JPH09132682A - 軟質樹脂組成物 - Google Patents

軟質樹脂組成物

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JPH09132682A
JPH09132682A JP29008595A JP29008595A JPH09132682A JP H09132682 A JPH09132682 A JP H09132682A JP 29008595 A JP29008595 A JP 29008595A JP 29008595 A JP29008595 A JP 29008595A JP H09132682 A JPH09132682 A JP H09132682A
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孝 佐伯
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雅彦 遠藤
Toshimichi Ito
利通 伊藤
Masayuki Tsuruoka
雅之 鶴岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性を有するとともに、耐ブロッキング
性,反スベリ性,成形加工性に優れ、かつ環境改善性を
有し、床材などの各種シートの基材として好適な軟質樹
脂組成物を提供すること。 【解決手段】 (A)軟質プロピレン系樹脂4〜45重
量%、(B)SBR,SEBSなどのスチレン系エラス
トマーやEPR,EPDMなどのオレフィン系エラスト
マーなどのエラストマー2〜50重量%、(C)水酸化
アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの水酸基含有無
機充填剤10〜70重量%及び(D)炭酸カルシウムな
どの他の充填剤0〜40重量%を含有してなる軟質樹脂
組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は軟質樹脂組成物に関
し、さらに詳しくは、柔軟性及び環境改善性を有し、か
つ耐ブロッキング性,反スベリ性,成形加工性に優れ、
床材などの各種シートの基材などとして好適な軟質樹脂
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】クッションフロア,タイル,カーペット
などの床材には軟質材料が用いられており、この軟質材
料としては、従来ポリ塩化ビニル系樹脂が広く使用され
ている。しかしながら、このポリ塩化ビニル系樹脂は、
焼却時に有害な塩素や塩化水素を発生し、さらにはダイ
オキシンなどが発生するおそれがあり、環境上問題とな
っている。このため、ポリ塩化ビニル系樹脂やこれらを
使用した複合材料に代わる材料の開発が望まれている。
このような材料としては、例えば熱可塑性ポリオレフィ
ン系エラストマーや低結晶性のポリオレフィンなどが知
られている。しかしながら、これらの材料は、軟質とし
ての性質は満足するものの、成形加工性,耐ブロッキン
グ性,反スベリ性,耐熱性などを兼ね備えたものではな
く、用途が制限されるのを免れないという欠点がある。
【0003】一方、軟質性と耐熱性を満足するポリプロ
ピレン系樹脂に、軟質エラストマーを配合した樹脂組成
物が知られている(特開平3−168233号公報)。
しかしながら、この樹脂組成物は、成形加工性が必ずし
も充分でない場合があり、また、用途によっては、難燃
性に問題がある。さらに、スチレン−ブタジエン−スチ
レンブロック共重合体(SBS)、スチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体ゴム(SBR)などのエラストマー
に、無機充填剤を配合した組成物も知られている。しか
しながら、この組成物は、耐ブロッキング性,反スベリ
性,成形加工性の点で不充分であり、用途,成形品の保
管条件,成形加工条件が制限される場合があるという問
題を有している。なお、耐ブロッキング性は、主として
成形品の保管性(段づみ,巻きなど)の観点から要求さ
れ、反スベリ性は、成形品がコンクリート上等に施工さ
れることが多く、主として施工性の観点から要求され
る。また、成形加工性については、成形の容易さ、成形
不良(ロールの汚れなど)の発生のないことなどが要求
される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、柔軟性を有するとともに、耐ブロッキング
性,反スベリ性,成形加工性に優れ、かつ環境改善性を
有し、各種シートの基材などとして好適な軟質樹脂組成
物を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する軟質樹脂組成物を開発すべく鋭意研
究を重ねた結果、軟質プロピレン系樹脂,エラストマー
及び水酸基含有無機充填剤をそれぞれ所定の割合で含有
し、場合によりさらに他の充填剤を所定の割合で含有す
る組成物がその目的に適合しうることを見出した。本発
明は、かかる知見に基づいて完成したものである。すな
わち、本発明は、 (1)(A)軟質プロピレン系樹脂4〜45重量%、
(B)エラストマー2〜50重量%、(C)水酸基含有
無機充填剤10〜70重量%、及び(D)他の充填剤0
〜40重量%を含有することを特徴とする軟質樹脂組成
物、を提供するものである。
【0006】また、本発明の好ましい態様は、 (2)(A)成分の軟質プロピレン系樹脂が、引張弾性
率600MPa以下のものである上記(1)記載の軟質
樹脂組成物、 (3)(A)成分の軟質プロピレン系樹脂が、(a)
(イ)同位体炭素核磁気共鳴スペクトル(13C−NM
R)によるペンタッド分率において、rrrr/(1−
mmmm)×100が20〜60%、(ロ)示差走査熱
量分析計(DSC)にて測定した融解ピーク温度が15
0℃以上及び(ハ)DSCにて測定した融解エンタルピ
ー(ΔH)が100J/g以下であるプロピレンの単独
重合体及び/又は4重量%以下の他のオレフィン単位を
含有する共重合体からなるプロピレン系樹脂、又は
(b)該プロピレン系樹脂とプロピレン以外のオレフィ
ン単位を含有するプロピレン系ランダム共重合体との混
合物である上記(1),(2)記載の軟質樹脂組成物、
及び (4)(D)成分の他の充填剤が、水酸基含有無機充填
剤以外の無機充填剤である上記(1)〜(3)記載の軟
質樹脂組成物、である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の軟質樹脂組成物における
(A)成分の軟質プロピレン系樹脂については特に制限
はないが、その、引張弾性率(JIS K7113準
拠)が600MPa以下、好ましくは500〜10MP
a、より好ましくは400〜30MPaのプロピレン単
独重合体、及び/又はプロピレンとエチレンなどの他の
オレフィンの含有量が70重量%以下の共重合体であ
る。これらの中でも、(a)下記の(イ)〜(ハ)に示
す性状を有するプロピレンの単独重合体及び/又は4重
量%の他のオレフィン単位を含有する共重合体からなる
プロピレン系樹脂、又は(b)該プロピレン系樹脂とプ
ロピレン以外のオレフィン単位を含有するプロピレン系
ランダム共重合体との混合物が好ましく用いられる。上
記プロピレン系樹脂においては、まず、(イ)同位体炭
素核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)によるペンタ
ッド分率において、rrrr/(1−mmmm)×10
0が20〜60%の範囲である。この値が20%未満で
は耐熱性が不十分であり、また60%を超えると柔軟性
が不十分である。耐熱性及び柔軟性のバランスの面か
ら、好ましいrrrr/(1−mmmm)×100は2
5〜55%の範囲である。ここでrrrrとは任意の連
続する5つのプロピレン単位で構成される炭素−炭素結
合による主鎖に対して、側鎖である5つのメチル基が交
互に反対方向に位置する立体構造あるいはその割合を意
味し、mmmmとは任意の連続する5つのプロピレン単
位で構成される炭素−炭素結合による主鎖に対して、側
鎖である5つのメチル基がいずれも同方向に位置する立
体構造あるいはその割合を意味する。
【0008】なお、このrrrr/(1−mmmm)×
100は次のようにして測定した値である。すなわち、
JNM−FX−200(日本電子社製,13C−核共鳴周
波数50.1MHz)を用い、測定モード:プロトン完全
デカップリング法,パルス幅:6.9μs(45°),パ
ルス繰り返し時間:3s,積算回数:10000回,溶
媒:1,2,4−トリクロロベンゼン/重ベンゼン(9
0/10容量%),試料濃度250mg/2.5ミリリッ
トル溶媒,測定温度:130℃の条件にて、13C−NM
R測定を行い、メチル基の立体規則性によるケミカルシ
フトの違いにより、すなわち、22.5〜19.5ppm領
域に現れるmmmm〜mrrmの各ピークの面積強度比
から、ペンタッド分率を測定し、rrrr/(1−mm
mm)×100の値を求めた。 mmmm:21.86ppm mmmr:21.62ppm mmrr:21.08ppm mmrm+rrmr:20.89ppm rrrr:20.36ppm mrrm:19.97ppm
【0009】次に、(ロ)示差走査熱量分析計(DS
C)にて測定した融解ピーク温度(Tm)が150℃以
上である。Tmが150℃未満では充分な耐熱性が得ら
れない。このTmは、通常150〜165℃の範囲であ
る。なお、該Tmは、Perkin−Elmer社製D
SC−7を用いて測定を行い、JIS K−7121に
準拠して融解ピークの温度として求めた値である。さら
