JPH09126098A - 燃料噴射弁 - Google Patents
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- Fuel-Injection Apparatus (AREA)
Abstract
付勢する構成の燃料噴射弁において、スプリングシート
の姿勢の傾きによるプレリフト幅の狂いや摩擦による粉
粒物の発生、また、針弁上昇時におけるスプリング室内
の燃料圧による針弁の開弁時の上昇阻害等の弊害を除去
することを課題とする。 【解決手段】 プッシュロッド部10aを一体に連接す
る第一スプリングシート10を設け、またその外周部に
は、第一スプリング室4aの内壁面との間に隙間を生じ
させる切欠部10bを形成し、その外周形状を、上下中
央部の口径がその上下端部の口径よりも大きい状態のも
のとし、小径孔4bの内壁面形状もそのようにし、更に
第一スプリング室4aと第二スプリング室5aとを連通
するリーク孔4c・5bを形成した。
Description
ンの燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射弁における針弁付
勢用のスプリング関連部材の姿勢制御構造に関する。
料を噴射すべく、下端にノズル部を形成し、該ノズル部
における噴孔の開閉を針弁の上下摺動にて行う構成の燃
料噴射弁は公知であって、この中で、針弁の摺動具合を
調整すべく、針弁に直接連接してこれを下方付勢する第
一スプリングを下方に、そして、該第一スプリングを巻
装するプッシュロッド部を下方付勢する第二スプリング
を上方に配設した構成のものも公知となっており、本出
願人も、このような型式の燃料噴射弁を、特願平6−1
34606号にて出願済みである。
圧化してディーゼルエンジンの小型高出力化を図る場
合、この公知のものでは、針弁の背後にある針弁付勢用
のスプリング関連部材の摩擦摺動不良や燃料排出孔への
燃料圧力の開放遅れにより、噴射特性を損なうという問
題があるが、シリンダヘッドの熱負荷を軽減するために
冷却水ジャケットを大きくし、また燃料噴射弁を小径化
して熱容量を小さくするとこの問題は改善される。
噴射弁で、その概略構成から説明する。まず、燃料噴射
ポンプより供給された燃料圧にて針弁を上昇させて、速
やかにノズルを開弁するため、第一スプリングのみで直
接的に針弁を付勢すべく、第一スプリングを巻装するプ
ッシュロッド部上端と、第二スプリングを受ける第二ス
プリングシートとの間に、プレリフト間隔を設けてい
る。そして、開弁後、針弁がプレリフト以上に上昇し、
針弁の燃料受圧面積が増大して、これを上方へ押す荷重
が大きくなると、略同じ荷重・バネ定数の第一スプリン
グと第二スプリングの合成力にて該荷重に対抗すべく、
第二スプリングが、第一スプリングを巻装するプッシュ
ロッド部を下方付勢する構成としているのである。
リングと第二スプリングを設けた構成の燃料噴射弁にお
いて、第一スプリングを受ける第一スプリングシート
と、第一スプリングを巻装するプッシュロッドとは、従
来、別体のものを単に連接した構成であって、第一スプ
リングシートの姿勢が傾くと、プッシュロッドの上端位
置が変動するためにプレリフト間隔も変化し、針弁の開
弁度、即ち、燃料噴射圧が不正確となる。排気エミッシ
ョン低減化のための高圧燃料噴射の実現を図る今日で
は、特に解決すべき課題となっている。
内は、針弁が閉弁していた状態においては燃料が存在し
ていなかったのであるから、針弁上昇時のサック内は低
圧であり、それに比して、第一スプリング室内の針弁に
対抗する燃料圧は高い。これに加えて、燃料排出孔への
燃料圧力の開放が直ちには行われず、また、摩擦抵抗に
よるプッシュロッド部の作動不良もあって、実際には、
この燃料圧の抵抗で、開弁時における針弁の上昇度が足
りなくなっているのである。更に、プレリフト間隔を取
って、開弁開始時に、針弁の充分な上昇のために第一ス
プリングのみにて針弁を付勢するように構成しているの
であるが、これは逆に、針弁の上昇力が弱いことでもあ
って、第一スプリングを巻装するプッシュロッドを第二
スプリングシートに対抗して上昇させる場合にも、第二
スプリング室から燃料排出孔に排出されずに針弁の背部
に溜まっている燃料圧に対して、第一スプリングのバネ
力が不足し、前記同様の問題が発生する。これらの相乗
