JP2002030376A - Ni金属粒子分散型のAg−Ni系合金開閉接点素材及びそれを使用したリレー - Google Patents
Ni金属粒子分散型のAg−Ni系合金開閉接点素材及びそれを使用したリレーInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、AC100V〜250Vの範囲で、
1〜20A程度の抵抗負荷に用いられる交流汎用リレー
において、従来のAg−CdO系のものと比較して、よ
り消耗が少なく、小型化しても長寿命化が図れる開閉接
点素材を提供するものである。 【解決手段】 機械的な開閉動作により電気的な開閉を
行う開閉部に使用するAg−Ni系合金開閉接点素材に
おいて、3.1〜20.0重量%のNi粉末と、添加物
として金属換算で0.01〜0.50重量%のLiに相
当するLi2CO 3粉末と、残部Ag粉末とを混合して
撹拌することにより、均一に分散された混合物を形成
し、該混合物を成形処理、焼結処理して得られたNi金
属粒子分散型のAg−Ni系合金開閉接点素材とした。
1〜20A程度の抵抗負荷に用いられる交流汎用リレー
において、従来のAg−CdO系のものと比較して、よ
り消耗が少なく、小型化しても長寿命化が図れる開閉接
点素材を提供するものである。 【解決手段】 機械的な開閉動作により電気的な開閉を
行う開閉部に使用するAg−Ni系合金開閉接点素材に
おいて、3.1〜20.0重量%のNi粉末と、添加物
として金属換算で0.01〜0.50重量%のLiに相
当するLi2CO 3粉末と、残部Ag粉末とを混合して
撹拌することにより、均一に分散された混合物を形成
し、該混合物を成形処理、焼結処理して得られたNi金
属粒子分散型のAg−Ni系合金開閉接点素材とした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交流汎用リレーの
耐久性向上に関するものであり、特にAC100V〜2
50Vの範囲で、1〜20A程度の抵抗負荷に用いられる
交流汎用リレーにおいて、従来のAg−CdO系開閉接
点素材よりも優れた耐久性を有するNi金属粒子分散型
のAg−Ni系合金開閉接点素材及びそれを使用したリ
レーに関する。
耐久性向上に関するものであり、特にAC100V〜2
50Vの範囲で、1〜20A程度の抵抗負荷に用いられる
交流汎用リレーにおいて、従来のAg−CdO系開閉接
点素材よりも優れた耐久性を有するNi金属粒子分散型
のAg−Ni系合金開閉接点素材及びそれを使用したリ
レーに関する。
【0002】
【従来の技術】機械的な開閉動作により電気的な開閉を
行う開閉部に使用する電気接触子は、一般に電気接点と
呼ばれる。この電気接点は、金属と金属とが接触するこ
とで、接点に流れる電流・信号を支障なく伝えること、
及び切り離した際に支障なく開離できることを要件とす
る。
行う開閉部に使用する電気接触子は、一般に電気接点と
呼ばれる。この電気接点は、金属と金属とが接触するこ
とで、接点に流れる電流・信号を支障なく伝えること、
及び切り離した際に支障なく開離できることを要件とす
る。
【0003】電気接点は、構造的に簡単なものではある
が、その接点表面では、物理的或いは化学的な種々の現
象が起こることは常識となっている。例えば、吸着、酸
化、硫化、有機化合物の合成、さらには、放電を伴う溶
融、蒸発、消耗、転移等が挙げられ、その現象は非常に
複雑なものであり、学問的にも未解明な部分が多く、そ
の電気接点素材の品質の良否に因るところは大きい。
が、その接点表面では、物理的或いは化学的な種々の現
象が起こることは常識となっている。例えば、吸着、酸
化、硫化、有機化合物の合成、さらには、放電を伴う溶
融、蒸発、消耗、転移等が挙げられ、その現象は非常に
複雑なものであり、学問的にも未解明な部分が多く、そ
の電気接点素材の品質の良否に因るところは大きい。
【0004】これらの現象が発生すると、電気接点の接
触機能が阻害され、場合によっては接触機能が停止(例
えば、溶着)してしまい、電気接点を組み込んだ電気製
品等の性能や寿命を決定する。これは、電気接点が電気
製品等の寿命や性能を決定する重要な部品の一つである
ことを意味するものである。
触機能が阻害され、場合によっては接触機能が停止(例
