JPH09134632A - 電気接点材料及びクラッドリベット接点又はクラッドクロスバー接点ならびにそれを使用した自動車用リレー及びテレビ電源用リレー - Google Patents

電気接点材料及びクラッドリベット接点又はクラッドクロスバー接点ならびにそれを使用した自動車用リレー及びテレビ電源用リレー

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JPH09134632A
JPH09134632A JP7318553A JP31855395A JPH09134632A JP H09134632 A JPH09134632 A JP H09134632A JP 7318553 A JP7318553 A JP 7318553A JP 31855395 A JP31855395 A JP 31855395A JP H09134632 A JPH09134632 A JP H09134632A
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Toshiya Yamamoto
俊哉 山本
Yoshikazu Kitamura
義和 北村
Takao Asada
敬雄 麻田
Tetsuya Nakamura
哲也 中村
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Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
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    • H01H1/021Composite material
    • H01H1/023Composite material having a noble metal as the basic material
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 耐溶着性に優れ接触抵抗が低いAgマトリッ
クスとし、寿命の長い接点材料の開発を課題とする。 【解決手段】 1 Ag中に、5〜10重量%のSn、
0.3〜1.5重量%のBiが固溶したAg固溶体を、
その融点以上の温度で内部酸化することにより4.1〜
11.9重量%のSnO2 、1.1〜5.3重量%のS
2 Bi2 7 、0.01重量%以下のBi2 3 とし
て顕在せしめ、SnO2 及びSn2 Bi27 は平均粒
径0.1ミクロン〜0.7ミクロンの球状体として分散
せしめ、残部をAgとした電気接点材料。 2 表面層が前項1記載の電気接点材料から成り、ベー
ス層がCu又はCu合金である2層乃至3層クラッドと
したクラッドリベット接点、とするか、又は2層乃至5
層クラッドとしたクラッドクロスバー接点。 3 前項2記載のクラッドリベット接点及びクラッドク
ロスバー接点を、電気接触子として使用した自動車用リ
レー、及びテレビ電源用リレー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、開閉接点材料に係
わり、具体的には、自動車部品に使われるリレー、及び
テレビ電源用リレーに好適な耐溶着性を有する電気接点
材料から成る、クラッドリベット接点、クラッドクロス
バー接点を電気接触子として使用した自動車用リレー及
びテレビ電源用リレーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気回路を機械的に開閉を行う電気接触
子を一般に電気接点と呼ぶが、電気接点は、金属と金属
とが接触し、そこに流れる電流・信号を支障なく伝える
ことや、切り離した時に支障なく開離できるものでなけ
ればならない。
【0003】近年、電子・電気工学の著しい発展に伴
い、電気接点の使用範囲も電信電話や、各種電子機器な
どの弱電分野から、大電流を遮断する電気機器などの強
電分野に至るまで広い範囲にわたっている。この様な状
況の下で、電気接点は、軽薄短小化・高信頼性等、非常
に厳しい特性が要求されてきている。
【0004】電気接点は、構造的には非常に簡単である
が、接点表面には物理的にも化学的にも種々な現象が起
こることが知られ、例えば、吸着、酸化、硫化、有機化
合物の合成、更には、放電を伴う溶融、蒸発、消耗、移
転等を挙げる事が出来る。
【0005】これらの現象が発生すると電気接点の接触
機能を阻害し、時として、その機能が停止(例えば溶
着)してしまうため、電気接点は、接触機器全体の性能
