JPH09128739A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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- JPH09128739A JPH09128739A JP7285921A JP28592195A JPH09128739A JP H09128739 A JPH09128739 A JP H09128739A JP 7285921 A JP7285921 A JP 7285921A JP 28592195 A JP28592195 A JP 28592195A JP H09128739 A JPH09128739 A JP H09128739A
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- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
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- G11B5/62—Record carriers characterised by the selection of the material
- G11B5/68—Record carriers characterised by the selection of the material comprising one or more layers of magnetisable material homogeneously mixed with a bonding agent
- G11B5/70—Record carriers characterised by the selection of the material comprising one or more layers of magnetisable material homogeneously mixed with a bonding agent on a base layer
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- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B5/00—Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
- G11B5/62—Record carriers characterised by the selection of the material
- G11B5/68—Record carriers characterised by the selection of the material comprising one or more layers of magnetisable material homogeneously mixed with a bonding agent
- G11B5/70—Record carriers characterised by the selection of the material comprising one or more layers of magnetisable material homogeneously mixed with a bonding agent on a base layer
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- Y10T428/256—Heavy metal or aluminum or compound thereof
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- Magnetic Record Carriers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 磁気記録媒体において、電磁変換特性が良好
で、ヘッド磨耗が改善され、走行耐久性が優れる。 【解決手段】 可撓性非磁性支持体上に磁性層を有する
磁気記録媒体において、該磁性層表面の研磨剤突起と非
研磨剤突起の高さと存在密度が特定の範囲に設定された
磁気記録媒体。
で、ヘッド磨耗が改善され、走行耐久性が優れる。 【解決手段】 可撓性非磁性支持体上に磁性層を有する
磁気記録媒体において、該磁性層表面の研磨剤突起と非
研磨剤突起の高さと存在密度が特定の範囲に設定された
磁気記録媒体。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体に関
し、特に磁気変換特性、ヘッド摩耗、走行耐久性に優れ
る高密度記録用磁気記録媒体に関する。
し、特に磁気変換特性、ヘッド摩耗、走行耐久性に優れ
る高密度記録用磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、録音用テープ、ビデオ
テープ、コンピューター用バックアップテープ、ディス
ク等として広く用いられている。磁気記録媒体は基本的
には強磁性粉末が結合剤に分散された磁性層が非磁性支
持体上に設けられてなる。基本的に磁気記録媒体は電磁
変換特性、走行性能、走行耐久性等の諸特性において高
いレベルにあることが要求される。特に高密度記録化や
高記録レート化に伴い、新規のビデオデッキシステムで
は、磁気記録VTRのシリンダの高速回転化によつてヘ
ッド/テープの相対速度を上げる傾向がある。又、短記
録波長化に伴い、再生出力の間隙損失を少なくすること
が必要になり、磁気テープを大きな圧力で磁気ヘッドに
押付けて、接触を良好に保つ傾向がある。
テープ、コンピューター用バックアップテープ、ディス
ク等として広く用いられている。磁気記録媒体は基本的
には強磁性粉末が結合剤に分散された磁性層が非磁性支
持体上に設けられてなる。基本的に磁気記録媒体は電磁
変換特性、走行性能、走行耐久性等の諸特性において高
いレベルにあることが要求される。特に高密度記録化や
高記録レート化に伴い、新規のビデオデッキシステムで
は、磁気記録VTRのシリンダの高速回転化によつてヘ
ッド/テープの相対速度を上げる傾向がある。又、短記
録波長化に伴い、再生出力の間隙損失を少なくすること
が必要になり、磁気テープを大きな圧力で磁気ヘッドに
押付けて、接触を良好に保つ傾向がある。
【0003】磁気テープと磁気ヘッドが接触して使用さ
れると、両者は使用するにつれて摩耗する。特に接触圧
力が大きい上に磁気テープの走行速度が大きい場合は摩
耗の問題は重大である。しかるに、摩耗については多く
の因子が複雑に関連して影響するため未だ充分に解明さ
れていない。
れると、両者は使用するにつれて摩耗する。特に接触圧
力が大きい上に磁気テープの走行速度が大きい場合は摩
耗の問題は重大である。しかるに、摩耗については多く
の因子が複雑に関連して影響するため未だ充分に解明さ
れていない。
【0004】従来、磁気テープの摩耗やVTR走行中の
テープダメージを少なくするために、カーボンなどの固
体潤滑剤や脂肪酸エステルなどの液体潤滑剤を添加した
り、酸化アルミナなどの研磨剤を添加して磁気テープの
硬度を確保することは一般的に使われてきた。但し、固
体潤滑剤や研磨剤の添加量を増やすと磁性層中の磁性体
の充填率を下げるため、再生出力の低下を招く場合があ
る。又、液体潤滑剤は磁性層表面や層中の存在状態に左
右されるため環境や経時の依存性を大きく受けるという
問題がある。研磨剤の大量添加は磁気ヘツドの摩耗を引
き起こし、ギャップ付近の接触状態が微妙に変化し、再
生エンベロープを変化させる現象を引き起こしたり、V
TRの寿命を短くしてしまう。
テープダメージを少なくするために、カーボンなどの固
体潤滑剤や脂肪酸エステルなどの液体潤滑剤を添加した
り、酸化アルミナなどの研磨剤を添加して磁気テープの
硬度を確保することは一般的に使われてきた。但し、固
体潤滑剤や研磨剤の添加量を増やすと磁性層中の磁性体
の充填率を下げるため、再生出力の低下を招く場合があ
る。又、液体潤滑剤は磁性層表面や層中の存在状態に左
右されるため環境や経時の依存性を大きく受けるという
問題がある。研磨剤の大量添加は磁気ヘツドの摩耗を引
き起こし、ギャップ付近の接触状態が微妙に変化し、再
生エンベロープを変化させる現象を引き起こしたり、V
TRの寿命を短くしてしまう。
【0005】このように、磁気テープはそれ自身は磁気
ヘッドやVTR等の走行接触部材によって摩耗やダメー
ジを受けることなく、かつ磁気ヘッドを極力摩耗させな
いことが望まれる。これらを達成するために、現在に至
るまで種々検討されてきた。 1)特開平6−52541号公報:磁性層表面に存在す
る研磨剤の平均突起高さを15nm以下にすることにより
へッド摩耗及びへッド汚れを改善すると記載されてい
る。 2)特開平6−309650号公報:潤滑剤の含有量と
磁性層表面の突起高さとその存在密度を規定することに
より走行性を改善することが開示されている。 3)特開平6−12651号公報、特開平6−1265
2号公報:磁性層の表面粗さ及び磁性層表面の突起高さ
とその存在密度を規定することにより電磁変換特性、走
行性及び耐久性がともにバランスのとれたものできると
開示されている。 しかしながら、上記従来技術では電磁変換特性、ヘッド
磨耗、走行耐久性のバランスがいまだ不充分であった。
ヘッドやVTR等の走行接触部材によって摩耗やダメー
ジを受けることなく、かつ磁気ヘッドを極力摩耗させな
いことが望まれる。これらを達成するために、現在に至
るまで種々検討されてきた。 1)特開平6−52541号公報:磁性層表面に存在す
る研磨剤の平均突起高さを15nm以下にすることにより
へッド摩耗及びへッド汚れを改善すると記載されてい
る。 2)特開平6−309650号公報:潤滑剤の含有量と
磁性層表面の突起高さとその存在密度を規定することに
より走行性を改善することが開示されている。 3)特開平6−12651号公報、特開平6−1265
2号公報:磁性層の表面粗さ及び磁性層表面の突起高さ
とその存在密度を規定することにより電磁変換特性、走
行性及び耐久性がともにバランスのとれたものできると
開示されている。 しかしながら、上記従来技術では電磁変換特性、ヘッド
磨耗、走行耐久性のバランスがいまだ不充分であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、電磁変換特性が良好で、ヘッド磨耗が改善され、走
行耐久性が優れた磁気記録媒体を提供することである。
は、電磁変換特性が良好で、ヘッド磨耗が改善され、走
行耐久性が優れた磁気記録媒体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、鋭意検討の結
果、最近の高密度記録化に伴う磁気へッド/磁性層界面
での押しつけ圧力の増大にともなって電磁変換特性とへ
ッド摩耗とのバランスをとるために磁性層表面の形状、
特に、突起の高さと存在密度に着目した結果なされたも
のである。 (1) 可撓性非磁性支持体上の少なくとも一方の面に
強磁性粉末を結合剤樹脂中に分散させた磁性層を有する
磁気記録媒体において、該磁性層中に研磨剤を含有し、
該磁性層表面には研磨剤からなる突起(研磨剤突起)と
研磨剤以外の成分からなる突起(非研磨剤突起)が分布
しており、該研磨剤突起の存在密度をKt、該研磨剤突
起のうち磁性層表面からの高さが10nm〜30nmのもの
の存在密度をK10、該非研磨剤突起のうち磁性層表面か
らの高さが20nm〜100nmのものの存在密度をM20、
該非研磨剤突起のうち磁性層表面からの高さが40nm〜
100nmのものの存在密度をM40とすると、それらが、 0.1 ≦Kt ≦1.0 (個/μm2) 0.01 ≦K10 ≦0.2 (個/μm2) 0.03 ≦M20 ≦2.2 (個/μm2) M40 ≦0.03(個/μm2) 0.005≦K10/M20 ≦1.0 を満たすことを特徴とする磁気記録媒体。
果、最近の高密度記録化に伴う磁気へッド/磁性層界面
での押しつけ圧力の増大にともなって電磁変換特性とへ
ッド摩耗とのバランスをとるために磁性層表面の形状、
特に、突起の高さと存在密度に着目した結果なされたも
のである。 (1) 可撓性非磁性支持体上の少なくとも一方の面に
強磁性粉末を結合剤樹脂中に分散させた磁性層を有する
磁気記録媒体において、該磁性層中に研磨剤を含有し、
該磁性層表面には研磨剤からなる突起(研磨剤突起)と
研磨剤以外の成分からなる突起(非研磨剤突起)が分布
しており、該研磨剤突起の存在密度をKt、該研磨剤突
起のうち磁性層表面からの高さが10nm〜30nmのもの
の存在密度をK10、該非研磨剤突起のうち磁性層表面か
らの高さが20nm〜100nmのものの存在密度をM20、
該非研磨剤突起のうち磁性層表面からの高さが40nm〜
100nmのものの存在密度をM40とすると、それらが、 0.1 ≦Kt ≦1.0 (個/μm2) 0.01 ≦K10 ≦0.2 (個/μm2) 0.03 ≦M20 ≦2.2 (個/μm2) M40 ≦0.03(個/μm2) 0.005≦K10/M20 ≦1.0 を満たすことを特徴とする磁気記録媒体。
【0008】(2) 前記磁性層の厚さが0.1〜1.
0μmであって、該磁性層と前記可撓性非磁性支持体と
の間に非磁性粉末と結合剤樹脂を主体とする非磁性層が
ある前記(1)に記載の磁気記録媒体。
0μmであって、該磁性層と前記可撓性非磁性支持体と
の間に非磁性粉末と結合剤樹脂を主体とする非磁性層が
ある前記(1)に記載の磁気記録媒体。
【0009】(3) 前記可撓性非磁性支持体上に有る
磁性層側の塗布層全体の30℃における動的粘弾性率が
1.0×1011〜3.0×1011dyne/cm2である前記
(1)または(2)に記載の磁気記録媒体。
磁性層側の塗布層全体の30℃における動的粘弾性率が
1.0×1011〜3.0×1011dyne/cm2である前記
(1)または(2)に記載の磁気記録媒体。
【0010】(4) 前記磁気記録媒体が磁気テープで
あって、該磁気テープの幅方向のスティフネスが20〜
70mm・gである前記(1)〜(3)のいずれか1つに
記載の磁気記録媒体。
あって、該磁気テープの幅方向のスティフネスが20〜
70mm・gである前記(1)〜(3)のいずれか1つに
記載の磁気記録媒体。
【0011】上記のように本発明において、磁性層表面
の研磨剤突起と非研磨剤突起の突起の高さと存在密度を
特定な範囲に設定し、磁性層表面の形状を最適化し、そ
れにより、電磁変換特性とへッド摩耗とのバランスが見
事にとれるようになった。即ち、本発明では、磁性層表
面の研磨剤突起個数を確保しかつ研磨剤突起高さが研磨
剤以外の突起より低くなるように、磁性層表面における
研磨剤突起と非研磨剤突起の高さ及び存在密度を制御し
た。このような磁性層表面の形状により、ヘッドと研磨
剤突起との接触確率を適度に低下させ、ヘッド摩耗の軽
減と走行安定性が実現できた。特に、接触圧力が低い回
転ヘッドが固定ヘッドに比べてより顕著な効果がでる。
磁性層表面の研磨剤突起数を適度に確保することによつ
て、走行中の固定ガイドなどの高圧力接触に起因するテ
ープダメージを防止できる。更に、磁性層表面のある高
さ以上の突起数を少なくする、特に、40nm以上の高い
突起をなくすことで、再生出力の間隙損失を少なくで
き、優れた電磁変換特性が得られる。
の研磨剤突起と非研磨剤突起の突起の高さと存在密度を
特定な範囲に設定し、磁性層表面の形状を最適化し、そ
れにより、電磁変換特性とへッド摩耗とのバランスが見
事にとれるようになった。即ち、本発明では、磁性層表
面の研磨剤突起個数を確保しかつ研磨剤突起高さが研磨
剤以外の突起より低くなるように、磁性層表面における
研磨剤突起と非研磨剤突起の高さ及び存在密度を制御し
た。このような磁性層表面の形状により、ヘッドと研磨
剤突起との接触確率を適度に低下させ、ヘッド摩耗の軽
減と走行安定性が実現できた。特に、接触圧力が低い回
転ヘッドが固定ヘッドに比べてより顕著な効果がでる。
磁性層表面の研磨剤突起数を適度に確保することによつ
て、走行中の固定ガイドなどの高圧力接触に起因するテ
ープダメージを防止できる。更に、磁性層表面のある高
さ以上の突起数を少なくする、特に、40nm以上の高い
突起をなくすことで、再生出力の間隙損失を少なくで
き、優れた電磁変換特性が得られる。
【0012】ここで「突起」とは、走査型電子顕微鏡や
原子間力(AFM)顕微鏡などで観察される磁性層表面
の凸部である。「研磨剤突起」とは、突起を構成する成
分の内の固体成分が主として研磨剤であるものをいう。
「非研磨剤突起」とは、固体潤滑剤や磁性体や結合剤成
分からなる突起のことをいう。具体的には、カーボンブ
ラックや有機フィラ粉末などの固体潤滑剤を主とする突
起や磁性体の凝集ブツや未分散ブツや非磁性支持体の表
面形状などによる磁性層表面にできる微小突起である。
原子間力(AFM)顕微鏡などで観察される磁性層表面
の凸部である。「研磨剤突起」とは、突起を構成する成
分の内の固体成分が主として研磨剤であるものをいう。
「非研磨剤突起」とは、固体潤滑剤や磁性体や結合剤成
分からなる突起のことをいう。具体的には、カーボンブ
ラックや有機フィラ粉末などの固体潤滑剤を主とする突
起や磁性体の凝集ブツや未分散ブツや非磁性支持体の表
面形状などによる磁性層表面にできる微小突起である。
【0013】上記「研磨剤突起」と「非研磨剤突起」の
判別は、突起部に照射した電子線の二次電子線の示性ス
ペクトル(EDAX)解析により行うことができる。突
起部以外の磁性層表面に照射したスペクトルと突起部の
スペクトルを比較して、研磨剤を構成する無機元素の検
出量の型や形態観察から判断する。具体的には、研磨剤
がAl2 O3 のときはAl元素の検出量、研磨剤がCr
2 O3 のときはCr元素の検出量、研磨剤がSiCやS
iO2 の場合にはSi元素の検出量比較で判断できる。
また、カーボンや有機フィラ粉末は形態観察とC元素の
検出量比較で判断できる。
判別は、突起部に照射した電子線の二次電子線の示性ス
ペクトル(EDAX)解析により行うことができる。突
起部以外の磁性層表面に照射したスペクトルと突起部の
スペクトルを比較して、研磨剤を構成する無機元素の検
出量の型や形態観察から判断する。具体的には、研磨剤
がAl2 O3 のときはAl元素の検出量、研磨剤がCr
2 O3 のときはCr元素の検出量、研磨剤がSiCやS
iO2 の場合にはSi元素の検出量比較で判断できる。
また、カーボンや有機フィラ粉末は形態観察とC元素の
検出量比較で判断できる。
【0014】研磨剤突起の存在密度(Kt)は走査型電
子顕微鏡による観察により確認した。また、高さ方向の
情報が必要なK10、M20、M40等の突起の存在密
度は原子間力(AFM)顕微鏡による観察により確認し
た。
子顕微鏡による観察により確認した。また、高さ方向の
情報が必要なK10、M20、M40等の突起の存在密
度は原子間力(AFM)顕微鏡による観察により確認し
た。
【0015】磁性層上での好ましい突起の存在状態とし
ては、磁性層の表面上の状態を模式的に示した図1のよ
うに研磨剤突起の方が非研磨剤突起よりも高さが低く、
存在密度も小さい方が好ましい。また、研磨剤突起や固
体潤滑剤等の非研磨剤突起の高さがそれらの粒子の平均
一次粒径の半分以下であることが好ましく、更に固体潤
滑剤等の非研磨剤突起の高さを平均一次粒径の1/10
〜1/3にすれば、走行耐久性が著しく向上する。
ては、磁性層の表面上の状態を模式的に示した図1のよ
うに研磨剤突起の方が非研磨剤突起よりも高さが低く、
存在密度も小さい方が好ましい。また、研磨剤突起や固
体潤滑剤等の非研磨剤突起の高さがそれらの粒子の平均
一次粒径の半分以下であることが好ましく、更に固体潤
滑剤等の非研磨剤突起の高さを平均一次粒径の1/10
〜1/3にすれば、走行耐久性が著しく向上する。
【0016】本発明は、高密度記録用の磁気記録媒体に
好適に用いられ、そのためには前記磁性層の厚さが0.
1〜1.0μm、好ましくは0.1〜0.5μmであっ
て、該磁性層と前記可撓性非磁性支持体との間に非磁性
粉末と結合剤樹脂を主体とする非磁性層を有する磁気記
録媒体が好ましい。上層の磁性層の厚みを薄くすること
で、研磨剤や固体潤滑剤の表面への頭だしが容易にな
る。即ち、研磨剤や固体潤滑剤等の非研磨剤の粒径を小
さくしつつ、必要な突起高さを確保することができ、少
ない添加量で必要な突起存在密度を確保することができ
る。また、研磨剤等の磁性層中の含有量が下がれば、充
填度が上がり、磁気特性が向上して、磁気変換特性が上
がる。非磁性粉末は強磁性粉末に比べて、凝集ブツの発
生が少なく、且つ強磁性粉末に比べて非磁性粉末は粒子
サイズを小さくすることができるため、下層の面性を平
滑にすることができ、結果として上層の面性を平滑にで
きる。これにより、磁性層表面における磁性層成分の突
起を少なくすることができるため、固体潤滑剤の突起が
主体となる非研磨剤突起を形成することができ、走行耐
久性を向上できる。特に、非磁性粉末に平均一次粒径1
00nm以下の球状のものを使用すると効果が顕著であ
る。
好適に用いられ、そのためには前記磁性層の厚さが0.
