JPH08231317A - 熱可塑性樹脂用抗菌防かび剤組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂用抗菌防かび剤組成物

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JPH08231317A
JPH08231317A JP7078053A JP7805395A JPH08231317A JP H08231317 A JPH08231317 A JP H08231317A JP 7078053 A JP7078053 A JP 7078053A JP 7805395 A JP7805395 A JP 7805395A JP H08231317 A JPH08231317 A JP H08231317A
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JP
Japan
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resin
antifungal
antibacterial
thermoplastic resin
antimicrobial
Prior art date
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Pending
Application number
JP7078053A
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English (en)
Inventor
Tomiyoshi Suyama
富義 陶山
Masafumi Tsuruoka
理文 鶴岡
Takahiro Muramatsu
高広 村松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiwa Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Daiwa Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】抗菌防かび剤2種類による相乗効果を熱可塑性
樹脂へ練り込みその効果を樹脂に応用するものである。 【構成】抗菌防かび剤のA成分として2−オクチル−4
−イソチアゾリン−3−オンB成分としてN−(2.
4.6トリクロロフェニル)マレイミドの2成分を約
1:20〜30:1の配合比率で熱可塑性樹脂へ練り込
み、その相乗効果を応用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌防かび剤2−オク
チル−4−イソチアゾリン−3−オンおよびN−(2,
4,6−トリクロロフェニル)マレイミドとの相乗作用
によりそれぞれ単独の効果より優れた抗菌防かび性の得
られるもので、その結果、熱可塑性樹脂への練り込み添
加量を低下させ、樹脂に対する着色と脆化の減少および
薬剤の安全性を向上させてなる抗菌防かび剤組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂に抗菌防かび性を付与させ
るために、従来から用いられている方法は、抗菌防かび
剤を有機溶剤に溶解し、乳化剤により水中に注加エマル
ジョンとして、樹脂の表面に加工する方法が行なわれて
いた。しかし、この方法では抗菌防かび剤の摩擦あるい
は洗濯による脱落または紫外線、空気などによる酸化作
用を受けて、効力の低下が見られるので抗菌防かび剤を
直接、熱可塑性樹脂に練り込む方法が試みられるように
なった。
【0003】しかしながら、一般の有機系抗菌防かび剤
においては熱可塑性樹脂に練り込む温度が約150℃以
上になると熱による分解が起こり易く、その結果、抗菌
防かび剤の効力の低下あるいは、それが原因で樹脂に着
色や物性に変化が起こると共に不快ガスの発生など好ま
しくない影響が見られる。また無機系抗菌防かび剤にあ
っては樹脂への相溶性に欠ける点と、防かび性に不十分
なものが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上の欠点を補い熱可
塑性樹脂に練り込んで充分な効果の得られる抗菌防かび
剤の開発実験を行なっていた。この結果二種類の抗菌防
かび剤を効果的に配合することによる相乗効果で従来の
薬剤に比較し耐熱性、抗菌防かび性並びに薬剤の添加
量、安全性に充分満足のできる化合物を発見することを
目的とした。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】熱可塑性樹脂練への抗
菌防かび加工としてプラスチックの表面加工は樹脂と薬
剤の親和性、浸透性が悪いためにたとえ表面に処理でき
たとしても長期間の効果を期待することはできない。ま
