JPH09132555A - アリルアミン誘導体の製造方法 - Google Patents
アリルアミン誘導体の製造方法Info
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- JPH09132555A JPH09132555A JP29011595A JP29011595A JPH09132555A JP H09132555 A JPH09132555 A JP H09132555A JP 29011595 A JP29011595 A JP 29011595A JP 29011595 A JP29011595 A JP 29011595A JP H09132555 A JPH09132555 A JP H09132555A
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Abstract
有機残基を表し、R3 は炭素数1〜18のアルキル基を表
す)で示されるアリルアミン誘導体を工業的に安価に製
造することができる製造方法を提供する。 【解決手段】 一般式(3) 【化19】 (式中、R3 は上記と同じ)で示されるα−ヒドロキシ
メチルアクリル酸誘導体と、HNR1 R2 (式中、
R1 、R2 は上記と同じ)で示されるアミン類とを反応
させて一般式(1) 【化20】 (式中、R1 、R2 、R3 は上記と同じ)で示される2-
アミノメチル -3-ヒドロキシプロピオン酸誘導体を合成
した後、該2-アミノメチル -3-ヒドロキシプロピオン酸
誘導体を脱水する。
Description
体の製造方法に関するものである。上記のアリルアミン
誘導体は、重合し易い性質を有しており、例えば、ポリ
マーの改質剤、凝集剤、帯電防止剤、各種合成樹脂の原
料、各種医薬品の中間体等として広範囲に用いられる有
用な化合物である。
法としては、下記の反応式に示すように、α−ハロメチ
ルアクリル酸エステルとアミン類との反応が知られてい
る(例えば、Polymer Preprints, Japan vol.44, No.
2, 105, (1995) )。
Rb 、Rc はそれぞれ独立してアルキル基を表す) 上記の合成方法では、α−ハロメチルアクリル酸エステ
ルおよびアミン類から、対応するアリルアミン誘導体が
得られると共に、臭化水素等のハロゲン化水素が副生す
る。
来の合成方法(製造方法)では、原料としてα−ハロメ
チルアクリル酸エステルを用いるので、ハロゲン化水素
が副生する。それゆえ、ハロゲン化水素による装置の腐
食を防止するために、耐腐食性を有する高価な材料を用
いて該装置を構成しなければならない。また、ハロゲン
化水素を中和して廃棄しなければならない等、産業廃棄
物の処分が煩雑となる。つまり、上記従来の合成方法で
は、アリルアミン誘導体を工業的に安価に製造すること
ができないという問題点を有している。
生しないアリルアミン誘導体の製造方法、即ち、アリル
アミン誘導体を工業的に安価に製造することができる製
造方法が求められている。本発明は、上記従来の問題点
に鑑みなされたものであり、その目的は、アリルアミン
誘導体を工業的に安価に製造することができる製造方法
を提供することにある。
目的を達成すべく、アリルアミン誘導体の新規な製造方
法について鋭意検討した。その結果、2-アミノメチル -
3-ヒドロキシプロピオン酸誘導体を脱水することによ
り、アリルアミン誘導体を工業的に安価に製造すること
ができることを見い出した。また、α−ヒドロキシメチ
ルアクリル酸誘導体とアミン類とを反応させて中間化合
物である2-アミノメチル -3-ヒドロキシプロピオン酸誘
導体を合成した後、該2-アミノメチル -3-ヒドロキシプ
ロピオン酸誘導体を脱水することにより、アリルアミン
誘導体を工業的により一層安価に製造することができる
ことを見い出し、本発明を完成させるに至った。
(1)
素原子または有機残基を表し、R3 は炭素数1〜18のア
ルキル基を表す)で示される2-アミノメチル -3-ヒドロ
キシプロピオン酸誘導体を脱水することを特徴とする一
般式(2)
素原子または有機残基を表し、R3 は炭素数1〜18のア
ルキル基を表す)で示されるアリルアミン誘導体の製造
方法に関するものである。
生しないので、耐腐食性を有する高価な材料を用いて装
置を構成する必要が無く、また、産業廃棄物の処分が容
易となる。これにより、アリルアミン誘導体を工業的に
安価に製造することができる。
(3)
を表す)で示されるα−ヒドロキシメチルアクリル酸誘
導体と、一般式(4) HNR1 R2 ……(4) (式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水素原子または
