JPH09132190A - スクータ型車両用パワーユニットの減速ギヤ装置 - Google Patents
スクータ型車両用パワーユニットの減速ギヤ装置Info
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- JPH09132190A JPH09132190A JP28988595A JP28988595A JPH09132190A JP H09132190 A JPH09132190 A JP H09132190A JP 28988595 A JP28988595 A JP 28988595A JP 28988595 A JP28988595 A JP 28988595A JP H09132190 A JPH09132190 A JP H09132190A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】パワーユニットの製造コストを向上させること
なく減速ギヤ装置に加わる過大なトルクを吸収可能にし
て減速ギヤ装置の破損を防止する。 【解決手段】本発明に係るスクータ型車両用パワーユニ
ットの減速ギヤ装置51は、エンジン13と、後方へ延びる
ユニットケース14とが一体化されてユニットケース14の
後部に後輪15が直接軸支され、ユニットケース14内には
エンジン13の動力を後輪15側に減速して伝達する減速ギ
ヤ装置51が内蔵されたスクータ型車両用パワーユニット
12において、減速ギヤ装置51を構成する少なくとも2個
のギヤ(例えば一次ドリブンギヤ48と二次ドリブンギヤ
50)を圧入によってギヤ軸(ドリブン軸44、車軸45)に
固定し、これらのギヤ(48,50) の圧入部A,Bに滑りが
発生する限界トルクTAmax ,TBmax が、上記圧入部
A,Bに加わるエンジン13の最大駆動トルクTA,TB
に対して1.5 〜3倍の範囲となるように圧入部A,Bの
圧入締め代を設定したことを特徴とする。
なく減速ギヤ装置に加わる過大なトルクを吸収可能にし
て減速ギヤ装置の破損を防止する。 【解決手段】本発明に係るスクータ型車両用パワーユニ
ットの減速ギヤ装置51は、エンジン13と、後方へ延びる
ユニットケース14とが一体化されてユニットケース14の
後部に後輪15が直接軸支され、ユニットケース14内には
エンジン13の動力を後輪15側に減速して伝達する減速ギ
ヤ装置51が内蔵されたスクータ型車両用パワーユニット
12において、減速ギヤ装置51を構成する少なくとも2個
のギヤ(例えば一次ドリブンギヤ48と二次ドリブンギヤ
50)を圧入によってギヤ軸(ドリブン軸44、車軸45)に
固定し、これらのギヤ(48,50) の圧入部A,Bに滑りが
発生する限界トルクTAmax ,TBmax が、上記圧入部
A,Bに加わるエンジン13の最大駆動トルクTA,TB
に対して1.5 〜3倍の範囲となるように圧入部A,Bの
圧入締め代を設定したことを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクータ型車両用
パワーユニットの減速ギヤ装置に関するものである。
パワーユニットの減速ギヤ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的なスクータ型車両は、エンジンと
ユニットケースとが一体化されたパワーユニットを備え
ている。上記ユニットケースはエンジンのクランクケー
スに連接されて後方に延びており、このユニットケース
の後部に駆動輪である後輪が直接軸支される。ユニット
ケース内にはエンジンの動力を後輪側に伝達するVベル
ト式変速装置と減速ギヤ装置とが内蔵されており、エン
ジンの動力は先ずVベルト式変速装置により変速され、
次に減速ギヤ装置で更に減速されて後輪に伝達される。
ユニットケースとが一体化されたパワーユニットを備え
ている。上記ユニットケースはエンジンのクランクケー
スに連接されて後方に延びており、このユニットケース
の後部に駆動輪である後輪が直接軸支される。ユニット
ケース内にはエンジンの動力を後輪側に伝達するVベル