1〜1.0μm、好ましくは0.1〜0.5μmであっ
て、該磁性層と前記可撓性非磁性支持体との間に非磁性
粉末と結合剤樹脂を主体とする非磁性層を有する磁気記
録媒体が好ましい。上層の磁性層の厚みを薄くすること
で、研磨剤や固体潤滑剤の表面への頭だしが容易にな
る。即ち、研磨剤や固体潤滑剤等の非研磨剤の粒径を小
さくしつつ、必要な突起高さを確保することができ、少
ない添加量で必要な突起存在密度を確保することができ
る。また、研磨剤等の磁性層中の含有量が下がれば、充
填度が上がり、磁気特性が向上して、磁気変換特性が上
がる。非磁性粉末は強磁性粉末に比べて、凝集ブツの発
生が少なく、且つ強磁性粉末に比べて非磁性粉末は粒子
サイズを小さくすることができるため、下層の面性を平
滑にすることができ、結果として上層の面性を平滑にで
きる。これにより、磁性層表面における磁性層成分の突
起を少なくすることができるため、固体潤滑剤の突起が
主体となる非研磨剤突起を形成することができ、走行耐
久性を向上できる。特に、非磁性粉末に平均一次粒径1
00nm以下の球状のものを使用すると効果が顕著であ
る。
【0017】本発明においては、支持体上の磁性層を含
む塗布層の動的粘弾性率をヘッド磨耗や走行性と電磁変
換特性のバランスをとるため、最適化することが好まし
い。磁性層を含む塗布層の動的粘弾性率が高いと非研磨
剤突起の押し込み量が減り、ヘッドと研磨剤突起の接触
確率が下がり、一層ヘッド磨耗を抑制できる。また、固
体潤滑剤突起の押し込み量低下で、走行性が良化する
が、反面、動的粘弾性率を上げすぎると、ヘッドとのス
ペーシングロスが大きくなり電磁変換特性の低下を引き
起こす。動的粘弾性率が低いと、ヘッド磨耗低減効果や
走行性改善効果が抑制されるし、下げすぎると目詰まり
等の走行耐久性劣化を引き起こす。磁性層を含む塗布層
の動的粘弾性率を高めに設定し、研磨剤や固体潤滑剤の
突起を低くなるように調整したほうが、ヘッド磨耗、走
行耐久性及び電磁変換特性のバランスをとりやすい。重
層構成で下層を柔らかくし、上層を硬くて靱性があるよ
うにするとヘッド当たりを確保しつつ、上層表面の研磨
剤や固体潤滑剤の突起の押し込みが抑制できるので、本
発明の効果がより顕著になる。
む塗布層の動的粘弾性率をヘッド磨耗や走行性と電磁変
換特性のバランスをとるため、最適化することが好まし
い。磁性層を含む塗布層の動的粘弾性率が高いと非研磨
剤突起の押し込み量が減り、ヘッドと研磨剤突起の接触
確率が下がり、一層ヘッド磨耗を抑制できる。また、固
体潤滑剤突起の押し込み量低下で、走行性が良化する
が、反面、動的粘弾性率を上げすぎると、ヘッドとのス
ペーシングロスが大きくなり電磁変換特性の低下を引き
起こす。動的粘弾性率が低いと、ヘッド磨耗低減効果や
走行性改善効果が抑制されるし、下げすぎると目詰まり
等の走行耐久性劣化を引き起こす。磁性層を含む塗布層
の動的粘弾性率を高めに設定し、研磨剤や固体潤滑剤の
突起を低くなるように調整したほうが、ヘッド磨耗、走
行耐久性及び電磁変換特性のバランスをとりやすい。重
層構成で下層を柔らかくし、上層を硬くて靱性があるよ
うにするとヘッド当たりを確保しつつ、上層表面の研磨
剤や固体潤滑剤の突起の押し込みが抑制できるので、本
発明の効果がより顕著になる。
【0018】上記動的粘弾性の測定は、東洋ボールドウ
イン社製「RHEOVIBRON DDV-II-A」で励振周波数110
Hz で行うことができる。
イン社製「RHEOVIBRON DDV-II-A」で励振周波数110
Hz で行うことができる。
【0019】本発明においては、ヘッド磨耗抑制の観点
からは磁気テープのスティフネス、特に巾方向を低くす
ることが好ましいが。下げすぎると、ヘッド当たり不良
になり磁気変換特性が下がる。磁気変換特性向上のため
磁気テープのスティフネスを高めにする必要がある場合
は、研磨剤や固体潤滑剤の突起高さを低くしたり、磁性
層を含む塗布層の動的粘弾性率を下げるなどして調整す
れば、本発明の目的を達成できる。スティフネスの測定
は、中央精機製 動歪計(CPC-1D)を使用し、8mm×8
mmに切りだしたサンプルで行うことができる。
からは磁気テープのスティフネス、特に巾方向を低くす
ることが好ましいが。下げすぎると、ヘッド当たり不良
になり磁気変換特性が下がる。磁気変換特性向上のため
磁気テープのスティフネスを高めにする必要がある場合
は、研磨剤や固体潤滑剤の突起高さを低くしたり、磁性
層を含む塗布層の動的粘弾性率を下げるなどして調整す
れば、本発明の目的を達成できる。スティフネスの測定
は、中央精機製 動歪計(CPC-1D)を使用し、8mm×8
mmに切りだしたサンプルで行うことができる。
【0020】本発明において、磁性層表面の突起の各種
存在密度、動的粘弾性率、スティフネスの好ましい範囲
を下記に示す。これにより、本発明の効果がより顕著に
なる。Kt は好ましくは0.1〜0.7(個/μm2)で
あり、より好ましくは0.1〜0.4(個/μm2)、最
も好ましくは0.1〜0.2(個/μm2)である。K10
は好ましくは0.01〜0.15(個/μm2)であり、
より好ましくは0.01〜0.1(個/μm2)、最も好
ましくは0.01〜0.05(個/μm2)である。
存在密度、動的粘弾性率、スティフネスの好ましい範囲
を下記に示す。これにより、本発明の効果がより顕著に
なる。Kt は好ましくは0.1〜0.7(個/μm2)で
あり、より好ましくは0.1〜0.4(個/μm2)、最
も好ましくは0.1〜0.2(個/μm2)である。K10
は好ましくは0.01〜0.15(個/μm2)であり、
より好ましくは0.01〜0.1(個/μm2)、最も好
ましくは0.01〜0.05(個/μm2)である。
【0021】M20は好ましくは0.05〜1.2(個/
μm2)であり、より好ましくは0.1〜0.6(個/μ
m2)である。M40は好ましくは0.02(個/μm2)以
下、より好ましくは0.01(個/μm2)以下である。
K10/M20は、好ましくは0.005〜0.6(個/μ
m2)であり、より好ましくは0.005〜0.3(個/
μm2)、最も好ましくは0.005〜0.1(個/μ
m2)である。
μm2)であり、より好ましくは0.1〜0.6(個/μ
m2)である。M40は好ましくは0.02(個/μm2)以
下、より好ましくは0.01(個/μm2)以下である。
K10/M20は、好ましくは0.005〜0.6(個/μ
m2)であり、より好ましくは0.005〜0.3(個/
μm2)、最も好ましくは0.005〜0.1(個/μ
m2)である。
【0022】磁気テープの幅方向のスティフネスは、3
5〜70mm・gが好ましく、より好ましくは35〜65
mm・gである。また、(長手方向のスティフネス)/
(幅方向のスティフネス)比が0.7〜2.0であるこ
とが好ましく、より好ましくは1.5〜2.0である。
可撓性非磁性支持体上に有る磁性層側の塗布層全体の3
0℃における動的粘弾性率は1.0×1011〜2.5×
1011dyne/cm2が好ましく、1.5×1011〜2.5×
1011dyne/cm2がより好ましい。
5〜70mm・gが好ましく、より好ましくは35〜65
mm・gである。また、(長手方向のスティフネス)/
(幅方向のスティフネス)比が0.7〜2.0であるこ
とが好ましく、より好ましくは1.5〜2.0である。
可撓性非磁性支持体上に有る磁性層側の塗布層全体の3
0℃における動的粘弾性率は1.0×1011〜2.5×
1011dyne/cm2が好ましく、1.5×1011〜2.5×
1011dyne/cm2がより好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明において磁性層表面の研磨
剤突起の存在密度と高さの制御方法については、下記の
ものが挙げられる。しかし、本発明がこれらに限定され
るものではない。 微粒子の研磨剤の使用:磁性体に対して研磨剤の種類
が同じで添加量が同一ならば、微粒子研磨剤を使用すれ
ば、粒子サイズの比の3乗に反比例して磁性層表面上の
研磨剤突起数を増やすことが出来る。よって、必要な表
面上の研磨剤突起数を確保して、かつ研磨剤添加量を下
げることができる。これにより、磁性体の充填度を上げ
ることが可能で、再生出力向上を図れる。又、研磨剤粒
子サイズが小さくなると表面に突出する高さも低くでき
る。ここで、微粒子研磨剤の粒径は、平均一次粒子径で
0.05〜0.25μm、好ましくは0.10〜0.2
0μmであり、その添加量は強磁性粉末100重量部当
たり2.5〜12.5重量部、好ましくは2.5〜7.
5重量部である。
剤突起の存在密度と高さの制御方法については、下記の
ものが挙げられる。しかし、本発明がこれらに限定され
るものではない。 微粒子の研磨剤の使用:磁性体に対して研磨剤の種類
が同じで添加量が同一ならば、微粒子研磨剤を使用すれ
ば、粒子サイズの比の3乗に反比例して磁性層表面上の
研磨剤突起数を増やすことが出来る。よって、必要な表
面上の研磨剤突起数を確保して、かつ研磨剤添加量を下
げることができる。これにより、磁性体の充填度を上げ
ることが可能で、再生出力向上を図れる。又、研磨剤粒
子サイズが小さくなると表面に突出する高さも低くでき
る。ここで、微粒子研磨剤の粒径は、平均一次粒子径で
0.05〜0.25μm、好ましくは0.10〜0.2
0μmであり、その添加量は強磁性粉末100重量部当
たり2.5〜12.5重量部、好ましくは2.5〜7.
5重量部である。
【0024】研磨剤ペースト化:研磨剤ペースト化に
よって、研磨剤を単粒子分散した後磁性液に添加し、表
面上に突出する研磨剤の高さが均一になるようにする。
比表面積の小さい研磨剤を使用すれば更に効果がでる。
研磨剤ペースト中のバインダと添加する磁性液中のバイ
ンダを同一又は相溶性を高くして、磁性層が塗布乾燥さ
れる際の研磨剤粒子の移動を抑制する。研磨剤のペース
ト化としては、研磨剤粉末100重量部に対して、バイ
ンダを2〜50重量部、好ましくは5〜15重量部、溶
剤を50〜200重量部、好ましくは80〜120重量
部を入れた混合液をサンドミルを用いて分散させて得る
ことができる。使用する研磨剤は粉末粒子の焼結(ネッ
キング)が少ないものが好ましく、分散進度に伴い、単
粒子分散になる。ネッキングは研磨剤の焼成時の時間を
短くすることで抑制することができる。例えば住友化学
製のHit60、Hit70、Hit80、Hit8
2、Hit100等のアルミナは2次粒子を形成しやす
いが、ネッキングが少なく、分散に伴い1次粒子までこ
なすことができる。研磨剤粉末に対してバインダ量を多
くしたり、ウレタンなど高分子バインダを使用すると研
磨剤ペーストを添加した磁性液の塗布乾燥における研磨
剤粒子の磁性層表面への浮き出しが抑制される。
よって、研磨剤を単粒子分散した後磁性液に添加し、表
面上に突出する研磨剤の高さが均一になるようにする。
比表面積の小さい研磨剤を使用すれば更に効果がでる。
研磨剤ペースト中のバインダと添加する磁性液中のバイ
ンダを同一又は相溶性を高くして、磁性層が塗布乾燥さ
れる際の研磨剤粒子の移動を抑制する。研磨剤のペース
ト化としては、研磨剤粉末100重量部に対して、バイ
ンダを2〜50重量部、好ましくは5〜15重量部、溶
剤を50〜200重量部、好ましくは80〜120重量
部を入れた混合液をサンドミルを用いて分散させて得る
ことができる。使用する研磨剤は粉末粒子の焼結(ネッ
キング)が少ないものが好ましく、分散進度に伴い、単
粒子分散になる。ネッキングは研磨剤の焼成時の時間を
短くすることで抑制することができる。例えば住友化学
製のHit60、Hit70、Hit80、Hit8
2、Hit100等のアルミナは2次粒子を形成しやす
いが、ネッキングが少なく、分散に伴い1次粒子までこ
なすことができる。研磨剤粉末に対してバインダ量を多
くしたり、ウレタンなど高分子バインダを使用すると研
磨剤ペーストを添加した磁性液の塗布乾燥における研磨
剤粒子の磁性層表面への浮き出しが抑制される。
【0025】研磨剤比重:比重の大きい研磨剤を使用
し、磁性層が塗布乾燥される際の研磨剤粒子の沈降を助
長する。磁性層を、上向きにエクストルージョン方式な
どで塗布する場合、比重(真比重)の大きい研磨剤を使
用すると磁性層が塗布乾燥されるまでに研磨剤粒子の沈
降が進み磁性層表面への頭出しが多くなる。同一粒径で
添加する研磨剤個数を同じにした場合、Cr2 O3 の方
が、Al2O3 やSiCなどより磁性層表面への頭出し
が多くなる。逆にスリット端面の研磨剤個数は少なくな
る。研磨剤種の選定は、磁気テープのスリット端面の耐
傷性確保のため、同一粒径で添加する研磨剤個数が同じ
場合、単層系では比重の小さいAl2 O3 ,SiC,S
iO2 などが好ましい。重層系で上層が下層に比べて十
分薄い場合はスリット端面の耐傷性を下層でとればよい
ので、上層に比重の大きい研磨剤(Cr2 O3 など)を
下層に比重の小さい研磨剤を入れて、上層表面の耐傷性
とスリット端面の耐傷性の両方を確保することもでき
る。いずれにしても、上記磁性層の表面の突起を特定の
分布、高さにできるように、研磨剤粒径、研磨剤添加量
および磁性層厚を最適化する必要がある。
し、磁性層が塗布乾燥される際の研磨剤粒子の沈降を助
長する。磁性層を、上向きにエクストルージョン方式な
どで塗布する場合、比重(真比重)の大きい研磨剤を使
用すると磁性層が塗布乾燥されるまでに研磨剤粒子の沈
降が進み磁性層表面への頭出しが多くなる。同一粒径で
添加する研磨剤個数を同じにした場合、Cr2 O3 の方
が、Al2O3 やSiCなどより磁性層表面への頭出し
が多くなる。逆にスリット端面の研磨剤個数は少なくな
る。研磨剤種の選定は、磁気テープのスリット端面の耐
傷性確保のため、同一粒径で添加する研磨剤個数が同じ
場合、単層系では比重の小さいAl2 O3 ,SiC,S
iO2 などが好ましい。重層系で上層が下層に比べて十
分薄い場合はスリット端面の耐傷性を下層でとればよい
ので、上層に比重の大きい研磨剤(Cr2 O3 など)を
下層に比重の小さい研磨剤を入れて、上層表面の耐傷性
とスリット端面の耐傷性の両方を確保することもでき
る。いずれにしても、上記磁性層の表面の突起を特定の
分布、高さにできるように、研磨剤粒径、研磨剤添加量
および磁性層厚を最適化する必要がある。
【0026】磁性液の使用溶剤:磁性液に比重の低い
溶剤を使用したり、磁性液中の溶剤比率を高め、磁性層
が塗布乾燥される際の研磨剤粒子の沈降を助長する。沸
点の高い溶剤を使用し塗布乾燥を遅延させて、研磨剤粒
子の沈降を助長する。磁性液には数種の溶剤を混合して
いる場合が多く、混合溶剤比率や磁性液の濃度を調整す
ることによって、塗布乾燥の状態を変えて研磨剤粒子の
移動を抑制したり、助長したりすることができる。つま
り、塗布乾燥中に磁性液中のバインダや磁性体など立体
障害の状態を変化させて調整する。上向きに塗布する場
合、混合溶剤の比重を低くしたり、高沸点溶剤を使用し
たり、バインダに対する良溶媒の比率を上げたり、磁性
液の濃度を下げると研磨剤粒子が磁性層表面に出やすく
なる。比重が低く、高沸点な溶剤はないのでそれぞれの
特性をもつ2つ以上の混合溶剤を使用することが好まし
い。
溶剤を使用したり、磁性液中の溶剤比率を高め、磁性層
が塗布乾燥される際の研磨剤粒子の沈降を助長する。沸
点の高い溶剤を使用し塗布乾燥を遅延させて、研磨剤粒
子の沈降を助長する。磁性液には数種の溶剤を混合して
いる場合が多く、混合溶剤比率や磁性液の濃度を調整す
ることによって、塗布乾燥の状態を変えて研磨剤粒子の
移動を抑制したり、助長したりすることができる。つま
り、塗布乾燥中に磁性液中のバインダや磁性体など立体
障害の状態を変化させて調整する。上向きに塗布する場
合、混合溶剤の比重を低くしたり、高沸点溶剤を使用し
たり、バインダに対する良溶媒の比率を上げたり、磁性
液の濃度を下げると研磨剤粒子が磁性層表面に出やすく
なる。比重が低く、高沸点な溶剤はないのでそれぞれの
特性をもつ2つ以上の混合溶剤を使用することが好まし
い。
【0027】混合溶剤がMEK(メチルエチルケトン)
/シクロヘキサノンの2成分を主としている場合、ME
K/シクロヘキサノン比率は3/7〜8/2が好まし
く、4/6〜7/3が更に好ましい。MEKがこの範囲
より高くなれば、塗布乾燥が急乾になり、面粗れが生じ
て出力が下がる。シクロヘキサノンがこの範囲より高く
なると、塗布乾燥後に残留溶剤が残り、膜の力学物性の
低下をまねき、目詰まり等の問題が起きやすい。MEK
/シクロヘキサノン混合溶剤にトルエンや酢ブチのよう
な比重や沸点が中間に位置する溶剤を入れて、塗布乾燥
における溶剤の蒸発速度や磁性液中のバインダ鎖の広が
りを調整することが更に好ましい。
/シクロヘキサノンの2成分を主としている場合、ME
K/シクロヘキサノン比率は3/7〜8/2が好まし
く、4/6〜7/3が更に好ましい。MEKがこの範囲
より高くなれば、塗布乾燥が急乾になり、面粗れが生じ
て出力が下がる。シクロヘキサノンがこの範囲より高く
なると、塗布乾燥後に残留溶剤が残り、膜の力学物性の
低下をまねき、目詰まり等の問題が起きやすい。MEK
/シクロヘキサノン混合溶剤にトルエンや酢ブチのよう
な比重や沸点が中間に位置する溶剤を入れて、塗布乾燥
における溶剤の蒸発速度や磁性液中のバインダ鎖の広が
りを調整することが更に好ましい。
【0028】カレンダの強押し:高圧力、高温度の
下、金属ロールなどの硬いロールで磁性層表面を成形し
高い研磨剤突起を磁性層中に押し込ませる。線圧力とし
ては、250〜500kg/cm、好ましくは250〜
400kg/cmで処理温度Tはカレンダ処理後の磁性
層のTgをt℃とすると、t−10≦T≦t+20
〔℃〕、好ましくはt−5≦T≦t+10〔℃〕、更に
好ましくはt−5≦T≦t+5〔℃〕である。上記範囲
より線圧力及び処理温度が高すぎると、20nm以上の
非研磨剤突起が減り、走行性、耐久性劣化やK10/M20
比が高くなりヘッド磨耗が大きくなる。又、上記範囲よ
り低いと成形が不十分になり、10nm以上の研磨剤突
起が増え、K10/M20比が高くなり、かつ、磁性層の動
的弾性率が低下するので、研磨剤突起がヘッドに当たる
頻度が高くなり、ヘッド摩耗が大きくなる。又、磁性体
の充てん度の低下や面粗れによって電磁変換特性が低下
する。微粒子の研磨剤(粒径0.1〜0.2μm)を使
用して、磁性層中の含有量が小さい(磁性体100重量
部に対して10重量部以下)の場合は、カレンダ成形性
が向上するので、更に、線圧力を250〜350kg/
cm、処理温度をt−5≦T≦t+5(℃)にすること
がヘッド摩耗及び走行耐久性の観点から好ましい。
下、金属ロールなどの硬いロールで磁性層表面を成形し
高い研磨剤突起を磁性層中に押し込ませる。線圧力とし
ては、250〜500kg/cm、好ましくは250〜
400kg/cmで処理温度Tはカレンダ処理後の磁性
層のTgをt℃とすると、t−10≦T≦t+20
〔℃〕、好ましくはt−5≦T≦t+10〔℃〕、更に
好ましくはt−5≦T≦t+5〔℃〕である。上記範囲
より線圧力及び処理温度が高すぎると、20nm以上の
非研磨剤突起が減り、走行性、耐久性劣化やK10/M20
比が高くなりヘッド磨耗が大きくなる。又、上記範囲よ
り低いと成形が不十分になり、10nm以上の研磨剤突
起が増え、K10/M20比が高くなり、かつ、磁性層の動
的弾性率が低下するので、研磨剤突起がヘッドに当たる
頻度が高くなり、ヘッド摩耗が大きくなる。又、磁性体
の充てん度の低下や面粗れによって電磁変換特性が低下
する。微粒子の研磨剤(粒径0.1〜0.2μm)を使
用して、磁性層中の含有量が小さい(磁性体100重量
部に対して10重量部以下)の場合は、カレンダ成形性
が向上するので、更に、線圧力を250〜350kg/
cm、処理温度をt−5≦T≦t+5(℃)にすること
がヘッド摩耗及び走行耐久性の観点から好ましい。
【0029】ブレード処理:磁気テープを研磨テープ
にラッピングしたり、ダイヤモンド粉末などの硬い粉末
を散りばめた回転ロールにラッピングさせて、磁性層を
研磨処理し、研磨剤の突起をトップカットする。具体的
に、研磨テープにラッピングしてブレードする方式(L
TBL方式)とダイヤモンド粉末を散りばめた回転ロー
ルにラッピングさせてブレードする方式(DWBL方
式)として以下好ましい条件を示す。図2には、LTB
L方式を用いた装置の概念図を示した。搬送されてきた
磁気テープ5が、送りロール4を経由して、サファイア
刃6上に送られ研磨される。その後、送りロール4を経
由して巻き取られて処理が完了する。ここで、サファイ
ア刃6と磁気テープ5の間には、ラッピングテープ7が
磁気テープ5と反対方向に回転ロール8により搬送され
ている。この方式は詳しくは特開昭63−259830
号公報に記載されている。
にラッピングしたり、ダイヤモンド粉末などの硬い粉末
を散りばめた回転ロールにラッピングさせて、磁性層を
研磨処理し、研磨剤の突起をトップカットする。具体的
に、研磨テープにラッピングしてブレードする方式(L
TBL方式)とダイヤモンド粉末を散りばめた回転ロー
ルにラッピングさせてブレードする方式(DWBL方
式)として以下好ましい条件を示す。図2には、LTB
L方式を用いた装置の概念図を示した。搬送されてきた
磁気テープ5が、送りロール4を経由して、サファイア
刃6上に送られ研磨される。その後、送りロール4を経
由して巻き取られて処理が完了する。ここで、サファイ
ア刃6と磁気テープ5の間には、ラッピングテープ7が
磁気テープ5と反対方向に回転ロール8により搬送され
ている。この方式は詳しくは特開昭63−259830
号公報に記載されている。
【0030】LTBL方式の具体的な処理条件として
は、下記のものが挙げられる。 ラッピングテープ;富士写真フイルム株製K−#100
00 磁気テープの搬送速度をV、ラッピングテープの搬送速
度をv、図2のa部の磁気テープの張力をT1 、図2の
b部の磁気テープの張力をT2 とすると、 V=7m/s、v=20mm/分 T2 テンション 100〜150g/8mmスリット T1 テンション 30〜50g/8mmスリット T2 −T1 テンション 50〜120g/8mmスリッ
ト が好ましい。
は、下記のものが挙げられる。 ラッピングテープ;富士写真フイルム株製K−#100
00 磁気テープの搬送速度をV、ラッピングテープの搬送速
度をv、図2のa部の磁気テープの張力をT1 、図2の
b部の磁気テープの張力をT2 とすると、 V=7m/s、v=20mm/分 T2 テンション 100〜150g/8mmスリット T1 テンション 30〜50g/8mmスリット T2 −T1 テンション 50〜120g/8mmスリッ
ト が好ましい。
【0031】図3には、DWBL方式を用いた装置の概
念図を示した。搬送されてきた磁気テープ5が、送りロ
ール4を経由して、ダイヤモンド粉末を散りばめた回転
ロール9上に送られ研磨される。その後、送りロール4
を経由して巻き取られて処理が完了する。ここで、回転
ロール9は、磁気テープ5と反対方向に回転している。
この方式は詳しくは特開昭62−172532号公報に
記載されている。DWBL方式の具体的な処理条件とし
ては、下記のものが挙げられる。 回転ロール9=オリエンタルダイヤ工業研究所製DW#
800 直径; 7cm ラップ角度(θ); 90℃ #800(Ra=0.5〜1.3μm) 磁気テープの搬送速度をV、回転ロール9の接線速度を
v、図3のa部の磁気テープの張力をT1 、図3のb部
の磁気テープの張力をT2 とすると、 V=v=3〜7m/s T2 テンション 100〜200g/8mmスリット T1 テンション 30〜100g/8mmスリット T2 −T1 テンション 50〜150g/8mmスリッ
ト が好ましい。
念図を示した。搬送されてきた磁気テープ5が、送りロ
ール4を経由して、ダイヤモンド粉末を散りばめた回転
ロール9上に送られ研磨される。その後、送りロール4
を経由して巻き取られて処理が完了する。ここで、回転
ロール9は、磁気テープ5と反対方向に回転している。
この方式は詳しくは特開昭62−172532号公報に
記載されている。DWBL方式の具体的な処理条件とし
ては、下記のものが挙げられる。 回転ロール9=オリエンタルダイヤ工業研究所製DW#
800 直径; 7cm ラップ角度(θ); 90℃ #800(Ra=0.5〜1.3μm) 磁気テープの搬送速度をV、回転ロール9の接線速度を
v、図3のa部の磁気テープの張力をT1 、図3のb部
の磁気テープの張力をT2 とすると、 V=v=3〜7m/s T2 テンション 100〜200g/8mmスリット T1 テンション 30〜100g/8mmスリット T2 −T1 テンション 50〜150g/8mmスリッ
ト が好ましい。
【0032】(2) 磁性層表面の研磨剤以外の突起の存在
密度と高さの制御 固体潤滑剤添加:添加する固体潤滑剤の比重や粒子サ
イズ、比表面積、添加量を特定の範囲に設定することで
磁性層表面の固体潤滑剤による突起数と高さを制御す
る。 1)見かけ比重の低いものを使用して突起数を上げる 2)粒子サイズを小さくして、突起高さを低くする 3)比表面積を小さくして、磁性液中の固体潤滑剤の分
散性を高め2次粒子を防ぎ、突起数を増やしながら高さ
を抑える。 4)添加量を増やして、突起数を上げる。 固体潤滑剤のペースト化によつて、固体潤滑剤を単粒子
分散した後、磁性液に添加し、表面上に突出する固体潤
滑剤の高さが均一になるようにし、上記1)〜4)の手
段と併用することによつて特定の高さだけの突起数のみ
増やすことができる。固体潤滑剤ペースト中のバインダ
と添加する磁性液中のバインダを同一又は相溶性を高く
して、磁性層が塗布乾燥される際の固体潤滑剤粒子の移
動を抑制し、突起高さを抑える。固体潤滑剤ペースト中
及び磁性液中のバインダ量と種類を調整することによっ
て、突起高さ、突起数を調整する。
密度と高さの制御 固体潤滑剤添加:添加する固体潤滑剤の比重や粒子サ
イズ、比表面積、添加量を特定の範囲に設定することで
磁性層表面の固体潤滑剤による突起数と高さを制御す
る。 1)見かけ比重の低いものを使用して突起数を上げる 2)粒子サイズを小さくして、突起高さを低くする 3)比表面積を小さくして、磁性液中の固体潤滑剤の分
散性を高め2次粒子を防ぎ、突起数を増やしながら高さ
を抑える。 4)添加量を増やして、突起数を上げる。 固体潤滑剤のペースト化によつて、固体潤滑剤を単粒子
分散した後、磁性液に添加し、表面上に突出する固体潤
滑剤の高さが均一になるようにし、上記1)〜4)の手
段と併用することによつて特定の高さだけの突起数のみ
増やすことができる。固体潤滑剤ペースト中のバインダ
と添加する磁性液中のバインダを同一又は相溶性を高く
して、磁性層が塗布乾燥される際の固体潤滑剤粒子の移
動を抑制し、突起高さを抑える。固体潤滑剤ペースト中
及び磁性液中のバインダ量と種類を調整することによっ
て、突起高さ、突起数を調整する。
【0033】固体潤滑剤として、カーボンのような無機
粉末に比べ、メラミン樹脂粉末などの有機粉末は比重が
軽く突起数を増やす効果が大きいだけでなく、カレンダ
工程での有機粉末自身が潰れるため、突起高さを低くで
きる。固体潤滑剤としては真比重で2以下、好ましくは
1.6以下で、磁性液に使用する溶剤(MEKを使用)
を用いた見かけ比重測定で0.1〜1.0、好ましくは
0.2〜0.5である。カーボンに比べて、メラミン樹
脂等の有機フィラは磁性液中の溶剤が細孔に浸透しない
ので磁性液に使用する溶剤中の見かけ比重が下がりカー
ボンに比べて磁性液中で浮きやすくなる。固体潤滑剤に
おいて、比表面積は5〜60m2 /g、好ましくは10
〜40m 2 /g、吸油量は30〜100ml/100
g、粒径は0.02〜0.4μm、好ましくは0.05
〜0.3μm更に好ましくは0.05〜0.15μm。
粉末に比べ、メラミン樹脂粉末などの有機粉末は比重が
軽く突起数を増やす効果が大きいだけでなく、カレンダ
工程での有機粉末自身が潰れるため、突起高さを低くで
きる。固体潤滑剤としては真比重で2以下、好ましくは
1.6以下で、磁性液に使用する溶剤(MEKを使用)
を用いた見かけ比重測定で0.1〜1.0、好ましくは
0.2〜0.5である。カーボンに比べて、メラミン樹
脂等の有機フィラは磁性液中の溶剤が細孔に浸透しない
ので磁性液に使用する溶剤中の見かけ比重が下がりカー
ボンに比べて磁性液中で浮きやすくなる。固体潤滑剤に
おいて、比表面積は5〜60m2 /g、好ましくは10
〜40m 2 /g、吸油量は30〜100ml/100
g、粒径は0.02〜0.4μm、好ましくは0.05
〜0.3μm更に好ましくは0.05〜0.15μm。
【0034】塗布・乾燥:低剪断から高剪断速度領域
における磁性液の粘度挙動及び塗布する際の剪断速度を
調整し、かつ乾燥速度を調整することによって、固体潤
滑剤の磁性層表面における突起数と高さを調整すること
ができる。磁性液の粘度は均一塗布の観点から高剪断速
