JPH0472067B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、内燃エンジンの燃料計測と燃料噴射
との両方の行なうポンプ−インジエクタ、一体組
立体に関する。

燃料計測ポンプは技術上既に知られており、例
えばイギリス特許第139742号に述べられている。

アメリカ特許第3131866号及び自動車技術協会
に提出されたアンドリウ、ロツセリとパツト、バ
ドクレイとの論文第710570号“キユミンスのデイ
ーゼル噴射装置の再現”とから、軸線孔を設けら
れ、孔の底部を少くとも１個の燃料噴射ノズルが
横切つてインジエクタ本体を有す燃料インジエク
タは既に知られている。

圧力燃料用取入管路はこの孔の中にその底部近
くで開き、この管路は燃料取入回路と結合され
る。プランジヤ即ちニードルはこの孔の中に、こ
のプランジヤか孔の底部と離隔される第１位置
と、このプランジヤの先端即ち傾斜端が、孔の底
部と接触することにより燃料噴射ノズルをふさぐ
第２位置即ち噴射の終りの下方位置との間で摺動
可能に装架される。

プランジヤの移動は、戻りばねの作用に抗して
カム、押棒、揺動腕の組立体により制御される。

このようなインジエクタを使う時、噴射される
燃料充填は取入管路を経て孔の中に入る燃料の量
を計測して調節される。

孔は、噴射される燃料充填の如何によつて、プ
ランジヤが燃料送出のためその下向きストローク
を始める瞬間に、より多い又は少ない量の燃料で
充填される。

この目的のため、燃料はガスペダルの位置とエ
ンジン運転速度とに関して変る圧力で、ポンプ−
インジエクタ組立体の取入口に供給される。それ
で孔に入る燃料の量は、取入圧力と燃料計測接続
時間、（この時間はエンジン運転速度に逆比例す
る）とによつて変わり、それでＰ−Ｔ（即ち圧力
−時間）方式により変わる。

この種装置の欠点は、各インジエクタ内の燃料
取入口を正しく測定することが重要なため、一方
では多シリンダエンジン内の色々のインジエクタ
により送出される燃料の流れ割合を釣合わすのが
困難なこと、他方では燃料供給圧力を経て噴射を
自動的に制御する方法それ自身に見出される。

その他の噴射装置はドイツ特許第2719228号、
フランス特許第1108081号に述べられ、これら装
置は計測された量の燃料を噴射ノズルが開いてい
るインジエクタのその部分内に送出するためのポ
ンプ型装置を有する。これら先行装置では、ガス
が噴射装置内に入り、噴射の開始時にはこれらガ
スの高圧縮性のため燃料充填によつて変るだけで
なく、その上燃料噴射の開始を正しく知ることが
出来ない。

燃料充填計測の問題は上記型のインジエクタで
は、ポンプ−インジエクタ、一体組立体を得るこ
とにより本発明によつて解決され、この組立体は (a) プランジヤ内に設けられ、プランジヤがその
上方位置にある時に燃料送出管路と第１端で連
絡する移送路を有し、この燃料送出管路は孔の
壁上に開き、この移送路はその第２端の所でプ
ランジヤの下端即ち自由端の所に開き、移送路
の前記第２端はプランジヤの前記第２位置で孔
の底部と接触することによりふさがれ、そして
さらに、 (b) プランジヤを取巻き、前記孔と前記送出管路
とが開いているインジエクタ本体内の環状室内
に収容される計測リングを有し、このリングは
上縁を持ち、上縁の少くとも一部は、プランジ
ヤが孔の底部に向けて移動する時に前記の移送
路の第１端をふさぐことにより燃料噴射の開始
を制御するようにされ、そしてさらに、 (c) 前記計測リングの位置を調節する装置を有す
る。

