JPH08246998A - 燃料噴射ノズルおよびその製造方法 - Google Patents

燃料噴射ノズルおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH08246998A
JPH08246998A JP5290995A JP5290995A JPH08246998A JP H08246998 A JPH08246998 A JP H08246998A JP 5290995 A JP5290995 A JP 5290995A JP 5290995 A JP5290995 A JP 5290995A JP H08246998 A JPH08246998 A JP H08246998A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
needle
packing
fuel injection
nozzle
nozzle body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5290995A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3564780B2 (ja
Inventor
Eiji Ito
栄次 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NipponDenso Co Ltd filed Critical NipponDenso Co Ltd
Priority to JP05290995A priority Critical patent/JP3564780B2/ja
Publication of JPH08246998A publication Critical patent/JPH08246998A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3564780B2 publication Critical patent/JP3564780B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ニードル2のジャンピングを抑え、弁性能の
チェックが容易で、ニードル2とノズルボディ3の交換
時であっても、ニードル2とノズルボディ3のみで重な
り代L2 の調節を容易にできるメンテナンス性に優れた
燃料噴射ノズル1の提供。 【構成】 燃料噴射ノズル1は、バネ4の付勢力をプレ
ッシャピン7を介してニードル2へ伝えるとともに、ノ
ズルボディ3とノズルホルダ5との間にパッキング6を
備える。プレッシャピン7は、バネ4のバネ座26と、
パッキング6を貫通する軸部27とからなる。パッキン
グ6は、バネ座26を収容可能なダンパ室25を備え
る。そして、軸部27とパッキング6は、軸方向寸法が
同じに設けられている(La=Lb)。このため、ノズ
ルボディ3の端面からのニードル2の落ち込み量L1 を
調節するのみで、ダンパ室25とバネ座26との重なり
代L2が調節できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料ポンプより圧送さ
れた燃料を内燃機関へ噴射する燃料噴射ノズルに関する
もので、特にニードルが燃料噴射口を閉じる着座時に発
生するニードルのジャンピングを抑える技術に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ニードルが燃料噴射口を閉じるべく、ニ
ードルがノズルボディに着座する際に発生するニードル
のジャンピングを抑える技術として、特開平6−264
846号公報に開示された技術が知られている。この技
術は、ノズルボディとノズルホルダとの間に、ダンパ室
を形成するパッキングを設けるとともに、このパッキン
グに挿通されるプレッシャピンにバネ座を設けて、バネ
座とダンパ室とが重なることで、ダンパ室内における燃
料の排出を規制して、ニードルの着座時のジャンピング
を抑えるものである。
【0003】この技術では、ダンパ効果を発生する部分
(パッキングとプレッシャピン)が、ノズルボディから
独立して設けられる。このため、ダンパ効果が発生する
ダンパ距離が容易に調節できる。また、ダンパ効果の発
