JP3808300B2 - 密封装置 - Google Patents

密封装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3808300B2
JP3808300B2 JP2000291029A JP2000291029A JP3808300B2 JP 3808300 B2 JP3808300 B2 JP 3808300B2 JP 2000291029 A JP2000291029 A JP 2000291029A JP 2000291029 A JP2000291029 A JP 2000291029A JP 3808300 B2 JP3808300 B2 JP 3808300B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seal
sleeve
lip
seal member
dust
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2000291029A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002098234A (ja
Inventor
浩 山内
常次良 妹尾
昌明 濱
彰太 長澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nok Corp
Kubota Corp
Original Assignee
Nok Corp
Kubota Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nok Corp, Kubota Corp filed Critical Nok Corp
Priority to JP2000291029A priority Critical patent/JP3808300B2/ja
Publication of JP2002098234A publication Critical patent/JP2002098234A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3808300B2 publication Critical patent/JP3808300B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば泥水等大気側のダスト条件が厳しい農作業機等のキングピン部等の軸封部に適用される密封装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の泥水等大気側ダスト条件が過酷な所で用いられる密封装置としては、例えば図3,4に示すようなものがある。
【0003】
図3の密封装置101は、互いに同心的に相対回転自在に組み付けられるハウジング300と、軸400間をシールするもので、軸400に取付けられる大気側Aに径方向外向きに折り返されたスリーブとしてのスリーブ内環103を有する第1シール部材であるスリーブ部102と、ハウジング300に取付けられる第2シール部であるオイルシール部104と、を一体化したものである。
【0004】
スリーブ部102はスリーブ内環103を備えており、スリーブ内環103の大気側Aは折り返されて密封対象側Sに延びるようになっている。
【0005】
スリーブ内環103の軸400に取付けられる部分を円筒部103A、円筒部103Aの大気側A端で折り返されて外径方向に延びる部分を曲折部103B、曲折部103Bから折り返されて密封対象側Sへ延びる部分を外周曲げ部103Cとする。
【0006】
スリーブ内環103の円筒部103A内周面には、ゴム状弾性体が固定され、軸400との嵌合部となっている。
【0007】
オイルシール部104は、オイルシール内環105とシールリップ部106を備えている。
【0008】
オイルシール内環105は、スリーブ内環103の外周曲げ部103Cを挟み込むように概略断面U字状に折り曲げられた円筒状部材である。
【0009】
オイルシール内環105のハウジング300に取付けられる部分を円筒部105A、円筒部105Aの密封対象側S端で折り返されて内径側に延びる部分を曲折部105B、曲折部105Bから折り返されて大気側Aへ延びる部分を内周曲げ部105Cとする。
【0010】
そして、オイルシール内環105の内周曲げ部105Cの内端に、スリーブ内環103の折り曲げられた空間でスリーブ内環103の円筒部103A外周面及び外周曲げ部103C内周面に摺接するシールリップ部106が設けられている。