作用により、針弁の上昇度が足りず、即ち、ノズル開度
が不足するので棒状噴射となってしまうのである。
て、今度は第二スプリングシートが下降して、該第二ス
プリング室底面(或いはシム上面)に着座する場合に、
該第二スプリングシートとシムとの間の燃料圧で、円滑
に着座せず、このため、針弁の下降が遅れ、または中途
半端になり、燃料噴射の終了が正確になされず、燃料漏
れを起こして、的確な燃焼がなされなくなるという不具
合がある。
少し姿勢が傾けば、第一スプリング室内壁面と当接し、
摩擦を生じて粉粒物が発生する。また、該第一スプリン
グ室直上方には、プッシュロッドのみを摺動可能に内嵌
する小径孔が穿設されているものがあるが、このプッシ
ュロッドの姿勢の傾きにより、該小径孔との摩擦が生じ
ることも同様である。こうして発生する粉粒物が、針弁
等を伝わってノズル部内に入り込み、高圧噴射によっ
て、燃料とともに噴射されてしまうという不具合があ
る。
課題を解決するために次のような手段を用いるものであ
る。即ち、第1に、下端のノズル部に配設した針弁に下
方付勢力を付与する第一スプリング、該第一スプリング
を受ける第一スプリングシート、及び該第一スプリング
を巻装するプッシュロッド部を内嵌する第一スプリング
室を下方に、該プッシュロッド部に下方付勢力を付与す
る第二スプリング、及び該第二スプリングを受け、該プ
ッシュロッド部上端とプレリフト間隔を有する第二スプ
リングシートを内嵌する第二スプリング室を上方に内設
した構成の燃料噴射弁において、該プッシュロッド部
を、第一スプリングシートと一体化し、針弁の開閉時の
微動の姿勢を安定化する。
一スプリングシートと、プッシュロッド部を嵌挿する小
径孔の内壁面における上下端部のうち少なくともその一
方を面取り状傾斜面に形成して、プッシュロッド部の摺
動を円滑とし、針弁の開閉の抵抗にならないようにす
る。
の背部と燃料排出孔の間に嵌合される嵌合部材に該嵌合
部材の前後を連通する通路を設けて、針弁の背部に漏出
する燃料の圧力を燃料排出孔に開放し、針弁の開弁抵抗
を低減する。
シュロッドの上端と、第二スプリングシートの下方突出
部の下端との間隔をプレリフト幅として設定するよう
に、第二スプリングシートを選択組み立て可能とするこ
とにより、プレリフト調整を簡易化する。
面より説明する。図1は本発明の燃料噴射弁の側面断面
図、図2はプッシュロッド部と第一スプリングシートと
の一体型の第一スプリングシート10の側面図、図3は
図2における上面図、図4は第一スプリングシート10
を内嵌した状態における下部ホルダー4の底面図、図5
はプレリフト幅hの設定構成を示す第一スプリングシー
ト10のプッシュロッド部10a上端部のシム13内へ
の嵌入部の部分側面断面図、図6はプッシュロッド一体
型の第一スプリングシート10の一実施例を示す側面
図、図7は同じく一実施例を示す側面図、図8は下部ホ
ルダー4の上面図、図9は小径孔4bの一実施例を示す
下部ホルダー4の側面断面図、図10は同じく一実施例
を示す下部ホルダー4の側面断面図、図11は上部ホル
ダー5の側面断面図(図12におけるX−X線断面
図)、図12は同じく底面図、図13はシム孔13aと
溝13bを有するシム13を底面に一体化した第二スプ
リングシート12の側面一部断面図、図14は同じく底
面図、図15は溝13cを有するシム13を底面に一体
化した第二スプリングシート12の側面一部断面図、図
16は同じく底面図、図17はプレリフト幅hを小径孔
4b内にて確保した構成の燃料噴射弁の側面断面図、図
18は図17図示の燃料噴射弁における第一スプリング
シート10及びプッシュロッド10aの第一スプリング
室4a及び小径孔4b内での配設構成を示す部分側面断
面図、図19は同じく下方突出部12aを有する第二ス
プリングシート12の側面図である。
全体構成について説明する。燃料噴射弁の取付構成は、
ディーゼルエンジンのシリンダーヘッド内に内嵌固設さ
れるノズルナット1の底面が開口していて、ノズルボデ
ィ2を該ノズルナット1内の底部に内嵌して、その下部
分を、該ノズルナット1の底面開口部より下方に突出さ
せて、ピストン頭部等に設けた燃焼室に臨ませるように
している。そして、該ノズルナット1内にて、該ノズル
ボディ2の上からスペーサ3、及び下部ホルダー4を内
嵌して、これらをノックピン6にて一体に係止し、更に
該下部ホルダー4の上から上部ホルダー5を内嵌して、