に、(ハ)DSCにて測定した融解エンタルピー(Δ
H)が100J/g以下である。ΔHが100J/gを
超えると柔軟性が損なわれ、本発明の目的が達せられな
い。このΔHは、通常20〜100J/g、好ましくは
30〜70J/gの範囲である。なお、該ΔHは、Pe
rkin−Elmer社製DSC−7を用いて測定を行
い、JIS K−7122に準拠して、結晶融解時に吸
収される総熱エネルギーとして求めた値である。
【0010】また、上記(a)成分のプロピレンの単独
重合体及び4重量%以下の他のオレフィン単位を含有す
る共重合体は、沸騰n−ヘプタン可溶分量が10〜70
重量%の範囲にあるものが好ましい。この沸騰n−ヘプ
タン可溶分量が10重量%未満では柔軟性が損なわれる
おそれがあり、また、70重量%を超えると充分な機械
的強度及び耐熱性が得られない傾向がみられる。柔軟
性、機械的強度及び耐熱性のバランスの面から、より好
ましい沸騰n−ヘプタン可溶分量は20〜50重量%の
範囲である。なお、沸騰n−ヘプタン可溶分量は、ソッ
クスレー抽出試験器を用い、沸騰n−ヘプタンで6時間
抽出した後の抽出残分量から、可溶分量を算出して得ら
れた値である。さらに、このプロピレンの単独重合体及
び4重量%以下の他のオレフィン単位を含有する共重合
体においては、そのプロピレン連鎖部において、通常側
鎖のメチル基を有する炭素が隣接して並ぶことはなく、
すなわち逆転結合はなく、一つおきに整然と並んでい
る。つまり、本発明においては、各プロピレン単位が頭
−尾(head-tail)結合により連結しており、頭−頭(he
ad-head)結合や尾−尾(tail-tail)結合は実質的に皆無
である。
【0011】また、上記4重量%以下の他のオレフィン
単位を含有するプロピレン共重合体において、他のオレ
フィン単位を形成するコモノマーのオレフィン類として
は、例えば、エチレン;ブテン−1;ペンテン−1;4
−メチル−1−ペンテン;ヘキセン−1;ヘプテン−
1;オクテン−1;ノネン−1;デセン−1などのα−
オレフィンを挙げることができる。これらの中では、エ
チレンが好適である。これらのオレフィン類はそれぞれ
単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いても
よい。また、これらのコモノマーのオレフィン類は、得
られるプロピレン共重合体中の該オレフィン類に由来す
る単位の含有量が4重量%以下になるように用いる。
【0012】本発明の組成物においては、該(A)成分
の軟質プロピレン系樹脂として、上記(a)プロピレン
の単独重合体及び/又は4重量%以下の他のオレフィン
単位を含有する共重合体からなるプロピレン系樹脂を用
いてもよく、また、(b)このプロピレン系樹脂とプロ
ピレン以外のオレフィン単位を含有するプロピレン系ラ
ンダム共重合体との混合物を用いてもよい。上記(b)
成分の混合物に用いられるプロピレン以外のオレフィン
単位を含有するプロピレン系ランダム共重合体におい
て、プロピレン以外のオレフィン単位としては、例えば
エチレン;ブテン−1;ペンテン−1;4−メチル−1
−ペンテン;ヘキセン−1;ヘプテン−1;オクテン−
1;ノネン−1;デセン−1などが挙げられ、これらは
一種を用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いても
よい。このランダム共重合体におけるプロピレン以外の
オレフィン単位の含有量は、通常10〜70重量%の範
囲である。
【0013】また、この(b)成分の混合物におけるプ
ロピレン以外のオレフィン単位を含有するプロピレン系
ランダム共重合体の含有量は、通常90〜5重量%、好
ましくは70〜5重量%である。この含有量が90重量
%を超えると軟質プロピレン系樹脂としての性能が充分
に発揮されず、本発明の目的が達せられない。本発明の
組成物においては、該(A)成分の軟質プロピレン系樹
脂は、メルトインデックス(MI)が0.1〜50g/1
0分の範囲にあるのが望ましい。このMIが0.1g/1
0分未満では成形が困難であり、また50g/10分を
超えると得られる成形品の機械的物性が不充分となる。
成形性及び成形品の機械的物性のバランスの面から、よ
り好ましいMIは0.2〜30g/10分の範囲である。
なお、このMIは、荷重2.16kgf,温度230℃の
条件で測定した値である。さらに、この軟質プロピレン
系樹脂は、引張弾性率が600MPa以下であるのが望
ましい。この引張弾性率が600MPa超えると、シー
トにした場合腰が強くなり触感が悪くなる。また、あま
り低すぎるとシート成形が困難となる。触感及びシート
成形性などの面から、より好ましい引張弾性率は400
〜30MPaの範囲である。なお、この引張弾性率は、
JIS K7113に基づき、JIS2号ダンベルを用
いた引張試験で測定した値である。
【0014】本発明の組成物における(A)成分の軟質
プロピレン系樹脂は、例えば気相一段重合法,スラリー
一段重合法,気相多段重合法,スラリー多段重合法又は
ブレンド法などによって製造することができる。例え
ば、重合法によって製造する場合には、 (W)(i)マグネシウム,チタン,ハロゲン原子及び
電子供与体からなる固体触媒成分、及び必要に応じて用
いられる(ii)結晶性ポリオレフィンから構成される固
体成分と、 (X)有機アルミニウム化合物と、 (Y)一般式(I)
【0015】
【化1】
【0016】〔式中、R1 は炭素数1〜20のアルキル
基、R2 は炭素数1〜10の炭化水素基、水酸基又はニ
トロ基を示し、mは1〜6の整数、nは0〜(6−m)
の整数を示す。〕で表されるアルコキシ基含有芳香族化
合物と、必要に応じて用いられる(Z)電子供与性化合
物とからなる触媒系の存在下、プロピレンを単独重合又
はプロピレンとその他のオレフィン類とを共重合させれ
ばよい。
【0017】上記(W)固体成分は、(i)成分のマグ
ネシウム,チタン,ハロゲン原子及び電子供与体からな
る固体触媒成分と、必要に応じて用いられる(ii)成分
の結晶性ポリオレフィンとから構成されている。該
(i)成分の固体触媒成分は、マグネシウム,チタン,
ハロゲン原子及び電子供与体を必須成分とするものであ
って、マグネシウム化合物とチタン化合物と電子供与体
とを接触させることによって調製することができる。な
お、この場合、ハロゲン原子は、ハロゲン化物としてマ
グネシウム化合物及び/又はチタン化合物などに含まれ
る。
【0018】該マグネシウム化合物としては、例えばマ
グネシウムクロリドなどのマグネシウムジハライド、酸
化マグネシウム、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサ
イト、マグネシウムのカルボン酸塩、ジエトキシマグネ
シウムなどのアルコキシマグネシウム、アリロキシマグ
ネシウム、アルコキシマグネシウムハライド、アリロキ
シマグネシウムハライド、エチルブチルマグネシウムな
どのアルキルマグネシウム、アルキルマグネシウムハラ
イド、あるいは有機マグネシウム化合物と電子供与体、
ハロシラン、アルコキシシラン、シラノール及びアルミ
ニウム化合物等との反応物などを挙げることができる
が、これらの中でマグネシウムハライド、アルコキシマ
グネシウム、アルキルマグネシウム、アルキルマグネシ
ウムハライドが好適である。またこれらのマグネシウム
化合物は一種だけで用いてもよく、二種以上を組み合わ
せて用いてもよい。
【0019】また、マグネシウム化合物として、金属マ
グネシウムとハロゲンとアルコールとの反応生成物を用
いることもできる。この際用いられる金属マグネシウム
は特に制限はなく、任意の粒径の金属マグネシウム、例
えば顆粒状、リボン状、粉末状などのものを用いること
ができる。また、金属マグネシウムの表面状態も特に制
限はないが、表面に酸化マグネシウムなどの被膜が生成
されていないものが好ましい。さらに、アルコールとし
ては任意のものを用いることができるが、炭素数1〜6
の低級アルコールを用いることが好ましく、特に、エタ
ノールは触媒性能の発現を著しく向上させる固体触媒成
分を与えるので好適である。アルコールの純度及び含水
量も限られないが、含水量の多いアルコールを用いると
金属マグネシウム表面に水酸化マグネシウムが形成され
るので、含水量が1重量%以下、特に2000ppm以
下のアルコールを用いることが好ましく、水分は少なけ
れば少ないほど有利である。
【0020】ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物の
種類に制限はなく、ハロゲン含有化合物としては、ハロ
ゲン原子をその分子中に含む化合物であればいずれのも
のでも使用できる。この場合、ハロゲン原子の種類につ
いては特に制限されないが、塩素,臭素又はヨウ素、特
にヨウ素が好適に使用される。ハロゲン含有化合物の中
ではハロゲン含有金属化合物が特に好ましい。これらの
状態,形状,粒度などは特に限定されず、任意のもので
よく、例えばアルコール系溶媒(例えば、エタノール)
中の溶液の形で用いることができる。アルコールの使用
量は、金属マグネシウム1モルに対して2〜100モ
ル、好ましくは5〜50モルの範囲で選ばれる。アルコ
ール量が多すぎると、モルフォロジーの良好なマグネシ
ウム化合物が得られにくい傾向がみられ、少ない場合
は、金属マグネシウムとの反応がスムーズに行われなく
なるおそれがある。
【0021】ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物は
通常、金属マグネシウム1グラム原子に対して、ハロゲ
ン原子として0.0001グラム原子以上、好ましくは0.