有機残基を表す)で示されるアミン類とを反応させて一
般式(1)
素原子または有機残基を表し、R3 は炭素数1〜18のア
ルキル基を表す)で示される2-アミノメチル -3-ヒドロ
キシプロピオン酸誘導体を合成した後、該2-アミノメチ
ル -3-ヒドロキシプロピオン酸誘導体を脱水することを
特徴とする一般式(2)
素原子または有機残基を表し、R3 は炭素数1〜18のア
ルキル基を表す)で示されるアリルアミン誘導体の製造
方法に関するものである。
生しないので、耐腐食性を有する高価な材料を用いて装
置を構成する必要が無く、また、産業廃棄物の処分が容
易となる。さらに、中間化合物である2-アミノメチル -
3-ヒドロキシプロピオン酸誘導体を合成した後、例え
ば、該2-アミノメチル -3-ヒドロキシプロピオン酸誘導
体を単離することなく、アリルアミン誘導体を製造する
ことができる。つまり、α−ヒドロキシメチルアクリル
酸誘導体およびアミン類から、実質的にいわゆる「one
pot 」でアリルアミン誘導体を製造することができる。
これにより、アリルアミン誘導体を工業的により一層安
価に製造することができる。
おいて原料として用いられる(または中間化合物として
合成される)前記一般式(1)で示される2-アミノメチ
ル -3-ヒドロキシプロピオン酸誘導体は、式中、R1 、
R2 で示される置換基がそれぞれ独立して水素原子また
は有機残基で構成され、R3 で示される置換基が炭素数
1〜18のアルキル基で構成される化合物である。
は、炭素数1〜18の直鎖状、枝分かれ鎖状または環状の
アルキル基を示す。上記R1 、R2 で示される置換基と
は、具体的には、水素原子、ヒドロキシル基、p-ヒドロ
キシフェニル基、炭素数1〜20の直鎖状または枝分かれ
鎖状のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、
炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜8のヒドロキシ
アルキル基、−R4 COOR5 基、または、
基は、炭素数0〜8のアルキレン基を示し、上記R5 で
示される置換基は、水素原子、炭素数1〜8のアルキル
基、アルカリ金属原子、アンモニウム基またはその塩、
または、アルキル置換アンモニウム基またはその塩を示
す。さらに、上記R6 、R7 で示される置換基は、それ
ぞれ独立して水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、ア
ルカリ金属原子、アンモニウム基またはその塩、また
は、アルキル置換アンモニウム基またはその塩を示す。
ピオン酸誘導体としては、具体的には、例えば、2-アミ
ノメチル -3-ヒドロキシプロピオン酸メチル、 2-(N-メ
チル) アミノメチル -3-ヒドロキシプロピオン酸メチ
ル、 2-(N,N-ジメチル) アミノメチル -3-ヒドロキシプ
ロピオン酸メチル、 2-(N,N-ジメチル) アミノメチル -
3-ヒドロキシプロピオン酸エチル、 2-(N,N-ジエチル)
アミノメチル -3-ヒドロキシプロピオン酸エチル、 2-
(N-ブチル) アミノメチル -3-ヒドロキシプロピオン酸
ブチル、 2-(N,N-ジブチル) アミノメチル -3-ヒドロキ
シプロピオン酸エチル、 2-(N,N-ジオクチル) アミノメ
チル -3-ヒドロキシプロピオン酸エチル、 2-(N,N-ジシ
クロヘキシル) アミノメチル -3-ヒドロキシプロピオン
酸エチル、 2-(N,N-ジフェニル) アミノメチル -3-ヒド
ロキシプロピオン酸エチル、 2-(N,N-ジ(2'-ヒドロキシ
エチル))アミノメチル -3-ヒドロキシプロピオン酸エチ
ル、 2-(N,N-ジ(4'-ヒドロキシフェニル))アミノメチル
-3-ヒドロキシプロピオン酸エチル、 2-(N,N-ジカルボ
キシメチル) アミノメチル -3-ヒドロキシプロピオン酸
エチル、および、これらのナトリウム塩等のアルカリ金
属塩、アンモニウム塩、トリメチルアミン塩等の置換ア
ンモニウム塩等;2-(N-(1',2'-ジカルボキシエチル))ア
ミノメチル -3-ヒドロキシプロピオン酸エチル、およ
び、このナトリウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウ
ム塩、トリメチルアミン塩等の置換アンモニウム塩等;
2-(N,N-ジメチル) アミノメチル -3-ヒドロキシプロピ
オン酸ブチル、 2-(N,N-ジエチル) アミノメチル -3-ヒ
ドロキシプロピオン酸ブチル、 2-(N-ブチル) アミノメ
チル -3-ヒドロキシプロピオン酸ブチル、 2-(N,N-ジブ
チル) アミノメチル -3-ヒドロキシプロピオン酸ブチ
