JPH09126318A - 作業車両の操作制御装置 - Google Patents

作業車両の操作制御装置

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JPH09126318A
JPH09126318A JP8216988A JP21698896A JPH09126318A JP H09126318 A JPH09126318 A JP H09126318A JP 8216988 A JP8216988 A JP 8216988A JP 21698896 A JP21698896 A JP 21698896A JP H09126318 A JPH09126318 A JP H09126318A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外力に抗して被操作対象をタイミング遅れの
少ない状態で適正に位置保持することができると共に、
耐久性の向上を図ることが可能となる作業車両の操作制
御装置を提供する。 【解決手段】 正逆方向に操作自在な無段変速装置の変
速部20の操作停止状態において、その被操作対象が中
立側への復帰付勢力によって移動することを阻止して前
記変速部20を位置保持させる為に、前記復帰付勢力の
作用する方向と逆方向の力が発生するように、電動モー
タ23に位置保持用の電力を供給する電力供給手段Hが
備えられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作業車両の操作制
御装置に関し、詳しくは、正逆方向に操作自在な被操作
対象が備えられ、その被操作対象が、操作停止状態にお
いて外力によって移動するおそれがある作業車両の操作
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記作業車両の操作制御装置において、
従来では、操作停止状態にある前記被操作対象が、例え
ば変速装置の中立側への復帰付勢力、あるいは、重力等
の外力によって移動することを阻止するために、電磁ブ
レーキ等の機械的な制動手段を利用して、押圧作用して
被操作対象に対して摩擦力が作用することによって、被
操作対象が移動することを阻止するように構成されてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記構成は、被操作対
象の操作が停止された際に、上述したような外力に起因
して移動してしまうことが無いように移動を阻止するよ
うにしたものであるが、上述したような従来構成におい
ては、機械的な制動手段を用いる構成であることから、
被操作対象の操作が停止してから位置保持動作されるま
でに、機械的な動作の為に応答の遅れ時間があり、操作
停止のタイミングが少し遅れてしまうといった不利な面
があった。
【0004】しかも、摩擦力等の機械的な保持が行われ
ることから、機械的な作動箇所において摩擦部分での摺
動等に起因して磨耗が生じる等、耐久性が低いものにな
るおそれがある等の不利もあり、改善の余地があった。
【0005】本発明はかかる点に着目してなされたもの
であり、その目的は、外力に抗して被操作対象をタイミ
ング遅れの少ない状態で適正に位置保持することができ
ると共に、耐久性の向上を図ることが可能となる作業車
両の操作制御装置を提供する点にある。
【0006】本発明の別の目的は、上記目的に加えて、
外力の変動等にかかわらず、電動モータに対して、確実
に被操作対象を位置保持させる為の電力を供給できるよ
うにする点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の特徴構
成によれば、正逆方向に操作自在な被操作対象の操作停
止状態において、その被操作対象が外力によって移動す
ることを阻止して被操作対象を位置保持させる為に、電
力供給手段によって、前記外力の作用する方向と逆方向
の力が発生するように電動モータに位置保持用の電力が
供給されることになる。
【0008】つまり、電動モータが被操作対象に対して
その駆動力が作用する状態に連係された状態で、外力の
作用する方向と逆方向の力が発生するように電動モータ
に位置保持用の電力が供給されることよって、外力と電
動モータの駆動力とが均衡して被操作対象が位置保持さ
れることになるのである。尚、上述したように電動モー
タが被操作対象に連係されていても、上述したような電
力が供給されない状態では、電動モータは自由に回動可
能な状態であることから、被操作対象の正逆方向の操作
を阻害することは無い。
【0009】その結果、電動モータの駆動力を利用し
て、電磁ブレーキ等の機械的な制動手段を利用すること
無く、被操作対象を位置保持することができ、被操作対
象に対して機械的に制動力を付与する為の機械的な作動
遅れ時間がなく、電力の供給動作のみによって対応する
ことが可能であることから、外力に抗して被操作対象を
タイミング遅れの少ない状態で適正に位置保持すること
ができるものとなった。
【0010】又、機械的な制動手段を用いない構成であ
ることから、例えば、制動の為の摺動による磨耗や、接
当により衝撃が加わる等の不利が無く、耐久性を向上さ
せることが可能となった。
【0011】請求項2に記載の特徴構成によれば、前記
電動モータが、正逆方向に操作すべく前記被操作対象に
操作力を付与するように構成されている。
【0012】つまり、電動モータが被操作対象を正逆に
操作させるべく操作力を付与する構成であり、しかも、
被操作対象の操作停止状態においては、その電動モータ
が発明する力によって被操作対象を外力に抗して位置保
持させることになるのである。このように、被操作対象
を正逆方向に操作させる為のアクチュエータとして、位
置保持用の前記電動モータを兼ねる構成であるから、そ
れらを各別に備えさせる構成に較べて、部材の兼用化に
より構成を簡素化できると共に、上記したように各別に
アクチュエータを設ける場合には、被操作対象の正逆方
向の操作が停止したことを検出した後に、電動モータに
位置保持用の電力を供給するといった制御形態を採る必
要があるが、このような構成に較べて、電動モータに対
する電力供給状態を切り換えるだけの構成で対応可能で
あり、アクチュエータを兼用することで、タイミング遅
れの少ない状態で被操作対象を適正に位置保持させるこ
とができるという利点がある。
【0013】請求項3に記載の特徴構成によれば、前記
操作停止状態において、前記外力による前記被操作対象
の移動を検出する移動検出手段が備えられ、前記電力供