0005グラム原子以上、さらに好ましくは0.001グ
ラム原子以上の割合で用いられる。0.0001グラム原
子未満では、得られたマグネシウム化合物を粉砕するこ
となく用いた場合、担持量,活性,立体規則性,生成ポ
リマーのモルフォロジーなどが低下し、粉砕処理が不可
欠なものとなり好ましくない。また、ハロゲン及び/又
はハロゲン含有化合物の使用量を適宜選択することによ
り、得られるマグネシウム化合物の粒径を任意にコント
ロールすることが可能である。
【0022】金属マグネシウムとアルコールとハロゲン
及び/又はハロゲン含有化合物との反応それ自体は、公
知の方法を用いて行うことができる。例えば、金属マグ
ネシウムとアルコールとハロゲン及び/又はハロゲン含
有化合物とを、還流下で、水素ガスの発生が認められな
くなるまで、通常約20〜30時間反応させて所望のマ
グネシウム化合物を得る方法である。具体的には、例え
ばハロゲンとしてヨウ素を用いる場合には、アルコール
中に金属マグネシウム及び固体状のヨウ素を投入したの
ち、加熱し還流する方法、アルコール中に金属マグネシ
ウム及びヨウ素のアルコール溶液を滴下投入後加熱し還
流する方法、金属マグネシウムを含むアルコール溶液を
加熱しつつヨウ素のアルコール溶液を滴下する方法など
が挙げられる。いずれの方法も、例えば窒素ガス,アル
ゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下で、場合により不活
性有機溶媒(例えば、n−ヘキサンなどの飽和炭化水
素)を用いて行うことが好ましい。金属マグネシウム、
アルコール、ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物の
投入については、最初からそれぞれ全量を反応槽に投入
しておく必要はなく、分割して投入してもよい。特に好
ましい形態は、アルコールを最初から全量投入してお
き、金属マグネシウムを数回に分割して投入する方法で
ある。
【0023】このようにした場合、水素ガスの一時的な
大量発生を防ぐことができ、安全面から非常に望まし
い。また、反応槽も小型化することが可能となる。さら
には、水素ガスの一時的な大量発生により引き起こされ
るアルコールやハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物
の飛沫同伴を防ぐことも可能となる。分割する回数は、
反応槽の規模を勘案して決めればよく、操作の煩雑さを
考えると通常5〜10回が好適である。また、反応自体
は、バッチ式,連続式のいずれでもよいことは言うまで
もない。さらには、変法として、最初から全量投入した
アルコール中に金属マグネシウムを先ず少量投入し、反
応により生成した生成物を別の槽に分離して除去したの
ち、再び金属マグネシウムを少量投入するという操作を
繰り返すということも可能である。こうして得たマグネ
シウム化合物を、次の固体触媒成分の調製に用いる場
合、乾燥させたものを用いてもよく、またろ別後ヘプタ
ンなどの不活性溶媒で洗浄したものを用いてもよい。い
ずれの場合においても、得られたマグネシウム化合物
は、粉砕あるいは粒度分布をそろえるための分級操作を
することなく次工程に用いることができる。
【0024】また、該チタン化合物としては、例えばテ
トラメトキシチタン,テトラエトキシチタン,テトラ−
n−プロポキシチタン,テトライソプロポキシチタン,
テトラ−n−ブトキシチタン,テトライソブトキシチタ
ン,テトラシクロヘキシロキシチタン,テトラフェノキ
シチタンなどのテトラアルコキシチタン、四塩化チタ
ン,四臭化チタン,四ヨウ化チタンなどのテトラハロゲ
ン化チタン、メトキシチタニウムトリクロリド,エトキ
シチタニウムトリクロリド,プロポキシチタニウムトリ
クロリド,n−ブトキシチタニウムトリクロリド,エト
キシチタニウムトリブロミドなどのハロゲン化アルコキ
シチタン、ジメトキシチタニウムジクロリド,ジエトキ
シチタニウムジクロリド,ジプロポキシチタニウムジク
ロリド,ジ−n−ブトキシチタニウムジクロリド,ジエ
トキシチタニウムジブロミドなどのジハロゲン化ジアル
コキシチタン、トリメトキシチタニウムクロリド,トリ
エトキシチタニウムクロリド,トリプロポキシチタニウ
ムクロリド,トリ−n−ブトキシチタニウムクロリドな
どのモノハロゲン化トリアルコキシチタンなどが挙げら
れるが、これらの中で高ハロゲン含有チタン化合物、特
に四塩化チタンが好適である。またこれらのチタン化合
物は一種だけで用いてもよく、二種以上を組み合わせて
用いてもよい。
【0025】また、電子供与体としては、後で(Z)成
分の電子供与性化合物として例示するものを用いること
ができる。該(i)固体触媒成分の調製は、公知の方法
(特開昭53−43094号公報,特開昭55−135
102号公報、特開昭55−135103号公報、特開
昭56−18606号公報、特開昭56−166205
号公報、特開昭57−63309号公報、特開昭57−
190004号公報、特開昭57−300407号公
報、特開昭58−47003号公報)で行うことができ
る。
【0026】このようにして調製された(i)固体触媒
成分の組成は通常、マグネシウム/チタン原子比が2〜
100、ハロゲン/チタン原子比が5〜100、電子供
与体/チタンモル比が0.1〜10の範囲にある。また、
(W)固体成分の調製において必要に応じて用いられる
(ii)成分の結晶性ポリオレフィンとしては、例えば、
ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブテン,ポリ4−
メチル−1−ペンテンなどの炭素数2〜10のα−オレ
フィンから得られる結晶性ポリオレフィンが挙げられ
る。この結晶性ポリオレフィンは、 (1)前記(i)固体触媒成分と有機アルミニウム化合
物と必要に応じて用いられる電子供与性化合物とを組み
合わせたものの存在下に、オレフィンを予備重合させる
方法(予備重合法)、(2)粒径の揃った結晶性ポリエ
チレンやポリプロピレンなどの結晶性パウダーに、前記
(i)固体触媒成分と必要に応じて用いられる有機アル
ミニウム化合物と電子供与性化合物(融点100℃以
上)とを分散させる方法(分散法)、(3)上記(1)
の方法と(2)の方法とを組み合わせる方法などを用い
ることにより得ることができる。
【0027】上記(1)の予備重合法においては、アル
ミニウム/チタン原子比は通常0.1〜100、好ましく
は0.5〜5の範囲で選ばれ、また電子供与化合物/チタ
ンのモル比は0〜50、好ましくは0.1〜2の範囲で選
ばれる。(W)固体成分における、(i)固体触媒成分
と(ii)結晶性ポリオレフィンとの割合については、
(i)成分に対する(ii)成分の重量比が通常、0.33
〜200、好ましくは0.10〜50の範囲になるように
選ばれる。
【0028】次に、(X)成分として用いられる有機ア
ルミニウム化合物としては、一般式(II) AlR3 p 3-p ・・・(II) 〔式中、R3 は炭素数3〜20のアルキル基又は炭素数
6〜20のアリール基、Xはハロゲン原子、pは1〜3
の数を示す。〕で表される化合物を挙げることができ
る。例えば、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソ
ブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどの
トリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノ
クロリド、ジイソプロピルアルミニウムモノクロリド、
ジイソブチルアルミニウムモノクロリド、ジオクチルア
ルミニウムモノクロリドなどのジアルキルアルミニウム
モノハライド、エチルアルミニウムセスキクロリドなど
のアルキルアルミニウムセスキハライドなどを好適に使
用することができる。これらのアルミニウム化合物は一
種だけで用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いて
もよい。
【0029】本発明における触媒系には、(Y)成分と
して、一般式(I)
【0030】
【化2】
【0031】〔式中、R1 は炭素数1〜20のアルキル
基、R2 は炭素数1〜10の炭化水素基、水酸基又はニ
トロ基を示し、mは1〜6の整数、nは0〜(6−m)
の整数を示す。〕で表されるアルコキシ基含有芳香族化
合物が用いられる。
【0032】このアルコキシ基含有芳香族化合物の具体
例としては、m−メトキシトルエン;o−メトキシフェ
ノール;m−メトキシフェノール;2−メトキシ−4−
メチルフェノール;ビニルアニソール;p−(1−プロ
ペニル)アニソール;p−アリルアニソール;1,3−
ビス(p−メトキシフェニル)−1 −ペンテン;5−ア
リル−2−メトキシフェノール;4−ヒドロキシ−3−
メトキシベンジルアルコール;メトキシベンジルアルコ
ール;ニトロアニソール;ニトロフェネトールなどのモ
ノアルコキシ化合物、o−ジメトキシベンゼン;m−ジ
メトキシベンゼン;p−ジメトキシベンゼン;3,4−
ジメトキシトルエン;2,6−ジメトキシフェノール;
1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼンなどのジアル
コキシ化合物、1,3,5−トリメトキシベンゼン;5
−アリル−1,2,3−トリメトキシベンゼン;5−ア
リル−1,2,4−トリメトキシベンゼン;1,2,3
−トリメトキシ−5−(1−プロペニル)ベンゼン;
1,2,4−トリメトキシ−5−(1−プロペニル)ベ
ンゼン;1,2,3−トリメトキシベンゼン;1,2,
4−トリメトキシベンゼンなどのトリアルコキシ化合物