ト式変速装置と減速ギヤ装置とが内蔵されており、エン
ジンの動力は先ずVベルト式変速装置により変速され、
次に減速ギヤ装置で更に減速されて後輪に伝達される。
【0003】減速ギヤ装置は、数本のギヤ軸と、これら
のギヤ軸に回転一体に設けられて互いに噛み合う複数の
ギヤとを備えて構成されており、複数のギヤの内の1つ
がギヤ軸に圧入固定されている。この圧入されるギヤま
たはギヤ軸の圧入部には浸硫処理のような表面処理が施
され、減速ギヤ装置に万一過大なトルクが加わった場合
に、このギヤがギヤ軸に対して滑るように設計されてい
る。
のギヤ軸に回転一体に設けられて互いに噛み合う複数の
ギヤとを備えて構成されており、複数のギヤの内の1つ
がギヤ軸に圧入固定されている。この圧入されるギヤま
たはギヤ軸の圧入部には浸硫処理のような表面処理が施
され、減速ギヤ装置に万一過大なトルクが加わった場合
に、このギヤがギヤ軸に対して滑るように設計されてい
る。
【0004】例えば、スクータ型車両が荒れた路面を比
較的速いスピードで走行する時、後輪の回転速度は、後
輪が路面の凹部にさしかかって浮き上がり気味になった
瞬間に向上し、後輪が路面の凸部に乗り上げた瞬間には
低下する傾向があり、このように後輪の回転速度が瞬時
に変化するので減速ギヤ装置に過大なトルクが加わりや
すく、各ギヤの歯および軸受、ギヤボックス等が破損す
る恐れがある。しかし、この過大なトルクが減速ギヤ装
置のギヤの滑りによって吸収されるので、各部の破損が
回避される。
較的速いスピードで走行する時、後輪の回転速度は、後
輪が路面の凹部にさしかかって浮き上がり気味になった
瞬間に向上し、後輪が路面の凸部に乗り上げた瞬間には
低下する傾向があり、このように後輪の回転速度が瞬時
に変化するので減速ギヤ装置に過大なトルクが加わりや
すく、各ギヤの歯および軸受、ギヤボックス等が破損す
る恐れがある。しかし、この過大なトルクが減速ギヤ装
置のギヤの滑りによって吸収されるので、各部の破損が
回避される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
減速ギヤ装置のギヤとギヤ軸との圧入部に浸硫処理のよ
うな表面処理を施すのは非常にコストが掛かるため、パ
ワーユニット全体の製造コストが高くなってしまう。ま
た、例えば減速ギヤ装置に多板クラッチ状のトルクリミ
ッタを設け、このトルクリミッタの部分を滑らせて過大
なトルクを吸収するという構成も考えられるが、このよ
うにしても部品点数の増加によるコストアップとパワー
ユニットの大型化を余儀なくされる。
減速ギヤ装置のギヤとギヤ軸との圧入部に浸硫処理のよ
うな表面処理を施すのは非常にコストが掛かるため、パ
ワーユニット全体の製造コストが高くなってしまう。ま
た、例えば減速ギヤ装置に多板クラッチ状のトルクリミ
ッタを設け、このトルクリミッタの部分を滑らせて過大
なトルクを吸収するという構成も考えられるが、このよ
うにしても部品点数の増加によるコストアップとパワー
ユニットの大型化を余儀なくされる。
【0006】本発明は、この問題を解決するためになさ
れたもので、パワーユニットの製造コストを向上させる
ことなく減速ギヤ装置に加わる過大なトルクを吸収可能
にして減速ギヤ装置の破損を防止することのできるスク
ータ型車両用パワーユニットの減速ギヤ装置を提供する
ことを目的とする。
れたもので、パワーユニットの製造コストを向上させる
ことなく減速ギヤ装置に加わる過大なトルクを吸収可能
にして減速ギヤ装置の破損を防止することのできるスク
ータ型車両用パワーユニットの減速ギヤ装置を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るスクータ型車両用パワーユニットの減
速ギヤ装置は、エンジンと、後方へ延びるユニットケー
スとが一体化されて上記ユニットケースの後部に後輪が
直接軸支され、ユニットケース内にはエンジンの動力を
後輪側に減速して伝達する減速ギヤ装置が内蔵されたス
クータ型車両用パワーユニットにおいて、上記減速ギヤ
