JP2004034777A - 自動二輪車のプロペラシャフト - Google Patents

自動二輪車のプロペラシャフト Download PDF

Info

Publication number
JP2004034777A
JP2004034777A JP2002192227A JP2002192227A JP2004034777A JP 2004034777 A JP2004034777 A JP 2004034777A JP 2002192227 A JP2002192227 A JP 2002192227A JP 2002192227 A JP2002192227 A JP 2002192227A JP 2004034777 A JP2004034777 A JP 2004034777A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shaft
disposed
propeller shaft
motorcycle
drive shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002192227A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinobu Tsutsumigoshi
堤腰 忍
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Corp filed Critical Suzuki Motor Corp
Priority to JP2002192227A priority Critical patent/JP2004034777A/ja
Publication of JP2004034777A publication Critical patent/JP2004034777A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】小入力時の歯打ち音の発生を防止すると共に、大入力時に十分な強度を確保可能な自動二輪車のプロペラシャフトを提供するにある。
【解決手段】前部がピボットシャフト9を介して上下方向へ揺動自在に枢着され、平行に配置された左右一対のアーム部8,51後端に後輪11を回動自在に支持するスイングアーム方式の後輪懸架装置を備え、一方のアーム部8内にエンジン本体の回転駆動力を伝達するプロペラシャフト49を収納した自動二輪車において、プロペラシャフト49は前側に配置されて揺動中心がピボットシャフト9の軸線58の延長線上に配置された自在継ぎ手57に連結される駆動シャフト61と、後側に配置されて後輪11を支持するアクスルシャフト50に連結される従動シャフト62とに前後にニ分割され、駆動シャフト61の後部に一定小範囲の相対回動を許容する高トルク伝達用機械式係合伝動部64,68を形成すると共に、この機械式係合伝動部64,68の前方に低トルク伝達用弾性緩衝部材65を並設したものである。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動二輪車のプロペラシャフトに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車の後輪を懸架する方法として、一般にスイングアーム構造が用いられている。スイングアーム構造は、平行に配置された左右一対のアーム部の一端を連結し、この連結部を車体に枢着すると共に、アーム部の自由端部で後輪のアクスルシャフトを軸支するようにしたものである。
【0003】
また、エンジンの回転を、プロペラシャフトを用いて後輪に伝達するシャフトドライブ方式のなかには、一方のアーム部内にプロペラシャフト等の動力伝達装置を収納したものがある。そして、プロペラシャフトの途中に発進クラッチ機構を設けたものもある。
【0004】
自動二輪車の後輪懸架用スイングアーム構造では、スイングアームの揺動によって後輪軸が前後方向に移動したり(ミスアライメント)、エンジンの出力軸と最終減速装置との取り付け時に位置ズレが発生したりするので、これらを吸収するためにプロペラシャフトと発進クラッチ機構との継ぎ手部間にスプラインまたはギヤ式のカップリングを設けている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スプラインやカップリング等はその構造上歯面に「ガタ」を持たせているため、軽負荷走行時等入力が小さいときには駆動力の回転変動やトルク変動により歯打ち音が発生し、好ましくない。
【0006】
従来、スプラインやカップリングの代りに二重管の間にゴム等の弾性体を配置してその捩り特性によって変動を吸収するものもあったが、駆動力も弾性体で伝達することとなり、エンジン出力が大きい車両の場合伝達容量を確保するために装置が大型化してスイングアームに内蔵することが困難になると共に、捩り特性の調整も容易ではない。
【0007】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、小入力時の歯打ち音の発生を防止すると共に、大入力時に十分な強度を確保可能な自動二輪車のプロペラシャフトを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る自動二輪車のプロペラシャフトは、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、前部がピボットシャフトを介して上下方向へ揺動自在に枢着され、平行に配置された左右一対のアーム部後端に後輪を回動自在に支持するスイングアーム方式の後輪懸架装置を備え、一方の上記アーム部内にエンジン本体の回転駆動力を伝達するプロペラシャフトを収納した自動二輪車において、上記プロペラシャフトは前側に配置されて揺動中心が上記ピボットシャフトの軸線の延長線上に配置された自在継ぎ手に連結される駆動シャフトと、後側に配置されて上記後輪を支持するアクスルシャフトに連結される従動シャフトとに前後にニ分割され、上記駆動シャフトの後部に一定小範囲の相対回動を許容する高トルク伝達用機械式係合伝動部を形成すると共に、この機械式係合伝動部の前方に低トルク伝達用弾性緩衝部材を並設したものである。
