JPH09125922A

JPH09125922A - エンジンの弁案内装置

Info

Publication number: JPH09125922A
Application number: JP28823795A
Authority: JP
Inventors: Kenji Yamashita; 健次山下; Masahiro Nagahama; 真裕長浜; Tatsuyuki Nakamura; 達行中村; Yuzo Umeda; 裕三梅田; Torao Iwamoto; 虎雄岩本; Shunichi Manba; 俊一萬羽; Kozo Yoshida; 鉱三吉田
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1995-11-07
Filing date: 1995-11-07
Publication date: 1997-05-13

Abstract

(57)【要約】【解決手段】吸気用または排気用の弁１の弁軸２を弁軸
案内具３の案内孔４に挿通し、弁１の弁頭５を燃焼室６
に臨ませるとともに、弁軸端７を動弁室８に突出させ、
弁軸案内具３に潤滑油封止具９を取り付け、この潤滑油
封止具９の内周に弾性を備えた封止部１０を設け、この
封止部１０を弁軸外周面１１に密着させた、エンジンの
弁案内装置において、潤滑油封止具９を円環状に形成
し、弁軸案内具３の案内孔内周面１２にその周方向に沿
って円形溝１３を形成し、この円形溝１３に上記潤滑油
封止具９を内嵌した。【効果】潤滑油封止具９が弁軸案内具３から外れるおそ
れがなく、動弁室８の潤滑油が弁軸案内具３の案内孔４
を経て燃焼室６に流入するのを、封止部１０によってよ
り確実に抑制でき、潤滑油の燃焼に起因する潤滑油の消
費と排気ガスの有害化とをより確実に抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの弁案内
装置に関し、詳しくは、弁軸案内具からの潤滑油封止具
の外れを防止でき、かつ、潤滑油封止具を低コストで製
作できるものに関する。

【０００２】

【従来の技術】エンジンの弁案内装置の従来技術として
図３に示すものがある。これは、本発明と同様、次のよ
うな基本構造を備えている。すなわち、吸気用または排
気用の弁１０１の弁軸１０２を弁軸案内具１０３の案内
孔１０４に挿通し、上記弁１０１の弁頭１０５を燃焼室
１０６に臨ませるとともに、弁軸端１０７を動弁室１０
８に突出させ、上記弁軸案内具１０３に潤滑油封止具１
０９を取り付け、この潤滑油封止具１０９の内周に弾性
を備えた封止部１１０を設け、この封止部１１０を弁軸
外周面１１１に密着させてある。この種の装置では、動
弁室１０８の潤滑油が弁軸案内具１０３の案内孔１０４
を経て燃焼室１０６に流入するのを抑制し、潤滑油の燃
焼に起因する潤滑油の消費と排気ガスの有害化とを抑制
する。

【０００３】この従来技術では、潤滑油封止具１０９と
して耐熱性を備えたフッ素ゴム製のカバーを用い、弁軸
１０２の一部と弁軸案内具１０３の一部とを一連に覆
い、スナップリング１１９で弁軸案内具１０３に固定し
てある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、次
の問題がある（図３参照）。スナップリング１１９の緩み等によって潤滑油封止具
１０９が弁軸案内具１０３から外れるおそれがあり、こ
の場合には、動弁室１０８の潤滑油が弁軸案内具１０３
の案内孔１０４を経て燃焼室１０６に多量に流入し、潤
滑油消費量が増加するとともに、潤滑油の燃焼により排
気ガスが有害化されやすい。

【０００５】潤滑油封止具１０９は、弁軸１０２の一
部と弁軸案内具１０３の一部とを一連に覆うため、比較
的大きくなり、高価なフッ素ゴムを原材料として比較的
多く使用するうえ、比較的複雑な形に成型する必要があ
り、製作コストが比較的高くなる。

【０００６】本発明の課題は、弁軸案内具からの潤滑油
封止具の外れを防止でき、かつ、潤滑油封止具の製作コ
ストを低くできる、エンジンの弁案内装置を提供するこ
とにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

（第１発明）第１発明は、図１に示すように、吸気用ま
たは排気用の弁１の弁軸２を弁軸案内具３の案内孔４に
挿通し、上記弁１の弁頭５を燃焼室６に臨ませるととも
に、弁軸端７を動弁室８に突出させ、上記弁軸案内具３
に潤滑油封止具９を取り付け、この潤滑油封止具９の内
周に弾性を備えた封止部１０を設け、この封止部１０を
弁軸外周面１１に密着させた、エンジンの弁案内装置に
おいて、次のようにしたことを特徴とする。