【0011】
このシールリップ部106は、オイルシール内環105の内周曲げ部105Cの内端から密封対象側Sに延びて円筒部103A外周面に摺接する断面楔状のメインリップ106Aと、大気側Aに延びて円筒部103A外周面に摺接する軸方向2段の断面楔状のゴムリップ106Bと、大気側Aに延びて外周曲げ部103C内周面に摺接する複数段の突起を有する平面シール106Cと、から成っている。
【0012】
メインリップ106Aの外周には、スリーブ内環103の円筒部103Aの外周面に緊迫力を付与するためのガータスプリング107が設けられている。
【0013】
上記構成の密封装置101にあっては、スリーブ内環103の外周曲げ部103C内周面に当接する平面シール106Cにより、大気側Aからの泥水等のダストが内部に侵入することを防止し、さらに2段のゴムリップ106Bによってダストが密封対象側S内部に漏れることを防止している。
【0014】
また、図4の密封装置201は、互いに同心的に相対回転自在に組み付けられるハウジング300と軸400間をシールするもので、軸400に取付けられる大気側Aに径方向外向きの折り返されたフランジ部203を有するスリーブ部202と、ハウジング300に取付けられるオイルシール部204と、をフランジ部203と軸方向所定間隔を有して設けられる保護板205を介して組立て一体化されたものである。
【0015】
スリーブ部202はスリーブ内環206を備えており、スリーブ内環103は大気側Aが径方向外向きに折り返され、大気側Aの径方向外向きのフランジ部203が構成されている。
【0016】
オイルシール部204は、オイルシール内環207とシールリップ部208を備えている。
【0017】
オイルシール内環207は、大気側Aに保護板205をかしめるカシメ部207aを有し、密封対象側Sで径方向内側に断面略V字状の屈曲部207bを有する環状部材である。
【0018】
そして、オイルシール内環207の屈曲部207bの内周側に、スリーブ内環206の外周面に摺接するシールリップ部208が設けられている。また、屈曲部207bの断面略V字状の端部には位置決め摺動部207cが設けられている。
【0019】
このシールリップ部208は、密封対象側Sに延びる第1リップ208Aと、大気側Aに延びる二つの第2リップ208Bとから成っている。また、第1リップ208Aの外周には、スリーブ内環206に対して緊迫力を付与するためのガータスプリング209が設けられている。
【0020】
保護板205は、内円筒部205a,外円筒部205b,径方向部205cを有する密封対象側Sに開いた断面略コ字状の環状部材で、外円筒部205bがオイルシール内環207の内周面に嵌合され、径方向部205cの端部とともに、カシメ部207aにてかしめられる。
【0021】
一方、スリーブ内環206の内周面及びフランジ部203の大気側A端面には、ゴム状弾性体210が固定されている。フランジ部203の大気側Aのゴム状弾性体210には、保護板205とフランジ部203との間に設けられる第3,第4リップ211,212が設けられている。
【0022】
この第3リップ211は、保護板205の径方向部205c側に延び、径方向内方に傾き、径方向部205cの密封対象側Sの端面に摺接するように形成され、第4リップ212は、大気側Aに向かって保護板205の外円筒部205bに延び、外円筒部205bの内周面に摺接するように形成されている。
【0023】
また、フランジ部203の根本部分近傍のゴム状弾性体210には、ダストリップ213が連続して設けられている。このダストリップ213は、大気側Aに延び、径方向外方に傾き、保護板205の内円筒部205aの内周面に摺接するように形成されている。
【0024】
上記構成の密封装置201にあっては、スリーブ部202に設けられたダストリップ213により、大気側Aからの泥水等が内部に侵入するのを防止し、さらに保護板205とフランジ部203間の第3,第4リップ211,212によって泥水等が密封対象側S内部に漏れるのを防止している。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来技術の場合には、以下のような問題があった。
【0026】
図3の密封装置101では、スラストガタの繰り返しによってスリーブ内環103の外周曲げ部が軸方向に移動し、スリーブ部102とオイルシール部104の間の隙間a部に侵入して堆積・固着した泥等のダストが繰り返し圧迫される。この圧迫されたダストは平面シール106Cの摺接部分に入り込んでくるため、平面シール106Cの摩耗が早まり、寿命が極端に早まってしまっていた。