【0009】
また、上述した課題を解決するために、請求項2に記載したように、上記機械式係合伝動部の後方に上記駆動シャフトの芯合わせ装置としての軸受部材を配置したものである。
【0010】
さらに、上述した課題を解決するために、請求項3に記載したように、上記駆動シャフトに設けられた上記低トルク伝達用弾性緩衝部材を上記駆動シャフトの回転中心軸と同軸上に固着したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は、この発明を適用したスクータ型の自動二輪車の一例を示す左側面図である。また、図2はこの内部構造を示す左側面図である。そして、図3は、図1および図2に示す自動二輪車の概略平面図である。図1、図2および図3に示すように、この自動二輪車1は車体フレーム2を有し、この車体フレーム2の前端にはヘッドパイプ3が設けられる。ヘッドパイプ3には前輪4を回動自在に支持するフロントフォーク5やハンドルバー6等が設けられ、このハンドルバー6により前輪4が左右に回動自在に操舵される。
【0013】
車体フレーム2の中央下部にはエンジンユニット7が搭載される。また、エンジンユニット7後部には動力伝達部である伝達ユニット8が配置され、この伝達ユニット8の前部が後述するピボットシャフト9を介して車体に枢着される。この伝達ユニット8はスイングアーム方式の後輪懸架装置を兼ねており、ショックアブソーバ10により車体に弾性的に且つ上下方向へ揺動自在に支持される。そして、伝達ユニット8の後端に駆動輪である後輪11が回動自在に支持される。
【0014】
後輪11の上方にはヘルメット12や図示しない荷物、工具等の収納容器である物品収納室13が設けられる。また、物品収納室13の上方にはこの物品収納室13の蓋を兼ねた乗員着座用の運転シート14が開閉自在に設置される。さらに、運転シート14の前下部とエンジンユニット7後上部との間には燃料タンク15が配置される。そして、車体フレーム2はその廻りを例えば合成樹脂成形品である車体カバー16により覆われる。
【0015】
ヘッドパイプ3と運転シート14前部との間の車体フレーム2および車体カバー16は下方に大きく略U字状に湾曲して車体の幅方向に延びる足通し空間17を形成し、その底部の左右に運転者が足を載せる低床の、具体的には車体フレーム2の上側フレーム2aと下側フレーム2bとの間に位置するライダ用フットレストフロア18が形成される。また、この左右のライダ用フットレストフロア18の後方には同乗者が足を載せるピリオンライダ用フットレストフロア19が形成される。さらに、ライダ用フットレストフロア18の中央部には前後に延びて上方に突出するフロアトンネル20が形成される。
【0016】
図4は、エンジンユニット7の拡大平面図である。図2〜図4に示すように、エンジンユニット7は動力発生部であるエンジン本体21と、第一の変速部であるミッション部22と、第二の変速部である動力伝達方向変換部23とに三分割される。エンジン本体21は、主にクランクケース24と、クランクケース24の前部に略水平に配置されたシリンダアッセンブリ25とから構成され、ブラケット26等を介して車体フレーム2に固定される。
【0017】
また、この自動二輪車1に搭載されるエンジン本体21は水冷式であって、前輪4とエンジン本体21との間の車体カバー16内にエンジン本体21冷却用の冷却水を冷却するラジエター27が配置される(図2および図3参照)。
【0018】
シリンダアッセンブリ25の前側に設けられたシリンダヘッド28の内部には動弁機構29が設けられる。また、シリンダヘッド28の上部には吸気管30が接続される。一方、シリンダヘッド28の下部には排気管31の基端部が接続される。そして、排気管31はエンジンユニット7の下部に導かれて後方に向かって延設され、その下流端にマフラ32が接続される。なお、本実施形態においてマフラ32は車体の進行方向に向かって右側に車体の中心からオフセットして配置される。
【0019】
本実施形態に用いられるエンジン本体21はクランクケース24内を車幅方向に延びる一本のクランクシャフト33を共有する二本のシリンダ34が左右に並設されたいわゆる並列二気筒エンジンである。
【0020】
クランクシャフト33の一端(本実施形態においては左端)にはプライマリドライブギヤ35が設けられる。プライマリドライブギヤ35後方のクランクケース24は後方に向かって延設され、平面視略L字形状のクランクケース24を形成すると共に、この延設部24aの内部に第一連結シャフト36がクランクシャフト33と平行に配置される。第一連結シャフト36にはプライマリドリブンギヤ37が設けられて一次減速装置を構成し、このプライマリドリブンギヤ37がクランクシャフト33に設けられたプライマリドライブギヤ35に作動連結されてクランクシャフト33の回転が第一連結シャフト36に伝達される。
【0021】
第一連結シャフト36の一端部(本実施形態においては左端部)には上記冷却水循環用のウォータポンプ38が連結される一方、他端部(本実施形態においては右端部)には潤滑オイル圧送用のオイルポンプ39が軸上に配置される。
【0022】
クランクケース24の後方にはミッション部22が配置され、その内部にはVベルト式自動変速装置40が配置される。この変速装置40は、ドライブプーリ41を備えたドライブシャフト42と、ドリブンプーリ43を備えたドリブンシャフト44とを有し、ドライブシャフト42はクランクシャフト33の後方で、第一連結シャフト36と車体の幅方向に対向した位置にこの第一連結シャフト36と同軸上に配置されると共に、このドライブシャフト42の後方にドリブンシャフト44がドライブシャフト42と平行に配置される。