た、抗菌防かび剤をプラスチックの溶融時に配合するす
ることは、抗菌防かび剤組成物の耐熱性の問題および樹
脂との相溶性や物性に変化を与えることなどが障害とな
って思うような進展が見られなかった。
【0006】本発明は、以上のような欠点が少なく樹脂
の溶融状態において配合しても熱分解もなく変色あるい
は樹脂に悪影響を与えることの少ない化合物で、しかも
抗菌防黴性に優れて物質の実用化試験を行ない充分な効
果の得られる化合物の開発を行なった。一般に有機化合
物は酸素、紫外線対して影響を受けるものが多い。特
に、熱に対しては特定な化合物以外分解、変色するもの
が多い。
【0007】抗菌防黴性を有する有機化合物を構造的に
見ると脂肪族系、芳香族系を問わず窒素、硫黄、ハロゲ
ンを含有する化合物や二重結合、三重結合を持った不飽
和化合物のほかエステル、アルデヒド、フェノール系化
合物あるいは複素環式化合物などが多い。これらは物質
による差はあるが、何れも酸化、還元の影響を受けやす
いものである。本発明は、以上のような欠点の少ない安
定した化合物で、しかも抗菌防かび効果に優れた化合物
の発見のために研究を行った。
【0008】樹脂を加工する際の溶融状態に於いて抗菌
防黴組成物を配合するためには、その温度に対する安定
性と樹脂に均一に相溶配合されなければならない。しか
も、その化合物が樹脂の成型物の表面において抗菌防黴
効力が発揮されなければならない。本発明で使用する抗
菌防かび剤2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン(以後、A成分と称す)およびN−(2,4,6−ト
リクロロフェニル)マレイミド(以後、B成分と称す)
は何れも耐熱性と相乗効果に優れた化合物であることを
発見し本発明を完成した。
【0009】このA成分とB成分は、公知のもので、そ
れぞれ単独で使用されている。しかし、この2成分を配
合することによって、それぞれ単独での効果より優れた
効力が得られる。これにより相対的な効果で、樹脂への
配合量を減少させることが可能になり、薬剤の有毒性の
減少にもつながるもので、業界に対する貢献度も大きい
ものがある。
【0010】本発明による抗菌防かび性の相乗作用を効
果的に示すA成分およびB成分の配合比率は、約1:2
0〜30:1であるが、好ましくは1:15〜10:1
である。樹脂に練り込む方法は配合する薬剤を、そのま
ま、あるいは使用する樹脂によって予めマスターバッチ
として熱可塑性樹脂に練り込み添加することもできる。
【0011】本発明の相乗効果を有する抗菌防かび剤の
樹脂に対する添加量は、配合比にもよるが0.005〜
0.1重量%(以下、すべて重量%で示す)で、添加時
の温度は、約160〜280℃である。しかし、A成分
に酸化亜鉛を約1:1〜1:20の割合に配合すること
によって、更に抗菌防かび性および耐熱温度を上げるこ
ともできる。
【0012】相乗効果を有する抗菌防かび剤の応用範囲
は、一般家庭用および工業用に広く応用することのでき
るものであるが、特に熱可塑性樹脂の練り込み用として
耐熱性に優れ、樹脂の持つ特性に悪影響を与えることが
なく広範囲の抗菌防かび性を有する薬剤として提供でき
るものである。
【0013】抗菌防かび剤の用いられる熱可塑性樹脂と
しては、特に限定されるものではなく、例えばポリエチ
レン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、フッ
素樹脂などに使用して優れた効果を発揮するが、特に好
ましくはオレフィン系樹脂である。
【0014】本発明の抗菌防かび性樹脂の応用は、家庭
用電化製品および日用雑貨成型品、衣料品、ロープ、シ
ート、天幕、包装用フィルム、農業用フィルムのほかO
A機器、コンピユーター関係に使用することができる。
また、電線の被覆用や上下水道に使用される塩化ビニル
管、地下ケーブル管、海底道路やトンネル、地下鉄内部
加工、地下街などに使用される樹脂成型品のカビや細菌
類など微生物による脆化防止ができる結果、その耐用年
数の延長および樹脂の汚染を防止することができる。本
発明による抗菌防かび剤は、この他に防虫剤、他の抗菌
防かび剤、消臭剤、着香剤、着色剤、紫外線防止剤、酸
化防止剤などを併用することができる。
【0015】
【作用】熱可塑性樹脂に、本発明よりなるA成分および
B成分を約1:50〜80:1好ましくは約1:30〜
20:1の配合比よりなる薬剤の0.005〜0.1%
を熱可塑性樹脂に練り込むことによって細菌および黴な
どの微生物の発育が少なく樹脂の組成に与える変化がな
く長期間の使用による脆化問題も解決される。
【0016】
【実施例】以下、本発明を、実施例によって詳細説明す
る。但し、これらは単に例示であって、発明の範囲が制
限されるものではない。なお、実施例に示す%は全て重
量%である。
【0017】実験例1 A成分0.5部およびB成分0.5部を乳鉢でよく摺り
