JPH11143292A - 電子写真用感光体及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真用感光体及び画像形成装置

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JPH11143292A
JPH11143292A JP30427697A JP30427697A JPH11143292A JP H11143292 A JPH11143292 A JP H11143292A JP 30427697 A JP30427697 A JP 30427697A JP 30427697 A JP30427697 A JP 30427697A JP H11143292 A JPH11143292 A JP H11143292A
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JP
Japan
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light
image
cylindrical
layer
substrate
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Application number
JP30427697A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Tokimatsu
宏行 時松
Satoru Haneda
哲 羽根田
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 像露光光や装置本体の端部よりの入射光や機
内の給送部等よりの反射光の基体を通しての内部への入
射を防止し、感光体の除電や光劣化が防止される電子写
真用感光体と、これを用いた画像ボケのない画像形成装
置を提供すること。 【解決手段】 電子写真用感光体の内部に、円筒状基体
の内壁に沿って弾性のある遮光部材を設けることを特徴
とする電子写真用感光体及びこれを用いた画像形成装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリン
タ、FAX等のに用いられる円筒状の電子写真用感光体
とこれを用いた電子写真方式の画像形成装置とに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機、プリンタ、FAX等の画
像形成装置に用いられる円筒状(ドラム状)の電子写真
用感光体の基体としては、真円度や強度を保証するため
アルミニウム等の金属材料を用いて作られているものが
多い。
【0003】一方、プラスチックは、軽量、低コスト等
から好ましい材料であると考えられるが、電子写真用感
光体を精度良く、しかも工業的に効率良く製造すること
は容易ではない。その大きな要因は、直径50〜200
mmの円筒状の基体を、画像形成に必要とされる30μ
m程度の円筒度、真円度で精度良く、簡単に作る方法が
見いだせなかったことによる。このため、従来は円筒状
基体を成型後、表面を切削、研磨する等により精度を確
保せねばならず、生産性の低下、コストアップを招いて
いた。また、熱や溶剤に弱い欠点も有し、基体表面の精
度以外に、強度、経時変化も問題となる。
【0004】上記の電子写真用感光体のプラスチックを
用いた透光性の円筒状基体として、円筒状の型に、プラ
スチック材料モノマーを合成し、重合させるための触媒
を添加した後、円筒状の型に注ぎ、これを高速に回転さ
せると共に、適度に加熱することにより均一な重合を促
進させ、重合後冷却して、透光性の円筒状基体を製造す
る方法と、この円筒状基体に感光体層として二層構成の
有機感光層を用いた電子写真用感光体を本願発明者らが
特開平9−114105号公報にて提案した。
【0005】一方、多色のカラー画像を形成する方法の
1つとして、1つの感光体(電子写真用感光体)の一回
転以内に各色毎の帯電、像露光ならびに現像を順次行っ
てカラー画像を形成するカラー画像形成装置が知られて
いる。
【0006】しかし前記のカラー画像形成装置は、多色
のカラー画像を形成する方法としては、高速の画像形成
を可能とするものの、感光体の一回転内に帯電手段、像
露光手段と現像手段を複数組配設する必要があること、
像露光手段が近接する現像手段から洩れるトナーによっ
て汚れて画質を損なうおそれがあり、これを避けるため
像露光手段と現像手段の間隔を大きくとる必要があるこ
とから必然的に感光体の径が大きくなって装置を大型化
する欠点がある。この欠点を避ける目的から、感光体の
基体を透明の素材によって形成し、その内部に複数の像
露光手段を収容して、画像を前記基体を通してその外周
に形成した感光体層に露光する形態の装置が、例えば、
特開平5−307307号公報によって提案されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
二層構成の有機感光層を有する透光性の円筒状基体を用
いると、有機感光層に用いられる薄い電荷発生層は特に
透光性が高いことから、像露光光や装置本体の端部より
の入射光や機内の給送部等よりの反射光が基体を通して
内部に入射され、感光体の除電が行われてしまったり、
感光体の光劣化を起こすという問題が生じ、これを用い
た上記提案による画像形成装置においては、像露光光や
装置本体の端部よりの入射光や機内の給送部等よりの反
射光が基体を通して内部へ入射することにより、画像ボ
ケが起こるという問題が生じる。
【0008】この入射光を防止する対策として、基体材
料に遮蔽部材を入れて成型すると、多量に入れる必要が
あることから、混練が必要となりコストアップとなった
り、特性が変化し高精度がでなくなる。また基体の物性
が変化し感光体特性が変動するという問題が生じる。同
様な問題が感光体層の導電層についても生じる。
【0009】本発明はこの点を解決すべく改良した結
果、像露光光や装置本体の端部よりの入射光や機内の給
送部等よりの反射光の基体を通しての内部への入射を防
止し、感光体の除電や光劣化が防止される電子写真用感
光体と、これを用いた画像ボケのない画像形成装置を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、透光性の円