えば、溶着)してしまい、電気接点を組み込んだ電気製
品等の性能や寿命を決定する。これは、電気接点が電気
製品等の寿命や性能を決定する重要な部品の一つである
ことを意味するものである。
【0005】近年、電子・電気工学の著しい発展に伴
い、電気接点の使用範囲は、電信電話や各種電子機器な
どの弱電分野から、大電流を遮断する電気機器などの強
電分野に至るまで広い範囲にわたっている。そのため、
要求される機能も千差万別で、使用目的に適合した特性
を有する電気接点の開発が進められ、非常に多くの種類
のものが市場に供給されている。
い、電気接点の使用範囲は、電信電話や各種電子機器な
どの弱電分野から、大電流を遮断する電気機器などの強
電分野に至るまで広い範囲にわたっている。そのため、
要求される機能も千差万別で、使用目的に適合した特性
を有する電気接点の開発が進められ、非常に多くの種類
のものが市場に供給されている。
【0006】このような電気接点のうち、本発明が課題
としている交流汎用リレーやスイッチについて、従来の
一般技術常識は下記に示す如きである。即ち、リレーや
スイッチに組み込まれる電気接触子は、いわゆる開閉接
点と呼ばれ、この開閉接点に用いられる電気接点素材に
は、特に、安定した開閉機構を維持するための耐消耗性
や耐転移性、安定した接触状態を維持するための低接触
抵抗性が要求される。
としている交流汎用リレーやスイッチについて、従来の
一般技術常識は下記に示す如きである。即ち、リレーや
スイッチに組み込まれる電気接触子は、いわゆる開閉接
点と呼ばれ、この開閉接点に用いられる電気接点素材に
は、特に、安定した開閉機構を維持するための耐消耗性
や耐転移性、安定した接触状態を維持するための低接触
抵抗性が要求される。
【0007】交流汎用リレー等に用いられているもので
あって、古くから知られているものには、Ag−CdO
系(10〜15重量%のCdOと残部Agとからなる合
金)などの開閉接点素材がある。
あって、古くから知られているものには、Ag−CdO
系(10〜15重量%のCdOと残部Agとからなる合
金)などの開閉接点素材がある。
【0008】これらの電気接点素材は、単独でそのまま
用いられることもあるが、下地層としてのCu又はCu
合金の上に積層した、二層から三層張りのクラッドリベ
ット接点や、或いは、下地層としてのCu又はCu合金
の上に積層した、二層から五層張りのクラッドクロスバ
ー接点などに加工して使用されることが多い。このクラ
ッドリベット接点やクラッドクロスバー接点は、直流、
交流、インパルスなどの形で加えた電気信号によりコイ
ル磁束を発生させ、その磁気力で可動鉄片を吸引するこ
とで、可動鉄片の動きに応じて電気接点が開閉する継電
器、つまり、リレーに組み込まれて使用されている。
用いられることもあるが、下地層としてのCu又はCu
合金の上に積層した、二層から三層張りのクラッドリベ
ット接点や、或いは、下地層としてのCu又はCu合金
の上に積層した、二層から五層張りのクラッドクロスバ
ー接点などに加工して使用されることが多い。このクラ
ッドリベット接点やクラッドクロスバー接点は、直流、
交流、インパルスなどの形で加えた電気信号によりコイ
ル磁束を発生させ、その磁気力で可動鉄片を吸引するこ
とで、可動鉄片の動きに応じて電気接点が開閉する継電
器、つまり、リレーに組み込まれて使用されている。
【0009】この従来のAg−CdO系開閉接点素材
は、AC100V〜250Vの範囲の交流負荷に対し
て、耐消耗性、耐転移性、低接触抵抗性を実用的なレベ
ルで満足したものであるが、次のような新たな問題が指
摘されている。
は、AC100V〜250Vの範囲の交流負荷に対し
て、耐消耗性、耐転移性、低接触抵抗性を実用的なレベ
ルで満足したものであるが、次のような新たな問題が指
摘されている。
【0010】まず、従来の開閉接点素材が、小型化要求
に対応した材料ではないという点である。家電製品の高
機能・高性能化に伴い、搭載する電気部品量が増加し、
部品自体の小型化が進行している。そのため、コスト的
な面も考慮されて、リレーやスイッチ自体の小型化が要
望されているものの、従来の開閉接点素材では、その小
型化に対応しきれないのである。
に対応した材料ではないという点である。家電製品の高
機能・高性能化に伴い、搭載する電気部品量が増加し、