などが挙げられるが、これらの中でジアルコキシ化合物
及びトリアルコキシ化合物が好適である。これらのアル
コキシ基含有芳香族化合物は一種だけで用いてもよく、
二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0033】さらに、該触媒には、必要に応じ(Z)成
分として電子供与性化合物が用いられる。この電子供与
性化合物は、酸素,窒素,リン,イオウ,ケイ素などを
含有する化合物であり、基本的にはプロピレンの重合に
おいて、規則性の向上性能を有するものが考えられる。
このような電子供与性化合物としては、例えば、有機ケ
イ素化合物,エステル類,チオエステル類,アミン類,
ケトン類,ニトリル類,ホスフィン類,エーテル類,チ
オエーテル類,酸無水物,酸ハライド類,酸アミド類,
アルデヒド類,有機酸類,アゾ化合物などを挙げること
ができる。
【0034】例えば、ジフェニルジメトキシシラン,ジ
フェニルジエトキシシラン,ジベンジルジメトキシシラ
ン,テトラメトキシシラン,テトラエトキシシラン,テ
トラフェノキシシラン,メチルトリメトキシシラン,メ
チルトリエトキシシラン,メチルトリフェノキシシラ
ン,フェニルトリメトキシシラン,フェニルトリエトキ
シシラン,ベンジルトリメトキシシランなどの有機ケイ
素化合物、モノメチルフタレート,モノエチルフタレー
ト,モノプロピルフタレート,モノブチルフタレート,
モノイソブチルフタレート,モノアミルフタレート,モ
ノイソアミルフタレート,モノメチルテレフタレート,
モノエチルテレフタレート,モノプロピルテレフタレー
ト,モノブチルテレフタレート,モノイソブチルテレフ
タレート,ジメチルフタレート,ジエチルフタレート,
ジプロピルフタレート,ジブチルフタレート,ジイソブ
チルフタレート,ジアミルフタレート,ジイソアミルフ
タレート,メチルエチルフタレート,メチルイソブチル
フタレート,メチルプロピルフタレート,エチルブチル
フタレート,エチルイソブチルフタレート,エチルプロ
ピルフタレート,プロピルイソブチルフタレート,ジメ
チルテレフタレート,ジエチルテレフタレート,ジプロ
ピルテレフタレート,ジイソブチルテレフタレート,メ
チルエチルテレフタレート,メチルイソブチルテレフタ
レート,メチルプロピルテレフタレート,エチルブチル
テレフタレート,エチルイソブチルテレフタレート,エ
チルプロピルテレフタレート,プロピルイソブチルテレ
フタレート,ジメチルイソフタレート,ジエチルイソフ
タレート,ジプロピルイソフタレート,ジイソブチルイ
ソフタレート,メチルエチルイソフタレート,メチルイ
ソブチルイソフタレート,メチルプロピルイソフタレー
ト,エチルブチルイソフタレート,エチルイソブチルイ
ソフタレート,エチルプロピルイソフタレート,プロピ
ルイソブチルイソフタレートなどの芳香族ジカルボン酸
エステル、ギ酸メチル,ギ酸エチル,酢酸メチル,酢酸
エチル,酢酸ビニル,酢酸プロピル,酢酸オクチル,酢
酸シクロヘキシル,プロピオン酸エチル,酪酸メチル,
酪酸エチル,吉草酸エチル,クロル酢酸メチル,ジクロ
ル酢酸エチル,メタクリル酸メチル,クロトン酸エチ
ル,ビバリン酸エチル,マレイン酸ジメチル,シクロヘ
キサンカルボン酸エチル,安息香酸メチル,安息香酸エ
チル,安息香酸プロピル,安息香酸ブチル,安息香酸オ
クチル,安息香酸シクロヘキシル,安息香酸フェニル,
安息香酸ベンジル,トルイル酸メチル,トルイル酸エチ
ル,トルイル酸アミル,エチル安息香酸エチル,アニス
酸メチル,アニス酸エチル,エトキシ安息香酸エチル,
p−ブトキシ安息香酸エチル,o−クロル安息香酸エチ
ル,ナフトエ酸エチルなどのモノエステル、γ−ブチロ
ラクトン,δ−バレロラクトン,クマリン,フタリド,
炭酸エチレンなどのエステル類、安息香酸,p−オキシ
安息香酸などの有機酸類、無水コハク酸,無水安息香
酸,無水p−トルイル酸などの酸無水物、アセトン,メ
チルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,アセトフ
ェノン,ベンゾフェノン,ベンゾキノンなどのケトン
類、アセトアルデヒド,プロピオンアルデヒド,オクチ
ルアルデヒド,トルアルデヒド,ベンズアルデド,ナフ
チルアルデヒドなどのアルデヒド類、アセチルクロリ
ド,アセチルブロミド,プロピオニルクロリド,ブチリ
ルクロリド,イソブチリルクロリド,2−メチルプロピ
オニルクロリド,バレリルクロリド,イソバレリルクロ
リド,ヘキサノイルクロリド,メチルヘキサノイルクロ
リド,2−エチルヘキサノイルクロリド,オクタノイル
クロリド,デカノイルクロリド,ウンデカノイルクロリ
ド,ヘキサデカノイルクロリド,オクタデカノイルクロ
リド,ベンジルカルボニルクロリド,シクロヘキサンカ
ルボニルクロリド,マロニルジクロリド,スクシニルジ
クロリド,ペンタンジオレイルジクロリド,ヘキサンジ
オレイルジクロリド,シクロヘキサンジカルボニルジク
ロリド,ベンゾイルクロリド,ベンゾイルブロミド,メ
チルベンゾイルクロリド,フタロイルクロリド,イソフ
タロイルクロリド,テレフタロイルクロリド,ベンゼン
−1,2,4−トリカルボニルトリクロリドなどの酸ハ
ロゲン化物類、メチルエーテル,エチルエーテル,イソ
プロピルエーテル,n−ブチルエーテル,イソプロピル
メチルエーテル,イソプロピルエチルエーテル,t−ブ
チルエチルエーテル,t−ブチル−n−プロピルエーテ
ル,t−ブチル−n−ブチルエーテル,t−アミルメチ
ルエーテル,t−アミルエチルエーテル,アミルエーテ
ル,テトラヒドロフラン,アニソール,ジフェニルエー
テル,エチレングリコールブチルエーテルなどのエーテ
ル類、酢酸アミド,安息香酸アミド,トルイル酸アミド
などの酸アミド類、トリブチルアミン,N、N’−ジメ
チルピペラジン,トリベンジルアミン,アニリン,ピリ
ジン,ピロリン,テトラメチルエチレンジアミンなどの
アミン類、アセトニトリル,ベンゾニトリル,トルニト
リルなどのニトリル類、2,2’−アゾビス(2−メチ
ルプロパン),2,2’−アゾビス(2−エチルプロパ
ン),2,2’−アゾビス(2−メチルペンタン)など
のアゾ結合に立体障害置換基が結合してなるアゾ化合物
などが挙げられる。
【0035】これらの中で有機ケイ素化合物、エステル
類,ケトン類,エーテル類,チオエーテル類,酸無水
物,酸ハライド類が好ましく、特に、ジフェニルジメト
キシシラン,フェニルトリエトキシシランなどの有機ケ
イ素化合物、ジ−n−ブチルフタレート,ジイソブチル
フタレートなどの芳香族ジカルボン酸ジエステル、安息
香酸,p−メトキシ安息香酸,p−エトキシ安息香酸,
トルイル酸などの芳香族モノカルボン酸のアルキルエス
テルなどが好適である。これらの電子供与性化合物は一
種だけで用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いて
もよい。触媒系の各成分の使用量については、(W)固
体成分はチタン原子に換算して反応容積1リットル当た
り、通常0.0005〜1モルの範囲になるような量が用
いられる。また、(X)有機アルミニウム化合物は、ア
ルミニウム/チタン原子の比が、通常1〜3000、好
ましくは40〜800になるような量が用いられ、この
量が前記範囲を逸脱すると触媒活性が不充分になるおそ
れがある。さらに、(Y)アルコキシ基含有芳香族化合
物は(W)固体成分中のチタン原子に対するモル比が通
常、0.01〜500、好ましくは1〜300になるよう
な割合で用いられ、この量が0.01未満では生成ポリマ
ーの物性が低下するおそれがあり、500を超えると触
媒活性が不充分になるおそれがある。
【0036】本発明において、(A)成分の軟質プロピ
レン系樹脂として、(a)プロピレンの単独重合体及び
/又は4重量%以下の他のオレフィン単位を含有する共
重合体からなるプロピレン系樹脂を用いる場合は、前記
触媒系の存在下に、例えば一段重合法にてプロピレンの
単独重合又はプロピレンと少量の他のオレフィンとを共
重合させることにより製造することができる。また、
(b)上記プロピレン系樹脂とプロピレン以外のオレフ
ィン単位を含有するプロピレン系ランダム共重合体との
混合物を用いる場合は、一段目の重合において、上記と
同様にしてプロピレン系樹脂を製造し、次いで二段目の
重合において、プロピレン以外のオレフィンとを共重合
させる二段重合法により、該混合物を製造することがで
きる。もちろん、該プロピレン系樹脂とプロピレン以外
のオレフィン単位を含有するプロピレン系ランダム共重
合体を別々に製造し、それらをブレンドしてもよい。
【0037】重合形式としては、特に制限はなく、スラ
リー重合,気相重合,バルク重合,溶液重合,懸濁重合
などが用いられる。気相重合により重合を行う場合、重
合圧力は通常10〜45kg/cm2 、好ましくは20
〜30kg/cm2 、重合温度は通常40〜90℃、好
ましくは60〜75℃の範囲で適宜選ばれる。重合体の
分子量調節は、公知の手段、例えば、重合器中の水素濃
度を調節することにより行うことができる。また、重合
工程で比較的高分子量の(共)重合体を製造し、得られ
た(共)重合体を有機過酸化物の存在下に溶融混練する
ことにより調節することもできる。重合時間は5分〜1
0時間程度で適宜選ばれる。重合に際しては、触媒系を
構成する各成分、すなわち、(W)〜(Z)成分を所定
の割合で混合し、接触させたのち、ただちに原料モノマ
ーを導入し、重合を開始してもよいし、接触後0.2〜3
時間程度熟成させたのち、原料モノマーを導入してもよ
い。さらに、この触媒成分は不活性溶媒や原料モノマー
のオレフィンなどに懸濁して供給することができる。
【0038】重合後の後処理は常法により行うことがで