筒状基体と、前記円筒状基体の外周面に設けられた感光
体層とを有する電子写真用感光体において、前記電子写
真用感光体の内部に、前記円筒状基体の内壁に沿って弾
性のある遮光部材を設けることを特徴とする電子写真用
感光体によって達成される(第1の発明)。
【0011】また、上記目的は、円筒状の電子写真用感
光体の外周辺に帯電手段、現像手段及び像露光手段を配
設し、前記電子写真用感光体に対し前記帯電手段による
帯電と前記像露光手段による像露光での潜像の形成と前
記現像手段による前記潜像の現像とによりトナー像を形
成する画像形成装置において、前記電子写真用感光体が
透光性の円筒状基体と感光体層とを有すると共に、前記
電子写真用感光体の内部に、前記円筒状基体の内壁に沿
って弾性のある遮光部材を設けることを特徴とする画像
形成装置によって達成される(第2の発明)。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。なお、本願の記載は請求項の技術的範囲や用語の
意義を限定するものではない。また、以下の、本発明の
実施の形態における断定的な説明は、ベストモードを示
すものであって、本発明の用語の意義や技術的範囲を限
定するものではない。
【0013】本発明にかかわる電子写真用感光体の透光
性の円筒状基体としては、光学ガラスやプラスチックを
材料とする円筒状基体が用いられるが、以下にプラスチ
ックを材料とする透明な円筒状基体と、これを用いた電
子写真用感光体とについて説明する。
【0014】本発明にかかわる電子写真用感光体のプラ
スチックを材料とする透光性の円筒状基体の製造方法を
図1及び図2を用いて説明する。図1は、電子写真用感
光体の円筒状基体の製造方法の工程を示す図であり、図
2は、図1の製造装置の一実施例を示す断面図である。
【0015】図2の製造装置で、101は円筒部で内面
は研磨されて良好で高精度の円筒面を形成している。1
02は右蓋、103は左蓋であり、左右蓋103,10
2で円筒部101を左右より挟み、ネジ151によりネ
ジ止めして型100が構成され、挟んだ状態では型10
0内側にある液体は漏れないようになっている。102
bは注入口で注入口102bから重合性液状材料を注入
する。102cは温度計で型101内部の温度が測定さ
れる。
【0016】左蓋103の円筒部103aに予めフラン
ジ部材としての左フランジ10aの中心孔が嵌込まれ、
また、右蓋102の円筒部102aに予めフランジ部材
としての右フランジ10bの中心孔が嵌込まれて型10
0が組立てられる。
【0017】型100の円筒部101を挟んだ左右蓋1
03,102に設けられた軸103d,102dがベア
リング固定台H上に設けられたベアリングB1,B2に
挟み込まれ、型100が回転可能にベアリング固定台H
上に装着される。また、型100が装着されたベアリン
グ固定台Hが加熱炉としてのスチームチェンバSC内に
挿入される。
【0018】軸103dに固定されたタイミングプーリ
TPにタイミングベルトTBが掛けられ、不図示の駆動
モータの駆動によりタイミングベルトTBが駆動回転さ
れて、ベアリングB1,B2を受けとして型100が高
速に回転される。
【0019】スチームチェンバSCに設けられた吸気口
SC1よりスチームがスチームチェンバSC内に送り込
まれ型100を加熱、成型した後、スチームが排気口S
C2より排気される。
【0020】また、透光性の円筒状基体である円筒状プ
ラスチック基体1の成型後は吸気口SC1より冷気がス
チームチェンバSC内に送り込まれ型100を冷却した
後、冷気が排気口SC2より排気される。
【0021】成型後、スチームチェンバSCを外しベア
リング固定台Hより型100を取外し、左右蓋103,
102を取外し、左右のフランジ部材としての左右フラ
ンジ10a,10bが一体成型された透光性の円筒状プ
ラスチック基体1が取出される。
【0022】成型は以下に説明する遠心重合法による。
【0023】図1に示す製造工程において、まず、重合
性液状材料例えばメタクリル酸メチルエステルモノマー
を合成し、これを速やかに重合させるため触媒を添加し
て粘度が10cp以上400cp以下の状態に調整し、
円筒状の型100に注ぐ。
【0024】粘度10cp以下では液状材料を型100
に注入する工程での液ダレや液での重合度が低い為硬化
に時間がかかり生産性が悪い。一方400cp以上では
粘度が高すぎて注入のムラが起こったり気泡が抜けにく
い。
【0025】この円筒状の型100は内径が50mm以
上200mm以下で、長さが200mm以上2000m
m以下であることが必要である。
【0026】内径50mm以下では円筒状プラスチック
基体1と型100との剥離が困難であり、内径200m
m以上では剥離時に型100と円筒状プラスチック基体
1の熱膨張率の違いから起こる変形が大きく特に真円度
が悪くなる。長さ200mm以下では通常の画像形成に
大きさが不足し、2000mm以上では冷却後型100
より円筒状プラスチック基体1を剥離する際に変形が起
こり長さ方向に均一性を欠くようになり特に真直度が低
下する。
【0027】不図示の駆動モータを回転させ型100を
回転させると共に、適度に加熱することにより均一な重
合を促進する。重合終了後、更にその温度にて円筒状プ
ラスチック基体全体の歪の除去のためのアニール処理を
行う。一定時間のアニール処理の後、吸気口SC1より
冷気がスチームチェンバSC内に送り込まれ型100を
冷却した後、排気口SC2より排気され、冷気により円
筒状プラスチック基体1を冷却する。
【0028】この際、冷気による冷却が型100の一方
側、本実施形態においては図2に示す吸気口SC1の設
けられた右側より左側に向かって行われ、円筒状プラス
チック基体1の外周表面の剥離が右側より左側に向かっ
て徐々に行われ、剥離時の内部応力が右側より左側に向
かって一様に加わってゆき、内部応力歪による凹凸や皺
等が発生することなく表面性が一様で高精度の真円度が
維持されて円筒状プラスチック基体1が冷却、剥離され
る。
【0029】円筒状プラスチック基体1が剥離された
後、スチームチェンバSCを外しベアリング固定台Hよ
り型100を取外し、左右フランジ10a,10bが一
体成型された円筒状プラスチック基体1を型100から
取り出し、仕上げ工程としてバフ研磨を行い、必要に応
