JP3518028B2 - 燃料噴射ノズル - Google Patents

燃料噴射ノズル

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JP3518028B2
JP3518028B2 JP05159195A JP5159195A JP3518028B2 JP 3518028 B2 JP3518028 B2 JP 3518028B2 JP 05159195 A JP05159195 A JP 05159195A JP 5159195 A JP5159195 A JP 5159195A JP 3518028 B2 JP3518028 B2 JP 3518028B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料ポンプより圧送さ
れた燃料を内燃機関へ噴射する燃料噴射ノズルに関する
もので、特にニードルが燃料噴射口を閉じる着座時に発
生するニードルのジャンピングを抑える技術に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ニードルが燃料噴射口を閉じるべく、ニ
ードルがノズルボディに着座する際に発生するニードル
のジャンピングを抑える技術として、特開昭59−19
0472号公報に開示された技術が知られている。この
技術は、図6に示すように、ニードル101の上端(燃
料噴射口とは異なった側の端部)に大径のピストン10
2を設けるとともに、ノズルボディ103にピストン1
02の外径とほぼ同寸の摺動壁104を設け、ピストン
102の下側(燃料噴射側)の摺動壁104内にピスト
ン102の動きをダンプするダンパ室105(燃料が充
填された室)を設けたものである。そして、ピストン1
02の側面の下側に、ダンパ室105に連通する切欠1
06が設けられ、また摺動壁104の上側に、ピストン
102との間に空隙を形成するための径大部107が設
けられたものである。
【0003】上記のごとく設けられた従来の燃料噴射ノ
ズルは、ニードル101とともにピストン102が上側
(燃料噴射口を開く方向)に所定量以上に移動すると、
ピストン102の外周の切欠106の上端が径大部10
7の空隙に連通して、ダンパ室105が開放されてピス
トン102のダンプが解除されるもので、逆に、ニード
ル101が下側(燃料噴射口を閉じる方向)に移動する
際は、ピストン102の移動途中でピストン102の切
欠106と、径大部107による空隙との連通が遮断さ
れることとなり、ニードル101およびピストン102
の動きがダンプされるものである。この結果、ニードル
101が燃料噴射口を閉じる際、ニードル101がノズ
ルボディ103に着座する寸前からニードル101の動
きがダンプされるため、ニードル101の着座時に生じ
るジャンピングが抑えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記に示した従来の燃
料噴射ノズルは、次の2つの問題点を有している。第1
の問題点は、ニードル101のダンプ距離の調節が困難
な点である。ダンプの解除位置および開始位置は、切欠
106の上端位置と、径大部107の下端位置とによっ
て設定されるわけであるが、従来の技術では、ニードル
101の着座部分を基準として、切欠106の上端まで
の距離と、径大部107の下端までの距離とを測定し
て、その距離差を調節する必要がある。ニードル101
の着座部分を基準として、切欠106の上端までの距離
と、径大部107の下端までの距離とを、容易に且つ高
い精度で測定するのは困難となるため、従来技術の燃料
噴射ノズルは、ダンプ距離の調節が困難となっていた。
【0005】第2の問題点は、燃料噴射性能のチェック
が困難な点である。燃料噴射ノズルには、高い精度の弁
性能が要求される。しかしながら、従来の技術では、ニ
