JPH09132705A - 耐熱性に優れたポリエチレンオキサイド組成物 - Google Patents
耐熱性に優れたポリエチレンオキサイド組成物Info
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- JPH09132705A JPH09132705A JP31732695A JP31732695A JPH09132705A JP H09132705 A JPH09132705 A JP H09132705A JP 31732695 A JP31732695 A JP 31732695A JP 31732695 A JP31732695 A JP 31732695A JP H09132705 A JPH09132705 A JP H09132705A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐熱性が格段に改良され、高温での加工が可
能なポリエチレンオキサイド組成物を提供する。 【解決手段】 ポリエチレンオキサイド(PEO)10
0重量部に対して、イミダゾール系過酸化物分解剤が少
なくとも2重量部配合されて溶融混練されたものであっ
て、前記イミダゾール系化合物としては、2−メルカプ
トベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイ
ミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール亜鉛
塩、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール亜鉛塩が
使用される。又、この組成物中に更に特定のフェノール
系酸化防止剤を少なくとも1重量部を配合することで耐
熱性を一層改良することができる。
能なポリエチレンオキサイド組成物を提供する。 【解決手段】 ポリエチレンオキサイド(PEO)10
0重量部に対して、イミダゾール系過酸化物分解剤が少
なくとも2重量部配合されて溶融混練されたものであっ
て、前記イミダゾール系化合物としては、2−メルカプ
トベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイ
ミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール亜鉛
塩、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール亜鉛塩が
使用される。又、この組成物中に更に特定のフェノール
系酸化防止剤を少なくとも1重量部を配合することで耐
熱性を一層改良することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性に優れたポ
リエチレンオキサイド組成物に関するものであり、更に
詳しくは、ポリエチレンオキサイドに特定のイミダゾー
ル系過酸化物分解剤を配合して溶融混練して得られる耐
熱性の極めて優れたポリエチレンオキサイド組成物、並
びに、この組成物に更に特定のフェノール系酸化防止剤
を配合して得られる耐熱性の極めて優れたポリエチレン
オキサイド組成物に関する。
リエチレンオキサイド組成物に関するものであり、更に
詳しくは、ポリエチレンオキサイドに特定のイミダゾー
ル系過酸化物分解剤を配合して溶融混練して得られる耐
熱性の極めて優れたポリエチレンオキサイド組成物、並
びに、この組成物に更に特定のフェノール系酸化防止剤
を配合して得られる耐熱性の極めて優れたポリエチレン
オキサイド組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンオキサイドは、水溶性熱可
塑性樹脂として近年様々な樹脂の改質剤として利用され
ており、とりわけポリエチレンオキサイドの有する親水
性、制電性、機械的強度の特性が注目されている。しか
しながら、ポリエチレンオキサイドは、そのままでは耐
熱性が低く、空気中ではほぼ150℃付近から分解が始
まる。そのため混練時の条件や加工時の条件等に制約が
あり、耐熱性が必要とされるエンジニアリングプラスチ
ック等の分野へ応用することには問題がある。
塑性樹脂として近年様々な樹脂の改質剤として利用され
ており、とりわけポリエチレンオキサイドの有する親水
性、制電性、機械的強度の特性が注目されている。しか
しながら、ポリエチレンオキサイドは、そのままでは耐
熱性が低く、空気中ではほぼ150℃付近から分解が始
まる。そのため混練時の条件や加工時の条件等に制約が
あり、耐熱性が必要とされるエンジニアリングプラスチ
ック等の分野へ応用することには問題がある。
