JPH09132817A - ゴムホース補強用ポリエステル繊維およびその製造方法 - Google Patents

ゴムホース補強用ポリエステル繊維およびその製造方法

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JPH09132817A
JPH09132817A JP7283042A JP28304295A JPH09132817A JP H09132817 A JPH09132817 A JP H09132817A JP 7283042 A JP7283042 A JP 7283042A JP 28304295 A JP28304295 A JP 28304295A JP H09132817 A JPH09132817 A JP H09132817A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性及び寸法安定性に優れた加圧液体用ホ
ースを製造するに適したゴムホース補強用ポリエステル
繊維およびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 固有粘度が0. 90以上のエチレンテレ
フタレート系ポリエステルよりなり、(a)強度(T)
が5.0g/de以上、(b)0.02g/de荷重下
の200℃乾熱収縮率(SA) が10〜15%、(c)
寸法安定安定指数(Y)が5%以下であるゴムホース補
強用ポリエステル繊維。この様な繊維は、エチレンテレ
フタレート系ポリエステルを溶融紡出し、急冷固化した
後に2000m/分以上の速度で引取って、固有粘度が
09以上、複屈折率が0.06以上、密度が1.35〜
1.37g/cm3 の未延伸糸となし、次いで該未延伸
糸を30℃以下の温度で最大延伸倍率の75〜95%で
延伸して得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐久性に優れた加
圧液体用ゴムホースを製造するに適したゴム補強用ポリ
エステル繊維およびその製造方法に関する。さらに詳し
くは、本発明は、ホース金具内部でのホース端面から補
強繊維層内へ加圧液体が浸透し難い補強コードを提供す
ることが可能なゴムホース補強用ポリエステル繊維およ
びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維は、種々の優れた特性
を有するため、タイヤ、ホース、Vベルト、コンベアベ
ルト等のゴム構造物補強用に広く使用されている。特に
ホース分野においては、例えば自動車エンジンルーム中
で使用されるゴムホースは、エンジンルームのコンパク
ト化、高温化に伴い、該ゴムホースを補強するためのポ
リエステル繊維にも高度な物性が要求されるようになっ
てきた。
【0003】従来、ゴム構造物補強用ポリエステル繊維
の特性としては、例えばタイヤコード用に代表されるよ
うに、高強力化、高モジュラス性、低収縮性、耐疲労性
等が要求され、これらの特性に優れたポリエステル繊維
が、例えば特開平1−282306号公報、特開昭57
−154411号公報、特公昭63−528号公報、特
公平3−23644号公報等に提案されている。かかる
繊維は、例えばラジアルタイヤのカーカス材に用いた場
合には、タイヤ性能の向上やタイヤの生産性向上に大き
く貢献するものとなる。
【0004】しかしながら、このような特性を有するポ
リエステル繊維をゴムホース補強用として用いた場合に
は、補強効果に優れ、且つ寸法安定性の良好なホースが
生産性良く得られるものの、自動車エンジンルーム内の
如く高温高圧下で使用する場合には、ホース端面から補
強繊維層内に各種加圧液体が浸透してホース寿命を短く
するという問題を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の事情
を背景としてなされたものであり、その目的は、使用耐
久性の良好な加圧液体用ホースを製造するに適し、かつ
寸法安定性にも優れたポリエステルコードの得られるゴ
ムホース補強用ポリエステル繊維およびその製造方法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成せんとして鋭意検討の結果、従来のゴム補強用ポ
リエステル繊維は、繊維自体の寸法安定性が良すぎるた
め、これを撚糸、接着剤処理、熱処理してポリエステル
コードとなしても、得られるコードはその繊維の締まり
が不十分なものとなり、その結果ホース端面から加圧液
体が補強繊維層中に浸透してコードとゴムの界面剥離が
発生することを知見した。そしてさらに検討を重ねた結
