JP3089777B2 - 多段開弁式燃料噴射ノズル - Google Patents

多段開弁式燃料噴射ノズル

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JP3089777B2 JP03335218A JP33521891A JP3089777B2 JP 3089777 B2 JP3089777 B2 JP 3089777B2 JP 03335218 A JP03335218 A JP 03335218A JP 33521891 A JP33521891 A JP 33521891A JP 3089777 B2 JP3089777 B2 JP 3089777B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディ−ゼルエンジンに
燃料を噴射する燃料噴射ノズルであり、燃料噴射の初期
では噴射率を抑えて初期噴射とし、引続いて噴射率を高
めて主噴射を行うようにした多段開弁式の燃料噴射ノズ
ルに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ディーゼルエンジンはガソリン
エンジンに比べて圧縮比が高く、しかも圧縮着火式であ
るから燃焼圧力が高くなり、このため燃焼時に騒音や振
動が大きくなるなどの傾向がある。
【0003】このような不具合を防止するため、燃料噴
射ノズルから噴射される燃料の噴射特性を噴射経過時間
に応じて可変としたもの、すなわち噴射初期において噴
射率を小さくし、かつ主噴射に至ると噴射率を大きくし
た多段噴射式ものが知られている。
【0004】多段噴射に用いられる噴射ノズルとして
は、従来から、ニードル弁をばね定数の異なる複数のス
プリングで押圧するようにしたものが知られている。し
かし、このような多段ばねを用いる噴射ノズルは、部品
点数が多くなるとともに構造が大型になり、しかも開弁
圧の調整が複雑であるなどの欠点がある。
【0005】このようなことから、例えば実公昭63−
38372号公報に記載されたような多段噴射式燃料噴
射ノズルが提案されている。このものはノズルボディに
ガイド部材を摺動自在に嵌挿するとともに、このガイド
部材にニードル弁を摺動自在に嵌挿し、初期噴射の段階
ではこれらガイド部材とニードル弁とが一緒に燃料圧を
受けてリフトし(プレリフト=低圧リフト)、所定のリ
フトに達したらガイド部材が停止してニードル弁のみが
燃料圧によりさらにリフトし(全リフト=高圧リフ
ト)、主噴射をなすようにしたものである。このものに
よれば、初期噴射時には受圧面積を大きくし、主噴射時
には受圧面積を小さくすることにより噴射圧を制御し、
この結果噴射率を2段階に変化させるもので、ニードル
弁を押圧付勢するスプリングが1個あればよく、よって
構造が簡単で、開弁圧の調整も容易であるなどの利点が
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように受圧面積を変えて多段噴射する上記従来の燃料噴
射ノズルでは、以下のような欠点がある。
【0007】つまり、上記公報に示された燃料噴射ノズ
ルは、ガイド部材がニードル弁に形成したフランジ面に
当接し、この状態でガイド部材とニードル弁が一緒にリ
フトし、上記ガイド部材がストッパ部材に当接すること
によりプレリフトがなされるようになっている。この場
合、プレリフト量を計測しようとすると、ガイド部材、
ニードル弁、ストッパ部材およびノズルボディの関係寸
法を測定する必要があり、これらを組付けた後でプレリ
フト量を測定するのは極めて困難である。したがって全
リフトも測定が困難である。
【0008】また、このものは格別なストッパ部材を用
いており、このため部品点数が多くなる。
【0009】さらに、ガイド部材がストッパ部材に当接
することにより生じるリフト時の衝撃はガイド部材とス
トッパ部との当接面で受止めることになるが、現状の初