生を容易になくして弁性能をチェックできる。このた
め、高い精度で弁性能をチェックでき、弁性能に優れ、
且つ弁性能のバラツキの少ない燃料噴射ノズルを作成で
きる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記に示した従来の燃
料噴射ノズルは、上述のように、バネ座とダンパ室とが
重なることでダンパ効果が発生するもので、バネ座とダ
ンパ室との重なり代でダンパ距離を調節するものであ
る。そして、重なり代の調節は、ノズルボディ、ニード
ル、プレッシャピン、パッキングによって行われる。
【0005】ここで、燃料噴射ノズルが長時間使用され
た場合、メンテナンスのために劣化したニードルおよび
ノズルボディからなるノズル部を交換することが多い。
しかし、上記で示した従来の燃料噴射ノズルでは、重な
り代の調節をノズル部のみで行うことは困難で、結果的
に燃料噴射ノズルをアッシィ交換する必要が生じ、メン
テナンス費用が高くなる不具合を有していた。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記の事情に鑑みてなされた
もので、その目的は、ニードルが燃料噴射口を閉じる着
座時におけるニードルのジャンピングを抑え、ダンパ効
果が発生するダンプ距離の調節が容易で、弁性能のチェ
ックが容易で、さらにニードルおよびノズルボディから
なるノズル部を交換した際にも、ノズル部のみで容易に
ダンプ距離を調節できる燃料噴射ノズルおよびその製造
方法の提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の燃料噴射ノズル
は、次の技術的手段を採用した。 〔請求項1の手段〕燃料噴射ノズルは、(a)燃料を噴
射する燃料噴射口を有するノズルボディと、(b)この
ノズルボディの内部で移動可能に保持され、燃料の供給
圧力によって前記燃料噴射口を開く方向に移動するニー
ドルと、(c)前記ノズルボディを支持するノズルホル
ダと、(d)このノズルホルダ内に収容され、前記燃料
噴射口を閉じる方向に前記ニードルを付勢するためのバ
ネと、(e)前記ノズルボディと前記ノズルホルダとの
間に配置されたパッキングと、(f)このパッキングに
挿通される軸部、およびこの軸部の前記バネ側に設けら
れ、前記バネの付勢力を前記軸部を介して前記ニードル
に伝える円盤状のバネ座からなるプレッシャピンとを備
える。
【0008】(g)前記パッキングは、前記バネ側に前
記バネ座の外径寸法より僅かに小径で、前記バネ座を収
容可能なダンパ室を備え、(h)前記プレッシャピンに
おける前記軸部の軸方向寸法は、前記パッキングの軸方
向寸法と同一に設けられ、(i)前記ニードルが前記燃
料噴射口を閉じる状態で、前記プレッシャピンが当接す
る前記ニードルの端が、前記パッキングが当接する前記
ノズルボディの端面より、前記燃料噴射口側へ落ち込ん
で設けられる。
【0009】〔請求項2の手段〕請求項1の燃料噴射ノ
ズルは、次の各行程を用いて、前記軸部の軸方向寸法
は、前記パッキングの軸方向寸法と同一に設けられる。
前記パッキングのノズルボディ側より、前記プレッシャ
ピンの軸部を挿入し、前記パッキングと前記バネ座とを
当接させる反転組付行程。この反転組付行程によって組
み付けられた前記パッキングおよび前記プレッシャピン
を、前記パッキングのノズルホルダ側を切削し、前記パ
ッキングのノズルホルダ側における前記パッキングおよ
び前記軸部を同一面に形成する面一切削行程。
【0010】〔請求項3の手段〕請求項1の燃料噴射ノ
ズルは、前記ニードルが前記燃料噴射口を閉じる状態
で、前記プレッシャピンが当接する前記ニードルの端、
あるいは前記パッキングが当接する前記ノズルボディの
端面を切削して、前記プレッシャピンが当接する前記ニ
ードルの端の落ち込み量を調節し、前記バネ座と前記ダ
ンパ室との重なり代であるダンプ距離を調節する。
【0011】
【発明の作用および発明の効果】
〔請求項1の作用〕 (燃料の供給圧力の上昇時の作用)燃料噴射ノズルに噴
射燃料が供給されると、燃料の供給圧力によってニード
ルへ燃料噴射口が開く方向の力が発生する。供給圧力の
上昇に伴い、ニードルに加わる供給圧力の力が、バネの
付勢力よりも大きくなると、バネの付勢力に打ち勝って