きる。すなわち、気相重合法においては、重合後、重合
器から導出されるポリマー粉体に、その中に含まれる未
反応モノマーなどを除くために、窒素気流などを通過さ
せてもよい。また、所望に応じて押出機によりペレット
化してもよく、その際、触媒を完全に失活させるため
に、少量の水、アルコールなどを添加することもでき
る。また、バルク重合法においては、重合後、重合器か
ら導出されるポリマーから完全に未反応モノマーを分離
したのち、ペレット化することもできる。本発明の組成
物において、(B)成分として用いられるエラストマー
については特に制限はなく、様々なものを用いることが
できるが、スチレン系エラストマー及びオレフィン系エ
ラストマーが好適である。スチレン系エラストマーとし
ては、例えばスチレン−ブタジエンブロック共重合体ゴ
ム(SBR),スチレン−ブタジエン−スチレンブロッ
ク共重合体(SBS),水素添加スチレン−ブタジエン
−スチレンブロック共重合体(SEBS),スチレン−
イソプレンブロック共重合体(SIR),スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS),水素
添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体
(SEPS)などが挙げられる。一方、オレフィン系エ
ラストマーとしては、例えばエチレン−プロピレンゴム
(EPR),エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EP
DM),エチレン−ブチレンゴム(EBM)などが挙げ
られる。
【0039】これらのエラストマーは単独で用いてもよ
く、二種以上を組み合せて用いてもよい。また、スチレ
ン系エラストマーを用いる場合には、SEBSと他のス
チレン系エラストマーとの併用が好ましい。本発明の組
成物において、(C)成分として用いられる水酸基含有
無機充填剤としては、特に制限はなく、分子内に水酸基
及び/又は水分子を有するもの、例えば水酸化アルミニ
ウム,水酸化マグネシウム,水酸化カルシウム,水酸化
バリウム,水和アルミナ,水和石こう,ホウ酸亜鉛,ホ
ウ酸バリウム,ホウ砂,明バン石,塩基性炭酸マグネシ
ウムなどが挙げられる。これらの中で、効果の点から特
に水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムが好適で
ある。これらの水酸基含有無機充填剤は一種用いてもよ
く、二種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明の軟
質樹脂組成物における各成分の含有割合は、(A)成分
の軟質プロピレン系樹脂が4〜45重量%、(B)成分
のエラストマーが2〜50重量%及び(C)成分の水酸
基含有無機充填剤が10〜70重量%である。(A),
(B)及び(C)の各成分の含有割合が上記範囲を逸脱
すると耐ブロッキング性,反スベリ性,成形加工性のバ
ランスに優れた軟質樹脂組成物が得られず、本発明の目
的が達せられない。耐ブロッキング性,反スベリ性,成
形加工性が高いレベルでバランスした軟質樹脂組成物が
得られる点から、各成分の好ましい含有量は、(A)成
分が5〜40重量%、(B)成分が5〜40重量%及び
(C)成分が20〜60重量%の範囲である。また、
(A)成分を含有させることにより、成形可能温度が広
がるという効果がある。
【0040】また、本発明の組成物においては、所望に
より、成形品に適度の剛性を付与するなどの目的で
(D)成分として、他の充填剤を40重量%以下の割合
で含有させてもよい。この含有量が40重量%を超える
と成形加工性が低下するとともに、柔軟性が悪くなる。
成形加工性及び柔軟性をあまり損なうことなく、適度の
剛性を付与するためには、この(D)成分は、30重量
%以下の割合で含有させるのが好ましい。ここで、他の
充填剤としては、上記水酸基含有無機充填剤以外の無機
充填剤や有機充填剤が用いられる。水酸基含有無機充填
剤以外の無機充填剤としては、例えば球状フィラー,板
状フィラー,繊維状フィラーなどがある。球状フィラー
としては、例えば炭酸カルシウム,カオリン(ケイ酸ア
ルミニウム),シリカ、パーライト,シラスバルーン,
セリサイト,ケイソウ土,亜硫酸カルシウム,焼成アル
ミナ,ケイ酸カルシウム,結晶質ゼオライト,非晶質ゼ
オライトなどが、板状フィラーとしては、例えばタルク
やマイカなどが、繊維状フィラーとしては、例えばウオ
ラストナイトのような針状のもの、マグネシウムオキシ
サルフェイト,チタン酸カリウム繊維,繊維状炭酸カル
シウムのような繊維状のもの、さらには、ガラス繊維の
ような完全に繊維状のものなどが挙げられる。また、カ
ーボンブラックなどの無機系着色剤も用いることができ
る。
【0041】一方、有機充填剤としては、例えば木粉や
木綿粉などの木質粒子,モミ殻粉末,架橋ゴム粉末,プ
ラスチック粉末,コラーゲン粉末などが挙げられる。こ
れらの充填剤の中で、特に無機充填剤が好適である。な
お、上記充填剤は一種用いてもよく、二種以上を組み合
わせて用いてもよい。本発明の軟質樹脂組成物には、所
望により他の樹脂や各種添加成分、例えば他の熱可塑性
樹脂,加工助剤,各種安定剤,帯電防止剤,塩素捕捉
剤,アンチブロッキング剤,防曇剤,有機系難燃剤,難
燃助剤,染料,顔料,プロセスオイル,ワックスなどを
配合することができる。上記他の熱可塑性樹脂として
は、高圧法低密度ポリエチレン,高密度ポリエチレン,
ポリプロピレン,ポリブテン,ポリ塩化ビニル,ポリス
チレン,ポリアミド等の他、変性ポリオレフィン,アク
リル樹脂,ABS樹脂,ポリエステル,ポリカーボネー
トなどが挙げられる。
【0042】これらの中でも、各種ポリエチレン,ポリ
プロピレン,ポリブテンなどのポリオレフィン系樹脂が
相溶性の点で好ましく、特にポリエチレン,変性ポリオ
レフィンが好ましい。変性ポリオレフィンとしては、例
えばポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−α−オ
レフィン共重合体,エチレン−α−オレフィン−非共役
ジエン化合物共重合体(例えばEPDMなど),エチレ
ン−芳香族モノビニル化合物−共役ジエン化合物共重合
ゴムなどのポリオレフィンを、アクリル酸,メタクリル
酸,マレイン酸などの不飽和カルボン酸,無水マレイン
酸などの不飽和カルボン酸の無水物、アクリル酸メチ
ル,マレイン酸モノメチルなどの不飽和カルボン酸のエ
ステル、アクリル酸アミド,マレイン酸モノアミドなど
の不飽和カルボン酸のアミド、マレイミド,N−ブチル
マレイミドなどの不飽和カルボン酸のイミドなどを用い
て化学変性したものが挙げられる。この化学変性方法と
しては、例えば該ポリオレフィンを適当な溶媒中におい
て、ベンゾイルパーオキシドなどのラジカル発生剤を用
いて、前記不飽和カルボン酸やその誘導体と反応させる
方法などを用いることができる。また、加工助剤として
は、例えばステアリン酸亜鉛やグリセリンモノステアレ
ートなどが挙げられ、これらを用いることにより、成形
温度範囲(成形可能ロール温度,樹脂温度範囲)がより
広がり、加工性がさらに改善される。
【0043】上記、各種安定剤としては酸化劣化、熱劣
化等に対する安定剤の使用が最も一般的であり、例え
ば、フェノール系安定剤、有機ホスファイト系安定剤、
チオエーテル系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤など
を用いることができる。フェノール系安定剤としては、
従来公知のもの、例えば、2,6‐ジ‐t‐ブチル‐4
‐メチルフェノール、2,6‐ジ‐t‐ブチル‐4‐エ
チルフェノール、2,6‐ジシクロヘキシル‐4‐メチ
ルフェノール、2,6‐ジイソプロピル‐4‐エチルフ
ェノール、2,6‐ジ‐t‐アミル‐4‐メチルフェノ
ール、2,6‐ジ‐t‐オクチル‐4‐n‐プロピルフ
ェノール、2,6‐ジシクロヘキシル‐4‐n‐オクチ
ルフェノール、2‐イソプロピル‐4‐メチル‐6‐t
‐ブチルフェノール、2‐t‐ブチル‐2‐エチル‐6
‐t‐オクチルフェノール、2‐イソブチル‐4‐エチ
ル‐5‐t‐ヘキシルフェノール、2‐シクロヘキシル
‐4‐n‐ブチル‐6‐イソプロピルフェノール、スチ
レン化混合クレゾール、dl‐α‐トコフェロール、t
‐ブチルヒドロキノン、2,2′‐メチレンビス(4‐
メチル‐6‐t‐ブチルフェノール)、4,4′‐ブチ
リデンビス(3‐メチル‐6‐t‐ブチルフェノー
ル)、4,4′‐チオビス(3‐メチル‐6‐t‐ブチ
ルフェノール)、2,2′‐チオビス(4‐メチル‐6
‐t‐ブチルフェノール)、4,4′‐メチレンビス
(2,6‐ジ‐t‐ブチルフェノール)、2,2′‐メ
チレンビス[6‐(1‐メチルシクロヘキシル)‐p‐
クレゾール]、2,2′‐エチリデンビス(4,6‐ジ
‐t‐ブチルフェノール)、2,2′‐ブチリデンビス
(2‐t‐ブチル‐4‐メチルフェノール)、1,1,
3‐トリス(2‐メチル‐4‐ヒドロキシ‐5‐t‐ブ
チルフェニル)ブタン、トリエチレングリコール‐ビス
[3‐(3‐t‐ブチル‐5‐メチル‐4‐ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]、1,6‐ヘキサンジオー
ル‐ビス[3‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]、2,2′‐チオジエ
チレンビス[3‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′‐ヘキサ