ードル101のダンパ効果が、常に弁性能に付加される
こととなる。このため、燃料噴射ノズルに求められる弁
性能のチェックが困難となり、弁性能にバラツキが生じ
やすい不具合を有していた。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記の事情に鑑みてなされた
もので、その目的は、ニードルが燃料噴射口を閉じる着
座時におけるニードルのジャンピングを抑えるととも
に、ダンパ効果が発生するダンプ距離の調節が容易で、
さらに弁性能のチェックが容易な燃料噴射ノズルの提供
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の燃料噴射ノズル
は、次の技術的手段を採用した。 〔請求項1の手段〕燃料噴射ノズルは、 (a)燃料を噴射する燃料噴射口を有するノズルボディ
と、 (b)このノズルボディの内部で移動可能に保持され、
燃料の供給圧力によって前記燃料噴射口を開く方向に移
動するニードルと、 (c)前記ノズルボディを支持するノズルホルダと、 (d)このノズルホルダ内に収容され、前記燃料噴射口
を閉じる方向に前記ニードルを付勢する第1付勢手段
と、 (e)前記ノズルホルダ内に収容され、前記ニードルが
前記燃料噴射口を開く方向への移動量が、あらかじめ設
定されたプレリフト量より多い場合に前記燃料噴射口を
閉じる方向に前記ニードルを付勢する第2付勢手段とを
備える。
【0008】そして、この燃料噴射ノズルは次の手段を
採用する。 (f)前記ニードルは、前記燃料噴射口とは異なった側
に、前記第1、第2付勢手段の付勢力を受けるピストン
を備える。 (g)前記ノズルボディと前記ノズルホルダとの間に
は、前記ピストンを燃料とともに収容して、前記ピスト
ンの動きをダンプするダンパ室を形成するパッキングが
設けられる。 (h)前記第2付勢手段は、前記パッキングに押し付け
られるバネ座を備える。 (i)前記ピストンと前記バネ座との間には、前記ニー
ドルの移動量が前記プレリフト量より多く移動すると、
前記ピストンの移動量を前記バネ座に伝えて、前記バネ
座を前記パッキングから離すバネ座押圧部材が設けられ
る。 (j)前記パッキングは、前記バネ座によって開閉され
る着座位置と前記ダンパ室とを連通する連通路を備え
る。
【0009】〔請求項2の手段〕請求項1の燃料噴射ノ
ズルにおいて、前記バネ座押圧部材は、前記バネ座と一
体に設けられたことを特徴とする。
【0010】〔請求項3の手段〕請求項1の燃料噴射ノ
ズルにおいて、前記バネ座押圧部材は、前記ピストンと
一体に設けられたことを特徴とする。
【0011】
【発明の作用および発明の効果】
〔請求項1の作用〕 (燃料の供給圧力の上昇時の作用)燃料噴射ノズルに噴
射燃料が供給されると、燃料の供給圧力によってニード
ルへ燃料噴射口が開く方向の力が発生する。供給圧力の
上昇に伴い、ニードルおよびピストンに加わる供給圧力
の力が、第1付勢手段の付勢力よりも大きくなると、第
1付勢手段の付勢力に打ち勝ってニードルおよびピスト
ンが燃料噴射口を開く方向へ移動する。
【0012】この移動量がプレリフト量に達すると、ニ
ードルおよびピストンには、第1付勢手段の付勢力の他
に、第2付勢手段の付勢力が、バネ座、バネ座押圧部材
を介して加えられる。そして、供給圧力がさらに上昇
し、ニードルおよびピストンに加わる供給圧力の力が、
第1付勢手段と第2付勢手段との付勢力よりも大きくな
ると、ニードルおよびピストンが、さらに燃料噴射口を
開く方向へ移動する。
【0013】ここで、ニードルおよびピストンが燃料噴
射口を開く方向へ移動する際、その移動量がプレリフト
量に達するまでの間は、連通路がバネ座によって閉じら
れた状態となるため、ダンパ室が外部と閉塞状態となっ
てピストンおよびニードルの動きをダンプするが、ダン