ニードルおよびプレッシャピンが燃料噴射口を開く方向
へ移動する。この結果、燃料噴射ノズルが開き、供給さ
れた燃料が燃料噴射口より噴射される。
【0012】なお、ニードルおよびプレッシャピンが燃
料噴射口を開く方向へ移動する際、移動開始初期におい
ては、プレッシャピンのバネ座が、ダンパ室に重なった
状態となる。このため、ダンパ室が外部と閉塞状態とな
ってバネ座の動きをダンプするが、ダンパ効果を発生す
る範囲がニードルの立ち上がり部分であるため、バネ座
を介してニードルに与えるダンパ効果は小さい。そし
て、ニードルの移動量が大きくなり、バネ座がダンパ室
から抜け出ると、ダンパ室が開放され、ダンパ室による
バネ座のダンパ効果がなくなる。
【0013】(燃料の供給圧力の下降時の作用)燃料の
供給圧力が下降し、ニードルとともにバネ座燃料噴射口
を閉じる方向へ移動する際、バネ座がダンパ室に重なる
までの間は、バネの付勢力によって、ニードルおよびバ
ネ座が燃料噴射口を閉じる方向へ移動する。この時は、
ダンパ室が開放された状態であり、バネ座へダンパ効果
は発生せず、ニードルはダンパ効果に阻害されることな
く、燃料噴射口を閉じる方向へ移動する。
【0014】ニードルがさらに燃料噴射口を閉じる方向
へ移動すると、移動途中でバネ座がダンパ室に重なる。
すると、ダンパ室が外部と閉塞状態となって、移動速度
ののったバネ座の動きをダンプする。この結果、バネ座
の移動速度が低下し、これにともない、ニードルの移動
速度も低下し、ニードルがノズルボディに着座する際に
生じるニードルのジャンピングが抑えられる。
【0015】〔請求項1の効果〕上記の作用で示したよ
うに、ニードルがノズルボディに着座する際のジャンピ
ングが抑えられる。弁性能のチェック時に、容易にダン
パ効果が発生しないようにできる。具体的な例を示す
と、ノズルボディ単品とニードル単品とでは、ダンパ効
果が発生しない。このように、ダンパ効果の影響を受け
ることなく弁性能をチェックできるため、高い精度で弁
性能をチェックでき、弁性能に優れ、且つ弁性能のバラ
ツキの少ない燃料噴射ノズルを作成できる。
【0016】また、軸部の軸方向寸法が、パッキングの
軸方向寸法と同一に設けられているため、ニードルが燃
料噴射口を閉じる状態で、パッキングが当接するノズル
ボディの端面から、プレッシャピンが当接するニードル
の端までの落ち込み量が、バネ座とダンパ室との重なり
代、つまりダンプ距離となる。つまり、ニードルボディ
の端面とニードルとの差を調節するのみで、ダンプ距離
が調節できるため、ダンプ距離の調節を容易に行える。
【0017】さらに、ノズルボディの端面から、ニード
ルの端までの落ち込み量を調節することで、ダンプ距離
が調節できるため、ニードルおよびノズルボディの交換
を行った際でも、ニードルおよびノズルボディのみで、
ダンプ距離の調節を行うことができる。このため、燃料
噴射ノズルが長時間使用されて、メンテナンスのために
劣化したニードルおよびノズルボディを交換する際、従
来のように燃料噴射ノズルをアッシィ交換する必要がな
く、ニードルおよびノズルボディのみの交換で済むこと
となり、メンテナンス費用を従来に比較して抑えること
ができる。
【0018】〔請求項2の作用および効果〕反転組付行
程によって、パッキングのダンパ室とは異なった側にバ
ネ座が配置されるように、パッキングとプレッシャピン
とを組付ける。次に、面一切削行程によって、ダンパ室
側のパッキングの端面、およびニードルが当接されるプ
レッシャピンの端面を切削し、ダンパ室側におけるパッ
キングとプレッシャピンとを同一面に加工する。これら
の簡単な行程によって、軸部の軸方向寸法と、パッキン
グの軸方向寸法とが同一になる。
【0019】〔請求項3の作用および効果〕パッキング
が当接するノズルボディの端面からニードルの端までの
落ち込み量がダンプ距離となるため、この落ち込み量を
測定して、ニードルの端、あるいはノズルボディの端面
の一方を切断することで、容易にダンプ距離を調節する
ことができる。
【0020】
【実施例】次に、本発明の燃料噴射ノズルおよびその製
造方法を、図に示す実施例に基づき説明する。 〔実施例の構成〕図1ないし図3は本発明を採用した実
施例を示すもので、図1は燃料噴射ノズルの断面図であ
る。本実施例の燃料噴射ノズル1は、図示しないディー