期噴射時と主噴射時との開弁比は1.2程度であり、こ
れを実現するにはガイド部材の肉厚を1.0mm以下の程
度にしかとれず、よってガイド部材とストッパ部との当
接面積が小さくなり、この当接面が早期摩耗を生じて使
用経過に伴ってリフト量が変化する不具合がある。
【0010】本発明はこのような事情にもとづきなされ
たもので、その目的とするところは、プレリフト量や全
リフト量の計測が容易であるばかりでなく、構造が簡単
で安価に得ることができ、かつリフト時に衝撃を受ける
当接面の耐久性が向上でき、しかも、高品質な多段開弁
式燃料噴射ノズルを提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、スプリング室を備え、このスプリング室の端
部壁に貫通孔を形成したホルダ本体と、上記スプリング
室に収容されたスプリングと、このスプリングに連結さ
れ、上記貫通孔挿通されたプレッシャピンと、上記ホ
ルダ本体の端部壁に連結され、燃料供給通路から燃料が
送り込まれる燃料溜り部およびこの燃料溜り部に連なる
噴孔を備えたノズルボディと、このノズルボディに軸方
向に沿って移動自在に収容され、一端側の小径軸部に上
記噴孔を開閉する弁部を有し、他端側の大径軸部が上記
プレッシャピンに対向されるとともに、上記燃料溜り部
に臨んでこの燃料溜り部の燃料圧力を受ける傾斜形状の
受圧面で上記両軸部間を一体に接続してなるニードル弁
と、このニードル弁の他端と上記プレッシャピンの間に
設けられるとともに、プレッシャピンに当接する端部が
上記ホルダ本体の端部壁からプレリフト量に相当する寸
法だけ離して設けられ、上記スプリングの押圧力をプレ
ッシャピンを通じてニードル弁に伝える押圧ロッドと、
上記ノズルボディ及び上記ニードル弁の大径軸部に摺動
自在に嵌挿される円筒部の一端に上記燃料溜り部に臨ん
でこの燃料溜り部の燃料圧力を受ける環状の受圧面を設
けるとともに、上記円筒部の他端に、上記押圧ロッドが
貫通される挿通孔を有して上記ホルダ本体の端部壁に接
離しかつ静止状態において上記ニードル弁の大径軸部の
端面で支持されるストッパ壁を一体に設けて、縦断面形
状が略コの字形状をなし、上記静止状態において上記
トッパ壁とホルダ本体の端部壁との間に全リフト量に相
当する離間寸法を確保するガイド部材と、を具備し、プ
レリフトの場合にガイド部材がニードル弁と一体的にリ
フトして上記ストッパ壁が上記ホルダ本体の端部壁に当
接した場合に停止され、全リフトの場合はニードル弁の
単独リフトを可能としたことを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明の構成によると、燃料供給ポンプから燃
料溜り部に供給される燃料の圧力が高くなると、ガイド
部材の受圧面およびニードル弁の受圧面が共に燃料圧力
を受けてこれらガイド部材およびニードル弁が一緒に上
昇し、これらガイド部材とニードル弁とでプレッシャピ
ンを押すからニードル弁がプレリフトされて噴孔から初
期噴射(低圧噴射)がなされる。この場合、ガイド部材
のストッパ壁がホルダ本体に当接するとガイド部材によ
りプレッシャピンが押されなくなるのでニードル弁はこ
の位置で停止される。次に、さらに燃料溜り部の燃料圧
力が上昇すると、ニードル弁に形成した受圧面が燃料圧
力を受けてニードル弁が単独で上昇し、プレッシャピン
を押してスプリングを撓ませる。この場合、ニードル弁
はガイド部材のストッパ壁に当接するまで上昇し、この
当接によりニードル弁は停止し、これにより主噴射がな
される。
【0013】そして、ニードル弁とプレッシャピンとの
間に設けた押圧ロッドの上記プレッシャピンに当接する
端部がホルダ本体の端部壁からプレリフト量に相当する
寸法だけ離間して設けられるのでノズルボディの上端面
から押圧ロッド端面までの寸法を測定することによりプ
レリフト量lを計測することができるとともに、ガイド
部材のストッパ壁とホルダ本体の端部壁との間に全リフ
