JPH0927117A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

Info

Publication number
JPH0927117A
JPH0927117A JP7195748A JP19574895A JPH0927117A JP H0927117 A JPH0927117 A JP H0927117A JP 7195748 A JP7195748 A JP 7195748A JP 19574895 A JP19574895 A JP 19574895A JP H0927117 A JPH0927117 A JP H0927117A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
magnetic layer
ferromagnetic metal
metal powder
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7195748A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Naoe
康司 直江
Kiyomi Ejiri
清美 江尻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP7195748A priority Critical patent/JPH0927117A/ja
Publication of JPH0927117A publication Critical patent/JPH0927117A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Hard Magnetic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ヘッド汚れやヘッド目詰まりの少ない高出力磁
気記録媒体であって、ヘッド磨耗が抑制され、さらにカ
レンダー工程での磁性層の焼き付き付着によるカレンダ
ーロール汚れの少なく、かつ保存性に優れた磁気記録媒
体を提供すること。 【解決手段】 非磁性支持体上に強磁性金属粉末と結
合剤樹脂とを主体とする磁性層を有する磁気記録媒体に
おいて、該強磁性金属粉末は、Fe原子に対して、Ca
の含有量が5×10-4〜0.2原子%、アルカリ金属の
含有量が5×10-4〜0.2原子%、且つNi原子の含
有量が5×10-4〜0.4原子%であることを特徴とす
る磁気記録媒体、 非磁性支持体上に無機質非磁性粉
末と結合剤樹脂を主体とする非磁性層があり、その上に
強磁性金属粉末と結合剤樹脂とを主体とする少なくとも
1層の磁性層を有する磁気記録媒体において、該強磁性
金属粉末は、前記に記載の組成であることを特徴とす
る磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体、特に
ヘッド汚れ、目詰まりの少ない高密度記録用磁気記録媒
体に関する。また、カレンダー工程での磁性層の焼き付
き付着によるロール汚れの少ない磁気記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、録音用テープ、ビデオ
テープ、コンピューターテープ、ディスク等として広く
用いられている。磁気記録媒体は基本的には強磁性粉末
が結合剤に分散された磁性層が非磁性支持体上に設けら
れてなる。基本的に磁気記録媒体は電磁変換特性、走行
性能、走行耐久性等の諸特性において高いレベルにある
ことが要求される。特に高密度記録化に伴い、新規のビ
デオデッキシステムでは、シリンダの回転速度を上げ
て、ヘッド/テープの相対速度を上げる傾向がある。
【0003】又、ヘッド/テープ相対速度が高速で、か
つシリンダからのヘッドの突出率が高いと、テープがヘ
ッド当たり不良を起こすため、ヘッドの突出量は低めに
設定される傾向がある。なぜなら、磁気記録媒体自体も
薄くなっているので、媒体の腰も弱くなってヘッドの突
出が大きいとヘッドの突出した部分に倣った当たりにな
らなくなるからである。
【0004】そのため、ヘッド汚れによる出力低下や磁
性層削れ物がヘッドに付着した際に生ずる目詰まりなど
の評価がより厳しくなる傾向にある。これは、磁性層に
対するヘッドの当たりが余り強くないので、磁性層によ
る付着物の自浄作用が弱まるためである。また、ヘッド
磨耗量も高速摺動のため大きくなり、かつヘッドの突出
量が低いため、ヘッドライフ(ヘッドの寿命)の問題が
生じる。
【0005】上記トレンドを省みて、磁気記録媒体とし
ては、走行によるヘッド汚れやテープからの削れ物の発
生を極力抑える必要がある。又、従来はテープの研磨力
を高め、ヘッド汚れやヘッド目詰まり物を除去して抑制
していたが、新規のシステムでは、上記のヘッド突出量
を大きく取れないのでヘッド磨耗抑制の観点から、テー
プの研磨力を上げることはできない。つまり、テープの
研磨力が低くて、かつヘッド汚れや目詰まりなどが発生
しないテープが望まれる。
【0006】ことに最近の8mmビデオテープレコーダ
ー等の普及にともない、ビデオテープはビデオ出力が高
く、そして原画再生能力が優れていることなど、特に電
磁変換特性が優れていることが要求されている。磁気記
録媒体の電磁変換特性を向上させる方法としては種々の
方法があり、強磁性粉末の特性を改良する方法が直接的
かつ効果的である。従って強磁性粉末は高密度記録が可
能なように次第に微粉末化されてきた。また、磁性層の
薄層化で自己減磁を抑えて、出力を上げる手段も提案さ
れている(例えば、特公平4−71244)。
【0007】ところで、DVC等の最近の高密度記録シ
ステムにあっては、従来以上に厳しい環境に対する保存
性、走行耐久性、および高出力が望まれている。そし
て、出力を高めるために磁性層表面を平滑にして、磁気
ヘッドと磁性層の間隙を狭めていわゆるスペーシングロ
スを低下したり、非磁性支持体の剛性を調整して磁気テ
ープに対する磁気ヘッドの当たりを強めるなどの手段が
試みられてきた。
【0008】この要求は磁気ヘッド汚れが起こり易くな
ったり、磁気ヘッド磨耗にとっても過酷なものが要求さ
れる。そもそも、磁気記録媒体にとってヘッド汚れとヘ
ッド磨耗とは裏腹の関係にあり、一方を良くすると他方
が低下する。そして、ヘッド磨耗が少なく且つヘッド汚
れが少ないことが望まれていたが、従来のものでは双方
がバランス良く満足される点がなかなか見出せないとい
う問題がある。
【0009】即ち、従来、磁性体の焼き付きによるヘッ
ド汚れの抑制の手段として、磁性層中の結合剤樹脂量を
高め、磁性体を結合剤樹脂で覆うことの効果は、確認さ
れているが、磁性層中の磁性体の充填度が下がるため、
出力が低下して高密度記録ができない問題があった。こ
のヘッド焼き付きは、磁性体そのものもしくは磁性体中
の不純物も含めた成分の一部が原因となって磁気ヘッド
に付着して薄膜を形成し、焼き付きとして観察されるも
ので、ヘッド焼き付きの主因は磁性体にあるものと考え
られる。
【0010】また、高密度磁気記録媒体では、磁性層中
の磁性体の充填度を高めることにより、出力を向上させ
ることが重要であるため、カレンダー処理により磁性層
に熱と圧力を掛けて圧縮することが有効である。そのた
めにカレンダーロールの材料としては、金属ロールが好
ましく、金属ロールからなるカレンダーロールで高温を
かけながら媒体の磁性層成形処理が施される。その際、
磁性層に接する金属ロールに汚れ物が付着して焼き付き
を起こすと、ロール表面の表面性が低下して、磁性層の
面粗れを生じさせるため、この汚れ物を定期的にカレン
ダーロール表面から除去(カレンダーロール面訂)する
作業が必要で、稼働が落ちて生産性が低下する問題があ
った。テープ磁性層の研磨力を下げるとカレンダーロー
ル汚れが発生しやすくなり、更に生産稼働を落とし、コ
ストが高くなる問題を引き起こした。
【0011】本発明はそのような技術動向を背景になさ
れたものであり、その構成要素の一つは、微量金属成分
の含有量が制限された特定の強磁性金属粉末である。一
方、本出願人等はこれまで強磁性金属粉末の微量成分を
種々規定した発明を開示してきた。例えば、特公昭42
−24032号公報では、強磁性金属粉末の原料金属化
合物中のアルカリ土類金属量を抑えることにより磁気特
性を向上させる発明を開示し、特開昭52−97711
号公報では、磁性体中のカルシウムイオン量を少なくし
て、高湿度下での付着物の生成を抑え、ドロップアウ
ト、ヘッド目詰まりを抑制する磁気記録媒体を開示して
いる。また、特開昭56−101649号公報は強磁性
金属の水中への溶出量を抑えることにより耐錆性を改良