【0027】
そして、平面シール106Cは、圧迫されたダストが侵入する方向(大気側A方向)に対して持ち上がって開く方向の向きに延びる(大気側A方向に斜めに延びる)構成のため、特に図3に示すように、ダストの堆積・固着が起こり易い大気側Aが上向きとなる縦型で使用されるキングピン部等に対し、寿命が低下し易いという問題があった。
【0028】
また、図4の密封装置201では、ダストリップ213への泥の堆積・固着が激しく、ダストリップ213の摩耗及び泥の固着(プラスチック状)とゴム状弾性体であり剛性が小さいという性状により、ダストリップ213の追随性が低下し、シール性を低下させていた。
【0029】
ダストリップ213は、ダストが侵入する方向(大気側A方向)に対して持ち上がって開く方向の向きに延びる(大気側A方向に斜めに延びる)構成のため、特に図4に示すように、ダストの堆積・固着が起こり易い大気側Aが上向きとなる縦型で使用されるキングピン部等に対し、寿命が低下し易いという問題があった。
【0030】
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、ダストの侵入を低減させつつ、装置の長寿命化を図る耐久性に優れた密封装置を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にあっては、軸孔を有するハウジングと前記軸孔に挿入される回転軸との間の環状隙間をシールするもので、
前記回転軸に取付けられた第1シール部材と、
前記ハウジングに取付けられた第2シール部材と、
を備えた密封装置において、
前記第1シール部材と前記回転軸との間に、大気側から圧入される圧入代と、
内径側から外径側へ向かう程、大気側から密封対象側へ傾く傘形状を有し、前記第1シール部材と前記第2シール部材間の大気側の隙間を覆うように設けられた傘形状部と、
前記隙間よりも外径側で前記ハウジングまたは前記第2シール部材の大気側端面に接触する接触部と、
を有するカバーを備えたことを特徴とする。
【0032】
したがって、第1シール部材と第2シール部材間の大気側の隙間に侵入する泥水等のダストが減少し、装置の摺接部分がダストによって摩耗する度合いを減少させることができ、耐久性の向上を図ることができる。
【0033】
また、大気側が上向きとなる縦型で使用されるキングピン部等に対し、密封装置は上記の構成を備えているので、従来のようにダストの堆積・固着は起こり難く長寿命化が可能となる。
【0035】
また、内径側から外径側へ向かう程、大気側から密封対象側へ傾く傘形状を有する傘形状部を備えているので回転軸の回転と共にカバーが回転することによって生じる遠心力により、泥水等のダストを外径方向へ飛び散らせることができ、ダストの固着等を防止することができる。
【0036】
前記カバーは、金属或いは樹脂で形成されたことが好ましい。
【0037】
これにより、耐摩耗性及び泥水の固着にも負けない剛性を有しており、ゴム状弾性体製のものよりも大気側Aに泥が固着して性能が著しく低下していくことが防止でき、耐久性を向上することができる。
【0038】
前記第1シール部材は、大気側をハウジング側に折り返されたスリーブを有し、前記第2シール部材は、前記第1シール部材の前記スリーブがハウジング側に折り返された曲げ部のハウジング側周面に面接触する平面シールを備えたことが好ましい。
【0039】
これにより、平面シールが曲げ部に面接触して密封対象側にダストが侵入することを抑制し、密封対象側のシールの耐久性を向上させることができる。
【0040】
前記第2シール部材は、前記スリーブが折り返された空間に組み込まれて前記スリーブに摺接するシールリップ部を有し、
該シールリップ部は、前記第1シール部材の前記スリーブが大気側で折り返されて径方向に延びる曲折部の密封対象側面に端面接触する端面リップを備えたことが好ましい。
【0041】
これにより、スラストガタによるダストの圧迫に対しても、端面リップ摺接部の圧着がシール性を向上させているので、ダストの侵入を防止し、一般的なラジアルシールに比して数倍の耐久性向上を図ることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0043】
(第1の実施の形態)
図1は、実施の形態に係る密封装置を示す図である。図1において、密封装置1は、従来技術と同様に泥水等大気側Aのダスト条件が過酷な所で用いられるもので、互いに同心的に相対回転自在に組み付けられる2部材としてのハウジング30と、ハウジング30内に挿入される軸40間をシールするものである。