部品自体の小型化が進行している。そのため、コスト的
な面も考慮されて、リレーやスイッチ自体の小型化が要
望されているものの、従来の開閉接点素材では、その小
型化に対応しきれないのである。
【0011】即ち、リレーの小型化を図るために、開閉
接点素材の体積を小さくすると、導通・遮断時における
仕事量が材料の単位体積比で大きく増加してしまう結
果、従来のものでは材料自体の消耗が早くなり、故障が
早期に発生するのである。
接点素材の体積を小さくすると、導通・遮断時における
仕事量が材料の単位体積比で大きく増加してしまう結
果、従来のものでは材料自体の消耗が早くなり、故障が
早期に発生するのである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上のような事情を背
景として本発明はなされたものであり、本発明は、交流
汎用リレーにおいて、従来のAg−CdO系のものと比
較して、より消耗が少なく、小型化しても長寿命化が図
れる開閉接点素材を提供せんとするものである。
景として本発明はなされたものであり、本発明は、交流
汎用リレーにおいて、従来のAg−CdO系のものと比
較して、より消耗が少なく、小型化しても長寿命化が図
れる開閉接点素材を提供せんとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、次のようなN
i金属粒子分散型のAg−Ni系合金開閉接点素材を見
出すに至った。それは、機械的な開閉動作により電気的
な開閉を行う開閉部に使用するAg−Ni系合金開閉接
点素材において、3.1〜20.0重量%のNi粉末
と、添加物として金属換算で0.01〜0.50重量%
のLiに相当するLi2CO3粉末と、残部Ag粉末と
を混合して撹拌することにより、均一に分散された混合
物を形成し、該混合物を成形処理、焼結処理して得られ
たことを特徴とするNi金属粒子分散型のものである。
に、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、次のようなN
i金属粒子分散型のAg−Ni系合金開閉接点素材を見
出すに至った。それは、機械的な開閉動作により電気的
な開閉を行う開閉部に使用するAg−Ni系合金開閉接
点素材において、3.1〜20.0重量%のNi粉末
と、添加物として金属換算で0.01〜0.50重量%
のLiに相当するLi2CO3粉末と、残部Ag粉末と
を混合して撹拌することにより、均一に分散された混合
物を形成し、該混合物を成形処理、焼結処理して得られ
たことを特徴とするNi金属粒子分散型のものである。
【0014】本発明の開閉接点素材は、Agマトリック
ス中に、Ni金属粒子が分散しており、加えてLi2C
O3が分散されたAg−Ni系合金となってものであ
る。本発明のNi金属粒子分散型のAg−Ni系合金開
閉接点素材によれば、開閉接点素材自体の体積を小さく
しても、AC100V〜250V、1〜20Aの範囲の
交流負荷に対して、耐消耗性、耐転移性、低接触抵抗性
を実用的なレベルで満足し、長期の使用、即ち、長寿命
化を達成することができるものとなる。
ス中に、Ni金属粒子が分散しており、加えてLi2C
O3が分散されたAg−Ni系合金となってものであ
る。本発明のNi金属粒子分散型のAg−Ni系合金開
閉接点素材によれば、開閉接点素材自体の体積を小さく
しても、AC100V〜250V、1〜20Aの範囲の
交流負荷に対して、耐消耗性、耐転移性、低接触抵抗性
を実用的なレベルで満足し、長期の使用、即ち、長寿命
化を達成することができるものとなる。
【0015】本発明のNi金属粒子分散型のAg−Ni
系合金開閉接点素材におけるNiは、Agマトリックス
中にNi金属粒子として存在し、AC100V〜250
V、1〜20Aの範囲での交流汎用リレーに使用した際
の耐消耗性向上に寄与するものである。このNi量は、
3.1重量%未満であると、交流汎用リレーとしての実
用的なレベルの耐消耗性を維持することが難しくなり、
20.0重量%を越えると、接触抵抗の安定性の低下、
及び加工性劣化等の接点製造上の問題が生じてくる。交
流汎用リレーに使用する場合おいては、本発明のNi金
属粒子分散型のAg−Ni系合金開閉接点素材における
Ni粉末は、8.0〜15.0重量%とすることが最適