・寿命を決定する重要な部品の一つになっている。
【0006】しかし、その重要な部品の一つである電気
接点は、その用途が非常に広範囲であるため要求される
機能は千差万別で、使用目的により意図する特性が異な
ること、また、それぞれの用途に対応して最適化を図っ
て来た過去の経緯からして、実際上非常に多品種の接点
材料が市場に出ている。
【0007】その中でも、本発明に関係する自動車部品
(電圧が14Vで25A以下)には、1〜15重量%の
Cu、残部をAgとしたAg−Cu合金や、5〜15重
量%のSnO2 、残部をAgとしたAg−SnO2 合金
などが著名な材料として使用されている。
【0008】また、交流用としてテレビ電源用(電圧1
00Vで5A以下)には、5〜15重量%のSnO2
残部をAgとしたAg−SnO2 合金などが著名な材料
として使用されている。
【0009】そして、これらの接点材料は、単独(無
垢)で使われることもあるが、多くは、表面層が接点材
料で、下地層がCu又はCu合金の2層乃至3層張りと
したクラッドリベット接点、及び表面層が接点材料で、
下地層がCu又はCu合金の2層乃至5層張りとしたク
ラッドクロスバー接点などに加工され使用される。
【0010】その他、クラッドリベット接点又はクラッ
ドクロスバー接点は、直流、交流、インパルスなどの形
で加えられた信号によりコイル磁束が発生し、その磁気
力で可動鉄片が吸引され、この可動鉄片の動きに応じて
電気接点が開閉する継電器つまりリレーに組込まれて使
われる。
【0011】それら、従来使用されている自動車用リレ
ー及びテレビ電源用リレーにおける共通の問題点として
下記のことが挙げられる。近年、自動車用は小型軽量
化、長寿命化、低コスト化、テレビにあっては大型化
(大電流化)の傾向に伴い、少ない品種のリレーで、し
かも一つのリレーに数多くの機能を持たせ、それを制御
することが行なわれるようになった。
【0012】しかし、従来の材料であるAg−Cu合金
やAg−SnO2 合金は、リレーの小型化を図るために
電気接点を小型化すると、今までより小さな体積で負荷
を導通、遮断することにより仕事量が過度となり、リレ
ーの寿命が極端に短くなり意図する結果を達成すことが
出来なかった。
【0013】具体的には、自動車のヘッドランプ負荷
(240W)では、通常、リレーの寿命として20万回
以上の耐久性が要求されるところ、それを小型化するだ
けで2万回以下で故障した。テレビ電流用のコンデンサ
ー負荷(AC100V、突入電流100A、定常電流2
A)では、リレー寿命として10万回以上の耐久性が要
求されるところ、それを小型化するだけで5万回以下で
故障した。
【0014】それらに共通する原因は、接点の耐溶着性
が著しく低下することに因るもので、リレーとしての機
能に関して大幅ダウンが避けられなかった。しかして、
電気接点を小型化しても、十分な耐溶着性を有し、リレ
ーとしての機能を満足する電気接点材料が要求されるの
である。
【0015】従来、広く使用されていたカドミウムは、
合金素材として接触抵抗、耐溶着、耐摩耗などに平均的
に優れた特性をもつものとして知られているが、現在で
は生活環境に悪影響を及ぼし社会問題となっているもの
で、新しい電気接点材料として本発明においても使用し
ないこと然りである。
【0016】従来、電気接点材料として知られる特公昭
55−5583号(文献1)には、銀中にSnを5〜2
0重量%固溶しBiを0.01〜1.0重量%含む合金
を内部酸化した銀−酸化物がある。このものは合金の融
点より低い650℃で内部酸化を行っているため、Ag
中に酸化物としてSnO2 とBi2 3 が生ずる。文献
1のものは、接点材料が交流電化製品に使用することを
目的としているため、さほど問題にはならなかったが、
直流自動車用リレーとして使用する場合、ならびに交流
製品でもテレビ電源用リレーとして使用すると、Bi2
3 の存在が著しい耐溶着性の劣化を引き起こす。
【0017】自動車用リレーは、例えばヘッドライト用
ランプを制御するときは、閉成時に定格の5倍以上の突
入電流が流れ、ファンモーターを始めとする各種モータ
を制御するときは、閉成時の突入電流及び開離時の逆起
電圧による逆電流という非常に厳しい環境にさらされ
る。つまり、Agマトリックス中に酸化物として、融点
820℃のBi2 3 が存在することが耐溶着性を劣化
させる。そしてこのことは、製造過程における酸化温度
に起因している。
【0018】また、他の例として特開昭55−1009