度の領域では低く、低剪断速度領域では高いことが好ま
しい。一方で、塗布直後は剪断力がなくなるので磁性液
は高剪断から急激に変化することを考慮すると、低剪断
領域での粘度が低いものはバインダー分子などの立体障
害が少なく、乾燥中に突起となる固体潤滑剤等が磁性層
表面へ突出し易いという面がある。逆にこの粘度が高い
と突起となる固体潤滑剤の磁性層表面への突出が抑制さ
れる。よって、使用する固体潤滑剤の粒径、添加量を調
整することや磁性層の乾燥速度を調整することを併用す
ることで突起数と高さを制御できる。
における磁性液の粘度挙動及び塗布する際の剪断速度を
調整し、かつ乾燥速度を調整することによって、固体潤
滑剤の磁性層表面における突起数と高さを調整すること
ができる。磁性液の粘度は均一塗布の観点から高剪断速
度の領域では低く、低剪断速度領域では高いことが好ま
しい。一方で、塗布直後は剪断力がなくなるので磁性液
は高剪断から急激に変化することを考慮すると、低剪断
領域での粘度が低いものはバインダー分子などの立体障
害が少なく、乾燥中に突起となる固体潤滑剤等が磁性層
表面へ突出し易いという面がある。逆にこの粘度が高い
と突起となる固体潤滑剤の磁性層表面への突出が抑制さ
れる。よって、使用する固体潤滑剤の粒径、添加量を調
整することや磁性層の乾燥速度を調整することを併用す
ることで突起数と高さを制御できる。
【0035】固体潤滑剤の添加量を増やした磁性液を剪
断速度を塗布ギーサースリットや塗布速度の調整で抑え
て塗布し初期乾燥を緩やかにして乾燥させたり、微粒子
の固体潤滑剤の添加量を少なくした磁性液を高剪断で塗
布し急乾したりすれば均一で、かつ低い突起が多い磁気
記録媒体を作れる。両者のうち、前者の方が容易に突起
数、高さを制御できる。
断速度を塗布ギーサースリットや塗布速度の調整で抑え
て塗布し初期乾燥を緩やかにして乾燥させたり、微粒子
の固体潤滑剤の添加量を少なくした磁性液を高剪断で塗
布し急乾したりすれば均一で、かつ低い突起が多い磁気
記録媒体を作れる。両者のうち、前者の方が容易に突起
数、高さを制御できる。
【0036】磁性層薄層化:磁性層厚みを薄くするこ
とによって、磁性液中の未分散ブツや凝集ブツなどの磁
性層中のブツに起因する磁性層表面上の突起が増える。
又、使用する非磁性支持体上の突起に起因する磁性層表
面上の突起が増える。磁性液の分散を強化したり、濾過
を強化したりして、磁性層中のブツによる磁性層表面上
の突起高さを下げることを併用すれば、磁性層表面の突
起数、高さの調整が容易にできる。
とによって、磁性液中の未分散ブツや凝集ブツなどの磁
性層中のブツに起因する磁性層表面上の突起が増える。
又、使用する非磁性支持体上の突起に起因する磁性層表
面上の突起が増える。磁性液の分散を強化したり、濾過
を強化したりして、磁性層中のブツによる磁性層表面上
の突起高さを下げることを併用すれば、磁性層表面の突
起数、高さの調整が容易にできる。
【0037】重層化:磁性層を重層する場合や非磁性
支持体との間に非磁性層の中間層を設ける場合は、下層
に使用する磁性体や非磁性粉末を特定の粒子サイズにし
たり、特定粒子サイズの別の固体添加剤を添加すること
によって、磁性層表面上の突起数を増やすことができ
る。又、上層厚みや上層/下層厚み比率を調整すること
で、塗布・乾燥時の下層から上層への遊離バインダや溶
剤の移動を変化させることができ、上層の磁性層中の固
体潤滑剤の浮き沈みを調整することができる。磁性層/
磁性層もしくは磁性層/非磁性層の積層構成の場合、上
層磁性層は、0.1〜1.0μm、好ましくは0.1〜
0.5μm、更に好ましくは0.2〜0.35μmであ
り、下層も含めた合計の厚みでは、0.03〜1.0μ
m、好ましくは0.05〜0.5μm、更に好ましくは
0.05〜0.3μmである。
支持体との間に非磁性層の中間層を設ける場合は、下層
に使用する磁性体や非磁性粉末を特定の粒子サイズにし
たり、特定粒子サイズの別の固体添加剤を添加すること
によって、磁性層表面上の突起数を増やすことができ
る。又、上層厚みや上層/下層厚み比率を調整すること
で、塗布・乾燥時の下層から上層への遊離バインダや溶
剤の移動を変化させることができ、上層の磁性層中の固
体潤滑剤の浮き沈みを調整することができる。磁性層/
磁性層もしくは磁性層/非磁性層の積層構成の場合、上
層磁性層は、0.1〜1.0μm、好ましくは0.1〜
0.5μm、更に好ましくは0.2〜0.35μmであ
り、下層も含めた合計の厚みでは、0.03〜1.0μ
m、好ましくは0.05〜0.5μm、更に好ましくは
0.05〜0.3μmである。
【0038】ブレード処理:磁気テープを研磨テープ
にラッピングしたり、ダイヤモンド粉末などの硬い粉末
を散りばめた回転ロールにラッピングさせて、磁性層を
研磨処理する。強くラップさせたり、研磨テープや回転
ロールの粗さを粗くすると高い突起のトップカットがさ
れるばかりか磁性層表面の素地が削り取られて、結果と
して突起が増える。カレンダ工程で強押したりして、磁
性層表層部を硬くした場合は、ブレード処理による磁性
層素地の削れが助長される。このようなブレード処理
は、前述の方法、条件等をそのまま準用できる。
にラッピングしたり、ダイヤモンド粉末などの硬い粉末
を散りばめた回転ロールにラッピングさせて、磁性層を
研磨処理する。強くラップさせたり、研磨テープや回転
ロールの粗さを粗くすると高い突起のトップカットがさ
れるばかりか磁性層表面の素地が削り取られて、結果と
して突起が増える。カレンダ工程で強押したりして、磁
性層表層部を硬くした場合は、ブレード処理による磁性
層素地の削れが助長される。このようなブレード処理
は、前述の方法、条件等をそのまま準用できる。
【0039】(3) 磁性層の動的弾性率を高くする。 バインダ処方:高Tgバインダを使用したり、硬化剤
添加量を増やして磁性層の動弾性率やTgを上げる。磁
性体の表面処理や混練・分散におけて機械的に力をかけ
て磁性体の吸着バインダ量を増やして磁性体とバインダ
の結合力を上げる。バインダーのTgとしては、好まし
くは30〜90℃であり、硬化剤の比率は、バインダー
中10〜40重量%、塩化ビニル/ポリウレタンの重量
比率は、90/10〜60/40、ポリウレタン単独の
Tgとしては−10〜90℃、好ましくは20〜90℃
である。塩化ビニル単独またはポリウレタン単独であっ
てもよい。
添加量を増やして磁性層の動弾性率やTgを上げる。磁
性体の表面処理や混練・分散におけて機械的に力をかけ
て磁性体の吸着バインダ量を増やして磁性体とバインダ
の結合力を上げる。バインダーのTgとしては、好まし
くは30〜90℃であり、硬化剤の比率は、バインダー
中10〜40重量%、塩化ビニル/ポリウレタンの重量
比率は、90/10〜60/40、ポリウレタン単独の
Tgとしては−10〜90℃、好ましくは20〜90℃
である。塩化ビニル単独またはポリウレタン単独であっ
てもよい。
【0040】(4) スティフネスの調製方法 可撓性非磁性支持体により調製する。PET、PEN、
アラミド樹脂等の材質を選択したり、プラスチック支持
体の製造工程で、延伸度を選択することにより調製す
る。磁性層ヤング率で1500〜2000kg/mm2 、
非磁性支持体として厚さ6.5μm以上のものを使用す
るときはPETでBO(バランスタイプ)やSTタイプ
(超延伸タイプ)が好ましく、5.0〜6.5μmでは
PENでBO(バランスタイプ)やWST(横テンシラ
イズドタイプ)が好ましい。更に5μm以下の薄い非磁
性支持体を使用するときはアラミドが好ましい。
アラミド樹脂等の材質を選択したり、プラスチック支持
体の製造工程で、延伸度を選択することにより調製す
る。磁性層ヤング率で1500〜2000kg/mm2 、
非磁性支持体として厚さ6.5μm以上のものを使用す
るときはPETでBO(バランスタイプ)やSTタイプ
(超延伸タイプ)が好ましく、5.0〜6.5μmでは
PENでBO(バランスタイプ)やWST(横テンシラ
イズドタイプ)が好ましい。更に5μm以下の薄い非磁
性支持体を使用するときはアラミドが好ましい。
【0041】次に、磁性層に用いられる研磨剤について
詳述する。研磨剤としては無機質非磁性粉末が使用でき
る。無機質非磁性粉末としては、金属酸化物、金属炭酸
塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化
物、等の無機質化合物から選択することができる。無機
質化合物としては例えばα化率90〜100%のα−ア
ルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸
化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒
化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、
酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化
ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、硫酸バリウム、
二硫化モリブデンなどが単独または組合せで使用され
る。特に好ましいのはα−アルミナ、べんがら、酸化ク
ロムである。炭酸カルシウムは水溶性金属イオンの供給
源となるので好ましくない。
詳述する。研磨剤としては無機質非磁性粉末が使用でき
る。無機質非磁性粉末としては、金属酸化物、金属炭酸
塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化
物、等の無機質化合物から選択することができる。無機
質化合物としては例えばα化率90〜100%のα−ア
ルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸
化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒
化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、
酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化
ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、硫酸バリウム、
二硫化モリブデンなどが単独または組合せで使用され
る。特に好ましいのはα−アルミナ、べんがら、酸化ク
ロムである。炭酸カルシウムは水溶性金属イオンの供給
源となるので好ましくない。
【0042】本発明において用いられる研磨剤は、上記
磁性層上の突起の存在密度、大きさを上記特定の範囲に
設定するように、種類、量、粒径、組み合わせ、形状等
を種々変えて使用する。下記に本発明において用いるこ
とができる研磨剤の諸条件の具体的な目安を記載する。
これら無機質非磁性粉末の平均粒径は0.01〜0.6
0μmが好ましいが、とりわけ好ましいのは無機質非磁
性粉末の平均粒径は0.01μm〜0.25μmであ
る。タップ密度は0.05〜2g/ml、好ましくは
0.2〜1.5g/mlである。無機質非磁性粉末の含
水率は0.05〜5重量%、好ましくは0.2〜3重量
%である。無機質非磁性粉末の比表面積は1〜100m
2/g、好ましくは5〜50m2/g、更に好ましくは7
〜40m2/gである。DBPを用いた吸油量は5〜100
ml/100g 、好ましくは10〜80ml/100g、更に好まし
くは20〜60ml/100gである。比重は1〜12、好ま
しくは3〜6である。形状は針状、球状、多面体状、板
状のいずれでも良い。
磁性層上の突起の存在密度、大きさを上記特定の範囲に
設定するように、種類、量、粒径、組み合わせ、形状等
を種々変えて使用する。下記に本発明において用いるこ
とができる研磨剤の諸条件の具体的な目安を記載する。
これら無機質非磁性粉末の平均粒径は0.01〜0.6
0μmが好ましいが、とりわけ好ましいのは無機質非磁
性粉末の平均粒径は0.01μm〜0.25μmであ
る。タップ密度は0.05〜2g/ml、好ましくは
0.2〜1.5g/mlである。無機質非磁性粉末の含
水率は0.05〜5重量%、好ましくは0.2〜3重量
%である。無機質非磁性粉末の比表面積は1〜100m
2/g、好ましくは5〜50m2/g、更に好ましくは7
〜40m2/gである。DBPを用いた吸油量は5〜100
ml/100g 、好ましくは10〜80ml/100g、更に好まし
くは20〜60ml/100gである。比重は1〜12、好ま
しくは3〜6である。形状は針状、球状、多面体状、板
状のいずれでも良い。
【0043】無機質非磁性粉末の強熱減量は0〜20重
量%であることが好ましい。本発明に用いられる無機質
非磁性粉末のモース硬度は4〜10のものが好ましい。こ
れらの粉末表面のラフネスファクターは0.8〜1.5
が好ましく、更に好ましいラフネスファクターは0.9
〜1.2である。無機質非磁性粉末のSA(ステアリン
酸)吸着量は1〜20μmol/m2 、更に好ましくは2
〜15μmol/m2である。非磁性層の無機質非磁性粉末
の25℃での水への湿潤熱は200erg/cm2〜600erg
/cm2の範囲にあることが好ましい。また、この湿潤熱の
範囲にある溶媒を使用することができる。100〜40
0℃での表面の水分子の量は1〜10個/100Åが適当で
ある。水中での等電点のpHは3〜6の間にあることが
好ましい。
量%であることが好ましい。本発明に用いられる無機質
非磁性粉末のモース硬度は4〜10のものが好ましい。こ
れらの粉末表面のラフネスファクターは0.8〜1.5
が好ましく、更に好ましいラフネスファクターは0.9
〜1.2である。無機質非磁性粉末のSA(ステアリン
酸)吸着量は1〜20μmol/m2 、更に好ましくは2
〜15μmol/m2である。非磁性層の無機質非磁性粉末
の25℃での水への湿潤熱は200erg/cm2〜600erg
/cm2の範囲にあることが好ましい。また、この湿潤熱の
範囲にある溶媒を使用することができる。100〜40
0℃での表面の水分子の量は1〜10個/100Åが適当で
ある。水中での等電点のpHは3〜6の間にあることが
好ましい。
【0044】これらの無機質非磁性粉末の表面にはAl2O
3、SiO2 、TiO2 、ZrO2 、SnO2、Sb 2O3,ZnOで表面処理
することが好ましい。特に分散性に好ましいのはAl
2O3、SiO 2 、TiO2 、ZrO2であるが、更に好ましいのはA
l2O3、SiO2 、ZrO2である。これらは組み合わせて使用
しても良いし、単独で用いることもできる。また、目的
に応じて共沈させた表面処理層を用いても良いし、先ず
アルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方
法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、表
面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、
均質で密である方が一般には好ましい。
3、SiO2 、TiO2 、ZrO2 、SnO2、Sb 2O3,ZnOで表面処理
することが好ましい。特に分散性に好ましいのはAl
2O3、SiO 2 、TiO2 、ZrO2であるが、更に好ましいのはA
l2O3、SiO2 、ZrO2である。これらは組み合わせて使用
しても良いし、単独で用いることもできる。また、目的
に応じて共沈させた表面処理層を用いても良いし、先ず
アルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方
法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、表
面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、
均質で密である方が一般には好ましい。
【0045】本発明の磁性層に用いられる無機質非磁性
粉末の具体的な例としては、昭和電工製ナノタイト、住友化学
製Hit100,Hit82,Hit80,Hit7
0,Hit60A,Hit55,AKP20,AKP3
0,AKP50、ZA-G1、レイノルズ製 ERC−DB
M,HP−DBM,HPF−DBM,HPFX−DB
M,HPS−DBM,HPSX−DBM、不二見研摩材
製WA8000,WA10000、上村工業製UB2
0,UB40B,メカノックスU4、昭和軽金属製UA
2055,UA5155,UA5305、日本化学工業
製G−5,クロメックスM,クロメックスS1,クロメ
ックスU2,クロメックスU1,クロメックスX10,
クロメックスKX10、日本電工製ND803,ND8
02,ND801、東ソー製F−1,F−2,UF−5
00、戸田工業社製DPN-250,DPN-250BX、DPN-245,DPN-2
70BXTF−100,TF−120,TF−140,DP
N−550BX,TF−180、昭和鉱業製A−3,B
−3、セントラルガラス製ベータSiC,UF、イビデ
ン製ベータランダムスタンダード、ベータランダムウル
トラファイン、帝国化工製JR401,MT500B、
石原産業製TY−50,TTO-51B、TTO-55A,TTO-55B、TTO
-55C、TTO-55S、TTO-55D、SN-100,E270,E271、チタン工業
製STT-4D、STT-30D、STT-30、STT-65C、テイカ製MT-100
S、MT-100T、MT-150W、MT-500B、MT-600B、MT-100F、MT-500H
D、堺化学製FINEX-25,BF-1,BF-10,BF-20,ST-M、 北開化
学製HZn,HZr3M、同和鉱業製DEFIC-Y,DEFIC-R、
日本アエロジル製AS2BM,TiO2P25,宇部興産製100A,500
A、チタン工業製Y-LOP及びそれを焼成したものが挙げら
れる。
粉末の具体的な例としては、昭和電工製ナノタイト、住友化学
製Hit100,Hit82,Hit80,Hit7
0,Hit60A,Hit55,AKP20,AKP3
0,AKP50、ZA-G1、レイノルズ製 ERC−DB
M,HP−DBM,HPF−DBM,HPFX−DB
M,HPS−DBM,HPSX−DBM、不二見研摩材
製WA8000,WA10000、上村工業製UB2
0,UB40B,メカノックスU4、昭和軽金属製UA
2055,UA5155,UA5305、日本化学工業
製G−5,クロメックスM,クロメックスS1,クロメ
ックスU2,クロメックスU1,クロメックスX10,
クロメックスKX10、日本電工製ND803,ND8
02,ND801、東ソー製F−1,F−2,UF−5
00、戸田工業社製DPN-250,DPN-250BX、DPN-245,DPN-2
70BXTF−100,TF−120,TF−140,DP
N−550BX,TF−180、昭和鉱業製A−3,B
−3、セントラルガラス製ベータSiC,UF、イビデ
ン製ベータランダムスタンダード、ベータランダムウル
トラファイン、帝国化工製JR401,MT500B、
石原産業製TY−50,TTO-51B、TTO-55A,TTO-55B、TTO
-55C、TTO-55S、TTO-55D、SN-100,E270,E271、チタン工業
製STT-4D、STT-30D、STT-30、STT-65C、テイカ製MT-100
S、MT-100T、MT-150W、MT-500B、MT-600B、MT-100F、MT-500H
D、堺化学製FINEX-25,BF-1,BF-10,BF-20,ST-M、 北開化
学製HZn,HZr3M、同和鉱業製DEFIC-Y,DEFIC-R、
日本アエロジル製AS2BM,TiO2P25,宇部興産製100A,500
A、チタン工業製Y-LOP及びそれを焼成したものが挙げら
れる。
【0046】磁性層にカーボンブラックを混合させて本
発明の突起数、大きさを調節することができる。このた
めにはゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブ
ラック、アセチレンブラック、等を用いることができ
る。
発明の突起数、大きさを調節することができる。このた
めにはゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブ
ラック、アセチレンブラック、等を用いることができ
る。
【0047】カーボンブラックを使用する場合は強磁性
金属粉末に対する量で0.1〜10%で用いることが好
ましく、0.2〜3重量%であることが更に好ましい。
従って本発明に使用されるこれらのカーボンブラックは
上層磁性層、非磁性層でその種類、量、組合せを変え、
平均粒径、吸油量、電導度、pHなどをもとに目的に応
じて使い分ける。
金属粉末に対する量で0.1〜10%で用いることが好
ましく、0.2〜3重量%であることが更に好ましい。
従って本発明に使用されるこれらのカーボンブラックは
上層磁性層、非磁性層でその種類、量、組合せを変え、
平均粒径、吸油量、電導度、pHなどをもとに目的に応
じて使い分ける。
【0048】以下に磁性層中に添加するカーボンブラッ
クの諸特性の目安を説明する。カーボンブラックの比表
面積は5〜300m2/g、好ましくは5〜100m2/
g、DBP吸油量は20〜150ml/100g、好ましくは
30〜100ml/100g、更に好ましくは50〜100ml/
100gである。また、(比表面積)×(一次粒子径)=1
500〜3000nm・m2 /g、好ましくは2000
〜3000nm・m2 /gである。(DBP吸油量)/
(比表面積)=1〜5(ml/100m2)、好ましくは
1〜5(ml/100m2 )である。カーボンブラックの
平均粒径は5mμ〜80mμ、好ましくは10〜50m
μ、さらに好ましくは10〜40mμである。カーボン
ブラックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10%、
タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。
クの諸特性の目安を説明する。カーボンブラックの比表
面積は5〜300m2/g、好ましくは5〜100m2/
g、DBP吸油量は20〜150ml/100g、好ましくは
30〜100ml/100g、更に好ましくは50〜100ml/
100gである。また、(比表面積)×(一次粒子径)=1
500〜3000nm・m2 /g、好ましくは2000
〜3000nm・m2 /gである。(DBP吸油量)/
(比表面積)=1〜5(ml/100m2)、好ましくは
1〜5(ml/100m2 )である。カーボンブラックの
平均粒径は5mμ〜80mμ、好ましくは10〜50m
μ、さらに好ましくは10〜40mμである。カーボン
ブラックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10%、
タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。
【0049】本発明に用いられるカーボンブラックの具
体的な例としてはキャボット社製、BLACKPEAR
LS 2000、1300、1000、900、80
0、880、700、VULCAN XC−72、旭カ
ーボン社製#75、#70,#70L、#60,#60
U,#55,60H、#50,#50U,#35、LA
MP B101、THERMAX MT、三菱化成工業
社製、#3050B、3150B、3250B、#37
50B、#3950B、#950、#650B、#97
0B、#850B、MA−600、#MA220,#9
5,#MA230,#22B,#20B,#30,#3
2,#33,#50,#52、コロンビアカーボン社製
CONDUCTEX SC、RAVEN 8800,8000,70
00,5750,5250,3500,2100,2000,1800,1500,1255,1250、
RAVEN MT−P,RAVEN410,RAVEN
420,RAVEN430B,RAVEN22P,RA
VEN450、PRINTEXG,PRINTEX2
5,PRINTEX20,PRINTEXA,PRIN
TEX35,PRINTEX140,PRINTEX1
50、アクゾー社製ケッチェンブラックECなどがあげら
れる。カーボンブラックを分散剤などで表面処理した
り、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグ
ラファイト化したものを使用してもかまわない。また、
カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ結合
剤で分散してもかまわない。本発明で磁性層に使用でき
るカーボンブラックは例えば「カーボンブラック便覧」
(カーボンブラック協会編)を参考にすることができ
る。
体的な例としてはキャボット社製、BLACKPEAR
LS 2000、1300、1000、900、80
0、880、700、VULCAN XC−72、旭カ
ーボン社製#75、#70,#70L、#60,#60
U,#55,60H、#50,#50U,#35、LA
MP B101、THERMAX MT、三菱化成工業
社製、#3050B、3150B、3250B、#37
50B、#3950B、#950、#650B、#97
0B、#850B、MA−600、#MA220,#9
5,#MA230,#22B,#20B,#30,#3
2,#33,#50,#52、コロンビアカーボン社製
CONDUCTEX SC、RAVEN 8800,8000,70
00,5750,5250,3500,2100,2000,1800,1500,1255,1250、
RAVEN MT−P,RAVEN410,RAVEN
420,RAVEN430B,RAVEN22P,RA
VEN450、PRINTEXG,PRINTEX2
5,PRINTEX20,PRINTEXA,PRIN
TEX35,PRINTEX140,PRINTEX1
50、アクゾー社製ケッチェンブラックECなどがあげら
れる。カーボンブラックを分散剤などで表面処理した
り、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグ
ラファイト化したものを使用してもかまわない。また、
カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ結合
剤で分散してもかまわない。本発明で磁性層に使用でき
るカーボンブラックは例えば「カーボンブラック便覧」
(カーボンブラック協会編)を参考にすることができ
る。
【0050】また磁性層には本発明の突起の存在密度、
大きさを特定の範囲に設定するために、有機質粉末を添
加することもできる。有機質粉末としては、例えば、アク
リルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系
樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフ
ィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド
系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹
脂も使用することができる。その製法は 特開昭62-18,
564号、特開昭60-255,827号に記されているようなもの
が使用できる。有機質粉末の粒子径は50〜300m
μ、好ましくは100〜300mμである。その具体例
としては、例えばスフィレックス(大日精化(株)
製)、エポスターS(日本触媒(株)製)等が挙げられ
る。
大きさを特定の範囲に設定するために、有機質粉末を添
加することもできる。有機質粉末としては、例えば、アク
リルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系
樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフ
ィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド
系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹
脂も使用することができる。その製法は 特開昭62-18,
564号、特開昭60-255,827号に記されているようなもの
が使用できる。有機質粉末の粒子径は50〜300m
μ、好ましくは100〜300mμである。その具体例
としては、例えばスフィレックス(大日精化(株)
製)、エポスターS(日本触媒(株)製)等が挙げられ
る。
【0051】本発明の磁性層に使用する強磁性粉末とし
ては平均長軸長が0.05〜0.35μm、好ましくは
0.05〜0.20μmであり、γ−Fe2 O3 、Co
変性γ−Fe2 O3 、FeOX (X=1.33〜1.