パ効果を発生する範囲がニードルおよびピストンの立ち
上がり部分であるため、ピストンおよびニードルに与え
るダンパ効果は小さい。そして、ニードルおよびピスト
ンの移動量がプレリフト量よりも大きくなると、ピスト
ンがバネ座押圧部材を押圧して、バネ座がパッキングか
ら離れる。つまり、連通路が開かれる。この結果、ダン
パ室が開放され、ダンパ室によるピストンのダンパ効果
がなくなる。
【0014】(燃料の供給圧力の下降時の作用)燃料の
供給圧力が下降し、ニードルおよびピストンが燃料噴射
口を閉じる方向へ移動する際、ニードルおよびピストン
の移動量がプレリフト量まで低下するまでの間は、第
1、第2付勢手段の付勢力によって、ニードルおよびピ
ストンが燃料噴射口を閉じる方向へ移動する。この時、
バネ座押圧部材によってバネ座がパッキングから離され
て連通路が開かれた状態となる。この結果、ダンパ室が
開放された状態となり、ニードルおよびピストンは、ダ
ンパ効果に阻害されることなく、燃料噴射口を閉じる方
向へ移動する。
【0015】ニードルおよびピストンの移動量がプレリ
フト量よりも小さくなると、第2付勢手段の付勢力がな
くなる。また、バネ座がパッキングに当接し、連通路が
閉じられた状態となる。このため、ダンパ室がダンパ効
果を発生して、移動速度の図ったピストンおよびニード
ルの動きをダンプする。この結果、ニードルがノズルボ
ディに着座する際の速度が抑えられて、ニードルのジャ
ンピングが抑えられる。
【0016】〔請求項1の効果〕上記の作用で示したよ
うに、ニードルがノズルボディに着座する際のジャンピ
ングが抑えられる。また、プレリフト量を測定するのみ
で、ダンプ距離が測定できる。つまり、プレリフト量を
調節するのみで、ダンプ距離が調節できるため、従来に
比較してダンプ距離の調節が容易になる。
【0017】さらに、弁性能のチェック時に、容易にダ
ンパ効果が発生しないようにできる。具体的な一例を示
すと、ノズルボディ単品とニードル単品とでは、ダンパ
効果が発生しない。このように、ダンパ効果の影響を受
けることなく弁性能をチェックできるため、高い精度で
弁性能をチェックでき、弁性能に優れ、且つ弁性能のバ
ラツキの少ない燃料噴射ノズルを作成できる。
【0018】〔請求項2の作用および効果〕請求項2の
燃料噴射ノズルは、バネ座押圧部材をバネ座と一体に設
けることで、部品点数が減るとともに、組付けも容易と
なる。このため、燃料噴射ノズルの製造コストを抑える
ことができる。
【0019】〔請求項3の作用および効果〕請求項3の
燃料噴射ノズルは、バネ座押圧部材をピストンと一体に
設けることで、プレリフト量が、バネ座が当接するパッ
キングの座面と、バネ座押圧部材との差で測定できる。
つまり、プレリフト量の測定が容易となる。
【0020】
【実施例】次に、本発明の燃料噴射ノズルを、図に示す
実施例に基づき説明する。 〔第1実施例の構成〕図1ないし図4は本発明を採用し
た実施例を示すもので、図2は燃料噴射ノズルの断面図
である。本実施例の燃料噴射ノズル1は、図示しないデ
ィーゼルエンジンの各気筒毎に取り付けられ、図示しな
い燃料ポンプから圧送された燃料を、直接燃焼室内に霧
状に噴射する直接噴射タイプのもので、ニードル2を収
容するノズルボディ3、第1、第2付勢手段4、5を収
容するノズルホルダ6、ノズルボディ3とノズルホルダ
6との間に配置されたパッキング7、このパッキング7
を介してノズルボディ3とノズルホルダ6とを固定する
リテーニングナット8から構成される。
【0021】ノズルボディ3は、先端部(図示下側)
に、燃料を噴射するための燃料噴射口11を1つまたは
複数備える。このノズルボディ3の内部には、棒状のニ
ードル2を摺動自在に保持するための摺動孔12が形成
されている。この摺動孔12の中間部位には、孔径が広
げられた油だまり13が設けられている。また、ノズル