ゼルエンジンの各気筒毎に取り付けられ、図示しない燃
料ポンプから圧送された燃料を、副燃焼室内に霧状に噴
射するピン型ノズルタイプのもので、ニードル2を収容
するノズルボディ3、バネ4を収容するノズルホルダ
5、ノズルボディ3とノズルホルダ5との間に配置され
たパッキング6、このパッキング6に挿通されてバネ4
の付勢力をニードル2に伝えるプレッシャピン7、パッ
キング6を介してノズルボディ3とノズルホルダ5とを
固定するリテーニングナット8から構成される。なお、
このリテーニングナット8は、ディーゼルエンジンのシ
リンダヘッドに螺合されるもので、リテーニングナット
8がシリンダヘッドに螺合されることにより、燃料噴射
ノズル1がディーゼルエンジンに固定される。
【0021】ノズルボディ3は、先端部(図示下側)
に、燃料を噴射するための噴射口11を備え、この噴射
口11にはニードル2の先端(ピン)が挿通される。ノ
ズルボディ3の内部には、略円柱棒状のニードル2を摺
動自在に保持するための摺動孔12が形成されている。
この摺動孔12の図示下側には、孔径が広げられた油だ
まり13が設けられている。また、ノズルボディ3に
は、図示上端面(パッキング6との当接面)から油だま
り13へ延びる燃料送出路14が設けられている。な
お、この燃料送出路14は、ノズルホルダ5の燃料供給
路15(後述する)と、パッキング6の燃料中継路16
(後述する)と連通して、燃料通路を構成する。
【0022】ニードル2は、ノズルボディ3の摺動孔1
2内において摺動自在に保持される棒状のもので、図示
下側の先端部がノズルボディ3内に着座、離脱して、燃
料噴射口11を閉塞、開放するものである。ニードル2
は、油だまり13の図示下側(燃料噴射口11側)が小
径に設けられ、油だまり13の図示上側(ノズルホルダ
5側)が大径に設けられている。そして、油だまり13
の図示上側部分には、段差による受圧部17が形成され
ている。そして、油だまり13に供給される燃料の圧力
が上昇すると、受圧部17が上昇圧力を受けて、ニード
ル2を図示上側へ移動する力に変換する。
【0023】ニードル2の大径部2a(受圧部17より
図示上側)の外径寸法は、パッキング6の挿通穴18
(後述する)の内径寸法より大きく設けられるととも
に、摺動孔12の内径寸法より僅かに小さく設けられて
いる。また、ニードル2の図示上側の端部は、段差を介
して小径となる小径部2bが設けられている。この小径
部2bは、ニードル2が図示上方へリフトした際に、パ
ッキング6の挿通穴18(後述する)に進入し、大径部
2aがパッキング6に当接することで、ニードル2の最
大リフト量FL(図2参照)が決定される。
【0024】なお、小径部2bの図示上側端面(プレッ
シャピン7が当接する端)は、図2に示すように、ノズ
ルボディ3の図示上側端面(パッキング6が当接する端
面)より、図示下側(燃料噴射口11側)へ落ち込んで
設けられ、その落ち込み量L1 は、ダンパ室(後述す
る)とバネ座(後述する)との重なり代L2 と同じ長さ
になる。
【0025】ノズルホルダ5は、内部にバネ4を収容す
る円筒状のバネ室21が設けられている。また、ノズル
ホルダ5の図示上部には、燃料ポンプから圧送された燃
料の供給を受ける小径の接続部22が設けられている。
この接続部22の内部、およびバネ室21の周囲には、
供給された燃料を、パッキング6の燃料中継路16(後
述する)、ノズルボディ3の燃料送出路14を介して、
油だまり13へ送るための燃料供給路15が設けられて
いる。また、接続部22の付け根部分の段差部23に
は、バネ室21に導かれた燃料を燃料タンク(図示しな
い)へ戻すための逃がし通路24が開口している。
【0026】バネ4は、燃料噴射口11が閉じる方向
に、プレッシャピン7を介してニードル2を常に付勢す
る圧縮コイルバネで、その付勢力は、図示上側に配置さ
れたシム4aの厚みで調節される。
【0027】パッキング6は、ノズルボディ3とノズル
ホルダ5との間に配置されたものであるため、ノズルボ
ディ3の燃料送出路14と、ノズルホルダ5の燃料供給
路15とを連通して燃料通路を構成するための燃料中継
路16が設けられている。このパッキング6の内部に
は、プレッシャピン7を挿通する挿通穴18が形成され