【0003】そこで、これまで、耐熱性を付与する方法
として、フェノール系一次酸化防止剤と燐系または硫黄
系二次酸化防止剤の併用が一般的に行われてきている
が、この方法によって耐熱性が改良されたポリエチレン
オキサイドであっても、その耐熱性が十分なものとはい
えなかった。
として、フェノール系一次酸化防止剤と燐系または硫黄
系二次酸化防止剤の併用が一般的に行われてきている
が、この方法によって耐熱性が改良されたポリエチレン
オキサイドであっても、その耐熱性が十分なものとはい
えなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の従来
における問題点を解決し、耐熱性が飛躍的に改良された
ポリエチレンオキサイド組成物を提供することを課題と
する。
における問題点を解決し、耐熱性が飛躍的に改良された
ポリエチレンオキサイド組成物を提供することを課題と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明者等は、前
記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリエ
チレンオキサイドに特定のイミダゾール系過酸化物分解
剤を一定量以上配合して溶融混練することにより、ポリ
エチレンオキサイドの耐熱性が著しく向上することを見
い出し、本発明を完成するに到った。又、本発明者等
は、上記化合物と特定のフェノール系酸化防止剤とを併
用することによって、ポリエチレンオキサイドの耐熱性
が更に向上されることも見い出した。
記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリエ
チレンオキサイドに特定のイミダゾール系過酸化物分解
剤を一定量以上配合して溶融混練することにより、ポリ
エチレンオキサイドの耐熱性が著しく向上することを見
い出し、本発明を完成するに到った。又、本発明者等
は、上記化合物と特定のフェノール系酸化防止剤とを併
用することによって、ポリエチレンオキサイドの耐熱性
が更に向上されることも見い出した。
【0006】本発明の耐熱性に優れたポリエチレンオキ
サイド組成物は、ポリエチレンオキサイド100重量部
に対して、イミダゾール系過酸化物分解剤が少なくとも
2重量部配合されて溶融混練されたものである。又、本
発明は、上記ポリエチレンオキサイド組成物において、
更にフェノール系酸化防止剤が少なくとも1重量部配合
されて溶融混練されたものでもある。
サイド組成物は、ポリエチレンオキサイド100重量部
に対して、イミダゾール系過酸化物分解剤が少なくとも
2重量部配合されて溶融混練されたものである。又、本
発明は、上記ポリエチレンオキサイド組成物において、
更にフェノール系酸化防止剤が少なくとも1重量部配合
されて溶融混練されたものでもある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の組成物におけるポリエチ
レンオキサイドは、高分子量ポリエチレンオキサイドと
して市販されているものであって、その平均分子量は7
0,000以上であり、種々の市販品がそのまま利用で
きる。このようなポリエチレンオキサイドの具体例とし
ては、例えばアルコックス(登録商標名:明成化学工業
(株)製)等が挙げられる。
レンオキサイドは、高分子量ポリエチレンオキサイドと
して市販されているものであって、その平均分子量は7
0,000以上であり、種々の市販品がそのまま利用で
きる。このようなポリエチレンオキサイドの具体例とし
ては、例えばアルコックス(登録商標名:明成化学工業
(株)製)等が挙げられる。
【0008】一方、このようなポリエチレンオキサイド
中に配合されるイミダゾール系過酸化物分解剤は、特に
2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメ
チルベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダ
ゾール亜鉛塩及び2−メルカプトメチルベンズイミダゾ
ール亜鉛塩からなる群より選ばれた少なくとも1種であ
ることが好ましい。本発明においては、このイミダゾー
ル系過酸化物分解剤は、ポリエチレンオキサイド100
重量部に対して2重量部以上が配合され、実用性の点か
らは2〜20重量部が好ましく、特に5重量部以上の配
合により著しい耐熱性改良効果が得られる。この際、イ
ミダゾール系過酸化物分解剤の配合量が2重量部に満た
ないと(例えば1重量部の場合)、十分な耐熱性が得ら
れず、逆に、配合量が20重量部を大きく越えると(例
えば30重量部の場合)、ポリエチレンオキサイドとイ