該下部ホルダー4と上部ホルダー5をノックピン7(図
8及び図12参照)にて係止している。
まず、燃料通路の穿設構成より説明すると、上部ホルダ
ー5よりノズルボディ2にかけて、一連の燃料供給孔A
を穿設しており、燃料噴射ポンプからの供給燃料がこの
中に流入する。ノズルボディ2には、垂直状にノズル孔
Bが穿設されていて、その上部には、容積の大きい燃料
溜まりBaを形成し、下端には、サック部Bbを形成し
て、該サック部Bb周囲のノズルボディ2に、図面では
見えない噴孔が穿設されている。燃料は、該燃料供給孔
Aよりノズル孔Bに流入して、該サック部Bbより噴孔
を介して、燃焼室に向けて噴射されるのである。更に、
上部ホルダー5には、後記第二スプリング室5aの上端
より上方に、大気圧側に開放するための垂直状の燃料排
出孔Cが穿設されている。
において、ノズル孔Bには針弁8が摺動自在に内嵌され
ている。針弁8の下端は、サック部Bb内に嵌入され、
ノズル孔Bとサック部Bbとの間が、針弁8の上下動に
て開閉され、また、開度調整される。また、該燃料溜ま
りBaより上方垂直状に、針弁8の摺動室が穿設されて
いて、この中に針弁8の上部分が摺動自在に内嵌され、
摺動最下端に位置する該針弁8の上端面と、該ノズルボ
ディ2の上に配設されるスペーサ3の底面との隙間が、
図1に示すように、針弁8の摺動最大幅Hとなるのであ
る。
ュロッド部8aが突設されていて、スペーサ3の中心部
に穿設した針弁摺動孔3aに嵌挿され、更に、該プッシ
ュロッド部8aは、該スペーサ3の上端面より上方に突
出して、該スペーサ3の上に配設される下部ホルダー4
の底面より上方垂直に円筒状に穿設される第一スプリン
グ室4a内に入り込む。
じられている状態において、燃料噴射ポンプより燃料が
吐出されて、燃料供給孔Aを経て、ノズル孔B及び燃料
溜まりBaに燃料が流入すると、この燃料圧にて針弁8
が上に押し上げられ、このため、サック部Bbが開口し
て、ノズル孔Bと連通し、燃料がサック部Bbに流入
し、噴孔を介して噴射される。
ック部Bbに流入する燃料に上方からの圧力をかけなけ
ればならない。即ち、針弁8の下端部にて、燃料を抑止
する力が必要となる。このため、針弁8に下方付勢力を
付与すべく、該針弁8の上方に第一スプリング9及び第
二スプリング11を配設しているのである。
明する。下部ホルダー4内には、前記のように、底面開
口状の第一スプリング室4aが穿設されており、該第一
スプリング室4a内において、第一スプリングシート1
0が内嵌されて、その底面が、前記の針弁8のプッシュ
ロッド部8aの上端に当接している。該第一スプリング
シート10の平面中心部より上方には、プッシュロッド
部10aが突設されていて、その上部分は、該第一スプ
リング室4aより上方に連接して穿設される小径孔4b
内に嵌挿され、更に、該下部ホルダー4の上端面より上
方に突出して、該下部ホルダー4の上に配設される上部
ホルダー5の第二スプリング室5a内に入り込んでい
る。そして、第一スプリング室4a内にて、該プッシュ
ロッド部10aに第一スプリング9が巻装されているの
である。
リングを巻装するプッシュロッドとは、別体であり、第
一スプリングシートの姿勢が傾きやすいという不具合が
あったが、本発明においては、図1、図2、及び図3の
如く、第一スプリングシート10に一体的にプッシュロ
ッド部10aを形成しているので、プッシュロッド部1
0aの姿勢が安定していれば第一スプリングシート10
のみが姿勢を崩すということはありえない。そして、該
プッシュロッド部10aは、小径孔4b内に嵌挿され
て、ガイドされているので、姿勢が安定しており、結果
として、第一スプリングシート10の姿勢が安定するの
である。
勢が安定すると、プッシュロッド部10aの上端位置が
変わらないから、後記の第二スプリングシート12との
間隔であるプレリフト幅hも一定に保持される。つま
り、針弁8の開弁開始時の上昇度が定まって、確実な燃
料噴射圧を実現できる。また、該第一スプリングシート
10と第一スプリング室4aの内壁面との間の摩擦がな
くなり、粉粒物の発生も抑えられる。
いて説明する。上部ホルダー5において、前記の如く第
二スプリング室5aが形成されていて、該第二スプリン
グ室5a内にて、その底面に当たる下部ホルダー4の上
端面には、シム13が貼設されていて、図5の如く、該