5)、Co変性FeOX (X=1.33〜1.5)、α
−FeまたはNiまたはCoを主成分(75%以上)と
する強磁性金属粉末、バリウムフェライト、ストロンチ
ウムフェライトなど公知の強磁性粉末が使用できる。こ
れらの強磁性粉末には所定の原子以外にAl、Si、
S、Sc、Ca、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、R
h、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、
Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、N
d、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子
を含んでもかまわない。
ては平均長軸長が0.05〜0.35μm、好ましくは
0.05〜0.20μmであり、γ−Fe2 O3 、Co
変性γ−Fe2 O3 、FeOX (X=1.33〜1.
5)、Co変性FeOX (X=1.33〜1.5)、α
−FeまたはNiまたはCoを主成分(75%以上)と
する強磁性金属粉末、バリウムフェライト、ストロンチ
ウムフェライトなど公知の強磁性粉末が使用できる。こ
れらの強磁性粉末には所定の原子以外にAl、Si、
S、Sc、Ca、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、R
h、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、
Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、N
d、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子
を含んでもかまわない。
【0052】本発明においては、上記の中で、α−Fe
を主成分とする強磁性金属粉末が好ましい。特に下記に
示す組成の強磁性金属粉末が好ましい。強磁性金属粉末
中のFe原子に対するNi原子の含有量を5×10-4〜
0.4原子%、好ましくは5×10-4〜0.2原子%に
することで、強磁性金属粉末の結晶格子中の転位数を調
整し、塑性変形の度合いを最適化できるので、磁性粉末
のもろけを防止できるので、結果的にヘッド汚れ、ヘッ
ド目詰まり、およびカレンダーロール汚れを防止できる
と考えられる。
を主成分とする強磁性金属粉末が好ましい。特に下記に
示す組成の強磁性金属粉末が好ましい。強磁性金属粉末
中のFe原子に対するNi原子の含有量を5×10-4〜
0.4原子%、好ましくは5×10-4〜0.2原子%に
することで、強磁性金属粉末の結晶格子中の転位数を調
整し、塑性変形の度合いを最適化できるので、磁性粉末
のもろけを防止できるので、結果的にヘッド汚れ、ヘッ
ド目詰まり、およびカレンダーロール汚れを防止できる
と考えられる。
【0053】本発明においては、強磁性金属粉末中にM
g原子をFe原子に対し0.1〜2.0原子%含むこと
が好ましく、Mg原子を0.2〜1.5原子%含むこと
が更に好ましく、特に0.4〜1.5原子%であること
が好ましい。Mgは、磁性体の焼成時の、核生成点の数
を増大させる効果があり、その結果得られる強磁性金属
粉末を微小化することができる。本発明における強磁性
金属粉末では、Mgの添加量により強磁性金属粉末の長
軸長を調製することが特に有効であった。さらに強磁性
金属粉末表面が酸化されてできる酸化マグネシウムが硬
いので対ヘッド磨耗性に優れており、ヘッド汚れの防止
をさらに有効なものとすることができる。
g原子をFe原子に対し0.1〜2.0原子%含むこと
が好ましく、Mg原子を0.2〜1.5原子%含むこと
が更に好ましく、特に0.4〜1.5原子%であること
が好ましい。Mgは、磁性体の焼成時の、核生成点の数
を増大させる効果があり、その結果得られる強磁性金属
粉末を微小化することができる。本発明における強磁性
金属粉末では、Mgの添加量により強磁性金属粉末の長
軸長を調製することが特に有効であった。さらに強磁性
金属粉末表面が酸化されてできる酸化マグネシウムが硬
いので対ヘッド磨耗性に優れており、ヘッド汚れの防止
をさらに有効なものとすることができる。
【0054】本発明においては、強磁性金属粉末のCa
原子量を5×10-4〜0.2原子%、好ましくは5×1
0-4〜0.1原子%およびアルカリ金属量を5×10-4
〜0.2原子%に規定したことにより、強磁性金属粉末
の結合剤樹脂吸着量を高め、結合剤樹脂の磁性体表層に
おける吸着層が厚くなるため、磁性体が直接磁気ヘッド
と接触するのを防止して、ヘッドの焼き付き汚れを低減
できる。また、結合剤樹脂の強磁性金属粉末への吸着性
アップに伴い磁性層の強度も高まるため、磁性層の削れ
による目詰まり等の発生を防止できる。該Caおよびア
ルカリ金属、特にNa量を規定することが最も効果があ
るが、不純物として、磁性体作成時に混入するその他の
アルカリ土類金属やアルカリ金属元素を抑えることは必
要で、トータル1原子%以下に抑えることが好ましい。
原子量を5×10-4〜0.2原子%、好ましくは5×1
0-4〜0.1原子%およびアルカリ金属量を5×10-4
〜0.2原子%に規定したことにより、強磁性金属粉末
の結合剤樹脂吸着量を高め、結合剤樹脂の磁性体表層に
おける吸着層が厚くなるため、磁性体が直接磁気ヘッド
と接触するのを防止して、ヘッドの焼き付き汚れを低減
できる。また、結合剤樹脂の強磁性金属粉末への吸着性
アップに伴い磁性層の強度も高まるため、磁性層の削れ
による目詰まり等の発生を防止できる。該Caおよびア
ルカリ金属、特にNa量を規定することが最も効果があ
るが、不純物として、磁性体作成時に混入するその他の
アルカリ土類金属やアルカリ金属元素を抑えることは必
要で、トータル1原子%以下に抑えることが好ましい。
【0055】本発明においては、磁性層および/または
非磁性層に脂肪酸を含有することが好ましい。強磁性金
属粉末のCa量およびアルカリ金属量を規定したことに
より、Caおよびアルカリ金属と脂肪酸との塩の生成を
抑制することができ、かつフリーな脂肪酸量を低減する
ことができるので、脂肪酸とアルカリ金属、Caとの反
応による塩生成を抑えることができ、ひいてはヘッド汚
れを防止し、ヘッド磨耗を低減することができると共に
出力低下を抑制する。本発明における脂肪酸使用量は、
磁性層に添加する場合は強磁性金属粉末に対し0.2〜
5.0重量%が好ましく、特に0.5〜2.0重量%が
好ましい。
非磁性層に脂肪酸を含有することが好ましい。強磁性金
属粉末のCa量およびアルカリ金属量を規定したことに
より、Caおよびアルカリ金属と脂肪酸との塩の生成を
抑制することができ、かつフリーな脂肪酸量を低減する
ことができるので、脂肪酸とアルカリ金属、Caとの反
応による塩生成を抑えることができ、ひいてはヘッド汚
れを防止し、ヘッド磨耗を低減することができると共に
出力低下を抑制する。本発明における脂肪酸使用量は、
磁性層に添加する場合は強磁性金属粉末に対し0.2〜
5.0重量%が好ましく、特に0.5〜2.0重量%が
好ましい。
【0056】また、本発明に使用する強磁性金属粉末
は、Fe原子に対し、次の元素を以下に示す範囲で含有
していることが好ましい。Al原子が4〜15原子%、
希土類元素が0.1〜10原子%、特に1.0〜3.0
原子%、Si原子が5×10-4〜1.5原子%、特に5
×10-4〜0.1原子%、Co原子が5〜35原子%、
特に10〜35原子%の各範囲である。上記強磁性金属
粉末含有元素は、以下のような機能を有するものであ
り、それら機能を発揮するために最善の含有量が決定さ
れ得る。
は、Fe原子に対し、次の元素を以下に示す範囲で含有
していることが好ましい。Al原子が4〜15原子%、
希土類元素が0.1〜10原子%、特に1.0〜3.0
原子%、Si原子が5×10-4〜1.5原子%、特に5
×10-4〜0.1原子%、Co原子が5〜35原子%、
特に10〜35原子%の各範囲である。上記強磁性金属
粉末含有元素は、以下のような機能を有するものであ
り、それら機能を発揮するために最善の含有量が決定さ
れ得る。
【0057】Al原子、Y原子等の希土類元素は、強磁
性金属粉末そのものの強度を高める機能を有し、強磁性
金属粉末表層部に存在し、表層から深く入るに従って、
該各原子はほぼ同じ比率で減少している。又、Si原子
はAl原子より表層に存在する形態をとる。強磁性金属
粉末表層のAl原子はO原子と結合してアルミナとな
り、硬く、かつ研磨力が高い。しかし、強磁性金属粉末
の内部と表層部分の結晶結合状態が弱ければ、硬い表層
部が削れてしまう。また、硬い表層部は塑性変形しにく
いのでそのためもろけ易い。そこで、該Ni原子の含有
量を5×10-4〜0.4原子%とすることにより、強磁
性金属粉末中のFe−Ni−Al等の結晶構造をへら
し、Fe結晶構造やFe−Al等の結晶を増大させ、F
e結晶中の転位数や変化を抑制するとともに、塑性変形
し易くすることにより、強磁性金属粉末表層部のもろけ
や削れを防止する。
性金属粉末そのものの強度を高める機能を有し、強磁性
金属粉末表層部に存在し、表層から深く入るに従って、
該各原子はほぼ同じ比率で減少している。又、Si原子
はAl原子より表層に存在する形態をとる。強磁性金属
粉末表層のAl原子はO原子と結合してアルミナとな
り、硬く、かつ研磨力が高い。しかし、強磁性金属粉末
の内部と表層部分の結晶結合状態が弱ければ、硬い表層
部が削れてしまう。また、硬い表層部は塑性変形しにく
いのでそのためもろけ易い。そこで、該Ni原子の含有
量を5×10-4〜0.4原子%とすることにより、強磁
性金属粉末中のFe−Ni−Al等の結晶構造をへら
し、Fe結晶構造やFe−Al等の結晶を増大させ、F
e結晶中の転位数や変化を抑制するとともに、塑性変形
し易くすることにより、強磁性金属粉末表層部のもろけ
や削れを防止する。
【0058】また、Co原子が存在すると、結晶構造上
の強度が上がり、強磁性金属粉末表層部の削れが更に防
止できる。Si原子やY原子などの希土類元素の添加
は、強磁性金属粉末表層部の硬さを調整する機能があ
る。即ち、Al原子に対するSi原子や希土類元素の比
率を高めることで、研磨力を下げることができ、それら
の原子の含有量を調整することで、ヘッド磨耗を抑えつ
つテープの耐久性を確保するという機能を発揮する。ま
た、強磁性金属粉末中のSi原子は、結合剤樹脂の中の
イソシアネートの硬化反応を抑制する機能を有する。
の強度が上がり、強磁性金属粉末表層部の削れが更に防
止できる。Si原子やY原子などの希土類元素の添加
は、強磁性金属粉末表層部の硬さを調整する機能があ
る。即ち、Al原子に対するSi原子や希土類元素の比
率を高めることで、研磨力を下げることができ、それら
の原子の含有量を調整することで、ヘッド磨耗を抑えつ
つテープの耐久性を確保するという機能を発揮する。ま
た、強磁性金属粉末中のSi原子は、結合剤樹脂の中の
イソシアネートの硬化反応を抑制する機能を有する。
【0059】従って、Si原子量が増えるとイソシアネ
ートの硬化反応が抑制されるため、磁性層の表層部分が
凝集破壊されて削れたり、ヘッド汚れが起きる。特にサ
ーモ処理(磁性層を塗布乾燥後結合剤樹脂の硬化を促進
するための加温処理)がない場合に顕著である。上記対
策のため、強磁性金属粉末の焼結防止剤としては、Al
やYなどの希土類元素を使用し、かつ強磁性金属粉末の
製造工程で混入する微量のSi原子を洗浄工程で、洗浄
水を加温したり、pHを調整するなどして除去し、強磁
性金属粉末のSi原子含有量を下げることが有効であ
る。
ートの硬化反応が抑制されるため、磁性層の表層部分が
凝集破壊されて削れたり、ヘッド汚れが起きる。特にサ
ーモ処理(磁性層を塗布乾燥後結合剤樹脂の硬化を促進
するための加温処理)がない場合に顕著である。上記対
策のため、強磁性金属粉末の焼結防止剤としては、Al
やYなどの希土類元素を使用し、かつ強磁性金属粉末の
製造工程で混入する微量のSi原子を洗浄工程で、洗浄
水を加温したり、pHを調整するなどして除去し、強磁
性金属粉末のSi原子含有量を下げることが有効であ
る。
【0060】本発明では上記組成の強磁性金属粉末を使
用することによって結合剤樹脂の強磁性金属粉末への付
着率が向上したため磁性層中の結合剤樹脂量を低くして
も焼き付き状のヘッド汚れや磁性層強度不足による目詰
まりを発生しないかつ磁性層側に接するカレンダーロー
ルの汚れを低減する磁気記録媒体を作製することができ
る。また、該結合剤樹脂量を低くしたことにより実質的
に強磁性金属粉末の充填率が向上し、出力の確保に寄与
することができる。本発明においては、磁性層中の結合
剤樹脂量が強磁性金属粉末100重量部に対して、好ま
しくは12〜28重量部、更に好ましくは、15〜23
重量部である。ここで、結合剤樹脂は架橋剤をも含む意
味である。
用することによって結合剤樹脂の強磁性金属粉末への付
着率が向上したため磁性層中の結合剤樹脂量を低くして
も焼き付き状のヘッド汚れや磁性層強度不足による目詰
まりを発生しないかつ磁性層側に接するカレンダーロー
ルの汚れを低減する磁気記録媒体を作製することができ
る。また、該結合剤樹脂量を低くしたことにより実質的
に強磁性金属粉末の充填率が向上し、出力の確保に寄与
することができる。本発明においては、磁性層中の結合
剤樹脂量が強磁性金属粉末100重量部に対して、好ま
しくは12〜28重量部、更に好ましくは、15〜23
重量部である。ここで、結合剤樹脂は架橋剤をも含む意
味である。
【0061】また、強磁性金属粉末にフェニルホスホン
酸のような有機リン化合物を表面吸着させることや特定
の極性基を有する結合剤樹脂、例えば塩化ビニル系共重
合体やウレタンを使用することで強磁性金属粉末の分散
性が高まり、更に上記の効果が顕著となる。更に、湿式
同時塗布の重層構成(上層磁性体:強磁性金属粉末/下
層磁性体:γ−酸化鉄、上層磁性体:強磁性金属粉末/
下層無機質非磁性粉末など)は、強磁性金属粉末を主体
とする単層磁性層より、塗布乾燥条件や液物性の観点か
ら表面結合剤樹脂量が上がる傾向があるため、重層構成
では、効果がより明確になる。又、強磁性金属粉末の微
粒子でも磁性層の表層結合剤樹脂量は上がるため、さら
に効果が顕著となる。但し、磁性層の表層に強磁性金属
粉末に吸着していない、フリーの結合剤樹脂が多いと、
繰り返し走行における結合剤樹脂の流動変形を引き起こ
したり、結合剤樹脂がヘッド等に付着してヘッド汚れが
発生するため、結合剤樹脂添加量を上述のように最適化
する必要がある。
酸のような有機リン化合物を表面吸着させることや特定
の極性基を有する結合剤樹脂、例えば塩化ビニル系共重
合体やウレタンを使用することで強磁性金属粉末の分散
性が高まり、更に上記の効果が顕著となる。更に、湿式
同時塗布の重層構成(上層磁性体:強磁性金属粉末/下
層磁性体:γ−酸化鉄、上層磁性体:強磁性金属粉末/
下層無機質非磁性粉末など)は、強磁性金属粉末を主体
とする単層磁性層より、塗布乾燥条件や液物性の観点か
ら表面結合剤樹脂量が上がる傾向があるため、重層構成
では、効果がより明確になる。又、強磁性金属粉末の微
粒子でも磁性層の表層結合剤樹脂量は上がるため、さら
に効果が顕著となる。但し、磁性層の表層に強磁性金属
粉末に吸着していない、フリーの結合剤樹脂が多いと、
繰り返し走行における結合剤樹脂の流動変形を引き起こ
したり、結合剤樹脂がヘッド等に付着してヘッド汚れが
発生するため、結合剤樹脂添加量を上述のように最適化
する必要がある。
【0062】本発明の強磁性金属粉末の製造方法として
は、従来公知の製法が適用できるが、アルカリ金属、C
aおよびNiが上記範囲となるように制御する必要があ
る。アルカリ金属およびCaに関する該制御手段として
は、強磁性金属粉末の製造工程中に洗浄工程を挿入する
ことなどが有効である。即ち、オキシ水酸化鉄粉、酸化
鉄粉または金属粉を水洗するのである。特に、オキシ水
酸化鉄、酸化鉄、金属と工程の進行にともなって、微量
元素は粒子表面に偏析してくる傾向があるので、洗浄に
よりその除去が容易となる。洗浄水を加温したり、洗浄
水のpHを調整したり、洗浄水に添加する酸、塩基を選
択することにより更に効率よく洗浄を進めることができ
る。また、原料中の不純物元素を極力少なくすることが
有効であることは勿論である。
は、従来公知の製法が適用できるが、アルカリ金属、C
aおよびNiが上記範囲となるように制御する必要があ
る。アルカリ金属およびCaに関する該制御手段として
は、強磁性金属粉末の製造工程中に洗浄工程を挿入する
ことなどが有効である。即ち、オキシ水酸化鉄粉、酸化
鉄粉または金属粉を水洗するのである。特に、オキシ水
酸化鉄、酸化鉄、金属と工程の進行にともなって、微量
元素は粒子表面に偏析してくる傾向があるので、洗浄に
よりその除去が容易となる。洗浄水を加温したり、洗浄
水のpHを調整したり、洗浄水に添加する酸、塩基を選
択することにより更に効率よく洗浄を進めることができ
る。また、原料中の不純物元素を極力少なくすることが
有効であることは勿論である。
【0063】Niの該制御手段としては、強磁性金属粉
末原料から強磁性金属粉末への各製造工程においてNi
の添加または除去処理を行うことが挙げられ、具体的に
は強磁性金属粉末の原料において定量的にNiを添加す
ること等が挙げられる。また、Mg、Al、希土類元
素、Si、Coあるいは後述の他の微量元素などを強磁
性金属粉末に含有させる手段としては、強磁性金属粉末
原料から強磁性金属粉末への各製造工程においてMg等
の除去処理(上述のCaやアルカリ金属の除去処理と同
じものを含む)あるいは添加処理を行うことが挙げら
れ、添加処理としては具体的には強磁性金属粉末の焼結
防止処理において定量的にAl、希土類元素等を添加
し、強磁性金属粉末に各元素の酸化物を形成することが
挙げられる。尚、該微量元素の量は、Feに対し5×1
0-4〜1原子%である。該微量元素としては、S、T
i、V、Cr、Cu、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、
Sb、Te、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、B
i、P、Mn、Zn、Bなどが挙げられる。本発明で使
用される強磁性金属粉末にはあとで述べる分散剤、潤滑
剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前にあらかじめ
処理を行ってもかまわない。
末原料から強磁性金属粉末への各製造工程においてNi
の添加または除去処理を行うことが挙げられ、具体的に
は強磁性金属粉末の原料において定量的にNiを添加す
ること等が挙げられる。また、Mg、Al、希土類元
素、Si、Coあるいは後述の他の微量元素などを強磁
性金属粉末に含有させる手段としては、強磁性金属粉末
原料から強磁性金属粉末への各製造工程においてMg等
の除去処理(上述のCaやアルカリ金属の除去処理と同
じものを含む)あるいは添加処理を行うことが挙げら
れ、添加処理としては具体的には強磁性金属粉末の焼結
防止処理において定量的にAl、希土類元素等を添加
し、強磁性金属粉末に各元素の酸化物を形成することが
挙げられる。尚、該微量元素の量は、Feに対し5×1
0-4〜1原子%である。該微量元素としては、S、T
i、V、Cr、Cu、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、
Sb、Te、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、B
i、P、Mn、Zn、Bなどが挙げられる。本発明で使
用される強磁性金属粉末にはあとで述べる分散剤、潤滑
剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前にあらかじめ
処理を行ってもかまわない。
【0064】具体的には、特公昭44-14,090号、特公昭4
5-18,372号、特公昭47-22,062号、特公昭47-22,513号、
特公昭46-28,466号、特公昭46-38,755号、特公昭47-4,2
86号、特公昭47-12,422号、特公昭47-17,284号、特公昭
47-18,509号、特公昭47-18,573号、特公昭39-10,307
号、特公昭48-39,639号、米国特許3,026,215号、同3,0
3,1341号、同3,100,194号、同3,242,005号、同3,389,01
4号などに記載されている。
5-18,372号、特公昭47-22,062号、特公昭47-22,513号、
特公昭46-28,466号、特公昭46-38,755号、特公昭47-4,2
86号、特公昭47-12,422号、特公昭47-17,284号、特公昭
47-18,509号、特公昭47-18,573号、特公昭39-10,307
号、特公昭48-39,639号、米国特許3,026,215号、同3,0
3,1341号、同3,100,194号、同3,242,005号、同3,389,01
4号などに記載されている。
【0065】強磁性金属粉末は少量の水酸化物、または
酸化物を含んでもよい。強磁性金属粉末は公知の製造方
法により得られたものを用いることができ、下記の方法
を挙げることができる。複合有機酸塩(主としてシュ
ウ酸塩)と水素などの還元性気体で還元する方法、酸
化鉄を水素などの還元性気体で還元してFeあるいはF
e−Co粒子などを得る方法、金属カルボニル化合物
を熱分解する方法、強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素
ナトリウム、次亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還
元剤を添加して還元する方法、金属を低圧の不活性気
体中で蒸発させて微粉末を得る方法などである。このよ
うにして得られた強磁性金属粉末は公知の徐酸化処理、
すなわち有機溶剤に浸漬したのち乾燥させる方法、有機
溶剤に浸漬したのち酸素含有ガスを送り込んで表面に酸
化膜を形成したのち乾燥させる方法、有機溶剤を用いず
酸素ガスと不活性ガスの分圧を調整して表面に酸化皮膜
を形成する方法のいずれを施したものでも用いることが
できる。
酸化物を含んでもよい。強磁性金属粉末は公知の製造方
法により得られたものを用いることができ、下記の方法
を挙げることができる。複合有機酸塩(主としてシュ
ウ酸塩)と水素などの還元性気体で還元する方法、酸
化鉄を水素などの還元性気体で還元してFeあるいはF
e−Co粒子などを得る方法、金属カルボニル化合物
を熱分解する方法、強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素
ナトリウム、次亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還
元剤を添加して還元する方法、金属を低圧の不活性気
体中で蒸発させて微粉末を得る方法などである。このよ
うにして得られた強磁性金属粉末は公知の徐酸化処理、
すなわち有機溶剤に浸漬したのち乾燥させる方法、有機
溶剤に浸漬したのち酸素含有ガスを送り込んで表面に酸
化膜を形成したのち乾燥させる方法、有機溶剤を用いず
酸素ガスと不活性ガスの分圧を調整して表面に酸化皮膜
を形成する方法のいずれを施したものでも用いることが
できる。
【0066】本発明の磁性層の針状強磁性金属粉末の平
均長軸長は、0.04〜0.12μm、好ましくは0.