ル、 2-(N,N-ジオクチル) アミノメチル -3-ヒドロキシ
プロピオン酸ブチル、 2-(N,N-ジフェニル) アミノメチ
ル -3-ヒドロキシプロピオン酸ブチル、 2-(N,N-ジメチ
ル) アミノメチル -3-ヒドロキシプロピオン酸オクチル
等が挙げられる。
ピオン酸誘導体は、例えば、前記一般式(3)で示され
るα−ヒドロキシメチルアクリル酸誘導体と、前記一般
式(4)で示されるアミン類とを、従来公知の方法を適
用して反応させることにより得られる。尚、原料である
α−ヒドロキシメチルアクリル酸誘導体とアミン類との
反応方法は、特に限定されるものではない。
導体は、例えば、アクリレート化合物とアルデヒド化合
物とを塩基性イオン交換樹脂の存在下に反応させる方法
(例えば、特開平6-135896号公報)等の公知の方法を採
用することにより、容易に得ることができる。
シメチルアクリル酸誘導体としては、具体的には、例え
ば、α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル、α−ヒド
ロキシメチルアクリル酸エチル、α−ヒドロキシメチル
アクリル酸n-ブチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸
-2-エチルヘキシル等のα−ヒドロキシメチルアクリル
酸エステル等が挙げられる。これら例示の化合物のう
ち、α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル、α−ヒド
ロキシメチルアクリル酸エチル、およびα−ヒドロキシ
メチルアクリル酸n-ブチルが、入手が容易であり、より
好ましい。
ては、具体的には、例えば、アンモニア;モノメチルア
ミン、モノエチルアミン、モノブチルアミン、モノオク
チルアミン等のモノアルキルアミン類;ジメチルアミ
ン、メチルエチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルア
ミン、ジオクチルアミン等のジアルキルアミン類;ピペ
リジン、ピロリジン、モルホリン等の二級シクロアミン
類;モノシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミ
ン等のシクロアルキルアミン類;モノ -p-フェニルアミ
ン、ジ -p-フェニルアミン、ジナフチルアミン等のアリ
ールアミン類;ヒドロキシアミン、ジヒドロキシアミン
等のヒドロキシアミン類;モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、ジプロパノールアミン等のヒドロキシ
アルキルアミン類;モノカルボキシアミン、ジカルボキ
シアミン等のカルボキシアミン類;モノアミノ酢酸、イ
ミノジ酢酸、イミノジプロピオン酸等のカルボキシアル
キルアミン類;アスパラギン酸類等が挙げられる。
は、具体的には、例えば、メチルエステル、エチルエス
テル等の、カルボキシアミン類の炭素数1〜8のアルキ
ルエステル;ナトリウム塩、カリウム塩等の、カルボキ
シアミン類のアルカリ金属塩;カルシウム塩等の、カル
ボキシアミン類のアルカリ土類金属塩;アンモニウム
塩、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩等の、カ
ルボキシアミン類の炭素数1〜8のアルキル置換アンモ
ニウム塩等が挙げられる。また、上記のカルボキシアル
キルアミン類としては、具体的には、例えば、メチルエ
ステル、エチルエステル等の、カルボキシアルキルアミ
ン類の炭素数1〜8のアルキルエステル;ナトリウム
塩、カリウム塩等の、カルボキシアルキルアミン類のア
ルカリ金属塩;カルシウム塩等の、カルボキシアルキル
アミン類のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、トリ
メチルアミン塩、トリエチルアミン塩等の、カルボキシ
アルキルアミン類の炭素数1〜8のアルキル置換アンモ
ニウム塩等が挙げられる。上記のアスパラギン酸類とし
ては、具体的には、例えば、アスパラギン酸;アスパラ
ギン酸ジメチル、アスパラギン酸ジエチル等の、アスパ
ラギン酸の炭素数1〜8のアルキルエステル;ナトリウ
ム塩、カリウム塩等の、アスパラギン酸のアルカリ金属
塩;カルシウム塩等の、アスパラギン酸のアルカリ土類
金属塩;アンモニウム塩、トリメチルアミン塩、トリエ
チルアミン塩等の、アスパラギン酸の炭素数1〜8のア
ルキル置換アンモニウム塩等が挙げられる。
アミン類との反応(以下、前段反応と称する)におい
て、α−ヒドロキシメチルアクリル酸誘導体1モルに対
するアミン類の使用量は、例えば、 0.1モル〜10モルの