である。
系合金開閉接点素材におけるNiは、Agマトリックス
中にNi金属粒子として存在し、AC100V〜250
V、1〜20Aの範囲での交流汎用リレーに使用した際
の耐消耗性向上に寄与するものである。このNi量は、
3.1重量%未満であると、交流汎用リレーとしての実
用的なレベルの耐消耗性を維持することが難しくなり、
20.0重量%を越えると、接触抵抗の安定性の低下、
及び加工性劣化等の接点製造上の問題が生じてくる。交
流汎用リレーに使用する場合おいては、本発明のNi金
属粒子分散型のAg−Ni系合金開閉接点素材における
Ni粉末は、8.0〜15.0重量%とすることが最適
である。
【0016】Li2CO3もNi金属粒子と同様に、A
gマトリックス中に粒子として存在し、AC100V〜
250V、1〜20Aの範囲での交流汎用リレーの用途
では、従来のCdOと同様のアーク消去作用を示し、耐
消耗性の向上に寄与している。しかしながら、金属換算
でLiが0.01重量%未満であると、Li2CO3の
効果が認められなくなり、0.50重量%を越えると、
接触抵抗の安定性が低下すると共に、素材としての焼結
性が低下し、製造することが難しくなる。交流汎用リレ
ーに使用する場合、本発明のNi金属粒子分散型のAg
−Ni系合金開閉接点素材におけるLi2CO3粉末
は、金属換算でLiが0.05〜0.2重量%とするこ
とが最適である。
gマトリックス中に粒子として存在し、AC100V〜
250V、1〜20Aの範囲での交流汎用リレーの用途
では、従来のCdOと同様のアーク消去作用を示し、耐
消耗性の向上に寄与している。しかしながら、金属換算
でLiが0.01重量%未満であると、Li2CO3の
効果が認められなくなり、0.50重量%を越えると、
接触抵抗の安定性が低下すると共に、素材としての焼結
性が低下し、製造することが難しくなる。交流汎用リレ
ーに使用する場合、本発明のNi金属粒子分散型のAg
−Ni系合金開閉接点素材におけるLi2CO3粉末
は、金属換算でLiが0.05〜0.2重量%とするこ
とが最適である。
【0017】この本発明に係るNi金属粒子分散型のA
g−Ni系合金開閉接点素材を用いてリレーを構成する
と、リレーの小型化が図れると共に、AC100V〜2
50V、1〜20Aの範囲の交流負荷に対して、耐消耗
性、耐転移性、低接触抵抗性を実用的なレベルで満足
し、長期の使用、即ち、長寿命化を達成することができ
るものとなる。
g−Ni系合金開閉接点素材を用いてリレーを構成する
と、リレーの小型化が図れると共に、AC100V〜2
50V、1〜20Aの範囲の交流負荷に対して、耐消耗
性、耐転移性、低接触抵抗性を実用的なレベルで満足
し、長期の使用、即ち、長寿命化を達成することができ
るものとなる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態について、以
下に記載する実施例に基づいて説明する。表1中に記載
する実施例1は本発明のNi金属粒子分散型のAg−N
i系合金開閉接点素材であり、従来例1は、従来のAg
−Ni合金開閉接点素材であり、さらに比較例1は、汎
用リレーに主に使用されている開閉接点素材である。
下に記載する実施例に基づいて説明する。表1中に記載
する実施例1は本発明のNi金属粒子分散型のAg−N
i系合金開閉接点素材であり、従来例1は、従来のAg
−Ni合金開閉接点素材であり、さらに比較例1は、汎
用リレーに主に使用されている開閉接点素材である。
【0019】
【表1】
【0020】実施例1のNi金属粒子分散型のAg−N
i系合金開閉接点素材は、10.0重量%のNi粉末
と、添加物として金属換算で0.1重量%のLiに相当
するLi2CO3粉末と、残部Ag粉末からなる混合物
を、ボールミルにて4時間攪拌し、粉末混合物を均一に
し、そしてその混合物を、円筒容器に詰め、円柱長手方
向から圧力を加えることで、円柱の粉末成形体を作っ
た。この圧縮加工に続いて、1123K(850℃)、
4時間の焼結処理を行った。この圧縮加工及び焼結処理
は、4回繰り返して行った。この圧縮加工及び焼結処理
を施したビレットは、熱間押し出し加工により、直径
6.0mmの線材に形成した。引続き、線引き加工を行
い直径2.3mmの線材にした。続いて、この直径2.