06〜0.10μmであり、BET法による比表面積で
表せば25〜80m2/gであり、好ましくは40〜7
0m2/gである。25m2/g以下ではノイズが高くな
り、80m2/g以上では表面性が得にくく好ましくな
い。上記本発明に係わる特定の平均長軸長、針状比を有
する針状強磁性金属粉末は、Mg、Y等の第3成分元素
を微量添加して、その元素種によりその添加量を適切に
選択することにより、非磁性前駆体の核の形成を調節し
て、各種長軸長、針状比を有する強磁性金属粉末を作製
する。本発明の磁性層の強磁性金属粉末の結晶子サイズ
は100〜450オングストロームであり、好ましくは
100〜350オングストロームであり、更に好ましく
は100〜250オングストロームである。飽和磁化
(σS )は100〜200emu/gが好ましく、さら
に好ましくは135emu/g〜170emu/gである。抗磁力
は1,700〜3,000 Oeが好ましく、更に好まし
くは1,700〜2700 Oeである。針状比は3〜1
0であり、好ましくは4〜10である。含水率は0.0
1〜2%とするのが好ましい。結合剤の種類によって含
水率は最適化するのが好ましい。タップ密度は0.2〜
0.8g/mlが好ましく、0.8g/mlより大であると強磁
性金属粉末の圧密過程で酸化が進みやすく、充分なσS
を得ることが困難になる。タップ密度が0.2g/mlより
小では分散が不十分になりやすい。pHは用いる結合剤
との組合せにより最適化することが好ましい。その範囲
は4〜12であるが、好ましくは6〜10である。
均長軸長は、0.04〜0.12μm、好ましくは0.
06〜0.10μmであり、BET法による比表面積で
表せば25〜80m2/gであり、好ましくは40〜7
0m2/gである。25m2/g以下ではノイズが高くな
り、80m2/g以上では表面性が得にくく好ましくな
い。上記本発明に係わる特定の平均長軸長、針状比を有
する針状強磁性金属粉末は、Mg、Y等の第3成分元素
を微量添加して、その元素種によりその添加量を適切に
選択することにより、非磁性前駆体の核の形成を調節し
て、各種長軸長、針状比を有する強磁性金属粉末を作製
する。本発明の磁性層の強磁性金属粉末の結晶子サイズ
は100〜450オングストロームであり、好ましくは
100〜350オングストロームであり、更に好ましく
は100〜250オングストロームである。飽和磁化
(σS )は100〜200emu/gが好ましく、さら
に好ましくは135emu/g〜170emu/gである。抗磁力
は1,700〜3,000 Oeが好ましく、更に好まし
くは1,700〜2700 Oeである。針状比は3〜1
0であり、好ましくは4〜10である。含水率は0.0
1〜2%とするのが好ましい。結合剤の種類によって含
水率は最適化するのが好ましい。タップ密度は0.2〜
0.8g/mlが好ましく、0.8g/mlより大であると強磁
性金属粉末の圧密過程で酸化が進みやすく、充分なσS
を得ることが困難になる。タップ密度が0.2g/mlより
小では分散が不十分になりやすい。pHは用いる結合剤
との組合せにより最適化することが好ましい。その範囲
は4〜12であるが、好ましくは6〜10である。
【0067】また、本発明に用いられる強磁性金属粉末
は空孔が少ないほうが好ましくその値は0〜20容量
%、さらに好ましくは0〜5容量%である。SFDは
0.1〜0.6が好ましく、Hcの分布を小さくするこ
とが好ましい。そのためには、ゲータイトの粒度分布を
よくする、γ−ヘマタイトの焼結を防止するなどの方法
がある。本発明における強磁性金属粉末の脂肪酸などの
潤滑剤の吸着量は、通常、磁性体単位表面積当たり0.
5mg/m2以下、好ましくは0.01〜0.25mg
/m2 である。本発明は塗布層が単層の磁性層でも塗布
層が複層構造、例えば磁性層と該磁性層と非磁性支持体
との間に設けられる非磁性層(下層ともいう)からなる
複数層から成っても良い。後者の場合、脂肪酸を非磁性
層に含有させることができる。尚、磁性層、非磁性層を
各々複層としてもよい。また、磁性層を複層構造とした
場合、非磁性支持体から最も遠い層を最上層(上層磁性
層ともいう)といい、それ以外の層を下層磁性層ともい
う。この下層磁性層には、γ−FeOx(x=1.33
〜1.5)、Co変性γ−FeOx(x=1.33〜
1.5)、強磁性金属粉末等を用いることができる。
は空孔が少ないほうが好ましくその値は0〜20容量
%、さらに好ましくは0〜5容量%である。SFDは
0.1〜0.6が好ましく、Hcの分布を小さくするこ
とが好ましい。そのためには、ゲータイトの粒度分布を
よくする、γ−ヘマタイトの焼結を防止するなどの方法
がある。本発明における強磁性金属粉末の脂肪酸などの
潤滑剤の吸着量は、通常、磁性体単位表面積当たり0.
5mg/m2以下、好ましくは0.01〜0.25mg
/m2 である。本発明は塗布層が単層の磁性層でも塗布
層が複層構造、例えば磁性層と該磁性層と非磁性支持体
との間に設けられる非磁性層(下層ともいう)からなる
複数層から成っても良い。後者の場合、脂肪酸を非磁性
層に含有させることができる。尚、磁性層、非磁性層を
各々複層としてもよい。また、磁性層を複層構造とした
場合、非磁性支持体から最も遠い層を最上層(上層磁性
層ともいう)といい、それ以外の層を下層磁性層ともい
う。この下層磁性層には、γ−FeOx(x=1.33
〜1.5)、Co変性γ−FeOx(x=1.33〜
1.5)、強磁性金属粉末等を用いることができる。
【0068】本発明においては、上記強磁性金属粉末を
用いるため結合剤樹脂、特に極性基含有結合剤樹脂の強
磁性金属粉末への吸着量を特異的に向上させることがで
き、かつ結合剤樹脂との結合力を向上させることができ
るので樹脂量を低くしても機械的に丈夫な塗膜となりヘ
ッド磨耗に効果的である。強磁性金属粉末に対し、塩化
ビニル系樹脂を用いる場合は5〜15重量%、ポリウレ
タン樹脂を用いる場合は2〜10重量%、ポリイソシア
ネートは2〜10重量%の範囲であり、これらを組み合
わせて用いるのが好ましい。本発明において、ポリウレ
タンを用いる場合はガラス転移温度が−50〜100
℃、破断伸びが100〜2,000%、破断応力は0.
05〜10Kg/cm 2、降伏点は0.05〜10Kg
/cm2が好ましい。
用いるため結合剤樹脂、特に極性基含有結合剤樹脂の強
磁性金属粉末への吸着量を特異的に向上させることがで
き、かつ結合剤樹脂との結合力を向上させることができ
るので樹脂量を低くしても機械的に丈夫な塗膜となりヘ
ッド磨耗に効果的である。強磁性金属粉末に対し、塩化
ビニル系樹脂を用いる場合は5〜15重量%、ポリウレ
タン樹脂を用いる場合は2〜10重量%、ポリイソシア
ネートは2〜10重量%の範囲であり、これらを組み合
わせて用いるのが好ましい。本発明において、ポリウレ
タンを用いる場合はガラス転移温度が−50〜100
℃、破断伸びが100〜2,000%、破断応力は0.
05〜10Kg/cm 2、降伏点は0.05〜10Kg
/cm2が好ましい。
【0069】本発明に使用される脂肪酸は炭素数8〜2
4の一塩基性脂肪酸が使用でき、炭素数8〜18の一塩
基性脂肪酸が好ましい。これらの具体例としてはラウリ
ン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノー
ル酸、リノレン酸、エライジン酸等が挙げられる。
4の一塩基性脂肪酸が使用でき、炭素数8〜18の一塩
基性脂肪酸が好ましい。これらの具体例としてはラウリ
ン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノー
ル酸、リノレン酸、エライジン酸等が挙げられる。
【0070】次に磁性層に使用する強磁性金属粉末、脂
肪酸以外の内容について詳細な説明をする。本発明に使
用される結合剤としては従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用される。
熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度が−20〜90
℃、数平均分子量が1,000〜200,000、好ま
しくは10,000〜100,000、重合度が約50
〜1,000程度のものである。
肪酸以外の内容について詳細な説明をする。本発明に使
用される結合剤としては従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用される。
熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度が−20〜90
℃、数平均分子量が1,000〜200,000、好ま
しくは10,000〜100,000、重合度が約50
〜1,000程度のものである。
【0071】このような結合剤の例としては、塩化ビニ
ル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アク
リル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリ
ロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ス
チレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビ
ニルアセタール、ビニルエーテル、等を構成単位として
含む重合体または共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴ
ム系樹脂がある。また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂
としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン
硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、
アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコー
ン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂
とイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステル
ポリオールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタ
ンとポリイソシアネートの混合物等があげられる。これ
らの樹脂については朝倉書店発行の「プラスチックハン
ドブック」に詳細に記載されている。また、公知の電子
線硬化型樹脂を非磁性層、または上層磁性層に使用する
ことも可能である。
ル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アク
リル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリ
ロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ス
チレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビ
ニルアセタール、ビニルエーテル、等を構成単位として
含む重合体または共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴ
ム系樹脂がある。また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂
としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン
硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、
アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコー
ン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂
とイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステル
ポリオールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタ
ンとポリイソシアネートの混合物等があげられる。これ
らの樹脂については朝倉書店発行の「プラスチックハン
ドブック」に詳細に記載されている。また、公知の電子
線硬化型樹脂を非磁性層、または上層磁性層に使用する
ことも可能である。
【0072】これらの結合剤の例とその製造方法につい
ては特開昭62−256,219号に詳細に記載されて
いる。以上の樹脂は単独または組合せて使用できるが、
好ましいものとして塩化ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビ
ニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニルビニルアルコール樹
脂、塩化ビニル酢酸ビニル無水マレイン酸共重合体の中
から選ばれる少なくとも1種とポリウレタン樹脂の組合
せ、またはこれらにポリイソシアネートを組み合わせた
ものがあげられる。ポリウレタン樹脂の構造はポリエス
テルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエ
ーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポ
リウレタン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタ
ン、ポリカプロラクトンポリウレタンポリオレフィンポ
リウレタンなど公知のものが使用できる。ここに示した
すべての結合剤について、より優れた分散性と耐久性を
得るためには必要に応じ、−COOM、−SO3M、−
OSO3M、−P=O(OM′)2、−O−P=O(O
M′)2、(以上につきMは水素原子、またはアルカリ
金属原子を示す。M′は、水素原子、アルカリ金属原子
または低級炭化水素基を示す。)、−OH、−NR2 、
−N+R3 (Rは炭素数1〜12の炭化水素基を示
す。)、エポキシ基、−SH、−CN、スルフォベタイ
ン、カルボキシベタイン、ホスホベタイン等、好ましく
は−COOM、−SO 3M、−OSO3M、−P=O(O
M′)2から選ばれる少なくとも1種を共重合または付
加反応で好ましくはポリウレタン樹脂及び塩化ビニル系
樹脂の少なくとも一方に導入したものを用いることが好
ましい。このような極性基の量は10-8〜10-1モル/g
であり、好ましくは10-6〜10-2モル/g、更に好まし
くは、3×10-5〜20×10-5モル/gである。
ては特開昭62−256,219号に詳細に記載されて
いる。以上の樹脂は単独または組合せて使用できるが、
好ましいものとして塩化ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビ
ニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニルビニルアルコール樹
脂、塩化ビニル酢酸ビニル無水マレイン酸共重合体の中
から選ばれる少なくとも1種とポリウレタン樹脂の組合
せ、またはこれらにポリイソシアネートを組み合わせた
ものがあげられる。ポリウレタン樹脂の構造はポリエス
テルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエ
ーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポ
リウレタン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタ
ン、ポリカプロラクトンポリウレタンポリオレフィンポ
リウレタンなど公知のものが使用できる。ここに示した
すべての結合剤について、より優れた分散性と耐久性を
得るためには必要に応じ、−COOM、−SO3M、−
OSO3M、−P=O(OM′)2、−O−P=O(O
M′)2、(以上につきMは水素原子、またはアルカリ
金属原子を示す。M′は、水素原子、アルカリ金属原子
または低級炭化水素基を示す。)、−OH、−NR2 、
−N+R3 (Rは炭素数1〜12の炭化水素基を示
す。)、エポキシ基、−SH、−CN、スルフォベタイ
ン、カルボキシベタイン、ホスホベタイン等、好ましく
は−COOM、−SO 3M、−OSO3M、−P=O(O
M′)2から選ばれる少なくとも1種を共重合または付
加反応で好ましくはポリウレタン樹脂及び塩化ビニル系
樹脂の少なくとも一方に導入したものを用いることが好
ましい。このような極性基の量は10-8〜10-1モル/g
であり、好ましくは10-6〜10-2モル/g、更に好まし
くは、3×10-5〜20×10-5モル/gである。
【0073】本発明に用いられるこれらの結合剤の具体
的な例としてはユニオンカーバイト社製 VAGH、V
YHH、VMCH、VAGF、VAGD、VROH、V
YES、VYNC、VMCC、XYHL、XYSG、P
KHH、PKHJ、PKHC、PKFE、日信化学工業
社製、MPR−TA、MPR−TA5、MPR−TA
L、MPR−TSN、MPR−TMF、MPR−TS、
MPR−TM、MPR−TAO、電気化学社製1000
W、DX80、DX81、DX82、DX83、100
FD、日本ゼオン社製のMR−104、MR−105、
MR110、MR100、400X−110A、日本ポ
リウレタン社製ニッポランN2301、N2302、N
2304、大日本インキ社製パンデックスT−510
5、T−R3080、T−5201、バーノックD−4
00、D−210−80、クリスボン6109、720
9、東洋紡社製バイロンUR8200、UR8300、
UR−8600、UR−5500、UR−4300、R
V530、RV280、FB−84、大日精化社製、ダ
イフェラミン4020、5020、5100、530
0、9020、9022、7020、三菱化成社製、M
X5004、三洋化成社製サンプレンSP−150、T
IM−3003、TIM−3005、旭化成社製サラン
F310、F210などがあげられる。この中でMR−
104、MR110が好ましい。
的な例としてはユニオンカーバイト社製 VAGH、V
YHH、VMCH、VAGF、VAGD、VROH、V
YES、VYNC、VMCC、XYHL、XYSG、P
KHH、PKHJ、PKHC、PKFE、日信化学工業
社製、MPR−TA、MPR−TA5、MPR−TA
L、MPR−TSN、MPR−TMF、MPR−TS、
MPR−TM、MPR−TAO、電気化学社製1000
W、DX80、DX81、DX82、DX83、100
FD、日本ゼオン社製のMR−104、MR−105、
MR110、MR100、400X−110A、日本ポ
リウレタン社製ニッポランN2301、N2302、N
2304、大日本インキ社製パンデックスT−510
5、T−R3080、T−5201、バーノックD−4
00、D−210−80、クリスボン6109、720
9、東洋紡社製バイロンUR8200、UR8300、
UR−8600、UR−5500、UR−4300、R
V530、RV280、FB−84、大日精化社製、ダ
イフェラミン4020、5020、5100、530
0、9020、9022、7020、三菱化成社製、M
X5004、三洋化成社製サンプレンSP−150、T
IM−3003、TIM−3005、旭化成社製サラン
F310、F210などがあげられる。この中でMR−
104、MR110が好ましい。
【0074】本発明の磁気記録媒体は前述のごとく二層
以上からなる場合を含む。従って、結合剤量、結合剤中
に占める塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイ
ソシアネート、あるいはそれ以外の樹脂の量、磁性層を
形成する各樹脂の分子量、極性基量、あるいは先に述べ
た樹脂の物理特性などを必要に応じ非磁性層と磁性層と
で変えることはもちろん可能であり、多層磁性層に関す
る公知技術を適用できる。例えば、上下層でバインダー
量を変更する場合、磁性層表面の擦傷を減らすためには
上層磁性層のバインダー量を増量することが有効であ
り、ヘッドに対するヘッドタッチを良好にする為には、
上層磁性層以外の非磁性層のバインダー量を多くして柔
軟性を持たせることにより達成される。
以上からなる場合を含む。従って、結合剤量、結合剤中
に占める塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイ
ソシアネート、あるいはそれ以外の樹脂の量、磁性層を
形成する各樹脂の分子量、極性基量、あるいは先に述べ
た樹脂の物理特性などを必要に応じ非磁性層と磁性層と
で変えることはもちろん可能であり、多層磁性層に関す
る公知技術を適用できる。例えば、上下層でバインダー
量を変更する場合、磁性層表面の擦傷を減らすためには
上層磁性層のバインダー量を増量することが有効であ
り、ヘッドに対するヘッドタッチを良好にする為には、
上層磁性層以外の非磁性層のバインダー量を多くして柔
軟性を持たせることにより達成される。
【0075】本発明に用いるポリイソシアネートとして
は、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,
5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタン
トリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これ
らのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、ま
た、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソ
シアネート等を使用することができる。これらのイソシ
アネート類の市販されている商品名としては、日本ポリ
ウレタン社製、コロネートL、コロネートHL、コロネ
ート2030、コロネート2031、ミリオネートM
R、ミリオネートMTL、武田薬品社製、タケネートD
−102、タケネートD−110N、タケネートD−2
00、タケネートD−202、住友バイエル社製、デス
モジュールL、デスモジュールIL、デスモジュール
N、デスモジュールHL、等がありこれらを単独または
硬化反応性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組合
せで非磁性層、上層磁性層とも用いることができる。
は、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,
5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタン
トリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これ
らのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、ま
た、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソ
シアネート等を使用することができる。これらのイソシ
アネート類の市販されている商品名としては、日本ポリ
ウレタン社製、コロネートL、コロネートHL、コロネ
ート2030、コロネート2031、ミリオネートM
R、ミリオネートMTL、武田薬品社製、タケネートD
−102、タケネートD−110N、タケネートD−2
00、タケネートD−202、住友バイエル社製、デス
モジュールL、デスモジュールIL、デスモジュール
N、デスモジュールHL、等がありこれらを単独または
硬化反応性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組合
せで非磁性層、上層磁性層とも用いることができる。
【0076】本発明に使用される、添加剤としては潤滑
効果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果、などをもつ
ものが使用される。二硫化モリブデン、二硫化タングス
テングラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコー
ンオイル、極性基をもつシリコーン、脂肪酸変性シリコ
ーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、
フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコー
ル、アルキル燐酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、
アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、ポリ
フェニルエーテル、フッ素含有アルキル硫酸エステルお
よびそのアルカリ金属塩、炭素数10〜24の一塩基性
脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもか
まわない)の金属塩(Li、Na、K、Cuなど)また
は、炭素数12〜22の一価、二価、三価、四価、五
価、六価アルコール、(不飽和結合を含んでも、また分
岐していてもかまわない)、炭素数12〜22のアルコ
キシアルコール、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸
(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわな
い)と炭素数2〜12の一価、二価、三価、四価、五
価、六価アルコールのいずれか一つ(不飽和結合を含ん
でも、また分岐していてもかまわない)とからなるモノ
脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂肪
酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキル
エーテルの脂肪酸エステル、炭素数8〜22の脂肪酸ア
ミド、炭素数8〜22の脂肪族アミン、などが使用でき
る。
効果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果、などをもつ
ものが使用される。二硫化モリブデン、二硫化タングス
テングラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコー
ンオイル、極性基をもつシリコーン、脂肪酸変性シリコ
ーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、
フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコー
ル、アルキル燐酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、
アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、ポリ
フェニルエーテル、フッ素含有アルキル硫酸エステルお
よびそのアルカリ金属塩、炭素数10〜24の一塩基性
脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもか
まわない)の金属塩(Li、Na、K、Cuなど)また
は、炭素数12〜22の一価、二価、三価、四価、五
価、六価アルコール、(不飽和結合を含んでも、また分
岐していてもかまわない)、炭素数12〜22のアルコ
キシアルコール、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸
(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわな
い)と炭素数2〜12の一価、二価、三価、四価、五
価、六価アルコールのいずれか一つ(不飽和結合を含ん
でも、また分岐していてもかまわない)とからなるモノ
脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂肪
酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキル
エーテルの脂肪酸エステル、炭素数8〜22の脂肪酸ア
ミド、炭素数8〜22の脂肪族アミン、などが使用でき
る。
【0077】これらの具体例としてはステアリン酸ブチ