じて再度アニール処理を行い電子写真用感光体(像形成
体ともいう)に用いられる左右フランジ10a,10b
が一体成型された円筒状プラスチック基体1が完成され
る。左右フランジ10a,10bが一体成型されて完成
された円筒状プラスチック基体1に後述するOPC(有
機感光層)の塗布が行われて、後述する電子写真方式の
画像形成装置(図5に示す)に用いられる像形成体とし
ての感光体ドラム10が形成される。OPC塗布後の乾
燥時の加熱をバフ研磨後のアニールに代えてもよい。
【0030】上記に基づいた本発明の製造方法により真
円度、真直度等の寸法精度の良く、表面性が一様で円筒
度、真円度とも10μm〜30μm以内の高精度の透光
性の円筒状基体(円筒状プラスチック基体)が得られ、
左右のフランジ部材のそれぞれの中心孔を回転中心とし
て回転される際の円筒状プラスチック基体の外周面の振
れも30μm以下とされ、フランジ部材により位置出し
される像形成体の回転振れが極めて小さく押さえられる
が、図1の点線にて示すように、必要に応じて旋盤によ
る端部加工や、更に、外周面を基準として左右のフラン
ジ部材の中心孔の切削加工を施すことにより一層回転振
れを少なくして生産することができる。再度アニール処
理を行い像形成体の左右のフランジ部材が一体成型され
た円筒状プラスチック基体が完成され、完成された円筒
状プラスチック基体にOPC(有機感光層)の塗布が行
われて、後述する画像形成装置用の像形成体としての左
右のフランジ部材が一体成型された電子写真用感光体が
形成される。OPC塗布後の乾燥時の加熱を旋盤加工後
のアニールに代えてもよい。
【0031】また、必要に応じて官能性モノマーや架橋
剤を添加して熱硬化させてやると耐熱性や耐溶剤性が更
に向上してOPCの塗布や乾燥時の溶剤や熱の影響によ
る寸法精度の悪化をより少なくすることができる。
【0032】かかる製造工程によって得られた透光性の
円筒状プラスチック基体は、内部歪みもなく、アルミニ
ウムに匹敵する硬度と光透過率90%以上、耐衝撃性能
はガラスの15倍程度に達するものが得られる。
【0033】上記の遠心重合法は現在広く用いられてい
る成型法である押出法と比べて、円筒状プラスチック基
体の表面にダイス傷を残さず、特に内表面は遠心力によ
って得られた自然な面に成形され、ガラス面のごとき極
めてスムーズな内表面を形成する。しかも、押出法によ
って得られた円筒状プラスチック基体より強度が高く、
方向性のない安定した機械強度と熱変形温度に優れてい
る。さらに内部応力も少ないところから光を透過した場
合の不均一な光屈折が無いので、像形成体(感光体ドラ
ム)用の透明な円筒状プラスチック基体として用い、そ
の内部に画像露光光源を設置する方式の画像形成装置に
適用しても、画像露光が歪む事がなく、画像性能の劣化
を起こさない。円筒状プラスチック基体の透明とは基体
内部に配設され像露光を行う画像形成装置の像露光手段
の像露光光に対して透光性を有することである。
【0034】遠心重合によって成型される透光性の円筒
状プラスチック基体の素材としては、上記のごとくメタ
クリル酸メチルエステルモノマーを用い重合したもの
が、透光性、強度、精度、表面性等において最も良い
が、その他ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸
ブチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチ
ル、ポリスチレン、ポリイミド、ポリエステルあるいは
ポリ塩化ビニル等、又はこれらの共重合体などが使用さ
れ得る。遠心重合法では真円度が成型に用いられる型で
決まるので、高精度の円筒状プラスチック基体を得るこ
とができる。また、偏肉は重合時の回転ムラや粘度や重
合時の加熱条件で変化する。更に、ポリブチレンテレフ
タレート(PBT),ポリエチレンテレフタレート(P
ET),ポリフェニレンスルフィド(PPS),ナイロ
ンなどのエンジニアリングプラスチックの成型品が金属
材料の代替えとして用いられつつある。
【0035】型100により成型される、円筒状プラス
チック基体の内径が50〜200mmであることが、後
述する画像形成装置においての、像形成体用基体として
好ましく、50mm未満であると、該円筒状プラスチッ
ク基体を用いた像形成体の内部に配置される複数の像露
光手段が入らなかったり、像形成体の外周に設けられる
複数の現像手段や帯電手段等が配置できない。200m
mを越えると、複数の現像手段やクリーニング装置の押
圧により円筒状プラスチック基体が変形される。
【0036】また、基体の厚さは1mm以上、5mm以
下が好ましく、基体の厚さが1mm未満で薄いと、電子
写真用基体として強度が不十分で、変形や破損を生じ易
く、また、重合が局所的に進み厚さムラが生じる。5m
mを越えて厚いと、均一な素管形成が困難である。円筒
状プラスチック基体の真円度は後述する等倍結像素子の
焦点深度より100μm以下が要求されるが、円筒状プ
ラスチック基体の厚さが厚いと円筒状プラスチック基体
の厚さムラが大きくなり(真円度のバラツキが大きくな
り)100μmを越えてしまい、等倍結像素子の焦点深
度内に収まらない。
【0037】また、上記の遠心重合方法において、型1
00の内径により成型される円筒状プラスチック基体の
素管の外径と材料となる重合性液状材料の条件は、円筒
状プラスチック基体の外径が50〜200mmであり、
重合性液状材料の液粘度が10〜300ミリパスカル・
秒の重合性液状材料を用いて成型することが好ましい。
液粘度が10ミリパスカル・秒未満より低いと、回転す
る型100の円筒上部に付着する液が下部に垂れたり流
れたりしてしまい、内壁が均一にならない。液粘度が3
00ミリパスカル・秒を越えて高いと、回転時に液の重
合の不均一さにより液面が変化せず、厚みムラが生じ厚
さが不均一となる。
【0038】上記の図2の遠心重合方法による透光性の
円筒状基体の製造方法において、フランジ部材を一体と
して成型したが、フランジ部材を一体とせずに円筒状基
体のみを成型するものでもよく、以下図2の装置により
遠心重合方法を用いて円筒状基体の成型後にフランジ部
材を取付け、電子写真用感光体を形成するものについて
説明する。
【0039】次に、上記透光性の円筒状基体を用いた本