給手段は、前記移動検出手段の検出情報に基づいて、前
記被操作対象が位置保持されるべく、前記電動モータに
電力を供給するように構成されている。
【0014】被操作対象が操作停止された状態で、外力
によって移動するか否かを移動検出手段にて検出して、
その検出情報に基づいて電動モータに電力を供給するの
で、外力の状況に応じて常に適切に被操作対象を位置保
持させることができるものとなる。
【0015】請求項4に記載の特徴構成によれば、前記
被操作対象に、前記外力として、所定方向に復帰付勢力
が作用するものであり、前記電力供給手段は、前記操作
停止状態になるに伴って、位置保持用の電力を供給する
ように構成されている。
【0016】例えば、無段変速装置等において中立側
(所定方向)に向けて復帰付勢力が外力として作用する
ような場合等においては、このような外力は常に作用す
るものであって且つその作用する方向が一定であること
から、被操作対象が操作停止状態になるに伴って、ただ
ちに電動モータに対して位置保持用の電力を供給するの
である。しかも、上述したような復帰付勢力は、予めそ
の大きさを求めることができるので、位置保持用の電力
として電動モータに供給すべき値を予め設定することが
でき、従って、電動モータに対する電力は、供給すべき
モータ動作方向とその大きさを予め設定できるので、適
正な電力をタイミング遅れの少ない状態で供給すること
ができるものとなる。
【0017】請求項5に記載の特徴構成によれば、前記
被操作対象は、その操作位置の変化に伴って前記復帰付
勢力が変動するものであり、電力供給手段は、被操作対
象の操作位置を検出する操作位置検出手段の検出情報に
基づいて、電動モータに供給する電力を変更設定するよ
うに構成されている。
【0018】被操作対象の操作位置が変化すると、それ
に伴って復帰付勢力の大きさが変化する(変動する)よ
うな場合には、操作位置検出手段によって被操作対象が
操作停止された操作位置を検出して、その検出情報に基
づいて、その位置における復帰付勢力に応じた値になる
ように電動モータに供給する電力を変更設定するのであ
る。
【0019】その結果、操作位置の変化に伴って復帰付
勢力が変動するような場合に、被操作対象がどのような
位置で停止しても常に適正な状態で位置保持させること
ができるものとなる。
【0020】請求項6に記載の特徴構成によれば、前記
移動検出手段は、被操作対象が前記操作停止状態であっ
て、且つ、その被操作対象が位置保持されるべく電動モ
ータに電力が供給されている状態において、前記外力に
よる前記被操作対象の移動状態を検出するように構成さ
れ、電力供給手段は、前記移動検出手段の検出情報に基
づいて、前記被操作対象が位置保持されるべく、前記電
動モータに供給する電力を変更調整するように構成され
ている。
【0021】移動検出手段により、外力による被操作対
象の移動が検出されるに伴って、位置保持するべく電動
モータに電力を供給することになるが、このような電力
の供給状態においても、更に、外力による被操作対象の
移動が検出されると、そのときの電動モータに対する供
給電力が適正値と異なっていることになるから、被操作
対象の移動が検出されないように、電動モータに供給す
る電力を変更調整するのである。
【0022】その結果、操作位置が同じであっても被操
作対象に対する外力が異なる値になるおそれがある場合
であっても、確実に、位置保持用の電力を電動モータに
供給することができて、常に適正な状態で位置保持する
ことが可能となる。
【0023】請求項7に記載の特徴構成によれば、人為
的に正逆に操作される操作具と、前記被操作対象とが機
械的に連動連結され、操作具が人為的に操作されている
か否か、及び、その操作方向を検出する操作状態検出手
段が備えられ、電力供給手段は、操作状態検出手段の検
出情報に基づいて、操作具が人為的に操作されているこ
とが検出されると、操作具の操作方向にアシスト力が与
えられるように電動モータに電力を供給し、且つ、前記
操作具が人為的に操作されていないことが検出される
と、被操作対象がその操作位置で保持されるように電力
を供給するように構成されている。
【0024】つまり、操作具の人為的な操作に伴い、操
作具の操作方向にアシスト力が与えられるように電動モ
ータに電力が供給されるので、復帰付勢力等の外力にか
かわらず、操作具による被操作対象の操作が軽く行え
る。そして、操作具が人為的に操作されていないとき
は、被操作対象がその操作位置で保持されるように電動
モータに電力が供給されるのである。
【0025】その結果、人為的な操作が停止された際
に、タイミング遅れの少ない状態で適切に被操作対象を
位置保持することができると共に、人為的な操作の開始
に伴って、例えば機械的な制動手段におけるタイミング
遅れ等に起因して円滑な操作が行えなくなる等の不利も
無く、人為操作を円滑に行えるものとなる。
【0026】請求項8に記載の特徴構成によれば、前記
電力供給手段は、出力されるパルス信号の幅を変更自在
なパルス信号出力手段と、前記パルス信号出力手段のパ
ルス信号の幅に応じた電流を前記電動モータに供給する
駆動手段と備えて構成されているので、出力されるパル
ス信号の幅を変更することにより、電動モータに供給す
る電流(電力)を適正な値に設定できる。
【0027】請求項9に記載の特徴構成によれば、前記
電動モータに供給される前記電流の値を検出する電流検
出手段が備えられ、この電流検出手段の検出情報に基づ
いて前記電流の値が設定値に維持されるように前記電力
を調整するように構成されている。
【0028】電動モータに対して供給されている実際の
電流値が検出され、その検出情報に基づいて電流値が設
定値に維持されるようにして、電動モータに供給する電
力を調整するので、電動モータ自身の抵抗値変化等の各
種の変動要因にかかわらず、適正な電力を供給すること
ができ、確実に被操作対象を位置保持することができる
のである。
【0029】請求項10に記載の特徴構成によれば、前
記電流検出手段が、前記設定値を含む電流調整範囲であ
って、且つ、前記電動モータに供給される全電流調整範
囲よりも小さい電流調整範囲でのみ、前記電流の値を検
出するように構成されている。このように、所定値を含
む小さな範囲でしか電流検出が行われないので、広い範
囲にわたって検出する場合に較べて電流検出手段による
分解能が上がることになるので、電動モータに対して電
力がどれだけ供給されているかを精度よく検出できる。
【0030】請求項11に記載の特徴構成によれば、前