した強磁性金属粉末を用いた特に高湿度下での経時安定
性に優れた磁気記録媒体を提供するとしている。特開昭
60−150228号公報は磁性層面からの溶出される
水溶性金属イオンの量を低くして耐候性が改良された磁
気記録媒体を開示している。特開平7−78331号公
報は、磁性体中のNa及びアルカリ土類金属元素の含有
量と脂肪酸の炭素数を特定することにより、高湿下での
磁気記録媒体の保存安定性を向上するとしている。
【0012】また、特開昭63−103424号公報に
は、Al含有強磁性金属粉末に特定の研磨剤を特定量用
いた構成の磁気記録媒体を開示し、更に、特公平6−1
0360号公報には、同じくAl含有強磁性金属粉末に
結合剤樹脂として極性基を規定したものを用いる構成の
磁気記録媒体を開示し、出力及び走行耐久性が向上でき
る旨の開示をしている。また、特開平6−215360
号公報は、Al、希土類元素、その他元素量を特定する
ことにより、走行耐久性を向上させるとしている。
【0013】しかしながら、これら従来技術を単に組み
合わせただけでは電磁変換特性と保存性を良好に維持し
つつ高密度記録磁気記録媒体のヘッド目詰まりおよびヘ
ッド汚れの防止とヘッド磨耗の抑制とカレンダーロール
汚れの防止を共に満足する条件は見出せないでいた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ヘッド汚れ
やヘッド目詰まりの少ない高出力磁気記録媒体であっ
て、ヘッド磨耗が抑制され、さらにカレンダー工程での
磁性層の焼き付き付着によるカレンダーロール汚れの少
なく、かつ保存性に優れた磁気記録媒体を提供すること
を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、
非磁性支持体上に強磁性金属粉末と結合剤樹脂とを主
体とする磁性層を有する磁気記録媒体において、該強磁
性金属粉末は、Fe原子に対して、Caの含有量が5×
10-4〜0.2原子%、アルカリ金属の含有量が5×1
-4〜0.2原子%、且つNi原子の含有量が5×10
-4〜0.4原子%であることを特徴とする磁気記録媒
体、 非磁性支持体上に無機質非磁性粉末と結合剤樹
脂を主体とする非磁性層があり、その上に強磁性金属粉
末と結合剤樹脂とを主体とする少なくとも1層の磁性層
を有する磁気記録媒体において、該強磁性金属粉末は、
Feに対して、Caの含有量が5×10-4〜0.2原子
%、アルカリ金属の含有量が5×10-4〜0.2原子
%、且つNi原子の含有量が5×10-4〜0.4原子%
であることを特徴とする磁気記録媒体により達成するこ
とができる。
【0016】本発明は強磁性金属粉末に含まれるCa、
アルカリ金属およびNiの量を規定するとヘッド汚れや
ヘッド目詰まりの少ない高出力磁気記録媒体であって、
さらにカレンダー工程での磁性層の焼き付き付着による
カレンダーロール汚れの少なく、かつ保存性に優れた磁
気記録媒体を提供することができる。繰り返し走行にお
けるヘッド焼き付き汚れ(特に低湿環境で顕著)はES
CA等の解析結果から、夾雑する微量元素を含むFe原
子であり、かつ磁性体の形態をなしていないため磁性体
の一部が削れて、付着したと考えられる。また、磁性層
に接するカレンダーロールの汚れはEDAX等の解析か
ら、FeやN原子が検出されるため、磁性体の一部が削
れたり、磁性層中の結合剤樹脂の硬化剤として使用され
るイソシアネート等が付着したものと考えられる。
【0017】本発明では、強磁性金属粉末中のFe原子
に対するNi原子を規定することで、磁性体そのものの
強度を高めている。即ち、強磁性金属粉末中のFe原子
に対するNi原子の含有量を5×10-4〜0.4原子
%、好ましくは5×10-4×0.2原子%にすること
で、強磁性金属粉末中のFe−Ni等の結晶構造を減ら
し、Fe結晶構造自身の強度を上げ、該粉末表層部の削
れを防止できるので、上記ヘッド汚れ、ヘッド目詰ま
り、およびカレンダーロール汚れを防止できると考えら
れる。
【0018】本発明においては、強磁性金属粉末中にM
gをFeに対し0.1〜3.0原子%含むことが好まし
く、0.2〜1.5原子%含むことが更に好ましく、
0.2〜1.0原子%含むことが特に好ましい。Mgは
磁性体焼成時に核生成点を増大する効果があり、そのた
め、得られる強磁性金属粉末の粒子サイズを微小化する
のに有効である。さらに強磁性金属粉末表面が酸化され
てできる酸化マグネシウムが硬いので対ヘッド磨耗性に
優れており、ヘッド汚れの防止をさらに有効なものとす
ることができる。
【0019】本発明においては、強磁性金属粉末のCa
量を5×10-4×0.2原子%、好ましくは5×10-4
〜0.1原子%、およびアルカリ金属量を5×10-4
0.2原子%に規定したことにより、強磁性金属粉末の
結合剤樹脂吸着量を高め、結合剤樹脂の磁性体表層にお
ける吸着層が厚くなるため、磁性体が直接磁気ヘッドと
接触するのを防止して、ヘッドの焼き付き汚れを低減で
きる。
【0020】また、結合剤樹脂の強磁性金属粉末への吸
着性アップに伴い磁性層の強度も高まるため、磁性層の
削れによる目詰まり等の発生を防止できる。該Caおよ
びアルカリ金属、特にNa量を規定することが最も効果
があるが、不純物として、磁性体作成時に混入するその
他のアルカリ土類金属やアルカリ金属元素を抑えること
は必要で、トータル1原子%以下に抑えることが好まし
い。
【0021】本発明においては、磁性層および/または
非磁性層に脂肪酸を含有することが好ましい。強磁性金
属粉末のCa量およびアルカリ金属量を規定したことに
より、Caおよびアルカリ金属と脂肪酸との塩の生成を
抑制することができ、かつフリーな脂肪酸量を低減する
ことができるので、脂肪酸とアルカリ金属、Caとの反
応による塩生成を抑えることができ、ひいてはヘッド汚
れを防止し、繰り返し走行後の出力低下を低減すること
ができると共に高湿度環境条件下に保存後の出力低下を
抑制する。
【0022】本発明における脂肪酸使用量は、磁性層に
添加する場合は強磁性金属粉末に対し0.2〜5.0重
量%が好ましく、特に0.5〜2.0重量%が好まし
い。また、本発明に使用する強磁性金属粉末は、Feに
対し、次の元素を以下に示す範囲で含有していることが
好ましい。Al原子が2〜15原子%、特に4〜15原
子%、更に好ましくは、7〜13原子%、希土類元素が
0.1〜10原子%、特に1〜3原子%、Si原子が5
×10-4〜1.5原子%、特に5×10-4〜0.1原子
%、Co原子が5〜35原子%、特に10〜35原子%
の各範囲である。
【0023】上記強磁性金属粉末含有元素は、以下のよ
うな機能を有するものであり、それら機能を発揮するた
めに最善の含有量が決定され得る。Al原子、Y原子等
の希土類元素は、強磁性金属粉末そのものの強度を高め
る機能を有し、強磁性金属粉末表層部に存在し、表層か
ら深く入るに従って、該各原子はほぼ同じ比率で減少し
ている。又、Si原子はAl原子より表層に存在する形
態をとる。強磁性金属粉末表層のAl原子はO原子と結
合してアルミナとなり、硬く、かつ研磨力が高い。
【0024】しかし、Al原子は、強磁性金属粉末の内
部と表層部分の結晶結合状態が弱ければ、硬い表層部が
削れてしまう。そこで、本発明では該Ni原子の含有量
を5×10-4〜0.4原子%とすることにより、強磁性
金属粉末中のFe−Ni−Al等の結晶構造をへらし、
Fe結晶構造自身の強度やFe−Al等の結晶構造にお
ける強度を上げ、強磁性金属粉末表層部の削れを防止で
きる。
【0025】また、Co原子が存在すると、結晶構造上
の強度が上がり、強磁性金属粉末表層部の削れが更に防
止できる。Si原子やY原子などの希土類元素の添加
は、強磁性金属粉末表層部の硬さを調整する機能があ
る。即ち、Al原子に対するSi原子や希土類元素の比
率を高めることで、研磨力を下げることができ、それら
の原子の含有量を調整することで、ヘッド磨耗を抑えつ
つテープの耐久性を確保するという機能を発揮する。
【0026】また、強磁性金属粉末中のSi原子は、A
l原子に比べて、強磁性金属粉末の表層部にあり、かつ
硬くないので、削れ易く、かつ結合剤樹脂の中のイソシ
アネートの硬化反応を抑制する機能を有する。従って、
Si原子量が増えるとイソシアネートの硬化反応が抑制
されるため、磁性層の表層部分が凝集破壊されて削れた
り、ヘッド汚れが起きる。特にサーモ処理(磁性層を塗
布乾燥後結合剤樹脂の硬化を促進するための加温処理)
がない場合に顕著である。
【0027】上記対策のため、強磁性金属粉末の焼結防
止剤としては、AlやYなどの希土類元素を使用し、か
つ強磁性金属粉末の製造工程で混入する微量のSi原子
