JP2560266Y2 - 燃料噴射ノズル - Google Patents

燃料噴射ノズル

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JP2560266Y2
JP2560266Y2 JP1991075209U JP7520991U JP2560266Y2 JP 2560266 Y2 JP2560266 Y2 JP 2560266Y2 JP 1991075209 U JP1991075209 U JP 1991075209U JP 7520991 U JP7520991 U JP 7520991U JP 2560266 Y2 JP2560266 Y2 JP 2560266Y2
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injection
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、ディーゼルエンジン
の燃焼室に燃料を噴射するための燃料噴射ノズルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】図9は、従来の燃料噴射ノズルのノズル
部Aを示すものであり、このノズル部Aは、ノズル本体
10と弁体20とを備えている。ノズル本体10の内部
には、その軸線L上を上端面から下方に向かって順次、
弁摺動孔11、燃料溜まり12、弁摺動孔11より小径
の燃料導入孔13および先細りのテーパ孔状をなす止ま
り孔14が形成されるとともに、ノズル本体1の下端部
には複数の噴射孔15が形成されている。複数の噴射孔
15は、軸線Lに関して点対称に配置されており、図1
0に示すように、その内側の端部が止まり孔14の内周
面に開口し、その外側の端部がノズル本体1の外面に開
口している。なお、符号16は、燃料噴射ポンプから圧
送される燃料を燃料溜まり12に導入するための高圧通
路である。
【0003】弁体20には、その上端側から下端側へ向
かって順次、弁摺動孔11に摺動自在に挿入される大径
部21、燃料溜まり12に臨む受圧部22、燃料溜まり
12を貫通して燃料導入孔13に隙間をもって挿通され
る小径部23、および先細りのテーパ状をなすカバー部
24が形成されている。カバー部24のテーパ角度は、
止まり孔14のテーパ角度より若干大きくなっている。
したがって、弁体20がノズルばね(図示せず)によっ
て下方へ移動せしめられると、小径部23とカバー部2
4との交差部が止まり孔の内周面に着座することにな
る。すなわち、このノズル部Aにおいては、小径部23
とカバー部24との交差部が弁部25になっており、止
まり孔14の内周面のうちの弁部25が着座する部分が
弁座17になっている。なお、カバー部24のテーパ度
については、止まり孔14のテーパ度と同等にすること
もある。
【0004】上記構成のノズル部Aを備えた燃料噴射ノ
ズルにおいて、燃料噴射ポンプから高圧通路16を介し
て燃料溜まり12に燃料が圧送され、燃料の圧力がノズ
ルばねによる開弁圧より大きくなると、弁体2が弁座1
7から上方へリフトする。すると、燃料溜まり12内の
燃料が、燃料導入孔13と小径部分23との間、および
止まり孔14とカバー部24との間を通り、噴射孔15
に流入する。そして、噴射孔15からディーゼルエンジ
ンの燃焼室に噴射される。
【0005】ところで、燃料を燃焼室に噴射させるに際
しては、燃焼室内の空気を効率的に利用するために、燃
料噴射開始から終了までの噴射期間中に、燃料をできる
限り広い範囲に噴射させることが重要である。そのため
には、燃料の噴射方向を噴射開始から終了までの間に変
化させるようにすればよい。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の燃料噴射ノズルにおいては、燃料が噴射孔15の軸
線に沿って噴射され、その噴射方向が常に一定である。
このため、燃料を燃焼室の広い範囲に噴射させることが
できず、燃焼室内の空気の利用効率も低いものとなって
いた。特に、高負荷時には、燃料噴射量が多いため、空
気の利用効率がより一層低下するという問題があった。
【0007】この考案は、上記問題を解決するためにな
されたもので、燃料の噴射方向を噴射期間中に変えるこ
とができ、したがって燃料を燃焼室の広い範囲に噴射し
て空気の利用効率を向上させることができる燃料噴射ノ
ズルを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この考案は、上記の目的
