JP2887970B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents

燃料噴射装置

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JP2887970B2 JP23590291A JP23590291A JP2887970B2 JP 2887970 B2 JP2887970 B2 JP 2887970B2 JP 23590291 A JP23590291 A JP 23590291A JP 23590291 A JP23590291 A JP 23590291A JP 2887970 B2 JP2887970 B2 JP 2887970B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コモンレールに高圧燃
料を蓄圧し、この蓄圧した燃料を内燃機関に噴射供給す
る燃料噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、コモンレールと呼ばれる一種
のサージタンクに高圧燃料を蓄圧し、この蓄圧した高圧
燃料を噴射弁の開閉により内燃機関に噴射供給するコモ
ンレール式の燃料噴射装置(特開昭59−165858
号公報等)が提案されている。このコモンレール式の燃
料噴射装置としては、例えば図11に示したように、高
圧燃料を噴射するノズル101とこのノズル101の噴
射時期および噴射量を制御する三方電磁弁102とから
構成されている。また、ノズル101は、噴射孔を開閉
するニードル103、このニードル103を駆動する油
圧ピストン104、この油圧ピストン104に油圧を与
える制御室105を備える。さらに、このノズル101
の制御室105には、図2にも示したように、制御室1
05から三方電磁弁102の連通路106への高圧燃料
の流出のみを制限するワンウェイオリフィス107が配
されていた。
【0003】ここで、従来のコモンレール式の燃料噴射
装置の作動を図13のタイムチャートに基づいて説明す
る。燃料噴射開始時には、図12に示したように、三方
電磁弁102の動作により連通路106を介して制御室
105内の高圧燃料の排出が開始されるためワンウェイ
オリフィス107が弁座108に着座し、オリフィス1
09を介して制御室105内の高圧燃料がゆっくりと流
出する。そして、図13(A)に示したように、制御室
105内の圧力がニードル103の開弁圧まで下がる
と、油圧ピストン104がゆっくり上昇することによっ
て、図13(B)に示したように、ニードル103がノ
ズルボディ110のシート部から離れて高圧燃料の噴射
が開始される。また、燃料噴射終了時には、三方電磁弁
102の動作により連通路106を介して制御室105
内への高圧燃料の導入が開始されると、ワンウェイオリ
フィス107が下降して、ワンウェイオリフィス107
の外周を通って高圧燃料が制御室105内に瞬時に導入
される。このため、図13(A)に示したように、制御
室105内の圧力がニードル103の閉弁圧まで瞬時に
上昇し、また油圧ピストン104が一気に下降すること
によって、図13(B)に示したように、ニードル10
3がノズルボディ110のシート部に着座する。このた
め、このコモンレール式の燃料噴射装置においては、上
述のように、燃料噴射開始時に初期噴射率が低減され、
且つ燃料噴射終了時に良好な噴射切れ(シャープカッ
ト)が行われることにより所望のデルタ型噴射率を得て
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のコモ
ンレール式の燃料噴射装置100においては、燃料の噴
射終了時に、制御室105内に高圧燃料が瞬時に導入さ
れることによって、図13(A)に示したように、制御
室105内の圧力がオーバシュートすることにより、図
13(B)に示したように、ニードル103も燃料噴射
開始時より大きくリフトする。このため、図13(C)
に示したように、ノズルボディ110のシート部に過大
な衝撃荷重p{=(上限ピーク値)−(下限ピーク
値)}が加わるという不具合があった。このようなシー