【0044】
密封装置1は、概略、軸40に取付けられる大気側Aに径方向外向きに折り返されたスリーブとしてのスリーブ内環3を有する第1シール部材であるスリーブ部2と、ハウジング30に取付けられる第2シール部であるオイルシール部4と、を一体化したものである。
【0045】
スリーブ部2はスリーブ内環3とカバー8を備えており、スリーブ内環3の大気側Aは折り返されて密封対象側Sに延びるようになっている。
【0046】
スリーブ内環3の軸40に取付けられる部分を円筒部3A、円筒部3Aの大気側A端で折り返されて外径方向へ延びる部分を曲折部3B、曲折部3Bから折り返されて円筒部3Aと平行に密封対象側Sへ延びる部分を曲げ部としての外周曲げ部3Cとする。
【0047】
そして、円筒部3Aの内周面及び曲折部3Bの大気側A端面に連続して、それらの面の形状にほぼ沿ったゴム状弾性体が焼付固定されている。円筒部3A内周面のゴム状弾性体は軸40外周面との嵌合部となっている。
【0048】
スリーブ部2と軸40の嵌合部には大気側Aから圧入代8Aが圧入され、カバー8が装置の大気側Aに固定されている。カバー8は、厚みのない薄板状で、高い剛性を有したものであり、金属や樹脂等の材質で形成されている。
【0049】
カバー8は、スリーブ内環3の円筒部3A及び曲折部3Bに沿って延び、そのままさらにハウジング30に摺接する。
【0050】
このカバー8は、ハウジング30側が軸40側よりも密封対象側Sへ傾いた形状となっている。これにより、大気側Aの泥水等のダストが軸40とカバー8間に堆積せず、ハウジング30側へ飛び散り、ダストの固着等を防止している。
【0051】
オイルシール部4は、オイルシール内環5とシールリップ部6を備えている。
【0052】
オイルシール内環5は、スリーブ内環3の外周曲げ部3Cを挟み込むように概略断面U字状に折り曲げられた円筒状部材である。
【0053】
オイルシール内環5のハウジング30に取付けられる部分を円筒部5A、円筒部5Aの密封対象側S端で折り返されて内径側へ延びる部分を曲折部5B、曲折部5Bから折り返されて大気側Aへ延びる部分を内周曲げ部5Cとする。
【0054】
このオイルシール内環5のまわりにゴム状弾性体が一体的に焼付固定されている。円筒部5Aの外周面のゴム状弾性体はハウジング30の内周面との嵌合部となっている。
【0055】
また、オイルシール内環5の円筒部5A内周面には、このゴム状弾性体で形成された複数段の突起を有する平面シール9がスリーブ内環3の外周曲げ部3C外周面に摺接するようになっている。
【0056】
この平面シール9は、カバー8で防ぎきれずに侵入したダストがさらに内部に侵入することを防止している。特に平面シール9は、複数段の突起を有しているので、スラストズレや振動等に対してもシール力を失うことがなく、ダストの侵入を防止に効果を発揮する。
【0057】
平面シール9の大気側Aのゴム状弾性体は大気側Aに延び、カバー8の密封対象側Sに当接するようになっている。
【0058】
そして、オイルシール内環5の内周曲げ部5Cの内端に、スリーブ内環3の折り曲げられた空間で、スリーブ内環3の円筒部3A外周面及び曲折部3B密封対象側S面に摺接するシールリップ部6が設けられている。
【0059】
このシールリップ部6は、オイルシール内環5の内周曲げ部5Cの内端から密封対象側Sに延びて円筒部3A外周面に摺接する断面楔状のメインリップ6Aと、大気側Aに延びて円筒部3A外周面に摺接する軸方向2段の断面楔状のゴムリップ6Bと、ゴムリップ6Bと同様に大気側Aに延びて曲折部3B密封対象側S面に摺接する端面リップ6Cと、からなっている。
【0060】
メインリップ6Aは、最も密封対象側Sに設けられ、密封対象物を密封する。
【0061】
メインリップ6Aの外周には、スリーブ内環3の円筒部3Aの外周面に緊迫力を付与するためのガータスプリング7が設けられている。
【0062】
ゴムリップ6Bは、最終的にダストの侵入を防止するもので、メインリップ6Aの大気側Aに設けられている。
【0063】
端面リップ6Cは、ゴムリップ6Bの大気側Aに設けられ、断面く字形状に曲折した形状で、一旦内径側に傾いた後外径側へ延びている。このため、泥水等のダストの侵入に対し強いシール力を有している。
【0064】
そして、端面リップ6Cは、平面シール9で防ぎきれずに侵入したダストの侵入を防止することができる。
【0065】
また、端面リップ6Cの形状は、軸方向に変形してもシール力があまり影響しないので、スラストガタにも良好に対応することができる。