装置を構成する少なくとも2個のギヤを圧入によってギ
ヤ軸に固定し、これらのギヤの圧入部に滑りが発生する
限界トルクが、上記圧入部に加わるエンジンの最大駆動
トルクに対して1.5 〜3倍の範囲となるように圧入部の
圧入締め代を設定した。
め、本発明に係るスクータ型車両用パワーユニットの減
速ギヤ装置は、エンジンと、後方へ延びるユニットケー
スとが一体化されて上記ユニットケースの後部に後輪が
直接軸支され、ユニットケース内にはエンジンの動力を
後輪側に減速して伝達する減速ギヤ装置が内蔵されたス
クータ型車両用パワーユニットにおいて、上記減速ギヤ
装置を構成する少なくとも2個のギヤを圧入によってギ
ヤ軸に固定し、これらのギヤの圧入部に滑りが発生する
限界トルクが、上記圧入部に加わるエンジンの最大駆動
トルクに対して1.5 〜3倍の範囲となるように圧入部の
圧入締め代を設定した。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。図1は、本発明が適用
されたスクータ型車両の左側面図である。
て図面を参照しながら説明する。図1は、本発明が適用
されたスクータ型車両の左側面図である。
【0009】このスクータ型車両1はアンダーボーン型
の車体フレーム2を備えており、この車体フレーム2の
前頭部に前輪3を支持するフロントフォーク4がハンド
ルバー5や前照灯6等と共に左右回動自在に設けられて
いる。また、車体フレーム2の後半部は上方に開口する
物品収納ボックス7とされており、その下方で車幅方向
に架設されたピボット軸8にはリンク9が弾性回動可能
に軸支され、このリンク9の後端に支持されたリンク軸
11にパワーユニット12が連結されている。
の車体フレーム2を備えており、この車体フレーム2の
前頭部に前輪3を支持するフロントフォーク4がハンド
ルバー5や前照灯6等と共に左右回動自在に設けられて
いる。また、車体フレーム2の後半部は上方に開口する
物品収納ボックス7とされており、その下方で車幅方向
に架設されたピボット軸8にはリンク9が弾性回動可能
に軸支され、このリンク9の後端に支持されたリンク軸
11にパワーユニット12が連結されている。
【0010】パワーユニット12は、その前頭部に位置す
るエンジン13と、このエンジン13から後方へ延びるユニ
ットケース14とが一体化されてユニットケース14の後部
に後輪15が直接軸支された構成であり、パワーユニット
12全体が前記リンク軸11を中心に上下に回動して後輪15
のサスペンションアームの機能を果たす。なお、ユニッ
トケース13の後端部と車体フレーム2(物品収納ボック
ス7)の後端部との間に連結されたリヤクッションユニ
ット16が、スクータ型車両1の走行時におけるパワーユ
ニット12および後輪15の上下揺動を緩衝して定位置に復
元する働きをする。
るエンジン13と、このエンジン13から後方へ延びるユニ
ットケース14とが一体化されてユニットケース14の後部
に後輪15が直接軸支された構成であり、パワーユニット
12全体が前記リンク軸11を中心に上下に回動して後輪15
のサスペンションアームの機能を果たす。なお、ユニッ
トケース13の後端部と車体フレーム2(物品収納ボック
ス7)の後端部との間に連結されたリヤクッションユニ
ット16が、スクータ型車両1の走行時におけるパワーユ
ニット12および後輪15の上下揺動を緩衝して定位置に復
元する働きをする。
【0011】物品収納ボックス7の上部には着座シート
18が開閉可能に載置され、物品収納ボックス7の後部に
は燃料タンク19およびオイルタンク20が設置されてい
る。なお、車体フレーム2およびフロントフォーク4は
合成樹脂製のフレームカバー21によって全面的に覆われ
ており、スクータ型車両1の外観が整えられている。
18が開閉可能に載置され、物品収納ボックス7の後部に
は燃料タンク19およびオイルタンク20が設置されてい
る。なお、車体フレーム2およびフロントフォーク4は
合成樹脂製のフレームカバー21によって全面的に覆われ
ており、スクータ型車両1の外観が整えられている。