果、繊維自体の熱収縮率が大きくても、特定の熱収縮特
性を有する繊維は、得られるコードの寸法安定性を損な
うことなくコードの締まりを高くすることができること
を見い出し、本発明に到達した。
【0007】かくして本発明によれば、 (1) エチレンテレフタレートを主たる構成単位とす
る固有粘度が0. 90以上のポリエステルよりなる繊維
であって、下記(a)〜(c)を同時に満足することを
特徴とするゴムホース補強用ポリエステル繊維。 (a)強度(T)が5.0g/de以上 (b)0.02g/de荷重下の200℃乾熱収縮率
(SA) が10〜15% (c)寸法安定安定指数(Y)が5%以下 但しYは、0.5g/deの張力下で200℃・2分間
熱処理した後の繊維の、1.5g/de荷重時の中間伸
度をE(%)、150℃における乾熱収縮率をSB
(%)とした時、Y=E+SBで表される。 (2) エチレンテレフタレートを主たる構成単位とす
るポリエステルを溶融状態で紡出し、急冷固化せしめた
後に引取速度2000m/分以上の速度で引取って、固
有粘度が0.90以上、複屈折率が6000×10-5
上、密度が1.350〜1.370g/cm3 の未延伸
糸を得、次いで該未延伸糸を50℃以下の温度で最大延
伸倍率の75〜95%で延伸することを特徴とするゴム
ホース補強用ポリエステル繊維の製造方法。が提供され
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のゴムホース補強用ポリエ
ステル繊維を構成するポリエステルは、テレフタル酸成
分とエチレングリコール成分とからなるエチレンテレフ
タレート単位を繰り返し単位とするポリエステルを主た
る対象とするが、テレフタル酸以外のジカルボン酸成分
及び/又はエチレングリコール成分以外のグリコール成
分を一部(通常はテレフタル酸成分を基準として10モ
ル%以下)共重合してもよい。またかかるポリエステル
には、必要に応じて安定剤、着色料等の添加剤を含んで
も差し支えない。
【0009】この様なポリエステルよりなる本発明の繊
維の固有粘度は、ゴムホース中において充分な補強効果
を得るために0.9以上、好ましくは0.9〜1.0の
範囲にあることが必要である。0.9未満の場合には、
ゴムホース補強用として充分な強度を有する繊維が得ら
れないだけでなく、後述する本発明の特徴的な熱収縮特
性や寸法安定性指数を有する繊維が得難くなる。
【0010】また本発明のポリエステル繊維の強度は
5.0g/de以上であることが必要であり、これ未満
の場合にはゴムホース補強効果が不充分となる。
【0011】上記に加えて、本発明のポリエステル繊維
は、0.02g/de荷重下の200℃乾熱収縮率(S
A) が10〜15%と高い一方、熱処理後のコードの寸
法安定安定指数(Y)が5%以下と著しく低い特性を有
していることが肝要である。ここで200℃乾熱収縮率
SAは、0.02g/deの張力を負荷した状態で20
0℃下30分間放置した時の収縮率であり、一方寸法安
定性指数(Y)は、0.5g/deの張力を負荷した状
態で200℃下2分間乾熱処理した繊維の、1.5g/
de荷重負荷時における中間伸度E(%)と、その熱処
理した繊維を150℃下30分間処理した時の収縮率S
B( %)との和である。
【0012】従来のゴムホース補強用ポリエステル繊維
のような、それ自体が低い熱収縮特性を有する繊維を初
めとして、0.02g/de荷重負荷時の200℃乾熱
収縮率SAが10%未満の場合には、これをコード化し
た後に緊張熱処理しても、得られるコードは十分には締
まらず、コード内に空隙が生じやすくなってエアーディ
フュージョン性は0.01cm3 /分を越え、本発明の
目的を達することはできなくなる。一方SAが15%を
越える場合には、これをコード化した後に緊張熱処理し
ても十分な低収縮性のコードは得られないので好ましく
ない。
【0013】また、寸法安定性指数Yが5%を越える場
合には、コード化後の緊張熱処理によっても十分に低収
縮化し難くなるので、本発明の目的である高モジュラ
ス、低収縮性で且つ寸法安定性の良好なゴム補強用コー
ドを得ることが困難となる。
【0014】以上に述べた本発明のゴム補強用ポリエス
テル繊維は、例えば以下のごとき方法によって得ること
ができる。すなわち、固有粘度が0.90以上、好まし
くは0.95〜1.10のポリエステルを溶融状態で紡
出し、直ちに急冷固化せしめた後に所望の紡糸油剤を付
与し、次いで引取速度2000m/分以上、好ましくは
2500〜3000m/分で引取ることによって、複屈
折率が6000×10-5以上、密度が1.350〜1.
