JPH09127715A - 円筒状基体、電子写真感光体とその製造方法及び画像形成装置 - Google Patents

円筒状基体、電子写真感光体とその製造方法及び画像形成装置

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JPH09127715A
JPH09127715A JP7285878A JP28587895A JPH09127715A JP H09127715 A JPH09127715 A JP H09127715A JP 7285878 A JP7285878 A JP 7285878A JP 28587895 A JP28587895 A JP 28587895A JP H09127715 A JPH09127715 A JP H09127715A
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resin
image forming
cylindrical
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cylindrical substrate
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JP7285878A
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Fumitaka Mochizuki
文貴 望月
Eiichi Sakai
栄一 坂井
Masaru Sano
勝 佐野
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工業的に効率よく生産出来、且つ表面精度、
全体強度も高く、必要により透明性も十分高い表面に導
電性層を有する画像形成装置用の円筒状基体と、その製
造方法を開発し、それを用いた電子写真感光体及び画像
形成装置を提供することにある。 【解決手段】 円筒状の型に、溶媒に導電性微粒子と樹
脂を混合して成る導電性インキを注入し、回転と熱を加
えて塗膜を形成した後、重合性液状材料を注入し、再び
回転と熱又は光を加えて重合を行った事を特徴とする画
像形成装置用の円筒状基体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置用の
円筒状基体とその製造方法及びそれを用いた電子写真感
光体と画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、代表的な画像形成記録法として電
子写真法等のごとく静電潜像を現像、定着するものがあ
る。
【0003】これらの方法を用いた画像形成装置におい
ては、静電潜像を作成、現像する工程で重要な役割をす
る静電荷像形成体(代表的には電子写真感光体であり、
以下感光体と記すこともある)が必要であり、作成され
たトナー画像を普通紙等に転写する工程で方式によって
は転写体あるいは中間転写体が必要である。
【0004】静電荷像形成体、転写体あるいは中間転写
体は、その機能を果たすために、それらの周辺に配置さ
れている帯電器、露光装置、現像装置、除電器、あるい
はクリーニング装置等との間隔、圧接状態を変えずに所
定のタイミングで、一定速度で動かなければならない。
さらに繰り返し使用のためには、1サイクルの画像形成
工程での役割が終了すれば、次の画像形成サイクルに備
えて元の状態にて元の位置へ戻らねばならない。この一
連の動きをスムーズにし、さらに感光体等の高価な部材
を効率的に使うため、実用化されている装置においては
感光体(静電荷像形成体)、転写体あるいは中間転写体
は、殆ど円筒状(ドラム状)のものが用いられている。
そして、素材としてはアルミニウム等の金属材料が用い
られていることが多い。
【0005】一方プラスチックは、上記素材として軽
量、低コストであることから好ましい材料であると考え
られるが、静電荷像形成体等を円筒状に精度良く、しか
も工業的に効率良く作製することは容易ではない。その
大きな要因は、直径30〜200mmの円筒状基体を精度
良く、簡単に作る方法が見いだせなかったことによる。
このため、従来は円筒状基体を作製後、表面を切削、研
磨する等により精度を確保せねばならず、生産性の低
下、コストアップを招いていた。又、熱や溶剤に弱い欠
点も有し、基体表面の精度以外に、強度、経時による変
形も問題となってくる。
【0006】ところが、後に詳しく説明するごとき感光
体の内部から画像露光を行う構成になっている画像形成
装置用としては、静電荷像形成体の円筒状基体は露光す
る光に対し透明でなければならず、基体素材には金属を