ル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステ
アリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ステア
リン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステ
アレート、アンヒドロソルビタンジステアレート、アン
ヒドロソルビタントリステアレート、オレイルアルコー
ル、ラウリルアルコール、があげられる。また、アルキ
レンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、ア
ルキルフェノールエチレンオキサイド付加体、等のノニ
オン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級
アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホ
スホニウムまたはスルホニウム類、等のカチオン系界面
活性剤、カルボン酸、スルフォン酸、燐酸、硫酸エステ
ル基、燐酸エステル基、などの酸性基を含むアニオン界
面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノア
ルコールの硫酸または燐酸エステル類、アルキルベダイ
ン型、等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界
面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株
式会社発行)に詳細に記載されている。これらの潤滑
剤、帯電防止剤等は必ずしも100%純粋ではなく、主
成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化
物等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分
は0〜30%が好ましく、さらに好ましくは0〜10%
である。
ル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステ
アリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ステア
リン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステ
アレート、アンヒドロソルビタンジステアレート、アン
ヒドロソルビタントリステアレート、オレイルアルコー
ル、ラウリルアルコール、があげられる。また、アルキ
レンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、ア
ルキルフェノールエチレンオキサイド付加体、等のノニ
オン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級
アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホ
スホニウムまたはスルホニウム類、等のカチオン系界面
活性剤、カルボン酸、スルフォン酸、燐酸、硫酸エステ
ル基、燐酸エステル基、などの酸性基を含むアニオン界
面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノア
ルコールの硫酸または燐酸エステル類、アルキルベダイ
ン型、等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界
面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株
式会社発行)に詳細に記載されている。これらの潤滑
剤、帯電防止剤等は必ずしも100%純粋ではなく、主
成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化
物等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分
は0〜30%が好ましく、さらに好ましくは0〜10%
である。
【0078】本発明で使用されるこれらの潤滑剤、界面
活性剤は非磁性層、磁性層でその種類、量を必要に応じ
使い分けることができる。例えば、非磁性層、磁性層で
融点の異なる脂肪酸を用い表面へのにじみ出しを制御す
ること、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面への
にじみ出しを制御すること、界面活性剤量を調節するこ
とで塗布の安定性を向上させること、潤滑剤の添加量を
非磁性層で多くして潤滑効果を向上させることなど考え
られ、無論ここに示した例のみに限られるものではな
い。
活性剤は非磁性層、磁性層でその種類、量を必要に応じ
使い分けることができる。例えば、非磁性層、磁性層で
融点の異なる脂肪酸を用い表面へのにじみ出しを制御す
ること、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面への
にじみ出しを制御すること、界面活性剤量を調節するこ
とで塗布の安定性を向上させること、潤滑剤の添加量を
非磁性層で多くして潤滑効果を向上させることなど考え
られ、無論ここに示した例のみに限られるものではな
い。
【0079】また本発明で用いられる添加剤のすべてま
たはその一部は、磁性塗料製造のどの工程で添加しても
かまわない、例えば、混練工程前に強磁性金属粉末と混
合する場合、強磁性金属粉末と結合剤と溶剤による混練
工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後
に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。
また、目的に応じて磁性層を塗布した後、同時または逐
次塗布で、添加剤の一部または全部を塗布することによ
り目的が達成される場合がある。また、目的によっては
カレンダーした後、またはスリット終了後、磁性層表面
に潤滑剤を塗布することもできる。
たはその一部は、磁性塗料製造のどの工程で添加しても
かまわない、例えば、混練工程前に強磁性金属粉末と混
合する場合、強磁性金属粉末と結合剤と溶剤による混練
工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後
に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。
また、目的に応じて磁性層を塗布した後、同時または逐
次塗布で、添加剤の一部または全部を塗布することによ
り目的が達成される場合がある。また、目的によっては
カレンダーした後、またはスリット終了後、磁性層表面
に潤滑剤を塗布することもできる。
【0080】次に、磁性層と非磁性支持体の間に設けら
れる非磁性層について詳述する。非磁性層に用いられる
無機質非磁性粉末としては、金属酸化物、金属炭酸塩、
金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、等
の無機質化合物から選択することができる。無機質化合
物としては例えばα化率90〜100%のα−アルミ
ナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化ク
ロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化珪
素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化
スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジル
コニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、硫酸バリウム、二硫
化モリブデンなどが単独または組合せで使用される。特
に好ましいのはα−アルミナ、べんがら、酸化クロムで
ある。炭酸カルシウムは水溶性金属イオンの供給源とな
るので好ましくない。
れる非磁性層について詳述する。非磁性層に用いられる
無機質非磁性粉末としては、金属酸化物、金属炭酸塩、
金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、等
の無機質化合物から選択することができる。無機質化合
物としては例えばα化率90〜100%のα−アルミ
ナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化ク
ロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化珪
素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化
スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジル
コニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、硫酸バリウム、二硫
化モリブデンなどが単独または組合せで使用される。特
に好ましいのはα−アルミナ、べんがら、酸化クロムで
ある。炭酸カルシウムは水溶性金属イオンの供給源とな
るので好ましくない。
【0081】無機質非磁性粉末の具体的な例としては、
昭和電工製ナノタイト、住友化学製HIT-100,ZA-G1、戸田工業
社製DPN-250,DPN-250BX、DPN-245,DPN-270BX、石原産業
製TTO-51B、TTO-55A,TTO-55B、TTO-55C、TTO-55S、TTO-55
D、SN-100,E270,E271、チタン工業製STT-4D、STT-30D、S
TT-30、STT-65C、テイカ製MT-100S、MT-100T、MT-150W、MT
-500B、MT-600B、MT-100F、MT-500HD、堺化学製FINEX-25,B
F-1,BF-10,BF-20,ST-M、同和鉱業製DEFIC-Y,DEFIC-R、日
本アエロジル製AS2BM,TiO2P25,宇部興産製100A,500A、
チタン工業製Y-LOP及びそれを焼成したものが挙げられ
る。
昭和電工製ナノタイト、住友化学製HIT-100,ZA-G1、戸田工業
社製DPN-250,DPN-250BX、DPN-245,DPN-270BX、石原産業
製TTO-51B、TTO-55A,TTO-55B、TTO-55C、TTO-55S、TTO-55
D、SN-100,E270,E271、チタン工業製STT-4D、STT-30D、S
TT-30、STT-65C、テイカ製MT-100S、MT-100T、MT-150W、MT
-500B、MT-600B、MT-100F、MT-500HD、堺化学製FINEX-25,B
F-1,BF-10,BF-20,ST-M、同和鉱業製DEFIC-Y,DEFIC-R、日
本アエロジル製AS2BM,TiO2P25,宇部興産製100A,500A、
チタン工業製Y-LOP及びそれを焼成したものが挙げられ
る。
【0082】これら無機質非磁性粉末の平均粒径は0.
005〜2μmが好ましいが、必要に応じて平均粒径の
異なる無機質非磁性粉末を組み合わせたり、単独の無機
質非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の効果をもた
せることもできる。とりわけ好ましいのは無機質非磁性
粉末の平均粒径は0.01μm〜0.2μmである。タ
ップ密度は0.05〜2g/ml、好ましくは0.2〜
1.5g/mlである。無機質非磁性粉末の含水率は
0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜3重量%であ
る。無機質非磁性粉末の比表面積は1〜100m2/
g、好ましくは5〜50m2/g、更に好ましくは7〜
40m2/gである。無機質非磁性粉末の結晶子サイズ
は0.01μm〜2μmが好ましい。DBPを用いた吸油
量は5〜100ml/100g 、好ましくは10〜80ml/100
g、更に好ましくは20〜60ml/100gである。比重は1
〜12、好ましくは3〜6である。形状は針状、球状、
多面体状、板状のいずれでも良い。
005〜2μmが好ましいが、必要に応じて平均粒径の
異なる無機質非磁性粉末を組み合わせたり、単独の無機
質非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の効果をもた
せることもできる。とりわけ好ましいのは無機質非磁性
粉末の平均粒径は0.01μm〜0.2μmである。タ
ップ密度は0.05〜2g/ml、好ましくは0.2〜
1.5g/mlである。無機質非磁性粉末の含水率は
0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜3重量%であ
る。無機質非磁性粉末の比表面積は1〜100m2/
g、好ましくは5〜50m2/g、更に好ましくは7〜
40m2/gである。無機質非磁性粉末の結晶子サイズ
は0.01μm〜2μmが好ましい。DBPを用いた吸油
量は5〜100ml/100g 、好ましくは10〜80ml/100
g、更に好ましくは20〜60ml/100gである。比重は1
〜12、好ましくは3〜6である。形状は針状、球状、
多面体状、板状のいずれでも良い。
【0083】無機質非磁性粉末の強熱減量は0〜20重
量%であることが好ましい。本発明に用いられる無機質
非磁性粉末のモース硬度は4〜10のものが好ましい。こ
れらの粉末表面のラフネスファクターは0.8〜1.5
が好ましく、更に好ましいラフネスファクターは0.9
〜1.2である。無機質非磁性粉末のSA(ステアリン
酸)吸着量は1〜20μmol/m2 、更に好ましくは2〜
15μmol/m2 である。非磁性層の無機質非磁性粉末の
25℃での水への湿潤熱は200erg/cm2〜600erg/c
m2 の範囲にあることが好ましい。また、この湿潤熱の
範囲にある溶媒を使用することができる。100〜40
0℃での表面の水分子の量は1〜10個/100Åが適当で
ある。水中での等電点のpHは3〜6の間にあることが
好ましい。
量%であることが好ましい。本発明に用いられる無機質
非磁性粉末のモース硬度は4〜10のものが好ましい。こ
れらの粉末表面のラフネスファクターは0.8〜1.5
が好ましく、更に好ましいラフネスファクターは0.9
〜1.2である。無機質非磁性粉末のSA(ステアリン
酸)吸着量は1〜20μmol/m2 、更に好ましくは2〜
15μmol/m2 である。非磁性層の無機質非磁性粉末の
25℃での水への湿潤熱は200erg/cm2〜600erg/c
m2 の範囲にあることが好ましい。また、この湿潤熱の
範囲にある溶媒を使用することができる。100〜40
0℃での表面の水分子の量は1〜10個/100Åが適当で
ある。水中での等電点のpHは3〜6の間にあることが
好ましい。
【0084】これらの無機質非磁性粉末の表面にはAl2O
3、SiO2 、TiO2 、ZrO2 ,SnO2,Sb 2O3,ZnOで表面処理
することが好ましい。特に分散性に好ましいのはAl
2O3、SiO 2 、TiO2 、ZrO2 であるが、更に好ましいのは
Al2O3、SiO2、ZrO2である。これらは組み合わせて使用
しても良いし、単独で用いることもできる。また、目的
に応じて共沈させた表面処理層を用いても良いし、先ず
アルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方
法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、表
面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、
均質で密である方が一般には好ましい。
3、SiO2 、TiO2 、ZrO2 ,SnO2,Sb 2O3,ZnOで表面処理
することが好ましい。特に分散性に好ましいのはAl
2O3、SiO 2 、TiO2 、ZrO2 であるが、更に好ましいのは
Al2O3、SiO2、ZrO2である。これらは組み合わせて使用
しても良いし、単独で用いることもできる。また、目的
に応じて共沈させた表面処理層を用いても良いし、先ず
アルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方
法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、表
面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、
均質で密である方が一般には好ましい。
【0085】非磁性層にカーボンブラックを混合させて
公知の効果であるRsを下げることができる。このため
にはゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラ
ック、アセチレンブラック、等を用いることができる。
カーボンブラックの比表面積は100〜500m2/
g、好ましくは150〜400m2/g、DBP吸油量
は20〜400ml/100g、好ましくは30〜200ml/10
0gである。カーボンブラックの平均粒径は5mμ〜80
mμ、好ましくは10〜50mμ、さらに好ましくは1
0〜40mμである。カーボンブラックのpHは2〜1
0、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1
g/mlが好ましい。
公知の効果であるRsを下げることができる。このため
にはゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラ
ック、アセチレンブラック、等を用いることができる。
カーボンブラックの比表面積は100〜500m2/
g、好ましくは150〜400m2/g、DBP吸油量
は20〜400ml/100g、好ましくは30〜200ml/10
0gである。カーボンブラックの平均粒径は5mμ〜80
mμ、好ましくは10〜50mμ、さらに好ましくは1
0〜40mμである。カーボンブラックのpHは2〜1
0、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1
g/mlが好ましい。
【0086】本発明に用いられるカーボンブラックの具
体的な例としては、キャボット社製、BLACKPEA
RLS 2000、1300、1000、900、80
0、880、700、VULCAN XC−72、三菱
化成工業社製、#3050B、3150B、3250
B、#3750B、#3950B、#950、#650
B、#970B、#850B、MA−600、コロンビ
アカーボン社製、CONDUCTEX SC、RAVE
N 8800,8000,7000,5750,5250,3500,2100,2000,1800,1
500,1255,1250、アクゾー社製ケッチェンブラックECな
どを挙げることができる。カーボンブラックを分散剤な
どで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用して
も、表面の一部をグラファイト化したものを使用しても
かまわない。また、カーボンブラックを塗料に添加する
前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これら
のカーボンブラックは上記無機質非磁性粉末に対して0
〜50重量%の範囲、非磁性層総重量の0〜40%の範
囲で使用できる。これらのカーボンブラックは単独、ま
たは組合せで使用することができる。
体的な例としては、キャボット社製、BLACKPEA
RLS 2000、1300、1000、900、80
0、880、700、VULCAN XC−72、三菱
化成工業社製、#3050B、3150B、3250
B、#3750B、#3950B、#950、#650
B、#970B、#850B、MA−600、コロンビ
アカーボン社製、CONDUCTEX SC、RAVE
N 8800,8000,7000,5750,5250,3500,2100,2000,1800,1
500,1255,1250、アクゾー社製ケッチェンブラックECな
どを挙げることができる。カーボンブラックを分散剤な
どで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用して
も、表面の一部をグラファイト化したものを使用しても
かまわない。また、カーボンブラックを塗料に添加する
前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これら
のカーボンブラックは上記無機質非磁性粉末に対して0
〜50重量%の範囲、非磁性層総重量の0〜40%の範
囲で使用できる。これらのカーボンブラックは単独、ま
たは組合せで使用することができる。
【0087】本発明で非磁性層に使用できるカーボンブ
ラックは例えば「カーボンブラック便覧」(カーボンブ
ラック協会編)を参考にすることができる。また非磁性
層には、前記磁性層のところで挙げたものと同様の有機
質粉末を目的に応じて、添加することもできる。
ラックは例えば「カーボンブラック便覧」(カーボンブ
ラック協会編)を参考にすることができる。また非磁性
層には、前記磁性層のところで挙げたものと同様の有機
質粉末を目的に応じて、添加することもできる。
【0088】非磁性層のバインダー、潤滑剤、分散剤、
添加剤、溶剤、分散方法その他は磁性層のそれが適用で
きる。特に、バインダー量、種類、添加剤、分散剤の添
加量、種類に関しては前述する磁性層に関する公知技術
が適用できる。
添加剤、溶剤、分散方法その他は磁性層のそれが適用で
きる。特に、バインダー量、種類、添加剤、分散剤の添
加量、種類に関しては前述する磁性層に関する公知技術
が適用できる。
【0089】本発明で用いられる有機溶媒は任意の比率
でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホ
ロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロ
ヘキサノール、などのアルコール類、酢酸メチル、酢酸
ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチ
ル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチ
ルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサ
ン、などのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン、などの芳
香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロラ
イド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒド
リン、ジクロルベンゼン、等の塩素化炭化水素類、N,
N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等のものが使用で
きる。これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではな
く、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解
物、酸化物、水分等の不純分がふくまれてもかまわな
い。これらの不純分は0〜30%が好ましく、さらに好
ましくは0〜10%である。
でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホ
ロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロ
ヘキサノール、などのアルコール類、酢酸メチル、酢酸
ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチ
ル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチ
ルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサ
ン、などのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン、などの芳
香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロラ
イド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒド
リン、ジクロルベンゼン、等の塩素化炭化水素類、N,
N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等のものが使用で
きる。これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではな
く、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解
物、酸化物、水分等の不純分がふくまれてもかまわな
い。これらの不純分は0〜30%が好ましく、さらに好
ましくは0〜10%である。
【0090】本発明で用いる有機溶媒は磁性層と非磁性
層でその種類は同じであることが好ましい。その添加量
は変えてもかまわない。非磁性層に表面張力の高い溶媒
(シクロヘキサン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定
性を上げることができる。具体的には上層磁性層溶剤組
成の算術平均値が非磁性層溶剤組成の算術平均値を下回
らないことが肝要である。分散性を向上させるためには
ある程度極性が強い方が好ましく、溶剤組成の内、誘電
率が15〜25の溶剤が50〜80%含まれることが好
ましい。また、溶解パラメータは8〜11であることが
好ましい。
層でその種類は同じであることが好ましい。その添加量
は変えてもかまわない。非磁性層に表面張力の高い溶媒
(シクロヘキサン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定
性を上げることができる。具体的には上層磁性層溶剤組
成の算術平均値が非磁性層溶剤組成の算術平均値を下回
らないことが肝要である。分散性を向上させるためには
ある程度極性が強い方が好ましく、溶剤組成の内、誘電
率が15〜25の溶剤が50〜80%含まれることが好
ましい。また、溶解パラメータは8〜11であることが
好ましい。
【0091】本発明の磁気記録媒体の厚み構成は、磁気
テープの場合、非磁性支持体が1〜20μmであるが、
特に、4〜10μmの薄い非磁性支持体を用いる場合に
有効である。磁気ディスクの場合、通常、50〜70μ
mである。単層の磁性層の厚みまたは上層磁性層と非磁
性層を合わせた厚みは非磁性支持体の厚みの1/100
〜1/1倍の範囲で用いられる。単層磁性層の場合、そ
の厚みは、通常、0.7〜4.0μm、好ましくは1.
5〜3.5μmであり、上層磁性層と非磁性層の場合
は、上層磁性層の厚みが、通常、0.1〜1.5μm、
好ましくは0.1〜0.5μmであり、非磁性層の厚み
は通常、0.8〜3.5μm、好ましくは1.2〜3.
0μmである。非磁性支持体と非磁性層の間に密着性向
上のための接着層を設ける。接着層の厚みは0.005
〜0.5μm、好ましくは0.02〜0.3μmであ
る。また、非磁性支持体の磁性層側と反対側にバックコ
ート層を設けてもかまわない。この厚みは0.1〜2μ
m、好ましくは0.3〜1.0μmである。これらの接
着層、バックコート層は公知のものが使用できる。これ
らの接着層、バックコート層の厚みも含めた磁気記録媒
体の総厚は、磁気テープの場合では通常、5〜25μ
m、好ましくは5〜20μmの範囲である。磁気ディス
クの場合は通常、60〜80μmである。
テープの場合、非磁性支持体が1〜20μmであるが、
特に、4〜10μmの薄い非磁性支持体を用いる場合に
有効である。磁気ディスクの場合、通常、50〜70μ
mである。単層の磁性層の厚みまたは上層磁性層と非磁
性層を合わせた厚みは非磁性支持体の厚みの1/100
〜1/1倍の範囲で用いられる。単層磁性層の場合、そ
の厚みは、通常、0.7〜4.0μm、好ましくは1.
5〜3.5μmであり、上層磁性層と非磁性層の場合
は、上層磁性層の厚みが、通常、0.1〜1.5μm、
好ましくは0.1〜0.5μmであり、非磁性層の厚み
は通常、0.8〜3.5μm、好ましくは1.2〜3.