370g/cm3 の未延伸糸となす。なお前記固有粘度
は、溶融状態で吐出された糸条の固有粘度であって、紡
糸に供したポリエステルの固有粘度とは異なり、得られ
る未延伸糸の固有粘度と略同等のものである。したがっ
て、特開昭57−154411号報に例示されているよ
うな鎖伸長剤を併用する場合には、溶融紡糸に供するポ
リエステルの固有粘度は0.90未満であってもかまわ
ないのである。
【0015】紡出溶融ポリエステルの固有粘度が0.9
0未満の場合には、前記複屈折率及び密度の要件を同時
に満足する高配向高密度未延伸糸を得難いばかりか、強
度が5.0g/d以上の繊維も得難くなる。また引取速
度が2000m/分未満の場合には、高配向未延伸糸を
得るために通常採用される高ドラフト紡糸や超急速急冷
紡糸手段を講じても、前記の高配向未延伸糸を得ること
はできなく不適当である。
【0016】未延伸糸は、その固有粘度が0.90以
上、複屈折率が6000×10-5以上で、密度が1.3
50〜1.370g/cm3 であることが大切である。
複屈折率が上記範囲未満の場合には、得られる延伸糸の
寸法安定性指数が不適当となり、これを補強用コードと
なしても高モジュラス、低収縮性のものは得られない。
一方、密度が1.360g/cm3 未満の場合には、得
られる延伸糸の寸法安定性指数(Y)が不充分となり、
逆に1.370g/cm3 を越える場合には、後述する
延伸が著しく困難となり、安定に製糸することができな
くなるので不適当である。
【0017】なお本発明において、紡出糸条を急冷固化
させる際には、冷却風の吹き上げによる口金面の冷却が
起こって糸斑が増大する場合があるので、口金下50〜
150mmの位置に設けた断熱板を介して、上部に冷却
風送風口、下部に冷却風排風口を有する密閉型紡糸筒を
通して急冷することが好ましい。ここで断熱板の位置が
口金直下50mm未満の場合には糸斑抑制効果は小さく
なり、一方150mmを越える場合には引取速度を極め
て大きくしない限り前述の高配向高密度未延伸糸を得る
ことが困難となる。急冷固化するための冷却風の温度
は、あまりに高いと高配向未延伸糸を得ることが困難と
なり、一方あまりに低いとコスト的に不利になるので、
通常は10〜40℃、好ましくは20〜30℃とする。
【0018】次に、上記未延伸糸を50℃以下、好まし
くは30℃以下の温度で最大延伸倍率の75〜95%、
好ましくは85〜90%の延伸倍率で延伸することが大
切である。この延伸は、紡糸に続いて連続して行って
も、一旦巻き取った後別工程で行ってもよい。また、一
気に一段延伸しても、二段以上に分けて多段延伸しても
よいが、低温延伸のため延伸性が低下しているので、多
段延伸するほうが好ましい。
【0019】延伸温度が50℃を越える場合には、延伸
過程での自己発熱により低温結晶化が進行するため、延
伸性が低下するだけでなく、得られる延伸糸の荷重負荷
時の200℃乾熱収縮率SAが低下する。なお、延伸過
程での自己発熱により冷延伸領域の温度が上昇する傾向
があるので、延伸点近傍を積極的に冷却することが好ま
しい。冷却方法としては、圧空冷却、水冷却いずれでも
よいが、流体抵抗が小さい圧空冷却の方が延伸性の観点
より好ましい。
【0020】また全延伸倍率が最大延伸倍率の75%未
満では、得られる繊維の強度が不十分となり、ゴムホー
ス補強用としては不適当となる。一方95%を越える場
合には、単糸切れが発生して安定に製糸することが困難
となる。
【0021】上記方法によって得られる本発明のポリエ
ステル繊維は、1本又は複数本あわせて撚糸し生コード
となすか、該撚糸を2本以上を合わせて撚糸とは逆方向
の撚りを施して生コードとなす。ここで下記式で定義さ
れる撚係数Kは1〜3が好ましく、1未満ではホースの
耐疲労性が低下し、一方3を越える場合には強度及びモ
ジュラスが低下する。 K=T×D0.5 /2874 但し、Tは撚数(回/m)であり、Dは総繊度を表す。
【0022】次いで上記生コードを接着剤処理した後、
1〜3g/deの張力を負荷しながら200℃以上、好
ましくは210〜240℃で、0.5〜4分、好ましく
