JP3960139B2 - バルブステムシール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、自動車・一般産業機械のエンジンの吸・排気機構のバルブステムなど、エンジン機構等の往復動軸の軸封部に用いられるバルブステムシールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のバルブステムシールとしては、例えばエンジン機構等の往復動軸の軸封部に用いられるものである。図2は従来のバルブステムシールの一例を示している。
【0003】
図2に示すバルブステムシール101は、往復動軸としてのバルブステムの外周面を摺動自在に接触するゴム状弾性体製で環状のシールリップ102を備えたものである。
【0004】
また、バルブステムシール101は、内径方向に延びる内向きフランジ部103aを有する補強環103を備えており、その補強環103の内向きフランジ部103aにシールリップ102を焼き付け固定して取付けている。
【0005】
そして、このバルブステムシール101は、シールリップ102の反油側Aにバルブステムが往復動自在に挿入される軸孔を有するガイドの外周に補強環103の筒状部103bを金属嵌合することで取付けられる。
【0006】
シールリップ102の外周部には、バルブステムに対して緊迫力を付与するためのスプリング104を設けている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術のバルブステムシール101では、スプリング104を用いてシールリップ102のバルブステムに対する緊迫力を向上させていた。しかし、スプリング104を用いることは製品コストを上昇させてしまうものであった。
【0008】
本発明は上記従来技術を鑑みてなされたもので、その目的とするところは、スプリングを用いずにシールリップのバルブステムに対する緊迫力を向上させるバルブステムシールを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にあっては、
往復動軸に対して摺動自在に接触するシールリップと、
往復同軸に対して接触した際に外径方向に押圧される力を利用して前記シールリップを往復同軸に押し付けるサブリップと、
前記シールリップ及び前記サブリップが取付けられる補強環と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
この構成では、サブリップが往復同軸に対して接触した際に外径方向に押圧される力を利用してシールリップを往復同軸に押し付けるので、スプリングを用いずにシールリップのバルブステムに対する緊迫力を向上させ、シールリップの追随耐久性も維持できる。
【0011】
また、この構成では、スプリングを用いていないので、製品コストを引き下げることができる。
【0012】
前記シールリップ及び前記サブリップは、前記補強環に取付けられた位置から互いに逆方向に延び、
前記サブリップの往復同軸に対して接触する先端は、往復動軸の外径よりも小径であることが好適である。
【0013】
このため、補強環に取付けられた位置近傍を支点とし、サブリップの往復同軸に対して接触する位置を力点とし、シールリップの往復同軸に対して接触する位置を作用点として、シールリップを往復同軸に押し付けることができる。
【0014】
また、サブリップの往復同軸に対して接触する先端が往復動軸の外径よりも小径であることから、サブリップは往復同軸に対して接触した際に外径方向に押圧される力を得ることができる。
【0015】
前記サブリップは、往復同軸に接触する接触面に流体の漏れを許容する凹部を有することが好適である。
【0016】
このため、サブリップに接触しても往復同軸の表面に油膜の保持性を確保することができ、サブリップが摩耗することによるサブリップの外径方向に押圧される力を得る機能の低下を防止して機能耐久性を維持できる。
【0017】
ここで、凹部には、微細な凹凸を形成する梨地加工、スリット、切欠き等が含まれる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0019】
図1は実施の形態に係るバルブステムシールを示す半断面図である。この実施の形態でも従来と同様エンジン機構等の往復動軸の軸封部に用いられる構成となっている。
【0020】
バルブステムシール1は、往復動軸としてのバルブステム(不図示)に対してシールを行い、そのステムが往復動自在に挿入される軸孔を有するハウジングとしてのガイド(不図示)の外周に補強環4による金属嵌合で取付けられている。
【0021】
このバルブステムシール1は、バルブステムの外周面に摺動自在に接触するシールリップ2と、このシールリップ2と一体的に形成されたバルブステムの外周面に接触するサブリップ3と、を備えたものである。
【0022】