を洗浄工程で、洗浄水を加温したり、pHを調整するな
どして除去し、強磁性金属粉末のSi原子含有量を下げ
ることが有効である。本発明では上記組成の強磁性金属
粉末を使用することによって結合剤樹脂の強磁性金属粉
末への付着率が向上したため磁性層中の結合剤樹脂量を
低くしても焼き付き状のヘッド汚れや磁性層強度不足に
よる目詰まりを発生しないかつ磁性層側に接するカレン
ダーロールの汚れを低減する磁気記録媒体を作製するこ
とができる。また、該結合剤樹脂量を低くしたことによ
り実質的に強磁性金属粉末の充填率が向上し、出力の確
保に寄与することができる。本発明においては、磁性層
中の結合剤樹脂量が強磁性金属粉末100重量部に対し
て、好ましくは12〜28重量部、更に好ましくは、1
5〜23重量部である。ここで、結合剤樹脂は架橋剤を
も含む意味である。
【0028】また、強磁性金属粉末にフェニルホスホン
酸のような有機リン化合物を表面吸着させることや特定
の極性基を有する結合剤樹脂、例えば塩化ビニル系共重
合体やウレタンを使用することで強磁性金属粉末の分散
性が高まり、更に上記の効果が顕著となる。更に、湿式
同時塗布の重層構成(上層磁性体:強磁性金属粉末/下
層磁性体:γ−酸化鉄、上層磁性体:強磁性金属粉末/
下層無機質非磁性粉末など)は、強磁性金属粉末を主体
とする単層磁性層より、塗布乾燥条件や液物性の観点か
ら表面結合剤樹脂量が上がる傾向があるため、重層層構
成では、本発明の効果がより明確になる。又、強磁性金
属粉末の微粒子でも磁性層の表層結合剤樹脂量は上がる
ため、さらに効果が顕著となる。
【0029】但し、磁性層の表層に強磁性金属粉末に吸
着していない、フリーの結合剤樹脂が多いと、繰り返し
走行における結合剤樹脂の流動変形を引き起こしたり、
結合剤樹脂がヘッド等に付着してヘッド汚れが発生する
ため、結合剤樹脂添加量を上述のように最適化する必要
がある。本発明の強磁性金属粉末の製造方法としては、
従来公知の製法が適用できるが、アルカリ金属、Caお
よびNiが上記範囲となるように制御する必要がある。
【0030】アルカリ金属およびCaに関する該制御手
段としては、強磁性金属粉末の製造工程中に洗浄工程を
挿入することなどが有効である。即ち、オキシ水酸化鉄
粉、酸化鉄粉または金属粉を水洗するのである。特に、
オキシ水酸化鉄、酸化鉄、金属と工程の進行にともなっ
て、微量元素は粒子表面に偏析してくる傾向があるの
で、洗浄によりその除去が容易となる。洗浄水を加温し
たり、洗浄水のpHを調整したり、洗浄水に添加する
酸、塩基を選択することにより更に効率よく洗浄を進め
ることができる。また、原料中の不純物元素を極力少な
くすることが有効であることは勿論である。
【0031】Niの該制御手段としては、強磁性金属粉
末原料から強磁性金属粉末への各製造工程においてNi
の添加または除去処理を行うことが挙げられ、具体的に
は強磁性金属粉末の原料において定量的にNiを添加す
ること等が挙げられる。また、Mg、Al、希土類元
素、Si、Coあるいは後述の他の微量元素などを強磁
性金属粉末に含有させる手段としては、強磁性金属粉末
原料から強磁性金属粉末への各製造工程においてMg等
の除去処理(上述のCaやアルカリ金属の除去処理と同
じものを含む)あるいは添加処理を行うことが挙げら
れ、添加処理としては具体的には強磁性金属粉末の焼結
防止処理において定量的にAl、希土類元素等を添加
し、強磁性金属粉末に各元素の酸化物を形成することが
挙げられる。尚、該微量元素の量は、Feに対し5×1
-4〜1.0原子%である。
【0032】該微量元素としては、S、Ti、V、C
r、Cu、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、T
e、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、P、M
n、Zn、Bなどが挙げられる。本発明で使用される強
磁性金属粉末にはあとで述べる分散剤、潤滑剤、界面活
性剤、帯電防止剤などで分散前にあらかじめ処理を行っ
てもかまわない。
【0033】具体的には、特公昭44-14,090号、特公昭4
5-18,372号、特公昭47-22,062号、特公昭47-22,513号、
特公昭46-28,466号、特公昭46-38,755号、特公昭47-4,2
86号、特公昭47-12,422号、特公昭47-17,284号、特公昭
47-18,509号、特公昭47-18,573号、特公昭39-10,307
号、特公昭48-39,639号、米国特許3,026,215号、同3,0
3,1341号、同3,100,194号、同3,242,005号、同3,389,01
4号などに記載されている。
【0034】強磁性金属粉末は少量の水酸化物、または
酸化物を含んでもよい。強磁性金属粉末は公知の製造方
法により得られたものを用いることができ、下記の方法
を挙げることができる。複合有機酸塩(主としてシュ
ウ酸塩)と水素などの還元性気体で還元する方法、酸
化鉄を水素などの還元性気体で還元してFeあるいはF
e−Co粒子などを得る方法、金属カルボニル化合物
を熱分解する方法、強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素
ナトリウム、次亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還
元剤を添加して還元する方法、金属を低圧の不活性気
体中で蒸発させて微粉末を得る方法などである。このよ
うにして得られた強磁性金属粉末は公知の徐酸化処理、
すなわち有機溶剤に浸漬したのち乾燥させる方法、有機
溶剤に浸漬したのち酸素含有ガスを送り込んで表面に酸
化膜を形成したのち乾燥させる方法、有機溶剤を用いず
酸素ガスと不活性ガスの分圧を調整して表面に酸化皮膜
を形成する方法のいずれを施したものでも用いることが
できる。
【0035】本発明の磁性層の強磁性金属粉末の平均長
軸長は、0.04〜0.30μm、好ましくは0.06
〜0.18μmであり、BET法による比表面積で表せ
ば25〜80m2/gであり、好ましくは40〜70m2
/gである。25m2/g以下ではノイズが高くなり、
80m2/g以上では表面性が得にくく好ましくない。
本発明の磁性層の強磁性金属粉末の結晶子サイズは10
0〜450オングストロームであり、好ましくは100
〜350オングストロームである。飽和磁化(σS )は
100〜200emu/gが好ましく、さらに好ましく
は110emu/g〜170emu/gである。抗磁力は1,10
0〜3,000Oeが好ましく、更に好ましくは1,40
0〜2,500Oeである。針状比は2〜18が好まし
く、更に好ましくは4〜12である。含水率は0.01
〜2%とするのが好ましい。結合剤の種類によって含水
率は最適化するのが好ましい。タップ密度は0.2〜
0.8g/mlが好ましく、0.8g/mlより大であると強磁
性金属粉末の圧密過程で酸化が進みやすく、充分なσS
を得ることが困難になる。タップ密度が0.2g/mlより
小では分散が不十分になりやすい。pHは用いる結合剤
との組合せにより最適化することが好ましい。その範囲
は4〜12であるが、好ましくは6〜10である。
【0036】また、本発明に用いられる強磁性金属粉末
は空孔が少ないほうが好ましくその値は0〜20容量
%、さらに好ましくは0〜5容量%である。また形状に
ついては先に示した平均粒径についての特性を満足すれ
ば針状、粒状、米粒状、板状いずれでもかまわない。針
状強磁性粉末の場合、針状比は4〜12が好ましい。S
FDは0.1〜0.6が好ましく、Hcの分布を小さく
することが好ましい。そのためには、ゲータイトの粒度
分布をよくする、γ−ヘマタイトの焼結を防止するなど
の方法がある。
【0037】本発明における強磁性金属粉末の脂肪酸な
どの潤滑剤の吸着量は、通常、0.5mg/m2 (磁性
体表面)以下、好ましくは0.01〜0.25mg/m
2である。潤滑剤の磁性層を含む塗布層からの脂肪酸の
抽出量は、1〜50mg/cm3 である。本発明は塗布
層が単層の磁性層でも塗布層が複層構造、例えば磁性層
と該磁性層と非磁性支持体との間に設けられる非磁性層
(下層ともいう)からなる複数層から成っても良い。後
者の場合、脂肪酸を非磁性層に含有させることができ
る。尚、磁性層、非磁性層を各々複層としてもよい。
【0038】また、磁性層を複層構造とした場合、非磁
性支持体から最も遠い層を最上層(上層磁性層ともい
う)といい、それ以外の層を下層磁性層ともいう。この
下層磁性層には、γ−FeOx(x=1.33〜1.
5)、Co変性γ−FeOx(x=1.33〜1.