は1〜2分熱処理する。ここで接着剤処理は、レゾルシ
ン・フォルマリン・ゴムラッテクス(RFL)とエポキ
シ化合物又は”PEXUL”(ICI社製)との混合液
で常法にしたがって処理する。熱処理はホットゾーンと
ノルマライジングゾーンとからなり、両ゾーンの処理温
度はいずれも200℃以上、好ましくは210〜240
℃である。この温度が200℃未満では寸法安定性の良
好なコードが得難く、またコードの締まりも不充分とな
って、エアーディフュージョン性が0.01cm3 /分
以下の空気透過性の小さいゴムホース補強用コードは得
られないばかりか、コードとホースゴムとの接着性も不
充分なものとなる。また熱処理時の張力が1g/de未
満の場合には処理コードのモジュラスが不充分となり、
一方3g/deを越える場合には低収縮性のコードが得
られない。
【0023】
【作用】従来、ゴムホース補強用ポリエステル繊維とし
ては、寸法安定性の観点より熱収縮率の低いものが用い
られていたが、ホースの端面からコード内に加圧液体が
浸透してホース破裂を引き起こすという問題があった。
これに対して本発明のポリエステル繊維は、0.02g
/de荷重下でも200℃で10%以上収縮するため、
コード作成時の熱処理によってコードは緊密に締まる。
その結果エアディフュージョン性が0.01cm3 /分
以下となって、ホース端面からコード内部への液体の浸
透を抑制することが可能となり、またホースの寿命も長
くなる。しかも寸法安定性指数Yは5%以下と小さいの
で、ゴムホース補強効果に優れ、且つゴムホース成型時
の歩留まりも良好なポリエステルコードが得られるので
ある。
【0024】また、本発明では2000m/分以上の引
取速度で紡糸した複屈折率が6000×10-5以上で密
度が1.350〜1.370g/cm3 の未延伸糸を延
伸しているので、繊維自体の熱収縮率は大きくてもコー
ドとなしたときの寸法安定性指数は十分小さいものが得
られる。さらにこの未延伸糸は、延伸温度を30℃以下
として結晶化が進行しないように延伸するので、張力を
かけた状態でも200℃で十分熱収縮させることが可能
な繊維が得られるのである。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、各物性値は下記の方法により測定した
ものである。 (1)固有粘度 35℃下オルソクロロフェノール溶媒にて測定した。 (2)複屈折率 浸漬液としてブロムナフタリンを使用し、ベレックコン
ペンセーターを用いてレターデーション法により求め
た。(共立出版社発行:高分子実験化学講座 高分子物
性11参照) (3)密度 四塩化炭素/n−ヘプタン密度勾配管を用い、25℃で
測定した (4)繊維の強伸度 引張荷重測定器(島津社製、オートグラフ)を用い、J
IS L−1074−64に従って測定した。 (5)200℃乾熱収縮率(SA) 試料に0.02g/deの荷重を負荷し、JIS L1
013に準じ、200℃下30分間熱処理して測定し
た。 (6)150℃乾熱収縮率(SB) 試料に0.5g/deの荷重を負荷し、200℃下2分
間熱処理した後、JIS L1013に準じ、試料を1
50℃で30分間無張力下で熱処理して測定した。
【0026】(7)コード寸法安定性(Yc) 接着処理後の3000デニールコードに、3Kgの荷重
(1g/de)をかけて中間伸度Ec(%)を測定し、
またJIS L1013に準じ、コードを150℃で3
0分間無熱張力下で熱処理して収縮率Sc( %)を測定
して、Ec+ Scで表した。 (8)エアーデフュージョン性 接着処理後のコード(3000デニール)をゴム板2枚
の間に4本隙間ができないように並べて、150℃下3
0分間加硫し、コード方向の長さが5cmの測定用ピー
スを作成する。コード端面が露出している一方の端面に
一定の空気圧をかけられるようにし、他方の端面にコー
ド中を透過してくる空気透過性を水柱圧力変化から計量
できるようにする。空気圧を2kg/cm2 とし、5分
間放置して空気透過量を測定し、1分あたりの透過量
(cc/分)として表した。 (9)ゴムホース破裂強さ 長さ50cmのゴムホースに、圧力が5Kg/cm2