ミダゾール系過酸化物分解剤との溶融混練が困難になる
ので好ましくない。
中に配合されるイミダゾール系過酸化物分解剤は、特に
2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメ
チルベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダ
ゾール亜鉛塩及び2−メルカプトメチルベンズイミダゾ
ール亜鉛塩からなる群より選ばれた少なくとも1種であ
ることが好ましい。本発明においては、このイミダゾー
ル系過酸化物分解剤は、ポリエチレンオキサイド100
重量部に対して2重量部以上が配合され、実用性の点か
らは2〜20重量部が好ましく、特に5重量部以上の配
合により著しい耐熱性改良効果が得られる。この際、イ
ミダゾール系過酸化物分解剤の配合量が2重量部に満た
ないと(例えば1重量部の場合)、十分な耐熱性が得ら
れず、逆に、配合量が20重量部を大きく越えると(例
えば30重量部の場合)、ポリエチレンオキサイドとイ
ミダゾール系過酸化物分解剤との溶融混練が困難になる
ので好ましくない。
【0009】又、本発明の組成物は、ポリエチレンオキ
サイドの耐熱性を改良する成分として、上記のイミダゾ
ール系過酸化物分解剤の他に、更に特定のフェノール系
酸化防止剤が配合されても良く、このような化合物の併
用によって一層優れた耐熱性改良効果が付与できる。こ
のようなフェノール系酸化防止剤としては、N,N’−
ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメ
チル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン及び、2−t−ブチ
ル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチ
ル−ベンジル)−4−メチルフェニルアクリレートから
なる群より選ばれた少なくとも1種が好ましく、本発明
では、このフェノール系酸化防止剤は、ポリエチレンオ
キサイド100重量部に対して1重量部以上が配合さ
れ、実用性の点からは1〜10重量部が好ましく、特に
2重量部以上の配合によって著しい耐熱性改良効果が付
与される。本発明の組成物にあっては、このようなフェ
ノール系酸化防止剤の配合量が10重量部を大きく越え
ると、ポリエチレンオキサイドとの溶融混練が困難にな
るので好ましくない。
サイドの耐熱性を改良する成分として、上記のイミダゾ
ール系過酸化物分解剤の他に、更に特定のフェノール系
酸化防止剤が配合されても良く、このような化合物の併
用によって一層優れた耐熱性改良効果が付与できる。こ
のようなフェノール系酸化防止剤としては、N,N’−
ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメ
チル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン及び、2−t−ブチ
ル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチ
ル−ベンジル)−4−メチルフェニルアクリレートから
なる群より選ばれた少なくとも1種が好ましく、本発明
では、このフェノール系酸化防止剤は、ポリエチレンオ
キサイド100重量部に対して1重量部以上が配合さ
れ、実用性の点からは1〜10重量部が好ましく、特に
2重量部以上の配合によって著しい耐熱性改良効果が付
与される。本発明の組成物にあっては、このようなフェ
ノール系酸化防止剤の配合量が10重量部を大きく越え
ると、ポリエチレンオキサイドとの溶融混練が困難にな
るので好ましくない。
【0010】本発明の耐熱性に優れたポリエチレンオキ
サイド組成物を製造する際には、前記のポリエチレンオ
キサイドに、前記イミダゾール系過酸化物分解剤を所定
の配合比率で添加して混練するだけで良く、混練方法や
配合成分の添加時期等が特に限定されるものではない。
又、混練を行う際には、特殊な混練機が必要ではなく、
プラスチックの混練において使用される一般的な混練機
が使用できる。尚、フェノール系酸化防止剤を配合する
場合にも同様であり、イミダゾール系過酸化物分解剤と
フェノール系酸化防止剤は同時に配合されても良い。こ
のようにして、耐熱性の改良に効果的な特定の化合物が
所定量配合された本発明のポリエチレンオキサイド組成
物は、種々の形態に加工することができ、各種成形品や
フィルム等の他、他の熱可塑性樹脂の改質用マスターバ
ッチとしても使用することができる。
サイド組成物を製造する際には、前記のポリエチレンオ
キサイドに、前記イミダゾール系過酸化物分解剤を所定