範囲内とすればよいが、特に限定されるものではない。
また、α−ヒドロキシメチルアクリル酸誘導体とアミン
類との混合方法は、特に限定されるものではない。
できるが、反応をより一層効率的に進めるために、触媒
を用いてもよい。上記の触媒は、いわゆるマイケル付加
反応に供される触媒が好適であるが、特に限定されるも
のではない。該触媒としては、例えば、アルカリ金属、
アルカリ土類金属、およびアルカリ性を有する金属から
なる群より選ばれる少なくとも一種類以上の金属の水酸
化物、酸化物、炭酸塩、および塩基性リン酸塩;上記金
属のアルコラート類、アセチルアセトネート等の錯化合
物;トリメチルアミン、トリエチルアミン、1,4-ジアザ
ビシクロ[2.2.2 ]オクタン(DABCO)等の三級ア
ミン類の塩基性触媒が挙げられる。これら触媒は、単独
で用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用い
てもよい。
シメチルアクリル酸誘導体に対する触媒の添加量は、特
に限定されるものではないが、例えば、 0.001重量%〜
5重量%の範囲内、好ましくは 0.001重量%〜2重量%
の範囲内とすればよい。触媒の添加量を5重量%よりも
多くしても、反応時間の短縮等の効果や、2-アミノメチ
ル -3-ヒドロキシプロピオン酸誘導体の収率向上等のさ
らなる改善は望めず、添加した触媒の一部が無駄にな
り、経済的に不利となるおそれがある。
できるが、反応をより一層均一に進めるために、溶媒を
用いてもよい。上記の溶媒は、α−ヒドロキシメチルア
クリル酸誘導体およびアミン類を溶解し、かつ、反応に
対して不活性な化合物であればよく、特に限定されるも
のではない。該溶媒としては、具体的には、例えば、n-
ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の
脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素等が挙げられる。これら溶媒は、単独で用
いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いても
よい。尚、溶媒を用いる場合において、該溶媒の使用量
は、特に限定されるものではない。
するが、反応をより一層効率的に進めるために、加熱し
てもよい。加熱する場合において、反応温度は、常温〜
150℃程度が好適である。反応温度が 150℃を越える
と、原料であるα−ヒドロキシメチルアクリル酸誘導体
が重合し易くなるので好ましくない。
に、反応温度や、α−ヒドロキシメチルアクリル酸誘導
体、アミン類、触媒、および溶媒等の種類(性質)や組
み合わせ、使用量等に応じて、適宜設定すればよい。従
って、反応時間は、特に限定されるものではない。ま
た、反応圧力は、特に限定されるものではなく、常圧
(大気圧)、減圧、加圧の何れであってもよい。
クリル酸誘導体は、反応性を備えたビニル基等の官能基
を分子内に含有しているので、重合し易い性質を有して
いる。従って、前段反応を行なう際には、該α−ヒドロ
キシメチルアクリル酸誘導体の重合を抑制するために、
反応系に重合防止剤(または重合禁止剤)や分子状酸素
を添加することが望ましい。
ば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル、p-ベンゾキノン、フェノチアジン等が挙げられる
が、特に限定されるものではない。これら重合防止剤
は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合
して用いてもよい。また、重合防止剤の添加量は、特に
限定されるものではないが、例えば、α−ヒドロキシメ
チルアクリル酸誘導体に対する割合が、 0.001重量%〜
5重量%の範囲内となるようにすればよい。分子状酸素
としては、例えば、空気を用いることができる。この場
合、反応系、つまり、反応溶液中に空気を吹き込むよう
にすればよい。そして、上記重合を充分に抑制するため
に、重合防止剤と分子状酸素とを併用することがより好
ましい。
式(1)で示される2-アミノメチル-3-ヒドロキシプロ
ピオン酸誘導体を脱水することにより、対応するアリル
アミン誘導体、即ち、目的物である前記一般式(2)で
示されるアリルアミン誘導体が製造される。そして、上
記の前段反応に引き続いて脱水反応を行なう場合には、
前段反応終了後、中間化合物である2-アミノメチル -3-
ヒドロキシプロピオン酸誘導体を単離することなく、そ
のまま、脱水反応を行なうことができる。つまり、α−
ヒドロキシメチルアクリル酸誘導体およびアミン類か
ら、実質的にいわゆる「one pot 」で対応するアリルア
ミン誘導体を製造することができる。