温度が150℃の湿熱蒸気を通じながら30日間放置
し、ホース表面の亀裂有無から次のように判定した。 ◎:亀裂なし、○:亀裂3個以下、×:亀裂4個以上。 (10)ゴムホース寸法安定性 上記の処理前後のホース長さを測定し、その寸法変化割
合から次のように表した。 ◎:3未満、○:3〜5%、×:5%超
【0027】[実施例1]固有粘度が1.00のポリエ
チレンテレフタレートを300℃で溶融後、孔径1.2
mmの吐出孔を249ホール有する紡糸口金より吐出
し、口金直下120mmの位置に断熱板を介して設置し
た、上部に送風口、下部に排風口を有する長さ700c
mの密閉型紡糸筒を通し、25℃の冷却風を5.0Nm
3 /分の割合で吹きつけて冷却固化し、オイリングロー
ラーを介して油剤を付与してから表1記載の引取速度で
引き取った後、一旦巻き取った。得られた未延伸糸の物
性は表1に示す。
【0028】得られた未延伸糸を、供給ロールと第一段
延伸ロールとの間で40℃下1.4倍に一段延伸した。
この際、供給ロール出側の糸条に、延伸点から長さ10
cmの領域にわたって温度20℃空気圧1kg/cm2
の圧空を吹き付け糸条を冷却した。この延伸糸を、さら
に40℃下1.3倍に第二段延伸し、続いて40℃下
1.05倍に第三段延伸した後熱セットすることなく巻
き取った。なお全延伸倍率は1.91倍(最大延伸倍率
の85%)である。得られた延伸糸を2本合糸し、80
回/mの撚りをかけて生コードとした(撚係数1.5
2)。この生コードを接着剤(レゾルシン・ホルマリン
・ラテックス系接着液)に浸漬し、張力1g/deを負
荷して175℃下2分間乾燥した後、張力2g/deを
負荷して230℃下2分間緊張熱処理した。
【0029】得られた処理コードを交差角108度でブ
レードし、未加硫ゴムを用いてホースに成形し、ついで
150℃下40分間蒸気加硫してゴムホースを得た。結
果は表2に示す。
【0030】[実施例2〜4、比較例1〜5]紡糸速
度、第2段及び第3段の延伸温度、全延伸倍率の最大延
伸倍率に対する割合、又はポリエステルの固有粘度を表
1に記載のごとく変更する以外は実施例1と同様に行っ
た。結果は表2にあわせて示す。なお、実施例4では、
冷却風を7.0Nm3 /分の割合で吹きつけて冷却固化
した。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】以上に説明した本発明のポリエステル繊
維は、高強度で、且つコード作成時には適度に熱収縮す
るのでコードの締まりが良好で、特に加圧液体用ゴムホ
ースにおいてその耐久性が著しく改善され、しかもコー
ド自体の寸法安定性も充分なゴムホース補強材として極
めて有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンテレフタレートを主たる構成単
    位とする固有粘度が0. 90以上のポリエステルよりな
    る繊維であって、下記(a)〜(c)を同時に満足する
    ことを特徴とするゴムホース補強用ポリエステル繊維。 (a)強度(T)が5.0g/de以上 (b)0.02g/de荷重下の200℃乾熱収縮率
    (SA) が10〜15% (c)寸法安定指数(Y)が5%以下 但しYは、0.5g/deの張力下で200℃・2分間
    熱処理した後の繊維の、1.5g/de荷重時の中間伸
    度をE(%)、150℃における乾熱収縮率をSB
    (%)とした時、Y=E+SBで表される。
  2. 【請求項2】 エチレンテレフタレートを主たる構成単
    位とするポリエステルを溶融状態で紡出し、急冷固化せ
    しめた後に引取速度2000m/分以上の速度で引取っ
    て、固有粘度が0.90以上、複屈折率が6000×1
    -5以上、密度が1.350〜1.370g/cm3
    未延伸糸を得、次いで該未延伸糸を50℃以下の温度で
    最大延伸倍率の75〜95%で延伸することを特徴とす
    るゴムホース補強用ポリエステル繊維の製造方法。
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