発明の電子写真用感光体の構成を図3または図4を用い
て説明する。図3は、本発明にかかわる電子写真用感光
体の構成の一実施例を示す断面図であり、図4は、電子
写真用感光体の斜視図である。
【0040】図3または図4によれば、電子写真用感光
体(像形成体ともいう)としての感光体ドラム10は、
図1にて説明した遠心重合によって成型された透明なプ
ラスチックの円筒状基体としての円筒状プラスチック基
体1と、円筒状プラスチック基体1の外周面に形成され
た導電層2と、導電層2の外周に形成された光導電性の
感光体層としての有機感光層(OPC)3とにより構成
される。
【0041】前述した円筒状プラスチック基体1の素材
として、メタクリル酸メチルエステルモノマーを用い重
合したものが、透光性、強度、精度、表面性等において
最も良いが、その他ポリメタクリル酸エチル、ポリメタ
クリル酸ブチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル
酸ブチル、ポリスチレン、ポリイミド、ポリエステルあ
るいはポリ塩化ビニル等、又はこれらの共重合体などの
プラスチック部材が使用され、更に、ポリブチレンテレ
フタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ナ
イロンなどのエンジニアリングプラスチックの成型品が
金属材料の代替えとして用いられる。
【0042】導電層2としては、インジウム錫酸化物
(ITO)、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、アルミ
ナ、ヨウ化銅や、Au、Ag、Ni、Alなどからなる
導電性微粒子と樹脂とを混合した透明な導電性樹脂溶液
が用いられ、成膜法としては、浸漬塗工法、スプレー塗
布法などが好ましく利用される。透明な導電層2の膜厚
は1〜5μmが好ましい。
【0043】導電層2の透光性を高めるには、導電層2
を構成する微粒子の径の大きさを、像露光による光散乱
が殆どないレイリー散乱(波長の10分の1以下の径の
大きさの微粒子による散乱)領域の、600オングスト
ローム以下に制御することが望ましい。導電性微粒子の
構成素材として、1次粒子径が600オングストローム
以下の微粒子を用い、かつ、中心半径を100オングス
トローム以下に制御することが透光性に加え、液の分散
安定性から好ましい。
【0044】光導電体感光層としての有機感光層3は、
電荷発生物質(CGM)を主成分とする電荷発生層(C
GL)4と電荷輸送物質(CTM)を主成分とする電荷
輸送層(CTL)5とに機能分離された二層構成の感光
層とされる。二層構成の有機感光層は、CTLが厚いた
めに有機感光層としての耐久性が高く本発明に適する。
なお有機感光層3は、電荷発生物質(CGM)と電荷輸
送物質(CTM)を1つの層中に含有する単層構成とさ
れてもよく、該単層構成又は前記二層構成の感光層に
は、通常バインダー樹脂が含有される。
【0045】前記二層構成の有機感光層を有する感光体
ドラムにおいて、CGL4に含有されるCGMとして
は、金属または無金属フタロシアニン化合物、ビスアゾ
化合物、トリスアゾ化合物等のアゾ化合物、スクエアリ
ウム化合物、アズレニウム化合物、ペリレン系化合物、
インジコ化合物、キナクリドン化合物、多環キノン系化
合物、シアニン色素、キサンテン染料、ポリ−N−ビニ
ルカルバゾールとトリニトロフルオレノンなどからなる
電荷移動錯体等が挙げられるがこれらに限定されるわけ
ではない。またこれらは必要に応じて二種以上混合して
用いてもよい。ただし本発明の目的を最も高いレベルで
達成するために、LED,LD等の光源光に感光性を有
するアゾ系顔料、アズレニウム顔料、フタロシアニン系
顔料、ペリレン系顔料が用いられ、なかでも赤外光(6
00nm〜850nm)に感光するOPC感光体のCG
Mとしては、銅フタロシアニン顔料やチタニルフタロシ
アニン(TiOPc)顔料等が好ましく用いられる。
【0046】CGL4に用いられるバインダー樹脂とし
ては、例えばポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポ
リプロピレン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリメタクリル
樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ
ビニルブチラール樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ポリフェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリシリコー
ン樹脂、ポリメラミン樹脂、並びにこれら樹脂の繰り返
し単位のうち二つ以上を含む共重合体樹脂、例えば塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、また高分子有機半
導体、例えばポリ−N−ビニルカルバゾール等が挙げら
れるがこれらに限定されるわけではない。上記のうちC
GMとしてイミダゾールペリレン化合物を用いた場合に
好ましいバインダーとしては、ポリビニルブチラール樹
脂が、TiOPcを用いた場合に好ましいバインダーと
しては、ポリシリコーン樹脂及びポリビニルブチラール
樹脂、あるいは両方を混合したものなどが挙げられる。
ポリビニルブチラール樹脂又はポリカーボネート樹脂は
感度、繰り返し使用時の電位変化等において優れる。こ
れらのバインダー樹脂は、単独であるいは2種以上の混
合物として用いることができる。
【0047】CGL4の形成に用いられる溶媒あるいは
分散媒としては、ケトン系又はハロゲン系溶剤が好まし
く用いられ、感度、繰り返し使用時の電位変化等が更に
良好となる。また、これらの溶媒は単独あるいは2種以
上の混合溶媒として用いることもできる。
【0048】CGL4中のCGMとバインダー樹脂との
重量比は100:1〜1000とされ、該CGL4の膜
厚は0.01〜10μmとされ、該CGL4の形成のた
めの塗布方法としては、ブレード塗布、ワイヤーバー塗
布、スプレー塗布、ディップ塗布、スライドホッパー塗
布等の各塗布方法がある。
【0049】次に前記CTL5に含有されるCTMとし
ては、ヒドラゾン系化合物、スチリル系化合物、ベンジ