記被操作対象が、ベルト式無段変速装置の変速部であ
り、前記外力が、前記ベルト式無段変速装置の中立側へ
の復帰力である。従って、電動モータに電力が供給され
ることによって、ベルト式無段変速装置の変速部がどの
ような変速操作位置であっても中立側への復帰力に抗し
て位置保持されることになる。
【0031】請求項12に記載の特徴構成によれば、前
記被操作対象が、前記外力として、正逆方向のうちのい
ずれか一方向に択一的に作用するものである。例えば、
重力によって移動されるように外力が作用する場合のよ
うに、正逆いずれかの方向に択一的に作用するおそれが
ある場合であっても、その外力の作用する方向と逆方向
の力が発生するように、電動モータに位置保持用の電力
が供給されることになる。
【0032】請求項13に記載の特徴構成によれば、前
記被操作対象が、機体に対して、前記電動モータにより
縦方向に沿う旋回軸芯周りで正逆方向に旋回自在に設け
られた旋回体で構成され、この旋回体は、前記機体の傾
斜に伴う重力によって、正逆旋回方向のうちのいずれか
一方向に択一的に前記外力が作用するように構成されて
いる。
【0033】機体が傾斜地に接地しているような場合に
は、縦方向に沿う旋回軸芯が傾斜して、旋回体は重力に
よって旋回方向の外力を受けることになるが、傾斜方向
により、正逆旋回方向のうちのいずれか一方向に択一的
に外力が作用することになる。
【0034】請求項14に記載の特徴構成によれば、請
求項3に記載の前記移動検出手段が、前記旋回体におけ
る前記旋回軸芯の鉛直姿勢からの傾斜状態を検出するよ
うに構成されている。つまり、旋回軸芯の鉛直姿勢から
の傾斜状態によって、旋回体に対する重力(外力)の作
用する方向や大きさが予測できるので、その傾斜状態の
検出に基づいて、電動モータに対して位置保持用の電力
を供給することによって、適正な状態で旋回体を位置保
持させることができるのである。
【0035】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕以下、本発明に係る作業車両の操作制
御装置を、作業車両の一例としてのコンバインに装備さ
れたベルト式無段変速装置に適用した場合について図面
に基づいて説明する。図4は作業車両の一例であるコン
バインの伝動系を示しており、エンジン1からの動力が
テンションクラッチを備えたベルト伝動機構2を介し
て、ベルト式の無段変速装置3の入力プーリ4に伝達さ
れる。無段変速装置3からの動力がミッションケース5
の油圧クラッチ式の前後進切換装置(図示せず)、及び
走行用のギヤ変速装置(図示せず)を介して、左右のク
ローラ走行装置6に伝達される。ギヤ変速装置の直前か
ら分離した動力が、ミッションケース5からベルト伝動
機構7を介して、機体の前部の刈取部8に伝達される。
【0036】次に、ベルト式の無段変速装置3及びその
変速操作構造について説明する。図2に示すように、入
力プーリ4が固定された入力軸9に第1割りプーリ1
1、出力軸10に第2割りプーリ12を備えて、第1及
び第2割りプーリ11,12に亘り伝動ベルト13を巻
回している。第1及び第2割りプーリ11,12は、入
力軸9及び出力軸10にスプライン構造で固定されるプ
ーリ部分14、及び軸芯方向に移動自在なプーリ部分1
5から構成されており、第2割りプーリ12の移動側の
プーリ部分15はバネ16で固定側のプーリ部分14側
に付勢され、出力軸10側の負荷が大きくなるのに比例
して移動側のプーリ部分15を固定側のプーリ部分14
に押すカム機構17が設けられている。
【0037】第1割りプーリ11の移動側のプーリ部分
15にベアリングを介してリング部材18が外嵌され、
リング部材18に固定された一対のピン18aが無段変
速装置3のケース側の凹部19に入り込んで、リング部
材18が回り止めされている。図3及び図2に示すよう
に、円筒状のカム部材20がベアリングを介して入力軸
9に外嵌されて、直線状の底部20aと左右対象な一対
の傾斜面20bとで構成された凹部がカム部材20に一
対形成されており、リング部材18のピン18aのロー
ラー18bが、カム部材20の一対の凹部に入り込んで
いる。
【0038】図2及び図3に示す状態は、第1割りプー
リ11の移動側のプーリ部分15が固定側のプーリ部分
14から紙面左方に最も離れ、第2割りプーリ12の移
動側のプーリ部分15が固定側のプーリ部分14に最も
接近した最低速位置の状態である。この状態からカム部
材20を右及び左に回転させると、傾斜面20bを介し
てリング部材18及び第1割りプーリ11の移動側のプ
ーリ部分15が、固定側のプーリ部分14側に押し操作
されて接近し、第1割りプーリ11での伝動ベルト13
の巻回半径が大きくなっていく。これに伴って第2割り
プーリ12の移動側のプーリ部分15が、固定側のプー
リ部分14から紙面右方に離れていくのであり、無段変
速装置3が高速側に変速操作されていく。
【0039】次に、ベルト式の無段変速装置3及び前後
進切換装置の操作構造について説明する。図2及び図1
に示すように、無段変速装置3の外側においてカム部材
20の端部にボス部材21が固定され、ボス部材21に
扇型ギヤ22が固定されている。機体の固定部に電動モ
ータ23が固定され、平ギヤによる減速機構24が電動
モータ23に備えられており、減速機構24のピニオン
ギヤ24aが扇型ギヤ22に咬合している。ボス部材2
1にリング部材25が外嵌されており、リング部材25
に人為操作される変速レバー26(操作具に相当)が支
持されている。つまり、変速部としてのカム部材20
は、変速レバー26と一体移動するように機械式連係機
構を介して連係され、正逆方向に作動可能に構成されて
いる。
【0040】この変速レバー26は十字方向に揺動操作
自在で、図5に示すように、レバーガイドの前進変速用
ガイド溝27a、後進変速用ガイド溝27c及び、操作
状態切り換え用段差部分を形成する中間ガイド溝27b
の夫々に沿わせて揺動操作でき、前進変速用ガイド溝2
7a又は後進変速用ガイド溝27cにおいて、減速側操
作方向(中立位置側への操作)に沿って操作される際
に、前進変速用ガイド溝27a・後進変速用ガイド溝2
7cの内縁kにおいて、走行中立状態に対応する位置で
変速レバー26が強制的に受止め規制され、過剰操作に
よって前後逆方向の走行状態に切換わることがないよう
構成されている。
【0041】リング部材25のアーム25aのピン25
bが、扇型ギヤ22の開孔22aに入り込んでおり、ゴ
ム状の一対の感圧スイッチ28,29が、アーム25a