ている。また、パッキング6の図示上側には、プレッシ
ャピン7のバネ座(後述する)を収容可能なダンパ室2
5が形成されている。
【0028】ダンパ室25の内径寸法は、プレッシャピ
ン7のバネ座26(後述する)の外径寸法よりも、僅か
に大径に設けられ、バネ座26とダンパ室25とが重な
った状態で、ダンパ室25内の燃料が、容易にダンパ室
25外へ漏れないように設けられている。このため、バ
ネ座26とダンパ室25とが重なった状態では、ダンパ
室25内の体積は容易に体積変化ができなくなり、結果
的にバネ4の付勢力をニードル2へ伝えるプレッシャピ
ン7の移動速度をダンプするように作用する。
【0029】プレッシャピン7は、パッキング6の挿通
穴18に挿通される軸部27と、バネ4の付勢力を受け
る円盤状のバネ座26とからなる。軸部27は、軸方向
寸法Laがパッキング6の軸方向寸法Lbと同一寸法に
設けられている。また、軸部27の側面には平面部が設
けられており、油だまり13からニードル2と摺動孔1
2との間を通過した燃料をダンパ室25内に導くように
設けられている。一方、バネ座26の外径寸法は、上述
のようにダンパ室25の内径寸法よりも、僅かに小径に
設けられ、バネ座26がダンパ室25に重なった状態
で、プレッシャピン7にダンパ効果を与えるように作用
する。
【0030】軸部27の軸方向寸法と、パッキング6の
軸方向寸法とを同一寸法にするために、燃料噴射ノズル
1は、次の行程を用いて製造される。先ず、パッキング
6のノズルボディ3側(図示下側)より、プレッシャピ
ン7の軸部27を挿入し、パッキング6とバネ座26と
を当接させる(反転組付行程、図3の状態参照)。次
に、反転組付行程によって組み付けられたパッキング6
およびプレッシャピン7のノズルホルダ側を図3の破線
部分で切削する(面一切削行程)。以上、2つの行程に
よって、軸部27の軸方向寸法Laが、パッキング6の
軸方向寸法Lbと同一になる。
【0031】次に、バネ座26とダンパ室25との重な
り代L2 (ダンプ距離)の調節方法を説明する。軸部2
7とパッキング6とが軸方向に同一寸法(La=Lb)
であるため、ノズルボディ3の図示上側端面からのニー
ドル2の落ち込み量L1 と、ダンパ室25とバネ座26
との重なり代L2 とが同じ長さになる。このため、落ち
込み量L1 を調節することで、重なり代L2 を調節でき
る。つまり、ニードル2が燃料噴射口11を閉じる状態
で、プレッシャピン7が当接するニードル2の端面、あ
るいはパッキング6が当接するノズルボディ3の端面を
切削することで、容易に落ち込み量L1 を調節でき、結
果的に重なり代L2(ダンプ距離)を調節することがで
きる。
【0032】〔実施例の作動〕次に、上記実施例の作動
を説明する。 (燃料の供給圧力の上昇時の作用)燃料ポンプが燃料噴
射のために燃料を圧送すると、圧送された燃料が、燃料
供給路15、燃料中継路16、燃料送出路14を介して
油だまり13に供給される。すると、油だまり13に供
給される燃料の圧力をニードル2の受圧部17が受け、
ニードル2に燃料噴射口11が開く方向の力が発生す
る。供給圧力の上昇に伴い、ニードル2およびプレッシ
ャピン7に加わる力が、バネ4の付勢力よりも大きくな
ると、バネ4の付勢力に打ち勝ってニードル2およびプ
レッシャピン7が燃料噴射口11を開く方向へ移動す
る。この結果、燃料噴射口11が開き、油だまり13に
圧送された燃料が燃料噴射口11より副燃焼室内へ噴射
される。
【0033】ニードル2の移動量が最大リフト量FLに
達すると、ニードル2の大径部2aの端がパッキング6
の図示下面に当接する。このため、油だまり13に供給
される燃料圧力が更に上昇しても、ニードル2およびプ
レッシャピン7のリフトは停止した状態となる。この結
果、燃料噴射口11の開度は一定となり、一定(最大)
の燃料が、燃料噴射口11より副燃焼室内へ噴射され
る。
【0034】ここで、ニードル2の移動初期において、
ダンパ室25とバネ座26とが重なった状態の間は、ダ
ンパ室25が外部と閉塞状態となってプレッシャピン7
の動きをダンプする。しかし、ダンパ効果を発生する範
囲がニードル2およびプレッシャピン7の立ち上がり部
分であるため、ニードル2およびプレッシャピン7に与
えるダンパ効果は小さい。そして、ダンパ室25からバ