【0012】図2は、図1のII-II 線に沿うパワーユニ
ット12の横断面図である。このパワーユニット12のエン
ジン13は、例えば強制空冷式の2サイクル単気筒エンジ
ンであり、そのクランクケース23は左側のケース半身23
Lと右側のケース半身23Rとからなる2つ割り構造で、
このクランクケース23の前面からシリンダアッセンブリ
24がほぼ水平に前方に向かって延びている。
ット12の横断面図である。このパワーユニット12のエン
ジン13は、例えば強制空冷式の2サイクル単気筒エンジ
ンであり、そのクランクケース23は左側のケース半身23
Lと右側のケース半身23Rとからなる2つ割り構造で、
このクランクケース23の前面からシリンダアッセンブリ
24がほぼ水平に前方に向かって延びている。
【0013】クランクケース23内には車幅方向に延びる
クランク軸25が回転自在に軸支されている。一方、シリ
ンダアッセンブリ24内に形成された円筒状のシリンダボ
ア26内にはピストン27が摺動自在に挿入され、このピス
トン27に設けられたピストンピン28と、クランク軸25に
偏心介装されたクランクピン29との間がコンロッド31で
連結されているため、シリンダボア26内におけるピスト
ン27の往復運動がクランク軸25の回転運動に変換されて
エンジン13の出力として取り出されるようになってい
る。
クランク軸25が回転自在に軸支されている。一方、シリ
ンダアッセンブリ24内に形成された円筒状のシリンダボ
ア26内にはピストン27が摺動自在に挿入され、このピス
トン27に設けられたピストンピン28と、クランク軸25に
偏心介装されたクランクピン29との間がコンロッド31で
連結されているため、シリンダボア26内におけるピスト
ン27の往復運動がクランク軸25の回転運動に変換されて
エンジン13の出力として取り出されるようになってい
る。
【0014】ユニットケース14は、例えばクランクケー
ス23のケース半身23L側に連接されている。このユニッ
トケース14は、ケース半身23Lに一体形成されて後方に
延び、左側に開口するケース本体14Aと、このケース本
体14Aの左側開口部を閉塞するケースカバー14Bとから
構成されている。
ス23のケース半身23L側に連接されている。このユニッ
トケース14は、ケース半身23Lに一体形成されて後方に
延び、左側に開口するケース本体14Aと、このケース本
体14Aの左側開口部を閉塞するケースカバー14Bとから
構成されている。
【0015】クランク軸25の左端はクランクケース23か
ら突出してユニットケース14内の前部に延びており、こ
こにドライブプーリ32が回転一体に軸装されている。ま
た、ユニットケース14内の後方寄りには車幅方向に延び
るドリブン軸33が回転自在に軸支され、このドリブン軸
33にドリブンプーリ34とクラッチ装置35が軸装されてい
る。ドライブプーリ32とドリブンプーリ34との間にはV
ベルト36が掛け渡されており、これら3つの部品32,34,
36を含んでVベルト式変速装置37が構成されている。
ら突出してユニットケース14内の前部に延びており、こ
こにドライブプーリ32が回転一体に軸装されている。ま
た、ユニットケース14内の後方寄りには車幅方向に延び
るドリブン軸33が回転自在に軸支され、このドリブン軸
33にドリブンプーリ34とクラッチ装置35が軸装されてい
る。ドライブプーリ32とドリブンプーリ34との間にはV
ベルト36が掛け渡されており、これら3つの部品32,34,
36を含んでVベルト式変速装置37が構成されている。
【0016】一方、ケース本体14A後部の内側面にはギ
ヤカバー39が数本のビス40で液密に被装されてギヤ室41
が画成されている。前記ドリブン軸33の右端はギヤカバ
ー39を貫通しており、ギヤカバー39に設けられた軸受42
とケース本体14Aの後部に設けられた軸受43に軸支され
ている。また、ドリブン軸33の後方には中間軸44と車軸
45が平行に軸支されていて、車軸45の右端はケース本体
14Aの後部から右側に突出しており、この部分に後輪15