のピン25bを挟み込むように扇型ギヤ22に固定され
ている。前後進切換装置を前進位置、後進位置及び中立
停止位置に切換操作する切換弁(図示せず)が備えられ
ており、扇型ギヤ22と切換弁とがプッシュプルワイヤ
30及び融通機構31を介して連係されている。
【0042】無段変速装置3側の固定壁32にポテンシ
ョメータ33(操作位置検出手段の一例)を取付けると
ともに、このポテンショメータ33から延びる揺動レバ
ー34の先端側の横向きピン34aを、前記扇型ギヤ2
2に形成した長孔22bに挿通させて、無段変速装置3
の変速状態、つまり、変速レバーの操作位置を検出可能
に構成してある。
【0043】図6に示すように、電動モータ23の動作
を制御する制御手段Hが、電動モータ23に対する制御
情報を指令する制御部としての制御装置35と、この制
御装置35からの制御情報に基づいて、電動モータ23
に電流を供給して駆動する駆動部としての駆動回路36
とを備えて構成されている。制御装置35は、マイクロ
コンピュータを備えて構成され、各種の入力情報に基づ
いて、予め設定記憶されている制御プログラムにて所定
の制御を実行するように構成されている。前記駆動回路
36は、制御装置35からの制御情報により前進側の駆
動状態に切換操作される(即ち、変速レバー26が、図
1において反時計周りである正転側に揺動するように切
換操作される)第1電磁リレー37、後進側の駆動状態
に切換操作される(即ち、変速レバー26が、図1にお
いて時計周りである逆転側に揺動するように切換操作さ
れる)第2電磁リレー38、第1,2電磁リレー37,
38の励磁駆動用のトランジスタ39,40、制御装置
35からの制御信号に基づいて電動モータ23に供給す
る電流量を調整する電流調整用トランジスタ41、電動
モータ23に通流する実電流値を両端電圧値として検出
する基準抵抗器42、基準抵抗器42の両端電圧を直流
信号に変換する平滑回路43、電動モータ23に過負荷
電流が設定時間以上継続する異常時に、電動モータ23
への電流供給を遮断して、制御装置35に警報信号を入
力する過負荷警報回路44等が備えられている。このよ
うにして、制御動作を実行する制御装置35と電動モー
タ23に流れる大電流を調整する駆動回路36とが夫々
各別に備えられている。
【0044】前記基準抵抗器42と前記平滑回路43と
により電流検出手段としての電流検出回路45が構成さ
れ、この電流検出回路45は、0アンペア〜5アンペア
の検出範囲で電流値を検出するように構成されている。
尚、電動モータ23に供給される電流の全調整範囲は、
0〜20アンペア程度の調整範囲になっており、電流検
出回路45の検出範囲は、全調整範囲よりも小さい電流
調整範囲でのみ、前記電流の値を検出するように構成さ
れている。前記ポテンショメータ33の検出値(電圧
値)がアナログ信号にて制御装置35に入力されるが、
そのアナログ信号は、全ストローク範囲(0.2ボルト
〜4.8ボルト)が256ビットの分解能にてアナログ
/デジタル変換されて、制御に用いられるようになって
いる。
【0045】前記制御装置35に対しては、前記各感圧
スイッチ28,29、ポテンショメータ33の検出値が
入力されると共に、走行装置6の車軸の回転数により走
行車速を検出する車速センサ46、及び、エンジンの回
転数を検出するエンジン回転数センサ47の検出値も入
力されるようになっている。
【0046】前記制御装置35は、前記各感圧スイッチ
28,29のいずれかがON操作され、変速レバー26
が人為的に正逆いずれかの方向に操作されていることが
検出されると、その人為操作方向に向けてアシスト力が
与えられるように、前記電動モータ23にアシスト操作
電流を供給するように構成され、電動モータ23のアシ
ストにより変速操作を軽く行えるようになっている。従
って、各感圧スイッチ28,29により操作状態検出手
段が構成されることになる。又、各感圧スイッチ28,
29の検出情報に基づいて変速レバー26が人為的に操
作されていないことが検出されると、無段変速装置3が
中立位置への復帰付勢力により変速状態が変化すること
を阻止すべく、前記電動モータ26に保持電流(電力)
を供給するように構成されている。更に、各感圧スイッ
チ28,29の検出情報、並びに、前記電流検出回路4
5の検出情報に基づいて、前記保持電流の供給量を適正
値に調整するように構成されている。従って、制御手段
Hにより電動モータに対して位置保持用の電力を供給す
る電力供給手段を構成することになる。具体的には、ア
シスト操作電流としては、制御装置35が、電流調整用
トランジスタ41に対してON状態を維持するように一
定電圧を出力し、保持電流の供給状態では、電流調整用
トランジスタ41に対してパルス電圧にて間欠的にON
/OFF状態を繰り返し、そのON時間(パルス幅)の
調整(デューティ比制御)を行い電流量を調整するよう
になっている。従って、制御装置35がパルス信号出力
手段に相当し、駆動回路36が駆動手段に相当する。
尚、電動モータ26の正逆の動作方向は、各感圧スイッ
チ28,29のON操作に基づいて、いずれかの電磁リ
レー37,38が電源供給状態に切り換わって電動モー
タ26の回転方向が規定されるようになっている。
【0047】次に、制御装置35における制御動作につ
いて、図7〜図12の制御フローチャートに基づいて説
明する。尚、この制御フローチャートは10msecに
1回、繰り返して実行するようになっている。又、変速
レバー26を中立停止領域Nの一端から前進側の範囲に
操作していると、プッシュプルワイヤ29及び切換弁に
より、前後進切換装置が前進位置に操作されており、変
速レバー26を中立停止領域Nの他端から後進側の範囲
に操作していると、プッシュプルワイヤ29及び切換弁
により、前後進切換装置が後進位置に操作されることに
なる。
【0048】先ず、エンジン回転数センサ47の検出状
態によりエンジン回転数が500rpm以上であるか否
か、つまり、エンジン1が正常に回転しているか否かを
判断する(ステップ1)。ベルト無段変速装置3はエン
ジン1が回転していない状態では、変速操作が非常に重
くなるからである。エンジン1が回転している状態で、
変速レバー26が操作され、正転側に操作し始めると、
ピン25bにより正転側の感圧スイッチ(正転スイッ
チ)28が押圧されてON状態になると(ステップ
2)、ハンチングの発生のおそれのある領域でなけれ
ば、逆転側の作動が終了して200msec以上経過し
ていれば、アシスト操作電流を供給して電動モータ26