を達成するために、一端側の内部に、弁座およびこれに
続く先細りのテーパ状をなす止まり孔が形成されたノズ
ル本体と、このノズル本体の内部に摺動自在に設けら
れ、一端部に前記弁座に着座する弁部および前記止まり
孔の内周面にほぼ沿うテーパ状のカバー部が形成された
弁体とを備え、前記ノズル本体の一端部には、内側の端
部が前記止まり孔の内周面に開口し、他端がノズル本体
の外面に開口する噴射孔が形成された燃料噴射ノズルに
おいて、前記弁体が前記弁座からリフトするに際し、弁
体を段階的にリフトさせるリフト制御機構を設け、前記
噴射孔を複数の小孔から構成し、これら複数の小孔のう
ちの少なくとも2つの小孔の前記止まり孔の内周面にお
ける各内側の開口部を弁体のリフト方向に離間させ、前
記ノズル本体の外面における開口部を互いに交差させた
ことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】弁体が弁座からリフトすると、各小孔の外側の
開口部から燃料が噴射される。各小孔から噴射される燃
料は、各小孔の外側の開口部が交差しているので互いに
衝突する。この結果、各小孔から噴射された燃料全体
は、各小孔から噴射される燃料の噴射方向を合成した方
向へ向かう。
【0010】ところで、噴射される燃料は、噴射孔に流
入する前に止まり孔の内周面とカバー部との間の隙間を
通る。止まり孔の内周面とカバー部との間の隙間は、弁
体のリフト量が小さい場合には小さく、リフト量が大き
くなるにしたがって漸次大きくなる。
【0011】隙間が小さい場合には、その隙間による絞
り効果が大きい。この絞り効果により、止まり孔内の燃
料の圧力は、弁座側で高くなり、止まり孔の先端側で低
くなる。したがって、内側の開口部が弁座側に位置する
小孔(以下、上小孔という。)からの燃料噴射量が多く
なり、内側の開口部が止まり孔の先端側に位置する小孔
(以下、下小孔という。)からの燃料噴射量が少なくな
る。この結果、全小孔、すなわち噴射孔から噴射される
燃料全体の噴射方向は、上小孔から噴射される燃料の噴
射方向に近くなる。
【0012】一方、隙間が大きい場合には、隙間による
絞り効果がほとんど生じず、燃料は隙間を何等抵抗無く
通って止まり孔の先端側へ向かう。この場合、止まり孔
の先端側が閉じているので、燃料は止まり孔の先端部に
滞留することになる。したがって、止まり孔の内部の燃
料の圧力は、止まり孔の先端側で高くなり、弁座側で低
くなる。この結果、上小孔からの燃料噴射量が少なくな
り、下小孔からの噴射量が多くなる。よって、噴射孔か
ら噴射される燃料全体の噴射方向は、下小孔から噴射さ
れる燃料の噴射方向に近くなる。
【0013】上記のように、噴射孔から噴射される燃料
の噴射方向は、弁体のリフト量に応じて変化するが、仮
に弁体が弁座に着座した状態から急速にリフトすると、
噴射方向も短時間のうちに変化してしまい、噴射方向の
変化による燃焼室内の空気の利用効率の向上という利点
がほとんど得られない。そこで、この考案では、弁体を
段階的にリフトさせている。弁体のリフトが段階的であ
るので、噴射方向も段階的に変化する。したがって、燃
料は、弁体のリフト段階に応じて各方向に噴射される。
【0014】
【実施例】以下、この考案の実施例について図1〜図8
を参照して説明する。まず、図1〜図4に示すこの考案
の一実施例について説明すると、図1に示すように、こ
の燃料噴射ノズル1は、ノズルホルダ部Bとこのノズル
ホルダ部Bの下端面にノズルナットCによって固定され
たノズル部Dとを備えている。
【0015】ノズルホルダ部Bは、周知のもの、例えば
実開昭56ー129568号公報に記載のものと同様に
構成されている。そこで、ノズルホルダ部Bについて簡
単に説明すると、符号40は筒状をなすホルダ本体であ
る。このホルダ本体40には、ノズル部Dの高圧通路1
6に連通した燃料通路40aが形成されている。この燃
料通路40aは、燃料噴射ポンプ(図示せず)に接続さ
れている。
【0016】また、ホルダ本体40の内部の下端側に
は、第1ノズルばね41が配設されている。このノズル
ばね41は、所定の初期セット力を有しており、ばね受
け42を介してノズル部Dの弁体20を下方に付勢し、
弁座17に着座させている。
【0017】また、ホルダ本体40の上端部には、筒状
のばね収納部材43の下端部が挿入されるとともに、螺
合されており、袋ナット44によって固定されている。
このばね収納部材43の内部には、第2ノズルばね45
が配設されている。この第2ノズルばね45は、所定の