5)、強磁性金属粉末等を用いることができる。本発明
においては、上記強磁性金属粉末を用いるため結合剤樹
脂、特に極性基含有結合剤樹脂の強磁性金属粉末への吸
着量を特異的に向上させることができ、かつ結合剤樹脂
との結合力を向上させることができるので樹脂量を低く
しても機械的に丈夫な塗膜となりヘッド汚れや目詰まり
に効果的である。
【0039】強磁性金属粉末に対し、塩化ビニル系樹脂
を用いる場合は5〜15重量%、ポリウレタン樹脂を用
いる場合は2〜10重量%、ポリイソシアネートは2〜
10重量%の範囲であり、これらを組み合わせて用いる
のが好ましい。本発明において、ポリウレタンを用いる
場合はガラス転移温度が−50〜100℃、破断伸びが
100〜2,000%、破断応力は0.05〜10Kg
/cm2、降伏点は0.05〜10Kg/cm2が好まし
い。
【0040】本発明に使用される脂肪酸は炭素数8〜2
4の一塩基性脂肪酸が使用でき、炭素数8〜18の一塩
基性脂肪酸が好ましい。これらの具体例としてはラウリ
ン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノー
ル酸、リノレン酸、エライジン酸等が挙げられる。次
に、磁性層と非磁性支持体の間に設けられる非磁性層に
ついて詳述する。非磁性層に用いられる無機質非磁性粉
末としては、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金
属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、等の無機質化合物
から選択することができる。無機質化合物としては例え
ばα化率90〜100%のα−アルミナ、β−アルミ
ナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリ
ウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化珪素、チタンカー
バイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグ
ネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化
ホウ素、酸化亜鉛、硫酸バリウム、二硫化モリブデンな
どが単独または組合せで使用される。特に好ましいのは
二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウムであ
り、更に好ましいのは二酸化チタンである。炭酸カルシ
ウムは水溶性金属イオンの供給源となるので好ましくな
い。
【0041】これら無機質非磁性粉末の平均粒径は0.
005〜2μmが好ましいが、必要に応じて平均粒径の
異なる無機質非磁性粉末を組み合わせたり、単独の無機
質非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の効果をもた
せることもできる。とりわけ好ましいのは無機質非磁性
粉末の平均粒径は0.01μm〜0.2μmである。タ
ップ密度は0.05〜2g/ml、好ましくは0.2〜
1.5g/mlである。無機質非磁性粉末の含水率は
0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜3重量%であ
る。無機質非磁性粉末の比表面積は1〜100m2
g、好ましくは5〜50m2/g、更に好ましくは7〜
40m2/gである。無機質非磁性粉末の結晶子サイズ
は0.01μm〜2μmが好ましい。DBPを用いた吸油
量は5〜100ml/100g、好ましくは10〜80ml/100
g、更に好ましくは20〜60ml/100gである。比重は1
〜12、好ましくは3〜6である。形状は針状、球状、
多面体状、板状のいずれでも良い。
【0042】無機質非磁性粉末の強熱減量は0〜20重
量%であることが好ましい。本発明に用いられる無機質
非磁性粉末のモース硬度は4〜10のものが好ましい。こ
れらの粉末表面のラフネスファクターは0.8〜1.5
が好ましく、更に好ましいラフネスファクターは0.9
〜1.2である。無機質非磁性粉末のSA(ステアリン
酸)吸着量は1〜20μmol/m2、更に好ましくは2〜
15μmol/m2である。非磁性層の無機質非磁性粉末の2
5℃での水への湿潤熱は200erg/cm2〜600erg/cm2
の範囲にあることが好ましい。また、この湿潤熱の範囲
にある溶媒を使用することができる。100〜400℃
での表面の水分子の量は1〜10個/100Åが適当であ
る。水中での等電点のpHは3〜6の間にあることが好
ましい。
【0043】これらの無機質非磁性粉末の表面にはAl2O
3、SiO2、TiO2、ZrO2,SnO2,Sb2O3,ZnOで表面処理す
ることが好ましい。特に分散性に好ましいのはAl2O3、S
iO2、TiO2、ZrO2であるが、更に好ましいのはAl2O3、Si
O2、ZrO2である。これらは組み合わせて使用しても良い
し、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共
沈させた表面処理層を用いても良いし、先ずアルミナで
処理した後にその表層をシリカで処理する方法、または
その逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は
目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密で
ある方が一般には好ましい。
【0044】本発明の非磁性層に用いられる無機質非磁
性粉末の具体的な例としては、昭和電工製ナノタイト、住友化
学製HIT-100,ZA-G1、戸田工業社製DPN-250,DPN-250BX、
DPN-245,DPN-270BX、石原産業製TTO-51B、TTO-55A,TTO-5
5B、TTO-55C、TTO-55S、TTO-55D、SN-100,E270,E271、チタ
ン工業製STT-4D、STT-30D、STT-30、STT-65C、テイカ製
MT-100S、MT-100T、MT-150W、MT-500B、MT-600B、MT-100F、MT
-500HD、堺化学製FINEX-25,BF-1,BF-10,BF-20,ST-M、同
和鉱業製DEFIC-Y,DEFIC-R、日本アエロジル製AS2BM,TiO2
P25,宇部興産製100A,500A、チタン工業製Y-LOP及びそれ
を焼成したものが挙げられる。
【0045】非磁性層にカーボンブラックを混合させて
公知の効果であるRsを下げることができる。このため
にはゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラ
ック、アセチレンブラック、等を用いることができる。
カーボンブラックの比表面積は100〜500m2
g、好ましくは150〜400m2/g、DBP吸油量
は20〜400ml/100g、好ましくは30〜200ml/10
0gである。カーボンブラックの平均粒径は5mμ〜80
mμ、好ましくは10〜50mμ、さらに好ましくは1
0〜40mμである。カーボンブラックのpHは2〜1
0、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1
g/mlが好ましい。
【0046】本発明に用いられるカーボンブラックの具
体的な例としてはキャボット社製、BLACKPEAR
LS 2000、1300、1000、900、80
0、880、700、VULCAN XC−72、三菱
化成工業社製、#3050B、3150B、3250
B、#3750B、#3950B、#950、#650
B、#970B、#850B、MA−600、コロンビ
アカーボン社製、CONDUCTEX SC、RAVE
N 8800,8000,7000,5750,5250,3500,2100,2000,1800,1
500,1255,1250、アクゾー社製ケッチェンブラックECな
どがあげられる。カーボンブラックを分散剤などで表面
処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の
一部をグラファイト化したものを使用してもかまわな
い。また、カーボンブラックを塗料に添加する前にあら
かじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボ
ンブラックは上記無機質非磁性粉末に対して0〜50重
量%の範囲、非磁性層総重量の0〜40%の範囲で使用
できる。これらのカーボンブラックは単独、または組合
せで使用することができる。
【0047】本発明で非磁性層に使用できるカーボンブ
ラックは例えば「カーボンブラック便覧」(カーボンブ
ラック協会編)を参考にすることができる。また非磁性
層には有機質粉末を目的に応じて、添加することもでき
る。例えば、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹
脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げられる
が、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉
末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポ
リフッ化エチレン樹脂も使用することができる。その製法は
特開昭62-18,564号、特開昭60-255,827号に記されて
いるようなものが使用できる。
【0048】非磁性層のバインダー、潤滑剤、分散剤、
添加剤、溶剤、分散方法その他は磁性層のそれが適用で
きる。特に、バインダー量、種類、添加剤、分散剤の添
加量、種類に関しては後述する磁性層に関する公知技術
が適用できる。
【0049】次に磁性層に使用する強磁性金属粉末、脂
肪酸以外の内容について詳細な説明をする。本発明に使
用される結合剤としては従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用される。
熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度が−100〜1
50℃、数平均分子量が1,000〜200,000、
好ましくは10,000〜100,000、重合度が5
0〜1,000のものである。本願発明においては、強
磁性金属粉末の結合剤樹脂分子に対する吸着能が優れて
おり、又、磁気ヘッドに対する汚れや目詰まりも軽減さ
れているので、従来の磁性層におけるよりも結合剤の使
用量を少なくすることができる。そのため結果的に強磁
性金属粉末の磁性層中における充填量を多くすることが
できるので、出力の高い磁気記録媒体とすることができ
るのである。
【0050】このような結合剤の例としては、塩化ビニ
ル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アク
リル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリ
ロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ス
チレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビ
ニルアセタール、ビニルエーテル、等を構成単位として
含む重合体または共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴ
ム系樹脂がある。また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂
としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン
硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、
アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコー
ン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂
とイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステル
ポリオールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタ
ンとポリイソシアネートの混合物等があげられる。これ
らの樹脂については朝倉書店発行の「プラスチックハン
ドブック」に詳細に記載されている。また、公知の電子
線硬化型樹脂を非磁性層、または上層磁性層に使用する
ことも可能である。
【0051】これらの結合剤の例とその製造方法につい
ては特開昭62−256,219号に詳細に記載されて
いる。以上の樹脂は単独または組合せて使用できるが、