を正転側に高速で駆動する(ステップ3,4,5)。
又、逆転側の感圧スイッチ(逆転スイッチ)29がON
すると、同様にして電動モータ26を逆転側に高速で駆
動する(ステップ10〜13)。尚、図5に示すよう
に、変速レバー26の操作領域の両側端や中立位置Nで
の接当部k付近では、変速レバー26がガイド溝の内縁
に接当して、ハンチングを起こすおそれがあるので、こ
のようなハンチング領域であれば、感圧スイッチのON
操作が前回の逆方向作動が終了した後に、100mse
c以内に行われた場合には、すぐに、感圧スイッチがO
FFするまで微速で電動モータ26を作動させるように
している(ステップ3,6,7,8、ステップ11,1
4,15,16)。
【0049】そして、変速レバー26が操作されていな
い状態(いずれの感知スイッチもOFFしている状態)
であれば、ポテンショメータ33の検出値に基づいて、
現在の操作位置が前進域Fであるか後進域Rであるが判
断され(ステップ18)、前進域Fであれば、逆転作動
を終了してから30msec以上経過するまでは、各電
磁リレー37,38を共に接地側にして電動モータ26
の両側端子を接地させる状態に維持し(ステップ19,
20)、後進域Rであれば、正転作動を終了してから1
00msec以上経過するまでは、各電磁リレー37,
38を共に接地側にして電動モータ26の両側端子を接
地させる状態に維持する(ステップ21,22)。前進
域Fにおいて逆転作動を行っているときは、電動モータ
26が無段変速装置3の復帰付勢力の方向と同方向にア
シストしており、この状態からすぐに保持電流を供給す
るものとすると、電動モータ26への供給電流が逆方向
になり、電流供給状態のまま各電磁リレー37,38が
逆転して、接点異常を起こすおそれがあるからである。
又、後進域において、このような電流の逆転が発生する
と、上述したような電磁リレー37,38の接点異常の
おそれがあると共に、変速レバー26に逆方向の衝撃が
かかるおそれがあり、操作性が低下するおそれがあるか
らである。尚、前進域では、後進側に較べて高速で走行
するので、走行負荷が大きく上記時間経過中に応答遅れ
により変速レバー26が移動する不具合を少なくするこ
とから短い時間に制限している。
【0050】そして、上記時間が経過した後は、無段変
速装置3の中立復帰力に抗して、現在の変速位置に保持
されるように、電動モータ26に保持電流を供給して、
この電動モータ26による保持力と、無段変速装置3の
中立復帰力とが均衡して位置保持されるように制御す
る。尚、上述したような中立復帰力は、変速状態によっ
て変化するので、変速状態に応じて異なった保持力を初
期設定すると共に、ポテンショメータ33の検出状態や
電流検出回路45の検出状態に基づいて、適正値になる
ように保持電流を調整するようになっている。
【0051】具体的に説明すると、ポテンショメータ3
3の検出値と車速センサ46の検出値に基づいて、「前
進低速」、「前進中速」、「前進高速」、「後進」、
「前進域での車体停止」、「後進域での車体停止」の6
つの変速状態に区分けして、夫々の変速状態に応じて、
夫々異なる保持力(具体的には、電流調整用トランジス
タ41に印加するパルスのデューティ比)を初期設定す
る(ステップ23)。つまり、被操作対象の操作位置に
応じて電動モータに対する電力を変更設定する。尚、前
進域Fの上限位置にあるときは、前記初期設定値よりも
設定量大きい値に増加させる(ステップ24,25)。
【0052】このようにして設定された保持力(デュー
ティ比)にて保持動作を実行し、電流検出回路45にて
検出される保持電流の値を過去の4回分の移動平均値を
演算する(ステップ26,27)。この演算は、制御ル
ーチンが実行される毎に、つまり、10msec毎に実
行される。
【0053】保持電流が供給され始めてから200ms
ec以上経過すると、そのときのレバー位置、つまり、
保持が開始されたときのレバー位置(具体的にはポテン
ショメータ33の検出値)を記憶し(ステップ28,2
9,30)た後に、ポテンショメータ33の検出情報、
及び、電流検出回路45の検出情報に基づく保持力制御
を実行する。尚、この記憶値が一度記憶された後は、ア
シスト操作が実行されてフラグがリセットされるまで
は、記憶動作は実行しないようになっている(ステップ
9,17,29,31)。
【0054】次に保持力制御について説明する。尚、こ
の保持力制御は、エンジン回転数が2000rpm以上
であり、電流検出回路45にて検出される検出値Ixが
設定値Is以上であって電動モータ26が正常に作動し
ていることが条件となる(ステップ32,33)。前記
保持電流の移動平均値IAVが、予め実験等に基づいて設
定された許容上限値IMAX を越えると、第1カウンタN
aをカウントアップ(+1)する(ステップ34,3
5)。又、移動平均値IAVが、予め実験等に基づいて設
定された許容下限値IMIN を下回ると、第2カウンタN
bをカウントアップする(ステップ36,37)。許容
上限値IMAX を越えていず許容下限値IMIN を下回って
いなければ、各カウンタをカウントダウン(−1)する
(ステップ38)。そして、第1カウンタNaのカウン
ト値が「100」を越え、現在のデューティ比が予め設
定された調整可能範囲内であれば、保持電流が不足して
いるものと判断して、保持力が増大するようにデューテ
ィ比を設定単位量増加させる(ステップ39,40,4
1)。又、第2カウンタNbのカウント値が「100」
を越え、現在のデューティ比が予め設定された調整可能
範囲内であれば、保持電流が超過しているものと判断し
て、保持力が減少するようにデューティ比を設定単位量
減少させる(ステップ42,43,44)。上述したよ
うな各カウンタのカウント動作は10msec毎に実行
されるから、保持電流の超過状態や不足状態が連続で生
じていれば、カウント値が「100」に達する1秒毎に
保持力が変更調整されることになり、間欠的に生じてい
れば、カウント値が「100」になるまでの変更調整間
隔は1秒間よりも長くなる。
【0055】次に、変速レバー26が前進域Fにある状
態でポテンショメータ33の検出値が、記憶されている
保持開始時の値から20ポイント(20/256)以上
減少(前進減速)した場合、及び、後進域Rにある状態
で20ポイント以上増加(後進減速)した場合、言い換
えると、ベルト無段変速装置3の中立復帰付勢力の作用
する方向に移動した場合には、保持力が不足しているも