ボディ3には、図示上端面(パッキング7との当接面)
から油だまり13へ延びる燃料送出路14が設けられて
いる。なお、この燃料送出路14は、ノズルホルダ6の
燃料供給路15(後述する)と、パッキング7の燃料中
継路16(後述する)と連通して、燃料通路を構成す
る。
【0022】ニードル2は、ノズルボディ3の摺動孔1
2内において摺動自在に保持される棒状のもので、先端
部(図示下側)がノズルボディ3内に着座、離脱して、
燃料噴射口11を閉塞、開放するものである。ニードル
2は、油だまり13の図示下側(燃料噴射口11側)が
小径に設けられ、油だまり13の図示上側(ノズルホル
ダ6側)が大径に設けられている。そして、油だまり1
3の図示上側部分には、段差による受圧部17が形成さ
れている。そして、油だまり13に供給される燃料の圧
力が上昇すると、上昇圧力を受圧部17で受けて、ニー
ドル2を図示上側へ移動する力に変換する。
【0023】なお、ニードル2の小径部2a(受圧部1
7より図示下側)の外径寸法は、ノズルボディ3の摺動
孔12の内径寸法より小さく設けられ、摺動孔12と小
径部2aとの間で供給燃料が容易に流れるように設けら
れている。また、ニードル2の大径部2b(受圧部17
より図示上側)の外径寸法は、摺動孔12の内径寸法よ
り僅かに小さく設けられ、摺動孔12内でニードル2が
ふらつくことなく摺動するように設けられている。
【0024】また、本実施例では、ニードル2の図示上
側端部に、ニードル2の外径寸法よりも大径のピストン
18が一体に設けられている。このピストン18は、パ
ッキング7によって形成されるダンパ室(後述する)の
内部に収容されるもので、第1、第2付勢手段4、5の
付勢力をニードル2へ伝えるとともに、後述するダンパ
効果を受けてニードル2のジャンピングを阻止するもの
である。
【0025】ノズルホルダ6は、内部に第1付勢手段4
および第2付勢手段5を収容する円筒状のバネ室21が
設けられている。このバネ室21は、中間の段差22よ
り図示下側の内径寸法が、図示上側の内径寸法よりも大
きく設けられている。また、ノズルホルダ6には、燃料
ポンプから圧送された燃料の供給を受ける接続部23が
設けられている。この接続部23の内部、およびバネ室
21の周囲には、供給された燃料を、パッキング7の燃
料中継路16(後述する)、ノズルボディ3の燃料送出
路14を介して、油だまり13へ送るための燃料供給路
15が設けられている。さらに、ノズルホルダ6の図示
上側には、バネ室21に導かれた燃料を燃料タンク(図
示しない)へ戻すための燃料逃がし通路24が設けられ
ている。
【0026】第1付勢手段4は、燃料噴射口11が閉じ
る方向にニードル2を常に付勢するもので、第1バネ2
5とプレッシャピン26とから構成される。第1バネ2
5は、バネ室21の段差22より図示上側に配置される
圧縮コイルバネで、その付勢力は、図示上側に配置され
た第1シム27の厚みで調節される。プレッシャピン2
6は、第1バネ25の付勢力をピストン18を介してニ
ードル2に伝えるロッドで、図示上端に第1バネ25の
付勢力を受けるフランジ28を備える。このプレッシャ
ピン26は、図示上側がバネ室21内に設けられたスペ
ーサ29によって摺動自在に保持されるとともに、図示
下端がバネ座31(後述する)およびバネ座押圧部材3
2(後述する)の内部で摺動自在に保持される。なお、
スペーサ29は、第2付勢手段5の第2バネ33(後述
する)の作用で、段差22に押し付けられた状態でバネ
室21内に配置されたものである。
【0027】第2付勢手段5は、ニードル2が燃料噴射
口11を開く方向への移動量が、あらかじめ設定された
プレリフト量(後述する)より多い場合に燃料噴射口1
1を閉じる方向にニードル2を付勢するもので、第2バ
ネ33、バネ座31、このバネ座31と一体に設けられ
たバネ座押圧部材32から構成される。第2バネ33