用いることはできない。
【0007】加えて、絶縁性である円筒状基体に透明か
つ導電性を有する層を設ける必要がある。導電性付与の
代表的な技術としてアルミニウムやITO(インジュウ
ム・ティン・オキサイド)等の金属及び金属酸化物を蒸
着又はスパッタリングする、あるいは粉末状の金属及び
金属酸化物微粒子を樹脂中に分散し、インキ状にしてコ
ーティングする等の方法が用いられる。しかし、前者の
方法を用いた場合には加熱による円筒状基体の寸法精度
を失う変形や、コストアップを起こし、後者の方式を採
用した場合には、工程数の増加とそれに伴う生産設備の
変更等の問題を生じる。
【0008】従って、内部から画像露光する画像形成方
式は、装置構成としては優れていても、実際には実用化
出来ないという問題が生じている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、工業
的に効率よく生産出来、且つ表面精度、全体強度も高
く、必要により透明性も十分高い、表面に導電性層を有
する画像形成装置用の円筒状基体とその製造方法を開発
し、それを用いた電子写真感光体及び画像形成装置を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記構
成の何れかを採ることによって達成される。
【0011】〔1〕 円筒状の型に、溶媒に導電性微粒
子と樹脂を混合して成る導電性インキを注入し、回転と
熱を加えて塗膜を形成した後、重合性液状材料を注入
し、再び回転と熱又は光を加えて重合を行った事を特徴
とする画像形成装置用の円筒状基体。
【0012】〔2〕 前記塗膜の表面抵抗値が10Ω
・cm以下である事を特徴とする〔1〕記載の円筒状基
体。
【0013】〔3〕 前記重合性液状材料が光硬化型樹
脂から成り、再び回転を加えて重合を行う時、紫外線の
光照射を行って重合を行った事を特徴とする〔1〕又は
〔2〕記載の円筒状基体。
【0014】〔4〕 前記重合性液状材料が透明であ
り、且つ光波長500〜800nmにおける塗膜の光透
過率が50%以上であることを特徴とする〔1〕、
〔2〕又は〔3〕記載の円筒状基体。
【0015】〔5〕 円筒状の型に、溶媒に導電性微粒
子と樹脂を混合して成る導電性インキを注入し、回転と
熱を加えて塗膜を形成した後、重合性液状材料を注入
し、再び回転と熱又は光を加えて重合を行った画像形成
装置用の円筒状基体上に、感光層を設けた事を特徴とす
る電子写真感光体。
【0016】〔6〕 〔5〕記載の電子写真感光体と、
その周辺に少なくも帯電器と複数色の画像形成のための
現像装置とを配置し、感光体の円筒状基体内側に露光装
置を配置してなることを特徴とする感光体上複数色画像
重ね合せ方式の画像形成装置。
【0017】〔7〕 円筒状の型に、溶媒に導電性微粒
子と樹脂を混合して成る導電性インキを注入し、回転と
熱を加えて塗膜を形成した後、重合性液状材料を注入
し、再び回転と熱又は光を加えて重合を行う事を特徴と
する画像形成装置用円筒状基体の製造方法。
【0018】前述したごとく、近年カラー画像を出力す
るための電子写真プロセスが数多く提案されている。し
かし、何れの方式もプリント速度や機器サイズ、あるい
は価格の何れかに不満な点があり、市場への本格的な普
及には至っていない。
【0019】本発明の技術は、何れの方式に対してもそ
の問題点を克服するに有効なものであるが、特に本発明
を用いる事によって表面に導電層を持つ透明円筒状基体
を、精度効率共に良く作製することが可能になり、感光
体の円筒状基体内側に露光装置を配置した感光体上複数
色画像重ね合せ方式の画像形成装置にとって有効であ
る。これにより同方式の長所を十分に発揮することが出
来る。
【0020】
【発明の実施の態様】本発明における画像形成装置用円
筒状基体の製造方法を具体的に説明すると、図1の
(a)に示すごとくである。
【0021】図1に示した製造工程において、まず導電
性微粒子を樹脂に分散した液状のインキ(例えばITO
インキ)を円筒状の型に注ぎ、これを型ごと回転させる
と共に適度に加熱させることにより、均一かつ抵抗値の
低い導電層を形成する。しかる後に、重合を促進するた
めの触媒を加えたメタクリル酸エステルモノマーを型に
注ぎ、再び型ごと回転させると共に、適度に加熱するこ
とにより均一な重合を促進する。重合終了後は冷却し、
得られた基体を型から取り出し、切断及び必要なら仕上
げ工程を経て画像形成装置用円筒状基体の完成となる。
図1の(b)に型の例を断面図としてしめす。円筒状の
型1にモノマー液を注ぎフタ2をする単純な構成であ
る。尚3は双方を絞つけるためのボルトナットである。
【0022】本発明における透明導電層の形成法は、ア