【0066】
そして、スリーブ内環3の外周曲げ部3Cをオイルシール部4のオイルシール内環5で挟み込むように配置され、スリーブ部2とオイルシール部4が一体的に組み付けられて密封装置1が組み立てられている。
【0067】
この密封装置1の取付けは、オイルシール部4がハウジング30に、スリーブ部2が軸40に取付けられた後、カバー8の圧入代8Aが軸40とスリーブ部2の間に大気側Aから圧入されてカバー8が組み付けられる。
【0068】
上記構成の密封装置1にあっては、装置の大気側Aにカバー8を設けているので、従来に比してスリーブ部2とオイルシール部4の間に侵入する泥水等のダストが減少し、装置の摺接部分がダストによって摩耗する度合いを減少させることができ、耐久性の向上を図ることができる。
【0069】
また、カバー18は、軸40側からハウジング30側へ向かう程、大気側Aから密封対象側Sへ傾く傘形状により、回転時に泥水等のダストを外径方向へ飛び散らせることができ、ダストの固着等を防止することができる。
【0070】
このカバー8を金属や樹脂等の剛性の高い材質で形成したので、耐摩耗性及び泥水の固着にも負けない剛性を有しており、ゴム状弾性体製のものよりも大気側Aに泥が固着して性能が著しく低下していくことが防止でき、耐久性を向上することができる。
【0071】
オイルシール内環5の円筒部5A内周面に、スリーブ内環3の外周曲げ部3Cに摺接する平面シール9を設けたので、平面シール9が外周曲げ部3Cに面接触して密封対象側S内部にダストが侵入することを抑制し、他のゴムリップ6B、端面リップ6C等の耐久性を向上させることができる。
【0072】
また、平面シール9は、カバー8で防止できなかったダストの侵入を防止すればよく、効率的なダスト侵入防止が可能となる。
【0073】
シールリップ部6に端面リップ6Cを設けたので、スラストガタによるダストの圧迫に対しても、端面リップ6C摺接部の圧着がシール性を向上させているので、ダストの侵入を防止し、一般的なラジアルシールに比して数倍の耐久性向上を図ることができる。
【0074】
この端面リップ6Cは、カバー8及び平面シール9で防止できなかったダストの侵入を防止すればよく、効率的なダスト侵入防止が可能となる。
【0075】
図1に示すように、大気側Aが上向きとなる縦型で使用されるキングピン部等に対し、密封装置1は上記の構成を備えているので、従来のようにダストの堆積・固着は起こり難く長寿命化が可能となる。
【0076】
(第2の実施の形態)
図2は、第2の実施の形態に係る密封装置を示す図である。図2において、密封装置11は、従来技術と同様に泥水等大気側Aのダスト条件が過酷な所で用いられるもので、互いに同心的に相対回転自在に組み付けられる2部材としてのハウジング30と、ハウジング30内に挿入される軸40間をシールするものである。
【0077】
密封装置11は、概略、軸40に取付けられる大気側Aにフランジ部13を有する第1シール部材であるスリーブ部12と、ハウジング30に取付けられる第2シール部であるオイルシール部14と、フランジ部13と軸方向所定間隔を有して設けられオイルシール部14に嵌合される保護板15と、保護板15の大気側Aに設けられるカバー18とを備えており、スリーブ部12とオイルシール部14とを保護板15を介して組立て、カバー18をスリーブ部12に嵌合させ一体化したものである。
【0078】
オイルシール部14は、オイルシール内環16とシールリップ部17とを備えている。
【0079】
オイルシール内環16は、円筒部16cの大気側Aに保護板15をかしめ固定するカシメ部16aを有し、円筒部16cの第2の領域としての密封対象側Sで径方向内周側に断面略U字状の屈曲部16bを有する環状部材である。
【0080】
このオイルシール内環16の断面略U字状の屈曲部16bの内・外周面にゴム状弾性体19が一体的に焼付固定されている。また、断面略U字状の屈曲部16bの外周面のゴム状弾性体19と、オイルシール内環16の円筒部16cの外周面側はハウジング30との嵌合部となっている。
【0081】
そして、オイルシール内環16の断面略U字状の屈曲部16bの内周側に、スリーブ内環20の円筒部20aの外周面に摺接するシールリップ部17が設けられ、断面略U字状の屈曲部16bの端部には、スリーブ部12とオイルシール部14の組付けの際の位置決めをする位置決め摺動部21がフランジ部13の密封対象側Sに摺接するように設けられている。
【0082】