初期セット力をもってばね受け46を下方へ付勢し、シ
ム47を介してばね収納部材43の段差面43aに突き
当てている。
【0018】上記ばね受け46には、ロッド48の上端
部が固定されている。このロッド48の下端面は、ばね
受け42の上端面と対向しており、弁体20が弁座17
に着座した状態においては、ばね受け42に対して距離
1だけ離間している。したがって、弁体20は、弁座
17に着座した状態から距離l1だけリフトする間は第
1ばね41にのみ抗してリフトするが、距離l1以上リ
フトする場合には第1および第2ノズルばね41,45
に抗してリフトすることになる。この場合、第2ノズル
ばね45が初期セット力を有しているので、弁体20
は、図4に示すように2段階にリフトすることになる。
この点から明らかなように、第1、第2ノズルばね4
1,45は、弁体20のリフトを段階的にするためのリ
フト制御機構を構成している。なお、弁体20の最大リ
フト量は、弁体20がホルダ本体10の下端面に突き当
たることによって規制されており、最大リフト量はl2
になっている。
【0019】次に、ノズル部Dであるが、このノズル部
Dは、噴射孔15およびそれに関連する点が従来のノズ
ル部Aと異なっており、その他の構成は上記従来のノズ
ル部Aと同様になっている。そこで、ここでは相違点に
ついてのみ説明することとし、従来のノズル部Aと同様
な部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0020】噴射孔15は、図2に示すように、内径が
同一である2つの小孔151,152から構成されてい
る。勿論、各小孔151,152の内側の端部は、止ま
り孔14の内周面に開口し、外側の端部はノズル本体1
0の外面に開口している。なお、噴射孔15は、この実
施例では5つ形成されており、5つの噴射孔15は軸線
Lに関して点対象に配置されている。
【0021】各小孔151,152の内側の開口部は、
軸線Lの周方向には同一箇所に位置しているが、軸線L
方向、つまり弁体20のリフト方向に対しては離間して
いる。このノズル部Dにおいては、小孔151の開口部
が弁座17に近接して位置し、小孔152の開口部が弁
座17から止まり孔14の先端側に離間して位置してい
る。
【0022】一方、各小孔151,152の外側の開口
部について述べると、各孔151,152は、ノズル本
体10の外面において交差している。特に、この実施例
においては、各孔151,152の軸線L1,L2がノズ
ル本体10の外面において交差しており、両孔151,
152は、ノズル本体10の外面の同一箇所に開口して
いる。ただし、両孔151,152がノズル本体10の
外面において交差する限り、軸線L1,L2は互いに交差
せずに、若干離間させてもよく、あるいは軸線L1,L2
をノズル本体10の外面から若干外側へあるいは内側へ
離間した箇所において交差させるようにしてもよい。
【0023】また、このノズル部Dは、次式を満たすよ
うに構成されている。すなわち、図3に示すように、弁
部25の直径をD1とし、弁体20が距離l1だけリフト
したときに、軸線L方向において弁部25と同一位置に
位置する止まり孔14の内周面の内径をD2とし、止ま
り孔14のテーパ半角をθとし、小孔151の数および
内径をそれぞれn、dとし、弁体20が距離l1だけリ
フトしたときにおける小孔151の内側の端縁から軸線
1に沿ってカバー部24に達するまでの距離をl3とす
る。このとき、ノズル部Dは、 πd2/4<πdl3 ・・・(1) {π(D2 2ーD1 2)/4}×cosθ<(πd2/4)n ・・・(2) の両式を同時に満足するか、あるいは πd2/4>πdl3 ・・・(3) {π(D2 2ーD1 2)/4}×cosθ<πdl3n ・・・(4) の両式を同時に満足するように構成されている。
【0024】なお、この実施例においては、弁体20の
小径部23とカバー部24との間に止まり孔14のテー
パ角度より若干小さいテーパ角度を有するテーパ部26
が形成されており、このテーパ部26とカバー部24と
の交差部が弁部25になっている。
【0025】上記構成の燃料噴射ノズル1において、燃
料通路40aおよび高圧通路16を介して燃料溜まり1
2に燃料が圧送され、燃料の弁体20に対する上方への
押圧力が第1ノズルばね41の初期セット力より大きく
なると、弁体20が弁座17からリフトする。そして、
弁体20が距離l1だけリフトと、弁体20に第2ノズ
ルばねの付勢力が作用するため、弁体20はほぼ停止状