3mmの線材は、ヘッダーマシンによって、頭径3.5
mm、頭厚1mmのリベット接点を作成した。
i系合金開閉接点素材は、10.0重量%のNi粉末
と、添加物として金属換算で0.1重量%のLiに相当
するLi2CO3粉末と、残部Ag粉末からなる混合物
を、ボールミルにて4時間攪拌し、粉末混合物を均一に
し、そしてその混合物を、円筒容器に詰め、円柱長手方
向から圧力を加えることで、円柱の粉末成形体を作っ
た。この圧縮加工に続いて、1123K(850℃)、
4時間の焼結処理を行った。この圧縮加工及び焼結処理
は、4回繰り返して行った。この圧縮加工及び焼結処理
を施したビレットは、熱間押し出し加工により、直径
6.0mmの線材に形成した。引続き、線引き加工を行
い直径2.3mmの線材にした。続いて、この直径2.
3mmの線材は、ヘッダーマシンによって、頭径3.5
mm、頭厚1mmのリベット接点を作成した。
【0021】従来例1も、Li2CO3を添加する以外
は実施例1と同じ工程でリベット接点を作成した。
は実施例1と同じ工程でリベット接点を作成した。
【0022】一方、比較例1は、現在主に使われている
汎用リレー用の開閉接点素材であり、いわゆる内部酸化
法を用いたもので、それによって線材を製造し、その後
は実施例1、従来例1と同様にヘッダーマシンによっ
て、頭径3.5mm、頭厚1mmのリベット接点を作成
した。
汎用リレー用の開閉接点素材であり、いわゆる内部酸化
法を用いたもので、それによって線材を製造し、その後
は実施例1、従来例1と同様にヘッダーマシンによっ
て、頭径3.5mm、頭厚1mmのリベット接点を作成
した。
【0023】それぞれのリベット接点は、交流汎用リレ
ーに組み込み、表2に示す条件により耐久試験を行っ
た。この耐久試験は、5台以上のリレーを使用して行
い、各リレーが故障した耐久寿命開閉回数を表3に、そ
れぞれの結果をワイブル確立紙上に表示したものを図1
に示す。また。表4には、ワイブル確立紙から読みとっ
た、特性寿命値、m値、累積故障率5%での開閉回数を
示している。
ーに組み込み、表2に示す条件により耐久試験を行っ
た。この耐久試験は、5台以上のリレーを使用して行
い、各リレーが故障した耐久寿命開閉回数を表3に、そ
れぞれの結果をワイブル確立紙上に表示したものを図1
に示す。また。表4には、ワイブル確立紙から読みとっ
た、特性寿命値、m値、累積故障率5%での開閉回数を
示している。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】表3に示す耐久試験結果から本実施例1の
Ag−Ni系合金開閉接点素材は、AC250V、10
Aの抵抗負荷で90万回以上の耐久寿命を示すことが確
認された。また、従来例1のものでは、最初の1台目が
約20万回の開閉回数で故障し、本発明で示したLi2
CO3の添加効果が確認された。一方、比較例1のもの
は、最初の1台目が64万回の開閉回数で故障したこと
から、実施例1は、交流汎用領域では現在標準となって
いる比較例1よりも耐久寿命が長く、優れていることも
確認された。
Ag−Ni系合金開閉接点素材は、AC250V、10
Aの抵抗負荷で90万回以上の耐久寿命を示すことが確
認された。また、従来例1のものでは、最初の1台目が
約20万回の開閉回数で故障し、本発明で示したLi2
CO3の添加効果が確認された。一方、比較例1のもの
は、最初の1台目が64万回の開閉回数で故障したこと
から、実施例1は、交流汎用領域では現在標準となって
いる比較例1よりも耐久寿命が長く、優れていることも
確認された。
【0028】また、表4に示すワイブル確立紙から読み
とった各データを比較してみると判るように、特性寿命
値及びm値については、実施例1のものが大きく、寿命
特性的に優れ、故障発生のバラツキがなく安定している
ことが判明した。また、累積故障率5%における開閉回
数は、実施例1のものが最も大きな値となっており、実
用上優れた耐久性を有したものであることが判明した。
とった各データを比較してみると判るように、特性寿命