は、バネ室21の段差22より図示下側に配置される圧
縮コイルバネで、その付勢力は、第2バネ33の図示上
側に配置された第2シム34の厚みで調節される。
【0028】バネ座31は、第2バネ33の図示下側に
配置されて第2バネ33の付勢力を受けるリング体で、
内部にプレッシャピン26が挿通されるものである。ま
た、バネ座31は、図1に示すように、図示下面がパッ
キング7の図示上面に当接した状態でパッキング7に形
成された連通路35(後述する)を閉じるものである。
【0029】バネ座押圧部材32は、上述のように、本
実施例ではバネ座31と一体に設けられている。このバ
ネ座押圧部材32は、図1に示すように、ニードル2が
燃料噴射口11を閉じた状態で、図示下端からピストン
18まで離されて設けられており、バネ座押圧部材32
の図示下端からピストン18の図示上端までの距離が、
プレリフト量PLとなる。つまり、ニードル2およびピ
ストン18が、図示上側に移動し、移動量がプレリフト
量PLに達すると、ピストン18がバネ座押圧部材32
に当接し、第2バネ33の付勢力が、ピストン18を介
してニードル2へ伝えられる。なお、ピストン18がバ
ネ座押圧部材32に当接した状態で、ニードル2および
ピストン18が図示上側に移動すると、バネ座押圧部材
32の移動とともにバネ座31も図示上側へ移動し、バ
ネ座31がパッキング7の図示上面から離れるものであ
る。
【0030】パッキング7は、ノズルボディ3とノズル
ホルダ6との間に配置されたものであるため、ノズルボ
ディ3の燃料送出路14と、ノズルホルダ6の燃料供給
路15とを連通するための燃料中継路16が設けられて
いる。このパッキング7は、内部の図示下側にピストン
18を収容するピストン室36が形成されており、また
図示上側にはバネ座押圧部材32が挿通される挿通穴3
7が形成されている。
【0031】このピストン室36と挿通穴37は、連通
して設けられており、ピストン室36の内径寸法は挿通
穴37の内径寸法に比較して大径に設けられている。一
方、ピストン室36の軸方向寸法は、ピストン18の軸
方向寸法より大きく設けられている。そして、ピストン
室36と挿通穴37との段差によって最大リフト量ML
を決定する規制面38が構成される。このように設けら
れることにより、ニードル2が燃料噴射口11を閉じた
状態で、規制面38とピストン18とは離されて設けら
れており、規制面38とピストン18の図示上端までの
距離が、最大リフト量MLとなる。つまり、ニードル2
およびピストン18が、図示上側に移動し、ピストン1
8がパッキング7の規制面38に当接すると、ニードル
2の移動量が最大リフト量MLに達したこととなる。
【0032】一方、ピストン室36の内径寸法は、ピス
トン18の外径寸法よりも、僅かに大径に設けられ、ピ
ストン室36とピストン18との間から、燃料が容易に
通過しないように設けられている。このため、ピストン
室36内においてピストン18の図示下方に形成される
ダンパ室36a内の体積は、後述する連通路35を閉じ
た状態では、容易に体積変化ができなくなり、結果的に
ピストン18の動きをダンプするように作用する。
【0033】なお、ダンパ室36a内には燃料が充填さ
れる。これは、油だまり13の燃料圧力が、燃料逃がし
通路24側の圧力よりも高いためで、油だまり13の燃
料が、ニードル2と摺動孔12との間を通って、ピスト
ン室36、バネ室21を介して燃料逃がし通路24に伝
えられる。この結果、ダンパ室36a内には常に燃料が
充填された状態となる。
【0034】また、パッキング7は、図1に示すよう
に、バネ座31が着座する着座位置とダンパ室36aと
を連通する連通路35が形成されている。この連通路3
5は、パッキング7の上下方向を貫通する連通孔35a
と、パッキング7の図示下側で連通孔35aとダンパ室