が回転一体に固定されている。
ヤカバー39が数本のビス40で液密に被装されてギヤ室41
が画成されている。前記ドリブン軸33の右端はギヤカバ
ー39を貫通しており、ギヤカバー39に設けられた軸受42
とケース本体14Aの後部に設けられた軸受43に軸支され
ている。また、ドリブン軸33の後方には中間軸44と車軸
45が平行に軸支されていて、車軸45の右端はケース本体
14Aの後部から右側に突出しており、この部分に後輪15
が回転一体に固定されている。
【0017】ドリブン軸33には、2つの軸受42,43 の間
に位置する小径な一次ドライブギヤ47が刻設されてい
る。また、中間軸44にはドリブン軸33の一次ドライブギ
ヤ47に噛み合う大径な一次ドリブンギヤ48と、この一次
ドリブンギヤ48の左側に位置する小径な二次ドライブギ
ヤ49とが回転一体に設けられ、車軸45には中間軸44の二
次ドライブギヤ49に噛み合う大径な二次ドリブンギヤ50
が回転一体に設けられている。
に位置する小径な一次ドライブギヤ47が刻設されてい
る。また、中間軸44にはドリブン軸33の一次ドライブギ
ヤ47に噛み合う大径な一次ドリブンギヤ48と、この一次
ドリブンギヤ48の左側に位置する小径な二次ドライブギ
ヤ49とが回転一体に設けられ、車軸45には中間軸44の二
次ドライブギヤ49に噛み合う大径な二次ドリブンギヤ50
が回転一体に設けられている。
【0018】そして、これら4個のギヤ47〜50と、ドリ
ブン軸33、中間軸44、車軸45を含んで減速ギヤ装置51が
構成されており、中間軸44と車軸45が3個のギヤ48,49,
50のギヤ軸となっている。なお、ギヤ室41内にはミッシ
ョンオイルが注入されて各ギヤ47〜50が潤滑されるよう
になっている。
ブン軸33、中間軸44、車軸45を含んで減速ギヤ装置51が
構成されており、中間軸44と車軸45が3個のギヤ48,49,
50のギヤ軸となっている。なお、ギヤ室41内にはミッシ
ョンオイルが注入されて各ギヤ47〜50が潤滑されるよう
になっている。
【0019】このように構成されたパワーユニット12に
おいて、エンジン13の動力、即ちクランク軸25の回転
は、先ずVベルト式変速装置37とクラッチ装置35とを経
てドリブン軸33に伝達される。Vベルト式変速装置37の
ドライブプーリ32は、クランク軸25の回転速度が上昇す
るに連れてVベルト36の巻付径が大きくなり、逆にドリ
ブンプーリ34はVベルト36の巻付径が小さくなるように
構成されているため、クランク軸25の回転が無段階に増
速されてドリブン軸33に伝達される。そして、このドリ
ブン軸33の回転が減速ギヤ装置51により2段階に減速さ
れてから車軸45に伝達され、後輪15が駆動される。
おいて、エンジン13の動力、即ちクランク軸25の回転
は、先ずVベルト式変速装置37とクラッチ装置35とを経
てドリブン軸33に伝達される。Vベルト式変速装置37の
ドライブプーリ32は、クランク軸25の回転速度が上昇す
るに連れてVベルト36の巻付径が大きくなり、逆にドリ
ブンプーリ34はVベルト36の巻付径が小さくなるように
構成されているため、クランク軸25の回転が無段階に増
速されてドリブン軸33に伝達される。そして、このドリ
ブン軸33の回転が減速ギヤ装置51により2段階に減速さ
れてから車軸45に伝達され、後輪15が駆動される。
【0020】ところで、減速ギヤ装置51を構成する少な
くとも2個のギヤ、例えば一次ドリブンギヤ48と二次ド
リブンギヤ50は、圧入によってギヤ軸である中間軸44と
車軸45にそれぞれ固定されている。そして、一次ドリブ
ンギヤ48の圧入部Aおよび二次ドリブンギヤ50の圧入部
Bに滑りが発生する限界トルクTAmax ,TBmax が、
上記圧入部A,Bに加わるエンジン13の最大駆動トルク
TA,TBに対して1.5 〜3倍の範囲となるように圧入
部A,Bの圧入締め代が設定されている。
くとも2個のギヤ、例えば一次ドリブンギヤ48と二次ド
リブンギヤ50は、圧入によってギヤ軸である中間軸44と