の配合比率で添加して混練するだけで良く、混練方法や
配合成分の添加時期等が特に限定されるものではない。
又、混練を行う際には、特殊な混練機が必要ではなく、
プラスチックの混練において使用される一般的な混練機
が使用できる。尚、フェノール系酸化防止剤を配合する
場合にも同様であり、イミダゾール系過酸化物分解剤と
フェノール系酸化防止剤は同時に配合されても良い。こ
のようにして、耐熱性の改良に効果的な特定の化合物が
所定量配合された本発明のポリエチレンオキサイド組成
物は、種々の形態に加工することができ、各種成形品や
フィルム等の他、他の熱可塑性樹脂の改質用マスターバ
ッチとしても使用することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を示し、本発明を詳細
に説明する。しかし、本発明はこれら実施例によって示
されるものに限定されるものではない。各実施例におい
て使用した配合成分、得られたポリエチレンオキサイド
組成物の耐熱性測定法並びに、測定試料の作成方法は以
下の通りである。
に説明する。しかし、本発明はこれら実施例によって示
されるものに限定されるものではない。各実施例におい
て使用した配合成分、得られたポリエチレンオキサイド
組成物の耐熱性測定法並びに、測定試料の作成方法は以
下の通りである。
【0012】A.実験に使用したポリエチレンオキサイ
ド組成物中の配合成分 ポリエチレンオキサイド(PEO):PEOについて
は全て、明成化学工業(株)製のポリエチレンオキサイ
ド(商品名:アルコックス R-1000、粘度平均分子量:
25〜30万)を使用した。 イミダゾール系過酸化物分解剤:以下の4種類の化合
物を使用した。2−メルカプトベンズイミダゾール(SU
MILIZER MB、住友化学工業(株)製)、2−メルカプト
メチルベンズイミダゾール(NOCRAC MMB、大内新興化学
工業(株)製)、2−メルカプトベンズイミダゾール亜
鉛塩(NOCRAC MBZ、大内新興化学工業(株)製)、2−
メルカプトメチルベンズイミダゾール亜鉛塩(NOCRAC M
MBZ 、大内新興化学工業(株)製) フェノール系酸化防止剤:以下の3種類の化合物を使
用した。N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)
(IRGANOX 1098、チバガイギー社製)、1,3,5−ト
リメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(IRGANOX 133
0、チバガイギー社製)、2−t−ブチル−6−(3−
t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチル−ベンジル)
−4−メチルフェニルアクリレート(SUMILIZER GM、住
友化学工業(株)製)
ド組成物中の配合成分 ポリエチレンオキサイド(PEO):PEOについて
は全て、明成化学工業(株)製のポリエチレンオキサイ
ド(商品名:アルコックス R-1000、粘度平均分子量:
25〜30万)を使用した。 イミダゾール系過酸化物分解剤:以下の4種類の化合
物を使用した。2−メルカプトベンズイミダゾール(SU
MILIZER MB、住友化学工業(株)製)、2−メルカプト
メチルベンズイミダゾール(NOCRAC MMB、大内新興化学
工業(株)製)、2−メルカプトベンズイミダゾール亜
鉛塩(NOCRAC MBZ、大内新興化学工業(株)製)、2−
メルカプトメチルベンズイミダゾール亜鉛塩(NOCRAC M
MBZ 、大内新興化学工業(株)製) フェノール系酸化防止剤:以下の3種類の化合物を使
用した。N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)
(IRGANOX 1098、チバガイギー社製)、1,3,5−ト
リメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(IRGANOX 133
0、チバガイギー社製)、2−t−ブチル−6−(3−
t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチル−ベンジル)
−4−メチルフェニルアクリレート(SUMILIZER GM、住
友化学工業(株)製)
【0013】B.測定試料の作成方法(PEO組成物の
製造例) 以下の各表に示される配合比率に従って、前記のPEO
と、イミダゾール系過酸化物分解剤、フェノール系酸化
防止剤を粉体状態で均一になるまで混合した。そして、
得られた混合物を電気加熱式2本ロール混練機(江藤製
作所(株)製)を使用して、90〜100℃で10分間