シム13の平面中心部に円筒状に穿設したシム孔13a
内に、前記のプッシュロッド部10aの上端部を、高さ
Tにわたって嵌入している。該プッシュロッド部10a
の上端部と該シム13の上端面との間の上下間隔が、プ
レリフト幅hとなっているのであって、このプレリフト
幅hを調節する場合には、シム13の厚さSを調整する
のである。そして、該シム13の上に第二スプリングシ
ート12を載置して、該第二スプリングシート12の上
に第二スプリング11を内嵌するものである。なお、シ
ム13は、下部ホルダー4の上端面でなく、第二スプリ
ングシート12の底面に貼設する構成としてもよい。
はほとんど同じ荷重・バネ定数である。これを前提に、
第一スプリング9と第二スプリング11の作動について
説明する。まず、サック部Bbを閉弁している針弁8が
前記の如く燃料圧に押されて上昇すると、プッシュロッ
ド部8a上端が第一スプリングシート10に当接してい
るので、針弁8には第一スプリング9の下方付勢力が働
く。そして、開弁することで針弁8の受圧面積が増大
し、バルブ上方への荷重が大きくなって、第1スプリン
グ9の荷重よも大きくなり、なおも針弁8は上昇し、こ
れに伴って第一スプリングシート10及びプッシュロッ
ド部10aが上昇する。最初は、プレリフト幅hの範囲
内で、針弁8は第一スプリング9のみの付勢力に抗して
上昇するが、やがて、プレリフト幅hの終点に達し、即
ち、プッシュロッド部10aの上端が第二スプリングシ
ート12底面に当接すると、第二スプリング11の下方
付勢力が、第一スプリングシート10にかかり、第一ス
プリングと第二スプリングの合成力が針弁8を付勢す
る。この付勢力にて、燃料に上方からの抑圧力を与え、
高圧噴射をするのである。なおもこの第二スプリング1
1に抗してプッシュロッド部10aが上昇し、やがて、
針弁8が、最大摺動幅Hに達すると、即ち、スペーサ3
の底面に該針弁8が当接すると、針弁8の上昇が停止す
る。そして、燃料噴射ポンプからの一行程の燃料吐出が
終了し、燃料供給孔Aからの燃料吸入がなくなると、針
弁8は、第一スプリング9及び第二スプリング11の下
方付勢力にて速やかに下降してサック部Bbを閉弁して
噴射終了する。
て、各部の改良構成について、以後説明する。まず、前
記課題にて述べた如く、第一スプリングシート10と第
一スプリング室4a内壁面との摩擦による粉粒物の発生
を防止する構成(針弁8を伝わって直接的にノズル先端
に流出するのは、第一スプリング室4a、またはその直
上部の小径孔4b内で発生する粉粒物であって、第二ス
プリング室5a内においては、シム13等の介設等があ
り、この中で発生する粉粒物については問題としな
い。)については、該第一スプリングシート10の外周
部を、第一スプリング室4a内壁面との摩擦ができるだ
け回避される形状にすればよい。このため、第一スプリ
ングシート10を、図6及び図7のように、上下中央部
の口径よりも上下端部の口径が短い形状としている。該
第一スプリングシート10の外周部の具体的形状として
は、図6のように、上下中央部は、上下長さの短い垂直
円柱状とし、その上下を、頂点切欠状の円錐状としたも
の、或いは、図7のように、球状面、或いはサインカー
ブ状にしたもの等が考えられる。いずれにしても、第一
スプリングシート10の外周部において、第一スプリン
グ室4aに対する摩擦面(摺動面)を、上下中央部の上
下長さの短い最大径部分のみとし、該摩擦面の面積を狭
小にして、粉粒物の発生を抑制するのである。
径孔4b内においても、プッシュロッド部10aとの摩
擦でこのような粉粒物が発生しやすく、該粉粒物は、第
一スプリング室4a内に流入し、第一スプリング室4a
内で発生した粉粒物とともに噴射されてしまうおそれが
ある。そこで、このプッシュロッド部10aを内嵌する
小径孔4bにおいては、その内壁面の形状を、図9のよ
うに、球状面或いはサインカーブ状としたり、或いは、
図10のように、上下端を面取りして口径を広げたりし
て、該プッシュロッド部10aとの摩擦面を狭小化し、
摩擦を生じにくくしているのである。
減構成について説明する。まず、針弁8の上昇時におい
て、該上昇を抑止する第一スプリング室4a内の燃料を
リークすべく、第一スプリングシート10の外周部に
は、図1乃至図4のように、第一スプリング室4aの内
壁面との間に隙間を生じさせる切欠部10b・10b・