ト量に相当する離間寸法が設定されるので、ノズルボデ
ィの上端面からストッパ壁の端面までの寸法を測定する
ことにより全リフト量Lを計測することができる。
た、リフト量の規制に伴う衝撃は、ガイド部材のストッ
パ壁とホルダ本体の端部壁との当接面で受け止めるが、
ガイド部材の端面を形成しているストッパ壁により、上
記端部壁への当接面積が大きく確保されているので、そ
の耐久性を向上できる。更に、上記ストッパ壁を有して
縦断面形状が略コの字状をなしたガイド部材は、静止状
態ではそのストッパ壁をニードル弁の大径軸部の端面に
接して支持されているとともに、このガイド部材の環状
の受圧面全体が燃料溜り部に臨んでいるため、燃料圧を
安定してガイド部材に作用させて性能を安定させること
ができる。しかも、既述のようにガイド部材がストッパ
壁を一体に有しており、部品点数が少ないこととあいま
って、ニードル弁はその大径軸部の先端でガイド部材を
位置決めするもので、ニードル弁の中間部に外側に張出
してガイド部材を位置決めする環状張出し部を有しない
ので、このニードル弁の機械加工が容易で加工コストを
抑制でき、従って、コストダウンを図ることができる。
【0014】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面にもとづき説明
する。
【0015】図において1は円筒形をなすホルダ本体で
あり、内部にスプリング室2を形成してあり、このスプ
リング室2の端部壁3には貫通孔4が形成されている。
スプリング室2には所定の押圧力に設定された1個のス
プリング5が収容されており、このスプリング5の下端
にはプレッシャピン6が取着されている。プレッシャピ
ン6の上端部には上記スプリング3を位置決めして支持
する凸部が形成されており、下端は上記貫通孔4を移動
自在に挿通している。なお、この下端は平坦面をなして
いる。
【0016】上記下端にはノズルボディ7が、リテーニ
ングナット8により連結されている。
【0017】ノズルボディ7には、中央部に摺動孔9が
設けられているとともに、この摺動孔9に通じる燃料溜
り部10ならびに下端に位置して上記燃料溜り部10に
連なる噴孔11が形成されている。上記燃料溜り部10
は燃料供給通路12に連通しており、この燃料供給通路
12は図示しない燃料供給ポンプに連結され、したがっ
て上記燃料溜り部10には燃料供給ポンプから燃料供給
通路12を通じて燃料が送られるようになっている。
【0018】上記摺動孔9にはガイド部材15が摺動自
在に嵌挿されている。ガイド部材15は円筒形をなして
おり、円筒部15aの下端に形成した環状の受圧面16
が上記燃料溜り部10に臨んでいるとともに、上端は閉
止端部となるストッパ壁17を一体に形成してある。こ
のストッパ壁17は、上記プレッシャピン6の下端平坦
面に接離自在に対向しており、中央には挿通孔18が形
成されているとともに、静止状態において次に説明する
ニードル弁の大径軸部の上端面で支持されるようになっ
ている
【0019】このようなガイド部材15にはニードル弁
20が摺動自在に嵌挿されている。ニードル弁20は、
一端側の大径軸部20aと、他端側の小径軸部20b
と、これら両軸部20a、20b間を一体に接続した傾
斜形状の受圧面21とを有している。小径軸部20bの
下端に形成した弁部13はノズルボディ7の下端に形成
した弁座に接離して噴孔11を開閉するようになってい
る。ニードル弁20の上下方向の途中位置の受圧面21
は上記燃料溜り部10に臨んでいる。そして、大径軸部
20aには上記ガイド部材15が摺動自在に嵌合されて
いるとともに、この大径軸部20aの上端には径の段差
をもって押圧ロッド22が一体に突出形成されている。
この押圧ロッド22は上記ガイド部材15のストッパ壁
17の肉厚より大きな長さを有し、挿通孔18を摺動自
在に貫通している。この押圧ロッド22の上端は上記プ
レッシャピン6の下端平坦面に当接しており、よってニ
ードル弁20は押圧ロッド22およびプレッシャピン6