シールリップ2及びサブリップ3は、ゴム状弾性体製で一体的に形成されたものである。そして、互いに逆方向に延びるように、補強環4の内向きフランジ部4aから軸方向密封対象流体側(油側O)にシールリップ2を延ばし、内向きフランジ部4aから軸方向反密封対象流体側(反油側A)にサブリップ3を延ばしている。
【0023】
補強環4は、ガイドの外周に取付け可能な長さを有する金属製のバルブステムと同心の筒状部4bを有する筒状部材で、その図中上側先端に内径方向(ステム側)に延びる内向きフランジ部4aを有している。その内向きフランジ部4aにシールリップ2及びサブリップ3を一体的に焼き付け固定してある。
【0024】
ここで、図1(b)に示すように、シールリップ2及びサブリップ3を焼き付け固定した内向きフランジ部4aの内径端4cを、シールリップ2及びサブリップ3の根本の厚みtの真中よりも外径側に位置するように設定している。これにより、内向きフランジ部4aによるシールリップ2及びサブリップ3への拘束を緩和させ、内向きフランジ部4aの内径端4cとシールリップ2及びサブリップ3の根本の内径との間に支点Cを設けている。
【0025】
また、サブリップ3のバルブステムに対して接触する位置を力点とし、シールリップ2のバルブステムに対して接触する位置を作用点として設けている。
【0026】
サブリップ3は、図1(a)に示すように、バルブステムに接触する接触面に流体の漏れを許容する凹部としての梨地加工が施されている。
【0027】
また、サブリップ3は、バルブステムに対して接触する先端をバルブステムの外径よりも小径に形成されている。このため、サブリップ3は、バルブステムに対して接触した際に外径方向に押圧される力F1を得る。
【0028】
以上の本実施の形態では、図1(b)に示すようにサブリップ3がバルブステムに対して接触する力点でサブリップ3が外径方向に押圧される力F1を得て、このサブリップが外径方向に押圧される力F1を支点Cを介して変換し、シールリップ2がバルブステムに対して接触する作用点でシールリップ2をバルブステムに押し付ける力F2を得る。
【0029】
このため、スプリングを用いずにシールリップ2のバルブステムに対する緊迫力を向上させ、シールリップ2の追随耐久性も維持できる。
【0030】
また、スプリングを用いていないので、製品コストを引き下げることができる。
【0031】
さらに、サブリップ3には梨地加工が形成されているので、サブリップ3に接触してもバルブステムの表面に油膜の保持性を確保することができ、サブリップ3が摩耗することによるサブリップ3の外径方向に押圧される力を得る機能の低下を防止して機能耐久性を維持できる。
【0032】
なお、本実施の形態では、サブリップに梨地加工を形成することにより流体の漏れを許容するようにしていたが、それ以外にもスリット、切欠き等の凹部でも同様の機能を発揮できれば良いことは言うまでも無い。
【0033】
また、シールリップ外周にスプリングを備えるバルブステムシールに本発明を適用することもできる。この場合、製品コストを引き下げる効果を得られなくなるが、耐久性能の向上が図れる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、サブリップが往復同軸に対して接触した際に外径方向に押圧される力を利用してシールリップを往復同軸に押し付けるので、スプリングを用いずにシールリップのバルブステムに対する緊迫力を向上させ、シールリップの追随耐久性も維持できる。
【0035】
また、スプリングを用いていないので、製品コストを引き下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るバルブステムシールの半断面図である。
【図2】従来技術のバルブステムシールの半断面図である。
【符号の説明】
1 バルブステムシール
2 シールリップ
3 サブリップ
4 補強環
4a 内向きフランジ部
4b 筒状部
4c 内径端
C 支点

Claims (3)

  1. 往復動軸に対して摺動自在に接触するシールリップと、
    往復同軸に対して接触した際に外径方向に押圧される力を利用して前記シールリップを往復同軸に押し付けるサブリップと、
    前記シールリップ及び前記サブリップが取付けられる補強環と、
    を備えたことを特徴とするバルブステムシール。
  2. 前記シールリップ及び前記サブリップは、前記補強環に取付けられた位置から互いに逆方向に延び、
    前記サブリップの往復同軸に対して接触する先端は、往復動軸の外径よりも小径であることを特徴とする請求項1に記載のバルブステムシール。
  3. 前記サブリップは、往復同軸に接触する接触面に流体の漏れを許容する凹部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のバルブステムシール。
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