ジン系化合物、スチルベン系化合物等が用いられ、例え
ばカルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジ
アゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘
導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミ
ダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾ
リジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピ
ラゾリン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾ
ール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、
アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベ
ン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジア
ミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ポ
リ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレ
ン、ポリ−9−ビニルアントラセン等が挙げられるがこ
れらに限定されるわけではない。またこれらは単独で
も、二種以上の混合で用いてもよい。
【0050】前記CTL5に用いられるバインダー樹脂
としては、広範囲な絶縁性樹脂から適時選択して使用す
ることができ、例えばポリカーボネート樹脂、ポリアク
リレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、
スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタク
リル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル
共重合体樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるわ
けではない。また、好ましい結着樹脂としては、シリコ
ン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹
脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の絶
縁性樹脂を挙げることができ、これらの結着樹脂は単独
あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0051】バインダー樹脂とCTMとの配合比は1:
10〜500とされ、さらには1:20〜150が好ま
しい。CTL5の膜厚は1:100μmとされるが、さ
らに5〜50μmが好ましい。
【0052】塗布方法としては、CGLと同様な方法を
用いることができる。
【0053】又、有機感光層3と導電層2との間に必要
により中間層が設けられるが、中間層としては、例えば
塩ビ酢ビ共重合体、塩ビ酢ビマレイン酸共重合体、エチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、共重合タ
イプ若しくは変性タイプのアルコール可溶性ポリアミド
樹脂等の0.01〜2μm厚の樹脂層とされる。
【0054】6は遮光部材であり、図1にて説明した遠
心重合によって成型された透明な円筒状プラスチック基
体1と、円筒状プラスチック基体1の外周面に形成され
た導電層2と、光導電性の感光体層としての有機感光層
(OPC)3とによて構成された電子写真感光体として
の感光体ドラム10の内周面に、感光体ドラム10の外
側より照射される像露光光の透過や使用される画像形成
装置の機外からの光の透過を防止するために設けたもの
である。
【0055】遮光部材6としては、感光体ドラム10の
内周面に、機外からの光や像露光光を内部に透過しない
遮蔽性のある部材で、図4に示すように弾性のあるシー
ト状の、例えば黒色の紙または黒色のフィルムや感光体
ドラム10と接する面に黒色の塗装を施した厚さの薄い
金属板や厚さの薄い黒色のプラスチック板等が、さらに
好ましくは非光沢表面としたものが用いられ、感光体ド
ラム10の内部に遮光部材6を挿入し、円筒状プラスチ
ック基体1の内壁部に接触又は近接して遮光部材6を配
設し、感光体ドラム10の両端に感光体ドラム10を支
持する左右フランジ10a,10bを嵌め込み、感光体
ドラム10を形成したものである。シート状の部材は弾
性があることから感光体ドラム10の内側で広がろうと
するので、特に該部材の固定手段を設けなくとも、内周
面に均一に密着する。また感光体ドラム10を回転させ
てもずれることがない特徴を有する。
【0056】上記の遮光部材により像露光光や装置本体
の端部よりの入射光や機内の給送部等よりの反射光の基
体を通しての電子写真用感光体の内部への入射が防止さ
れ、電子写真用感光体の除電や光劣化が防止される。ま
た該電子写真用感光体を用いることにより後述する画像
形成装置において、像露光光や装置本体の端部よりの入
射光や機内の給送部等よりの反射光の基体を通しての内
部への入射が防止されて、画像ボケのない画像形成装置
が提供される。
【0057】前記の製造方法によって造られた透光性の
円筒状基体(円筒状プラスチック基体)を用いることに
より、肉厚が均一で、円筒状の基体の円筒度、真円度に
優れ、後述する電子写真用感光体の内部よりの像露光光
の焦点ズレのない電子写真用感光体が提供される。
【0058】また繰り返し使用した際の疲労劣化を少な
くするために、あるいは耐久性を向上させるために、感
光体ドラムの各層いずれにでも従来公知の酸化防止剤、
紫外線吸収剤、電子受容性物質、表面改質剤、可塑剤
等、環境依存性低減剤などを、必要に応じて適当量添加
して用いることができる。
【0059】また耐久性向上のために、必要に応じて感
光層以外に保護層等の非感光層を設けてもよい。
【0060】上記の如く、電子写真用感光体の円筒状基
体として透光性のプラスチックを用いたものが好ましい
が、その他光学ガラスを円筒状基体として用い電子写真