シールリップ部17は、屈曲部16bの内周側から密封対象側Sに延びる第1リップ17Aと、大気側Aに延びる第2リップ17Bとを備えている。また、第1リップ17Aの外周には、スリーブ内環20の円筒部20aの外周面に対して緊迫力を付与するためのガータスプリング22が設けられている。
【0083】
保護板15は、内円筒部15a,外円筒部15b,径方向部15cを有する密封対象側Sに開いた断面略コ字状の環状部材で、外円筒部15bがオイルシール内環16の円筒部16c内周面に嵌合され、径方向部15cの端部とともに、カシメ部16aにてかしめられるものである。
【0084】
スリーブ部12は、スリーブ内環20とゴム状弾性体23を備えている。このスリーブ内環20は、円筒部20aと、円筒部20aの大気側Aに径方向外向きのフランジ部13を有している。そして、スリーブ内環20の円筒部20a内周面及びフランジ部13の大気側A端面に連続して、それらの面の形状にほぼ沿った形状のゴム状弾性体23が焼付固定されている。
【0085】
ゴム状弾性体23には、保護板15とフランジ部13との間に設けられる第3リップ25,第4リップ26が設けられている。
【0086】
第3リップ25は、保護板15側に延び、径方向内方に傾き、保護板15の密封対象側Sの端面に摺接するように形成され、この第3リップ25に所定の当接圧が与えられるように位置決め摺動部21はフランジ部13に摺接している。
【0087】
第4リップ26は、大気側Aに向かって保護板15の外円筒部15bに延び、外円筒部15bの内周面に摺接するように形成されている。
【0088】
また、フランジ部13の根本部分近傍のゴム状弾性体23には、ダストリップ24が連続して設けられている。このダストリップ24は、大気側Aに延び、径方向外方に傾き、保護板15の内円筒部15aの内周面に摺接するように形成されている。
【0089】
また、スリーブ内環20の円筒部20a内周面のゴム状弾性体23は軸40の外周面との嵌合部となっている。
【0090】
カバー18は、厚みのない薄板状で、高い剛性を有したものであり、金属や樹脂(例えばPTFE等)等の材質で形成されている。カバー18の外周側が保護板15の径方向部15cの大気側A(または、オイルシール内環16のカシメ部16aの先端部)に摺動自在に密封接触するように、カバー18の内周側がスリーブ部12に嵌合される。このカバー18は傘形状で、軸40側からハウジング30側へ向かって密封対象側Sへ傾いた形状となっている。
【0091】
そして、スリーブ部12とオイルシール部14とが保護板15を介して一体的に組み付けられるものである。
【0092】
すなわち、位置決めを行う位置決め摺動部21が第3リップ25に所定の当接圧を与えるようにフランジ部13の密封対象側Sの端面に摺動自在に接触し、スリーブ内環20の円筒部20aの外周面にシールリップ部17の第1リップ17A,第2リップ17Bの先端が摺動自在に密封接触するように互いに軸方向(スラスト方向)に組み込まれる。
【0093】
そして、保護板15の外円筒部15bがオイルシール内環16の円筒部16c内周面に嵌合されて、その外周部をカシメ部16aにてかしめられた後、カバー18の外周側が保護板15の径方向部15cの大気側Aに摺動自在に密封接触するように、カバー18の内周側をスリーブ部12に嵌合させ一体化したことにより密封装置11が組み立てられる。
【0094】
上記のように構成された密封装置11は、大気側Aに設けられたカバー18により、大気側Aの泥水等のダストが内部に侵入するのを低減することができ、さらに、ダストリップ24と第3リップ25,第4リップ26によって、泥水等が密封対象側S内部に漏れるのを防止している。
【0095】
また、カバー18は、軸40側からハウジング30側へ向かう程、大気側Aから密封対象側Sへ傾く傘形状により、回転時に泥水等のダストを外径方向へ飛び散らせることができ、ダストの固着等を防止することができる。
【0096】
また、スリーブ部12とオイルシール部14の間に泥水等のダストが侵入することを低減可能とすることにより、装置の摺接部分がダストによって摩耗する度合いを減少させることができ、耐久性の向上を図ることができる。
【0097】
また、このカバー18を金属や樹脂等の剛性の高い材質で形成したので、耐摩耗性及び泥水の固着にも負けない大きい剛性により、従来のようにダストリップ24に泥が堆積・固着して性能が著しく低下していくという現象を防止できる効果がゴム状弾性体製のものよりも飛躍的に向上し、ダストリップ24の追随性及び耐久性を向上させることができる。
【0098】