ルミニウム金属、導電性アルミナやITO等、金属ある
いは金属酸化物の微粒子と樹脂とを混合した導電性イン
キによる膜形成がその代表的なものである。該微粒子の
体積平均粒径は0.001〜2μm程度のものが用いら
れることが多い。
【0023】本発明により形成された塗膜の表面抵抗値
は各種のものが得られるが、感光体基体として用いられ
る場合は、108Ω・cm以下であり、作製がしやすい
という点から102Ω・cm以上が好ましい。又、光透
過率については感光体の感度を損なわぬため、光波長5
00〜800nmにおいて50%以上であることがのぞ
ましい。上限は高いほうが良いが、上記塗膜の表面抵抗
値との関係から90%程度が普通に採り得る値である。
導電層の厚さは0.05〜1μmの範囲が好ましい。
【0024】円筒状基体は、アルミニウムに匹敵する硬
度と光透過率90%以上、耐衝撃性能はガラスの15倍
程度に達するものが得られる。このような特性を有する
為には、基体の厚さは1mm以上、5mm以下が好まし
い。
【0025】現在広く用いられている成型法である押出
法と比べて、円筒状基体の表面にダイス傷を残さず、特
に内表面は遠心力によって得られた自然な面に成形さ
れ、ガラス面のごとき極めてスムーズな内表面を形成す
る。しかも、押出法によって得られた円筒状基体より強
度が高く、方向性のない安定した機械強度と熱変形温度
に優れている。さらに内部応力も少ないところから光を
透過した場合の不均一な光屈折が無いので、静電荷像形
成体(感光体)用円筒状基体として用い、その内部に画
像露光光源を設置する方式の画像形成装置に適用して
も、画像露光が歪む事がなく、画像性能の劣化を起こさ
ない。
【0026】重合性液状材料については、図1では、メ
タクリル酸エステルモノマーとして説明したが、具体的
にはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
スチレン、各種イミド、各種エステルあるいは塩化ビニ
ル等のモノマーの1種又はこれらの併用など、本発明の
加熱重合及び/又は光重合が可能であるものであれば何
れでも使用出来る。
【0027】これら重合性液状材料を用いることによ
り、基体のみの透過率なら光波長500〜800nmに
おける光透過率が80〜98%にも達する円筒状基体を
作製することが出来る。尚、重合時に光照射を行う場合
は、エネルギーレベルの高い紫外線領域のものを用いる
のが特に有効である。又、重合性液状材料として前記各
種のモノマーやこれらをある程度重合させた液状物が用
いられるが、これらを光硬化型モノマー又は樹脂とする
には、光重合開始剤として、例えばベンゾイン系化合物
(ベンゾイン、ベンジル、ベンゾインエーテル類でメチ
ル、エチル、イソピロピル、n−ブチル等のエーテ
ル)、ジフェニル、ジスルフィド系、又は有機過酸化物
系などを加えればよい。
【0028】つぎに、本発明の円筒状基体を静電荷像形
成体用に用いたものにつき説明する。本発明の円筒状基
体は表面が滑らかであり、特にメタクリル酸エステルの
重合体などでは、透明性が極めてよく、強度も高いの
で、基体ドラムの内側に露光装置を入れて、内側より露
光を行う機構を採用した画像形成装置用として適してい
る。
【0029】代表的なものは、円筒状基体表面に導電層
と光導電体の感光層を設けた電子写真感光体であり、感
光層を設けるには、従来用いられてきた方法を広く利用
することが出来る。
【0030】感光層の形成には、無機光導電体層を蒸着
等により形成しても良いが、有機光導電体層、特に電荷
輸送物質と電荷発生物質を双方含有する機能分離型、特
に各々を別々に重層したタイプの有機感光体を塗布して
形成することが望ましい。
【0031】電荷発生層は、電荷発生物質(CGM)を
必要に応じてバインダー樹脂中に分散させて形成され
る。CGMとしては、金属または無金属フタロシアニン
化合物、ビスアゾ化合物、トリスアゾ化合物等のアゾ化
合物、スクエアリウム化合物、アズレニウム化合物、ペ
リレン系化合物、インジコ化合物、キナクリドン化合
物、多環キノン系化合物、シアニン色素、キサンテン染
料、ポリ−N−ビニルカルバゾールとトリニトロフルオ
レノンなどからなる電荷移動錯体等が挙げられるがこれ
らに限定されるわけではない。またこれらは必要に応じ
て二種以上混合して用いてもよい。ただし本発明の目的
を最も高いレベルで達成するためには、ペリレン化合物
の一種、イミダゾールペリレン化合物や金属フタロシア
ニン化合物の一種、チタニルフタロシアニン(TiOP
c)が好ましい。
【0032】また、電荷発生層に使用可能なバインダー
樹脂としては、例えばポリスチレン樹脂、ポリエチレン
樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリメ
タクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポ
リウレタン樹脂、ポリフェノール樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリアルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
シリコーン樹脂、ポリメラミン樹脂、並びにこれら樹脂
の繰り返し単位のうち二つ以上を含む共重合体樹脂、例
えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル
−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、また高分
子有機半導体、例えばポリ−N−ビニルカルバゾール、
等が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。上
記のうちCGMとしてイミダゾールペリレン化合物を用
いた場合に好ましいバインダーとしては、ポリビニルブ
チラール樹脂が、TiOPcを用いた場合に好ましいバ
インダーとしては、ポリシリコーン樹脂及びポリビニル
ブチラール樹脂、あるいは両方を混合したものなどが挙
げられる。
【0033】電荷輸送層は、電荷輸送物質(CTM)を
単独で、あるいはバインダー樹脂とともに構成される。
CTMとしては、例えばカルバゾール誘導体、オキサゾ
ール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導
体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミ
ダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン
誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、
ヒドラゾン化合物、ピラゾリン誘導体、オキサゾロン誘
導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、
ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘
導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘
導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、
ベンジジン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポ
リ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセン
等が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。ま
たこれらは単独でも、二種以上の混合で用いてもよい。
【0034】また、電荷輸送層に使用可能なバインダー
樹脂としては、例えばポリカーボネート樹脂、ポリアク
リレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、
スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタク
リル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル
共重合体樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるわ
けではない。
【0035】また繰り返し使用した際の疲労劣化を少な
くするために、あるいは耐久性を向上させるために、感
光体の各層いずれにでも従来公知の酸化防止剤、紫外線
吸収剤、電子受容性物質、表面改質剤、可塑剤等、環境
依存性低減剤などを、必要に応じて適当量添加して用い
ることができる。
【0036】また耐久性向上のために、必要に応じて感
光層以外に中間層や保護層等の非感光層を設けてもよ
い。中間層としては、ポリアミド樹脂等の樹脂系のも
の、又は有機金属化合物とシランカップリング剤等によ
るいわゆるセラミック系の中間層が代表的なものであ
る。
【0037】又、図2の(a),(c)に示すごとく、
円筒状基体4の型に駆動用ギア部9等の部材を一体成形
することにより、後工程でこれらの部材をわざわざ取り
付けなくても、基体の成形加工時に一気に作製すること
が出来る。この基体に有機感光層を塗布した後、フラン