のと判断して、そのとき保持力が初期設定値よりも小さ
ければ初期設定値まで戻して保持力を増加させ、初期設
定値よりも大きい状態であれば保持力が増大するように
デューティ比を設定単位量増加させる(ステップ45,
47,49,50,51)。又、変速レバー26が前進
域Fにある状態でポテンショメータ33の検出値が、記
憶されている保持開始時の値から5ポイント(5/25
6)以上増加(前進増速)した場合、及び、後進域Rに
ある状態で5ポイント以上減少(後進増速)した場合、
言い換えると、ベルト無段変速装置3の中立復帰付勢力
の作用する方向と反対方向に移動した場合には、保持力
が超過しているものと判断して、そのときの保持力が初
期設定値よりも大きければ初期設定値まで戻して保持力
を減少させ、初期設定値よりも小さい状態であれば保持
力が減少するようにデューティ比を設定単位量減少させ
る(ステップ46,48,52,53,54)。尚、デ
ューティ比を変更した場合には、そのときのポテンショ
メータ33の検出値を新たな保持開始時の値(記憶値)
として書換え変更する(ステップ55)。このようにし
て、被操作対象としての変速部(変速カム20)の操作
停止状態において、位置保持用の電力が電動モータに供
給されている状態において、被操作対象の移動を前記ポ
テンショメータ33にて検出すると、その検出情報に基
づいて、電動モータに対して供給する電力を変更調整す
るようになっている。従って、ポテンショメータ33
は、操作位置検出手段と移動検出手段とを兼用する構成
となっている。
【0056】〔第2実施形態〕次に第2の実施形態につ
いて説明する。図13にコンバインの全体側面図、図1
4に全体平面図が示されている。このコンバインは、左
右一対のクローラ走行装置CRを備えた機体の前部に刈
取前処理部KMが横軸芯周りで昇降揺動自在に設けら
れ、その刈取前処理部KMの後方側に、操縦部SJ、刈
取前処理部KMで刈り取られた穀稈を脱穀して穀粒を選
別する脱穀装置DS、及び、その脱穀装置DSで選別回
収される穀粒を貯留するグレンタンクGTが夫々搭載さ
れて構成されている。
【0057】前記グレンタンクGTに貯留された穀粒を
機外に排出するためのスクリューコンベア式の排出オー
ガOG(旋回体の一例)がグレンタンクGTの後部側に
おいて縦軸芯Y(旋回軸芯)周りで正逆方向に旋回自
在、並びに、昇降揺動自在に設けられている。グレンタ
ンクGT内に貯留されている穀粒は、グレンタンクGT
の底部に設けられた底スクリューコンベア101により
車体後方側に搬送されると共に、その底スクリューコン
ベア101に連動連結された縦スクリューコンベア10
2により上揚搬送された後に、前記排出オーガOGによ
り先端部の吐出口104から機外に排出するように構成
されている。
【0058】次に、前記排出オーガOGの旋回操作構造
について説明する。図15に示すように、排出オーガO
Gの基端部に連結された接続ケース105が、縦スクリ
ューコンベア102の上端部において、この縦スクリュ
ーコンベア102のスクリュー軸芯に一致する縦軸芯Y
周りに回動自在に外嵌されている。接続ケース105の
外側面には、旋回駆動用のギア106が固着されてい
る。そして、その旋回駆動用ギア106に咬合するギア
107を正逆転方向に回転駆動する電動モータ108が
縦スクリューコンベア102の外筒部に固定して設けら
れている。つまり、この電動モータ108を正逆転駆動
するに伴って、排出オーガOGが縦軸芯Y周りに旋回操
作され、且つ、電動モータ108を作動停止させるに伴
って旋回停止するように構成されている。尚、排出オー
ガOGの正逆旋回操作の限界位置に達すると、旋回駆動
用ギア106に一体的に備えられた接当板109が、左
旋回及び右旋回夫々の限界検出用の各リミットスイッチ
L1,L2に接当して、そのことが検出され、電動モー
タ108の作動が自動的に停止されるようになってい
る。
【0059】又、排出オーガOGは接続ケース105に
対して縦軸芯Yに交差する横軸芯X周りで回動自在に枢
支され、排出オーガOGと接続ケース105との間に、
昇降用油圧シリンダ110が設けられ、この昇降用油圧
シリンダ110を伸縮させることで、排出オーガOGが
横軸芯X周りで昇降揺動操作されるように構成されてい
る。
【0060】前記操縦部SJには、排出オーガOGの左
方向旋回操作を指示する左旋回スイッチS1、右方向旋
回操作を指示する右旋回スイッチS2、上昇操作を指示
する上昇スイッチS3、下降操作を指示する下降スイッ
チS4の夫々が備えられ、図16に示すように、これら
の各スイッチS1〜S4の操作に基づいて、モータ駆動
回路111を介して電動モータ108の動作を制御する
と共に、電磁操作式の油圧制御弁112により昇降用油
圧シリンダ110の伸縮動作を制御するマイクロコンピ
ュータ利用の制御装置112が備えられている。この制
御装置112は、前記電動モータ108に対して供給す
る電力を変更調整可能に構成されている。例えば、上記
第1実施形態における構成と同様なパルス信号のデュー
ティ比制御にて電流を変更調整するようになっている。
【0061】又、電動モータ108で駆動されるギア1
07によって旋回駆動用ギア106と同時に回動操作さ
れる状態で、排出オーガOGの旋回状態(移動状態)を
検出する移動状態検出手段としての多回転型のポテンシ
ョメータRyが備えられている。このポテンショメータ
Ryは、例えば、車体が傾斜地に停車して排出オーガO
Gの旋回用縦軸芯Yが鉛直姿勢から傾斜したような場合
に、旋回操作指令が無いにもかかわらず、外力としての
重力に起因して、被操作対象としての排出オーガOGが
旋回移動するような移動状態を検出できるようになって
いる。
【0062】尚、このポテンショメータRyの検出情報
を利用して、例えば、予め設定された旋回目標位置に自
動的に旋回操作させるような自動旋回制御を行うような
制御形態を採用してもよい。
【0063】次に図17に基づいて制御装置112の制
御動作について説明する。上昇スイッチS3がON操作
されている間は、昇降用油圧シリンダ110を伸長作動
させて排出オーガOGを上昇操作させ、上昇限界リミッ
トスイッチL3がONすると上昇操作を停止させる(ス
テップ101〜104)。下降スイッチS4がON操作
されている間は、油圧シリンダ110を縮退させて下降
操作させる(ステップ105,106)。又、左旋回ス
イッチS1がON操作されている間は、排出オーガOG
が左旋回するように電動モータ108を操作させ、左旋
回限界検出用リミットスイッチL1がONすると、左旋