ト部の衝撃荷重pに対して充分な強度を得るためには、
ノズルボディ110のシート部周辺の板厚を大きくする
必要がある。ところが、単純にノズルボディ110のシ
ート部周辺の板厚を大きくすると、噴射孔の通路長も長
くなり、噴射孔の通路抵抗が増加してしまう。このた
め、噴射孔の通路抵抗を板厚を広げる前と同じものを得
るためには、サック室111のボリュームを大きくする
必要がある。
【0005】ところが、サック室111は、ノズルボデ
ィ110のシート部より下流側にあり、しかもその壁部
分には噴射孔が形成されているので、燃料の噴射終了後
もサック室111内の燃料は燃焼室内へ流出する可能性
がある。このため、サック室111のボリュームが大き
いと燃料消費率の悪化、排気温度の上昇やHCの増加等
の悪影響を及ぼすため安易にノズルボディ110のシー
ト部周辺の板厚を大きくすることはできなかった。本発
明は、噴射終了時に良好な噴射切れを維持しながら、ニ
ードルが着座するシリンダのシート部の衝撃荷重を低減
する燃料噴射装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、一端部に蓄圧
した高圧燃料を噴射する噴射孔およびこの噴射孔に連な
るシート部を有し、内部に高圧燃料が導入される制御室
を有するシリンダと、このシリンダの他端部に連結さ
れ、前記制御室内に連通する連通路を介して前記制御室
内への高圧燃料の導入と排出とを切り替える給排切替手
段と、前記シリンダの一端部内に移動可能に配され、前
記シート部に着座することにより前記噴射孔を閉じるニ
ードルと、一端部が前記ニードルに連結され、他端部が
前記制御室に臨むように前記シリンダ内に摺動可能に配
され、前記制御室内に高圧燃料が導入されると前記ニー
ドル側に変位して前記ニードルを前記シート部側に駆動
するピストンと、一端部が前記制御室に臨み、他端部が
前記連通路に臨むように前記シリンダ内に移動可能に配
され、前記給排切替手段より高圧燃料が導入されると前
記ピストン側に移動して前記ピストンを前記ニードル側
に駆動する可動弁体とを備え、前記シリンダは、前記ニ
ードルが前記シート部に着座する直前の位置に見合う位
置まで前記可動弁体が移動した際に前記可動弁体のみを
係止する係止部を有し、前記可動弁体は、前記係止部に
係止した際に前記可動弁体と前記シリンダとの間を遮断
するシール部を有し、且つ内部に前記連通路から前記制
御室内への高圧燃料の導入量を制限する絞り部を有する
技術手段を採用した。
【0007】
【作用】本発明は、給排切替手段より高圧燃料が導入さ
れると、この高圧燃料の圧力により可動弁体がピストン
側に速やかに移動することによって駆動部材がニードル
側に駆動される。このため、駆動部材によってニードル
もシリンダのシート部側に駆動される。なお、可動部材
は、ニードルがシート部に着座する直前の位置に見合う
位置に設けられた係止部に係止されるまで一気に移動す
る。そして、可動部材が係止部に係止されると、可動部
材のシール部により可動弁体とシリンダとの間を遮断す
ることにより噴射切れがなされる。その後は、可動部材
の内部に形成された絞り部のみを通って連通路より制御
室内へ高圧燃料が導入されるが、絞り部により制御室内
への導入量が制限されているため、駆動部材の移動速度
が遅くなる。すなわち、ニードルがシリンダのシート部
に着座する直前でニードルの着座速度が遅くなるので、
シリンダのシート部の衝撃荷重が軽減される。
【0008】
【実施例】本発明の燃料噴射装置を図1ないし図10に
示す実施例に基づき説明する。図1(A)はコモンレー
ル式の燃料噴射装置の主要部を示した図であり、図1
(B)はノズルボディの先端部を示した図であり、図2
はコモンレール式の燃料噴射装置の全体構造を示した図
である。コモンレール式の燃料噴射装置1は、ディーゼ
ルエンジン(図示せず)の各気筒に取り付けられ、共通
のサージタンク(図示せず)から分岐した導入管(図示
せず)に接続されている。また、コモンレール式の燃料
噴射装置1は、ディーゼルエンジンにより回転駆動され
る燃料ポンプ(図示せず)によってサージタンクから汲
み上げられた高圧燃料が導入管より常に供給されてい
る。