用感光体としたものでもよい。
【0061】これらの透光性の円筒状基体は従来からあ
る電子写真方式の複写機、プリンタに搭載することで良
好な画像が得られ、特に寸法精度が不良の場合におこる
濃度ムラ、色ムラのない画像が得られる。
【0062】また上記の如くに、光学ガラスを用いた
り、プラスチックの原材料を適正に選ぶことで、特にプ
ラスチックの場合、重合性液状材料として前記のメタク
リル酸エステルを含むことによって透光性の良い円筒状
プラスチック基体を得ることができる。これは次に説明
する像形成体の内部から露光する画像形成装置に適用し
て良好な画像を得ることができる円筒状プラスチック基
体であって、該円筒状プラスチック基体の周面に感光層
を設けて電子写真用感光体とし、該電子写真用感光体上
に内部露光を行って画像形成がなされるようにした本発
明の画像形成装置は、本発明による電子写真用感光体を
用いることで優れた特性を有するようになる。
【0063】次に、本発明にかかわる電子写真用感光体
を用いた画像形成装置の一実施形態について、図5を用
いて説明する。図5は、先に説明した透光性の円筒状基
体で作製した電子写真用感光体を適用した画像形成装置
の一例を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
【0064】図5によれば、像形成体(電子写真感光体
ともいう)である感光体ドラム10は、例えば透光性の
光学ガラスや前述した透光性の高いポリメチルメタアク
リル酸エステル重合体樹脂によって形成される円筒状
(ドラム状)の基体の外周面に導電層、電荷発生層と電
荷輸送層とからなる機能分離型有機感光体層(OPC)
を形成したものである。感光体ドラム10は、図示しな
い駆動源からの動力により透光性の導電層を接地された
状態で支軸51を中心として図1の矢印で示す時計方向
に感光体ドラム10が回転される。
【0065】帯電手段としてのスコロトロン帯電器1
1、像露光手段としての露光ユニット12、現像手段と
しての現像器13は、それぞれ、イエロー(Y)、マゼ
ンタ(M)、シアン(C)及び黒色(K)の各色の画像
形成プロセスに用いられ、本実施形態においては、図1
の矢印にて示す感光体ドラム10の回転方向に対して、
Y,M,C,Kの順に配置される。
【0066】円筒状の感光体ドラム10の外側に、感光
体ドラム10を囲むように、感光体ドラム10と同心円
状に円筒状の支持部材50が設けられ、円筒状の支持部
材50に上述した各色毎のスコロトロン帯電器11、各
色毎の露光ユニット12、各色毎の現像器13及びクリ
ーニング手段としてのクリーニング装置19がそれぞれ
取り付けられる。
【0067】各色毎の帯電手段としてのスコロトロン帯
電器11は、コロナ放電電極(符号なし)とシールド部
材であるコの字状のサイドプレート(符号なし)とが取
り付けられ、更にサイドプレートに制御グリッド(符号
なし)が取り付けられて構成され、感光体ドラム10の
移動方向に対して直交する方向(図1において紙面垂直
方向)に感光体ドラム10と対峙し近接して取り付けら
れる帯電部材である。このスコロトロン帯電器11は、
トナーと同極性(本実施形態においてはマイナス極性)
のコロナ放電を行うコロナ放電電極と、感光体ドラム1
0の前述した有機感光体層に対し所定の電位に保持され
た制御グリッドとによって帯電作用(本実施形態におい
てはマイナス帯電)を行い、感光体ドラム10に対し一
様な電位を与える。
【0068】各色毎の像露光手段としての露光ユニット
12は、感光体ドラム10上での露光位置が各色毎のス
コロトロン帯電器11に対して感光体ドラム10の回転
方向下流側になるようにして、感光体ドラム10の内部
に配置される。各色毎の露光ユニット12は、それぞ
れ、像露光光の発光素子としてのLED(発光ダイオー
ド)を感光体ドラム10の軸と平行に複数個アレイ状に
並べた線状の露光素子(不図示)と等倍結像素子として
のセルフォックレンズ(不図示)とがホルダに取り付け
られた露光用ユニットとして構成される。露光素子とし
ては、その他FL(蛍光体発光)、EL(エレクトロル
ミネッセンス)、PL(プラズマ放電)等の複数の発光
素子をアレイ状に並べた線状のものが用いられる。
【0069】露光ユニット12は、別体のコンピュータ
(不図示)から送られメモリに記憶された各色の画像デ
ータに基づいて、後段において詳述する画像処理を施し
た後、一様に帯電した感光体ドラム10に像露光を行
い、感光体ドラム10上に潜像を形成する。この実施形
態で使用される発光素子の発光波長は、通常Y、M、C
のトナーの透光性の高い680〜900nmの範囲のも
のが良好であるが、裏面から像露光を行うことからカラ
ートナーに透光性を十分に有しないこれより短い波長で
もよい。
【0070】各色毎の現像手段としての現像器13は、
それぞれ、例えば厚み0.5mm〜1mm、外径15〜
25mmの円筒状の非磁性のステンレスあるいはアルミ
材で形成された現像剤担持体である現像スリーブ131
と、現像ケーシング(符号なし)とを備え、内部にイエ
ロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)若しくは黒
色(K)の二成分(一成分でもよい)の現像剤を収容し
ている。現像スリーブ131は、NおよびSの磁極を交
互に配した固定磁石(不図示)を内包しており、攪拌ス
クリュウ(符号なし)によって攪拌、混合され、供給ロ
ーラ(符号なし)により攪拌部から搬送、供給された二
成分現像剤を現像部へと供給する。この際、現像スリー
ブ13a周面上の二成分現像剤の層厚は、直径3〜10
mmの磁性体の円形断面の金属材から成り現像スリーブ
131の周面に所定の荷重をもって均等に圧接された薄
層形成部材としての薄層形成棒(不図示)によって規制
される。現像部を通過した二成分現像剤は、帯状の長辺
の一端を現像スリーブ131に平行に圧接して設けられ
た例えばSUS、ウレタンゴム等の板状の弾性部材より
なるスクレーパ(符号なし)により現像スリーブ131
上から除去され、供給ローラにより攪拌部へ搬送され、
所定のトナー濃度となるように、攪拌スクリュウによっ
て攪拌、混合される。
【0071】現像部では、現像スリーブ131は、突き
当てコロ(不図示)により感光体ドラム10と所定の値
の間隙、例えば100μm〜1000μmをあけて非接