【0023】
ドライブシャフト42の第一連結シャフト36に対向した端部(本実施形態においては左端部)には第一連結シャフト36に例えばスプライン連結される。そして、ドライブプーリ41とドリブンプーリ43との間にはVベルト45が張架され、このVベルト45を介してドリブンプーリ43にエンジン本体21の回転駆動力が伝達される。
【0024】
ミッション部22は、クランクケース24同様平面視略L字形状に形成され、ミッション部22の折部内側とクランクケース24の折部内側とが向かい合って配置される。
【0025】
クランクケース24の延設部24a後方には動力伝達方向変換部23が配置され、その内部には第二連結シャフト46が設けられる。第二連結シャフト46はドリブンシャフト44と車体の幅方向に対向した位置にこのドリブンシャフト44と同軸上に配置され、両シャフト44,46は例えばスプライン連結されて変速装置40によって変速されたエンジン本体21の回転駆動力が第二連結シャフト46に伝達される。
【0026】
さらに、動力伝達方向変換部23内にはエンジンユニット7の最終出力軸である伝達シャフト47が第二連結シャフト46に直交して配置され、二次減速装置であるベベルギヤ48を介して第二連結シャフト46の回転方向が90°変換されて伝達シャフト47に伝達される。
【0027】
そして、伝達シャフト47に伝達されたエンジン本体21の回転駆動力は前記伝達ユニット8内に収納されたプロペラシャフト49を介して後輪11のアクスルシャフト50に伝達される。
【0028】
伝達ユニット8は前述したようにスイングアーム方式の後輪懸架装置を兼ねており、図5はこの後輪懸架装置8の拡大平断面図である。また、図6は図5のVI−VI線に沿う断面図である。図5および図6に示すように、後輪懸架装置8は平行に配置された左右一対のアーム部8,51を備える。一方(本実施形態においては車体の進行方向に向かって右側)のアーム部51は単純な棒形状を有し、その後端にはアクスルシャフト50の支持部材52が、その前端にはピボットシャフト9の支持部材53がそれぞれ設けられる。
【0029】
一方、本実施形態において車体の進行方向に向かって左側のアーム部8は伝達ユニット8であって、その内部にプロペラシャフト49等の動力伝達部材を収納可能に中空に形成される。
【0030】
伝達ユニット8の前端内側にはピボットシャフト9の支持部材54が設けられ、伝達ユニット8と上記右側のアーム部51とがこれらの支持部材53,56の後方で連結部材55を介して連結されると共に、これらの支持部材53,56はエンジンユニット7後部を車体フレーム2に固定するブラケット26に形成されたピボット部56にピボットシャフト9を介して枢着される。
【0031】
伝達ユニット8内に収納されたプロペラシャフト49は前部シャフト49Fと後部シャフト49Rとに二分割され、この前部シャフト49Fと前記動力伝達方向変換部23の伝達シャフト47とが自在継ぎ手57で連結される。この自在継ぎ手57はその揺動中心がピボットシャフト9の軸線58の延長線上に配置される。そして、この自在継ぎ手57により、エンジン本体21の回転駆動力がプロペラシャフト49に伝達される。
【0032】
一方、伝達ユニット8内の前部シャフト49Fと後部シャフト49Rとの間には動力伝達部材である発進クラッチ機構59が配置される。この発進クラッチ機構59は例えば電磁制御式湿式多板のものが用いられる。
【0033】
ここで、電磁制御式湿式多板の発進クラッチ機構59とは、詳細には図示しないが電気的に断続制御可能で伝達トルクの小さいパイロットクラッチと、このパイロットクラッチに比べて大きなトルクを伝達可能なメインクラッチとを備え、パイロットクラッチを接続することによりメインクラッチとの間に回転位相差が生じ、この回転位相差がパイロットクラッチに設けられたカム機構によりメインクラッチのプレッシャプレートの押圧力に変換されると共に増幅され、大きなトルクの伝達を可能にするものである。電磁制御のパイロットクラッチが小型に形成できることにより、クラッチのレスポンスが向上すると同時に、メインクラッチの小型化も可能となり、伝達ユニット8全体の小型化にも繋がる。なお、電磁制御式湿式多板のクラッチ機構59の代りに、遠心式のクラッチ機構(図示せず)を用いてもよい。
【0034】
さらに、後部シャフト49Rの後端部近傍には動力伝達部材である上記アクスルシャフト50が回転自在に支持され、動力伝達部材、且つ最終減速装置であるベベルギヤ60を介してプロペラシャフト49の回転方向が90°変換されてアクスルシャフト50に伝達される。
【0035】
ところで、スイングアーム構造の後輪懸架構造を用いる自動二輪車1においては、平行に配置された左右一対のアーム部8,51のピボットシャフト9を軸とした上下方向の揺動によって後輪11のアクスルシャフト50が前後方向に移動したり(ミスアライメント)、エンジンユニット7の最終出力軸である伝達シャフト47と最終減速装置との取り付け時に位置ズレが発生するので、これらを吸収するための手段が必要となる。
【0036】
そこで、本発明においては動力伝達方向変換部23の伝達シャフト47に連結された自在継ぎ手57と発進クラッチ機構59とを連結する前部シャフト49Fを、前側に配置されて自在継ぎ手57に連結される駆動シャフト61と、後側に配置されて発進クラッチ機構59に連結される従動シャフト62とに前後にニ分割する。
【0037】
図7は、駆動シャフト61の後面図であり、図8は図7のVIII−VIII線に沿う断面図である。図7および図8に示すように、駆動シャフト61の前端部には自在継ぎ手57への連結部であるねじ部63が形成されると共に、後端部には周方向への一定小範囲の相対回動を許容する高トルク伝達用機械式係合伝動部であるスプライン突起64が周方向に等間隔で突設される。
【0038】