・・を形成している。針弁8の上昇時においては、プッ
シュロッド部8aに押されて第一スプリングシート10
が上昇する際に、その周囲の切欠部10b・10b・・
・を介して、該第一スプリング室4a内における該第一
スプリングシート10より上方の燃料が、下方に流動す
るので、該第一スプリングシート10の上昇が円滑にな
るのである。
ュロッド部10aの上昇を抑制する第二スプリング室5
a内の燃料圧の低減に関して説明すると、第二スプリン
グ室5a内においては、図1、図11、及び図12のよ
うに、第二スプリングシート12の内嵌部分の内壁面
を、外側に向けて凹設し、縦状のリーク孔5bを形成し
ている。更に、図1、図8乃至図10のように、下部ホ
ルダー4の上端面より第一スプリング室4aに連通する
縦状のリーク孔4cが穿設されて、リーク孔5bと連接
するようになっており、該リーク孔5b内に流入した燃
料を第一スプリング室4aに流動させる構成としてい
る。こうして、プッシュロッド部10aが針弁8ととも
に上昇し、第二スプリング11の付勢力に抗してなおも
第二スプリングシート12を押し上げる際に、該第二ス
プリング室5a内の該第二スプリングシート12よりも
上方の燃料が、該リーク孔5b内に流入して、この部分
の燃料圧を低減するので第二スプリングシート12の上
昇が円滑化するのである。
は、下降時において、第二スプリング室5a内における
該第二スプリングシート12よりも下方の燃料圧で、円
滑に着座せず、針弁8の下降遅れや、下降が途中で止ま
るという不具合があり、燃料噴射の終了が正確になされ
ないというおそれがある。(第一スプリングシート10
はプッシュロッド部8aの上端との当接時において、下
部ホルダー4の底面との間に隙間があり、さほど問題に
ならないが、第二スプリングシート12に関してはシム
13上面に、また、シム13が第二スプリングシート1
2の底面に貼設されている場合には、シム13底面が下
部ホルダー4の上面に密着状態となるので、特に問題と
なる。)そこで、該着座の際に、第二スプリングシート
12の下方の燃料圧を低減する工夫が必要となる。
ングシート12の底面にシム13を貼設してあり、該シ
ム13の平面視中心部には、プッシュロッド部10a内
嵌用のシム孔13aを穿設しているが、更に、該シム1
3の底面において、該シム孔13aより該シム13の外
面に貫通する溝13bを穿設している。或いは、もっと
形状を容易化して、図15及び図16の如く、シム13
底面に、一本の幅の広い溝13cを直径方向に穿設し、
その平面視中央部にプッシュロッド部10aの上端部を
嵌入する構成とする。溝13c一本にて、シム孔13a
と溝13bの両方を兼用するのである。いずれにしても
第二スプリングシート12が下降して、シム13の底面
が第二スプリング室5a底面に着座する際に、その下方
の燃料が該溝13bまたは13cに流入して、この部分
の燃料圧を低減し、着座が円滑になされるので、針弁8
のサック部Bbの閉弁が確実になり、燃料噴射の終了が
正確になされるのである。
のプッシュロッド部10aを第二スプリング室4b内に
突出する構成とし、第二スプリング室5a内でプレリフ
ト幅hを取るようにしたものを前提としている。図17
乃至図19は、これに対して、プレリフト幅hを、前記
小径孔4b内に相当する部位にて確保する構成としてい
る。つまり、第二スプリングシート12より第一スプリ
ング室4a側に下方突出部12aを設けた構成としてい
るのである。この下方突出部12aの突出長さが異なる
第二スプリングシート12を数種類作成しておき、その
中から最適長さの下方突出部12aを有する第二スプリ
ングシートを組み込むことによりプレリフト幅hの調整
を行うのである。
では、小径孔4bの形状は、図18の如く段状にして、
下段は口径を小さく、上段は口径を大きく取っている。
この上段部分には、図19図示の第二スプリングシート
12からの下方突出部12aが嵌入し、該下段部分に
は、第一スプリングシート10のプッシュロッド部10
aの上端部が嵌入されている。なお、該プッシュロッド
部10aに比して、該下方突出部12aの口径が大きく
なっており、該プッシュロッド部10aを小径孔4bの
下段部が、該下方突出部12aを同じく上段部がガイド
するようになっている。従って、該第二スプリングシー
ト12の下方突出部12aの下端は、針弁8の非上昇時
には、該段差部がシートになって、この部位に当接して
