎の検査数量は各100個である。
【0021】
【表2】
【0022】(表2)からわかるように条件1の従来
例、すなわち大気中での条件下で一貫して焼成するとデ
ラミネーションが全てのPd印刷層数について発生す
る。また、条件2に示すように900℃までN2雰囲気
で昇温した場合はPd印刷層数の少ないものに対しては
効果が認められるが、40層以上に対してはデラミネー
ションが発生する。一方、条件6および9に示すように
条件2の雰囲気をH2を含有するN2の雰囲気で置換する
とPd印刷層数が50層のような多層のものに対しても
デラミネーションは皆無である。
【0023】そこで、H2を含有するN2雰囲気を必要と
する温度区間を調べると、条件5および8の結果は先の
条件6および9の結果と同様であるのに対し、条件3お
よび4ではデラミネーションの発生を防止する効果が認
められないことから、最低700℃まではH21〜10
モル%、N299〜90モル%の雰囲気下で昇温すれば
デラミネーションを防止し得る。
【0024】ところが、条件7のように1000℃まで
上記雰囲気で昇温すると、積層体が半導体化し、色が灰
黒色となり、セラミックが低抵抗体となるためデラミネ
ーションは防止はできても誘電体の性質を損なうので適
切ではない。したがって、上限の温度は900℃が適切
である。
【0025】
【発明の効果】以上の実施例で説明したように、セラミ
ック誘電体粉末をを主成分とする層とPd粉末を主成分
とする層とを一体に積み重ねた積層体を焼成する過程に
おいて、常温から低くとも700℃まで、高くとも90
0℃までH2を1〜10モル%とN299〜90モル%と
を混合した雰囲気下で昇温し、その後は大気中で焼成す
る本発明の方法により、デラミネーションを防止するこ
とができる。
【0026】したがって、本発明の方法により、従来の
方法では困難であった多積層セラミック電子部品の製造
が可能となり、積層セラミックコンデンサの小型化、大
容量化に対して極めて有利となる上、従来の低積層セラ
ミック電子部品に対してもデラミネーションの発生確率
を著しく低下し得るため、従来、プリント基板へのはん
だ付け時の熱衝撃による素子破壊の危険率をも低下させ
ることが期待し得るなど、その産業的価値は高い。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の原料を秤量し、これを混合したス
    ラリーを所望の厚さのシート状に成形してなるセラミッ
    ク誘電体粉末を主成分とする層と、スクリーン印刷など
    により形成するPd粉末を主成分とする層とを一体に積
    み重ねて圧着した積層体を焼成する過程において、常温
    から最低で700℃、最高で900℃まではH2を1〜
    10モル%とN2を99〜90モル%とを混合した気体
    雰囲気中で昇温し、その後、前記積層体が焼結する温度
    までの昇温過程並びに焼結する温度での保持過程とこれ
    に続く常温付近までの降温過程は大気中で焼成する積層
    セラミック電子部品の製造方法。
JP7290985A 1995-11-09 1995-11-09 積層セラミック電子部品の製造方法 Pending JPH09134842A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100598304B1 (ko) * 1999-06-30 2006-07-10 다이요 유덴 가부시키가이샤 적층 세라믹 전자 부품의 제법
US7276130B2 (en) 2001-04-12 2007-10-02 Tdk Corporation Production method of multilayer ceramic electronic device

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100598304B1 (ko) * 1999-06-30 2006-07-10 다이요 유덴 가부시키가이샤 적층 세라믹 전자 부품의 제법
US7276130B2 (en) 2001-04-12 2007-10-02 Tdk Corporation Production method of multilayer ceramic electronic device
US7578896B2 (en) 2001-04-12 2009-08-25 Tdk Corporation Production method of multilayer ceramic electronic device

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