36aとを接続する連通溝35b(図3参照)とで構成
される。そして、バネ座31がパッキング7に着座した
状態では、連通路35の図示上側の出口開口がバネ座3
1によって閉じられ、ダンパ室36aが容易に体積変化
ができなくなって、ピストン18の動きがダンプされ
る。また、バネ座31がパッキング7から離れた状態で
は、連通路35の図示上側の出口開口が開かれ、結果的
にダンパ室36aの容積変化が容易となって、ダンパ室
36aによるピストン18のダンパ効果がなくなる。な
お、図3の符号39は、ノズルボディ3、パッキング
7、ノズルホルダ6の位置決めおよび回転を防止するノ
ックピン(図示しない)が挿通されるピン孔である。
【0035】〔実施例の作動〕次に、上記実施例の作動
を、図4を用いて説明する。 (燃料の供給圧力の上昇時の作用)燃料ポンプが燃料噴
射のために燃料を圧送すると、圧送された燃料が、燃料
供給路15、燃料中継路16、燃料送出路14を介して
油だまり13に供給される。すると、油だまり13に供
給される燃料の圧力をニードル2の受圧部17が受け、
ニードル2に燃料噴射口11が開く方向の力が発生す
る。供給圧力の上昇に伴い、ニードル2およびピストン
18に加わる力が、第1付勢手段4の付勢力よりも大き
くなると(図4のa参照)、第1付勢手段4の付勢力に
打ち勝ってニードル2およびピストン18が燃料噴射口
11を開く方向へ移動する(図4のaからb参照)。こ
の結果、燃料噴射口11が開き始め、油だまり13に圧
送された燃料が燃料噴射口11より燃焼室内へ噴射され
る。
【0036】ニードル2の移動量がプレリフト量PLに
達すると(図4のb参照)、ニードル2およびピストン
18には、第1付勢手段4の付勢力の他に、第2付勢手
段5の付勢力が、バネ座31、バネ座押圧部材32を介
して加えられる。そして、供給圧力がさらに上昇し、ニ
ードル2およびピストン18に加わる供給圧力の力が、
第1付勢手段4と第2付勢手段5との付勢力よりも大き
くなると(図4のc参照)、ニードル2およびピストン
18が、さらに燃料噴射口11を開く方向へ移動する
(図4のcからd参照)。この結果、燃料噴射口11が
更に開き、燃料噴射口11より燃焼室内へ噴射される燃
料噴射量が増加する。
【0037】ニードル2の移動量が最大リフト量MLに
達すると、ピストン18の端部が、ピストン室36の規
制面38に当接する(図4のd参照)。このため、油だ
まり13に供給される燃料圧力が更に上昇しても、ニー
ドル2およびピストン18のリフトは停止した状態とな
る(図4のdからe参照)。この結果、燃料噴射口11
の開度は一定となり、一定(最大)の燃料が、燃料噴射
口11より燃焼室内へ噴射される。
【0038】ここで、ニードル2およびピストン18の
移動量がプレリフト量PLに達するまでの間は(図4の
aからb参照)、連通路35がバネ座31によって閉じ
られた状態となる。このため、ダンパ室36aが外部と
閉塞状態となってピストン18の動きをダンプする。し
かし、ダンパ効果を発生する範囲がニードル2およびピ
ストン18の立ち上がり部分であるため、ピストン18
およびニードル2に与えるダンパ効果は小さい。そし
て、ニードル2およびピストン18の移動量がプレリフ
ト量PLよりも大きくなると(図4のb以降参照)、ピ
ストン18がバネ座押圧部材32を押圧して、バネ座3
1がパッキング7から離れて、連通路35が開かれる。
この結果、ダンパ室36aが開放され、ダンパ室36a
によるピストン18のダンパ効果がなくなり、ニードル
2およびピストン18は素早く最大リフト量MLに移動
できる。
【0039】(燃料の供給圧力の下降時の作用)油だま
り13に供給される燃料の圧力が下降し、ニードル2お
よびピストン18が燃料噴射口11を閉じる方向へ移動
する際、ニードル2およびピストン18の移動量がプレ