態になる。なおこのとき、カバー部24の下端縁は、小
孔151の内側の開口部より下側に位置している。
【0026】弁体20がリフトすると、燃料が止まり孔
14の内周面とカバー部24との間を通って噴射孔15
に流入し、そこから燃料が噴射される。ここで、弁体2
0のリフト量l1は小さいものであり、弁部25および
カバー部24と止まり孔14の内周面との間の隙間も小
さい。したがって、隙間による絞り効果が発生し、止ま
り孔14内の燃料の圧力は、弁座17側(上側)で高く
なり、止まり孔14の先端側(下側)で低くなる。この
圧力差により、小孔151からの燃料噴射量が多くな
り、小孔152からの燃料噴射量が少なくなる。この結
果、噴射孔15全体から噴射される燃料の噴射方向は、
小孔151から噴射される燃料の噴射方向(軸線L1
向)に近くなる。
【0027】特に、この実施例においては、上記式
(1)および(2)または式(3)および(4)を満足
するようになっているので、燃料はほとんど小孔151
からだけ噴射され、小孔152からはほとんど噴射され
ない。したがって、燃料の噴射方向は、軸線L1方向と
ほぼ一致する。
【0028】弁体20が距離l1だけリフトして停止し
た後、燃料の圧力が上昇して、弁体20に対する上方へ
の押圧力が第1および第2ノズルばね41,45の付勢
力より大きくなると、弁体20が再びリフトし始め、距
離l2だけリフトする。なお、弁体20が距離l2(最大
リフト量)だけリフトしたとき、カバー部24の下端縁
については、小孔151の内側の開口部より下側に位置
させてもよく、上側に位置させるようにしてもよいが、
下側に位置させるようにするのが望ましい。
【0029】弁体20が距離l2だけリフトした状態に
おいては、止まり孔14の内周面とカバー部24との間
の隙間が大きくなり、隙間による絞り効果がほとんど生
じない。したがって、燃料は隙間を何等の抵抗もなく止
まり孔14の先端側へ流れ、そこに滞留する。この結
果、止まり孔14内の燃料の圧力は、止まり孔14の先
端側で高くなり、弁座17側で低くなる。よって、小孔
151から噴射する燃料の噴射量が少なくなり、小孔1
52から噴射する燃料の噴射量が多くなる。したがっ
て、噴射孔15全体から噴射される燃料の噴射方向は、
小孔152の噴射方向(軸線L2方向)に近くなる。
【0030】上記のように、この燃料噴射ノズル1にお
いては、燃料の噴射方向が噴射期間中に変化するので、
燃焼室内の空気を効率的に利用することができる。特
に、この実施例では、式(1)および(2)または式
(3)および(4)を満たすようになっているので、燃
料の噴射方向をより明確にかつ大きく変化させることが
でき、空気の利用効率をより一層向上させることができ
る。したがって、燃焼状態を良好にすることができる。
この点は、燃料噴射量が多い高負荷時に特に顕著であ
る。
【0031】次に、この考案の他の実施例について説明
する。図5に示す実施例は、弁体20が弁座17に着座
した際に、カバー部24の下端縁が小孔151の内側の
開口部と小孔152の内側の開口部との間に位置するよ
うになっており、カバー部24は小孔151だけを覆
い、小孔152を覆っていない。この実施例において
も、弁体20が距離l1だけリフトしたとき、カバー部
24の下端縁が小孔151の開口部より下端側に位置す
るようになっていることは勿論である。
【0032】また、図6〜図8はこの考案のさらに他の
実施例を示すものであり、この実施例においては、上記
実施例のノズルホルダ部Bに代えてノズルホルダ部Eが
用いられ、またホルダ本体40の下端面にスペーサ50
を介してノズル部Dが固定されている点が上記実施例と
異なっている。
【0033】ノズルホルダ部Eは、実開平1ー1585
53号公報に記載のものと同様に構成されているので、
これを簡単に説明すると、ホルダ本体40の上端面に
は、短円筒状をなすシリンダ60が配置され、さらにシ
リンダ60の上にヘッド部材70が配置されている。そ
して、シリンダ60およびヘッド部材70は、ナット8
0によって固定されている。
【0034】シリンダ60の内部には、ピストン61が
摺動自在に挿入されている。このピストン61の下端面
には、ロッド62の上端面が突き当たっている。このロ
ッド62の下端面は、ばね受け42に突き当たってい
る。なお、ばね受け42が第1ノズルばね41の付勢力
を受けて弁体20を下方へ押圧しているのは上記実施例
と同様である。
【0035】上記ヘッド部材70のシリンダ60に臨む
下端面には、収納孔70aが形成されている。この収納
孔70aは、孔70bおよび導管P1を介して分配型燃
料噴射ポンプPのポンプ室(図示せず)に接続され、エ
ンジンの回転数に応じた圧力Ptを有する燃料が導入さ
れるようになっている。
【0036】また、収納孔70aには、ダンピング機構
90が組み込まれている。すなわち、図7に示すよう
に、収納孔70aには、バルブボディ91およびバルブ
シート92が順次挿入され、ボルト93によって固定さ
れている。バルブボディ91の中央部には、孔70bに
臨む上端面から下方に延びる小径孔91aと、この小径
孔91aから下端面まで延びる大径孔91bが形成され
ている。バルブシート92の中央部には、大径孔92a
とそれに続くオリフィス92bとが形成されている。さ
らに、ボルト93には、孔93aが形成されている。こ
れらの孔を介してポンプ室の燃料の圧力Ptがシリンダ
60の内部に導入され、ピストン61を下方へ押圧する
ことになる。
【0037】上記バルブボディ91の大径孔91bに
は、フラットバルブ94が上下方向へ移動自在に挿入さ
れている。このフラットバルブ94は、図8に示すよう
に、円板状をなすものであり、その外周部には、上端面
から下端面まで延びる切欠き94aが形成されている。
この切欠き94aの深さ(フラットバルブ94の径方向
の深さ)は、フラットバルブ94がバルブシート92に
着座した際に、切欠き94aとバルブシート92の大径
孔92aと連通しないような深さに設定されている。
【0038】また、フラットバルブ94の中央部には、
上端面から下端面まで貫通するオリフィス94bが形成
されている。このオリフィス94bは、ポンプ室からシ
リンダ60の内部に導入される燃料の圧力を平滑にする
ためのものであり、オリフィス92bより小径になって
いる。
【0039】なお、ホルダ本体40の燃料通路40aの
上端部は、シリンダ60に形成された孔60a、ヘッド
部材70に形成された孔70c、および高圧パイプP2
を介して分配型燃料噴射ポンプPに接続されており、燃
料通路40aの下端部は、スペーサ50に形成された孔
50aを介して高圧通路16に接続されている。
【0040】上記構成の燃料噴射ノズル2において、分
配型燃料噴射ポンプPから吐出された高圧燃料が燃料溜
まり12に圧送されると、その燃料は弁体20を弁座1
7からリフトさせるよう、上方へ押圧する。一方、分配
型燃料噴射ポンプPのポンプ室内の燃料は、シリンダ6
0内に導入され、ピストン61、ロッド62およびばね
受け42を介して弁体20を下方へ押圧する。この押圧
力と第1ノズルばね41の付勢力によって弁体20は、
下方へ押圧される。
【0041】燃料溜まり12に圧送された燃料による上
方への押圧力が下方への押圧力より大きくなると、弁体
20がリフトし始める。弁体20がリフトすると、それ
に応じてピストン61が上方へ移動する。すると、シリ
ンダ60内の燃料が、バルブシート92のオリフィス9
2bおよび大径孔92aを通り、バルブボディ91の大
径孔91b内に流入する。大径孔91b内に流入した燃
料は、フラットバルブ94を大径孔91bの底面に突き
当たるまで押し上げる。そして、フラットバルブ94の
切欠き94aおよびオリフィス94bを通って孔70b
からポンプ室側へ逆流する。
【0042】ここで、シリンダ60内の燃料がポンプ室
側へ逆流する際には、燃料がオリフィス92bを通過す
るため、シリンダ60内の燃料の圧力が圧力Ptを超え
て高圧になり、弁体20を下方へ押圧する力が増大す
る。この結果、弁体20が上記実施例と同様にほぼ距離
1だけリフトすると、ほとんど停止状態になる。この
状態においては、弁体20が距離l1だけリフトしてい
るので、小孔151から燃料が噴射され、小孔152か
らはほとんど燃料が噴射されない。したがって、噴射孔
15から噴射される燃料全体の噴射方向は、小孔151
から噴射される燃料の噴射方向に近くなる。
【0043】燃料溜まり12に圧送される燃料の圧力が
さらに上昇すると、弁体20が再び急速にリフトし始
め、距離l2だけリフトして停止する。このときは、小
孔152からの噴射量が多くなるので、燃料全体の噴射
方向は小孔152から噴射される燃料の噴射方向に近く
なる。上記の作用から明らかなように、この燃料噴射ノ
ズル24においては、第1ノズルばね41とダンピング
機構90とによって、リフト制御機構が構成されてい
る。
【0044】なお、この考案は、上記の実施例に限定さ
れることなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜
変更可能である。例えば、上記の実施例においては、噴
射孔15を5つ形成し、各噴射孔15を軸線Lに関して
点対称に配置しているが、その数は任意であり、また軸
線Lに関して非対称に配置してもよい。また、噴射孔1
5を2つの小孔151,152から構成しているが、3
つ以上の小孔から構成してもよい。ただし、少なくとも
2つの小孔の内側の開口部については、軸線L方向に離
間させることが必要である。さらに、2つの小孔15
1,152を同一内径にしているが、異なる内径にして
もよい。
【0045】また、燃料噴射ノズル1においては、第
1、第2ノズルばね41,45を用いることにより、燃
料噴射ノズル2においては、第1ノズルばね41および
ダンピング機構90を用いることにより、弁体20を2
段階にリフトさせているが、この考案は、弁体20を段
階的にリフトさせることができるものであれば、他の構
成を有する燃料噴射ノズルにも適用することができる。
さらに、弁体20を3段階以上の段階数をもってリフト
させるようにしてもよい。
【0046】
【考案の効果】以上説明したように、この考案の燃料噴
射ノズルによれば、弁体を複数段階にリフトさせるよう
にするとともに、噴射孔を複数の小孔から構成し、少な
くとも2つの小孔の内側の開口部を弁体のリフト方向に
離間させ、外側の開口部を交差させるようにしたもので
あるから、弁体の各段階毎のリフトに応じて噴射方向を
変えることができる。したがって、燃焼室の広い範囲に
燃料を噴射させることができ、これによって燃焼室内の
空気の利用効率を向上させて、燃焼状態を良好にするこ
とができる等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1に示す実施例の下端部を拡大して示す断面
図である。
【図3】弁体が距離l1だけリフトした状態を示す図2
と同様の断面図である。
【図4】弁体のリフト特性を示す図である。
【図5】この考案の他の実施例を示す図2と同様の断面
図である。
【図6】この考案のさらに他の実施例を示す縦断面図で
ある。
【図7】図6に示す実施例のダンピング機構を示す拡大
断面図である。
【図8】図7のXーX矢視拡大断面図である。
【図9】従来の燃料噴射ノズルのノズル部を示す断面図
である。
【図10】図9のY円部の拡大図である。
【符号の説明】
1 燃料噴射ノズル 2 燃料噴射ノズル 10 ノズル本体 14 止まり孔 15 噴射孔 17 弁座 20 弁体 24 カバー部 25 弁部 41 第1ノズルばね(リフト制御機構) 45 第2ノズルばね(リフト制御機構) 90 ダンピング機構(リフト制御機構) 151 小孔 152 小孔
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02M 61/10 F02M 61/10 E

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端側の内部に、弁座およびこれに続く
    先細りのテーパ状をなす止まり孔が形成されたノズル本
    体と、このノズル本体の内部に摺動自在に設けられ、一
    端部に前記弁座に着座する弁部および前記止まり孔の内
    周面にほぼ沿うテーパ状のカバー部が形成された弁体と
    を備え、前記ノズル本体の一端部には、内側の端部が前
    記止まり孔の内周面に開口し、他端がノズル本体の外面
    に開口する噴射孔が形成された燃料噴射ノズルにおい
    て、前記弁体が前記弁座からリフトするに際し、弁体を
    段階的にリフトさせるリフト制御機構を設け、前記噴射
    孔を複数の小孔から構成し、これら複数の小孔のうちの
    少なくとも2つの小孔の前記止まり孔の内周面における
    各内側の開口部を弁体のリフト方向に離間させ、前記ノ
    ズル本体の外面における開口部を互いに交差させたこと
    を特徴とする燃料噴射ノズル。
JP1991075209U 1991-08-27 1991-08-27 燃料噴射ノズル Expired - Lifetime JP2560266Y2 (ja)

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DE4228364A DE4228364C2 (de) 1991-08-27 1992-08-26 Kraftstoffeinspritzdüse

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