0μmである。非磁性支持体と非磁性層の間に密着性向
上のための接着層を設ける。接着層の厚みは0.005
〜0.5μm、好ましくは0.02〜0.3μmであ
る。また、非磁性支持体の磁性層側と反対側にバックコ
ート層を設けてもかまわない。この厚みは0.1〜2μ
m、好ましくは0.3〜1.0μmである。これらの接
着層、バックコート層は公知のものが使用できる。これ
らの接着層、バックコート層の厚みも含めた磁気記録媒
体の総厚は、磁気テープの場合では通常、5〜25μ
m、好ましくは5〜20μmの範囲である。磁気ディス
クの場合は通常、60〜80μmである。
【0092】本発明に用いられる可撓性非磁性支持体
(以下、単に非磁性支持体ともいう)は、二軸延伸を行
ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、
芳香族ポリアミド、ポリベンズオキシダゾールなどの公
知のフィルムが使用できる。特に、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、アラミド樹脂を
用いた非磁性支持体が好ましい。非磁性支持体のマイク
ロビッカース硬度は75〜100kg/mm2にすることが好
ましく、フイルム製膜時の加熱条件、弛緩条件、延伸条
件等を調整する事および素材を選択する事により行うこ
とができる。これらの非磁性支持体にはあらかじめコロ
ナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵
処理、などをおこなっても良い。
(以下、単に非磁性支持体ともいう)は、二軸延伸を行
ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、
芳香族ポリアミド、ポリベンズオキシダゾールなどの公
知のフィルムが使用できる。特に、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、アラミド樹脂を
用いた非磁性支持体が好ましい。非磁性支持体のマイク
ロビッカース硬度は75〜100kg/mm2にすることが好
ましく、フイルム製膜時の加熱条件、弛緩条件、延伸条
件等を調整する事および素材を選択する事により行うこ
とができる。これらの非磁性支持体にはあらかじめコロ
ナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵
処理、などをおこなっても良い。
【0093】本発明の非磁性支持体は中心線平均表面粗
さが0.001〜0.03μm、好ましくは0.001
〜0.02μm、さらに好ましくは0.001〜0.0
1μmである。また、これらの非磁性支持体は単に中心
線平均表面粗さが小さいだけではなく、1μm以上の粗
大突起がないことが好ましい。また表面の粗さ形状は必
要に応じて非磁性支持体に添加されるフィラーの大きさ
と量により自由にコントロールされるものである。これ
らのフィラーとしては一例としてはAl、Ca、Si、
Tiなどの酸化物や炭酸塩で結晶性、非晶質を問わない
他、アクリル系、メラミン系などの有機微粉末があげら
れる。
さが0.001〜0.03μm、好ましくは0.001
〜0.02μm、さらに好ましくは0.001〜0.0
1μmである。また、これらの非磁性支持体は単に中心
線平均表面粗さが小さいだけではなく、1μm以上の粗
大突起がないことが好ましい。また表面の粗さ形状は必
要に応じて非磁性支持体に添加されるフィラーの大きさ
と量により自由にコントロールされるものである。これ
らのフィラーとしては一例としてはAl、Ca、Si、
Tiなどの酸化物や炭酸塩で結晶性、非晶質を問わない
他、アクリル系、メラミン系などの有機微粉末があげら
れる。
【0094】本発明に用いられる非磁性支持体のテープ
走行方向のF−5値は好ましくは10〜50Kg/mm
2、テープ幅方向のF−5値は好ましくは10〜30K
g/mm2である。また、非磁性支持体のテープ走行方
向および幅方向の100℃、30分での熱収縮率は好ま
しくは0〜3%、さらに好ましくは0〜1.5%、80
℃、30分での熱収縮率は好ましくは0〜1%、さらに
好ましくは0〜0.5%である。破断強度は両方向とも
5〜100Kg/mm2、弾性率は100〜2,000
Kg/mm2が好ましい。
走行方向のF−5値は好ましくは10〜50Kg/mm
2、テープ幅方向のF−5値は好ましくは10〜30K
g/mm2である。また、非磁性支持体のテープ走行方
向および幅方向の100℃、30分での熱収縮率は好ま
しくは0〜3%、さらに好ましくは0〜1.5%、80
℃、30分での熱収縮率は好ましくは0〜1%、さらに
好ましくは0〜0.5%である。破断強度は両方向とも
5〜100Kg/mm2、弾性率は100〜2,000
Kg/mm2が好ましい。
【0095】本発明の磁気記録媒体の磁性塗料を製造す
る工程は、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれ
らの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からな
る。個々の工程はそれぞれ2段階以上にわかれていても
かまわない。本発明に使用する強磁性粉末、結合剤、カ
ーボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤な
どすべての原料はどの工程の最初または途中で添加して
もかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分
割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを
混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工
程で分割して投入してもよい。本発明の目的を達成する
ためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として用
いることができることはもちろんであるが、混練工程で
は連続ニーダや加圧ニーダなど強い混練力をもつものを
使用することにより磁気記録媒体の高いBrを得ること
が好ましい。連続ニーダまたは加圧ニーダを用いる場合
は強磁性金属粉末と結合剤のすべてまたはその一部(た
だし全結合剤の30%以上が好ましい)および強磁性粉
末100部に対し15〜500部の範囲で混練処理され
る。これらの混練処理の詳細については特開平1−10
6,338号、特開昭64−79,274号に記載され
ている。また、非磁性層液を調整する場合には高比重の
分散メディアを用いることが望ましく、ジルコニアビー
ズが好適である。
る工程は、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれ
らの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からな
る。個々の工程はそれぞれ2段階以上にわかれていても
かまわない。本発明に使用する強磁性粉末、結合剤、カ
ーボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤な
どすべての原料はどの工程の最初または途中で添加して
もかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分
割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを
混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工
程で分割して投入してもよい。本発明の目的を達成する
ためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として用
いることができることはもちろんであるが、混練工程で
は連続ニーダや加圧ニーダなど強い混練力をもつものを
使用することにより磁気記録媒体の高いBrを得ること
が好ましい。連続ニーダまたは加圧ニーダを用いる場合
は強磁性金属粉末と結合剤のすべてまたはその一部(た
だし全結合剤の30%以上が好ましい)および強磁性粉
末100部に対し15〜500部の範囲で混練処理され
る。これらの混練処理の詳細については特開平1−10
6,338号、特開昭64−79,274号に記載され
ている。また、非磁性層液を調整する場合には高比重の
分散メディアを用いることが望ましく、ジルコニアビー
ズが好適である。
【0096】本発明のような重層構成の磁気記録媒体を
塗布する装置、方法の例として以下のような構成を提案
できる。 1,磁性塗料の塗布で一般的に用いられるグラビア塗
布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗
布装置等により、まず下層を塗布し、下層がウェット状
態にのうちに特公平1-46,186号や特開昭60-238,179号、
特開平2-265,672号に開示されている支持体加圧型エク
ストルージョン塗布装置により上層磁性層を塗布する。 2,特開昭63-88,080号、特開平2-17,971号、特開平2-26
5,672号に開示されているような塗布液通液スリットを
二つ内蔵する一つの塗布ヘッドにより上下層をほぼ同時
に塗布する。 3,特開平2-174,965号に開示されているバックアップ
ロール付きエクストルージョン塗布装置により上下層を
ほぼ同時に塗布する。 なお、強磁性金属粉末の凝集による磁気記録媒体の電磁
変換特性等の低下を防止するため、特開昭62-95,174号
や特開平1-236,968号に開示されているような方法によ
り塗布ヘッド内部の塗布液にせん断を付与することが望
ましい。さらに、塗布液の粘度については、特開平3-8,
471号に開示されている数値範囲を満足することが好ま
しい。
塗布する装置、方法の例として以下のような構成を提案
できる。 1,磁性塗料の塗布で一般的に用いられるグラビア塗
布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗
布装置等により、まず下層を塗布し、下層がウェット状
態にのうちに特公平1-46,186号や特開昭60-238,179号、
特開平2-265,672号に開示されている支持体加圧型エク
ストルージョン塗布装置により上層磁性層を塗布する。 2,特開昭63-88,080号、特開平2-17,971号、特開平2-26
5,672号に開示されているような塗布液通液スリットを
二つ内蔵する一つの塗布ヘッドにより上下層をほぼ同時
に塗布する。 3,特開平2-174,965号に開示されているバックアップ
ロール付きエクストルージョン塗布装置により上下層を
ほぼ同時に塗布する。 なお、強磁性金属粉末の凝集による磁気記録媒体の電磁
変換特性等の低下を防止するため、特開昭62-95,174号
や特開平1-236,968号に開示されているような方法によ
り塗布ヘッド内部の塗布液にせん断を付与することが望
ましい。さらに、塗布液の粘度については、特開平3-8,
471号に開示されている数値範囲を満足することが好ま
しい。
【0097】本発明の磁気記録媒体を得るためには強力
な配向を行う必要がある。1,000G以上のソレノイ
ドと2,000G以上のコバルト磁石を同極対向で併用
することが好ましく、さらには乾燥後の配向性が最も高
くなるように配向前に予め適度の乾燥工程を設けること
が好ましい。また、ディスク媒体として本発明を適用す
る場合はむしろ配向をランダマイズするような配向法が
必要である。また、複数の磁性層がある場合、各々の配
向方向を変更、例えば、面内方向のみでなく垂直方向、
幅方向にも配向できる。
な配向を行う必要がある。1,000G以上のソレノイ
ドと2,000G以上のコバルト磁石を同極対向で併用
することが好ましく、さらには乾燥後の配向性が最も高
くなるように配向前に予め適度の乾燥工程を設けること
が好ましい。また、ディスク媒体として本発明を適用す
る場合はむしろ配向をランダマイズするような配向法が
必要である。また、複数の磁性層がある場合、各々の配
向方向を変更、例えば、面内方向のみでなく垂直方向、
幅方向にも配向できる。
【0098】さらに、カレンダ処理ロールとして各種金
属ロール、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイ
ミドアミド等の耐熱性のあるプラスチックロールを使用
する。本発明では特に金属ロール同志で処理することが
好ましい。処理温度は、好ましくは70〜120℃、さ
らに好ましくは75〜90℃である。線圧力は好ましく
は250〜500Kg/cm、さらに好ましくは300
〜400Kg/cmである。
属ロール、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイ
ミドアミド等の耐熱性のあるプラスチックロールを使用
する。本発明では特に金属ロール同志で処理することが
好ましい。処理温度は、好ましくは70〜120℃、さ
らに好ましくは75〜90℃である。線圧力は好ましく
は250〜500Kg/cm、さらに好ましくは300
〜400Kg/cmである。
【0099】本発明の磁気記録媒体の磁性層面およびそ
の反対面のSUS420Jに対する摩擦係数は好ましく
は0.1〜0.5、さらに0.15〜0.3、表面固有
抵抗は好ましくは104〜1012オーム/sq、磁性層
の0.5%伸びでの弾性率は走行方向、幅方向とも好ま
しくは100〜2,000Kg/mm2、破断強度は好
ましくは1〜30Kg/cm2、磁気記録媒体の弾性率
は走行方向、幅方向とも好ましくは100〜1,500
Kg/mm2、残留伸びは好ましくは0〜0.5%、1
00℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は好ましくは0
〜1%、さらに好ましくは0〜0.5%、もっとも好ま
しくは0〜0.1%である。磁性層のガラス転移温度(1
10Hzで測定した動的粘弾性測定の損失弾性率の極大点)
は50℃以上120℃以下が好ましく、非磁性層のそれ
は0℃〜100℃が好ましい。損失弾性率は1×108
〜8×109dyne/cm2の範囲にあることが好ましく、損
失正接は0〜0.2であることが好ましい。損失正接が
大きすぎると粘着故障がでやすい。
の反対面のSUS420Jに対する摩擦係数は好ましく
は0.1〜0.5、さらに0.15〜0.3、表面固有
抵抗は好ましくは104〜1012オーム/sq、磁性層
の0.5%伸びでの弾性率は走行方向、幅方向とも好ま
しくは100〜2,000Kg/mm2、破断強度は好
ましくは1〜30Kg/cm2、磁気記録媒体の弾性率
は走行方向、幅方向とも好ましくは100〜1,500
Kg/mm2、残留伸びは好ましくは0〜0.5%、1
00℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は好ましくは0
〜1%、さらに好ましくは0〜0.5%、もっとも好ま
しくは0〜0.1%である。磁性層のガラス転移温度(1
10Hzで測定した動的粘弾性測定の損失弾性率の極大点)
は50℃以上120℃以下が好ましく、非磁性層のそれ
は0℃〜100℃が好ましい。損失弾性率は1×108
〜8×109dyne/cm2の範囲にあることが好ましく、損
失正接は0〜0.2であることが好ましい。損失正接が
大きすぎると粘着故障がでやすい。
【0100】磁性層中に含まれる残留溶媒は好ましくは
0〜100mg/m2、さらに好ましくは0〜10mg
/m2であり、上層磁性層に含まれる残留溶媒が非磁性
層に含まれる残留溶媒より少ないほうが好ましい。磁性
層が有する空隙率は非磁性層、磁性層とも好ましくは0
〜30容量%、さらに好ましくは0〜20容量%であ
る。空隙率は高出力を果たすためには小さい方が好まし
いが、目的によってはある値を確保した方が良い場合が
ある。例えば、繰り返し用途が重視されるデータ記録用
磁気記録媒体では空隙率が大きい方が走行耐久性は好ま
しいことが多い。
0〜100mg/m2、さらに好ましくは0〜10mg
/m2であり、上層磁性層に含まれる残留溶媒が非磁性
層に含まれる残留溶媒より少ないほうが好ましい。磁性
層が有する空隙率は非磁性層、磁性層とも好ましくは0
〜30容量%、さらに好ましくは0〜20容量%であ
る。空隙率は高出力を果たすためには小さい方が好まし
いが、目的によってはある値を確保した方が良い場合が
ある。例えば、繰り返し用途が重視されるデータ記録用
磁気記録媒体では空隙率が大きい方が走行耐久性は好ま
しいことが多い。
【0101】本発明の磁気記録媒体の磁気特性は磁場5
KOeで測定した場合、テープ走行方向の角形比は0.
70〜1.00であり、好ましくは0.80〜1.00
であり、さらに好ましくは0.90〜1.00である。
テープ走行方向に直角な二つの方向の角型比は走行方向
の角型比の80%以下となることが好ましい。磁性層の
SFDは0.1〜0.6であることが好ましい。
KOeで測定した場合、テープ走行方向の角形比は0.
70〜1.00であり、好ましくは0.80〜1.00
であり、さらに好ましくは0.90〜1.00である。
テープ走行方向に直角な二つの方向の角型比は走行方向
の角型比の80%以下となることが好ましい。磁性層の
SFDは0.1〜0.6であることが好ましい。
【0102】磁性層の中心線表面粗さRaは1nm〜1
0nmが好ましいが、その値は目的により適宜設定され
るべきである。電磁変換特性を良好にする為にはRaは
小さいほど好ましい。
0nmが好ましいが、その値は目的により適宜設定され
るべきである。電磁変換特性を良好にする為にはRaは
小さいほど好ましい。
【0103】本発明の磁気記録媒体は非磁性層と上層磁
性層を有することができるが、目的に応じ非磁性層と磁
性層でこれらの物理特性を変えることができるのは容易
に推定されることである。例えば、磁性層の弾性率を高
くし走行耐久性を向上させると同時に非磁性層の弾性率
を磁性層より低くして磁気記録媒体のヘッドへの当りを
良くするなどである。
性層を有することができるが、目的に応じ非磁性層と磁
性層でこれらの物理特性を変えることができるのは容易
に推定されることである。例えば、磁性層の弾性率を高
くし走行耐久性を向上させると同時に非磁性層の弾性率
を磁性層より低くして磁気記録媒体のヘッドへの当りを
良くするなどである。
【0104】
【実施例】次に本発明の実施例、比較例により具体的に
本発明を説明する。実施例中、「部」との表示は「重量
部」を表す。
本発明を説明する。実施例中、「部」との表示は「重量
部」を表す。
【0105】実施例1 非磁性層(非磁性) 無機質非磁性粉末 TiO2 結晶系ルチル 85部 平均一次粒子径 0.035μm BET法による比表面積 40m2/g pH 7.0 TiO2含有量 90%以上 DBP吸油量 27〜38g/100g、 表面処理剤 Al2O3 カーボンブラック 15部 平均一次粒子径 16mμ DBP吸油量 80ml/100g pH 8.0 BET法による比表面積 250m2/g 揮発分 1.5% 塩化ビニル共重合体 14部 日本ゼオン(株)製MR110 SO3Na含有、エポキシ基含有 重合度300 ポリエステルポリウレタン樹脂 5部 ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1 -SO3Na 1×10-4eq/g含有 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 1部 メチルエチルケトン 150部 シクロヘキサノン 50部
【0106】 磁性層(上層磁性層) 強磁性金属粉末 抗磁力 1900 Oe σs 139 emu/g 比表面積 57.5m2 /g 結晶子サイズ 190 Å 平均粒子径(長軸径) 0.08μm 針状比 4.0 100部 塩化ビニル系共重合体 13部 日本ゼオン(株)製「MR110」 SO3Na含有、エポキシ基含有 重合度300 ポリエステルポリウレタン樹脂 5部 ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1 -SO3Na基 1×10-4eq/g含有 α−Al2 O3 (平均粒径0.23μm) 12.5部 カーボンブラック(平均粒径0.3μm) 0.5部 ブチルステアレート 1.0部 ステアリン酸 0.5部 メチルエチルケトン 150部 シクロヘキサノン 50部
【0107】上記の塗料のそれぞれについて、各成分を
連続ニーダで混練したのち、サンドミルを用いて分散さ
せた。得られた分散液にポリイソシアネート(日本ポリ
ウレタン(株)製コロネートL)を非磁性層の塗布液に
は5.5部、上層磁性層の塗布液には5部を加え、さら
にそれぞれに酢酸ブチル40部を加え、1μmの平均孔
径を有するフィルタ-を用いて濾過し、非磁性層、磁性層形
成用の塗布液をそれぞれ調製した。
連続ニーダで混練したのち、サンドミルを用いて分散さ
せた。得られた分散液にポリイソシアネート(日本ポリ
ウレタン(株)製コロネートL)を非磁性層の塗布液に
は5.5部、上層磁性層の塗布液には5部を加え、さら
にそれぞれに酢酸ブチル40部を加え、1μmの平均孔
径を有するフィルタ-を用いて濾過し、非磁性層、磁性層形
成用の塗布液をそれぞれ調製した。
【0108】得られた非磁性層塗布液を、乾燥後の厚さ
が2.7μmになるようにさらにその直後にその上に磁
性層の厚さが0.3μmになるように、厚さ7μmで中
心線表面粗さが0.01μmの非磁性支持体(ポリエチ
レンテレフタレート(PET)のSTタイプ)上に同時
重層塗布をおこない、両層がまだ湿潤状態にあるうちに
3000Gの磁力をもつコバルト磁石と1500Gの磁
力をもつソレノイドにより配向させ乾燥した。この磁気
記録媒体の磁性層の表面の処理を、図3に示すような装
置を用い、表面粗さ0.5μmのダイアモンドホイール
を用いて行った。その処理の条件は、V=7m/秒、T
2 −T1 テンションで80g/8mmである。それを8mm
の幅にスリットし、8mmビデオテープを製造した。
が2.7μmになるようにさらにその直後にその上に磁
性層の厚さが0.3μmになるように、厚さ7μmで中
心線表面粗さが0.01μmの非磁性支持体(ポリエチ
レンテレフタレート(PET)のSTタイプ)上に同時
重層塗布をおこない、両層がまだ湿潤状態にあるうちに
3000Gの磁力をもつコバルト磁石と1500Gの磁
力をもつソレノイドにより配向させ乾燥した。この磁気
記録媒体の磁性層の表面の処理を、図3に示すような装
置を用い、表面粗さ0.5μmのダイアモンドホイール
を用いて行った。その処理の条件は、V=7m/秒、T
2 −T1 テンションで80g/8mmである。それを8mm
の幅にスリットし、8mmビデオテープを製造した。
【0109】比較例1 実施例1において、磁性層に添加するα−アルミナの粒
径、添加量、及び磁性層と非磁性層の塗布膜厚を下記表
−1に示すように変えた以外は、実施例1と同様に、8
mmビデオテープを製造した。
径、添加量、及び磁性層と非磁性層の塗布膜厚を下記表
−1に示すように変えた以外は、実施例1と同様に、8
mmビデオテープを製造した。
【0110】実施例2〜4及び比較例2、3 上記実施例1において、磁性層中のα−アルミナ及びカ
ーボンブラックの粒径、添加量、並びに磁性層と非磁性
層の塗布膜厚を下記表−1に示すように変え、実施例1
のダイアモンドホイールによる磁性層の表面処理を下記
に示す表面処理に変えた以外は、実施例1と同様に、8
mmビデオテープを製造した。 (表面処理) 実施例2;表面粗さ1.0μmのダイアモンドホイール
を用いて行った。 実施例3、4;表面処理なし。 比較例2、3;カレンダー温度90℃、線圧力350k
g、金属カレンダーロール7段の条件でカレンダー処
理。
ーボンブラックの粒径、添加量、並びに磁性層と非磁性
層の塗布膜厚を下記表−1に示すように変え、実施例1
のダイアモンドホイールによる磁性層の表面処理を下記
に示す表面処理に変えた以外は、実施例1と同様に、8
mmビデオテープを製造した。 (表面処理) 実施例2;表面粗さ1.0μmのダイアモンドホイール
を用いて行った。 実施例3、4;表面処理なし。 比較例2、3;カレンダー温度90℃、線圧力350k
g、金属カレンダーロール7段の条件でカレンダー処
理。
【0111】実施例5及び比較例4〜9 実施例1において、磁性層において用いる研磨剤である
α−アルミナの粒径と添加量、カーボンブラックの粒径
と添加量、磁性層と非磁性層の塗布膜厚を表−1に示す
ように変え、ダイアモンドホイールによる磁性層の表面
処理等を下記のように変更する以外は、上記実施例1と
同様に、8mmビデオテープを製造した。 (変更点) 実施例5;表面処理なし。 比較例4;表面処理なし。 比較例5;磁性層の表面をカレンダー温度90℃、線圧
力350kg、金属カレンダーロール7段の条件でカレ
ンダー処理した。 比較例6;カーボンブラックを添加せずに、磁性液を混
練、分散した後に、カーボンブラックを添加した。 比較例7;表面処理なし。 比較例8;使用した支持体をポリエチレンナフタレート
のSTタイプに変更した。 比較例9;表面処理なし。
α−アルミナの粒径と添加量、カーボンブラックの粒径
と添加量、磁性層と非磁性層の塗布膜厚を表−1に示す
ように変え、ダイアモンドホイールによる磁性層の表面
処理等を下記のように変更する以外は、上記実施例1と
同様に、8mmビデオテープを製造した。 (変更点) 実施例5;表面処理なし。 比較例4;表面処理なし。 比較例5;磁性層の表面をカレンダー温度90℃、線圧
力350kg、金属カレンダーロール7段の条件でカレ
ンダー処理した。 比較例6;カーボンブラックを添加せずに、磁性液を混
練、分散した後に、カーボンブラックを添加した。 比較例7;表面処理なし。 比較例8;使用した支持体をポリエチレンナフタレート
のSTタイプに変更した。 比較例9;表面処理なし。
【0112】実施例6〜8及び比較例10 実施例3において、磁性層中で用いた2種の研磨剤及び
カーボンブラックの添加量を表−1に示すように変え、
更に支持体の下記のもの用い、磁性層の表面処理を下記