混練し、各PEO組成物を得た。尚、各表中に示す配合
量の単位は、いずれも重量部である。
製造例) 以下の各表に示される配合比率に従って、前記のPEO
と、イミダゾール系過酸化物分解剤、フェノール系酸化
防止剤を粉体状態で均一になるまで混合した。そして、
得られた混合物を電気加熱式2本ロール混練機(江藤製
作所(株)製)を使用して、90〜100℃で10分間
混練し、各PEO組成物を得た。尚、各表中に示す配合
量の単位は、いずれも重量部である。
【0014】C.PEO組成物の耐熱性測定方法 島津製作所(株)製の熱分析装置(TG−30、空気雰
囲気下)を用い、各PEO組成物の試料10mgを採取
し、以下の加熱条件で加熱後の重量損失を測定した。 加熱条件(I)・・・試料を室温から300℃まで10
℃/分の昇温速度で加熱した。 加熱条件(II)・・・試料を室温から250℃まで10
℃/分の昇温速度で加熱し、その後250℃で30分間
保持した。
囲気下)を用い、各PEO組成物の試料10mgを採取
し、以下の加熱条件で加熱後の重量損失を測定した。 加熱条件(I)・・・試料を室温から300℃まで10
℃/分の昇温速度で加熱した。 加熱条件(II)・・・試料を室温から250℃まで10
℃/分の昇温速度で加熱し、その後250℃で30分間
保持した。
【0015】実施例1:イミダゾール系過酸化物分解剤
の添加による耐熱性改良実験 イミダゾール系過酸化物分解剤として、2−メルカプト
ベンズイミダゾール(SUMILIZER MB)を使用し、前記の
PEO100重量部に対して、それぞれ0重量部、1重
量部、2重量部、5重量部を配合し、得られた各試料の
重量損失を加熱条件(I)及び(II)にて測定した。
又、同様にして、他の3種類のイミダゾール系過酸化物
分解剤(NOCRAC MMB、NOCRAC MBZ及び、NOCRAC MMBZ )
を使用し、得られた各試料の重量損失を加熱条件(I)
及び(II)にて測定した。各実験結果を以下の表1に示
す。
の添加による耐熱性改良実験 イミダゾール系過酸化物分解剤として、2−メルカプト
ベンズイミダゾール(SUMILIZER MB)を使用し、前記の
PEO100重量部に対して、それぞれ0重量部、1重
量部、2重量部、5重量部を配合し、得られた各試料の
重量損失を加熱条件(I)及び(II)にて測定した。
又、同様にして、他の3種類のイミダゾール系過酸化物
分解剤(NOCRAC MMB、NOCRAC MBZ及び、NOCRAC MMBZ )
を使用し、得られた各試料の重量損失を加熱条件(I)
及び(II)にて測定した。各実験結果を以下の表1に示
す。
【0016】
【表1】
【0017】表1の実験結果より、前記4種類のイミダ
ゾール系過酸化物分解剤をそれぞれPEO100重量部
に対して2重量部以上添加した本発明の組成物の場合に
おいては、PEOの耐熱性が著しく改良されることが確
認され、特に5重量部添加した組成物(実験 No.4、
7、10及び13)は優れた耐熱性を有していることがわか
った。
ゾール系過酸化物分解剤をそれぞれPEO100重量部
に対して2重量部以上添加した本発明の組成物の場合に
おいては、PEOの耐熱性が著しく改良されることが確
認され、特に5重量部添加した組成物(実験 No.4、
7、10及び13)は優れた耐熱性を有していることがわか
った。
【0018】実施例2:フェノール系酸化防止剤の併用
による耐熱性改良実験 イミダゾール系過酸化物分解剤として、2−メルカプト
ベンズイミダゾール(SUMILIZER MB)を使用し、この化
合物と前記3種類のフェノール系酸化防止剤(IRGANOX
1098、IRGANOX 1330及びSUMILIZER GM)をそれぞれ、以
下の表2に記載される割合で併用して配合し、得られた
各試料の重量損失を、実施例1と同様の加熱条件(I)
及び(II)にて測定した。その実験結果を以下の表2に
示す。
による耐熱性改良実験 イミダゾール系過酸化物分解剤として、2−メルカプト
ベンズイミダゾール(SUMILIZER MB)を使用し、この化
合物と前記3種類のフェノール系酸化防止剤(IRGANOX
1098、IRGANOX 1330及びSUMILIZER GM)をそれぞれ、以
下の表2に記載される割合で併用して配合し、得られた
各試料の重量損失を、実施例1と同様の加熱条件(I)
及び(II)にて測定した。その実験結果を以下の表2に
示す。
【0019】
【表2】
【0020】表2に示される実験結果から、PEOにイ
ミダゾール系過酸化物分解剤が配合された組成物に、更
に前記フェノール系酸化防止剤を配合することによっ
て、PEOの耐熱性が著しく改良されることが理解さ