誘導体およびアミン類を含む混合物を加熱することによ
り、前段反応と脱水反応とを「one pot 」で行なうこと
もできる。この場合には、α−ヒドロキシメチルアクリ
ル酸誘導体およびアミン類から、対応するアリルアミン
誘導体が直接的に製造される。
酸誘導体を脱水する脱水方法は、特に限定されるもので
はなく、例えば、加熱による方法;無水酢酸や五酸化二
リン(無水リン酸)等の脱水剤を用いる方法等の公知の
方法を採用することができる。これら方法のうち、加熱
による脱水方法が、前段反応に引き続いて脱水反応を行
なうことができるのでより好ましい。
じて、脱水反応により生成する水と共沸する共沸剤(エ
ントレーナー)を使用することができる。上記の共沸剤
は、反応に対して不活性な化合物であればよく、特に限
定されるものではない。該共沸剤としては、具体的に
は、例えば、n-ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシク
ロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、ジブ
チルエーテル等のエーテル類;メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン等のケトン類等が挙げられる。こ
れら共沸剤は、単独で用いてもよく、また、二種類以上
を適宜混合して用いてもよい。尚、共沸剤を用いる場合
において、該共沸剤の使用量は、特に限定されるもので
はない。また、前段反応に引き続いて脱水反応を行なう
場合には、共沸剤として用いることができる化合物を、
前段反応における溶媒として用いることが好ましい。
は、例えば、反応圧力、反応温度、共沸剤の使用の有無
等に応じて、適宜設定すればよい。また、前段反応に引
き続いて脱水反応を行なう場合には、前段反応の反応条
件等をさらに考慮に入れて脱水反応の反応条件を設定す
ればよい。そして、原料、並びに、目的物であるアリル
アミン誘導体は、反応性を備えたビニル基等の官能基を
分子内に含有しているので、重合し易い性質を有してい
る。従って、脱水反応を行なう際には、比較的温和な反
応条件にすることが望ましい。例えば、反応圧力は1mm
Hg〜760 mmHgが好ましい。また、反応温度は0℃〜 150
℃が好ましく、40℃〜 120℃がより好ましい。さらに、
共沸剤を用いる方が好ましい。
脱水剤の種類や使用量、反応圧力、反応温度、溶媒や共
沸剤の使用の有無等の反応条件は、特に限定されるもの
ではない。
るアリルアミン誘導体の製造方法は、以上のように、前
記一般式(1)で示される2-アミノメチル -3-ヒドロキ
シプロピオン酸誘導体を脱水する方法である。上記の方
法によれば、アリルアミン誘導体を工業的に安価に製造
することができる。
示されるアリルアミン誘導体の製造方法は、以上のよう
に、前記一般式(3)で示されるα−ヒドロキシメチル
アクリル酸誘導体と、前記一般式(4)で示されるアミ
ン類とを反応させて前記一般式(1)で示される2-アミ
ノメチル -3-ヒドロキシプロピオン酸誘導体を合成した
後、該2-アミノメチル -3-ヒドロキシプロピオン酸誘導
体を脱水する方法である。上記の方法によれば、α−ヒ
ドロキシメチルアクリル酸誘導体およびアミン類から、
実質的にいわゆる「one pot 」でアリルアミン誘導体を
製造することができる。これにより、アリルアミン誘導
体を工業的により一層安価に製造することができる。
ン誘導体は、例えば、蒸留;抽媒等を用いた抽出;カラ
ムクロマトグラフによる分離;四級塩の合成による結晶
化等の公知の方法を採用することにより、容易に精製す
ることができる。
ニル基等の官能基を分子内に含有しているので、重合し
易い性質を有しており、公知の方法を採用することによ
り、容易に単独重合若しくは共重合させることができ
る。アリルアミン誘導体の重合方法としては、例えば、
加熱による方法;シアン化ナトリウム、シアン化カリウ
ム、ソディウムナフタレート、リチウムナフタレート、
ブチルリチウム等の強塩基触媒を用いる方法;ベンゾイ
ルパーオキサイドや過硫酸アンモニウム塩等の過酸化
物、 2,2'-アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物
等のラジカル重合開始剤を用いる方法;増感剤の存在下
で紫外線やイオン化放射線(電子線)を照射する方法等
を採用することができる。
しくは共重合させることにより、ポリマーの側鎖にアミ
ノ基を導入することができる。また、該アミノ基は加水
分解等を受け難く、このため、ポリマーから遊離するこ
とがない。アリルアミン誘導体は、例えば、ポリマーの
改質剤、凝集剤、帯電防止剤、各種合成樹脂の原料、各
種医薬品の中間体等として広範囲に用いることができ
る。
に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるも
のではない。
拌機を備えた容量 1,000mlのガラス製フラスコ(反応
器)に、α−ヒドロキシメチルアクリル酸誘導体として
のα−ヒドロキシメチルアクリル酸エチル 130g、アミ
ン類としてのN,N-ジエチルアミン 109.5g、溶媒かつ共
沸剤としてのシクロヘキサン 150g、および、重合防止
剤としてのハイドロキノン0.08gを仕込んだ。次に、こ
の反応溶液を攪拌しながら加熱し、80℃でシクロヘキサ
ンを還流させながら10時間反応した。また、この間、脱
水反応により生成する水をシクロヘキサンと共沸させて
除去した。つまり、前段反応と脱水反応とを「one pot
」で行なった。
置を取り付け、該フラスコ内の圧力を40mmHgに減圧し
て、シクロヘキサン、未反応のN,N-ジエチルアミン、お
よび水を留去した。これにより、液状の反応生成物 19
2.2gを得た。
て、ガスクロマトグラフィー(GC)を測定することに
より、物質の同定を行なった。その結果、上記の反応生
成物中に、目的物である本発明にかかるアリルアミン誘
導体としてのα-(N,N-ジエチル) アミノメチルアクリル
酸エチルが52.1重量%、中間化合物である2-アミノメチ
ル -3-ヒドロキシプロピオン酸誘導体としての 2-(N,N-
ジエチル) アミノメチル-3-ヒドロキシプロピオン酸エ
チルが32.9重量%含まれていることを確認した。そし
て、上記の反応生成物を蒸留して精製することにより、
α-(N,N-ジエチル)アミノメチルアクリル酸エチル79.0
gを製品として得た。
拌機を備えた容量 1,000mlのガラス製フラスコに、α−
ヒドロキシメチルアクリル酸エチル 390g、N,N-ジエチ
ルアミン 219g、および、ハイドロキノン0.08gを仕込
んだ。次に、この反応溶液に空気を吹き込みながら攪拌
・加熱し、40℃で7時間反応した。つまり、前段反応を
行なった。
コール溶媒を用いたカラムクロマトグラフを行ない、反
応溶液をカラム分離した。これにより、反応生成物63g
を得た。以上のようにして得た反応生成物について、N
MRを測定することにより、物質の同定を行なった。そ
の結果、上記の反応生成物が、中間化合物である 2-(N,
N-ジエチル) アミノメチル -3-ヒドロキシプロピオン酸
エチルであることを確認した。
備えた容量 500mlのガラス製フラスコに、上記の 2-(N,
N-ジエチル) アミノメチル -3-ヒドロキシプロピオン酸
エチル63g、共沸剤としてのシクロヘキサン 100g、お
よび、ハイドロキノン0.08gを仕込んだ。次に、この反
応溶液を攪拌しながら加熱し、90℃でシクロヘキサンを
還流させながら8時間反応した。つまり、脱水反応を行
ない、該脱水反応により生成する水をシクロヘキサンと
共沸させて除去した。
置を取り付け、該フラスコ内の圧力を40mmHgに減圧し
て、シクロヘキサン、および水を留去した。これによ
り、液状の反応生成物57.6gを得た。
て、GCを測定することにより、物質の同定を行なっ
た。その結果、上記の反応生成物中に、アリルアミン誘
導体としてのα-(N,N-ジエチル) アミノメチルアクリル
酸エチルが71.2重量%含まれていることを確認した。そ
して、上記の反応生成物を蒸留して精製することによ
り、α-(N,N-ジエチル) アミノメチルアクリル酸エチル
31.2gを製品として得た。
素原子または有機残基を表し、R3 は炭素数1〜18のア
ルキル基を表す)で示される2-アミノメチル -3-ヒドロ
キシプロピオン酸誘導体を脱水することを特徴とする一
般式(2)
素原子または有機残基を表し、R3 は炭素数1〜18のア
ルキル基を表す)で示されるアリルアミン誘導体の製造
方法に関するものである。
生しないので、耐腐食性を有する高価な材料を用いて装
置を構成する必要が無く、また、産業廃棄物の処分が容
易となる。これにより、アリルアミン誘導体を工業的に
安価に製造することができるという効果を奏する。
(3)
を表す)で示されるα−ヒドロキシメチルアクリル酸誘
導体と、一般式(4) HNR1 R2 ……(4) (式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水素原子または
有機残基を表す)で示されるアミン類とを反応させて一
般式(1)
素原子または有機残基を表し、R3 は炭素数1〜18のア
ルキル基を表す)で示される2-アミノメチル -3-ヒドロ
キシプロピオン酸誘導体を合成した後、該2-アミノメチ
ル -3-ヒドロキシプロピオン酸誘導体を脱水することを