メチレンビス(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキ
シ‐ヒドロシンナミド)、3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4
‐ヒドロキシベンジルホスホネート‐ジエチルエステ
ル、1,3,5‐トリス(2,6‐ジメチル‐3‐ヒド
ロキシ‐4‐t‐ブチルベンジル)イソシアヌレート、
1,3,5‐トリス[(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐
ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソ
シアヌレート、トリス(4‐t‐ブチル‐2,6‐ジメ
チル‐3‐ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、
2,4‐ビス(n‐オクチルチオ)‐6‐(4‐ヒドロ
キシ‐3,5‐ジ‐t‐ブチルアニリノ)‐1,3,5
‐トリアジン、テトラキス[メチレン‐3‐(3,5‐
ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]メタン、ビス(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒ
ドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム、ビス
(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシベンジルホ
スホン酸エチル)ニッケル、ビス[3,3‐ビス(3‐
t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)ブチリックアシ
ド]グリコールエステル、N,N′‐ビス[3‐(3,
5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピ
オニル]ヒドラジン、2,2′‐オキザミドビス[エチ
ル‐3‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]、ビス[2‐t‐ブチル‐4
‐メチル‐6‐(3‐t‐ブチル‐5‐メチル‐2‐ヒ
ドロキシベンジル)フェニル]テレフタレート、1,
3,5‐トリメチル‐2,4,6‐トリス(3,5‐ジ
‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシベンジル)ベンゼン、
3,9‐ビス〔1,1‐ジメチル‐2‐[β‐(3‐t
‐ブチル‐4‐ヒドロキシ‐5‐メチルフェニル)プロ
ピオニルオキシ]エチル〕‐2,4,8,10‐テトラ
オキサスピロ[5,5]ウンデカン、2,2‐ビス〔4
‐[2‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシヒ
ドロシンナモイルオキシ)]エトキシフェニル〕プロパ
ン及びステアリル‐β‐(4‐ヒドロキシ‐3,5‐ジ
‐t‐ブチルフェノール)プロピオネートなどのβ‐
(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)
プロピオン酸アルキルエステルなどが挙げられる。これ
らの中では、2,6‐ジ‐t‐ブチル‐4‐メチルフェ
ノール、ステアリル‐β‐(4‐ヒドロキシ‐3,5‐
ジ‐t‐ブチルフェノール)プロピオネート、2,2′
‐エチリデンビス(4,6‐ジ‐t‐ブチルフェノー
ル)及びテトラキス[メチレン‐3‐(3,5‐ジ‐t
‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
メタンが好適である。
【0044】また、有機ホスファイト系安定剤として
は、例えば、トリオクチルホスファイト、トリラウリル
ホスファイト、トリストリデシルホスファイト、トリス
イソデシルホスファイト、フェニルジイソオクチルホス
ファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、フェニ
ルジ(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルイソオク
チルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイ
ト、ジフェニルトリデシルホスファイト、トリフェニル
ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイ
ト、トリス(2,4‐ジ‐t‐ブチルフェニル)ホスフ
ァイト、トリス(ブトキシエチル)ホスファイト、テト
ラトリデシル‐4,4′‐ブチリデンビス(3‐メチル
‐6‐t‐ブチルフェノール)‐ジホスファイト、4,
4′‐イソプロピリデン‐ジフェノールアルキルホスフ
ァイト(ただし、アルキルは炭素数12〜15程度)、
4,4′‐イソプロピリデンビス(2‐t‐ブチルフェ
ノール)・ジ(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス
(ビフェニル)ホスファイト、テトラ(トリデシル)‐
1,1,3‐トリス(2‐メチル‐5‐t‐ブチル‐4
‐ヒドロキシフェニル)ブタンジホスファイト、トリス
(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)
ホスファイト、水素化‐4,4′‐イソプロピリデンジ
フェノールポリホスファイト、ビス(オクチルフェニ
ル)・ビス[4,4′‐ブチリデンビス(3‐メチル‐
6‐t‐ブチルフェノール)]・1,6‐ヘキサンジオ
ールジホスファイト、ヘキサトリデシル‐1,1,3‐
トリス(2‐メチル‐4‐ヒドロキシ‐5‐t‐ブチル
フェノール)ジホスファイト、トリス[4,4′‐イソ
プロピリデンビス(2‐t‐ブチルフェノール)]ホス
ファイト、トリス(1,3‐ジステアロイルオキシイソ
プロピル)ホスファイト、9,10‐ジヒドロ‐9‐ホ
スファフェナンスレン‐10‐オキシド、テトラキス
(2,4‐ジ‐t‐ブチルフェニル)‐4,4′‐ビフ
ェニレンジホスホナイト、ジステアリルペンタエリスリ
トールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエ
リスリトールジホスファイト、フェニル・4,4′‐イ
ソプロピリデンジフェノール・ペンタエリスリトールジ
ホスファイト、ビス(2,4‐ジ‐t‐ブチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,
6‐ジ‐t‐ブチル‐4‐メチルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト及びフェニルビスフェノール
‐A‐ペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げ
られる。これらの中では、トリス(2,4‐ジ‐t‐ブ
チルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト及びテトラキス(2,4‐ジ‐t‐ブ
チルフェニル)‐4,4′‐ビフェニレンジホスファイ
トが好ましく、特にトリス(2,4‐ジ‐t‐ブチルフ
ェニル)ホスファイトが好適である。
【0045】さらに、有機チオエーテル系安定剤として
は、ジアルキルチオジプロピオネート及びアルキルチオ
プロピオン酸の多価アルコールエステルを用いることが
好ましい。ここで使用されるジアルキルチオジプロピオ
ネートとしては、炭素数6〜20のアルキル基を有する
ジアルキルチオジプロピオネートが好ましく、またアル
キルチオプロピオン酸の多価アルコールエステルとして
は、炭素数4〜20のアルキル基を有するアルキルチオ
プロピオン酸の多価アルコールエステルが好ましい。こ
の場合に多価アルコールエステルを構成する多価アルコ
ールの例としては、グリセリン、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール及
びトリスヒドロキシエチルイソシアヌレートなどを挙げ
ることができる。このようなジアルキルチオジプロピオ
ネートとしては、例えば、ジラウリルチオジプロピオネ
ート、ジミリスチルチオジプロピオネート及びジステア
リルチオジプロピオネートなどを挙げることができる。
一方、アルキルチオプロピオン酸の多価アルコールエス
テルとしては、例えば、グリセリントリブチルチオプロ
ピオネート、グリセリントリオクチルチオプロピオネー
ト、グリセリントリラウリルチオプロピオネート、グリ
セリントリステアリルチオプロピオネート、トリメチロ
ールエタントリブチルチオプロピオネート、トリメチロ
ールエタントリオクチルチオプロピオネート、トリメチ
ロールエタントリラウリルチオプロピオネート、トリメ
チロールエタントリステアリルチオプロピオネート、ペ
ンタエリスリトールテトラブチルチオプロピオネート、
ペンタエリスリトールテトラオクチルチオプロピオネー
ト、ペンタエリスリトールテトララウリルチオプロピオ
ネート、ペンタエリスリトールテトラステアリルチオプ
ロピオネートなどを挙げることができる。これらの中で
は、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチ
オジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトララウ
リルチオプロピオネートが好適である。
【0046】ヒンダードアミン系安定剤としては、例え
ば、ビス(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリ
ジル)セバケート、コハク酸ジメチル‐1‐(2‐ヒド
ロキシエチル)‐4‐ヒドロキシ‐2,2,6,6‐テ
トラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[6‐(1,1,
3,3‐テトラメチルブチル)イミノ‐1,3,5‐ト
リアジン‐2,4‐ジイル][(2,2,6,6‐テト
ラメチル‐4‐ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン
[2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)イ
ミノ]、テトラキス(2,2,6,6‐テトラメチル‐
4‐ピペリジル)‐1,2,3,4‐ブタンテトラカル
ボキシレート、2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピ
ペリジルベンゾエート、ビス‐(1,2,6,6‐ペン
タメチル‐4‐ピペリジル)‐2‐(3,5‐ジ‐t‐
ブチル‐4‐ヒドロキシベンジル)‐2‐n‐ブチルマ
ロネート、ビス‐(N‐メチル‐2,2,6,6‐テト
ラメチル‐4‐ピペリジル)セバケート、1,1′‐
(1,2‐エタンジイル)ビス(3,3,5,5‐テト
ラメチルピペラジノン)、(ミックスト2,2,6,6
‐テトラメチル‐4‐ピペリジル/トリデシル)‐1,
2,3,4‐ブタンテトラカルボキシレート、(ミック
スト1,2,2,6,6‐ペンタメチル‐4‐ピペリジ
ル/トリデシル)‐1,2,3,4‐ブタンテトラカル
ボキシレート、ミックスト〔2,2,6,6‐テトラメ
チル‐4‐ピペリジル/β,β,β′,β′‐テトラメ
チル‐3,9‐[2,4,8,10‐テトラオキサスピ
ロ(5,5)ウンデカン]ジエチル〕‐1,2,3,4
‐ブタンテトラカルボキシレート、ミックスト〔1,
2,2,6,6‐ペンタメチル‐4‐ピペリジル/β,
β,β′,β′‐テトラメチル‐3,9‐[2,4,
8,10‐テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]
ジエチル〕‐1,2,3,4‐ブタンテトラカルボキシ
レート、N,N′‐ビス(3‐アミノプロピル)エチレ
ンジアミン‐2,4‐ビス[N‐ブチル‐N‐(1,
2,2,6,6‐ペンタメチル‐4‐ピペリジル)アミ
ノ]‐6‐クロロ‐1,3,5‐トリアジン縮合物、ポ
リ[6‐N‐モルホリル‐1,3,5‐トリアジン‐
2,4‐ジイル][(2,2,6,6‐テトラメチル‐
4‐ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,
6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)イミド]、
N,N′‐ビス(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐
ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと1,2‐ジブロ
モエタンとの縮合物、[N‐(2,2,6,6‐テトラ
メチル‐4‐ピペリジル)‐2‐メチル‐2‐(2,
2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)イミノ]
プロピオンアミドなどを挙げることができる。
【0047】これらのヒンダードアミン系安定剤の中で
は、特に、コハク酸ジメチル‐1‐(2‐ヒドロキシエ
チル)‐4‐ヒドロキシ‐2,2,6,6‐テトラメチ
ルピペリジン重縮合物、ポリ[6‐(1,1,3,3‐
テトラメチルブチル)イミノ‐1,3,5‐トリアジン
‐2,4‐ジイル][(2,2,6,6‐テトラメチル
‐4‐ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,
2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)イミ
ノ]、テトラキス(2,2,6,6‐テトラメチル‐4
‐ピペリジル)‐1,2,3,4‐ブタンテトラカルボ
キシレート、ビス(1,2,6,6‐ペンタメチル‐4
‐ピペリジル)‐2‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐
ヒドロキシベンジル)‐2‐n‐ブチルマロネート、
1,1′‐(1,2‐エタンジイル)ビス(3,3,
5,5‐テトラメチルピペラジノン)、(ミックスト
2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル/トリ
デシル)‐1,2,3,4‐ブタンテトラカルボキシレ
ート、(ミックスト1,2,2,6,6‐ペンタメチル
‐4‐ピペリジル/トリデシル)‐1,2,3,4‐ブ
タンテトラカルボキシレート、ミックスト〔2,2,
6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル/β,β,
β′,β′‐テトラメチル‐3,9‐[2,4,8,1
0‐テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエチ
ル〕‐1,2,3,4‐ブタンテトラカルボキシレー
ト、ミックスト〔1,2,2,6,6‐ペンタメチル‐
4‐ピペリジル/β,β,β′,β′‐テトラメチル‐
3,9‐[2,4,8,10‐テトラオキサスピロ
(5,5)ウンデカン]ジエチル〕‐1,2,3,4‐
ブタンテトラカルボキシレート、N,N′‐ビス(3‐
アミノプロピル)エチレンジアミン‐2,4‐ビス[N
‐ブチル‐N‐(1,2,6,6‐ペンタメチル‐4‐
ピペリジル)アミノ]‐6‐クロロ‐1,3,5‐トリ
アジン縮合物、ポリ[6‐N‐モルホリル‐1,3,5
‐トリアジン‐2,4‐ジイル][(2,2,6,6‐
テトラメチル‐4‐ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレ
ン[(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジ
ル)イミド]、N,N′‐ビス(2,2,6,6‐テト
ラメチル‐4‐ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと
1,2‐ジブロモエタンとの縮合物、[N‐(2,2,
6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)‐2‐メチル
‐2‐(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジ
ル)イミノ]プロピオンアミドが好適である。
【0048】本発明の軟質樹脂組成物の調製方法につい
ては特に制限はなく、従来公知の方法を用いることがで
きる。例えば(A)成分の軟質プロピレン系樹脂、
(B)成分のエラストマー、(C)成分の水酸基含有無
機充填剤、及び場合により用いられる(D)成分の他の
充填剤や各種添加成分を、バンバリーミキサーなどのバ
ッチ系ミキサーや、二軸混練機,二軸押出機,単軸押出
機などの混練押出機を用いて溶融混練し、場合により造
粒することにより、軟質樹脂組成物を調製することがで
きる。各成分を混練押出機に供給する場合は、各成分を
全量ドライブレンドして供給してもよく、各成分を分け
て供給してもよい。このようにして調製された本発明の
軟質樹脂組成物は、各種シートの基材などとして用いら
れる。シートの成形方法としては特に制限はなく、従来
慣用されているTダイ成形などの押出成形法を用いるこ
とができるが、混練溶触樹脂を直接ミキシングロール,
カレンダーロール,シート成形ロールなどに供給し、所
定の厚みのシートに加工するのが好ましい。この場合、
各成分を上記混練機により混練押出し、造粒することな
く、直接シート加工してもよく、また混練後造粒してペ
レット化したのち、このペレットを各種成形機により押
出し加工し、シートを成形してもよい。
【0049】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、プロピレン系樹脂の各物性は明
細書本文に記載した方法に従って測定した。
【0050】製造例 (1)マグネシウム化合物の調製 内容積約6リットルの撹拌機付きガラス製反応器を窒素
ガスで充分に置換した後、これにエタノール約2,430
g、ヨウ素16g及び金属マグネシウム160gを仕込
み、撹拌しながら加熱して、還流条件下で系内からの水
素ガスの発生がなくなるまで反応させ、固体状反応生成
物を得た。この固体状生成物を含む反応液を減圧下乾燥
させることによりマグネシウム化合物を得た。
【0051】(2)固体触媒成分(W)の調製 窒素ガスで充分に置換した内容積5リットルのガラス製
反応器に、上記(1)で得られたマグネシウム化合物
(粉砕していないもの)160g,精製ヘプタン800
ミリリットル,四塩化ケイ素24ミリリットル及びフタ
ル酸ジエチル23ミリリットルを仕込み、系内を80℃
に保ち、撹拌しながら四塩化チタン770ミリリットル
を加えて110℃で2時間反応させた後、固体成分を分
離して90℃の精製ヘプタンで洗浄した。さらに、四塩
化チタ1,220ミリリットルを加え、110℃で2時間
反応させた後、精製ヘプタンで充分に洗浄し、固体触媒
成分(W)を得た。
【0052】(3)気相重合 内容積200リットルの重合槽に、上記(2)で得られ
た固体触媒成分(W)6.0g/時間、トリイソブチルア
ルミニウム(TIBA)0.2モル/時間、1−アリル−
3,4−ジメトキシベンゼン(ADMB)0.012モル
/時間、ジフェニルジメトキシシラン(DPDMS)0.