45号(文献2)には、銀マトリクスに分散している主
たる酸化物がビスマス錫の酸化物(Bi2 Sn2 7 )
であって、その金属合金成分が、金属換算値で、ビスマ
ス3〜6重量%、錫6〜10重量%(ただし、6重量%
を含まない)、残部Agの割合とした電気接点材料が開
示されている。
【0019】しかしながら、この例はビスマスが3〜6
重量%と多いためビスマス錫の酸化物が多く存在する。
接点材料の耐摩耗性は主としてSnO2 の量に起因する
ので、相対的にSnO2 の量の減ったこの接点材料は、
開閉時の接点摩耗が増加し、当然のこととして寿命は短
くなる。文献2には、広義の接点材料として用いる旨の
記載があるのみで、特に自動車用リレー及び具体的にテ
レビ電源用リレーに優れるとの知見はなく、それを自動
車用リレー、テレビ電源用リレーに用いた場合、接点摩
耗が多く寿命が短いものである。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来の電気接点材料の欠点を改良し、それを小型化しても
耐溶着性が高く、リレーに使用したとき大幅にその寿命
を伸ばすことができ、近年の自動車部品の小型軽量化、
長寿命化、低コスト化、汎用化の要求に即応し、それに
十分答えられる、クラッドリベット接点又はクラッドク
ロスバー接点ならびにそれを使用した自動車用リレー
と、テレビ電源用リレーの開発を課題とするものであ
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の解決手段は下記
のとおりである。 1 Ag中に、5〜10重量%のSn、0.3〜1.5
重量%のBiが固溶したAg固溶体を、その融点以上の
温度で内部酸化することにより4.1〜11.9重量%
のSnO2 、1.1〜5.3重量%のSn2 Bi
2 7 、0.01重量%以下のBi2 3 として顕在せ
しめ、残部をAgとしたことを特徴とする電気接点材
料。 2 Ag中に、5〜10重量%のSn、0.3〜1.5
重量%のBiが固溶したAg固溶体を、その融点以上の
温度で内部酸化することにより4.1〜11.9重量%
のSnO2 、1.1〜5.3重量%のSn2 Bi
2 7 、0.01重量%以下のBi2 3 として顕在せ
しめ、さらに不可避不純物から生成するNiOが0.1
重量%以下で存在し、残部をAgとしたことを特徴とす
る電気接点材料。 3 Ag固溶体中に、SnO2 及びSn2 Bi2 7
平均粒径0.1ミクロン〜0.7ミクロンの球状体とし
て分散していることを特徴とする前項1、2記載の電気
接点材料。 4 表面層が前項1、2記載の電気接点材料から成り、
ベース層がCu又はCu合金である2層乃至3層クラッ
ドとしたことを特徴とするクラッドリベット接点。 5 表面層が前項1、2記載の電気接点材料から成り、
ベース層がCu又はCu合金である2層乃至5層クラッ
ドとしたことを特徴とするクラッドクロスバー接点。 6 前項4、5記載のクラッドリベット接点及びクラッ
ドクロスバー接点は、電気接触子として使用することを
特徴とする自動車用リレー。 7 前項4、5記載のクラッドリベット接点及びクラッ
ドクロスバー接点は、電気接触子として使用することを
特徴とするテレビ電源用リレー。
【0022】本発明は、開閉接点材料について種々実験
を行い、Agマトリックス中にSnO2 が4.1〜1
1.9重量%、及びSn2 Bi2 7 が1.1〜5.3
重量%含有し、かつ内部酸化の温度をその合金の融点以
上にし、Bi2 3 を0.01%以下に制御した時に極
めて優れた耐溶着性を有し、電気接点を小型化しても、
従来技術により製造されたものに比して実用上何ら遜色
のない耐溶着性が得られることを知見したのである。
【0023】本発明においても、主たる耐摩耗性、耐溶
着性はSnO2 の効果であり、SnO2 の添加量を増や
せば耐溶着性も向上する。そのため、SnO2 の添加量
が4.1重量%未満では、実用に耐えうる耐溶着性を持
たず、11.9重量%を超えると、接触抵抗の増大によ
る部品の信頼性の低下、材料の加工性(例えば伸び率)
の減少による製造コストの増大などの理由でまた実用上
問題を残す。このSnO2 の添加量は、8〜11重量%
が最も効果的な範囲である。
【0024】
【発明の実施の形態】前記、文献2(特開昭55−10
0945号)に係わるAg−SnO2 −Sn2 Bi2
7 合金は、酸化物としてSnO2 よりSn2 Bi2 7
に重点を置き、その量も多いのに比して、本発明の課題
を解決するには、主たる酸化物としてSnO2 に重点を
置いた方が好結果を与え、それに僅かのSn2 Bi2
7 が存在することにより十分な耐摩耗性を維持しながら
飛躍的に耐溶着性が向上することが判明した。
【0025】しかしながら、Sn2 Bi2 7 の添加量
が1.1重量%未満では、見るべき添加効果はほとんど
現れず、5.3重量%を超えると、材料の加工性(例え
ば伸び率)が減少するに伴い、開閉時の接点摩耗量が増
え、結果として、寿命が短くなる。このSn2 Bi2
7 の添加量は、2.5〜4.5重量%が最も効果的な範
囲である。
【0026】一般に電気接点には、NiOを添加するこ
とが多いが、本発明の目的とする電気的負荷にあって
は、接点の開閉中に発生するアークにより、NiOは容
易にNiに還元し、NiとNiで溶着を起こすことを発
見した。また、NiOはほとんど絶縁体に近く局部的に
接触抵抗を高める結果、接点の接触信頼性が低下し、ジ
ュール熱による接点の温度上昇を引き起こすことも多々
ある。
【0027】よって、不可避不純物から生成するNiO
の許容範囲は0.1重量%以下であり、それを超えると
耐溶着性は低下する。望ましくはNiOは0.01重量
%以下に抑えるのが最も好ましい。
【0028】また、従来の接点材料は、Agマトリック
ス中に酸化物を分散させると、著しく加工性の低下を招
くが、本発明における熱処理条件は、SnとBiがAg
中に固溶しているAg固溶体を、その融点以上の温度で
内部酸化させることで良好な結果が得られるのであり、
その温度範囲は700℃〜960℃である。
【0029】しかして、Agマトリックス中に、SnO
2 及びSn2 Bi2 7 の酸化物が、平均粒径で0.1
ミクロン〜0.7ミクロンの極めて粒の揃った球状とし
て、均一に生成し分散させることに成功し、この極めて
粒の揃った球状の酸化物により、著しい加工性の低下と
いう弊害を防止することができた。
【0030】一般的に、接点材料として、Agマトリッ
クス中に酸化物を分散させて利用するが、その製造法に
は大別して内部酸化法と粉末冶金法がある。内部酸化と
は、Ag中にSnなどの添加元素を入れたAg固溶体を
作り、限られた範囲の酸化条件(温度、酸素分圧、時
間)で起こる現象(合金表面に酸化皮膜を作らずに、A
gマトリックス中に酸化物が析出する)を利用した電気
接点の製造方法の一つである。
【0031】本発明の実施の形態として留意する点は、
Sn及びBiを固溶したAgマトリックス中に、Bi酸
化物としてBi2 3 が生じない温度範囲で熱処理して
内部酸化させることにあり、しかもBi酸化物としてS
2 Bi2 7 は、副次的に少量存在するAgマトリッ
クスであることが鍵となる。前記した文献1の如く65
0℃ではBi2 3 が生じて、Agマトリックスの耐溶
着性が劣る。
【0032】本発明の好適温度範囲は、特許請求の範囲
に規定したAgマトリックスの融点以上(700℃〜9
60℃)で内部酸化させることにより、雰囲気中のO2
がOとなって内部まで浸透して、Agは酸化することな
く、Agマトリックス中に既に存在しているSn及びB
iと接触し反応して、各々SnO2 及びSn2 Bi2
7 として顕在する。その量は4.1〜11.9重量%の
SnO2 、1.1〜5.3重量%のSn2 Bi2 7
0.01重量%以下のBi2 3 である。
【0033】上述の温度範囲で酸化処理することで、S
nO2 もSn2 Bi2 7 も全て均一な球状を呈し(図
2、図3参照)、各径のサイズも0.1ミクロン〜0.
7ミクロンと粒径が揃っている。次に、実施例及び従来
例、比較例につき具体的に記述する。なお従来例は本発
明の先行技術である。
【0034】
【実施例及び従来例、比較例の試験方法】
1 イ 自動車用リレーの試験条件 電圧 14V 突入電流 110A 定常電流 20A 負荷 自動車用ヘッドライト(240W) 通電時間 1秒 休止時間 9秒 試験台数 9台 ロ テレビ電源用リレーの試験条件 電圧 100V 突入電流 100A 定常電流 2A 負荷 コンデンサー負荷 通電時間 1秒 休止時間 9秒 試験台数 9台 2 形状パラメーターm値(自動車用リレーのみ) 故障の発生現象をmの値によって分類する。m値が1を
超えると開閉回数の増加と共に瞬間の故障率が単調に増
加してゆく摩耗型故障を意味し、m値が1の場合は開閉
回数が増加しても瞬間の故障率が常に一定の偶発故障を
意味する。また、m値が1未満の場合は開閉回数の増加
と共に瞬間の故障率が単調に減少してゆく初期不良型故
障を意味する。一般に、m値が1より大きければ、母集
団中の最初の一個目が故障するまでの開閉回数が長くな
り、品質保証又は寿命を保証する上で良いとされる。 3 累積故障率5%の開閉回数(自動車用リレーのみ) 母集団がワイブル分布をなすと仮定したとき全体の5%
が故障するまでの開閉回数、つまり、n=20の時、最
初の1個目が故障すると期待される開閉回数で、累積故
障率5%の開閉回数が大きいほど、寿命を保証する上で
良いとされる。 4 接触抵抗(自動車用リレー、テレビ電源用リレー共
通) リレーのコイルに通電し接点が閉じている時、ミリオー
ムメータにより測定(交流四端子法)し、9個の加重平
均とした。
【0035】
【実施例、従来例、比較例】実施例1〜9、従来例1、
2、比較例1〜8は、図1に記載した成分組成の材料で
試験を行い、その試験結果を示す。
【0036】図1に記載した各成分組成の材料にて、順
次、溶解−ガスアトマイズ(粉体化)−乾燥−分級によ
り、100ミクロン〜500ミクロンの粉体に加工し
た。次に粉体をAgの皿に入れて、その合金の融点以上
の温度で内部酸化処理を行った。各々の融点は異なるが
750℃で行った。(但し、比較例8は、Ag固溶体の
融点が665℃であるから、融点以下の600℃で内部
酸化を行い、生成酸化物が実施例とは異なるBi2 3
を析出させた。) また、従来例は特公平6−10940号に従い内部酸化
を行った。
【0037】内部酸化した粉末は、圧縮、焼結を繰返
し、15kgのビレットを作り、さらに熱間押出しによ
り直径6mmの線材に加工した。直径6mmの線材は、
伸線加工により直径2.4mmの線まで加工し、冷間圧
接法によりCu台金と接合してクラッドリベット接点を
得た。クラッドリベット接点は、評価用のリレーに組込
み、前記リレー試験条件で評価した。試験結果は各々図
1に示す。但し、比較例3、4は線材の加工ができなか
ったので、評価を行わなかった。
【0038】次に、各図について説明する。図1は、実
施例及び従来例、比較例の試験結果を示す。図2は、実
施例5により試作した接点材料(直径2.4mm)のA
gマトリックス中に分散している酸化物の分散状態を観
察するために、光学金属顕微鏡で800倍で投影した写
真である。白いAg粒子中に黒い酸化物が均一に分散し
て顕在している。図3は、その接点材料から化学的手法
によりAgと酸化物とを分離し、酸化物粒子の大きさの
ばらつきを調べるために、走査型電子顕微鏡で7,50
0倍に撮影した写真で、写真下部のスケールは一本が1
ミクロンである。その酸化物は均一な粒径を保っている
ことが判る。図4は、従来例2により試作した接点材料
(直径2.4mm)のAgマトリックス中に分散してい
る酸化物の分散状態を観察するために、光学金属顕微鏡
で800倍で投影した写真である。その中央部に黒い酸
化物が部分的に凝集しているのが判る。図5は、その接
点材料から化学的手法によりAgと酸化物とを分離し、
酸化物粒子の大きさのばらつきを調べるために、走査型
電子顕微鏡で7,500倍に撮影した写真で、写真下部
のスケールは一本が1ミクロンである。分離した酸化物
は粒子径の大小ばらつきが顕著である。図6は、テレビ
電源用リレーに使用した電気接点材料について、本発明
の実施例5及び実施例8のものと、従来の比較例1及び
比較例2のものとを対比した溶着試験の結果を示す。実
施例では溶着して不能となったものは皆無であった。
【0039】添付した図1〜3を見れば明らかなよう
に、自動車用リレーについて実施例1〜9によると、酸
化前の金属換算値でSnの添加量を5〜9.5重量%と
多くなるに従い、電気接点の寿命は向上してゆく。ま
た、図4に示すように従来例では酸化物が凝集した濃色
の部分が存在するが、図2に示すように実施例では酸化
物が濃色に凝集している部分は存在せず、酸化物は均一
に分散している。そして、図3の実施例と図5の比較例
を対比して見れば、酸化物粒子の均整性に雲泥の差があ
ることが理解できる。
【0040】その他、実施例4、5、従来例1、比較例
5、6から明らかなように、Biの添加量は、電気接点
の寿命という点では、適度の添加量が良いことが判る。
また、実施例5、比較例7から見てNiの添加につい
て、NiOは容易にNiに還元し、NiとNi同志で溶
着を起こすために、電気接点の寿命に対しては逆効果で
あることが判る。
【0041】図6は、テレビ電源用リレーに使用した電
気接点材料について、本発明の実施例5及び実施例8の
ものと、従来の比較例1及び比較例2のものとを対比し
た溶着試験の結果を示した。試験台数は各々9台づつ行