ネ座26が抜け出ると、ダンパ室25が開放され、ダン
パ室25によるプレッシャピン7のダンパ効果がなくな
り、ニードル2およびプレッシャピン7は素早く最大リ
フト量FLに移動できる。
【0035】(燃料の供給圧力の下降時の作用)油だま
り13に供給される燃料の圧力が下降し、ニードル2お
よびプレッシャピン7が燃料噴射口11を閉じる方向へ
移動する際、ダンパ室25とバネ座26とが重なるまで
の間は、ダンパ室25は開放された状態となる。このた
め、ダンパ室25によるプレッシャピン7へのダンパ効
果は発生せず、ニードル2およびプレッシャピン7は、
バネ4の付勢力によって燃料噴射口11が閉じる方向へ
素早く移動する。
【0036】ダンパ室25とバネ座26とが重なると、
ダンパ室25が閉塞された状態となり、ダンパ室25が
ダンプ効果を発生する。すると、移動速度の速くなった
プレッシャピン7の動きをダンプし、プレッシャピン7
の移動速度を抑える。このように、バネ4の付勢力を受
けるプレッシャピン7の移動が抑えられることにより、
ニードル2の移動速度が抑えられ、結果的に、ニードル
2がノズルボディ3に着座する際の速度が抑えられる。
これにより、ニードル2がノズルボディ3に着座して、
ニードル2が燃料噴射口11を閉じる際のニードル2の
ジャンピングが抑えられる。
【0037】〔実施例の効果〕本実施例の燃料噴射ノズ
ル1は、上記の作用で示したように、ニードル2が燃料
噴射口11を閉じる方向へ移動する際、ダンパ室25に
バネ座26が重なると、ダンパ室25がダンプ効果を発
生してプレッシャピン7の動きをダンプし、ニードル2
の着座速度を減速する。この結果、ニードル2がノズル
ボディ3に着座する際のジャンピングをほぼゼロに抑え
ることができる。
【0038】また、ニードル2単品とノズルボディ3単
品とで、弁性能のチェックを行うことで、ダンパ効果の
影響を受けずに弁性能がチェックできる。つまり、容易
にダンパ効果の発生をなくして弁性能をチェックでき
る。このため、高い精度で弁性能をチェックでき、弁性
能に優れ、且つ弁性能のバラツキの少ない燃料噴射ノズ
ル1を作成できる。
【0039】さらに、ノズルボディ3の図示上側端面か
ら、ニードル2の図示上側端面までの落ち込み量L1 を
調節するのみで、重なり代L2 (ダンプ距離)を調節で
きるため、重なり代L2 (ダンプ距離)の調節を容易に
行うことができる。
【0040】またこのように、ノズルボディ3からニー
ドル2の落ち込み量L1 を調節することで、重なり代L
2 (ダンプ距離)が調節できるため、ニードル2および
ノズルボディ3の交換を行った際でも、交換する新たな
ニードル2およびノズルボディ3のみで、重なり代L2
(ダンプ距離)の調節を行うことができる。このため、
燃料噴射ノズル1が長時間使用されて、メンテナンスの
ために劣化したニードル2およびノズルボディ3を交換
する際、従来のように燃料噴射ノズルをアッシィ交換す
る必要がなく、劣化したニードル2およびノズルボディ
3のみの交換で済む。このため、従来に比較してメンテ
ナンス費用を安くすることができる。
【0041】〔変形例〕上記の実施例では、ピン型ノズ
ルタイプの燃料噴射ノズルに本発明を適用した例を示し
たが、ホール型ノズルタイプの燃料噴射ノズルに本発明
を適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料噴射ノズルの断面図である。
【図2】ニードルとノズルボディの断面図である。
【図3】パッキングとプレッシャピンとを反転組付した
状態の断面図である。
【符号の説明】
1 燃料噴射ノズル 2 ニードル 3 ノズルボディ 4 バネ 5 ノズルホルダ 6 パッキング 7 プレッシャピン 11 燃料噴射口 25 ダンパ室 26 バネ座 27 軸部 L1 落ち込み量 L2 重なり代(ダンプ距離) La 軸部の軸方向寸法 Lb パッキングの軸方向寸法

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)燃料を噴射する燃料噴射口を有する
    ノズルボディと、 (b)このノズルボディの内部で移動可能に保持され、
    燃料の供給圧力によって前記燃料噴射口を開く方向に移