触に保たれ、感光体ドラム10の回転方向と順方向に回
転しており、現像スリーブ131に対して現像バイアス
としてトナーと同極性(本実施形態においてはマイナス
極性)の直流電圧あるいは直流と交流との重畳電圧を印
加することにより、感光体ドラム10の露光部に対して
非接触の反転現像が行われる。この時の現像間隔精度は
画像ムラを防ぐために20μm程度以下が必要である。
【0072】以上のように現像器13は、スコロトロン
帯電器11による帯電と露光ユニット12による像露光
によって形成される感光体ドラム10上の静電潜像を、
非接触の状態で感光体ドラム10の帯電極性と同極性の
トナー(本実施形態においては感光体ドラムは負帯電で
あり、トナーは負極性)により反転現像する。
【0073】画像形成のスタートにより駆動源が駆動
し、感光体ドラム10を図1の矢印で示す時計方向へ回
転し、同時にスコロトロン帯電器11(Y)の帯電作用
により感光体ドラム10に電位の付与が開始される。感
光体ドラム10は電位を付与されたあと、露光ユニット
12(Y)において第1の色信号すなわちYの画像デー
タに対応する電気信号による露光が開始されドラムの回
転走査によってその表面の感光層に原稿画像のイエロー
(Y)の画像に対応する静電潜像が形成される。この潜
像は現像器13(Y)により非接触の状態で反転現像さ
れ、感光体ドラム10上にイエロー(Y)のトナー像が
形成される。
【0074】次いで、感光体ドラム10は前記イエロー
(Y)のトナー像の上に、スコロトロン帯電器11
(M)の帯電作用により電位が付与され、露光ユニット
12(M)の第2の色信号すなわちマゼンタ(M)の画
像データに対応する電気信号による露光が行われ、現像
器13(M)による非接触の反転現像によって前記のイ
エロー(Y)のトナー像の上にマゼンタ(M)のトナー
像が重ね合わせて形成される。
【0075】同様のプロセスにより、スコロトロン帯電
器11(C)、露光ユニット12(C)及び現像器13
(C)によってさらに第3の色信号に対応するシアン
(C)のトナー像が、また、スコロトロン帯電器11
(K)、露光ユニット12(K)及び現像器13(K)
によって第4の色信号に対応する黒色(K)のトナー像
が順次重ね合わせて形成され、感光体ドラム10の一回
転以内にその周面上にカラーのトナー像が形成される。
【0076】このように、本実施の形態では、Y、M、
C及びKの露光ユニット12による感光体ドラム10の
有機感光層に対する露光は、感光体ドラム10の内部よ
り透光性基体を通して行われる。したがって第2、第3
及び第4の色信号に対応する画像の露光は何れも先に形
成されたトナー像により遮光されることなく静電潜像を
形成することが可能となり、好ましいが、感光体ドラム
10の外部から露光してもよい。
【0077】一方、転写材である記録紙Pは、転写材収
納手段である給紙カセット15より、送り出しローラ
(符号なし)により送り出され、給送ローラ(符号な
し)により給送されてタイミングローラ16へ搬送され
る。
【0078】記録紙Pは、タイミングローラ16の駆動
によって、感光体ドラム10上に担持されたカラートナ
ー像との同期がとられ、紙帯電手段である紙帯電器14
cの帯電により搬送ベルト14dに吸着されて転写域へ
給送される。搬送ベルト14dにより密着搬送された記
録紙Pは、転写域でトナーと反対極性(本実施形態にお
いてはプラス極性)の電圧が印加される転写手段として
の転写器14aにより、感光体ドラム10の周面上のカ
ラートナー像が一括して記録紙Pに転写される。
【0079】カラートナー像が転写された記録紙Pは、
転写材分離手段としての紙分離AC除電器14bにより
除電されて、搬送ベルト14dから分離され、定着手段
としての定着装置17へと搬送される。そして、内部に
ヒータ(不図示)を有する定着ローラ17aと、圧着ロ
ーラ17bとの間で熱と圧力とを加えられることにより
記録紙P上の付着トナーが定着され、記録紙Pが排紙ロ
ーラ18により送られて、装置上部のトレイへ排出され
る。
【0080】転写後の感光体ドラム10の周面上に残っ
たトナーは、さらに回転しクリーニング手段であるクリ
ーニング装置19にいたり、感光体ドラム10に当接し
たゴム材から成るクリーニングブレード(符号なし)と
クリーニングローラ(符号なし)とによってクリーニン
グ装置19内に掻き落とされる。クリーニング装置19
により残留トナーを除去された感光体ドラム10はスコ
ロトロン帯電器11(Y)によって一様帯電を受け、次
の画像形成サイクルに入る。
【0081】実施例 1.円筒状プラスチック基体の作成 メタクリル酸メチルモノマーに重合促進の為の触媒とし
てアゾビスイソブチロニトリルを添加し40℃にて1時
間加熱処理を行い予備重合を行って粘度100cpのシ
ロップ状重合性液状材料を得た。左右のフランジ部材は
内装せずに図2にて説明した装置を用い、前記重合性液
状材料を内径100mm、内部の長さが360mmの円
筒状の型に注入し型を回転させて遠心力により型の内壁
にそって密着させながら水蒸気により型全体を100℃
で8時間の加熱処理を行って重合させた。更に2時間そ
の温度にてアニール処理を行い、次に、冷気により円筒
状プラスチック基体の型の一方より10℃/分の速度で
室温まで冷却し、円筒状プラスチック基体の型よりの剥
離を行う。剥離後、型を架台より外し、円筒状プラスチ
ック基体を型から取り出した。得られた基体に端部の加
工、バフ研磨を行って外径100mm、長さ360mm
で円筒度、真円度20μm程度、回転振れ30μmの円
筒状プラスチック基体を得た。
【0082】この円筒状プラスチック基体の外周面にバ
インダーとITOとを混合してなる塗布液により円筒状
プラスチック基体上に浸漬塗布して可視光や赤外光にお
ける透過率が85%の円筒状プラスチック基体を得た。
【0083】 塗布液 ITO(平均粒径、100オングストローム) 4重量部 アルコール可溶性ポリアミドCM−8000(東レ(株)製)10重量部 メタノール 80重量部 1−ブタノール 20重量部 2.OPCの塗布 アルコール可溶性ポリアミドCM−8000(東レ(株)製) 4重量部 メタノール 80重量部 1−ブタノール 20重量部 を混合、溶解し下引層塗布液を得た。上記塗布液を円筒
状プラスチック基体に浸漬塗布して厚さ0.5μmの下