特に、大気側Aが上向きとなる縦型で使用されるキングピン部等に対し、密封装置1は上記の構成を備えているので、従来のようにダストの堆積・固着は起こり難く長寿命化が可能となる。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、第1シール部材と第2シール部材間の大気側の隙間を塞ぐカバーを大気側に備えたことで、第1シール部材と第2シール部材間の大気側の隙間に侵入する泥水等のダストが減少し、装置の摺接部分がダストによって摩耗する度合いを減少させることができ、耐久性の向上を図ることができる。
【0100】
カバーは、内径側から外径側へ向かう程、大気側から密封対象側へ傾く傘形状であることで、回転時に泥水等のダストを外径方向へ飛び散らせることができ、ダストの固着等を防止することができる。
【0101】
カバーは、金属或いは樹脂で形成されたことで、耐摩耗性及び泥水の固着にも負けない剛性を有しており、ゴム状弾性体製のものよりも大気側Aに泥が固着して性能が著しく低下していくことが防止でき、耐久性を向上することができる。
【0102】
第2シール部は、第1シール部材のスリーブが他方の部材側に折り返された曲げ部の他方の部材側周面に面接触する平面シールを備えたことで、平面シールが曲げ部に面接触して密封対象側にダストが侵入することを抑制し、密封対象側のシールの耐久性を向上させることができる。
【0103】
シールリップ部は、第1シール部材のスリーブが大気側で折り返されて径方向に延びる曲折部の密封対象側面に端面接触する端面リップを備えたことで、スラストガタによるダストの圧迫に対しても、端面リップ摺接部の圧着がシール性を向上させているので、ダストの侵入を防止し、一般的なラジアルシールに比して数倍の耐久性向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る密封装置を示す半断面図である。
【図2】第2の実施の形態に係る密封装置を示す半断面図である。
【図3】従来技術の密封装置を示す半断面図である。
【図4】従来技術の密封装置を示す半断面図である。
【符号の説明】
1 密封装置
2 スリーブ部
3 スリーブ内環
3A 円筒部
3B 曲折部
3C 外周曲げ部
4 オイルシール部
5 オイルシール内環
5A 円筒部
5B 曲折部
5C 内周曲げ部
6 シールリップ部
6A メインリップ
6B ゴムリップ
6C 端面リップ
7 ガータスプリング
8 カバー
8A 圧入代
9 平面シール
11 密封装置
12 スリーブ部
13 フランジ部
14 オイルシール部
15 保護板
15a 内円筒部
15b 外円筒部
15c 径方向部
16 オイルシール内環
16a カシメ部
16b 屈曲部
16c 円筒部
17 シールリップ部
17A 第1リップ
17B 第2リップ
18 カバー
19 ゴム状弾性体
20 スリーブ内環
20a 円筒部
21 摺動部
22 ガータスプリング
23 ゴム状弾性体
24 ダストリップ
25 第3リップ
26 第4リップ

Claims (4)

  1. 軸孔を有するハウジングと前記軸孔に挿入される回転軸との間の環状隙間をシールするもので、
    前記回転軸に取付けられた第1シール部材と、
    前記ハウジングに取付けられた第2シール部材と、
    を備えた密封装置において、
    前記第1シール部材と前記回転軸との間に、大気側から圧入される圧入代と、
    内径側から外径側へ向かう程、大気側から密封対象側へ傾く傘形状を有し、前記第1シール部材と前記第2シール部材間の大気側の隙間を覆うように設けられた傘形状部と、
    前記隙間よりも外径側で前記ハウジングまたは前記第2シール部材の大気側端面に接触する接触部と、
    を有するカバーを備えたことを特徴とする密封装置。
  2. 前記カバーは、金属或いは樹脂で形成されたことを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
  3. 前記第1シール部材は、大気側をハウジング側に折り返されたスリーブを有し、
    前記第2シール部材は、前記第1シール部材の前記スリーブがハウジング側に折り返された曲げ部のハウジング側周面に面接触する平面シールを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の密封装置。
  4. 前記第2シール部材は、前記スリーブが折り返された空間に組み込まれて前記スリーブに摺接するシールリップ部を有し、
    該シールリップ部は、前記第1シール部材の前記スリーブが大気側で折り返されて径方向に延びる曲折部の密封対象側面に端面接触する端面リップを備えたことを特徴とする請求項3に記載の密封装置。