【0009】このようなコモンレール式の燃料噴射装置
1は、図2に示したように、ノズルニードル2、ノズル
ボディ3、油圧ピストン4、ノズルホルダー5および三
方電磁弁6等から構成されている。なお、ノズルニード
ル2、ノズルボディ3、油圧ピストン4およびノズルホ
ルダー5によりノズル(噴射弁)を構成している。
【0010】ノズルニードル2は、図1(B)にも一部
示したように、先端側にノズルボディ3のシート部33
に着座する当接部21を有する。このノズルニードル2
は、端部が油圧ピストン4に連結され、油圧ピストン4
が三方電磁弁6側に移動することによって当接部21が
シート部33より離れ、油圧ピストン4が元の位置に戻
ることによって当接部21がシート部33に着座する。
また、このノズルニードル2は、燃料噴射開始時から燃
料噴射終了時にかけて、図8(B)に示したように、往
復方向に移動(リフト)する。図8において上端位置は
ノズルニードル2のフルリフトを表す。
【0011】ノズルボディ3は、本発明のシリンダであ
って、図1(B)にも一部示したように、内周でノズル
ニードル2を摺動自在に保持し、導入管を介してサージ
タンクから高圧燃料が常に供給される燃料溜まり31、
高圧燃料を噴射する噴射孔32、この噴射孔32に連な
り、ノズルニードル2がシートするシート部33、およ
び先端に形成されたサック室34を有する。なお、噴射
孔32からの高圧燃料の噴射は、ノズルニードル2がシ
ート部33より離れて燃料溜まり31とサック室34と
が連通した際になされる。
【0012】油圧ピストン4は、本発明の駆動部材であ
って、図2において図示下端部がプレッシャピン41を
介してノズルニードル2に連結され、背圧がノズルニー
ドル2の開弁圧となったときにノズルボディ3内の圧力
によりコイルスプリング42の付勢力に打ち勝って図2
において図示上方(三方電磁弁6側)に移動する。ま
た、油圧ピストン4は、背圧がノズルニードル2の閉弁
圧となったときに受圧面積の差によりノズルボディ3内
の圧力およびコイルスプリング42の付勢力に打ち勝っ
て図2において図示下方(ノズルボディ3側)に移動す
る。
【0013】ノズルホルダー5は、本発明のシリンダで
あって、燃料通路51、制御室52、軸方向穴53、可
動弁体7およびコイルスプリング8を有する。燃料通路
51は、ノズルボディ3内の燃料溜まり31と導入管と
を連通して、燃料溜まり31に高圧燃料を常に導く通路
である。制御室52は、図3ないし図7にも示したよう
に、ノズルホルダー5の三方電磁弁6側の端面54で開
口しており、しかもノズルボディ3側に形成された段付
肩部55と三方電磁弁6の端面に形成された弁座56と
の間に囲まれている。軸方向穴53は、制御室52より
径が小さく、油圧ピストン4を摺動自在に保持してい
る。
【0014】制御室52は、三方電磁弁6から内部に高
圧燃料が供給されると内部圧力が高圧となり、高圧燃料
が内部から排出されると内部圧力が低圧となる。また、
制御室52が高圧となると、油圧ピストン4が段付肩部
55より所定のリフト量だけ可動弁体7より余分にノズ
ルニードル2側に移動するように構成されている。な
お、段付肩部55は、本発明の係止部であって、円環状
を呈する。
【0015】可動弁体7は、図3ないし図7にも示した
ように、円筒状を呈し、ノズルホルダー5の後端部内に
摺動可能に配設されている。この可動弁体7は、中心に
おいて段付肩部55側の一端面71と弁座56側の他端
面72とを連通するオリフィス73を有し、外周面はノ
ズルホルダー5の内周面との隙間を埋めるように円筒シ
ール部74とされている。オリフィス73は、本発明の
絞り部であって、制御室52と後記する連通路66とを
連通して、連通路66より制御室52への高圧燃料の導
入量を制限して油圧ピストン4の移動速度を遅くすると
ともに、制御室52より連通路66への高圧燃料の排出
量を制限して油圧ピストン4の移動速度を遅くするもの
である。
【0016】コイルスプリング8は、図3ないし図6に
も示したように、可動弁体7の端面71と油圧ピストン
4の端面とに支持され、可動弁体7を弁座56側に付勢
している。
【0017】三方電磁弁6は、本発明の給排切替手段で