れ、このことは、PEO100重量部に対してイミダゾ
ール系過酸化物分解剤が2重量部以上配合された本発明
のPEO組成物(実験 No.3及び4)に比べて、これに
更にフェノール系酸化防止剤が1重量部以上配合された
本発明のPEO組成物(実験 No.15、16、18、19、21〜
25)の方が重量損失が小さく、耐熱性が更に改良されて
いることからも明らかである。
ミダゾール系過酸化物分解剤が配合された組成物に、更
に前記フェノール系酸化防止剤を配合することによっ
て、PEOの耐熱性が著しく改良されることが理解さ
れ、このことは、PEO100重量部に対してイミダゾ
ール系過酸化物分解剤が2重量部以上配合された本発明
のPEO組成物(実験 No.3及び4)に比べて、これに
更にフェノール系酸化防止剤が1重量部以上配合された
本発明のPEO組成物(実験 No.15、16、18、19、21〜
25)の方が重量損失が小さく、耐熱性が更に改良されて
いることからも明らかである。
【0021】同様にして、フェノール系酸化防止剤とし
て、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(IRGA
NOX1098)を使用し、この化合物と前記3種類のイミダ
ゾール系過酸化物分解剤(NOCRAC MMB、NOCRAC MBZ及
び、NOCRAC MMBZ )をそれぞれ、以下の表3に記載され
る割合で併用して配合し、得られた各試料の重量損失
を、実施例1記載の加熱条件(I)及び(II)にて測定
した。各実験結果を以下の表3に示す。
て、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(IRGA
NOX1098)を使用し、この化合物と前記3種類のイミダ
ゾール系過酸化物分解剤(NOCRAC MMB、NOCRAC MBZ及
び、NOCRAC MMBZ )をそれぞれ、以下の表3に記載され
る割合で併用して配合し、得られた各試料の重量損失
を、実施例1記載の加熱条件(I)及び(II)にて測定
した。各実験結果を以下の表3に示す。
【0022】
【表3】
【0023】表3に示される実験結果からも、PEOに
イミダゾール系過酸化物分解剤が配合された組成物に、
更に前記フェノール系酸化防止剤を配合することによっ
て、PEOの耐熱性が著しく改良されることが確認され
た。
イミダゾール系過酸化物分解剤が配合された組成物に、
更に前記フェノール系酸化防止剤を配合することによっ
て、PEOの耐熱性が著しく改良されることが確認され
た。
【0024】実施例3:本発明におけるイミダゾール系
過酸化物分解剤が配合されない場合の耐熱性評価実験 前記イミダゾール系過酸化物分解剤を一切配合せずに、
PEOにフェノール系酸化防止剤を単独で配合して得た
組成物について耐熱性評価を行った。得られた各試料の
重量損失は、実施例1記載の加熱条件(I)及び(II)
にて測定した。この際、フェノール系酸化防止剤として
はIRGANOX 1098を使用した。各実験結果を以下の表4に
示す。
過酸化物分解剤が配合されない場合の耐熱性評価実験 前記イミダゾール系過酸化物分解剤を一切配合せずに、
PEOにフェノール系酸化防止剤を単独で配合して得た
組成物について耐熱性評価を行った。得られた各試料の
重量損失は、実施例1記載の加熱条件(I)及び(II)
にて測定した。この際、フェノール系酸化防止剤として
はIRGANOX 1098を使用した。各実験結果を以下の表4に
示す。
【0025】
【表4】
【0026】表4の実験結果から、フェノール系酸化防
止剤を配合することによっても、PEOの耐熱性をある
程度改良することは可能であるが、同じ配合量で比較し
た場合、本発明のPEO組成物において配合されるイミ
ダゾール系過酸化物分解剤の方が耐熱性改良効果が格段
に優れており、フェノール系酸化防止剤の場合には、大
量に配合しないと充分な耐熱性改良効果が得られないこ
とがわかった。
止剤を配合することによっても、PEOの耐熱性をある
程度改良することは可能であるが、同じ配合量で比較し
た場合、本発明のPEO組成物において配合されるイミ
ダゾール系過酸化物分解剤の方が耐熱性改良効果が格段
に優れており、フェノール系酸化防止剤の場合には、大
量に配合しないと充分な耐熱性改良効果が得られないこ
とがわかった。
【0027】
【発明の効果】本発明のポリエチレンオキサイド組成物
は、極めて優れた耐熱性を有しているので、耐熱性が必
要とされるエンジニアリングプラスチック等の分野への
応用が可能である。
は、極めて優れた耐熱性を有しているので、耐熱性が必
要とされるエンジニアリングプラスチック等の分野への
応用が可能である。