また、スプライン突起64前方の駆動シャフト61外周には低トルク伝達用弾性緩衝部材である管状のゴム等から形成される弾性体65が駆動シャフト61の回転中心軸と同軸上に焼き付けられて固着される。さらに、この弾性体65の外周には例えば金属製の外筒66が固着されると共に、弾性体65は円周の正逆方向にそれぞれ例えば5°分の捩りを許容する。
【0039】
図9は、従動シャフト62の後面図であり、図10は図9のX−X線に沿う断面図である。図9および図10に示すように、従動シャフト62は管状構造を有し、その前部には上記駆動シャフト61に設けられた弾性体65の収納部67が形成される。また、この収納部67の後方には上記駆動シャフト61に設けられたスプライン突起64が係合する他の機械式係合伝動部であるスプライン溝68が形成される。さらに、このスプライン溝68の後方には後述する軸受の収納部69が形成される。そして、従動シャフト62の後端外縁部には発進クラッチ機構59への連結部である複数個のフランジ70が周方向に等間隔で突設される。
【0040】
図11は、駆動シャフト61と従動シャフト62とが連結された状態の前部シャフト49Fの後面図であり、図12は図11のXII−XII線に沿う断面図である。また、図13は図12のXIII−XIII線に沿う断面図である。図11〜図13に示すように、駆動シャフト61は従動シャフト62内部にその前方から挿入され、スプライン突起64とスプライン溝68とが係合すると共に、弾性体65の収納部67には弾性体65の外周に設けられた外筒66が圧入され、回動一体に固着される。さらに、駆動シャフト61の後端部は、軸受の収納部69内に圧入され、サークリップ71によって位置規制された芯合わせ装置としての軸受部材である例えばボールベアリング72によって回転自在に支持されると共に、駆動シャフト61の芯合わせが行われる。
【0041】
そして、図13に詳細に示すように、スプライン突起64とスプライン溝68との係合部は双方向に3°から7°の、好ましくは4°の範囲で歯面の係合隙間73(ガタ)が略均等に割り振られる。
【0042】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0043】
エンジン本体21の回転駆動力が伝達ユニット8内に収納されたプロペラシャフト49を介して後輪11のアクスルシャフト50に伝達される際、アイドリング時や低速走行時などプロペラシャフト49への入力が小さいときには駆動力の回転変動やトルク変動は低トルク伝達用弾性緩衝部材である弾性体65によって緩衝され、スプライン部分における歯打ち音が発生しない。
【0044】
また、エンジン本体21の出力が大きくなってプロペラシャフト49への入力が大きくなり、トルクが弾性体65の捩り剛性の許容範囲を超えると、スプライン突起64とスプライン溝68とが直接係合してエンジン本体21の出力を確実に後輪11のアクスルシャフト50に伝達する。
【0045】
さらに、スプライン突起64とスプライン溝68とから構成される高トルク伝達用機械式係合伝動部を自在継ぎ手57から遠ざけて配置することにより、スプライン突起64とスプライン溝68との係合隙間73を小さく設定できる。
【0046】
そして、芯合わせ装置としての軸受部材、本実施形態においてはボールベアリング72を高トルク伝達用機械式係合伝動部の後方に配置したので、前部シャフト49Fのスパンが長くなり、この前部シャフト49Fの芯ずれ角度が小さくなるので、スプライン突起64とスプライン溝68との係合隙間73を小さく設定できる。
【0047】
さらに、エンジン本体21の出力が小さいときは低トルク伝達用弾性緩衝部材で、出力が大きいときは高トルク伝達用機械式係合伝動部で回転変動を吸収するようにしたので、全体がコンパクト化し、スイングアームに内蔵することが容易になると共に、軽量化が図られ、高速回転への適応性が向上するなど、性能が高まる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る自動二輪車のプロペラシャフトによれば、エンジン本体の回転駆動力が小さくてもスプライン部分における歯打ち音の発生が防止される。また、エンジン本体の回転駆動力が大きくなってもエンジン本体の出力を確実に後輪に伝達可能になる。
【0049】
さらに、スプライン突起とスプライン溝との係合隙間を小さく設定できる。さらにまた、装置全体をコンパクト化することが出きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動二輪車のプロペラシャフトの一実施形態を示すスクータ型自動二輪車の左側面図。
【図2】図1に示す自動二輪車の内部構造を示す左側面図。
【図3】図1および図2に示す自動二輪車の概略平面図。
【図4】エンジンユニットの拡大平面図。
【図5】後輪懸架装置の拡大平断面図。
【図6】図5のVI−VI線に沿う断面図。
【図7】駆動シャフトの後面図。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿う断面図。
【図9】従動シャフトの後面図。
【図10】図9のX−X線に沿う断面図。
【図11】駆動シャフトと従動シャフトとが連結された状態の前部シャフトの後面図。
【図12】図11のXII−XII線に沿う断面図。
【図13】図12のXIII−XIII線に沿う断面図。
【符号の説明】
1 自動二輪車
8 伝達ユニット(アーム部)
9 ピボットシャフト
11 後輪
21 エンジン本体
49 プロペラシャフト
49F 前部シャフト
50 アクスルシャフト
51 アーム部
57 自在継ぎ手
58 ピボットシャフトの軸線
59 発進クラッチ機構
61 駆動シャフト
62 従動シャフト
64 スプライン突起(高トルク伝達用機械式係合伝動部)
65 弾性体(低トルク伝達用弾性緩衝部材)
68 スプライン溝(高トルク伝達用機械式係合伝動部)
72 ボールベアリング(軸受部材)

Claims (3)

  1. 前部がピボットシャフトを介して上下方向へ揺動自在に枢着され、平行に配置された左右一対のアーム部後端に後輪を回動自在に支持するスイングアーム方式の後輪懸架装置を備え、一方の上記アーム部内にエンジン本体の回転駆動力を伝達するプロペラシャフトを収納した自動二輪車において、上記プロペラシャフトは前側に配置されて揺動中心が上記ピボットシャフトの軸線の延長線上に配置された自在継ぎ手に連結される駆動シャフトと、後側に配置されて上記後輪を支持するアクスルシャフトに連結される従動シャフトとに前後にニ分割され、上記駆動シャフトの後部に一定小範囲の相対回動を許容する高トルク伝達用機械式係合伝動部を形成すると共に、この機械式係合伝動部の前方に低トルク伝達用弾性緩衝部材を並設したことを特徴とする自動二輪車のプロペラシャフト。
  2. 上記機械式係合伝動部の後方に上記駆動シャフトの芯合わせ装置としての軸受部材を配置した請求項1記載の自動二輪車のプロペラシャフト。
  3. 上記駆動シャフトに設けられた上記低トルク伝達用弾性緩衝部材を上記駆動シャフトの回転中心軸と同軸上に固着した請求項1または2記載の自動二輪車のプロペラシャフト。
JP2002192227A 2002-07-01 2002-07-01 自動二輪車のプロペラシャフト Pending JP2004034777A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002192227A JP2004034777A (ja) 2002-07-01 2002-07-01 自動二輪車のプロペラシャフト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002192227A JP2004034777A (ja) 2002-07-01 2002-07-01 自動二輪車のプロペラシャフト

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004034777A true JP2004034777A (ja) 2004-02-05

Family

ID=31701558

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002192227A Pending JP2004034777A (ja) 2002-07-01 2002-07-01 自動二輪車のプロペラシャフト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004034777A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008082406A (ja) * 2006-09-26 2008-04-10 Honda Motor Co Ltd 車両のシャフトドライブ式動力伝達装置
JP2008100535A (ja) * 2006-10-17 2008-05-01 Press Kogyo Co Ltd アクスルシャフト並びにアクスルユニット及びアクスルユニット製造方法
US7419028B2 (en) * 2004-09-30 2008-09-02 Honda Motor Co., Ltd. Motorcycle
JP2014525544A (ja) * 2011-08-30 2014-09-29 ボーグワーナー インコーポレーテッド 作動装置のためのフレキシブルカップリング/リンケージ
JP2016007932A (ja) * 2014-06-24 2016-01-18 本田技研工業株式会社 動力伝達機構

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7419028B2 (en) * 2004-09-30 2008-09-02 Honda Motor Co., Ltd. Motorcycle
JP2008082406A (ja) * 2006-09-26 2008-04-10 Honda Motor Co Ltd 車両のシャフトドライブ式動力伝達装置
JP2008100535A (ja) * 2006-10-17 2008-05-01 Press Kogyo Co Ltd アクスルシャフト並びにアクスルユニット及びアクスルユニット製造方法
JP2014525544A (ja) * 2011-08-30 2014-09-29 ボーグワーナー インコーポレーテッド 作動装置のためのフレキシブルカップリング/リンケージ
JP2016007932A (ja) * 2014-06-24 2016-01-18 本田技研工業株式会社 動力伝達機構

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100380105B1 (ko) 모터사이클용 파워유닛 배치구조
US5515940A (en) Power unit for saddle type vehicle
JP3867486B2 (ja) 自動二輪車
JP4058884B2 (ja) 自動二輪車の後輪懸架装置
KR100356748B1 (ko) 혼성구동시스템 장착 모터사이클
US6612391B2 (en) Engine unit for small-sized vehicle
US7610987B2 (en) Power unit and saddle-ride type vehicle provided with the power unit
JP4075296B2 (ja) スクータ型自動二輪車
JP2007302169A (ja) 乗鞍型不整地走行車両
US6109383A (en) Power unit for motorcycle
JPH11294161A (ja) 車両の水冷式エンジン冷却装置
US8215439B2 (en) Dry clutch, and motorcycle equipped with the same
JP3870624B2 (ja) スクータ型自動二輪車
JP2004034777A (ja) 自動二輪車のプロペラシャフト
JP3743239B2 (ja) スクータ型自動二輪車
JP4135717B2 (ja) 小型車両
EP1375860A1 (en) Power unit for motorcycle
JP4058874B2 (ja) スクータ型自動二輪車
JP4592515B2 (ja) 車両用パワーユニット
CN216034900U (zh) 跨骑型车辆
TW201811584A (zh) 一種用於混合動力車之驅動系統
JP3564977B2 (ja) ユニットスイング型エンジン搭載の自動二輪車
JPS6347627Y2 (ja)
JP2017196947A (ja) 鞍乗型車両
JP4508306B2 (ja) 車両用パワーユニット