値及びm値については、実施例1のものが大きく、寿命
特性的に優れ、故障発生のバラツキがなく安定している
ことが判明した。また、累積故障率5%における開閉回
数は、実施例1のものが最も大きな値となっており、実
用上優れた耐久性を有したものであることが判明した。
【0029】次ぎに、ASTM試験による耐消耗性を調
査した結果について説明する。このASTM試験は、上
記したリベット接点を用い、表5に示す条件で開閉動作
を行った後、接点重量の減少した分を消耗量として測定
することによって行ったものである。その結果を図2に
示す。
査した結果について説明する。このASTM試験は、上
記したリベット接点を用い、表5に示す条件で開閉動作
を行った後、接点重量の減少した分を消耗量として測定
することによって行ったものである。その結果を図2に
示す。
【0030】
【表5】
【0031】図5に示すように、実施例1の消耗量は、
平均0.620mgであり、一方、従来例1の消耗量は
平均0.846mgで、比較例1の消耗量は平均0.8
94であり、明らかに実施例1のものが耐消耗性に優れ
ることが確認された。
平均0.620mgであり、一方、従来例1の消耗量は
平均0.846mgで、比較例1の消耗量は平均0.8
94であり、明らかに実施例1のものが耐消耗性に優れ
ることが確認された。
【0032】
【発明の効果】本発明に係るNi金属粒子分散型のAg
−Ni系合金開閉接点素材は、交流汎用リレーの抵抗負
荷において画期的な耐久性向上認められ、交流汎用リレ
ーとしての寿命を大幅に引き延ばすことが可能となっ
た。このことは、今後のさらなる交流汎用リレーの小型
化、長寿命化にも対応できるものである。
−Ni系合金開閉接点素材は、交流汎用リレーの抵抗負
荷において画期的な耐久性向上認められ、交流汎用リレ
ーとしての寿命を大幅に引き延ばすことが可能となっ
た。このことは、今後のさらなる交流汎用リレーの小型
化、長寿命化にも対応できるものである。
【図1】耐久試験により得られたデータをワイブル確立
紙上にプロットしたグラフ。
紙上にプロットしたグラフ。
【図2】ASTM試験による耐消耗性の調査結果を示す
グラフ。
グラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 俊哉 神奈川県平塚市新町2番73号 田中貴金属 工業株式会社技術開発センター内 Fターム(参考) 4K020 AA22 AC05 BB29 5G050 AA01 AA22 AA29 BA06 DA01 EA02
Claims (2)
- 【請求項1】 機械的な開閉動作により電気的な開閉を
行う開閉部に使用するAg−Ni系合金開閉接点素材に
おいて、 3.1〜20.0重量%のNi粉末と、添加物として金
属換算で0.01〜0.50重量%のLiに相当するL
i2CO3粉末と、残部Ag粉末とを混合して撹拌する
ことにより、均一に分散された混合物を形成し、該混合
物を成形処理、焼結処理して得られたことを特徴とする
Ni金属粒子分散型のAg−Ni系合金開閉接点素材。 - 【請求項2】 請求項1に記載のNi金属粒子分散型の
Ag−Ni系合金開閉接点素材を使用したことを特徴と
するリレー
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- 2001-07-18 CN CNB018020917A patent/CN1156593C/zh not_active Expired - Lifetime
- 2001-07-18 WO PCT/JP2001/006219 patent/WO2002008481A1/ja active Application Filing
- 2001-07-18 US US10/070,419 patent/US6746551B2/en not_active Expired - Lifetime
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