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリエチレンオキサイド100重量部に
対して、イミダゾール系過酸化物分解剤が少なくとも2
重量部配合されて溶融混練されたものであることを特徴
とする耐熱性に優れたポリエチレンオキサイド組成物。 - 【請求項2】 前記イミダゾール系過酸化物分解剤が、
2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメ
チルベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダ
ゾール亜鉛塩及び2−メルカプトメチルベンズイミダゾ
ール亜鉛塩からなる群より選ばれたものであることを特
徴とする請求項1記載のポリエチレンオキサイド組成
物。 - 【請求項3】 更にフェノール系酸化防止剤が少なくと
も1重量部配合されて溶融混練されたものであることを
特徴とする請求項1又は請求項2記載のポリエチレンオ
キサイド組成物。 - 【請求項4】 前記フェノール酸化防止剤が、N,N’
−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリ
メチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン及び、2−t−ブ
チル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メ
チル−ベンジル)−4−メチルフェニルアクリレートか
らなる群より選ばれたものであることを特徴とする請求
項1〜3のいずれか1項に記載のポリエチレンオキサイ
ド組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31732695A JPH09132705A (ja) | 1995-11-09 | 1995-11-09 | 耐熱性に優れたポリエチレンオキサイド組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31732695A JPH09132705A (ja) | 1995-11-09 | 1995-11-09 | 耐熱性に優れたポリエチレンオキサイド組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09132705A true JPH09132705A (ja) | 1997-05-20 |
Family
ID=18086968
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31732695A Pending JPH09132705A (ja) | 1995-11-09 | 1995-11-09 | 耐熱性に優れたポリエチレンオキサイド組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09132705A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017104496A1 (ja) * | 2015-12-17 | 2017-06-22 | 住友精化株式会社 | ポリアルキレンオキシド組成物 |
-
1995
- 1995-11-09 JP JP31732695A patent/JPH09132705A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017104496A1 (ja) * | 2015-12-17 | 2017-06-22 | 住友精化株式会社 | ポリアルキレンオキシド組成物 |
CN108603022A (zh) * | 2015-12-17 | 2018-09-28 | 住友精化株式会社 | 聚环氧烷烃组合物 |
US20180282513A1 (en) * | 2015-12-17 | 2018-10-04 | Sumitomo Seika Chemicals Co., Ltd. | Polyalkylene oxide composition |
EP3392310A4 (en) * | 2015-12-17 | 2019-08-07 | Sumitomo Seika Chemicals Co. Ltd. | ALKYLENE POLYOXIDE COMPOSITION |
CN108603022B (zh) * | 2015-12-17 | 2023-03-28 | 住友精化株式会社 | 聚环氧烷烃组合物 |
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