    動するニードルと、 (c)前記ノズルボディを支持するノズルホルダと、 (d)このノズルホルダ内に収容され、前記燃料噴射口
    を閉じる方向に前記ニードルを付勢するためのバネと、 (e)前記ノズルボディと前記ノズルホルダとの間に配
    置されたパッキングと、 (f)このパッキングに挿通される軸部、およびこの軸
    部の前記バネ側に設けられ、前記バネの付勢力を前記軸
    部を介して前記ニードルに伝える円盤状のバネ座からな
    るプレッシャピンとを備え、 (g)前記パッキングは、前記バネ側に前記バネ座の外
    径寸法より僅かに小径で、前記バネ座を収容可能なダン
    パ室を備え、 (h)前記プレッシャピンにおける前記軸部の軸方向寸
    法は、前記パッキングの軸方向寸法と同一に設けられ、 (i)前記ニードルが前記燃料噴射口を閉じる状態で、
    前記プレッシャピンが当接する前記ニードルの端が、前
    記パッキングが当接する前記ノズルボディの端面より、
    前記燃料噴射口側へ落ち込んで設けられることを特徴と
    する燃料噴射ノズル。
  2. 【請求項2】請求項1の燃料噴射ノズルにおいて、 前記パッキングのノズルボディ側より、前記プレッシャ
    ピンの軸部を挿入し、前記パッキングと前記バネ座とを
    当接させる反転組付行程と、 この反転組付行程によって組み付けられた前記パッキン
    グおよび前記プレッシャピンを、前記パッキングのノズ
    ルホルダ側を切削し、前記パッキングのノズルホルダ側
    における前記パッキングおよび前記軸部を同一面に形成
    する面一切削行程とを用いることによって、 前記軸部の軸方向寸法が前記パッキングの軸方向寸法と
    同一に設けられることを特徴とする燃料噴射ノズルの製
    造方法。
  3. 【請求項3】請求項1の燃料噴射ノズルにおいて、 前記ニードルが前記燃料噴射口を閉じる状態で、前記プ
    レッシャピンが当接する前記ニードルの端、あるいは前
    記パッキングが当接する前記ノズルボディの端面を切削
    して、前記プレッシャピンが当接する前記ニードルの端
    の落ち込み量を調節することにより、前記バネ座と前記
    ダンパ室との重なり代であるダンプ距離を調節すること
    を特徴とする燃料噴射ノズルの製造方法。
JP05290995A 1995-03-13 1995-03-13 燃料噴射ノズルおよびその製造方法 Expired - Fee Related JP3564780B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05290995A JP3564780B2 (ja) 1995-03-13 1995-03-13 燃料噴射ノズルおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05290995A JP3564780B2 (ja) 1995-03-13 1995-03-13 燃料噴射ノズルおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08246998A true JPH08246998A (ja) 1996-09-24
JP3564780B2 JP3564780B2 (ja) 2004-09-15

Family

ID=12927967

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05290995A Expired - Fee Related JP3564780B2 (ja) 1995-03-13 1995-03-13 燃料噴射ノズルおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3564780B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010261396A (ja) * 2009-05-08 2010-11-18 Denso Corp 燃料噴射弁
CN114542346A (zh) * 2022-03-09 2022-05-27 一汽解放汽车有限公司 一种喷油器及喷油器的长针阀的行程控制方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010261396A (ja) * 2009-05-08 2010-11-18 Denso Corp 燃料噴射弁