車軸45にそれぞれ固定されている。そして、一次ドリブ
ンギヤ48の圧入部Aおよび二次ドリブンギヤ50の圧入部
Bに滑りが発生する限界トルクTAmax ,TBmax が、
上記圧入部A,Bに加わるエンジン13の最大駆動トルク
TA,TBに対して1.5 〜3倍の範囲となるように圧入
部A,Bの圧入締め代が設定されている。
【0021】例えばこのパワーユニット12は、エンジン
13の最大駆動トルクTが0.560 kg・mに設定されており、
Vベルト式変速装置37の減速比IBは2.530 、減速ギヤ
装置51の一段目の減速ギヤである一次ドライブギヤ47と
一次ドリブンギヤ48との間の減速比I1は3.400 、減速
ギヤ装置51の二段目の減速ギヤである二次ドライブギヤ
49と二次ドリブンギヤ50との間の減速比I2は3.429 に
設定されている。ここで、一次ドリブンギヤ48の圧入部
Aに加わるエンジン13の最大駆動トルクTAは次式より
求まる。
13の最大駆動トルクTが0.560 kg・mに設定されており、
Vベルト式変速装置37の減速比IBは2.530 、減速ギヤ
装置51の一段目の減速ギヤである一次ドライブギヤ47と
一次ドリブンギヤ48との間の減速比I1は3.400 、減速
ギヤ装置51の二段目の減速ギヤである二次ドライブギヤ
49と二次ドリブンギヤ50との間の減速比I2は3.429 に
設定されている。ここで、一次ドリブンギヤ48の圧入部
Aに加わるエンジン13の最大駆動トルクTAは次式より
求まる。
【0022】
【数1】
【0023】そして、一次ドリブンギヤ48の圧入部Aに
滑りが発生する限界トルクTAmaxが最大駆動トルクT
Aの1.5 〜3倍、即ち7.23〜14.46 kg・mとなるように圧
入部Aの圧入締め代が設定されている。つまり、中間軸
44と一次ドリブンギヤ48との間の圧入締め代が最小の時
に限界トルクTAmax が最大駆動トルクTAの1.5 倍で
ある7.23kg・mとなり、圧入締め代が最大の時に限界トル
クTAmax が最大駆動トルクTAの3倍の14.46 kg・mと
なるように圧入締め代の範囲が定められている。
滑りが発生する限界トルクTAmaxが最大駆動トルクT
Aの1.5 〜3倍、即ち7.23〜14.46 kg・mとなるように圧
入部Aの圧入締め代が設定されている。つまり、中間軸
44と一次ドリブンギヤ48との間の圧入締め代が最小の時
に限界トルクTAmax が最大駆動トルクTAの1.5 倍で
ある7.23kg・mとなり、圧入締め代が最大の時に限界トル
クTAmax が最大駆動トルクTAの3倍の14.46 kg・mと
なるように圧入締め代の範囲が定められている。
【0024】一方、二次ドリブンギヤ50の圧入部Bにお
けるエンジン13の最大駆動トルクTBは次式より求ま
る。
けるエンジン13の最大駆動トルクTBは次式より求ま
る。
【0025】
【数2】
【0026】したがって、二次ドリブンギヤ50の圧入部
Bに滑りが発生する限界トルクTBmax がTBの1.5 〜
3倍である24.78 〜 49.56kg・mとなるように圧入部Bの
圧入締め代が設定される。即ち、車軸45と二次ドリブン
ギヤ50との間の圧入締め代が最小の時に限界トルクTB
max が最大駆動トルクTBの1.5 倍である24.78 kg・mと
なり、圧入締め代が最大の時に限界トルクTBmax が最
大駆動トルクTBの3倍の 49.56kg・mとなるように圧入
締め代の範囲が定められている。
Bに滑りが発生する限界トルクTBmax がTBの1.5 〜
3倍である24.78 〜 49.56kg・mとなるように圧入部Bの
圧入締め代が設定される。即ち、車軸45と二次ドリブン
ギヤ50との間の圧入締め代が最小の時に限界トルクTB
max が最大駆動トルクTBの1.5 倍である24.78 kg・mと
なり、圧入締め代が最大の時に限界トルクTBmax が最
大駆動トルクTBの3倍の 49.56kg・mとなるように圧入
締め代の範囲が定められている。
【0027】以上のように構成された減速ギヤ装置51に
よれば、万一過大なトルクが加わった場合に、一次ドリ