特徴とする一般式(2)
素原子または有機残基を表し、R3 は炭素数1〜18のア
ルキル基を表す)で示されるアリルアミン誘導体の製造
方法に関するものである。
生しないので、耐腐食性を有する高価な材料を用いて装
置を構成する必要が無く、また、産業廃棄物の処分が容
易となる。さらに、中間化合物である2-アミノメチル -
3-ヒドロキシプロピオン酸誘導体を合成した後、例え
ば、該2-アミノメチル -3-ヒドロキシプロピオン酸誘導
体を単離することなく、アリルアミン誘導体を製造する
ことができる。つまり、α−ヒドロキシメチルアクリル
酸誘導体およびアミン類から、実質的にいわゆる「one
pot 」でアリルアミン誘導体を製造することができる。
これにより、アリルアミン誘導体を工業的により一層安
価に製造することができるという効果を奏する。
Claims (2)
- 【請求項1】一般式(1) 【化1】 (式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水素原子または
有機残基を表し、R3 は炭素数1〜18のアルキル基を表
す)で示される2-アミノメチル -3-ヒドロキシプロピオ
ン酸誘導体を脱水することを特徴とする一般式(2) 【化2】 (式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水素原子または
有機残基を表し、R3 は炭素数1〜18のアルキル基を表
す)で示されるアリルアミン誘導体の製造方法。 - 【請求項2】一般式(3) 【化3】 (式中、R3 は炭素数1〜18のアルキル基を表す)で示
されるα−ヒドロキシメチルアクリル酸誘導体と、一般
式(4) HNR1 R2 ……(4) (式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水素原子または
有機残基を表す)で示されるアミン類とを反応させて一
般式(1) 【化4】 (式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水素原子または
有機残基を表し、R3 は炭素数1〜18のアルキル基を表
す)で示される2-アミノメチル -3-ヒドロキシプロピオ
ン酸誘導体を合成した後、該2-アミノメチル -3-ヒドロ
キシプロピオン酸誘導体を脱水することを特徴とする一
般式(2) 【化5】 (式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水素原子または
有機残基を表し、R3 は炭素数1〜18のアルキル基を表
す)で示されるアリルアミン誘導体の製造方法。
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---|---|---|---|
JP29011595A JP3841860B2 (ja) | 1995-11-08 | 1995-11-08 | アリルアミン誘導体の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008037830A (ja) * | 2006-08-09 | 2008-02-21 | Nippon Shokubai Co Ltd | アミノ基含有アルケンの製造方法 |
JP2018096854A (ja) * | 2016-12-14 | 2018-06-21 | 株式会社島津製作所 | 分析用プラズマトーチおよびそれを備える分析装置 |
US10239819B2 (en) | 2014-10-17 | 2019-03-26 | Cargill, Incorporated | Methods for producing an ester of an alpha, beta-unsaturated carboxylic acid |
US10710955B2 (en) | 2013-10-17 | 2020-07-14 | Cargill, Incorporated | Methods for producing alkyl hydroxyalkanoates |
-
1995
- 1995-11-08 JP JP29011595A patent/JP3841860B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US11691941B2 (en) | 2013-10-17 | 2023-07-04 | Cargill, Incorporated | Methods for producing alkyl hydroxyalkanoates |
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