あって、図2に示したように、コイル61、インナバル
ブ62、アウタバルブ63およびバルブボディ64を有
する。インナバルブ62は、アウタバルブ63内に摺動
自在に配設されている。アウタバルブ63は、バルブボ
ディ64内に摺動自在に配設され、内部に油路65を有
する。バルブボディ64は、内周でアウタバルブ63を
摺動自在に保持し、内部に連通路66、燃料通路67、
68および収納室69を形成している。連通路66は、
ノズルホルダー側端面(弁座56)で開口し、ノズルホ
ルダー5の制御室52に臨む。この連通路66は、一端
がノズルホルダー5の制御室52に連通し、他端がアウ
タバルブ63を収納する収納室69に連通している。燃
料通路67は、ノズルホルダー5側端面で開口し、内部
に常時高圧燃料が導入されている。この燃料通路67
は、一端がノズルホルダー5の燃料通路51に連通し、
他端が収納室69に連通している。燃料通路68は、ノ
ズルホルダー5側の端面で開口し、一端がサージタンク
内に燃料を戻す低圧ライン(図示せず)に連通し、他端
が収納室69に連通している。
【0018】なお、三方電磁弁6は、コイル61がオン
されると、インナバルブ62を伴ってアウタバルブ63
を図2において図示上方に移動させて連通路66と燃料
通路67との連通状態を遮断し、連通路66と燃料通路
68とを収納室69を介して連通させて、ノズルホルダ
ー5の制御室52内の高圧燃料を排出させる。また、三
方電磁弁6は、コイル61がオフされると、アウタバル
ブ63のみを図2において図示下方に移動させて連通路
66と燃料通路68との連通状態を遮断し、高圧燃料の
充填によるインナバルブ62の図2において図示上方へ
の移動によって連通路66と燃料通路67とを油路65
を介して連通させて、ノズルホルダー5の制御室52内
へ高圧燃料を導入させる。
【0019】このコモンレール式の燃料噴射装置1の作
動を図1ないし図8に基づき説明する。ここで、図8
(A)は制御室52の圧力変動を示し、図8(B)はノ
ズルニードル2のリフト位置を示し、図8(C)はシー
ト部33の荷重変動を示したものである。三方電磁弁6
のコイル61がオフされているときは、制御室52内に
高圧燃料が充填され、図8(A)に示したように、制御
室52の内部圧力が高圧となっている。このとき、連通
路66の内部圧力も高圧となっているので、コイルスプ
リング8の付勢力によって、図3に示したように、油圧
ピストン4がコイルスプリング8の付勢力によって、段
付肩部55より所定のリフト量だけ降下した位置に配置
される。よって、油圧ピストン4とプレッシャピン41
を介して連結されているノズルニードル2が初期リフト
位置a〔図8(B)参照〕に配置される。この結果、ノ
ズルニードル2の当接部21は、図1(B)に示したよ
うに、ノズルボディ3のシート部33にシートすること
によって、燃料溜まり31とサック室34とが遮断され
る。よって、噴射孔32からの燃料の噴射はなされな
い。なお、制御室52および連通路66内に高圧燃料が
充満した際には、図3に示したように、可動弁体7の両
端面71、72に加わる圧力が釣り合うため、コイルス
プリング8の付勢力により可動弁体7の他端面72も弁
座56にシートする。
【0020】三方電磁弁6のコイル61がオンされる
と、連通路66内の高圧燃料が排出され、制御室52内
の高圧燃料も可動弁体7に形成されたオリフィス73を
通って徐々に排出され、図8(A)に示したように、制
御室52の内部圧力が低圧となっていく。このため、図
4に示したように、油圧ピストン4が徐々に上昇して、
図8(A)に示したように、制御室52内の圧力がノズ
ルニードル2の開弁圧まで下がると、ノズルニードル2
の当接部21は、ノズルボディ3のシート部33よりゆ
っくりと離れることによって、燃料溜まり31とサック
室34とが連通して、噴射孔32から燃料の噴射が開始
される。その後、油圧ピストン4がさらに徐々に上昇す
ることによって、ノズルニードル2がフルリフト位置b
〔図8(B)参照〕までゆっくりと上昇する。なお、燃
料噴射期間中は、制御室52の内部圧力は最も低圧とな
っており、油圧ピストン4はフルリフト位置に配置され
るため、ノズルニードル2もフルリフト位置c〔図8
(B)参照〕に配置される。また、燃料噴射期間には、
ノズルニードル2の当接部21がノズルボディ3のシー
ト部33より離れているので、図8(C)に示したよう
に、シート部33の荷重は減少するがシート部33には
高圧燃料の圧力が加わるため荷重が0とはならない。
【0021】そして、燃料の噴射が終了すると、三方電
磁弁6のコイル61がオフされ、連通路66内に高圧燃
料が導入されて連通路66内が高圧となり、この圧力に
より可動弁体7が押し下げられ、図5に示したように、
可動弁体7の他端面72が弁座56より離れる。このた
め、図8(A)に示したように、制御室52内が一気に
高圧となり、制御室52内の圧力がノズルニードル2の
閉弁圧まで上昇する。この圧力により油圧ピストン4も
素早く押し下げられ、図6に示したように、可動弁体7
の一端面71がノズルニードル2がシート部33に着座
する直前の位置に見合う位置に形成された段付肩部55
まで一気に下降して、可動弁体7の一端面71が段付肩
部55に瞬時にシートし、ノズルニードル2がリフト位
置d〔図8(B)参照〕に配置される。
【0022】そして、可動弁体7の一端面71が段付肩
部55に瞬時にシートした後は、制御室52内への高圧
燃料の導入速度がオリフィス73の径に応じて制限され
るため、油圧ピストン4の図示下方への移動速度が遅く
なる。その後に、図7に示したように、油圧ピストン4
が段付肩部55より所定のリフト量だけ降下すると、ノ
ズルニードル2が初期リフト位置e〔図8(B)参照〕
に戻る。したがって、ノズルニードル2の当接部21が
ノズルボディ3のシート部33に着座し、燃料溜まり3
1とサック室34とが遮断され、良好な噴射切れ(シャ
ープカット)がなされる。
【0023】なお、ノズルニードル2の当接部21がノ
ズルボディ3のシート部33に着座したときに、図8
(A)に示したように、制御室52内の圧力のオーバシ
ュートが発生しないので、ノズルニードル2がノズルボ
ディ3のシート部33に着座したときのシート部33の
衝撃荷重P{=(上限ピーク値)−(下限ピーク値)}
は、図8(C)に示したように図13(C)に示した従
来のものの衝撃荷重pと比較してかなり軽減することが
できる。以上のように、このコモンレール式の燃料噴射
装置1は、燃料噴射終了時に、ノズルニードル2がノズ
ルボディ3のシート部33に着座する直前でノズルニー
ドル2の着座速度を抑えることにより、良好な噴射切れ
を維持した状態で、ノズルボディ3のシート部33の衝
撃荷重を著しく軽減することができる。この結果、シー
ト部33の強度を現状のものより向上させる必要はな
く、シート部33周辺の板厚を広くする必要はない。よ
って、サック室34のボリュームが大きくならないの
で、燃料消費率の悪化、排気温度の上昇やHCの増加等
の悪影響を防止することができる。
【0024】図9は本発明の第2実施例を示し、コモン
レール式の燃料噴射装置の主要部を示した断面図であ
る。この実施例では、円筒シール部74の代わりに2つ
の平面シール部75、76を形成している。すなわち、
段付肩部(係止部)55と弁座56との当接面である可
動弁体7の両端面を平面仕上げしている。
【0025】図10は本発明の第3実施例を示し、コモ
ンレール式の燃料噴射装置の主要部を示した断面図であ
る。この実施例では、円筒シール部74の代わりにテー
パシール部77と平面シール部78を形成している。す
なわち、傾斜した弁座(係止部)57との当接面である
可動弁体7の一端面をテーパ状に加工し、弁座56との
当接面である可動弁体7の他端面を平面仕上げしてい
る。
【0026】(変形例)本実施例では、給排切替手段を
1つの三方電磁弁6で構成したが、給排切替手段を複数
の電磁弁等で構成しても良い。本実施例では、シリンダ
をノズルボディ3およびノズルホルダー5の2個の部材
で構成したが、シリンダを1個または3個以上の部材で
構成しても良い。本実施例では、油圧ピストン4により
プレッシャピン41を介してノズルニードル2を駆動し
たが、ピストンにより直接ニードルを駆動しても良い。
また、油圧ピストン4と可動弁体7と間のコイルスプリ