回操作を停止させる(ステップ107〜110)。同様
にして、右旋回スイッチS2がON操作されている間
は、排出オーガOGが右旋回するように電動モータ10
8を操作させ、右旋回限界検出用リミットスイッチL2
がONすると、右旋回操作を停止させる(ステップ11
1〜114)。
【0064】そして、いずれのスイッチも操作されず、
排出オーガOGの移動操作が停止されている状態におい
て、例えば、車体の姿勢傾斜等に起因して、前記ポテン
ショメータRyの検出情報に基づいて、排出オーガOG
が移動していることが検出されると、排出オーガOGが
重力により移動することを阻止して位置保持させる為
に、前記重力の作用する方向と逆方向の操作力が発生す
るように、電動モータ108に位置保持用の電力、即
ち、予め設定された設定値の電流を供給し、更に、その
後も移動が検出されると、単位量だけ電流供給量を増加
させ、移動が停止されるまで電流値を増加させる(ステ
ップ116〜119)。そして、このような保持用の電
流が供給されていれば、いずれのスイッチも操作されて
いない状態では、この電流供給状態を維持するようにし
ている(ステップ115,120)。従って、重力に起
因して排出オーガOGが使用者の意思に反して移動する
ことを未然に防止できるのである。
【0065】〔別実施形態〕 (1)上記第1実施形態では、被操作対象の位置保持動
作が実行されているときに、レバー位置(操作位置)が
設定量以上変化した場合に、保持力(電力)を変更調整
するようにしたが、このような制御構成に代えて、レバ
ー位置を逐次前回の値と比較し、変化があれば、その変
化を阻止するように保持力を単位量づつ変更させるよう
に制御する構成であってもよい。
【0066】(2)上記第1実施形態では、保持電流の
実測値の平均値が許容上限値IMAX を越えている状態や
許容下限値IMIN を下回っている状態が設定回数以上検
出されると(例えば1秒間継続した場合等)、保持力を
変更させる構成としたが、このような構成に代えて、次
のように構成してもよい。保持電流の検出値が、常に、
レバー位置に基づく保持力調整値に対応する電流値にな
るように、逐次、制御するように構成してもよい。
【0067】(3)上記第1実施形態では、操作位置検
出手段としてのポテンショメータが、扇型ギア22の操
作量を検出するようにしたが、変速レバー26の操作量
や、カム部材20の操作量を直接検出するようにしても
よく、あるいは、それらの連係機構中の部材の移動量を
検出する構成としてもよい。
【0068】(4)上記第1実施形態では、パルス信号
の幅を変更して電動モータに対する電力を調整するよう
にしたが、このような構成に限らず、周波数を変更した
り、ピーク電流値を変更する等、各種の制御形態で実施
してもよい。
【0069】(5)上記第1実施形態では、被操作対象
として、ベルト式無段変速装置3の変速部を例示した
が、本発明は、ベルト式無段変速装置3に限らず、油圧
式の無段変速装置やその他の無段変速装置の操作構造に
適用してもよく、被操作対象としては、無段変速装置に
限らず、例えば、作業装置を操作具にて手動昇降させる
構成であって電動モータ26にてアシスト操作させる構
成等、各種の操作構成に適用できる。
【0070】(6)上記第1実施形態では、被操作対象
としての変速部を設定方向にアシスト操作させる電動モ
ータと、操作停止状態において、位置保持するために復
帰付勢力が作用する方向と逆方向に向けての力を発生す
る電動モータとを共用する構成としたが、このような構
成に限らず、被操作対象を正逆方向に操作するアクチュ
エータを、位置保持用の電動モータとは別に備える構成
であってもよい。
【0071】(7)上記第1実施形態は、前記ポテンシ
ョメータ33が、被操作対象の操作位置を検出する操作
位置検出手段と、操作停止状態における被操作対象の移
動を検出する移動検出手段とを兼用する構成としたが、
これらを各別に備える構成としてもよい。
【0072】(8)上記第1実施形態では、被操作対象
としての変速部を電動モータにてアシスト操作するよう
にしたが、被操作対象を人為操作力のみに基づいて正逆
方向に操作させる形態であってもよい。
【0073】(9)上記第2実施形態では、被操作対象
としての旋回体が移動している場合に、予め設定された
設定値の電力を電動モータに供給し、その後も移動して
いれば、設定単位量づつ電力を増加させるようにした
が、このような構成に代えて、例えば、機体の水平姿勢
からの前後傾斜角度及び左右傾斜角度、即ち、旋回体の
縦方向に沿う旋回軸芯の鉛直姿勢からの傾斜角を検出す
る傾斜角センサーを備えて、この傾斜角センサーの検出
情報に基づいて、旋回体の重力に起因した移動を間接的
に検出するようにして、その検出情報に基づいて、旋回
体の重力に起因した移動を阻止する為の、予め演算等に
より求められる電力を電動モータに供給するように構成
してもよい。この場合には、傾斜角センサーが間接的に
被操作対象の移動を検出する移動検出手段として機能す
ることになる。
【0074】又、前記傾斜角センサーの検出情報と、前
記ポテンショメータRyの検出情報との夫々に基づい
て、適切な電力に変更調整するように構成してもよい。
【0075】(10)上記第2実施形態では、上記第1
実施形態と同様に、被操作対象としての旋回体を旋回操
作させる電動モータと、重力に抗して位置保持させるた
めの電動モータとを共用させる構成としたが、旋回体を
旋回操作させる為のアクチュエータを、位置保持用の電
動モータとは異なる別のもので構成してもよい。又、旋
回体を人為操作にて正逆方向に操作させる形態であって
もよい。
【0076】(11)上記各実施形態では、変速装置の
中立側への復帰力や重力にて被操作対象が移動する場合
を示したが、前記外力としては、これらに限らず、人為
操作力にて移動するような場合、あるいは、別のアクチ
ュエータにて外力が作用するような場合等、どのような
ものであってもよい。
【0077】(12)上記各実施形態では、作業車両と
してコンバインを例示したが、本発明はコンバインに限
らず、トラクターや苗移植機等の他の農作業車、あるい
は、建設機械等の各種の作業車両の操作制御装置にも適
用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ベルト式無段変速装置の操作機構を示す側面図
【図2】ベルト式無段変速装置の断面図
【図3】変速カムの側面図
【図4】コンバインの伝動系統図
【図5】変速レバーの操作領域を示す図