ブンギヤ48の圧入部Aまたは二次ドリブンギヤ50の圧入
部Bが滑ることによって過大なトルクが吸収され、各ギ
ヤ47〜50の歯および軸受、ギヤボックス(ギヤカバー3
9)等の破損が回避される。
よれば、万一過大なトルクが加わった場合に、一次ドリ
ブンギヤ48の圧入部Aまたは二次ドリブンギヤ50の圧入
部Bが滑ることによって過大なトルクが吸収され、各ギ
ヤ47〜50の歯および軸受、ギヤボックス(ギヤカバー3
9)等の破損が回避される。
【0028】圧入部Aおよび圧入部Bは、ギヤ(48,50)
をギヤ軸(44,45) に圧入するだけの構成でよく、その圧
入面に浸硫処理のような高価な表面処理を施す必要がな
いため、パワーユニット12の製造コストが向上すること
は一切ない。
をギヤ軸(44,45) に圧入するだけの構成でよく、その圧
入面に浸硫処理のような高価な表面処理を施す必要がな
いため、パワーユニット12の製造コストが向上すること
は一切ない。
【0029】また、この減速ギヤ装置51には2つの圧入
部A,Bが設けられているため、万一片方の圧入部が焼
き付いて滑らなくなっても、他方の圧入部が機能するこ
とによって過大なトルクが吸収されるので信頼性が高
い。
部A,Bが設けられているため、万一片方の圧入部が焼
き付いて滑らなくなっても、他方の圧入部が機能するこ
とによって過大なトルクが吸収されるので信頼性が高
い。
【0030】なお、中間軸44、車軸45、一次ドリブンギ
ヤ48、二次ドリブンギヤ50の外形寸法は従来のスクータ
型車両のものと同一で互換性があるため、これらの部品
44,45,48,50 を交換すれば従来のスクータ型車両の減速
ギヤ装置を容易に改良することができる。
ヤ48、二次ドリブンギヤ50の外形寸法は従来のスクータ
型車両のものと同一で互換性があるため、これらの部品
44,45,48,50 を交換すれば従来のスクータ型車両の減速
ギヤ装置を容易に改良することができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るスク
ータ型車両用パワーユニットの減速ギヤ装置は、エンジ
ンと、後方へ延びるユニットケースとが一体化されて上
記ユニットケースの後部に後輪が直接軸支され、ユニッ
トケース内にはエンジンの動力を後輪側に減速して伝達
する減速ギヤ装置が内蔵されたスクータ型車両用パワー
ユニットにおいて、上記減速ギヤ装置を構成する少なく
とも2個のギヤを圧入によってギヤ軸に固定し、これら
のギヤの圧入部に滑りが発生する限界トルクが、上記圧
入部に加わるエンジンの最大駆動トルクに対して1.5 〜
3倍の範囲となるように圧入部の圧入締め代を設定した
ことを特徴とするものである。
ータ型車両用パワーユニットの減速ギヤ装置は、エンジ
ンと、後方へ延びるユニットケースとが一体化されて上
記ユニットケースの後部に後輪が直接軸支され、ユニッ
トケース内にはエンジンの動力を後輪側に減速して伝達
する減速ギヤ装置が内蔵されたスクータ型車両用パワー
ユニットにおいて、上記減速ギヤ装置を構成する少なく
とも2個のギヤを圧入によってギヤ軸に固定し、これら
のギヤの圧入部に滑りが発生する限界トルクが、上記圧
入部に加わるエンジンの最大駆動トルクに対して1.5 〜
3倍の範囲となるように圧入部の圧入締め代を設定した
ことを特徴とするものである。
【0032】この構成によれば、上記圧入部に高価な表
面処理を施す必要がなくなるのでパワーユニットの製造
コストを向上させることなく減速ギヤ装置に加わる過大
なトルクを吸収することができる。
面処理を施す必要がなくなるのでパワーユニットの製造
コストを向上させることなく減速ギヤ装置に加わる過大
なトルクを吸収することができる。
【図1】本発明が適用されたスクータ型車両の左側面
図。
図。
【図2】本発明の一実施形態を示すもので、図1のII-I
I 線に沿うパワーユニットの横断面図。
I 線に沿うパワーユニットの横断面図。
1 スクータ型車両 13 エンジン 14 ユニットケース 15 後輪 37 Vベルト式変速装置 51 減速ギヤ装置 48 減速ギヤ装置を構成するギヤである一次ドリブンギ