つぶした後、微粉末酸化亜鉛60部および炭酸カルシウ
ム39部を加え、良く混合する。この混合物0.5部を
99.5部のポリプロピレンペレットに添加した後、温
度200〜220℃に溶融し、ペレット状とした。
【0018】実験例2 A成分0.4部およびの微粉末B成分0.6部に微粉末
酸化亜鉛60部および炭酸カルシウム39部を加えた
後、よく混合する。この混合物0.5部を99.5部の
ポリエチレンペレットに添加した後、温度200〜22
0℃に溶融し、ペレット状とした。
【0019】(実施例1)実験例1および実験例2で試
作したそれぞれのペレット、およびそれを下記表1に示
したように配合し、抗菌防かび効力および相乗効果の測
定に対する試料とした。
【0020】
【表1】
【0021】試作ペレットよりフィルムの製法 表1に示した配合比のペレット3部とポリプロピレン樹
脂97部をラボプラストミル((株)東洋精機製作所)
押出フィルム製造試験機により、200〜220℃にお
いて、厚さ30ミクロンのフィルムを試作した。
【0022】次の通りである。 (1)抗菌試験方法:JIS L−1902 ハロー法
による。 試験に供した菌種 Staphylococcus aureus ATC
C 6538P (2)防かび試験方法:JIS Z 2911による。 試験に供した黴 Aspergillus niger FERM s−
1 Penicillum citrinum FERM
s−5 Cladosporium herbarum FER
M s−8 上記の試験による抗菌試験結果は表2に示す通りであ
る。また、防かび試験結果は表3に示す。
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】上記の防かび試験結果の判定は表4の表示
方法による。
【表4】 (備考)かび抵抗性試験(ZIS Z−2911)の表
示方法において、表示3で更に試料周辺に阻止帯の見ら
れる場合、その阻止帯の大きさをmm数で右側に表示す
る。
【0026】(実施例2)実施例1と同一条件で、ポリ
プロピレンペレットの代わりに軟質塩化ビニールペレッ
トを使用し、温度150〜170℃において、厚さ30
ミクロンのフィルムを試作し、抗菌防かび試験を行なっ
た。この抗菌試験結果を表5に、防かび試験結果を表6
に示す。尚、この試験方法は、実施例1に準じて行なっ
た。
【0027】
【表5】
【0028】
【表6】
【0029】
【発明の効果】抗菌防かび剤として優れた効力を有する
2−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンおよびN
−(2,4,6トリクロロフェニル)マレイミドの2成
分を配合することにより、それぞれ単独の効果より優れ
た効果を示す相乗作用を有する。その配合比率は約1:
20〜30:1であるが、好ましくは1:15〜10:
1である。樹脂に練り込む方法は配合する薬剤を、その
ままあるいは使用する樹脂によって予めマスターバッチ
として添加することもできる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗菌防かび剤A成分2−オクチル−4−
    イソチアゾリン−3−オンおよびB成分N−(2,4,
    6−トリクロロフェニル)マレイミドの2成分を配合比
    率が約1:20〜30:1の範囲にあることによる相乗
    作用を特徴とする熱可塑性樹脂練り込み用抗菌防かび剤
    組成物。
JP7078053A 1995-02-28 1995-02-28 熱可塑性樹脂用抗菌防かび剤組成物 Pending JPH08231317A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7491768B2 (en) * 2002-06-25 2009-02-17 Woong-Sig Moon Polymer resin formulation having anti-microbial or anti-coagulability and preparation method thereof
JP2013177427A (ja) * 2006-05-26 2013-09-09 Arch Chemicals Inc 亜鉛イオンによって増強されたイソチアゾリノン殺生剤

Cited By (4)

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US9717250B2 (en) 2006-05-26 2017-08-01 Arch Chemicals, Inc. Isothiazolinone biocides enhanced by zinc ions
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