ジ5を圧入後、シャフト8を通じて装置内に装着した状
態を図2の(b)に示す。ここにおいて6はベアリング
部材であり、7は画像形成装置本体の筐体の側壁板を示
す。
【0038】尚、円筒状基体4は、後述図3で示す内部
に露光光学系12を有した感光体基体を示す。
【0039】図2の(c)には、フランジ5は右側のみ
とし、一方には駆動用ギア9が一体化されている。図2
の(d)には、装置内に装着された状態を示す。露光光
学系12を側壁板7上に固定した構成であり、円筒状基
体4は露光光学系12上に支持されている。
【0040】上記の加工方法については本発明の円筒状
基体を、転写体又は中間転写体ドラムの基体として用い
た場合にも無論適用出来る。
【0041】次に、本発明の円筒状基体を用いた感光体
を装着した画像形成装置の実施態様を、図3のカラー画
像形成装置を用いて説明する。
【0042】10はドラム状の静電荷像形成体である感
光体であり、以下にその作製例を示す。
【0043】1.円筒状基体の作製 ITO微粒粉末とアクリル樹脂を混合したインキ(住友
金属鉱山(株)製)をトルエンで固形分濃度30wt/
vol%に希釈した透明導電性塗料を、内径80mm、
長さ800mmの円筒状の型に注入し、型を回転させて
遠心力により型の内壁に沿って密着させながら、水蒸気
によって型全体を80℃にて約2時間加熱処理を行って
厚さ0.2μm、表面抵抗約5kΩ・cmの導電層を型
の内壁に作製した。次にメタクリル酸メチルモノマーに
重合促進のための触媒としてアゾビスイソブチルニトリ
ルを添加し、40℃に加熱しながら1時間加熱処理を行
う予備重合によって粘度100cpのシロップ状重合性
液状材料を得た。この重合性液状材料を前記の型に注入
し、水蒸気によって型全体を70℃にて約9時間加熱処
理を行って重合させた。得られた基体を0.2℃/分の
速度で室温まで冷却するアニーリング処理を行った後、
型から取り出した。得られた基体に端部の切断加工を行
って、外径80mm、長さ360mmの表面に導電性を
有する円筒状基体を2本得た。
【0044】2.感光層の塗布 〈下引層〉 チタンキレート化合物 TC−750(松本製薬(株)) 20重量部 シランカップリング剤 KBM−503(信越化学(株)) 13重量部 2−プロパノール 100重量部 を混合し、下引液とした。これを、上記透明導電性基体
上に浸漬塗布し、100℃90分間乾燥し、厚さ1.0
μmの下引層を得た。
【0045】 〈電荷発生層〉 Y型チタニルフタロシアニン 4重量部 シリコーン樹脂 KR−5240(信越化学(株)) 45重量部 2−ブタノン 100重量部 を混合し、サンドミルにて10時間分散して電荷発生層
塗布液を得た。この液を、前記下引層の上に浸漬塗布し
て厚さ0.25μmの電荷発生層を得た。
【0046】 〈電荷輸送層〉 電荷輸送物質 8重量部 ビスフェノールZ型ポリカーボネート Z−300(三菱瓦斯化学(株)) 12重量部 1,2−ジクロロエタン 100重量部 を混合、溶解し電荷輸送層塗布液を得た。この塗布液を
前記電荷発生層の上に浸漬塗布して、90℃1時間の熱
処理を行い厚さ25μm電荷輸送層を形成した。
【0047】110Y,110M,110Cおよび11
0Kはイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)
および黒(K)の各色の画像形成プロセスに用いられる
スコロトロン帯電装置で、感光体10の前述した有機感
光層に対し所定の電位の電荷を保持させるためコロナ放
電によって帯電作用を行い、感光体10に対し一様な電
位を与える。
【0048】12Y,12M,12Cおよび12Kは、
感光体10の軸方向に配列した発光素子をアレイ状に一
列に並べたFL(蛍光体発光),EL(エレクトロルミ
ネッセンス),PL(プラズマ放電),LED(発光ダ
イオード)や、光シャッタ機能をもつ素子を一列に並べ
たLISA(光磁気効果光シャッタアレイ),PLZT
(透過性圧電素子シャッタアレイ),LCS(液晶シャ
ッタ)等の露光素子と、等倍結像素子としてのセルフォ
ックレンズとによりユニットとして構成された像露光装
置である露光光学系で、別体の画像読み取り装置によっ
て読み取られた各色の画像信号がメモリより順次取り出
されて前記の露光光学系12Y,12M,12Cおよび
12Kにそれぞれ電気信号として入力される。前記の露
光光学系12Y,12M,12Cおよび12Kは何れも
円柱状の保持部材20に取り付けられて前記感光体10
の基体内部に収容される。
【0049】13Y,13M,13Cおよび13Kはイ
エロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)および黒