【０００８】すなわち、図１及び図２に示すように、上
記潤滑油封止具９を円環状に形成し、上記弁軸案内具３
の案内孔内周面１２にその周方向に沿って円形溝１３を
形成し、この円形溝１３に上記潤滑油封止具９を内嵌し
たことを特徴とする。

【０００９】（第２発明）第２発明は、第１発明におい
て、図１（Ｂ）及び図２（Ａ）・（Ｂ）に示すように、
上記弁軸２の中心軸線１４を含む仮想断面上で、上記封
止部１０が弁軸２に向かう先窄み形状となるようにする
とともに、この封止部１０の燃焼室側表面１５と弁軸外
周面１１とが燃焼室６側でなす角度１６に比べ、この封
止部１０の動弁室側表面１７と弁軸外周面１１とが動弁
室８側でなす角度１８のほうが大きくなるようにしたこ
とを特徴とする。

【００１０】（第３発明）第３発明は、第１発明または
第２発明において、図１及び図２に示すように、上記弁
軸案内具３に潤滑油を含浸させたことを特徴とする。

【００１１】

【発明の作用及び効果】（第１発明）第１発明は次の作用効果を奏する（図１及
び図２参照）。弁案内具３の案内孔内周面１２に形成した円形溝１３
に潤滑油封止具９を内嵌してあるため、潤滑油封止具９
が弁軸案内具３から外れるおそれがなく、動弁室８の潤
滑油が弁軸案内具３の案内孔４を経て燃焼室６に流入す
るのを、封止部１０によってより確実に抑制でき、潤滑
油の燃焼に起因する潤滑油の消費と排気ガスの有害化と
をより確実に抑制できる。

【００１２】潤滑油封止具９は、弁軸案内具３の案内
孔内周面１２に形成した円形溝１３に内嵌する円環状の
ものであるため、比較的小さな形状で済み、原材料とし
て高価な素材を用いても、その使用量が比較的少なくて
済むうえ、比較的簡単な形に成型すればよく、製作コス
トを比較的低くできる。

【００１３】（第２発明）第２発明は第１発明の作用効
果に加え、次の作用効果を奏する（図１及び図２（Ａ）
・（Ｂ）参照）。封止部１０は、燃焼室６側には撓みにくく、動弁室８
側に撓みやすいため、弁１が燃焼室６側に摺動する時に
は、動弁室８で弁軸外周面１１に付着した潤滑油が封止
部１０で掻き落とされ、案内孔４内に連れ込まれにく
く、逆に弁１が動弁室８側に摺動する時には、案内孔４
に連れ込まれていた潤滑油が、封止部１０であまり掻き
落とされることなしに、弁軸外周面１１に付着したまま
動弁室８側に連れ出され、次に弁１が燃焼室６側に摺動
する時に、封止部１０で掻き落とされる。このため、動
弁室８の潤滑油が弁軸案内具３の案内孔４を経て燃焼室
１に流入するのを、封止部１０によって一層確実に抑制
でき、潤滑油の燃焼に起因する潤滑油の消費と排気ガス
の有害化とを一層確実に抑制できる。

【００１４】（第３発明）第３発明は、第１発明または
第２発明のいずれかの作用効果に加え、次の作用効果を
奏する（図１及び図２参照）。案内孔内周面１２と弁軸外周面１１とを弁軸案内具３
に含浸させた潤滑油によって潤滑するので、封止部１０
の封止機能を高めても、これらが焼き付くおそれはな
い。

【００１５】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図１に示す第１実施形態のエンジンの弁
案内装置は、頭上弁式エンジンのもので、次のように構
成してある。すなわち、図１（Ａ）に示すように、吸気
用の弁１の弁軸２を弁軸案内具３の案内孔４に挿通し、
上記弁１の弁頭５を燃焼室６に臨ませるとともに、弁軸
端７を動弁室８に突出させ、上記弁軸案内具３に潤滑油
封止具９を取り付け、この潤滑油封止具９の内周に弾性
を備えた封止部１０を設け、この封止部１０を弁軸外周
面１１に密着させてある。弁１にはポペット弁を用いて
いる。弁１は弁バネ２０で動弁室８側に付勢して、その
弁頭５を弁口２１の弁面２２に着座させてある。