ヤ 50 減速ギヤ装置を構成するギヤである二次ドリブンギ
ヤ 44 ギヤ軸であるドリブン軸 45 ギヤ軸である車軸 A,B 圧入部
ヤ 50 減速ギヤ装置を構成するギヤである二次ドリブンギ
ヤ 44 ギヤ軸であるドリブン軸 45 ギヤ軸である車軸 A,B 圧入部
Claims (1)
- 【請求項1】 エンジン13と、後方へ延びるユニットケ
ース14とが一体化されて上記ユニットケース14の後部に
後輪15が直接軸支され、ユニットケース14内にはエンジ
ン13の動力を後輪15側に減速して伝達する減速ギヤ装置
51が内蔵されたスクータ型車両用パワーユニット12にお
いて、上記減速ギヤ装置51を構成する少なくとも2個の
ギヤ(例えば一次ドリブンギヤ48と二次ドリブンギヤ5
0)を圧入によってギヤ軸(ドリブン軸44、車軸45)に
固定し、これらのギヤ(48,50) の圧入部A,Bに滑りが
発生する限界トルクTAmax ,TBmax が、上記圧入部
A,Bに加わるエンジン13の最大駆動トルクTA,TB
に対して1.5 〜3倍の範囲となるように圧入部A,Bの
圧入締め代を設定したことを特徴とするスクータ型車両
用パワーユニットの減速ギヤ装置51。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28988595A JPH09132190A (ja) | 1995-11-08 | 1995-11-08 | スクータ型車両用パワーユニットの減速ギヤ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28988595A JPH09132190A (ja) | 1995-11-08 | 1995-11-08 | スクータ型車両用パワーユニットの減速ギヤ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09132190A true JPH09132190A (ja) | 1997-05-20 |
Family
ID=17749037
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28988595A Pending JPH09132190A (ja) | 1995-11-08 | 1995-11-08 | スクータ型車両用パワーユニットの減速ギヤ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09132190A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1123775A2 (en) * | 2000-01-17 | 2001-08-16 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Power transmission system for working machine |
-
1995
- 1995-11-08 JP JP28988595A patent/JPH09132190A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1123775A2 (en) * | 2000-01-17 | 2001-08-16 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Power transmission system for working machine |
EP1123775A3 (en) * | 2000-01-17 | 2002-09-11 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Power transmission system for working machine |
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