好ましいものとして塩化ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビ
ニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニルビニルアルコール樹
脂、塩化ビニル酢酸ビニル無水マレイン酸共重合体の中
から選ばれる少なくとも1種とポリウレタン樹脂の組合
せ、またはこれらにポリイソシアネートを組み合わせた
ものがあげられる。ポリウレタン樹脂の構造はポリエス
テルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエ
ーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポ
リウレタン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタ
ン、ポリカプロラクトンポリウレタンポリオレフィンポ
リウレタンなど公知のものが使用できる。ここに示した
すべての結合剤について、より優れた分散性と耐久性を
得るためには必要に応じ、−COOM、−SO3M、−
OSO3M、−P=O(OM′)2、−O−P=O(O
M′)2、(以上につきMは水素原子、またはアルカリ
金属原子を示す。M′は、水素原子、アルカリ金属原子
または低級炭化水素基を示す。)、−OH、−NR2
−N+3 (Rは炭素数1〜12の炭化水素基を示
す。)、エポキシ基、−SH、−CN、スルフォベタイ
ン、カルボキシベタイン、ホスホベタイン等、好ましく
は−COOM、−SO3M、−OSO3M、−P=O(O
M′)2から選ばれる少なくとも1種を共重合または付
加反応で好ましくはポリウレタン樹脂及び塩化ビニル系
樹脂の少なくとも一方に導入したものを用いることが好
ましい。このような極性基の量は10-8〜10-1モル/g
であり、好ましくは10-6〜10-2モル/g、更に好まし
くは、3×10-5〜20×10-5モル/gである。
【0052】本発明に用いられるこれらの結合剤の具体
的な例としてはユニオンカーバイト社製 VAGH、V
YHH、VMCH、VAGF、VAGD、VROH、V
YES、VYNC、VMCC、XYHL、XYSG、P
KHH、PKHJ、PKHC、PKFE、日信化学工業
社製、MPR−TA、MPR−TA5、MPR−TA
L、MPR−TSN、MPR−TMF、MPR−TS、
MPR−TM、MPR−TAO、電気化学社製1000
W、DX80、DX81、DX82、DX83、100
FD、日本ゼオン社製のMR−104、MR−105、
MR110、MR100、400X−110A、日本ポ
リウレタン社製ニッポランN2301、N2302、N
2304、大日本インキ社製パンデックスT−510
5、T−R3080、T−5201、バーノックD−4
00、D−210−80、クリスボン6109、720
9、東洋紡社製バイロンUR8200、UR8300、
UR−8600、UR−5500、UR−4300、R
V530、RV280、FB−84、大日精化社製、ダ
イフェラミン4020、5020、5100、530
0、9020、9022、7020、三菱化成社製、M
X5004、三洋化成社製サンプレンSP−150、T
IM−3003、TIM−3005、旭化成社製サラン
F310、F210などがあげられる。この中でMR−
104、MR110、UR8300、UR−8600、
UR−5500、UR−4300、TIM−3005が
好ましい。
【0053】本発明の磁気記録媒体は前述のごとく二層
以上からなる場合を含む。従って、結合剤量、結合剤中
に占める塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイ
ソシアネート、あるいはそれ以外の樹脂の量、磁性層を
形成する各樹脂の分子量、極性基量、あるいは先に述べ
た樹脂の物理特性などを必要に応じ非磁性層と磁性層と
で変えることはもちろん可能であり、多層磁性層に関す
る公知技術を適用できる。例えば、上下層でバインダー
量を変更する場合、磁性層表面の擦傷を減らすためには
上層磁性層のバインダー量を増量することが有効であ
り、ヘッドに対するヘッドタッチを良好にする為には、
上層磁性層以外の非磁性層のバインダー量を多くして柔
軟性を持たせることにより達成される。
【0054】本発明に用いるポリイソシアネートとして
は、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,
5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタン
トリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これ
らのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、ま
た、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソ
シアネート等を使用することができる。これらのイソシ
アネート類の市販されている商品名としては、日本ポリ
ウレタン社製、コロネートL、コロネートHL、コロネ
ート2030、コロネート2031、ミリオネートM
R、ミリオネートMTL、武田薬品社製、タケネートD
−102、タケネートD−110N、タケネートD−2
00、タケネートD−202、住友バイエル社製、デス
モジュールL、デスモジュールIL、デスモジュール
N、デスモジュールHL、等がありこれらを単独または
硬化反応性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組合
せで非磁性層、上層磁性層とも用いることができる。
【0055】本発明に使用されるカーボンブラックは前
述した非磁性層で例示したものが磁性層にも適用でき
る。また、カーボンブラックを磁性塗料に添加する前に
あらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカ
ーボンブラックは単独、または組合せで使用することが
できる。カーボンブラックを使用する場合は強磁性金属
粉末に対する量の0.1〜10重量%で用いることが好
ましい。更に、磁性層の塗膜としての強度の向上、磁気
ヘッドの磨耗の低減と言う観点から0.3〜3.0重量
%であることがなお一層好ましい。カーボンブラックは
磁性層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度
向上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラッ
クにより異なる。従って本発明に使用されるこれらのカ
ーボンブラックは上層磁性層、非磁性層でその種類、
量、組合せを変え、平均粒径、吸油量、電導度、pHな
どの先に示した諸特性をもとに目的に応じて使い分ける
ことはもちろん可能である。本発明の磁性層で使用でき
るカーボンブラックは例えば「カーボンブラック便覧」
(カーボンブラック協会編)を参考にすることができ
る。
【0056】本発明の磁性層に用いられる研磨剤の素材
としては前述した非磁性層で例示した無機質非磁性粉末
が磁性層にも適用できる。本発明に用いられる研磨剤は
非磁性層、下層磁性層、上層磁性層で種類、量および組
合せを変え、目的に応じて使い分けることはもちろん可
能である。これらの研磨剤はあらかじめ結合剤で分散処
理したのち磁性塗料中に添加してもかまわない。好まし
い研磨剤としては、α−アルミナ、べんがらや酸化クロ
ム等が例示される。
【0057】研磨剤の形状としては、特に制限はなく、
球状、針状、板状等が挙げられるが、好ましくは球状、
板状である。本発明の磁気記録媒体の磁性層表面および
磁性層端面に存在する研磨剤は5〜130個/100μ
2が好ましく、5〜90個/100μm2が特に好まし
い。本願発明では主として強磁性金属粉末の改良により
磁性層のヘッド汚れや耐久性が向上するので、研磨剤の
粒子サイズを小さくしたり、研磨剤の使用量を軽減でき
るので、その結果、出力を向上させることができるし、
又ヘッド磨耗も軽減できる。
【0058】本発明に使用される、添加剤としては潤滑
効果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果、などをもつ
ものが使用される。二硫化モリブデン、二硫化タングス
テングラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコー
ンオイル、極性基をもつシリコーン、脂肪酸変性シリコ
ーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、
フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコー
ル、アルキル燐酸エステルおよびそのアルカリ金属
塩、、アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属
塩、ポリフェニルエーテル、フッ素含有アルキル硫酸エ
ステルおよびそのアルカリ金属塩、炭素数10〜24の
一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐して
いてもかまわない)の金属塩(Li、Na、K、Cuな
ど)または、炭素数12〜22の一価、二価、三価、四
価、五価、六価アルコール、(不飽和結合を含んでも、
また分岐していてもかまわない)、炭素数12〜22の
アルコキシアルコール、炭素数10〜24の一塩基性脂
肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかま
わない)と炭素数2〜12の一価、二価、三価、四価、
五価、六価アルコールのいずれか一つ(不飽和結合を含
んでも、また分岐していてもかまわない)とからなるモ
ノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂
肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキ
ルエーテルの脂肪酸エステル、炭素数8〜22の脂肪酸
アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミン、などが使用で
きる。
【0059】これらの具体例としてはステアリン酸ブチ
ル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステ
アリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ステア
リン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステ
アレート、アンヒドロソルビタンジステアレート、アン
ヒドロソルビタントリステアレート、オレイルアルコー
ル、ラウリルアルコール、があげられる。また、アルキ
レンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、ア
ルキルフェノールエチレンオキサイド付加体、等のノニ
オン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級
アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホ
スホニウムまたはスルホニウム類、等のカチオン系界面
活性剤、カルボン酸、スルフォン酸、燐酸、硫酸エステ
ル基、燐酸エステル基、などの酸性基を含むアニオン界
面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノア
ルコールの硫酸または燐酸エステル類、アルキルベダイ
ン型、等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界
面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株
式会社発行)に詳細に記載されている。これらの潤滑
剤、帯電防止剤等は必ずしも100%純粋ではなく、主
成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化
物等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分
は0〜30%が好ましく、さらに好ましくは0〜10%
である。
【0060】本発明で使用されるこれらの潤滑剤、界面
活性剤は非磁性層、磁性層でその種類、量を必要に応じ
使い分けることができる。例えば、非磁性層、磁性層で
融点の異なる脂肪酸を用い表面へのにじみ出しを制御す
ること、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面への
にじみ出しを制御すること、界面活性剤量を調節するこ
とで塗布の安定性を向上させること、潤滑剤の添加量を