【００１６】この実施形態では、弁軸案内具３からの潤
滑油封止具９の外れを防止し、かつ、潤滑油封止具９の
製作コストを低くするため、次のような構成を採用し
た。すなわち、上記潤滑油封止具９を円環状に形成し、
上記弁軸案内具３の案内孔内周面１２にその周方向に沿
って円形溝１３を形成し、この円形溝１３に上記潤滑油
封止具９を内嵌した。

【００１７】このような構成によれば、弁案内具３の案
内孔内周面１２に形成した円形溝１３に潤滑油封止具９
を内嵌してあるため、潤滑油封止具９が弁軸案内具３か
ら外れるおそれがなく、動弁室８の潤滑油が弁軸案内具
３の案内孔４を経て燃焼室６に流入するのを、封止部１
０によってより確実に抑制でき、潤滑油の燃焼に起因す
る潤滑油の消費と排気ガスの有害化とをより確実に抑制
できる。

【００１８】また、潤滑油封止具９は、弁軸案内具３の
案内孔内周面１２に形成した円形溝１３に内嵌する円環
状のものであるため、比較的小さな形状で済み、原材料
として高価な素材を用いても、その使用量が比較的少な
くて済むうえ、比較的簡単な形に成型すればよく、製作
コストを比較的低くできる。

【００１９】尚、潤滑油封止具９は耐熱性を備えたフッ
素ゴム製で、断面円形の鉄の芯材２３で補強してある。
この潤滑油封止具９は、径方向に圧縮して楕円形に変形
させた状態で、案内孔４の開口部２４から円形溝１３に
斜め向きに差し入れ、弾性復元によって円形溝１３内に
保持させる。

【００２０】この実施形態では、上記弁軸２の中心軸線
１４を含む仮想断面上、すなわち図１（Ａ）・（Ｂ）の
図上で、上記封止部１０が弁軸２に向かう先窄み形状と
なるようにするとともに、この封止部１０の燃焼室側表
面１５と弁軸外周面１１とが燃焼室６側でなす角度１６
に比べ、この封止部１０の動弁室側表面１７と弁軸外周
面１１とが動弁室８側でなす角度１８のほうが大きくな
るようにしてある。

【００２１】このため、封止部１０は、燃焼室６側には
撓みにくく、動弁室８側に撓みやすいため、弁１が燃焼
室６側に摺動する時には、動弁室８で弁軸外周面１１に
付着した潤滑油が封止部１０で掻き落とされ、案内孔４
内に連れ込まれにくく、逆に弁１が動弁室８側に摺動す
る時には、案内孔４に連れ込まれていた潤滑油が、封止
部１０であまり掻き落とされることなしに、弁軸外周面
１１に付着したまま動弁室８側に連れ出され、次に弁１
が燃焼室６側に摺動する時に、封止部１０で掻き落とさ
れる。このため、動弁室８の潤滑油が弁軸案内具３の案
内孔４を経て燃焼室１に流入するのを、封止部１０によ
って一層確実に抑制でき、潤滑油の燃焼に起因する潤滑
油の消費と排気ガスの有害化とを一層確実に抑制でき
る。

【００２２】より具体的には、上記仮想断面上、潤滑油
封止具９は断面４角形で、封止部１０は弁軸２に向けて
先鋭化させ、封止部１０の燃焼室側表面１５と弁軸外周
面１１とが燃焼室６側でなす角度１６を鋭角としてある
のに対し、封止部１０の動弁室側表面１７と弁軸外周面
１１とが動弁室８側でなす角度１８を直角にしてある。

【００２３】この実施形態では、上記弁軸案内具３に潤
滑油を含浸させてある。このため、案内孔内周面１２と
弁軸外周面１１とを弁軸案内具３に含浸させた潤滑油に
よって潤滑するので、封止部１０の封止機能を高めて
も、これらが焼き付くおそれはない。具体的には、弁軸
案内具３を焼結合金で形成し、その多孔質組織内に潤滑
油を含浸させたものを用いる。

【００２４】図２（Ａ）〜（Ｅ）には、上記実施形態の
各種の変更例を示しており、これらは次の点のみが上記
実施形態と異なり、他の点は上記実施形態と同じであ
る。尚、図中、上記実施形態と同一の要素には、同一の
符号を付しておく。