色(K)の各現像剤を収容する非接触現像法を用いた現
像装置である現像器で、それぞれ感光体10の周面に対
し所定の間隙を保って同方向に回転する現像スリーブ1
30Y,130M,130Cおよび130Kを備えてい
る。
【0050】前記の現像器13Y,13M,13Cおよ
び13Kは、前述したコロナ帯電装置110Y,110
M,110Cおよび110Kによる帯電,露光光学系1
2Y,12M,12Cおよび12Kによる像露光によっ
て形成される感光体10上の静電潜像を現像バイアス電
圧の印加により非接触の状態で反転現像する。
【0051】原稿画像は本装置とは別体の画像読み取り
装置において、撮像素子により読み取られた画像あるい
は、コンピュータで編集された画像を、Y,M,Cおよ
びKの各色別の画像信号として一旦メモリに記憶し格納
される。
【0052】画像記録のスタートにより感光体駆動モー
タの始動により感光体10を時計方向へと回転し、同時
にコロナ帯電装置110Yの帯電作用により感光体10
に電位の付与が開始される。
【0053】感光体10は電位を付与されたあと、前記
の露光光学系12Yにおいて第1の色信号すなわちイエ
ロー(Y)の画像信号に対応する電気信号による露光が
開始されドラムの回転走査によってその表面の感光層に
原稿画像のイエロー(Y)の画像に対応する静電潜像を
形成する。
【0054】前記の潜像は現像器13Yにより現像スリ
ーブ上の現像剤が非接触の状態で反転現像され感光体ド
ラム10の回転に応じイエロー(Y)のトナー像が形成
される。
【0055】次いで感光体ドラム10は前記イエロー
(Y)のトナー像の上にさらにコロナ帯電装置110M
の帯電作用により電位を付与され、露光光学系12Mの
第2の色信号すなわちマゼンタ(M)の画像信号に対応
する電気信号による露光が行われ、現像器13Mによる
非接触の反転現像によって前記のイエロー(Y)のトナ
ー像の上にマゼンタ(M)のトナー像が順次重ね合わせ
て形成していく。
【0056】同様のプロセスによりコロナ帯電装置11
0C、露光光学系12Cおよび現像器13Cによってさ
らに第3の色信号に対応するシアン(C)のトナー像
が、またコロナ帯電装置110K、露光光学系12Kお
よび現像器13Kによって第4の色信号に対応する黒色
(K)のトナー像が順次重ね合わせて形成され、感光体
ドラム10の一回転以内にその周面上にカラーのトナー
像が形成される。
【0057】これ等露光光学系12Y,12M,12C
および12Kによる感光体ドラム10の有機感光層に対
する露光は基体の内部より前述した透明の基体を透して
行われる。従って第2、第3および第4の色信号に対応
する画像の露光は何れも先に形成されたトナー像の影響
を全く受けることなく行われ、第1の色信号に対応する
画像と同等の静電潜像を形成することが可能となる。な
お露光光学系12Y,12M,12Cおよび12Kの発
熱による感光体ドラム内の温度の安定化及び温度上昇の
防止は、前記保持部材20に熱伝導性の良好な材料を用
い、低温の場合はヒータを用い、高温の場合はヒートパ
イプを介して外部に放熱する等の措置を講ずることによ
り支障のない程度迄抑制することができる。また現像器
13Y,13M,13Cおよび13Kによる現像作用に
際しては、それぞれ現像スリーブ130Y,130M,
130Cおよび130Kに対し直流、あるいは、さらに
交流を加えた現像バイアスが印加され、現像器の収容す
る一成分或いは二成分現像剤によるジャンピング現像が
行われて、透明電導層を接地する感光体10に対してト
ナーと同極性の直流バイアスを印加して、露光部にトナ
ーを付着させる非接触の反転現像が行われるようになっ
ている。
【0058】かくして、感光体ドラムの周面上に形成さ
れたカラーのトナー像は、転写器14aにおいて、給紙
カセット15より送り出しローラ15aにより送り出さ
れ、搬送ローラ対15b、15cによりタイミングロー
ラ16へ搬送され、タイミングローラ16の駆動によっ
て、感光体10上のトナー像と同期して給紙される転写
材である転写紙Pに転写される。
【0059】トナー像の転写を受けた転写紙Pは、除電
器14bにおいては帯電の除去を受けてドラム周面より
分離した後、搬送駆動ローラ14c、従動ローラ14d
間に張り渡された搬送ベルト14eにより定着装置17
へ搬送される。定着装置17において定着ローラ17
a、圧着ローラ17b間で加熱・圧着されトナーを転写
紙P上に溶着・定着したのち、定着出口ローラ対17d
により定着装置17より排出され、排紙搬送ローラ対1
8aにより搬送されて排紙ローラ18を介して装置上部
の排紙トレイ200上に排出されたが、上述した本発明