非磁性層で多くして潤滑効果を向上させることなど考え
られ、無論ここに示した例のみに限られるものではな
い。
【0061】また本発明で用いられる添加剤のすべてま
たはその一部は、磁性塗料製造のどの工程で添加しても
かまわない、例えば、混練工程前に強磁性金属粉末と混
合する場合、強磁性金属粉末と結合剤と溶剤による混練
工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後
に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。
また、目的に応じて磁性層を塗布した後、同時または逐
次塗布で、添加剤の一部または全部を塗布することによ
り目的が達成される場合がある。また、目的によっては
カレンダーした後、またはスリット終了後、磁性層表面
に潤滑剤を塗布することもできる。
【0062】本発明で用いられる有機溶媒は任意の比率
でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホ
ロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロ
ヘキサノール、などのアルコール類、酢酸メチル、酢酸
ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチ
ル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチ
ルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサ
ン、などのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン、などの芳
香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロラ
イド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒド
リン、ジクロルベンゼン、等の塩素化炭化水素類、N,
N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等のものが使用で
きる。これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではな
く、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解
物、酸化物、水分等の不純分がふくまれてもかまわな
い。これらの不純分は0〜30%が好ましく、さらに好
ましくは0〜10%である。
【0063】本発明で用いる有機溶媒は磁性層と非磁性
層でその種類は同じであることが好ましい。その添加量
は変えてもかまわない。非磁性層に表面張力の高い溶媒
(シクロヘキサン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定
性を上げることができる。具体的には上層磁性層溶剤組
成の算術平均値が非磁性層溶剤組成の算術平均値を下回
らないことが肝要である。分散性を向上させるためには
ある程度極性が強い方が好ましく、溶剤組成の内、誘電
率が15〜25の溶剤が50〜80%含まれることが好
ましい。また、溶解パラメータは8〜11であることが
好ましい。
【0064】本発明の磁気記録媒体の厚み構成は非磁性
支持体が1〜20μmであるが、特に、1〜10μmの
薄い非磁性支持体を用いる場合に有効である。単層の磁
性層の厚みまたは上層磁性層と非磁性層を合わせた厚み
は非磁性支持体の厚みの1/100〜2倍の範囲で用い
られる。単層磁性層の場合、その厚みは、通常、0.7
〜4.0μm、好ましくは1.5〜3.5μmであり、
上層磁性層と非磁性層の場合は、上層磁性層の厚みが、
通常、0.1〜1.5μm、好ましくは0.1〜0.5
μmであり、非磁性層の厚みは通常、0.8〜3.5μ
m、好ましくは1.2〜3.0μmである。非磁性支持
体と非磁性層の間に密着性向上のための接着層を設け
る。接着層の厚みは0.005〜0.5μm、好ましく
は0.02〜0.3μmである。また、非磁性支持体の
磁性層側と反対側にバックコート層を設けてもかまわな
い。この厚みは0.1〜2μm、好ましくは0.3〜
1.0μmである。これらの接着層、バックコート層は
公知のものが使用できる。これらの接着層、バックコー
ト層の厚みも含めた磁気記録媒体の総厚は、通常、5〜
25μmの範囲から選定される。
【0065】本発明に用いられる非磁性支持体は、二軸
延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミド
イミド、芳香族ポリアミド、ポリベンズオキシダゾール
などの公知のフィルムが使用できる。特に、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アラミ
ド樹脂を用いた非磁性支持体が好ましい。非磁性支持体
のマイクロビッカース硬度は75〜100kg/mm2にする
ことが好ましく、フイルム製膜時の加熱条件、弛緩条
件、延伸条件等を調整する事および素材を選択する事に
より行うことができる。これらの非磁性支持体にはあら
かじめコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱
処理、除塵処理、などをおこなっても良い。
【0066】本発明の非磁性支持体は中心線平均表面粗
さが0.001〜0.03μm、好ましくは0.001
〜0.02μm、さらに好ましくは0.001〜0.0
1μmである。また、これらの非磁性支持体は単に中心
線平均表面粗さが小さいだけではなく、1μm以上の粗
大突起がないことが好ましい。また表面の粗さ形状は必
要に応じて非磁性支持体に添加されるフィラーの大きさ
と量により自由にコントロールされるものである。これ
らのフィラーとしては一例としてはAl、Ca、Si、
Tiなどの酸化物や炭酸塩で結晶性、非晶質を問わない
他、アクリル系、メラミン系などの有機微粉末があげら
れる。
【0067】本発明に用いられる非磁性支持体のテープ
走行方向のF−5値は好ましくは10〜50Kg/mm
2、テープ幅方向のF−5値は好ましくは10〜30K
g/mm2であり、テープの長手方向のF−5値がテー
プ幅方向のF−5値より高いのが一般的であるが、特に
幅方向の強度を高くする必要があるときはその限りでな
い。また、非磁性支持体のテープ走行方向および幅方向
の100℃、30分での熱収縮率は好ましくは0〜3
%、さらに好ましくは0〜1.5%、80℃、30分で
の熱収縮率は好ましくは0〜1%、さらに好ましくは0
〜0.5%である。破断強度は両方向とも5〜100K
g/mm2、弾性率は100〜2,000Kg/mm2
好ましい。
【0068】本発明の磁気記録媒体の磁性塗料を製造す
る工程は、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれ
らの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からな
る。個々の工程はそれぞれ2段階以上にわかれていても
かまわない。本発明に使用する強磁性金属粉末、結合
剤、カーボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、
溶剤などすべての原料はどの工程の最初または途中で添
加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工
程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレ
タンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための
混合工程で分割して投入してもよい。本発明の目的を達
成するためには、従来の公知の製造技術のを一部の工程
としてを用いることができることはもちろんであるが、
混練工程では連続ニーダや加圧ニーダなど強い混練力を
もつものを使用することにより磁気記録媒体の高いBr
を得ることが好ましい。連続ニーダまたは加圧ニーダを
用いる場合は強磁性金属粉末と結合剤のすべてまたはそ
の一部(ただし全結合剤の30%以上が好ましい)およ
び強磁性金属粉末100部に対し15〜500部の範囲
で混練処理される。これらの混練処理の詳細については
特開平1−106,338号、特開昭64−79,27
4号に記載されている。また、非磁性層液を調整する場
合には高比重の分散メディアを用いることが望ましく、
ジルコニアビーズが好適である。
【0069】本発明のような重層構成の磁気記録媒体を
塗布する装置、方法の例として以下のような構成を提案
できる。 1,磁性塗料の塗布で一般的に用いられるグラビア塗
布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗
布装置等により、まず下層を塗布し、下層がウェット状
態にのうちに特公平1-46,186号や特開昭60-238,179号、
特開平2-265,672号に開示されている支持体加圧型エク
ストルージョン塗布装置により上層磁性層を塗布する。
【0070】2,特開昭63-88,080号、特開平2-17,971
号、特開平2-265,672号に開示されているような塗布液
通液スリットを二つ内蔵する一つの塗布ヘッドにより上
下層をほぼ同時に塗布する。 3,特開平2-174,965号に開示されているバックアップ
ロール付きエクストルージョン塗布装置により上下層を
ほぼ同時に塗布する。
【0071】なお、強磁性金属粉末の凝集による磁気記
録媒体の電磁変換特性等の低下を防止するため、特開昭
62-95,174号や特開平1-236,968号に開示されているよう
な方法により塗布ヘッド内部の塗布液にせん断を付与す
ることが望ましい。さらに、塗布液の粘度については、
特開平3-8,471号に開示されている数値範囲を満足する
ことが好ましい。
【0072】本発明の磁気記録媒体を得るためには強力
な配向を行う必要がある。1,000G以上のソレノイ
ドと2,000G以上のコバルト磁石を同極対向で併用
することが好ましく、さらには乾燥後の配向性が最も高
くなるように配向前に予め適度の乾燥工程を設けること
が好ましい。また、ディスク媒体として本発明を適用す
る場合はむしろ配向をランダマイズするような配向法が
必要である。また、複数の磁性層がある場合、各々の配
向方向を変更、例えば、面内方向のみでなく垂直方向、
幅方向にも配向できる。
【0073】さらに、カレンダ処理ロールとして各種金
属ロール、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイ
ミドアミド等の耐熱性のあるプラスチックロールを使用
する。本発明では特に金属ロール同志で処理することが
好ましい。処理温度は、好ましくは70〜150℃、さ
らに好ましくは80〜150℃である。線圧力は好まし
くは200〜500Kg/cm、さらに好ましくは30
0〜400Kg/cmである。
【0074】本発明の磁気記録媒体の磁性層面およびそ
の反対面のSUS420Jに対する摩擦係数は好ましく
は0.1〜0.5、さらに0.15〜0.3、表面固有
抵抗は好ましくは104〜1012オーム/sq、磁性層
の0.5%伸びでの弾性率は走行方向、幅方向とも好ま
しくは100〜2,000Kg/mm2、破断強度は好
ましくは1〜30Kg/cm2、磁気記録媒体の弾性率
は走行方向、幅方向とも好ましくは100〜1,500
Kg/mm2、残留伸びは好ましくは0〜0.5%、1
00℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は好ましくは0
〜1%、さらに好ましくは0〜0.5%、もっとも好ま
しくは0〜0.1%である。磁性層のガラス転移温度(1
10Hzで測定した動的粘弾性測定の損失弾性率の極大点)
は50℃以上120℃以下が好ましく、非磁性層のそれ
は0℃〜100℃が好ましい。損失弾性率は1×108
〜8×109dyne/cm2の範囲にあることが好ましく、損
失正接は0〜0.2であることが好ましい。損失正接が
大きすぎると粘着故障がでやすい。
【0075】磁性層中に含まれる残留溶媒は好ましくは
0〜100mg/m2、さらに好ましくは0〜10mg
/m2であり、上層磁性層に含まれる残留溶媒が非磁性
層に含まれる残留溶媒より少ないほうが好ましい。磁性
層が有する空隙率は非磁性層、磁性層とも好ましくは0
〜30容量%、さらに好ましくは0〜20容量%であ
る。空隙率は高出力を果たすためには小さい方が好まし
いが、目的によってはある値を確保した方が良い場合が
ある。例えば、繰り返し用途が重視されるデータ記録用
磁気記録媒体では空隙率が大きい方が走行耐久性は好ま
しいことが多い。
【0076】本発明の磁気記録媒体の磁気特性は磁場5
KOeで測定した場合、テープ走行方向の角形比は0.