リフト量PLまで低下するまでの間は(図4のeからf
参照)、第1、第2付勢手段4、5の付勢力によって、
燃料噴射口11を閉じる方向へ移動する。この時、バネ
座押圧部材32によってバネ座31がパッキング7から
離され、連通路35が開かれた状態である。このため、
ダンパ室36aは開放された状態であり、ダンパ室36
aによるピストン18へのダンパ効果は発生せず、ニー
ドル2およびピストン18は、第1、第2付勢手段4、
5の付勢力によって燃料噴射口11が閉じる方向へ移動
する。
【0040】ニードル2およびピストン18の移動量が
プレリフト量PLよりも小さくなると(図4のfからg
参照)、第2付勢手段5の付勢力がなくなる。また、バ
ネ座31がパッキング7に当接し、連通路35が閉じら
れた状態となる。このため、ダンパ室36aがダンパ効
果を発生して、図4のf〜eの間で移動速度の速くなっ
たピストン18の動きをダンプする。このため、ピスト
ン18とともにニードル2がノズルボディ3に着座する
際の速度が抑えられる(図4の破線α参照)。この結
果、ニードル2がノズルボディ3に着座して、ニードル
2が燃料噴射口11を閉じる際(図4のg参照)、参照
例の実線βに示すようにニードル2がジャンピングする
ことがない。
【0041】〔実施例の効果〕本実施例の燃料噴射ノズ
ル1は、上記の作用で示したように、ニードル2が燃料
噴射口11を閉じる方向へ移動する際、移動量がプレリ
フト量PLよりも小さくなるとダンパ室36aがダンパ
効果を発生してピストン18の動きをダンプし、ニード
ル2の着座速度を減速する。この結果、ニードル2がノ
ズルボディ3に着座する際のジャンピングをほぼゼロに
抑えることができる。
【0042】また、プレリフト量PLを測定するのみ
で、ダンプ距離が測定できる。つまり、本実施例では、
プレリフト量PLは、パッキング7の軸方向寸法A、バ
ネ座押圧部材32の軸方向寸法B、ノズルボディ3から
のピストン18の突出寸法C(ニードル2が燃料噴射口
11を閉じた状態)をダイヤルゲージ等で測定し、次
式、PL=A−B−Cで求められる。このように、本実
施例ではプレリフト量PLを容易に求めることができる
ため、ダンプ距離の調節を従来に比較して容易に行うこ
とができる。なお、本実施例では、バネ座押圧部材32
をバネ座31と一体に設けているため、部品点数が減
り、且つ組付けも容易となる。このため、燃料噴射ノズ
ル1の製造コストを抑えることができる。
【0043】さらに、ニードル2単品とノズルボディ3
単品とで、弁性能のチェックを行うことで、ダンパ効果
の影響を受けずに弁性能がチェックできる。つまり、従
来に比較して、容易にダンパ効果が発生しないようにし
て、弁性能をチェックできる。このため、高い精度で弁
性能をチェックでき、弁性能に優れ、且つ弁性能のバラ
ツキの少ない燃料噴射ノズル1を作成できる。
【0044】〔第2実施例〕図5は第2実施例を示す、
燃料噴射ノズル1の要部断面図である。本実施例は、ニ
ードル2とピストン18とを別体に設けるとともに、ピ
ストン18とバネ座押圧部材32とを一体に設けたもの
である。このように設けることにより、第1実施例と同
様の作用を得ることができるとともに、プレリフト量P
Lが、パッキング7の図示上面と、バネ座押圧部材32
の図示上面との段差距離で測定できる。つまり、本実施
例では、第1実施例に比較して、更にプレリフト量PL
の測定が容易になり、プレリフト量PLおよびダンプ距
離の調節が更に容易になる。
【0045】〔変形例〕上記の実施例では、バネ座31
によって塞がれる連通路35の出口開口を、連通孔35
aの開口として設けたが、パッキング7と同心のリング
状の溝として形成しても良い。また、バネ座押圧部材3
2をバネ座31、またはピストン18と一体に設けた例
を示したが、バネ座押圧部材32を、他の部材と別体に
設けても良い。なお、バネ座押圧部材32を、他の部材