005モル/時間、プロピレン37kg/時間で供給
し、70℃,28kg/cm2 Gで前段の重合を行った
が、ポリマーの生成量は30kg/時間であった。この
前段の重合で得られたポリマーを連続して後段の重合槽
へ移送し、エチレンを15kg/時間及びプロピレンを
5kg/時間で供給し、50℃、15kg/cm2 Gで
重合を行い、エチレン単位含有量16.5重量%、後段で
の反応比40%のポリマーを得た。
【0053】前段の重合で得られたポリマーは、プロピ
レンホモポリマーであり、その極限粘度〔η〕(135
℃,デカリン中)は、4.27デシリットル/gであっ
た。また、上記ホモポリマーの沸騰n−ヘプタン不溶成
分量は60.0重量%であり、該沸騰n−ヘプタン不溶成
分の〔η〕は4.76デシリットル/g、沸騰n−ヘプタ
ン可溶成分の〔η〕は2.65デシリットル/gであっ
た。一方、該ホモポリマーの13C−NMRスペクトルか
ら算出したペンタッド分率rrrr/(1−mmmm)
×100は34.5%であり、DSCにて測定した融解ピ
ーク温度(Tm)は158℃、融解エンタルピー(Δ
H)は54J/gであった。また、プロピレンの頭−尾
間の結合に関する逆転結合はみられなかった。得られた
ホモポリマーのメルトインデックス(MI)は、該ポリ
プロピレンのパウダーに、2,5−ジメチル−2,5−
ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサンを混合し、さ
らに酸化防止剤、熱安定剤、塩素捕捉剤を添加した後、
40mmφ押出機で押し出してペレットとして測定し、
2.0g/10分であることが分かった。なお、上記ポリ
マーを過酸化物で分解して低分子量化したが、この低分
子量化ポリマーにあっても、上述したペンタッド分率,
融解ピーク温度及び融解エンタルピーに変化はなかっ
た。
【0054】次いで、後段の重合で得られたポリマーに
ついて説明する。このポリマーは、プロピレンホモポリ
マーとエチレン−プロピレンランダム共重合体との混合
物からなる軟質プロピレン系樹脂であり、本発明に係る
(A)成分の軟質プロピレン系樹脂における(b)成分
に相当する。なお、該後段の重合で得られたポリマーの
トータルの極限粘度〔η〕は4.77デシリットル/gで
あった。また、MIは、重合で得られたパウダーに、
2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキ
シ)−ヘキサンを混合し、これにさらに酸化防止剤,安
定剤,塩素捕捉剤を添加して混合し、40mmφで押し
出して得られたペレットについて測定し、MI(230
℃,2.16kgf)2.5g/10分なる値を得た。ま
た、このポリマーの引張弾性率は230MPaであっ
た。
【0055】実施例1〜14及び比較例1〜10 第1表及び第2表に示す種類と量の各成分を予めドライ
ブレンドしたのち、バッチミキサー(MS−1.7型,南
千住製作所製)により、設定温度120℃で5分間混練
した。混練終了後、混練物を取り出し、溶融状態のまま
10インチミキシングロール(西村社製)に供給し、3
分間混練したのち、物性評価用のシートを取り出した。
なお、ミキシングロールでの混練の際、以下に示す要領
で成形性(成形可能温度範囲)を評価した。また、シー
トの物性を以下に示す要領で評価した。
【0056】〈成形性評価〉代表的なサンプルについ
て、ミキシングロール温度を変化させ、成形上限温度と
して、ロールに付着し、ロールから剥離しない温度を求
め、成形下限温度として、ロールに付着せず、シート表
面荒れが発生する温度を求めた。
【0057】〈シートの物性評価〉 (1)引張弾性率 厚さ1mmシートについて、JIS K7113に基づ
き、JIS2号ダンベルを用いた引張試験にて引張弾性
率を求めた。 (2)破断強度 厚さ1mmシートについて、JIS K7113に基づ
き、JIS2号ダンベルを用いた引張試験にて破断強度
を求めた。 (3)動摩擦係数,静摩擦係数(反スベリ性) 厚さ3mm×63.5mm×63.5mmの試験片を用い、
JIS K7125に準拠した設備を用いて引速200
mm/minで測定し、動摩擦係数及び静摩擦係数を求
めた。 (4)剥離荷重(ブロッキング性) 厚さ1mmシートについて、評価サンプル:75×25
mm,圧着部:30×25mm,圧着条件:温度60
℃,荷重5kgにて、剥離荷重を求めた。これらの結果
を第3表及び第4表に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】(注) TPO:製造例で得られた軟質プロピレン系樹脂 SBR:スチレン−ブタジエンブロック共重合体ゴム,
旭化成(株)製タフデンT2003 SEBS:水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブ
ロック共重合体,旭化成(株)製 タフテックH105
2 EPR:エチレン−プロピレンゴム,日本合成ゴム
(株)製 EP07P EPDM:エチレン−プロピレン−ジエンゴム,日本合
成ゴム(株)製 EP57P 水酸化アルミニウム:昭和電工(株)製 ハジライトH
−21 水酸化マグネシウム:協和化学(株)製 キスマー5B 炭酸カルシウム:日東粉化社製 NS#400 SBS:スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重
合体,旭化成(株)製ソルプレンT475
【0063】
【表5】
【0064】
【表6】
【0065】
【表7】
【0066】
【表8】
【0067】〔注〕 1)成形下限温度〜成形上限温度 2)実施例5の組成物100重量部にステアリン酸亜鉛
0.5重量部を添加した場合の成形温度範囲は145〜1
80℃である。 3)実施例7の組成物100重量部にステアリン酸亜鉛
0.5重量部を添加した場合の成形温度範囲は130〜1
70℃である。
【0068】以上の結果から、次のことが分かる。すな
わち、(1)本発明の軟質樹脂組成物は、同一弾性率レ
ベルで比較した場合、現在使用されている組成物(比較
例1,2)に比べて、耐ブロッキング性(剥離強度が小
さい)、反スベリ性(摩擦係数が大きい)に優れる。
(2)軟質プロプレン系樹脂(TPO)単独では反スベ
リ性に劣り、成形可能温度も高く、範囲も狭い(比較例
5)。(3)無機充填剤の配合量が多くなると破断強度
の低下が著しい(比較例9,10)。(4)水酸化アル
ミニウムを添加しない場合や軟質プロピレン系樹脂の添
加量が少ない場合、耐ブロッキング性が著しく悪い(比
較例3,4,6,7,8)。(5)現在使用されている
組成物(比較例1,2)の成形可能温度範囲は約10℃
であるのに対し、本発明の組成物は約20℃と大幅に改
良されている。
【0069】
【発明の効果】本発明の軟質樹脂組成物は、柔軟性を有
するとともに、耐ブロッキング性,反スベリ性,成形加
工性に優れ、しかも環境改善性及びリサイクル性を有し
ており、クッションフロア,タイル,カーペットなどの
床材をはじめ、各種シートの基材などとして好適に用い
られる。
フロントページの続き (72)発明者 鶴岡 雅之 千葉県市原市姉崎海岸1番地1 出光石油 化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)軟質プロピレン系樹脂4〜45重
    量%、(B)エラストマー2〜50重量%、(C)水酸
    基含有無機充填剤10〜70重量%、及び(D)他の充
    填剤0〜40重量%を含有することを特徴とする軟質樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分の軟質プロピレン系樹脂が、
    引張弾性率600MPa以下のものである請求項1記載
    の軟質樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分の軟質プロピレン系樹脂が、
    (a)(イ)同位体炭素核磁気共鳴スペクトル(13C−
    NMR)によるペンタッド分率において、rrrr/
    (1−mmmm)×100が20〜60%、(ロ)示差
    走査熱量分析計(DSC)にて測定した融解ピーク温度
    が150℃以上及び(ハ)DSCにて測定した融解エン
    タルピー(ΔH)が100J/g以下であるプロピレン
    の単独重合体及び/又は4重量%以下の他のオレフィン
    単位を含有する共重合体からなるプロピレン系樹脂、又
    は(b)該プロピレン系樹脂とプロピレン以外のオレフ
    ィン単位を含有するプロピレン系ランダム共重合体との
    混合物である請求項1又は2記載の軟質樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (D)成分の他の充填剤が、水酸基含有
    無機充填剤以外の無機充填剤である請求項1記載の軟質
    樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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