70〜1.00であり、好ましくは0.80〜1.00
であり、さらに好ましくは0.90〜1.00である。
テープ走行方向に直角な二つの方向の角型比は走行方向
の角型比の80%以下となることが好ましい。磁性層の
SFDは0.1〜0.6であることが好ましい。
【0077】磁性層の中心線表面粗さRaは1nm〜1
0nmが好ましいが、その値は目的により適宜設定され
るべきである。電磁変換特性を良好にする為にはRaは
小さいほど好ましいが、走行耐久性を良好にするために
は逆に大きいほど好ましい。AFMによる評価で求めた
RMS表面粗さRRMSは2nm〜15nmの範囲にある
ことが好ましい。
【0078】本発明の磁気記録媒体は非磁性層と上層磁
性層を有することができるが、目的に応じ非磁性層と磁
性層でこれらの物理特性を変えることができるのは容易
に推定されることである。例えば、磁性層の弾性率を高
くし走行耐久性を向上させると同時に非磁性層の弾性率
を磁性層より低くして磁気記録媒体のヘッドへの当りを
良くするなどである。
【0079】
【実施例】次に本発明の実施例、比較例により具体的に
本発明を説明する。実施例中、「部」との表示は「重量
部」を表す。
【0080】実施例1〜5 非磁性層(非磁性) 無機質非磁性粉末 TiO2 結晶系ルチル 85部 平均一次粒子径 0.035μm BET法による比表面積 40m2/g pH 7.0 TiO2含有量 90%以上 DBP吸油量 27〜38g/100g、 表面処理剤 Al2O3 カーボンブラック 15部 平均一次粒子径 16mμ DBP吸油量 80ml/100g pH 8.0 BET法による比表面積 250m2/g 揮発分 1.5% 塩化ビニル共重合体 14部 日本ゼオン(株)製MR110 SO3Na含有、エポキシ基含有 重合度300 ポリエステルポリウレタン樹脂 5部 ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1 -SO3Na 1×10-4eq/g含有 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 1部 メチルエチルケトン 150部 シクロヘキサノン 50部
【0081】 磁性層(上層磁性層) 強磁性金属粉末 組成:表1記載 100部 塩化ビニル系共重合体 13部 日本ゼオン(株)製「MR110」 SO3Na含有、エポキシ基含有 重合度300 ポリエステルポリウレタン樹脂 5部 ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1 -SO3Na基 1×10-4eq/g含有 α−Al2 3 (平均粒径0.18μm) 2.5部 カーボンブラック(平均粒径0.10μm) 0.5部 ブチルステアレート 1.0部 ステアリン酸 0.5部 メチルエチルケトン 150部 シクロヘキサノン 50部
【0082】上記の塗料のそれぞれについて、各成分を
連続ニーダで混練したのち、サンドミルを用いて分散さ
せた。得られた分散液にポリイソシアネート(日本ポリ
ウレタン(株)製コロネートL)を非磁性層の塗布液に
は5.5部、上層磁性層の塗布液には5部を加え、さら
にそれぞれに酢酸ブチル40部を加え、1μmの平均孔
径を有するフィルタ-を用いて濾過し、非磁性層、磁性層形
成用の塗布液をそれぞれ調製した。
【0083】得られた非磁性層塗布液を、乾燥後の厚さ
が2.7μmになるようにさらにその直後にその上に磁
性層の厚さが0.3μmになるように、厚さ7μmで中
心線表面粗さが0.01μmの前述の非磁性支持体上に
同時重層塗布をおこない、両層がまだ湿潤状態にあるう
ちに3000Gの磁力をもつコバルト磁石と1500G
の磁力をもつソレノイドにより配向させ乾燥後、金属ロ
ールのみから構成される7段のカレンダで温度90℃、
線圧300Kg/cmにて200m/min.で処理を行い、
8mmの幅にスリットし、8mmビデオテープを製造した。
【0084】実施例6〜8 実施例2に記載の上層磁性層塗液において、結合剤樹脂
の種類を変更せずに表3に記載の結合剤量を用いた他
は、実施例2と同様にして8mmビデオテープを製造し
た。 比較例1〜8 実施例1に記載の上層磁性層塗液において、表3〜5の
記載の強磁性金属粉末に変更した以外は、実施例1と同
様にして、8mmビデオテープを製造した。
【0085】比較例9 比較例3に記載の上層磁性層塗液において、結合剤樹脂
の種類を変更せずに表5に記載の結合剤量を用いた他
は、比較例3と同様にして8mmビデオテープを製造し
た。 実施例9〜12、比較例10〜14 上層磁性層塗布液 実施例1に記載の上層塗布液において、表5〜7に記載
の強磁性金属粉末を使用する以外は、実施例1と同様に
調製したものを使用する。
【0086】 下層磁性層塗布液 下層磁性層組成 酸化鉄磁性体(Co−γ−酸化鉄) 100部 Hc 779Oe、 σs:80.4emu/g BET法による比表面積:33.7m2 /g 平均粒径(長軸長) 0.24μm Co/Fe 6.5原子% Fe2+/Fe3+ 32原子% 塩化ビニル系共重合体 13部 日本ゼオン(株)製「MR110」 SO3Na含有、エポキシ基含有 重合度300 ポリエステルポリウレタン樹脂 5部 ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI =0.9/2.6/1(モル比) -SO3Na基 1×10-4eq/g含有 べんがら(平均粒径 0.1μm) 13部 カーボンブラック 3部 平均粒子径 16nm、 DBP吸油量 80ml/100g pH 8.0、比表面積 250m2 /g、揮発分 1.5% ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 1部 メチルエチルケトン 150部 シクロヘキサノン 50部 上記組成にコロネートLを5部、酢酸ブチルを40部加
え、実施例1と同様に濾過して下層用塗布液を調製し
た。
【0087】実施例1において、下層非磁性層塗布液の
代わりに下層磁性層塗布液を用いて厚さを1.5μmに
変更した以外は実施例1と同様にして8mmビデオテー
プを製造した。 実施例13〜16 実施例1に記載の上層塗布液において、表7に記載の強
磁性金属粉末を使用する以外は、実施例1と同様に調製
した上層塗布液のみを使用して、実施例1に準じて厚さ
2.4μmの単層の8mmビデオテープを製造した。
【0088】実施例17〜19 実施例14に記載の上層塗布液において、結合剤樹脂の
種類を変更せずに表8に記載の結合剤量を用いた他は、
実施例14と同様にして8mmビデオテープを製造した。 比較例15〜19 実施例1に記載の上層塗布液において、表8〜9に記載
の強磁性金属粉末を使用する以外は、実施例1と同様に
調製した上層塗布液のみを使用して、実施例1に準じて
厚さ2.4μmの単層の8mmビデオテープを製造し
た。
【0089】比較例20〜21 比較例17に記載の上層塗布液において、結合剤樹脂の
種類を変更せずに表9に記載の結合剤量を用いた他は、
比較例17と同様にして8mmビデオテープを製造した。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】
【表3】
【0093】
【表4】
【0094】
【表5】
【0095】
【表6】
【0096】
【表7】
【0097】
【表8】
【0098】
【表9】
【0099】上記の得られた8mmビデオテープの各試料
を以下により評価した。 評価方法 <磁性層の厚み測定方法> 非磁性層+上層磁性層の場合 磁気記録媒体の長手方向に渡ってダイアモンドカッター
で約0.1μmの厚みに切り出し、透過型電子顕微鏡で
倍率3万倍で観察し、その写真撮影を行った。写真のプ
リントサイズはA4版である。その後、磁性層、非磁性
層の強磁性金属粉末や無機質非磁性粉末の形状差に着目
して界面を目視判断して黒く縁どり、かつ磁性層表面も
同様に黒く縁どった。その後、Zeiss社製画像処理
装置IBAS2にて縁とりした線の間隔を測定した。試
料写真の長さが21cmの範囲に渡り、測定点を点取っ
て測定した。その際の測定値の単純加算平均値を磁性層
の厚みとした。
【0100】単層の場合 磁性層を非磁性支持体から引き剥がしその厚みを測定し
た。 <磁気特性Hc、Br、角型比>振動試料型磁束計(東
英工業製)を用い、Hm10kOeで測定した。
【0101】<強磁性金属粉末、無機質非磁性粉末の平
均粒径>透過型電子顕微鏡写真を撮影し、その写真から
強磁性金属粉末の短軸径と長軸径とを直接読みとる方法
と画像解析装置カールツァイス社製IBASS1で透過
型顕微鏡写真をトレースして読みとる方法とを適宜併用
して平均粒子径を求めた。
【0102】<強磁性金属粉末結晶子サイズ>X線回折
により(1,1,0)面と(2,2,0)面の回折線の
半値幅の広がり分から求めた。
【0103】<強磁性金属粉末中の金属成分>強磁性金
属粉末サンプル5gを6NのHClで溶解し、溶解中の
金属を原子吸光法で分析しFeに対する原子%を求め
た。
【0104】[ヘッド磨耗(μm)]ソニー製EVO−
9500のデッキを用い、5℃、相対湿度80%の雰囲
気下で、120分長のテープで10回繰り返し走行さ
せ、走行前後のヘッド突出量変化をユニオン社製His
omet光学顕微鏡により測定した。 [ヘッド汚れ] <23℃、相対湿度10%、10パス後の出力低下(d
B)>上記再生出力の測定において、23℃、相対湿度
10%の雰囲気で、120分長のテープを繰り返し10
パス走行させた後の出力低下を測定した。
【0105】<ヘッド汚れ>上記<23℃、相対湿度
10%、10パス後の出力低下(dB)>の測定時のヘ