ング8はなくても良い。
【0027】
【発明の効果】本発明は、燃料噴射終了時に、ニードル
がシート部に着座する直前でニードルの移動速度を遅く
することにより、良好な噴射切れを維持した状態で、シ
リンダのシート部の衝撃荷重を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は第1実施例にかかるコモンレール式の
燃料噴射装置の主要部を示した断面図で(B)は第1実
施例にかかるノズルボディの先端部を示した断面図であ
る。
【図2】第1実施例にかかるコモンレール式の燃料噴射
装置の全体構造を示した断面図である。
【図3】第1実施例にかかるコモンレール式の燃料噴射
装置の主要部を示した断面図である。
【図4】第1実施例にかかるコモンレール式の燃料噴射
装置の主要部を示した断面図である。
【図5】第1実施例にかかるコモンレール式の燃料噴射
装置の主要部を示した断面図である。
【図6】第1実施例にかかるコモンレール式の燃料噴射
装置の主要部を示した断面図である。
【図7】第1実施例にかかるコモンレール式の燃料噴射
装置の主要部を示した断面図である。
【図8】第1実施例にかかる制御室の圧力変動、ノズル
ニードルのリフト位置、およびシート部の荷重変動を示
したタイムチャートである。
【図9】第2実施例にかかるコモンレール式の燃料噴射
装置の主要部を示した断面図である。
【図10】第3実施例にかかるコモンレール式の燃料噴
射装置の主要部を示した断面図である。
【図11】従来のコモンレール式の燃料噴射装置の全体
構造を示した断面図である。
【図12】従来のコモンレール式の燃料噴射装置の主要
部を示した断面図である。
【図13】従来のコモンレール式の燃料噴射装置におけ
る制御室の圧力変動、ノズルニードルのリフト位置、お
よびシート部の荷重変動を示したタイムチャートであ
る。
【符号の説明】
1 コモンレール式の燃料噴射装置 2 ノズルニードル 3 ノズルボディ(シリンダ) 4 油圧ピストン(駆動部材) 5 ノズルホルダー(シリンダ) 6 三方電磁弁(給排切替手段) 7 可動弁体 32 噴射孔 33 シート部 34 サック室 52 制御室 55 段付肩部(係止部) 57 弁座(係止部) 66 連通路 73 オリフィス(絞り部) 74 円筒シール部(シール部) 75 平面シール部(シール部) 77 テーパシール部(シール部)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)一端部に蓄圧した高圧燃料を噴射
    する噴射孔およびこの噴射孔に連なるシート部を有し、
    内部に高圧燃料が導入される制御室を有するシリンダ
    と、 (b)このシリンダの他端部に連結され、前記制御室内
    に連通する連通路を介して前記制御室内への高圧燃料の
    導入と排出とを切り替える給排切替手段と、 (c)前記シリンダの一端部内に移動可能に配され、前
    記シート部に着座することにより前記噴射孔を閉じるニ
    ードルと、 (d)一端部が前記ニードルに連結され、他端部が前記
    制御室に臨むように前記シリンダ内に摺動可能に配さ
    れ、 前記制御室内に高圧燃料が導入されると前記ニードル側
    に変位して前記ニードルを前記シート部側に駆動するピ
    ストンと、 (e)一端部が前記制御室に臨み、他端部が前記連通路
    に臨むように前記シリンダ内に移動可能に配され、 前記給排切替手段より高圧燃料が導入されると前記ピス
    トン側に移動して前記ピストンを前記ニードル側に駆動
    する可動弁体とを備え、 前記シリンダは、前記ニードルが前記シート部に着座す
    る直前の位置に見合う位置まで前記可動弁体が移動した
    際に前記可動弁体のみを係止する係止部を有し、 前記可動弁体は、前記係止部に係止した際に前記可動弁
    体と前記シリンダとの間を遮断するシール部を有し、且
    つ内部に前記連通路から前記制御室内への高圧燃料の導
    入量を制限する絞り部を有することを特徴とする燃料噴
    射装置。
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