と別体に設けることによっても、第2実施例と同様、パ
ッキング7の端面と、バネ座押圧部材32の端面との段
差距離で、プレリフト量PL(ダンプ距離)を測定でき
る。
【0046】上記の実施例では、ピストン18の燃料噴
射口11側にダンパ効果を発生するダンパ室36aを形
成した例を示したが、ピストン18の燃料噴射口11と
は異なった側にダンパ効果を発生するダンパ室36aを
形成しても良い。上記の実施例では、直接噴射タイプの
燃料噴射ノズルに本発明を適用した例を示したが、副燃
焼室タイプの燃料噴射ノズルに本発明を適用しても良
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料噴射ノズルの要部断面図である(第1実施
例)。
【図2】燃料噴射ノズルの断面図である(第1実施
例)。
【図3】パッキングの下面図である(第1実施例)。
【図4】ニードルのリフト量を説明するタイムチャート
である(第1実施例)。
【図5】燃料噴射ノズルの要部断面図である(第2実施
例)。
【図6】燃料噴射ノズルの要部断面図である(従来技
術)。
【符号の説明】
1 燃料噴射ノズル 2 ニードル 3 ノズルボディ 4 第1付勢手段 5 第2付勢手段 6 ノズルホルダ 7 パッキング 11 燃料噴射口 18 ピストン 31 バネ座 32 バネ座押圧部材 35 連通路 36a ダンパ室 PL プレリフト量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 61/16 F02M 61/10 F02M 61/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)燃料を噴射する燃料噴射口を有する
    ノズルボディと、 (b)このノズルボディの内部で移動可能に保持され、
    燃料の供給圧力によって前記燃料噴射口を開く方向に移
    動するニードルと、 (c)前記ノズルボディを支持するノズルホルダと、 (d)このノズルホルダ内に収容され、前記燃料噴射口
    を閉じる方向に前記ニードルを付勢する第1付勢手段
    と、 (e)前記ノズルホルダ内に収容され、前記ニードルが
    前記燃料噴射口を開く方向への移動量が、あらかじめ設
    定されたプレリフト量より多い場合に前記燃料噴射口を
    閉じる方向に前記ニードルを付勢する第2付勢手段とを
    備える燃料噴射ノズルであって、 (f)前記ニードルは、前記燃料噴射口とは異なった側
    に、前記第1、第2付勢手段の付勢力を受けるピストン
    を備え、 (g)前記ノズルボディと前記ノズルホルダとの間に
    は、前記ピストンを燃料とともに収容して、前記ピスト
    ンの動きをダンプするダンパ室を形成するパッキングが
    設けられ、 (h)前記第2付勢手段は、前記パッキングに押し付け
    られるバネ座を備え、 (i)前記ピストンと前記バネ座との間には、前記ニー
    ドルの移動量が前記プレリフト量より多く移動すると、
    前記ピストンの移動量を前記バネ座に伝えて、前記バネ
    座を前記パッキングから離すバネ座押圧部材が設けら
    れ、 (j)前記パッキングは、前記バネ座によって開閉され
    る着座位置と前記ダンパ室とを連通する連通路を備える
    ことを特徴とする燃料噴射ノズル。
  2. 【請求項2】請求項1の燃料噴射ノズルにおいて、 前記バネ座押圧部材は、前記バネ座と一体に設けられた
    ことを特徴とする燃料噴射ノズル。
  3. 【請求項3】請求項1の燃料噴射ノズルにおいて、 前記バネ座押圧部材は、前記ピストンと一体に設けられ
    たことを特徴とする燃料噴射ノズル。
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