ッド汚れを評価した。磁気ヘッドの表面を観察して、汚
れの有無を町田製作所製ボアスコープで観察した。
【0106】○……汚れ無し、△……摺動面に汚れは見
られなかったが、ショルダー部に付着物が観察された、
×……摺動面にも付着物があった。 <40℃、相対湿度20%、10パス後の出力低下(d
B)>上記再生出力の測定において、40℃、相対湿度
20%の雰囲気で、120分長のテープを繰り返し10
パス走行させた後の出力低下を測定した。
【0107】<ヘッド汚れ>上記<40℃、相対湿度
20%、10パス後の出力低下(dB)>の測定時のヘ
ッド汚れを評価した。評価法は、上記と同じである。 <ガラス球汚れ>23℃、相対湿度10%または40
℃、相対湿度20%の雰囲気下で、1/4インチのガラ
ス球に30gの荷重をかけて、磁性層上を20mmの距
離で10回往復させ、磁性層との接触により、磨耗した
ガラス球面上に占める磁性層が付着している面積の比を
求めた。評価基準は以下の通りである。
【0108】なし…磁性層付着物 小 …磨耗したガラス球面積に対して、磁性層の付着し
ている面積が1/5以下の状態。 中 …同比率が1/5〜1/2の範囲にある状態。 大 …同比率が1/2以上にある状態。
【0109】[カレンダー汚れ]ミノルタ社製色彩色度
計(GR−200)の明度指数変化(ΔL)を磁気記録
媒体1万mのカレンダー処理の後に測定した。 [目詰まり]SONY、EV−C45、デッキ8台で1
20長テープを記録後、10パス走行させて、RF出力
低下が30秒以内3dB落ちた回数をカウントした。
【0110】○:5回以内、△:10回未満、×:10
回以上又は30秒以上の出力落ちがあった場合 [7MHzの再生出力]富士写真フィルム(株)製「FUJIX
8」8mmビデオデッキを用いて7MHz信号を記録し、こ
の信号を再生したときの7MHz信号再生出力をオシロス
コープで測定した。レファレンスは富士写真フィルム製
8ミリテープSAG、P6−120である。保存前のこ
の再生出力は5dB以上が好ましい。
【0111】[高温保存性] <高温保存時の出力低下(dB)>また60℃、90%
RHで1週間保存後の再生出力は7MHzの再生出力と
同様に測定し、その低下を求めた。各サンプルを上記に
より評価した結果を表10〜13に示す。
【0112】また、B/MのBの結合剤樹脂は、硬化剤
を含むものである。
【0113】
【表10】
【0114】
【表11】
【0115】
【表12】
【0116】
【表13】
【0117】本発明の磁気記録媒体は再生出力が高く、
繰り返し走行後の出力低下も低く、高温保存での出力低
下が防止され、ガラスに対する付着性がなく、ヘッド汚
れを低減させ、目詰まりを防止し、かつカレンダー汚れ
を防止することができるが、比較例では、本発明に比べ
電磁変換特性に劣り、かつガラスに対する付着性、ヘッ
ド汚れ、目詰まり、カレンダー汚れの少なくとも何れか
が改善されないことがわかる。
【0118】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体は単層でも複層で
も非磁性支持体上の最上層に使用する強磁性金属粉末と
して、Feに対して、Caの含有量が5×10-4〜0.
2原子%、アルカリ金属の含有量が5×10-4〜0.2
原子%、且つNi原子の含有量が5×10-4〜0.4原
子%であるもの選定し、さらに好ましくはMg含量を
0.1〜3.0にしたことにより、再生出力が高く、繰
り返し走行後の出力低下も低く、高温保存での出力低下
が防止され、ガラスに対する付着性がなく、ヘッド磨耗
を抑制し、ヘッド汚れを低減させ、目詰まりを防止し、
かつカレンダー汚れを防止することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に強磁性金属粉末と結合
    剤樹脂とを主体とする磁性層を有する磁気記録媒体にお
    いて、該強磁性金属粉末は、Fe原子に対して、Caの
    含有量が5×10-4〜0.2原子%、アルカリ金属の含
    有量が5×10-4〜0.2原子%、且つNi原子の含有
    量が5×10-4〜0.4原子%であることを特徴とする
    磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記強磁性金属粉末中のMgの含有量が
    Fe原子に対して、0.1〜3.0原子%である請求項
    1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 非磁性支持体上に無機質非磁性粉末と結
    合剤樹脂を主体とする非磁性層があり、その上に強磁性
    金属粉末と結合剤樹脂とを主体とする少なくとも1層の
    磁性層を有する磁気記録媒体において、該強磁性金属粉
    末は、Feに対して、Caの含有量が5×10-4〜0.
    2原子%、アルカリ金属の含有量が5×10-4〜0.2
    原子%、且つNi原子の含有量が5×10-4〜0.4原
    子%であることを特徴とする磁気記録媒体。
JP7195748A 1995-07-10 1995-07-10 磁気記録媒体 Pending JPH0927117A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7195748A JPH0927117A (ja) 1995-07-10 1995-07-10 磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7195748A JPH0927117A (ja) 1995-07-10 1995-07-10 磁気記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0927117A true JPH0927117A (ja) 1997-01-28

Family

ID=16346320

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7195748A Pending JPH0927117A (ja) 1995-07-10 1995-07-10 磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0927117A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001143242A (ja) * 1999-11-15 2001-05-25 Toda Kogyo Corp 磁気記録媒体用針状磁性粒子粉末及び該針状磁性粒子粉末を用いた磁気記録媒体
JP2007318149A (ja) * 2007-05-25 2007-12-06 Dowa Holdings Co Ltd 強磁性粉末

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001143242A (ja) * 1999-11-15 2001-05-25 Toda Kogyo Corp 磁気記録媒体用針状磁性粒子粉末及び該針状磁性粒子粉末を用いた磁気記録媒体
JP2007318149A (ja) * 2007-05-25 2007-12-06 Dowa Holdings Co Ltd 強磁性粉末
JP4669913B2 (ja) * 2007-05-25 2011-04-13 Dowaエレクトロニクス株式会社 強磁性粉末

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7995309B2 (en) Magnetic recording medium, magnetic signal reproduction method and magnetic signal reproduction system
US5718964A (en) Magnetic recording medium
JP2004005820A (ja) 磁気記録媒体
US6663955B2 (en) Magnetic recording medium
JP2002042325A (ja) 磁気記録媒体
JP2000011352A (ja) 磁気記録媒体
JP2002025033A (ja) 磁気ディスク
US6506486B1 (en) Magnetic recording medium
JP2002170217A (ja) 磁気ディスク
JP2003263718A (ja) ディスク状磁気記録媒体
US6893747B2 (en) Magnetic tape
US7264893B2 (en) Magnetic recording medium
JP3103864B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2001283420A (ja) 磁気記録媒体
JPH0927117A (ja) 磁気記録媒体
JP4044624B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2007257713A (ja) 磁気記録媒体
US6506470B2 (en) Magnetic recording medium
JPH08306035A (ja) 磁気記録媒体
JP2002367140A (ja) 磁気記録媒体
JPH0927116A (ja) 磁気記録媒体
JP2004164770A (ja) 磁気ディスク媒体
JP2001338418A (ja) 磁気記録テープ
JP2001176050A (ja) 磁気記録媒体
JP2001325709A (ja) 磁気記録媒体