【００２５】図２（Ａ）のものは、上記仮想断面上、潤
滑油封止具９を断面５角形とし、芯材２３の断面を四角
形とし、封止部１０の動弁室側表面１７と弁軸外周面１
１とが動弁室８側でなす角度１８を鈍角にしてある。図
２（Ｂ）のものは、封止部１０の燃焼室側表面１５を燃
焼室側に膨らむ曲面状とし、動弁室側表面１７を動弁室
側に膨らむ曲面状に形成してある。これら表面が弁軸外
周面１１となす角度は、これら表面の接線と弁軸外周面
１１とがなす角度によって表される。

【００２６】図２（Ｃ）のものは、上記仮想断面上、芯
材２３の断面を四角形とし、封止部１０の断面を動弁室
に向かう舌片状にしてある。図２（Ｄ）のものは、上記
仮想断面上、潤滑油封止具９の断面と芯材２３の断面を
いずれも長方形にし、封止部１０は長方形の潤滑油封止
具９の一辺部分をそのまま利用している。図２（Ｅ）の
ものは、上記仮想断面上、潤滑油封止具９の断面を円形
にし、封止部１０はその周面部分の一部をそのまま利用
している。

【００２７】本発明の実施形態及びその変更形態は上記
の通りであるが、本発明は上記これらのものに限定され
るものではない。例えば、上記のものでは、弁案内装置
を頭上弁式エンジンの吸気用の弁を案内するものとして
説明したが、この弁案内装置は、頭上カム式エンジンに
用いてもよいし、排気用の弁を案内するものとしても好
適に用いることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係るエンジンの弁案内装置
を説明する図で、図１（Ａ）は縦断面図、図１（Ｂ）は
図１（Ａ）のＢ矢視部分の拡大図である。

【図２】図２（Ａ）〜（Ｅ）は本発明の実施形態に係る
エンジンの弁案内装置の各種変更例の図１（Ｂ）相当図
である。

【図３】従来技術に係るエンジンの弁案内装置の縦断面
図である。

【符号の説明】

１…弁、２…弁軸、３…弁軸案内具、４…案内孔、５…
弁頭、６…燃焼室、７…弁軸端、８…動弁室、９…潤滑
油封止具、１０…封止部、１１…弁軸外周面、１２…案
内孔内周面、１３…円形溝、１４…中心軸線、１５…燃
焼室側表面、１６…角度、１７…動弁室側表面、１８…
角度。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者梅田裕三大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ堺製造所内 (72)発明者岩本虎雄大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ堺製造所内 (72)発明者萬羽俊一大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ堺製造所内 (72)発明者吉田鉱三大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ堺製造所内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】吸気用または排気用の弁(１)の弁軸(２)
を弁軸案内具(３)の案内孔(４)に挿通し、上記弁(１)の
弁頭(５)を燃焼室(６)に臨ませるとともに、弁軸端(７)
を動弁室(８)に突出させ、上記弁軸案内具(３)に潤滑油
封止具(９)を取り付け、この潤滑油封止具(９)の内周に
弾性を備えた封止部(１０)を設け、この封止部(１０)を
弁軸外周面(１１)に密着させた、エンジンの弁案内装置
において、上記潤滑油封止具(９)を円環状に形成し、上記弁軸案内
具(３)の案内孔内周面(１２)にその周方向に沿って円形
溝(１３)を形成し、この円形溝(１３)に上記潤滑油封止
具(９)を内嵌した、ことを特徴とするエンジンの弁案内
装置。
【請求項２】請求項１に記載したエンジンの弁案内装
置において、上記弁軸(２)の中心軸線(１４)を含む仮想
断面上で、上記封止部(１０)が弁軸(２)に向かう先窄み
形状となるようにするとともに、この封止部(１０)の燃
焼室側表面(１５)と弁軸外周面(１１)とが燃焼室(６)側
でなす角度(１６)に比べ、この封止部(１０)の動弁室側
表面(１７)と弁軸外周面(１１)とが動弁室(８)側でなす
角度(１８)のほうが大きくなるようにした、ことを特徴
とするエンジンの弁案内装置。
【請求項３】請求項１または請求項２のいずれかに記
載したエンジンの弁案内装置において、上記弁軸案内具
(３)に潤滑油を含浸させた、ことを特徴とするエンジン
の弁案内装置。