第１実施例では、長手移送路はプランジヤの壁
内に設けられた溝により形成される。

第２実施例では、長手移送路はプランジヤ内の
軸線孔により形成され、この孔はプランジヤ壁の
異なる高さの所の２個のオリフイスを経て開いて
いる。

次の実施例によれば、ポンプ−インジエクタ組
立体はこのプランジヤを移動する装置と共同する
押棒を有し、この押棒は、移送路と連絡してプラ
ンジヤ即ちニードルの円筒形凹所内に摺動可能に
装架される。

本発明の実施例は添付図面により示される。

図示のポンプ−インジエクタ組立体は軸線方向
の孔２を持つインジエクタ本体１を有し、孔の底
部即ち下端３を少くとも１個の噴射ノズル４が横
断し、このノズルを通して燃料噴射が行なわれ、
この孔の上端は大直径の環状室５内に開いてい
る。逆止便７を設けられ、且圧力下の燃料を供給
する回路（図示なし）に結合された管路６は、孔
２内に流体を供給し、この管路は孔の底部３の近
くの開点８の所で開く。室５内に送出管９が開き
（第２Ａ図）、この管は送出又は戻り管又は回路
（図示なし）に結合され、これを通して燃料は流
体タンクに戻り流れる。

プランジヤ即ちニードル１０は孔２内で、この
プランジヤが孔の下端３から離隔される第１即ち
上方位置と、第１図に示すこのプランジヤが前記
下端に対し着座する第２即ち下方位置との間で摺
動出来る。

プランジヤ１０は、室５の高さの所に置かれた
第１の開口１２を経て、そしてプランジヤの自由
端の所に置かれた第２の開口１３を経てプランジ
ヤ壁上に開く移送路１１を有し、この第２の開口
１３はこの実施例ではプランジヤの下方位置（噴
射終了に該当する位置）で孔の底部と接触するこ
とによりふさがれる。

この装置は決められた燃料充填のノズルを通し
て噴射出来るように設計されている。この噴射は
戻りばね１５の作用に抗して、エンジンで回され
るカム１４の作用でプランジヤを下方に移動させ
ることにより生ずる。

ばね１５はプランジヤ１０の環状肩部１６と、
部材１７との間に置かれ、室５の底部１８に向け
て、環状部材１９とプランジヤ１０のまわりに回
転可能に装架された計測リング２０とを経て押圧
しているが、そのインジエクタ本体に関する軸線
方向の移動はそれで阻止される。

リング２０の上縁の少くとも一部はプランジヤ
１０の軸線（第３図、第３Ａ図）に対し傾斜した
上縁即ち斜路２１を形成し、この斜路は、プラン
ジヤ１０が孔の下端３に向けて動く時移送路１１
の開口１２をふさぐことにより噴射の開始を制御
する。

プランジヤ１０がその軸線のまわりで回るのを
防ぐ装置が設けられ、前記装置は、例えばこの軸
線に平行な線な溝と係合するスタツドを有し、ス
タツドは例えばインジエクタ本体１に担持され、
溝はプランジヤ壁に設けられ、又はその反対であ
る。

第１図に示す実施例では、プランジヤ１０がそ
の軸線のまわりで回るのを防ぐ装置は、夫々プラ
ンジヤ１０の壁のその上部と、インジエクタ本体
１のその上端に取付けられた案内カバー板２３と
に設けられた案内溝２２によつて構成されてい
る。

計測リンク２０とプランジヤの開口１２との相
対角度位置を調節する装置はプランジヤの各上下
ストローク時に噴射される燃料の量の調節を可能
にする。

エンジンのガスペダルにより作動する棒又はリ
ンクなどの装置を有するこれら装置は、第１図、
第３図、第４図に示す実施例では、リング２０の
周辺の歯２４ａと共同するラツク棒２４を有す
る。

計測リングとプランジヤとの相対角度位置を調
節するため、リング２０を装置本体内に静止して
保持し、プランジヤの回転をその軸線のまわりで
調節するようにされた装置を使うことは本発明の
範囲から離れてはいない。

このポンプ−インジエクタ、一体組立体の作動
は、第５図から第８図までに図解的に示され、こ
の装置の空間即ち管路のすべては燃料で充たされ
る。

第５図に示す位置から上方にプランジヤが移動
する時、燃料は先ず、送出の開口１２がリング２
０の壁によりふさがれている限り吸込まれ、次に
燃料による孔２の下部の充填は、管路６内に占め
る供給圧力のために、プランジヤ１０の上部死点
（第６図に示す位置）まで続けられる。プランジ
ヤ端と孔下端との間の全容積はそれで燃料により
専ら充たされる。

プランジヤのこの位置で、開口１２は斜路２１
の上に置かれ、孔２の下部は燃料で充たされ、こ
の燃料は逆止弁７を設けられた管路６からプラン
ジヤの移送路１１と、タンクに結合された戻り管
路９とを経て燃料タンク（図示なし）に流れるこ
とが出来る。この流れは、口１２が計測リングで
ふさがれない限り続く。

第７図に示すプランジヤ位置で移送路１１の口
１２はその下向きのストロークの時に斜路２１を
越えて動き、この口は計測リング２０の内壁によ
りふさがれる。それで燃料はも早送出管路９に向
けて流れることは出来ない。プランジヤがさらに
孔２の下端３に向けて動く時、燃料は、圧力下で
噴射ノズル４路を経て送出される。

図面から明らかなように、斜路２１と開口１２
との共同は、一方では孔の下部に捕えられる燃料
の量を制御し、他方ではノズル４を通る燃料噴射
の開始を制御する。

噴射は、これらノズル４がプランジヤの傾斜下
端によりふさがれた時に、第８図に示す位置で終
る。

カム１４をさらに回すと、ばね１５の作用でプ
ランジヤ１０を上方に移動させ、開口１２の下部
は再び燃料で充たされ、上記サイクルを再び始め
ることが出来る。

プランジヤ１０の軸線に関し斜路２１が傾斜し
ているため、リング２０の内壁による開口１２の
ふさぎ持続を変えることが出来、それにより各サ
イクル毎に、リング２０をその軸線のまわりでラ
ツク棒２４で回すことにより噴射される燃料充填
を計測をすることが出来る。

燃料計測が燃料供給圧力を変えることが達成さ
れる前文で述べたキユミンスの噴射装置に関し、
本発明によるポンプ−インジエクタ装置は、燃料
計測が燃料供給圧力と無関係に機械的に達成され
る位置であり、本装置は次のいくつかの利点を提
供し、即ち −多シリンダエンジン内の色々のインジエクタを
通る流動割合の釣合、この釣合はエンジンの全
作動範囲（運転速度−燃料充填）にわたつて改
善されている。

−ラツク棒、即ち燃料噴射ポンプに普通使われる
調節装置の使用による流動調節とを有する。

その上、この計測リング２０を使う制御装置は
ポンプ−インジエクタ、一体組立体と一体化さ
れ、プランジヤ１０に関する制御部材の移動は計
測機能はそれ自身の要求に限定される（これは高
い燃料充填の噴射に対し特に有利である）。

第１図に示す実施例の修正型では、プランジヤ
１０を回すことで燃料計測を行なうことが可能で
あり、傾斜路２１を設けられているリング２０は
なおインクジエクタ本体に関し静止して維持され
ている。

本発明の別の実施例（図示なし）によれば、計
測リング２０の上縁が斜路を形成していてもいな
くても、燃料計測はリング２０をプランジヤ２０
に沿つてインジエクタ本体に関し調節装置の作用
で軸線移動することで達成され、この装置の製作
は当業者の範囲内にある。

第１図に示す実施例で、移送路１１はプランジ
ヤ１０内のほぼ軸線方向の孔で形成されている。

他の実施例（第９図）では、この移送路はプラ
ンジヤ壁上に設けられた長手溝１１ａにより構成
され、この溝はこのプランジヤの自由端上に開い
ている。

直線溝１１ａをらせん溝に置換えることは明ら
かに、本発明の範囲から離れてはいない。

色々の実施例のすべてで、移送路の下端を、燃
料が燃料供給管路６から移送路１１に流れるよう
に置いて、一方孔２の下端３とプランジヤ１０の
自由端との間に画定される空間の少くとも一部を
排気することは好ましいが但し必ずしも必要では
ない。

第１図に示すように、インジエクタ−ポンプ、
一体組立体はその上部に、プランジヤの軸線方向
の円筒形凹所２６内に摺動可能に装架された押棒
２５を有し、この凹所の底部はプランジヤ１０の
燃料用長手移送路１１と連絡している。

押棒２５に担持される環状ガスケツト２７は燃
料シールを提供する。

この配置は二重の機械的止め即ち接触から生じ
る欠点を排除し、即ち第１の止めはカムがプラン
ジヤ１０を上端と接触することであり、第２の止
めはプランジヤの傾斜端が第１図、第７図に示す
噴射の終りの位置で孔２の下端３と接触すること
である。

このような二重の止め即ち接触は次の二つの危
険のために装置の欠陥作動を実際に生じ、即ち、 もしプランジヤ１０の傾斜端が下端３に向けて
十分な力を与えられなければ、噴射完了后にノズ
ル４を通る流体洩れの危険、 もし座に向けてプランジヤに加えられる力が高
すぎるならば、プランジヤの傾斜端及び又はその
座である下端３が悪化する危険とである。

この欠点は、機械的公差、摩耗、熱的膨張から
生じる軸線方向の隙間を補正するのに圧力燃料が
使われる選ばれた実施例により排除され、この圧
力燃料が液体の止め又は接触を提供する。

隙間e₁（第１図）は1/10mmの数倍程度である。

隙間e₂は少くともe₁に等しいが、燃料で充たさ
れる死容積を余計に増さないよう大き過ぎてはな
らない。

以上の如く、本願発明による燃料用ポンプ−イ
ンジエクタ一体組立体は噴射する燃料の正確な計
測を行い且つ燃料噴射のタイミングを制御するこ
とが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図はポンプ−インジエク組立体の長手断面
図、第２図は燃料入口、出口のオリフイスを示す
頂面図、第２Ａ図は第２図の線Ａ−Ａにおける断
面図、第３図は計測リングを示す部分図、第３Ａ
図は前記計測リングの壁の展開図、第４図は第１
図に示す高さにおける断面図で、計測リングを制
御するラツク棒を示し、第５図から第８図までは
ポンプ−インジエクタ組立体の作動の図解図、第
９図は長手燃料送出管路の別の実施例を示してい
る。 １……本体、２……孔、３……下端、４……ノ
ズル、５……環状室、６……管路、７……逆止
弁、８……開点、９……送出管、１０……プラン
ジヤ、１１……移送路、１１ａ……溝、１２，１
３……開口、１４……カム、１５……ばね、１６
……肩部、１７……部材、１８……底部、１９…
…部材、２０……リング、２１……斜路、２２…
…溝、２３……板、２４……ラツク棒、２４ａ…
…歯、２５……押棒、２６……凹所、２７……ガ
スケツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内燃エンジンの燃料用ポンプ−インジエクタ
   一体組立体において、傾斜した底部３を有する軸
   線方向の孔２を設けられたインジエクタ本体１を
   有し、前記傾斜した底部は少くとも１個の燃料噴
   射ノズル４により横断され、且少なくとも１個の
   燃料入口を形成し、逆止弁７を有する管路６が前
   記孔のその底部近くに開き、そしてさらに傾斜し
   た下端を有するプランジヤ１０を有し、前記プラ
   ンジヤが前記孔の底部から離隔される第１位置
   と、前記プランジヤの傾斜した下端が前記噴射ノ
   ズルをふさぐ第２位置即ち噴射終了位置との間で
   摺動することが出来、前記ポンプ−インジエクタ
   一体組立体は前記噴射ノズルを経て噴射される燃
   料の量を計測する装置を有し、前記計測装置は、
   前記プランジヤ内に設けられて前記プランジヤが
   その第１位置にある時に第１の開口１２において
   燃料送出管路９と連絡する移送路１１と、前記プ
   ランジヤを取巻いて、前記インジエクタ本体の環
   状室５内に置かれた計測リング２０とを有し、前
   記孔と前記送出管路とは前記環状室内に開き、前
   記リングは前記プランジヤの傾斜した下端とは反
   対側の上縁２１を有し、前記上縁の少くとも一部
   は前記移送路の前記第１の開口と共同して燃料計
   測を行ない、そしてさらに前記インジエクタ本体
   内の前記リングの位置を調節する装置を有し、前
   記移送路は前記プランジヤの傾斜した下端の所に
   第２の開口１３を持ち、前記計測リングの上縁の
   前記部分は前記移送路の前記第１の開口をふさぐ
   ことにより前記噴射の開始を画定し且噴射する燃
   料の量を制御するポンプ−インジエクタ一体組立
   体。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の燃料ポンプ−イ
   ンジエクタ一体組立体において、前記計測リング
   の前記上縁の部分は前記プランジヤ軸線に傾斜す
   る斜路を形成し、前期リングを前記プランジヤと
   の相対角度位置は前記調節装置により調節可能で
   ある燃料ポンプ−インジエクタ一体組立体。 ３ 特許請求の範囲第１項記載の燃料ポンプ−イ
   ンジエクタ一体組立体において、前記調節装置は
   前記インジエクタ本体に関する前記計測リングの
   軸線移動を制御する燃料ポンプ−インジエクタ一
   体組立体。 ４ 特許請求の範囲第２項記載の燃料ポンプ−イ
   ンジエクタ一体組立体において、前期インジエク
   タ本体に関し前記プランジヤの回転を阻止する装
   置を有する燃料ポンプ−インジエクタ一体組立
   体。 ５ 特許請求の範囲第４項記載の燃料ポンプ−イ
   ンジエクタ一体組立体において、前記プランジヤ
   の回転を阻止する前記装置は複数個の案内溝を有
   する燃料ポンプ−インジエクタ一体組立体。 ６ 特許請求の範囲第２項記載の燃料ポンプ−イ
   ンジエクタ一体組立体において、前記リングと前
   記プランジヤとの相対角度位置を調節する前記装
   置は前記リングの周辺の歯と共同するラツク棒を
   有する燃料ポンプ−インジエクタ一体組立体。 ７ 特許請求の範囲第１項から第６項までの何れ
   か一つに記載の燃料ポンプ−インジエクタ一体組
   立体において、前記プランジヤを移動する装置と
   共同する押棒を有し、前記押棒は前記燃料送出管
   路と連結する前記プランジヤの円筒形軸線凹所内
   で摺動可能である燃料ポンプ−インジエクタ一体
   組立体。 ８ 特許請求の範囲第１項記載の燃料ポンプ−イ
   ンジエクタ一体組立体において、前記移送路は前
   記プランジヤの軸線方向の孔である燃料ポンプ−
   インジエクタ一体組立体。 ９ 特許請求の範囲第１項記載の燃料ポンプ−イ
   ンジエクタ一体組立体において、前記移送路は前
   記プランジヤの壁に設けられた溝である燃料ポン
   プ−インジエクタ一体組立体。 １０ 特許請求の範囲第９項記載の燃料ポンプ−
   インジエクタ一体組立体において、前記溝の方向
   は少くとも一つの軸線成分を持つ燃料ポンプ−イ
   ンジエクタ一体組立体。