【図6】第1実施形態の制御ブロック図
【図7】制御動作のフローチャート
【図8】制御動作のフローチャート
【図9】制御動作のフローチャート
【図10】制御動作のフローチャート
【図11】制御動作のフローチャート
【図12】制御動作のフローチャート
【図13】コンバインの全体側面図
【図14】コンバインの全体平面図
【図15】排出オーガの基端部の側面図
【図16】第2実施形態の制御ブロック図
【図17】第2実施形態の制御動作のフローチャート
【図18】第2実施形態の制御動作のフローチャート
【符号の説明】
3 ベルト式無段変速装置 20 変速部 23,108 電動モータ 26 操作具 28,29 操作状態検出手段 33,Ry 移動検出手段 35 パルス信号出力手段 36 駆動手段 45 電流検出手段 H 電力供給手段 OG 旋回体 Y 旋回軸芯

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正逆方向に操作自在な被操作対象の操作
    停止状態において、その被操作対象が外力によって移動
    することを阻止して前記被操作対象を位置保持させる為
    に、前記外力の作用する方向と逆方向の力が発生するよ
    うに、電動モータに位置保持用の電力を供給する電力供
    給手段が備えられている作業車両の操作制御装置。
  2. 【請求項2】 前記電動モータが、正逆方向に操作すべ
    く前記被操作対象に操作力を付与するように構成されて
    いる請求項1記載の作業車両の操作制御装置。
  3. 【請求項3】 前記操作停止状態において、前記外力に
    よる前記被操作対象の移動を検出する移動検出手段が備
    えられ、 前記電力供給手段は、前記移動検出手段の検出情報に基
    づいて、前記被操作対象が位置保持されるべく、前記電
    動モータに電力を供給するように構成されている請求項
    1又は2記載の作業車両の操作制御装置。
  4. 【請求項4】 前記被操作対象に、前記外力として、所
    定方向に復帰付勢力が作用するものであり、前記電力供
    給手段は、前記操作停止状態になるに伴って、前記位置
    保持用の電力を供給するように構成されている請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の作業車両の操作制御装置。
  5. 【請求項5】 前記被操作対象は、その操作位置の変化
    に伴って前記復帰付勢力が変動するものであり、 前記電力供給手段は、前記被操作対象の操作位置を検出
    する操作位置検出手段の検出情報に基づいて、前記電動
    モータに供給する電力を変更設定するように構成されて
    いる請求項4記載の作業車両の操作制御装置。
  6. 【請求項6】 前記移動検出手段は、 前記被操作対象が前記操作停止状態であって、且つ、そ
    の被操作対象が位置保持されるべく前記電動モータに電
    力が供給されている状態において、前記外力による前記
    被操作対象の移動を検出するように構成され、 前記電力供給手段は、前記移動検出手段の検出情報に基
    づいて、前記被操作対象が位置保持されるべく、前記電
    動モータに供給する電力を変更調整するように構成され
    ている請求項2〜5のいずれか1項に記載の作業車両の
    操作制御装置。
  7. 【請求項7】 人為的に正逆に操作される操作具と、前
    記被操作対象とが機械的に連動連結され、 前記操作具が人為的に操作されているか否か、及び、そ
    の操作方向を検出する操作状態検出手段が備えられ、 前記電力供給手段は、 前記操作状態検出手段の検出情報に基づいて、 前記操作具が人為的に操作されていることが検出される
    と、前記操作具の操作方向にアシスト力が与えられるよ
    うに前記電動モータに電力を供給し、 且つ、前記操作具が人為的に操作されていないことが検
    出されると、前記被操作対象がその操作位置で保持され
    るように電力を供給するように構成されている請求項1
    〜6のいずれか1項に記載の作業車両の操作制御装置。
  8. 【請求項8】 前記電力供給手段は、 出力されるパルス信号の幅を変更自在なパルス信号出力
    手段と、前記パルス信号出力手段のパルス信号の幅に応
    じた電流を前記電動モータに供給する駆動手段と備えて
    構成されている請求項3〜7のいずれか1項に記載の作
    業車両の操作制御装置。
  9. 【請求項9】 前記電動モータに供給される前記電流の
    値を検出する電流検出手段が備えられ、この電流検出手
    段の検出情報に基づいて前記電流の値が設定値に維持さ
    れるように前記電力を調整するように構成されている請
    求項3〜8のいずれか1項に記載の作業車両の操作制御
    装置。
  10. 【請求項10】 前記電流検出手段が、 前記設定値を含む電流調整範囲であって、且つ、前記電
    動モータに供給される全電流調整範囲よりも小さい電流
    調整範囲でのみ、前記電流の値を検出するように構成さ
    れている請求項9記載の作業車両の操作制御装置。
  11. 【請求項11】前記被操作対象が、ベルト式無段変速装
    置の変速部であり、前記外力が、前記ベルト式無段変速
    装置の中立側への復帰力である請求項1〜10のいずれ
    か1項に記載の作業車両の操作制御装置。
  12. 【請求項12】 前記被操作対象が、前記外力として、
    正逆方向のうちのいずれか一方向に択一的に作用するも
    のである請求項1、2、3又は6のいずれか1項に記載
    の作業車両の操作制御装置。
  13. 【請求項13】 前記被操作対象が、機体に対して、前
    記電動モータにより縦方向に沿う旋回軸芯周りで正逆方
    向に旋回自在に設けられた旋回体で構成され、 前記旋回体は、前記機体の傾斜に伴う重力によって、正
    逆旋回方向のうちのいずれか一方向に択一的に前記外力
    が作用するように構成されている請求項1、2、3、6
    又は12のいずれか1項に記載の作業車両の操作制御装
    置。
  14. 【請求項14】 請求項3に記載の前記移動検出手段
    が、前記旋回体における前記旋回軸芯の鉛直姿勢からの
    傾斜状態を検出するように構成されている請求項13記
    載の作業車両の操作制御装置。
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