を介してスプリング5の押圧力を受けている。
【0020】この場合、押圧ロッド22の上端はホルダ
本体1の端部壁3から、換言すればノズルボディ7の上
端壁から寸法lだけ下向きに離間しており、この没入量
がプレリフト量に設定されている。
【0021】そして、上記燃料溜り部10の燃料圧力が
低い場合は、図1に示す通り、ニードル弁20がスプリ
ング5の押圧力を受けており、このためニードル弁20
は押し下げられて下端に形成した弁座がノズルボディ7
の下端に形成した円錐弁座13に当接し、これにより噴
孔11を閉じるようになっている。
【0022】この場合、ガイド部材15の上端に形成し
たストッパ壁17は、ホルダ本体1の端部壁3に対し所
定寸法Lを存して対向するようになっており、つまりノ
ズルボディ7の上端壁から寸法Lだけ没入しており、こ
の寸法Lがニードル弁20の全リフトとなっている。
【0023】このような構成による実施例の作用につい
て説明する。図示しない燃料供給ポンプから燃料供給通
路12を通じて燃料溜り部10に燃料が供給され、この
燃料溜り部10の燃料圧力が上昇し始めると、ガイド部
材15が、下端に形成した受圧面16で燃料溜り部10
の燃料圧力を受けるので押し上げられる。このガイド部
材15は上端に一体形成したストッパ壁17がプレッシ
ャピン6の下端平坦面に当接すると停止し、この状態で
待機している。
【0024】そして、さらに燃料溜り部10の燃料圧力
が高くなって初期開弁圧を越えると、ガイド部材15の
受圧面16が上記と同様に燃料圧力を受けるからストッ
パ壁17がプレッシャピン6の下端平坦面を押し、この
場合、同時に、ニードル弁20の途中に形成した受圧面
21も燃料溜り部10の燃料圧力を受けるから、ニード
ル弁20も押上げ力を受け、この押圧ロッド22もプレ
ッシャピン6の下端平坦面を押す。
【0025】すなわち、プレッシャピン6はガイド部材
15からの押上力と、ニードル弁20からの押上力を同
時に受けるようになり、これらの押上力がスプリング6
に設定した初期開弁圧より大きくなるとこのスプリング
6の力に抗してガイド部材15およびニードル弁20が
一緒にリフトする。そして、これらガイド部材15およ
びニードル弁20は、図2に示す通り、ガイド部材15
のストッパ壁17がホルダ本体1の端部壁3に当接する
まで上昇し、この当接によりガイド部材15の押上力が
プレッシャピン6に加わらなくなるのでニードル弁20
の上昇が停止する。
【0026】これにより、噴孔11が開かれ、燃料溜り
部10の燃料が噴孔11から図示しないエンジンへ噴射
される。この状態がプレリフトであり、初期噴射がなさ
れる。
【0027】上記プレリフトの場合の受圧面積は、ガイ
ド部材15の下端に形成した受圧面16とニードル弁2
0の途中に形成した受圧面21との和であり、このため
受圧面積が大きく、燃料溜り部10の燃料圧力が比較的
低くてもこれらガイド部材15およびニードル弁20が
一緒にスプリング6を押すのでスプリング6を撓ませる
ことができ、よってニードル弁20を上昇させることが
できる。
【0028】そして、このようなプレリフトのストロー
クlは、図1に示すようにホルダ本体1の端部壁3から
突出していたプレッシャピン6の下端が、ガイド部材1
5およびニードル弁20に押されて図2に示すように端
部壁3の下面と面一となるまでの寸法lであり、よって
図1に示す通り、ノズルボディ7の上端壁からノズルボ
ディ7内に没入している押圧ロッド22の上端面までの
没入量lがプレリフト量となる。
【0029】上記のような初期噴射の後、さらに燃料溜
り部10の燃料圧力が上昇すると、ニードル弁20に形
成した受圧面21がこの燃料溜り部10の燃料圧力を受
けて上昇し、押圧ロッド22がプレッシャピン6の下端
平坦面を押す。
【0030】この場合、ガイド部材15はホルダ本体1
に当接しているのでプレッシャピン6を押し上げる作用
がなく、よってニードル弁20だけの押上力でプレッシ
ャピン6をスプリング6の力に抗して押し上げる。
【0031】ニードル弁20は図3に示すように、ガイ
ド部材15のストッパ壁17に当接するまで上昇し、こ
の当接によりニードル弁20は停止する。
【0032】これにより、噴孔11はさらに開かれ、燃
料溜り部10の燃料が噴孔11から噴射される。この状
態が主噴射である。
【0033】そして、この場合の受圧面積はニードル弁
20に形成した受圧面21だけであるから受圧面積は小
さく、よって燃料溜り部10の燃料圧力が比較的高くな
らないとスプリング6を撓ませることができず、よって
このような高圧燃料によりニードル弁20が上昇される
から噴孔11からの噴射も高圧噴射となり、噴射率が高
くなる。
【0034】このような構成の多段開弁式燃料噴射ノズ
ルによれば、プレリフトlおよび全リフトLの寸法を、
図1から理解できるように、ノズルボディ7にガイド部
材15およびニードル弁20を取付けた状態で、ノズル
ボディ7の上端面からこれらガイド部材15および押圧
ロッド22上端までの寸法を測定することにより計るこ
とができる。このため、ノズルボディ7をホルダ本体1
に連結する前にこれらプレリフトlおよび全リフトLを
計測できるようになり、この計測の結果寸法の誤差があ
ればノズルボディ7からガイド部材15およびニードル
弁20を取り出して修正し、再び組み付けることができ
る。このようなことから、プレリフトlおよび全リフト
Lの設定が容易であり、高精度な寸法管理を行うことが
でき、この結果、燃料噴射特性を高精度に規制すること
ができる。加えて、前記リフト量設定のために使用する
ガイド部材15は、円筒部15aの上端の閉止端部をな
すストッパ壁17を一体に有して、その縦断面がほぼコ
の字形状をなしており、静止状態においてニードル弁2
0の大径軸部20aの上端面でストッパ壁17を支持さ
れ位置決めされているときには、このガイド部材15の
円筒部15aの下端面が形成する環状の受圧面16全体
が100%燃料溜り部10に臨むことができるため、燃
料圧を安定してガイド部材15に作用させて、性能を安
定させることができる。したがって、これらの理由から
多段開弁式燃料噴射ノズルの品質を高めることができ
る。
【0035】また、上記実施例の場合、既述のように静
止状態においてニードル弁20に位置決めされるガイド
部材15は、その円筒部15aの上端にニードル弁20
の大径軸部20aの端面に接して支持されるストッパ壁
17を一体に設けて縦断面形状が略コの字状をなす構成
の単一部材である。そのため、部品点数が少なくなっ
て、構造が簡単になり、組み付け手間を削減することが
できる。しかも、ニードル弁20はその大径軸部20a
の先端でガイド部材15のストッパ壁17を支持するこ
とによってガイド部材15を位置決めするので、ニード
ル弁20の中間部には外側に張出してガイド部材15を
位置決めする環状張出し部を有しない。そのため、ニー
ドル弁20の機械加工が容易で加工コストを抑制でき
る。従って、これらの理由によりコストダウンを図るこ
とができる。
【0036】さらに、ストッパ壁17がホルダ本体1の
端部壁3に当接することによりプレリフトを規制するよ
うになっており、この当接の場合はストッパ壁17の上
面全面がホルダ本体1の端部壁3に当接するため当接面
積が大きく、摩耗が少なくなってリフト量が変化するこ
とがなくなり、耐久性も向上する。
【0037】なお、上記実施例の場合、ニードル弁20
の上端に押圧ロッド22を一体に突設したが、この押圧
ロッド22はプレッシャピン6側に一体に形成しても上
記実施例と同様な作用を奏する。
【0038】そして、この場合、プレリフト量を測定す
るには、ノズルボディ7の上端面からニードル弁20の
上端までの寸法を計り、この計測値から押圧ロッド22
の長さを差し引けばプレリフト量を知ることができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、ノ
ズルボディの端面からガイド部材およびニードル弁の上
端までの寸法により全リフト量およびプレリフト量が決
まるので、これらの計測が容易であり、この測定にもと
づき修正も容易になるから、精度を高めることができる
ことに加えて、ガイド部材の受圧面全体が確実に燃料溜
り部に臨んでいてガイド部材が燃料圧を安定して受ける
ことができるので、性能を安定化できるので、信頼性に
優れた高い品質の噴射ノズルを提供することができる。
また、ストッパ壁をガイド部材に一体に設けたから、部
品点数が少なく、構造が簡単になり、組み付けが容易に
なることに加えて、ニードル弁の加工が容易であるの
で、コストを低減することができる。さらにストッパ壁
はホルダ本体に全面積で当接することができ、当接面積
を大きくすることができて、摩耗を低減することができ
るので、リフト量の変化を防止して耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す多段開弁式燃料噴射ノ
ズルの断面図。
【図2】同実施例のプレリフト状態を示す断面図。
【図3】同実施例の全リフト状態を示す断面図。
【符号の説明】
1…ホルダ本体、 2…スプリング室、 3…端部壁、 4…貫通孔、 5…スプリング、 6…プレッシャピン、 7…ノズルボディ、 8…リテーニングナット、 10…燃料溜り部、 11…噴孔、 12…燃料供給通路、 13…弁部、 15…ガイド部材、15a…円筒部、 16…受圧面、 17…ストッパ壁、 18…挿通孔、 20…ニードル弁、20a…大径軸部、 20b…小径軸部、 21…受圧面、 22…押圧ロッド。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スプリング室を備え、このスプリング室
    の端部壁に貫通孔を形成したホルダ本体と、 上記スプリング室に収容されたスプリングと、 このスプリングに連結され、上記貫通孔挿通されたプ
    レッシャピンと、 上記ホルダ本体の端部壁に連結され、燃料供給通路から
    燃料が送り込まれる燃料溜り部およびこの燃料溜り部に
    連なる噴孔を備えたノズルボディと、 このノズルボディに軸方向に沿って移動自在に収容さ
    れ、一端側の小径軸部に上記噴孔を開閉する弁部を有
    し、他端側の大径軸部が上記プレッシャピンに対向され
    るとともに、上記燃料溜り部に臨んでこの燃料溜り部の
    燃料圧力を受ける傾斜形状の受圧面で上記両軸部間を一
    体に接続してなるニードル弁と、 このニードル弁の他端と上記プレッシャピンの間に設け
    られるとともに、プレッシャピンに当接する端部が上記
    ホルダ本体の端部壁からプレリフト量に相当する寸法だ
    け離して設けられ、上記スプリングの押圧力をプレッシ
    ャピンを通じてニードル弁に伝える押圧ロッドと、 上記ノズルボディ及び上記ニードル弁の大径軸部に摺動
    自在に嵌挿される円筒部の一端に上記燃料溜り部に臨ん
    でこの燃料溜り部の燃料圧力を受ける環状の受圧面を設
    けるとともに、上記円筒部の他端に、上記押圧ロッドが
    貫通される挿通孔を有して上記ホルダ本体の端部壁に接
    離しかつ静止状態において上記ニードル弁の大径軸部の
    端面で支持されるストッパ壁を一体に設けて、縦断面形
    状が略コの字形状をなし、上記静止状態において上記
    トッパ壁とホルダ本体の端部壁との間に全リフト量に相
    当する離間寸法を確保するガイド部材と、 を具備し、プレリフトの場合にガイド部材がニードル弁
    と一体的にリフトして上記ストッパ壁が上記ホルダ本体
    の端部壁に当接した場合に停止され、全リフトの場合は
    ニードル弁の単独リフトを可能としたことを特徴とする
    多段開弁式燃料噴射ノズル。
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