の感光体基体を用いたものは鮮明で極めて良好な画像が
得られた。
【0060】一方、転写紙を分離した感光体10はクリ
ーニング装置19においてクリーニングブレード19a
によって感光体10面を摺擦され残留トナーを除去、清
掃されて原稿画像のトナー像の形成を続行するかもしく
は一旦停止して新たな原稿画像のトナー像の形成にかか
る。クリーニングブレード19aによって掻き落とされ
た廃トナーは、トナー搬送スクリュウ19bによって、
図示せぬ廃トナー容器へと排出される。
【0061】この画像形成プロセスによりえられた画像
は、感光体ドラム1回転により重ね合せカラー画像が得
られるので、極めて画像作製が高速であり、しかも解像
力、鮮鋭度の優れたものであった。
【0062】前記の感光体10は、露光光学系をその内
部に収める関係から、ドラムの径が比較的小さくとも、
その外周面に、前述した複数のコロナ帯電装置110
Y,110M,110Cおよび110K、現像器13
Y,13M,13Cおよび13K等を配設することが可
能であって、外径が30mmないし150mmの小径の
ドラムの使用によって装置の容積をコンパクトにするこ
とが出来る。
【0063】
【発明の効果】本発明により、工業的に効率よく生産出
来、且つ表面精度、全体強度も高く、必要により透明性
も十分高い表面に導電性層を有する画像形成装置用の円
筒状基体とその製造方法を開発し、それを用いた電子写
真感光体及び画像形成装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置用円筒状基体の製造方法
工程図。
【図2】本発明の一態様としてのギア部を一体化した円
筒状基体の断面図。
【図3】本発明の画像形成装置の断面図。
【符号の説明】
10 感光体 12Y,12M,12C,12K イエロー,マゼン
タ,シアン,黒の露光光学系(露光装置) 13Y,13M,13C,13K イエロー,マゼン
タ,シアン,黒の現像装置 110Y,110M,110C,110K イエロー,
マゼンタ,シアン,黒のコロナ帯電装置 15 給紙カセット 16 タイミングローラ 17 定着装置 19 クリーニング装置 P 転写紙

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状の型に、溶媒に導電性微粒子と樹
    脂を混合して成る導電性インキを注入し、回転と熱を加
    えて塗膜を形成した後、重合性液状材料を注入し、再び
    回転と熱又は光を加えて重合を行った事を特徴とする画
    像形成装置用の円筒状基体。
  2. 【請求項2】 前記塗膜の表面抵抗値が108Ω・cm
    以下である事を特徴とする請求項1記載の円筒状基体。
  3. 【請求項3】 前記重合性液状材料が光硬化型樹脂から
    成り、再び回転を加えて重合を行う時、紫外線の光照射
    を行って重合を行った事を特徴とする請求項1又は2記
    載の円筒状基体。
  4. 【請求項4】 前記重合性液状材料が透明であり、且つ
    光波長500〜800nmにおける塗膜の光透過率が5
    0%以上であることを特徴とする請求項1、2又は3記
    載の円筒状基体。
  5. 【請求項5】 円筒状の型に、溶媒に導電性微粒子と樹
    脂を混合して成る導電性インキを注入し、回転と熱を加
    えて塗膜を形成した後、重合性液状材料を注入し、再び
    回転と熱又は光を加えて重合を行った画像形成装置用の
    円筒状基体上に、感光層を設けた事を特徴とする電子写
    真感光体。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の電子写真感光体と、その
    周辺に少なくも帯電器と複数色の画像形成のための現像
    装置とを配置し、感光体の円筒状基体内側に露光装置を
    配置してなることを特徴とする感光体上複数色画像重ね
    合せ方式の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 円筒状の型に、溶媒に導電性微粒子と樹
    脂を混合して成る導電性インキを注入し、回転と熱を加
    えて塗膜を形成した後、重合性液状材料を注入し、再び
    回転と熱又は光を加えて重合を行う事を特徴とする画像
    形成装置用円筒状基体の製造方法。
JP7285878A 1995-11-02 1995-11-02 円筒状基体、電子写真感光体とその製造方法及び画像形成装置 Pending JPH09127715A (ja)

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