い、10万回開閉する間に溶着して不能になった台数
は、実施例5及び実施例8については皆無で、比較例1
及び比較例2では各々4台、2台が溶着して不能となっ
た。
【0042】
【発明の効果】本発明に基づいて内部酸化したAgマト
リックスは、各組成分の粒子が全て均一な球状を呈し、
銀−錫−ビスマスの特定の配合比としたから、電気接点
材料としての耐摩耗性、耐溶着性に優れ、しかも、電気
的接触抵抗は低く、結果として電気接点材料としての寿
命を大幅に引き延ばすことが可能となった。
【0043】また、本発明の電気接点材料は、内部酸化
法で作られるが、Ag粉とそれぞれの酸化物を混合して
作る粉末冶金法でも、十分な性能が得られる。また本発
明に係る電気接点材料は、自動車部品用リレー及びテレ
ビ電源用リレーに限らず、家電用の機器においても中負
荷用のリレー全般に有効に利用出来、特別顕著な効果を
発揮する。
【0044】
【図面の簡単な説明】
図1 実施例及び従来例、比較例の試験結果を示す。 図2 本発明の温度範囲内(実施例5)で試作した接点材料
(直径2.4mm)のAgマトリックス中に分散してい
る酸化物の分散状態を観察するために、光学金属顕微鏡
で800倍で投影した写真である。 図3 図2の接点材料から化学的手法によりAgと酸化物とを
分離し、酸化物粒子の大きさのばらつきを調べるため
に、走査型電子顕微鏡で7,500倍に撮影した写真
で、写真下部のスケールは一本が1ミクロンである。 図4 本発明の温度範囲外(従来例2)で試作した接点材料
(直径2.4mm)のAgマトリックス中に分散してい
る酸化物の分散状態を観察するために、光学金属顕微鏡
で800倍で投影した写真である。 図5 図4の接点材料から化学的手法によりAgと酸化物とを
分離し、酸化物粒子の大きさのばらつきを調べるため
に、走査型電子顕微鏡で7,500倍に撮影した写真
で、写真下部のスケールは一本が1ミクロンである。 図6 テレビ電源用リレーに使用した電気接点材料について、
本発明のものと、従来のものとを対比して溶着試験を行
った結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 哲也 神奈川県平塚市新町2番73号 田中貴金属 工業株式会社技術開発センター内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ag中に、5〜10重量%のSn、0.
    3〜1.5重量%のBiが固溶したAg固溶体を、その
    融点以上の温度で内部酸化することにより4.1〜1
    1.9重量%のSnO2 、1.1〜5.3重量%のSn
    2 Bi2 7 、0.01重量%以下のBi2 3 として
    顕在せしめ、残部をAgとしたことを特徴とする電気接
    点材料。
  2. 【請求項2】 Ag中に、5〜10重量%のSn、0.
    3〜1.5重量%のBiが固溶したAg固溶体を、その
    融点以上の温度で内部酸化することにより4.1〜1
    1.9重量%のSnO2 、1.1〜5.3重量%のSn
    2 Bi2 7 、0.01重量%以下のBi2 3 として
    顕在せしめ、さらに不可避不純物から生成するNiOが
    0.1重量%以下で存在し、残部をAgとしたことを特
    徴とする電気接点材料。
  3. 【請求項3】 Ag固溶体中に、SnO2 及びSn2
    2 7 は平均粒径0.1ミクロン〜0.7ミクロンの
    球状体として分散していることを特徴とする請求項1、
    2記載の電気接点材料。
  4. 【請求項4】 表面層が請求項1、2記載の電気接点材
    料から成り、ベース層がCu又はCu合金である2層乃
    至3層クラッドとしたことを特徴とするクラッドリベッ
    ト接点。
  5. 【請求項5】 表面層が請求項1、2記載の電気接点材
    料から成り、ベース層がCu又はCu合金である2層乃
    至5層クラッドとしたことを特徴とするクラッドクロス
    バー接点。
  6. 【請求項6】 請求項4、5記載のクラッドリベット接
    点及びクラッドクロスバー接点を、電気接触子として使
    用することを特徴とする自動車用リレー。
  7. 【請求項7】 請求項4、5記載のクラッドリベット接
    点及びクラッドクロスバー接点を、電気接触子として使
    用することを特徴とするテレビ電源用リレー。
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