CN114542346A (zh) * 2022-03-09 2022-05-27 一汽解放汽车有限公司 一种喷油器及喷油器的长针阀的行程控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3564780B2 (ja) 2004-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5082180A (en) Electromagnetic valve and unit fuel injector with electromagnetic valve
US20030127614A1 (en) Electromagnetic valve for controlling an injection valve of an internal combustion engine
US4941612A (en) Unit fuel injector
JP2004514823A (ja) 内燃機関の噴射弁の制御のためのマグネット弁
JPH0932680A (ja) 内燃機関の燃料噴射装置
US5533672A (en) Dual event nozzle for low opening and high closing pressure injector
JPH08246998A (ja) 燃料噴射ノズルおよびその製造方法
KR20020019555A (ko) 연료 분사 밸브
US7150410B1 (en) Method for providing a controlled injection rate and injection pressure in a fuel injector assembly
JPS59183014A (ja) 油圧式弁駆動装置
JPH09195892A (ja) 燃料噴射ノズル
JP3924923B2 (ja) 燃料噴射ノズル
JPH05149210A (ja) 内燃機関の燃料噴射弁
JP2018003789A (ja) 燃料噴射弁及びコモンレール噴射システム
JPH0726922A (ja) 内燃機関のバルブ制御装置
JPH0726923A (ja) 内燃機関のバルブ制御装置
JP3518028B2 (ja) 燃料噴射ノズル
JP3767083B2 (ja) 燃料噴射ノズル
JP3906534B2 (ja) 燃料噴射ノズル
JP2632713B2 (ja) 燃料噴射装置
WO2023062684A1 (ja) 電磁吸入弁及び燃料供給ポンプ
JP5321418B2 (ja) 燃料噴射弁
JP2841510B2 (ja) 燃料噴射ポンプ
JP3570440B2 (ja) 燃料噴射ノズル
JP2006161678A (ja) 燃料噴射ノズル、燃料噴射弁および燃料噴射装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040224

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040415

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040518

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040531

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100618

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110618

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110618

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120618

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120618

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees