JPH09131929A - 手動走査型印字装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特別なガイドがなくても、所定方向への整然
とした印字が可能である手動走査型印字装置を提供す
る。 【解決手段】 手動走査型印字装置１は、筒状のケーシ
ング２の下部には、印字用紙等の印字媒体にインクを吐
出して印字を行うインクジェットヘッド４及び、手動走
査型印字装置１の移動量を検出するためのローラ５を、
また、上部には、図示しない外部装置との通信を行うた
めの赤外線データ送受信部６をそれぞれ有する。ケーシ
ング２には、手動走査型印字装置１の進行方向を指示す
る指示部材７が収納される収納部２ｂを形成する。指示
部材７は、下端部を回動可能に軸支し、使用時には、指
示部材７を倒伏して手動走査の方向を指示する指示位置
と、非使用時には、指示部材７を起立してケーシング２
の収納部２ｂに収納される収納位置とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、操作者が手動で走
査し印字を行う手動走査型印字装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、記録媒体に印字する印字手段
と、該印字手段を収容するケーシングとを備え、該ケー
シングを把持して、手動走査により前記印字手段にて記
録媒体の任意の位置に印字することができる手動走査型
印字装置は知られている（例えば特開昭４８−１７６３
０号公報参照）。

【０００３】また、そのような手動走査型印字装置にお
いて記録媒体に対して所定方向に整然と印字するため
に、例えば特開平３−２９９号公報に記載されるよう
に、印字装置とは別体で、該装置の文字、画像等の書き
出し位置の目的、印字領域確認用のスケール、被印字物
押さえ用のガイド、直進性を出すためのガイドを用いる
ことが知られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、手動走
査型印字装置に対して上述したようなガイドを用いると
しても、ガイドを忘れた場合等においてはうまく印字す
ることができず、不便である。

【０００５】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
で、特別なガイドがなくても、所定方向に整然と印字す
ることが可能である手動走査型印字装置を提供すること
を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、記録
媒体に印字する印字手段と、該印字手段を収容するケー
シングとを備え、該ケーシングを把持して、手動走査に
より前記印字手段にて記録媒体に印字する手動走査型印
字装置において、前記記録媒体への印字手段による印字
の際に、手動走査の方向を指示する指示手段を備える構
成とする。

【０００７】請求項１の発明によれば、記録媒体への印
字手段による印字の際に、指示手段によって手動走査の
方向が指示される。

【０００８】請求項２の発明は、請求項１の手動走査型
印字装置において、前記指示手段が、ケーシングに設け
られている。

【０００９】請求項２の発明によれば、指示手段がケー
シングに設けられていることから、それを忘れるという
ことがなく、手動走査により印字を行う際に、指示手段
を常に用いて手動走査の方向（印字方向）が指示され
る。

【００１０】請求項３の発明は、請求項１又は２の手動
走査型印字装置において、前記指示手段が、ケーシング
に起伏可能に支承された棒状又は板状の指示部材と、ケ
ーシングに形成され前記指示部材を収納する収納部とを
備え、前記指示部材が、手動走査の方向を指示する指示
位置又は前記収納部に収納される収納位置を択一的にと
るものである。

【００１１】請求項３の発明によれば、使用状態では、
指示部材が倒伏されて手動走査の方向を指示する指示位
置とされ、非使用状態では、指示部材が起立されてケー
シングの収納部に収納される収納位置とされる。

【００１２】請求項４の発明は、請求項１又は２の手動
走査型印字装置において、前記指示手段が、記録媒体上
の手動走査の方向に、光の軌跡による指示ラインを形成
するものである。

【００１３】請求項４の発明によれば、記録媒体上の手
動走査の方向に形成された指示ライン（光の軌跡）によ
って、手動走査の方向が指示される。

【００１４】請求項５の発明は、請求項１、２又は４の
手動走査型印字装置において、前記指示手段は、光を発
光する発光手段と、該発光手段より発光された光の方向
を偏向して走査させ指示ラインを形成する偏向手段とを
備える。

【００１５】請求項５の発明によれば、発光手段によっ
て発光された光の方向が、偏向手段によって偏向されて
走査され、光の軌跡である指示ラインが形成される。

【００１６】請求項６の発明は、請求項５の手動走査型
印字装置において、前記発光手段が、レーザ発光装置で
ある。

【００１７】請求項６の発明によれば、レーザ発光装置
によって、指示ラインを形成するためのレーザ光が発光
される。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。

【００１９】図１は手動走査型印字装置の使用状態を示
す斜視図である。図１において、手動走査型印字装置１
は、手動走査により印字を行うものであって、筒状のケ
ーシング２の下部には、印字用紙３（記録媒体）にイン
クを吐出して印字を行うインクジェットヘッド４（印字
手段）と、手動走査型印字装置１の印字用紙３に対する
相対的な移動速度（移動量）を検出するためのローラ５
とを、また上部には、図示しない外部装置との間で印字
データ等の送受信を行うための赤外線データ送受信部６
を、さらに側部には、電源のオン・オフを行い、かつ印
字開始モード等の種々の印字モードを印字モードを選択
するためのスイッチ４０をそれぞれ備えている。尚、上
記ローラ５は、ケーシング２のローラ支持部２ａに回動
可能に支承されている。

【００２０】また、前記手動走査型印字装置１は、図２
及び図３に示すように、インクジェットヘッド４にイン
クを供給するインクタンク８を備えている。また、ロー
ラ５は、歯付プーリ部５ａを有し、該歯付プーリ部５ａ
がタイミングベルト１０を介して、インクタンク８の上
方に位置するスリット盤１１の歯付プーリ部１１ａに連
係され、ローラ５の回転を、半径方向の複数のスリット
１１ｂを有するスリット盤１１に伝達するようになって
いる。スリット盤１１には、各スリット１１ｂの通過を
検出するフォトインタラプタ１２が関連づけられて、回
動軸５ｂについて回動可能に支承されているローラ５の
回転量（手動走査型印字装置１の移動量）を検出するエ
ンコーダ１３を構成している。そして、制御部１４が、
前記エンコーダ１３よりの信号を受け、ヘッド移動量及
び予め記憶されている印字データに基づき、ヘッドコン
トローラ１８を介してインクジェットヘッド４を駆動制
御し、印字用紙３に印字させるようになっている。ま
た、制御部１４、インクジェットヘッド４、エンコーダ
１３及び送受信部６等を駆動するために供給される電力
は、印字装置１内に設けられた電池等で構成された電力
供給部１５より供給されるように構成されている。

【００２１】また、前記手動走査型印字装置１は、印字
用紙３へのインクジェットヘッド４による印字の際、手
動走査型印字装置１の手動走査方向（印字方向）を指示
する指示手段として棒状（又は板状）の指示部材７を備
え、そして前記ケーシング２には、図２及び図３に示さ
れるように、非使用状態において前記指示部材７が収納
される収納部２ｂが形成されている。指示部材７は、下
端部においてケーシング２に回動軸９によって回動可能
に軸支され、使用状態では、ケーシング２より取り出さ
れて指示部材７が倒伏されて手動走査の方向を指示する
指示位置（図１及び図２参照）とされ、非使用状態で
は、指示部材７が起立されてケーシング２の収納部２ａ
内に収納される収納位置（図３参照）とされる。尚、指
示部材７を収納位置とした場合には、指示部材７はケー
シング２の外周面とほぼ面一となり、携帯等のための把
持、収納等の妨げとならないように構成されている。

【００２２】そして、前記印字装置１を用いて、手動走
査により印字を行う使用状態においては、前記指示部材
７をケーシング２より取り出して指示位置とし、例えば
印字用紙３上の罫線８に添わせるようにすれば、指示部
材７によって罫線８に沿った印字が可能な手動走査の方
向が指示される。また、指示部材７による指示が必要な
い場合には、指示部材７を収納位置として印字すること
もでき、その場合においては、指示部材７の下端部７ａ
（図３参照）は印字用紙３と接触して摺動する摺動部と
なる。

【００２３】従って、上記のように構成すれば、印字装
置１を用いて手動走査により印字を行う際であって手動
走査の方向の指示が必要な場合には、まず、図２に示す
ように、指示部材７をケーシング２より取り出して前方
にほぼ９０度回動し、倒伏された指示位置として、印字
用紙３の罫線８に沿わせる。その状態で、指示部材７を
罫線８に添わせた状態を維持して印字装置１を手動走査
して印字を行えば、罫線８に沿って整然とした印字を行
うことができる。また、罫線がない場合であっても、指
示部材７を指示位置としておけば、指示部材７が走査方
向（印字方向）を指示するものとして、整然とした印字
を比較的容易に行うことができる。従って、罫線の有無
にかかわらず、指示部材７を指示位置にしておけば、指
示部材７が走査方向を示す基準となるので、整然とした
秩序だった印字をすることができる。

【００２４】また、指示部材７による指示を必要としな
い場合には、指示部材７を回動して起立させ、指示部材
７を収納部２ｂ内に収納した収納位置とし（図３参
照）、その状態で印字すれば、通常の手動走査型印字装
置１と同様に、印字することができ、その場合には、指
示部材７の下端部７ａが、印字用紙３と接触して摺動す
る摺動部となる。

【００２５】一方、印字を行わない非使用状態では、図
３に示すように、指示部材７を収納位置とすれば、指示
部材７全体がケーシング２の収納部２ｂ内に収納され、
ケーシング２外に突出した部分がなくなるので、指示部
材７が携帯等の際に邪魔になるということがない。

【００２６】前記実施の形態においては、棒状又は板状
の指示部材７を用いているが、それに代えて、レーザ発
光装置によるレザー光（スポット光）による軌跡により
指示させるようにすることもできる。

【００２７】その場合には、図４及び図５に示すよう
に、指示部材７に代えて、レーザ発光部２１、コリメー
タレンズ２２、スキャナー２３（偏向装置）及び偏向装
置駆動部２４が設けられる。そして、レーザ発光部２１
から発光されたレーザ光が、偏向装置駆動部２４にて駆
動されるスキャナー２３によって所定範囲内で偏向せし
められて走査され、手動走査の方向を指示するための指
示ラインとして光の軌跡Ｌを形成するようになってい
る。尚、図１〜図３に示す実施の形態と同一の構成要素
については同一の符号を用い、その詳細な説明を省略す
る。