の方法で行った以外は、実施例3と同様に、8mmビデオ
テープを製造した。 (表面処理と支持体) 実施例6 ; 厚さ5.5μmのポリエチレンナフタレ
ートのBOタイプを使用し、表面処理なし。 実施例7 ; 厚さ7.0μmのポリエチレンテレフタ
レートのSTタイプを使用し、表面処理なし。 実施例8 ; 厚さ7.0μmのポリエチレンテレフタ
レートのSTタイプを使用し、表面処理なし。 比較例10; 厚さ7.0μmのポリエチレンテレフタ
レートのSTタイプを使用し、表面処理なし。
カーボンブラックの添加量を表−1に示すように変え、
更に支持体の下記のもの用い、磁性層の表面処理を下記
の方法で行った以外は、実施例3と同様に、8mmビデオ
テープを製造した。 (表面処理と支持体) 実施例6 ; 厚さ5.5μmのポリエチレンナフタレ
ートのBOタイプを使用し、表面処理なし。 実施例7 ; 厚さ7.0μmのポリエチレンテレフタ
レートのSTタイプを使用し、表面処理なし。 実施例8 ; 厚さ7.0μmのポリエチレンテレフタ
レートのSTタイプを使用し、表面処理なし。 比較例10; 厚さ7.0μmのポリエチレンテレフタ
レートのSTタイプを使用し、表面処理なし。
【0113】実施例9および10 実施例2において、磁性層に添加するα−アルミナ及び
カーボンブラックの粒径、添加量を下記表−1に示すよ
うに変え、更に磁性層の表面処理を行わなかった以外
は、実施例2と同様に、8mmビデオテープを製造した。
カーボンブラックの粒径、添加量を下記表−1に示すよ
うに変え、更に磁性層の表面処理を行わなかった以外
は、実施例2と同様に、8mmビデオテープを製造した。
【0114】
【表1】
【0115】実施例11 上記実施例9において、上層磁性層のみを支持体上に塗
布し、ポリウレタンのTgを20℃、カーボンブラック
の添加量を20g、更に磁性層の膜厚を2.4μmに変
更した。得られた磁気テープをカレンダー処理(カレン
ダー温度90℃、線圧350kg、メタルロール7段)
し、更に表面処理を実施例2と同様に行った。
布し、ポリウレタンのTgを20℃、カーボンブラック
の添加量を20g、更に磁性層の膜厚を2.4μmに変
更した。得られた磁気テープをカレンダー処理(カレン
ダー温度90℃、線圧350kg、メタルロール7段)
し、更に表面処理を実施例2と同様に行った。
【0116】上記の得られた8mmビデオテープの各試料
(実施例1〜11及び比較例1〜10)を以下により評
価した。 評価方法 <磁性層の厚み測定方法> 非磁性層+上層磁性層の場合 磁気記録媒体の長手方向に渡ってダイアモンドカッター
で約0.1μmの厚みに切り出し、透過型電子顕微鏡で
倍率3万倍で観察し、その写真撮影を行った。写真のプ
リントサイズはA4版である。その後、磁性層、非磁性
層の強磁性金属粉末や無機質非磁性粉末の形状差に着目
して界面を目視判断して黒く縁どり、かつ磁性層表面も
同様に黒く縁どった。その後、Zeiss社製画像処理
装置IBAS2にて縁とりした線の間隔を測定した。試
料写真の長さが21cmの範囲に渡り、測定点を点取っ
て測定した。その際の測定値の単純加算平均値を磁性層
の厚みとした。
(実施例1〜11及び比較例1〜10)を以下により評
価した。 評価方法 <磁性層の厚み測定方法> 非磁性層+上層磁性層の場合 磁気記録媒体の長手方向に渡ってダイアモンドカッター
で約0.1μmの厚みに切り出し、透過型電子顕微鏡で
倍率3万倍で観察し、その写真撮影を行った。写真のプ
リントサイズはA4版である。その後、磁性層、非磁性
層の強磁性金属粉末や無機質非磁性粉末の形状差に着目
して界面を目視判断して黒く縁どり、かつ磁性層表面も
同様に黒く縁どった。その後、Zeiss社製画像処理
装置IBAS2にて縁とりした線の間隔を測定した。試
料写真の長さが21cmの範囲に渡り、測定点を点取っ
て測定した。その際の測定値の単純加算平均値を磁性層
の厚みとした。
【0117】<磁気特性Hc、Br、角型比>振動試料
型磁束計(東英工業製)を用い、Hm10kOeで測定し
た。
型磁束計(東英工業製)を用い、Hm10kOeで測定し
た。
【0118】<強磁性金属粉末、無機質非磁性粉末の平
均粒径>透過型電子顕微鏡写真を撮影し、その写真から
強磁性金属粉末の短軸径と長軸径とを直接読みとる方法
と画像解析装置カールツァイス社製IBASS1で透過
型顕微鏡写真をトレースして読みとる方法とを適宜併用
して平均粒子径を求めた。
均粒径>透過型電子顕微鏡写真を撮影し、その写真から
強磁性金属粉末の短軸径と長軸径とを直接読みとる方法
と画像解析装置カールツァイス社製IBASS1で透過
型顕微鏡写真をトレースして読みとる方法とを適宜併用
して平均粒子径を求めた。
【0119】<強磁性金属粉末結晶子サイズ>X線回折
により(1,1,0)面と(2,2,0)面の回折線の
半値幅の広がり分から求めた。
により(1,1,0)面と(2,2,0)面の回折線の
半値幅の広がり分から求めた。
【0120】<強磁性金属粉末中の金属成分>強磁性金
属粉末サンプル5gを6NのHClで溶解し、溶解中の
金属を原子吸光法で分析しFeに対する原子%を求め
た。
属粉末サンプル5gを6NのHClで溶解し、溶解中の
金属を原子吸光法で分析しFeに対する原子%を求め
た。
【0121】<磁性層表面の突起の成分と大きさの測定
>上記「研磨剤突起」と「非研磨剤突起」の判別は、突
起部に照射した電子線の二次電子線の示性スペクトル
(EPMA)解析により行った。突起部以外の磁性層表
面に照射したスペクトルと突起部のスペクトルを比較し
て、研磨剤を構成する無機元素の検出量の型や形態観察
から判断した。具体的には、研磨剤がAl2O3 のとき
はAl元素の検出量、研磨剤がCr2 O3 のときはCr
元素の検出量、研磨剤がSiCやSiO2 の場合にはS
i元素の検出量比較で判断できる。また、カーボンや有
機フィラ粉末は形態観察とC元素の検出量比較で判断で
きる。研磨剤突起の存在密度(Kt)は走査型電子顕微
鏡により確認した。また、高さ方向の情報が必要なK1
0、M20、M40等の突起の存在密度は原子間力(A
FM)顕微鏡により確認した。
>上記「研磨剤突起」と「非研磨剤突起」の判別は、突
起部に照射した電子線の二次電子線の示性スペクトル
(EPMA)解析により行った。突起部以外の磁性層表
面に照射したスペクトルと突起部のスペクトルを比較し
て、研磨剤を構成する無機元素の検出量の型や形態観察
から判断した。具体的には、研磨剤がAl2O3 のとき
はAl元素の検出量、研磨剤がCr2 O3 のときはCr
元素の検出量、研磨剤がSiCやSiO2 の場合にはS
i元素の検出量比較で判断できる。また、カーボンや有
機フィラ粉末は形態観察とC元素の検出量比較で判断で
きる。研磨剤突起の存在密度(Kt)は走査型電子顕微
鏡により確認した。また、高さ方向の情報が必要なK1
0、M20、M40等の突起の存在密度は原子間力(A
FM)顕微鏡により確認した。
【0122】<スティフネスの測定>スティフネスの測
定は、中央精機製 動歪計(CPC-1D)を使用し、8mm×
8mmに切りだしたサンプルで行った。長手方向のスティ
フネス(MD)と幅方向のスティフネス(TD)とを示
した。
定は、中央精機製 動歪計(CPC-1D)を使用し、8mm×
8mmに切りだしたサンプルで行った。長手方向のスティ
フネス(MD)と幅方向のスティフネス(TD)とを示
した。
【0123】<動的弾性率の測定>上記動的粘弾性の測
定は、東洋ボールドウイン社製「RHEOVIBRON DDV-II-
A」で励振周波数110Hz で行った。 評価項目 〔磁性層耐摩耗性(鋼球摩耗量)〕5℃80%の環境下
で1/4インチの鋼球に50gの荷重をかけて、磁性層
上を20mmの距離を20回(20×20=400mm)走
行させ、磁性層との接触により摩耗した鋼球の体積(摩
耗量)を調べた。
定は、東洋ボールドウイン社製「RHEOVIBRON DDV-II-
A」で励振周波数110Hz で行った。 評価項目 〔磁性層耐摩耗性(鋼球摩耗量)〕5℃80%の環境下
で1/4インチの鋼球に50gの荷重をかけて、磁性層
上を20mmの距離を20回(20×20=400mm)走
行させ、磁性層との接触により摩耗した鋼球の体積(摩
耗量)を調べた。
【0124】〔バージン Hw〕ソニー製EVO−95
00のデッキを用い、5℃、相対湿度80%の雰囲気下
で、120分長のテープカセット5巻を連続して走行さ
せ、走行前後のヘッド突出量変化(μm)をユニオン社
製Hisomet光学顕微鏡により測定した。 〔繰り返し Hw〕ソニー製EVO−9500のデッキ
を用い、5℃、相対湿度80%の雰囲気下で、120分
長のテープで10回繰り返し走行させ、走行前後のヘッ
ド突出量変化(μm)をユニオン社製Hisomet光
学顕微鏡により測定した。
00のデッキを用い、5℃、相対湿度80%の雰囲気下
で、120分長のテープカセット5巻を連続して走行さ
せ、走行前後のヘッド突出量変化(μm)をユニオン社
製Hisomet光学顕微鏡により測定した。 〔繰り返し Hw〕ソニー製EVO−9500のデッキ
を用い、5℃、相対湿度80%の雰囲気下で、120分
長のテープで10回繰り返し走行させ、走行前後のヘッ
ド突出量変化(μm)をユニオン社製Hisomet光
学顕微鏡により測定した。
【0125】[7MHzの再生出力]富士写真フィルム
(株)製「FUJIX8」8mmビデオデッキを用いて7MHz信
号を記録し、この信号を再生したときの7MHz信号再生
出力をオシロスコープで測定した。レファレンスは富士
写真フィルム製8ミリテープSAG、P6−120であ
る。保存前のこの再生出力は5dB以上が好ましい。 [スチル]再生出力で使用したものと同じビデオデッキ
を用いてスチルモードにして再生して再生画像が劣化す
るもでの時間を測定した。 [Mg μ値](摩擦係数) 4mmφのSUS420Jに180度の角度でテープを渡
し、荷重を20g、秒速14mmで摺動させて、オイラー
の式に基づいて摩擦係数を求めた。 μ=(1/π)ln(T2 /10) T2 :摺動抵抗値
(g) 尚、最初にテープを渡したとき(1P)と100回テー
プを渡したときの両方の摩擦係数を示し、その増減を示
した。各サンプルを上記により評価した結果を下記表2
〜表5に示す。
(株)製「FUJIX8」8mmビデオデッキを用いて7MHz信
号を記録し、この信号を再生したときの7MHz信号再生
出力をオシロスコープで測定した。レファレンスは富士
写真フィルム製8ミリテープSAG、P6−120であ
る。保存前のこの再生出力は5dB以上が好ましい。 [スチル]再生出力で使用したものと同じビデオデッキ
を用いてスチルモードにして再生して再生画像が劣化す
るもでの時間を測定した。 [Mg μ値](摩擦係数) 4mmφのSUS420Jに180度の角度でテープを渡
し、荷重を20g、秒速14mmで摺動させて、オイラー
の式に基づいて摩擦係数を求めた。 μ=(1/π)ln(T2 /10) T2 :摺動抵抗値
(g) 尚、最初にテープを渡したとき(1P)と100回テー
プを渡したときの両方の摩擦係数を示し、その増減を示
した。各サンプルを上記により評価した結果を下記表2
〜表5に示す。
【0126】
【表2】
【0127】
【表3】
【0128】
【表4】
【0129】
【表5】
【0130】上記表2〜表5に示すように、本発明の磁
気記録媒体は再生出力が高く、繰り返し走行後の出力低
下も低く、ヘッド磨耗、走行耐久性の全てが良好である
ことが判る。比較例では、本発明に比べ電磁変換特性、
ヘッド磨耗、走行耐久性のいずれかかが劣っていること
がわかる。
気記録媒体は再生出力が高く、繰り返し走行後の出力低
下も低く、ヘッド磨耗、走行耐久性の全てが良好である
ことが判る。比較例では、本発明に比べ電磁変換特性、
ヘッド磨耗、走行耐久性のいずれかかが劣っていること
がわかる。
【0131】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体により、電磁変換
特性が良好で、ヘッド磨耗が改良され、走行耐久性が優
れた磁気記録媒体を提供できる。
特性が良好で、ヘッド磨耗が改良され、走行耐久性が優
れた磁気記録媒体を提供できる。
【図1】本発明の磁気記録媒体の磁性層の表面の突起の
存在状態を模式的に示した図である。
存在状態を模式的に示した図である。
【図2】LTBL方式を用いたブレード処理装置の概念
図である。
図である。
【図3】DWBL方式を用いたブレード処理装置の概念
図である。
図である。
1 非研磨剤突起 2 研磨剤突起 3 磁性層 4 送りロール 5 磁気テープ 6 サファイヤ刃 7 ラッピングテープ 8 回転ロール 9 回転ロール
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年2月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】上記「研磨剤突起」と「非研磨剤突起」の
判別は、後述するEPMA解析により行うことができ
る。突起部以外の磁性層表面に照射したスペクトルと突
起部のスペクトルを比較して、研磨剤を構成する無機元
素の検出量の型や形態観察から判断する。具体的には、
研磨剤がAl2 O3 のときはAl元素の検出量、研磨剤
がCr2 O3 のときはCr元素の検出量、研磨剤がSi
CやSiO2 の場合にはSi元素の検出量比較で判断で
きる。また、カーボンや有機フィラ粉末は形態観察とC
元素の検出量比較で判断できる。
判別は、後述するEPMA解析により行うことができ
る。突起部以外の磁性層表面に照射したスペクトルと突
起部のスペクトルを比較して、研磨剤を構成する無機元
素の検出量の型や形態観察から判断する。具体的には、
研磨剤がAl2 O3 のときはAl元素の検出量、研磨剤
がCr2 O3 のときはCr元素の検出量、研磨剤がSi
CやSiO2 の場合にはSi元素の検出量比較で判断で
きる。また、カーボンや有機フィラ粉末は形態観察とC
元素の検出量比較で判断できる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】磁性液の使用溶剤:下記に示すように、
磁性液を上向きに塗布して磁性層を形成する場合、磁性
液に比重の低い溶剤を使用したり、磁性液中の溶剤比率
を高め、磁性層が塗布乾燥される際の研磨剤粒子の沈降
を助長する。また、沸点の高い溶剤を使用し塗布乾燥を
遅延させて、研磨剤粒子の沈降を助長する。磁性液には
数種の溶剤を混合している場合が多く、混合溶剤比率や
磁性液の濃度を調整することによって、塗布乾燥の状態
を変えて研磨剤粒子の移動を抑制したり、助長したりす
ることができる。つまり、塗布乾燥中に磁性液中のバイ
ンダや磁性体など立体障害の状態を変化させて調整す
る。磁性液を上向きに塗布する場合、上記したように混
合溶剤の比重を低くしたり、高沸点溶剤を使用したり、
バインダに対する良溶媒の比率を上げたり、磁性液の濃
度を下げ、研磨剤粒子の沈降を助長させると、研磨剤粒
子が磁性層表面に出やすくなり、磁性層表面への突起と
しての頭出しが促進される。比重が低く、高沸点な溶剤
はないのでそれぞれの特性をもつ2つ以上の混合溶剤を
使用することが好ましい。
磁性液を上向きに塗布して磁性層を形成する場合、磁性
液に比重の低い溶剤を使用したり、磁性液中の溶剤比率
を高め、磁性層が塗布乾燥される際の研磨剤粒子の沈降
を助長する。また、沸点の高い溶剤を使用し塗布乾燥を
遅延させて、研磨剤粒子の沈降を助長する。磁性液には
数種の溶剤を混合している場合が多く、混合溶剤比率や
磁性液の濃度を調整することによって、塗布乾燥の状態
を変えて研磨剤粒子の移動を抑制したり、助長したりす
ることができる。つまり、塗布乾燥中に磁性液中のバイ
ンダや磁性体など立体障害の状態を変化させて調整す
る。磁性液を上向きに塗布する場合、上記したように混
合溶剤の比重を低くしたり、高沸点溶剤を使用したり、
バインダに対する良溶媒の比率を上げたり、磁性液の濃
度を下げ、研磨剤粒子の沈降を助長させると、研磨剤粒
子が磁性層表面に出やすくなり、磁性層表面への突起と
しての頭出しが促進される。比重が低く、高沸点な溶剤
はないのでそれぞれの特性をもつ2つ以上の混合溶剤を
使用することが好ましい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】以下に磁性層中に添加するカーボンブラッ
クの諸特性の目安を説明する。カーボンブラックの比表
面積は5〜300m2/g、好ましくは5〜100m2/
g、DBP吸油量は20〜150ml/100g、好ましくは
30〜100ml/100g、更に好ましくは50〜100ml/
100gである。また、(比表面積)×(一次粒子径)=1
500〜3000nm・m2 /g、好ましくは2000
〜3000nm・m2 /gである。(DBP吸油量)/
(比表面積)=1〜5(ml/100m2)、好ましくは
1〜5(ml/100m2 )である。カーボンブラックの
平均粒径は下限は5mμで、上限は後記実施例に示され
ているように300mμがよいから、その範囲は、5m
μ〜300mμ、好ましくは10〜80mμ、さらに好
ましくは10〜40mμである。カーボンブラックのp
Hは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は
0.1〜1g/mlが好ましい。
クの諸特性の目安を説明する。カーボンブラックの比表
面積は5〜300m2/g、好ましくは5〜100m2/
g、DBP吸油量は20〜150ml/100g、好ましくは
30〜100ml/100g、更に好ましくは50〜100ml/
100gである。また、(比表面積)×(一次粒子径)=1
500〜3000nm・m2 /g、好ましくは2000
〜3000nm・m2 /gである。(DBP吸油量)/
(比表面積)=1〜5(ml/100m2)、好ましくは
1〜5(ml/100m2 )である。カーボンブラックの
平均粒径は下限は5mμで、上限は後記実施例に示され
ているように300mμがよいから、その範囲は、5m
μ〜300mμ、好ましくは10〜80mμ、さらに好
ましくは10〜40mμである。カーボンブラックのp
Hは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は
0.1〜1g/mlが好ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0121
【補正方法】変更
【補正内容】
【0121】<磁性層表面の突起の成分と大きさの測定
>上記「研磨剤突起」と「非研磨剤突起」の判別は、突
起部に照射した電子線の特性X線の示性スペクトル(E
lectron probe X−ray micro
analyzer;EPMA)解析により行った。突起
部以外の磁性層表面に照射したスペクトルと突起部のス
ペクトルを比較して、研磨剤を構成する無機元素の検出
量の型や形態観察から判断した。具体的には、研磨剤が
Al2 O3のときはAl元素の検出量、研磨剤がCr2
O3 のときはCr元素の検出量、研磨剤がSiCやSi
O2 の場合にはSi元素の検出量比較で判断できる。ま
た、カーボンや有機フィラ粉末は形態観察とC元素の検
出量比較で判断できる。研磨剤突起の存在密度(Kt)
は走査型電子顕微鏡により確認した。また、高さ方向の
情報が必要なK10、M20、M40等の突起の存在密
度は原子間力(AFM)顕微鏡により確認した。
>上記「研磨剤突起」と「非研磨剤突起」の判別は、突
起部に照射した電子線の特性X線の示性スペクトル(E
lectron probe X−ray micro
analyzer;EPMA)解析により行った。突起
部以外の磁性層表面に照射したスペクトルと突起部のス
ペクトルを比較して、研磨剤を構成する無機元素の検出
量の型や形態観察から判断した。具体的には、研磨剤が
Al2 O3のときはAl元素の検出量、研磨剤がCr2
O3 のときはCr元素の検出量、研磨剤がSiCやSi
O2 の場合にはSi元素の検出量比較で判断できる。ま
た、カーボンや有機フィラ粉末は形態観察とC元素の検
出量比較で判断できる。研磨剤突起の存在密度(Kt)
は走査型電子顕微鏡により確認した。また、高さ方向の
情報が必要なK10、M20、M40等の突起の存在密
度は原子間力(AFM)顕微鏡により確認した。
Claims (4)
- 【請求項1】 可撓性非磁性支持体上の少なくとも一方
の面に強磁性粉末を結合剤樹脂中に分散させた磁性層を
有する磁気記録媒体において、該磁性層中に研磨剤を含
有し、該磁性層表面には研磨剤からなる突起(研磨剤突
起)と研磨剤以外の成分からなる突起(非研磨剤突起)
が分布しており、該研磨剤突起の存在密度をKt、該研
磨剤突起のうち磁性層表面からの高さが10nm〜30nm
のものの存在密度をK10、該非研磨剤突起のうち磁性層
表面からの高さが20nm〜100nmのものの存在密度を
M20、該非研磨剤突起のうち磁性層表面からの高さが4
0nm〜100nmのものの存在密度をM40とすると、それ
らが、 0.1 ≦Kt ≦1.0 (個/μm2) 0.01 ≦K10 ≦0.2 (個/μm2) 0.03 ≦M20 ≦2.2 (個/μm2) M40 ≦0.03(個/μm2) 0.005≦K10/M20 ≦1.0 を満たすことを特徴とする磁気記録媒体。 - 【請求項2】 前記磁性層の厚さが0.1〜1.0μm
であって、該磁性層と前記可撓性非磁性支持体との間に
非磁性粉末と結合剤樹脂を主体とする非磁性層がある請
求項1に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項3】 前記可撓性非磁性支持体上に有る磁性層
側の塗布層全体の30℃における動的粘弾性率が1.0
×1011〜3.0×1011dyne/cm2である請求項1また
は2に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項4】 前記磁気記録媒体が磁気テープであっ
て、該磁気テープの幅方向のスティフネスが20〜70
mm・gである請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気
記録媒体。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7285921A JPH09128739A (ja) | 1995-11-02 | 1995-11-02 | 磁気記録媒体 |
US08/738,727 US5718964A (en) | 1995-11-02 | 1996-10-28 | Magnetic recording medium |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7285921A JPH09128739A (ja) | 1995-11-02 | 1995-11-02 | 磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09128739A true JPH09128739A (ja) | 1997-05-16 |
Family
ID=17697746
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7285921A Pending JPH09128739A (ja) | 1995-11-02 | 1995-11-02 | 磁気記録媒体 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5718964A (ja) |
JP (1) | JPH09128739A (ja) |
Cited By (11)
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JP2002100022A (ja) * | 2000-09-26 | 2002-04-05 | Sony Corp | 磁気記録媒体 |
JP2003273381A (ja) * | 2002-03-12 | 2003-09-26 | Japan Science & Technology Corp | 完全固体型色素増感太陽電池 |
JP2007018624A (ja) * | 2005-07-08 | 2007-01-25 | Fujifilm Holdings Corp | 磁気記録媒体 |
US7410708B2 (en) | 2003-08-27 | 2008-08-12 | Fujifilm Corporation | Magnetic reproducing method and magnetic recording medium |
EP2234106A1 (en) | 2009-03-27 | 2010-09-29 | Fujifilm Corporation | Magnetic recording medium, magnetic signal reproduction system and magnetic signal reproduction method |
JP2017041291A (ja) * | 2015-08-21 | 2017-02-23 | 富士フイルム株式会社 | 磁気テープおよびその製造方法 |
JP2017041292A (ja) * | 2015-08-21 | 2017-02-23 | 富士フイルム株式会社 | 磁気テープおよびその製造方法 |
JP2017041296A (ja) * | 2015-08-21 | 2017-02-23 | 富士フイルム株式会社 | 磁気テープおよびその製造方法 |
WO2022209316A1 (ja) * | 2021-03-31 | 2022-10-06 | ソニーグループ株式会社 | 磁気記録媒体 |
WO2023074694A1 (ja) * | 2021-11-01 | 2023-05-04 | ソニーグループ株式会社 | 磁気記録媒体 |
Families Citing this family (19)
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