引き層を得た。
【0084】次に Y型チタニルフタロシアニン 4重量部 シリコーン樹脂溶液KR−5240(信越化学(株)製) 45重量部 2−ブタノン 100重量部 を混合し、サンドミルにて10時間分散して電荷発生層
塗布液を得た。この塗布液を前記下引層の上に浸漬塗布
して厚さ0.25μmの電荷発生層を得た。
【0085】 電荷輸送物質T−1 8重量部 ビスフェノールZ型ポリカーボネートZ−300(三菱瓦斯化学(株)製) 12重量部 1,2−ジクロルエタン 100重量部
【0086】
【化1】
【0087】を混合、溶解して電荷輸送層塗布液を得
た。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布して9
0℃、1時間の熱処理を行って厚さ25μmの電荷輸送
層を形成し、基体内部に図3及び図4にて説明した弾性
のある非光沢の黒色のフィルムを遮光部材として内装し
本発明の電子写真用感光体を得た。
【0088】3.画像出し評価 上記の電子写真用感光体を装着して、図5にて説明した
構造の本発明の電子写真方式の外部露光式カラー画像形
成装置を形成し画像出しを行ったところ、カブリのない
濃度の十分な画像を得た。特に、画像上での濃度や色あ
いのむらが認められず均一性の優れた画像を得た。かか
る均一性の優れた画像は、連続3万プリントの後も画質
変化は認められなかった。また、前記内装されたフィル
ムは電子写真用感光体の内側で広がって、内壁と密着し
ており電子写真用感光体の回動によってもずれることは
なかった。
【0089】
【発明の効果】請求項1ないし4によれば、像露光光や
装置本体の端部よりの入射光や機内の給送部等よりの反
射光の基体を通しての内部への入射が防止され、電子写
真用感光体の除電や光劣化が防止される。
【0090】請求項5ないし8によれば、像露光光や装
置本体の端部よりの入射光や機内の給送部等よりの反射
光の基体を通しての内部への入射が防止されて、画像ボ
ケのない画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子写真用感光体の円筒状基体の製造方法の工
程を示す図である。
【図2】図1の製造装置の一実施例を示す断面図であ
る。
【図3】本発明にかかわる電子写真用感光体の構成の一
実施例を示す断面図である。
【図4】電子写真用感光体の斜視図である。
【図5】透光性の円筒状基体で作製した電子写真用感光
体を適用した画像形成装置の一例を示すカラー画像形成
装置の断面構成図である。
【符号の説明】
1 円筒状プラスチック基体 2 導電層 3 有機感光層(OPC) 4 電荷発生層(CGL) 5 電荷輸送層(CTL) 6 遮光部材 10 感光体ドラム 11 スコロトロン帯電器 12 露光ユニット 13 現像器 P 記録紙

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性の円筒状基体と、前記円筒状基体
    の外周面に設けられた感光体層とを有する電子写真用感
    光体において、 前記電子写真用感光体の内部に、前記円筒状基体の内壁
    に沿って弾性のある遮光部材を設けることを特徴とする
    電子写真用感光体。
  2. 【請求項2】 前記遮光部材は遮蔽性のあるシート部材
    であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用感
    光体。
  3. 【請求項3】 前記感光体層は電荷発生層と電荷輸送層
    とからなる二層構成であることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の電子写真用感光体。
  4. 【請求項4】 前記円筒状基体は遠心重合法により成型
    されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記
    載の電子写真用感光体。
  5. 【請求項5】 円筒状の電子写真用感光体の外周辺に帯
    電手段、現像手段及び像露光手段を配設し、前記電子写
    真用感光体に対し前記帯電手段による帯電と前記像露光
    手段による像露光での潜像の形成と前記現像手段による
    前記潜像の現像とによりトナー像を形成する画像形成装
    置において、 前記電子写真用感光体が透光性の円筒状基体と感光体層
    とを有すると共に、 前記電子写真用感光体の内部に、前記円筒状基体の内壁
    に沿って弾性のある遮光部材を設けることを特徴とする
    画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記遮光部材は遮蔽性のあるシート部材
    であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装
    置。
  7. 【請求項7】 前記感光体層は電荷発生層と電荷輸送層
    とからなる二層構成であることを特徴とする請求項5ま
    たは6に記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記円筒状基体は遠心重合法により成型
    されることを特徴とする請求項5〜7の何れか1項に記
    載の画像形成装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100403603B1 (ko) * 2002-02-26 2003-10-30 삼성전자주식회사 화상형성장치용 감광드럼 구조체
US7374853B2 (en) 2004-12-02 2008-05-20 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Organic photoreceptor and an image forming method using the same

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KR100403603B1 (ko) * 2002-02-26 2003-10-30 삼성전자주식회사 화상형성장치용 감광드럼 구조체
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