停止している。該プッシュロッド部10aの上端は、該
下方突出部12aの下端よりプレリフト幅hを介して下
方に位置している。針弁8の上昇時には、プッシュロッ
ド部10aが上昇して、該プレリフト幅hを経て、該下
方突出部12a、即ち第二スプリングシート12を押し
上げるのである。
シート10とプッシュロッド部10aは一体であること
は共通しており、更に、該プッシュロッド部10aが、
小径孔4bの下段部内でガイドされていて、姿勢が崩れ
ないようになっている。また、第二スプリングシート1
2の下方突出部12aも、該小径孔4bの上段部内にて
ガイドされて、やはり姿勢を保持されている。従って、
常にプレリフト幅hが正確に確保されるのである。
したので、次のような効果を奏する。即ち、請求項1の
如く構成したので、第一スプリングシートの姿勢が安定
し、第一スプリング室の内壁面との摩擦が低減し、粉粒
物の発生が低減する。従って、燃料の噴射にこれらの粉
粒物が混入することも少なくなる。また、プッシュロッ
ド部も、第一スプリングシートの傾きに伴って上端位置
が変化するという事態が起こらず、その上端位置は常に
一定に保持されるので、針弁のプレリフト間隔が一定と
なり、燃料噴射圧が正確に保持される。
スプリングシートと第一スプリング室内壁面との摩擦が
回避され、また、プッシュロッド部と小径孔との摩擦も
回避されるので、第一スプリング室での粉粒物の発生が
低減し、燃料の噴射にこれらの粉粒物が混入することが
少なくなると共に、針弁の背部には過大抵抗の発生もな
く、針弁の開弁作用が円滑となり、所謂棒状噴射を未然
に防止することができる。
の上昇開始時において、嵌合部材の前後を連通する通路
を介して、燃料が円滑に燃料排出孔側に流動し、従っ
て、針弁の背部に燃料圧の過大抵抗が発生することな
く、針弁の開弁作用が円滑になり所謂棒状噴射を未然に
防止することができる。
のプレリフト幅の調整を容易に行うことができ、燃料噴
射弁の小径化に対する組立精度の確保及びその量産性の
向上を図ることができる。
一体型の第一スプリングシート10の側面図である。
ける下部ホルダー4の底面図である。
グシート10のプッシュロッド部10a上端部のシム1
3内への嵌入部の部分側面断面図である。
10の一実施例を示す側面図である。
側面断面図である。
断面図である。
るX−X線断面図)である。
底面に一体化した第二スプリングシート12の側面一部
断面図である。
た第二スプリングシート12の側面一部断面図である。
構成の燃料噴射弁の側面断面図である。
ングシート10及びプッシュロッド10aの第一スプリ
ング室4a及び小径孔4b内での配設構成を示す部分側
面断面図である。
ングシート12の側面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 ノズルボディ内に配設した針弁に下方付
勢力を付与する第一スプリング、該第一スプリングを受
ける第一スプリングシート、及び該第一スプリングを巻
装するプッシュロッド部を内嵌する第一スプリング室を
下方に、該プッシュロッド部に下方付勢力を付与する第
二スプリング、及び該第二スプリングを受け、該プッシ
ュロッド部上端とプレリフト間隔を有する第二スプリン
グシートを内嵌する第二スプリング室を上方に内設した
構成の燃料噴射弁において、該プッシュロッド部を、第
一スプリングシートと一体化したことを特徴とする燃料
噴射弁。 - 【請求項2】 ノズルボディ内に配設した針弁に下方付
勢力を付与する第一スプリング、該第一スプリングを受
ける第一スプリングシート、及び該第一スプリングを巻
装するプッシュロッド部を内嵌する第一スプリング室を
下方に、該プッシュロッド部に下方付勢力を付与する第
二スプリング、及び該第二スプリングを受け、該プッシ
ュロッド部上端とプレリフト間隔を有する第二スプリン
グシートを内嵌する第二スプリング室を上方に内設した
構成の燃料噴射弁において、該第一スプリングシートの
外周部における上下端部と、該プッシュロッド部を嵌挿
する小径孔の内壁面における上下端部のうち、少なくと
もその一方を面取り状傾斜面に形成したことを特徴とす
る燃料噴射弁。 - 【請求項3】 ノズルボディ内に配設した針弁に下方付
勢力を付与する第一スプリング、該第一スプリングを受
ける第一スプリングシート、及び該第一スプリングを巻