【００２８】具体的には、図６に示すように、Ｎ極及び
Ｓ極を有する板状の永久磁石３１の一面側に鏡部材３２
が接着固定されてスキャナー２３が形成され、前記永久
磁石３１の両側部に、形状記憶合金からなり左右方向に
延びるワイヤ状のバネ部材３３３，３３が設けられてい
る。また、永久磁石３１の他面側には、偏向装置駆動部
２４としての電磁石３４が配設されている。

【００２９】これによって、前記電磁石３４の磁界を変
化させることで、永久磁石３１をバネ部材３３，３３に
抗して振動させ、鏡部材３２をバネ部材３３，３３に関
して回動変位させることで、レーザ発光部２１から発光
されたレーザ光Ｌ１を鏡部材３２で反射させた反射光ｌ
２を所定範囲内で偏向させ、指示ラインとしての光の軌
跡Ｌが形成される。

【００３０】尚、印字走査時の発光は、図４に示される
スイッチ４０を操作し、印字スタンバイ状態となった時
点より、発光が開始され、光の軌跡Ｌが形成される。ま
た、印字が終了した時点で前記発光が停止されるように
前記制御部１４によって制御される。

【００３１】

【発明の効果】請求項１の発明は、上記のように、記録
媒体への印字手段による印字の際に、手動走査の方向を
指示する指示手段を設けているので、記録媒体への印字
手段による印字の際に、指示手段によって手動走査の方
向を指示させることができ、定規がなくても、所定方向
への整然とした印字を容易に行うことができる。

【００３２】請求項２の発明は、指示手段をケーシング
に設けているので、指示手段を忘れるということがな
く、記録媒体に印字する際には、指示手段を常に使用す
ることができる。

【００３３】請求項３の発明は、使用状態では、指示部
材を倒伏して手動走査の方向を指示する指示位置とし、
非使用状態では、指示部材を起立してケーシングの収納
部に収納する収納位置とするようにしているので、使用
状態では指示部材を指示位置として手動操作の方向を指
示させることができ、非使用状態では、指示部材を収納
位置とすれば、指示部材が携帯等の邪魔になるというこ
とがない。

【００３４】請求項４の発明は、記録媒体上の手動走査
の方向に、光の軌跡による指示ラインを形成するように
しているので、指示ラインによって、手動走査の方向を
指示させて、所定方向への整然とした印字を行うことが
可能となる。

【００３５】請求項５の発明は、発光手段によって発光
された光の方向を、偏向手段によって偏向して走査する
ようにしているので、手動走査の方向を指示する指示ラ
イン（光の軌跡）を簡単に形成することができる。

【００３６】請求項６の発明は、レーザ発光装置によっ
て、指示ラインを形成するための光を発光するようにし
ているので、明確な指示ラインを簡単に形成することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る手動走査型印字装置の使用状態を
示す斜視図である。

【図２】指示部材が指示位置とされている、本発明に係
る手動走査型印字装置の断面図である。

【図３】指示部材が収納位置とされている、本発明に係
る手動走査型印字装置の断面図である。

【図４】他の実施例についての図１と同様の図である。

【図５】他の実施例についての図２と同様の図である。

【図６】他の実施例についての原理の説明図である。

【符号の説明】

１ 手動走査型印字装置 ２ ケーシング ２ｂ 収納部 ３ 印字用紙 ４ インクジェットヘッド ７ 指示部材 ８ 罫線 ９ 回動軸 ２１ レザー発光部 ２３ スキャナー（偏向手段）

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録媒体に印字する印字手段と、該印字
   手段を収容するケーシングとを備え、該ケーシングを把
   持して、手動走査により前記印字手段にて記録媒体に印
   字する手動走査型印字装置において、 前記記録媒体への印字手段による印字の際に、手動走査
   の方向を指示する指示手段を備えることを特徴とす手動
   走査型印字装置。
2. 【請求項２】 前記指示手段は、ケーシングに設けられ
   ているところの請求項１記載の手動走査型印字装置。
3. 【請求項３】 前記指示手段は、ケーシングに起伏可能
   に支承された棒状又は板状の指示部材と、ケーシングに
   形成され前記指示部材を収納する収納部とを備え、前記
   指示部材が、手動走査の方向を指示する指示位置又は前
   記収納部に収納される収納位置を択一的にとるものであ
   るところの請求項１又は２記載の手動走査型印字装置。
4. 【請求項４】 前記指示手段は、記録媒体上の手動走査
   の方向に、光の軌跡による指示ラインを形成するもので
   あるところの請求項１又は２記載の手動走査型印字装
   置。
5. 【請求項５】 前記指示手段は、光を発光する発光手段
   と、該発光手段より発光された光の方向を偏向して走査
   させ指示ラインを形成する偏向手段とを備えるところの
   請求項１、２又は４記載の手動走査型印字装置。
6. 【請求項６】 前記発光手段は、レーザ発光装置である
   ところの請求項５記載の手動走査型印字装置。