装するプッシュロッド部を内嵌する第一スプリング室を
下方に、該プッシュロッド部に下方付勢力を付与する第
二スプリング、及び該第二スプリングを受け、該プッシ
ュロッド部上端とプレリフト間隔を有する第二スプリン
グシートを内嵌する第二スプリング室を上方に内設し、
針弁の背部に漏出する燃料を第二スプリング室を介して
燃料排出孔に排出するようにした構成の燃料噴射弁にお
いて、該針弁の背部と燃料排出孔の間に嵌合される嵌合
部材に、該嵌合部材の前後を連通する通路を設けたこと
を特徴とする燃料噴射弁。 - 【請求項4】 ノズルボディ内に配設した針弁に下方付
勢力を付与する第一スプリング、該第一スプリングを受
ける第一スプリングシート、及び該第一スプリングを巻
装するプッシュロッド部を内嵌する第一スプリング室を
下方に、該プッシュロッド部に下方付勢力を付与する第
二スプリング、及び該第二スプリングを受け、該プッシ
ュロッド部上端とプレリフト間隔を有する第二スプリン
グシートを内嵌する第二スプリング室を上方に内設した
構成の燃料噴射弁において、該プッシュロッド部の上端
と、第二スプリングシートの下方突出部の下端との間隔
をプレリフト幅として設定するように第二スプリングシ
ートを選択組立可能としたことを特徴とする燃料噴射
弁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28588295A JPH09126098A (ja) | 1995-11-02 | 1995-11-02 | 燃料噴射弁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28588295A JPH09126098A (ja) | 1995-11-02 | 1995-11-02 | 燃料噴射弁 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09126098A true JPH09126098A (ja) | 1997-05-13 |
Family
ID=17697254
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28588295A Pending JPH09126098A (ja) | 1995-11-02 | 1995-11-02 | 燃料噴射弁 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09126098A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003515049A (ja) * | 1999-11-27 | 2003-04-22 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング | 燃料噴射弁 |
JP2015190360A (ja) * | 2014-03-28 | 2015-11-02 | ヤンマー株式会社 | 燃料噴射ポンプの試験装置 |
-
1995
- 1995-11-02 JP JP28588295A patent/JPH09126098A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003515049A (ja) * | 1999-11-27 | 2003-04-22 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング | 燃料噴射弁 |
JP2015190360A (ja) * | 2014-03-28 | 2015-11-02 | ヤンマー株式会社 | 燃料噴射ポンプの試験装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040316 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20040513 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20040615 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040812 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050830 |