JP2000291029A 2000-09-25 2000-09-25 密封装置 Expired - Lifetime JP3808300B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000291029A JP3808300B2 (ja) 2000-09-25 2000-09-25 密封装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000291029A JP3808300B2 (ja) 2000-09-25 2000-09-25 密封装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002098234A JP2002098234A (ja) 2002-04-05
JP3808300B2 true JP3808300B2 (ja) 2006-08-09

Family

ID=18774172

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000291029A Expired - Lifetime JP3808300B2 (ja) 2000-09-25 2000-09-25 密封装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3808300B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8979219B2 (en) 2010-04-07 2015-03-17 Komatsu Ltd. Roller unit

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4501472B2 (ja) * 2004-03-12 2010-07-14 Nok株式会社 密封装置
JP2005257015A (ja) * 2004-03-15 2005-09-22 Nok Corp 密封装置
JP2007100882A (ja) * 2005-10-06 2007-04-19 Jtekt Corp センサ付きシール装置およびそれを用いた転がり軸受装置
JP2010091078A (ja) * 2008-10-10 2010-04-22 Nok Corp 密封装置
JP5311044B2 (ja) * 2009-08-21 2013-10-09 Nok株式会社 密封装置
JP6868386B2 (ja) * 2016-12-21 2021-05-12 Nok株式会社 密封装置
WO2023106100A1 (ja) * 2021-12-06 2023-06-15 Nok株式会社 密封装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8979219B2 (en) 2010-04-07 2015-03-17 Komatsu Ltd. Roller unit

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002098234A (ja) 2002-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2085667B1 (en) Sealing device and rolling bearing device
CN109416079B (zh) 密封装置
JPH0252140B2 (ja)
US5865442A (en) Lip-like seal
JP3808300B2 (ja) 密封装置
US6789805B2 (en) Sealing assembly for relatively rotating mechanical members
JP7065037B2 (ja) 密封装置
US5839834A (en) Bearing and bearing seal
JP2605197Y2 (ja) 密封装置
JP3407436B2 (ja) 密封装置
JPH0645099Y2 (ja) 密封装置
JP2003314698A (ja) 密封装置
JPH0137255Y2 (ja)
JP4649811B2 (ja) 密封装置
JPH0446137Y2 (ja)
JP3859258B2 (ja) 密封装置
JP2000193097A (ja) 密封装置
CN111527334A (zh) 密封装置
JPH0614139Y2 (ja) 密封装置
JP2597961Y2 (ja) 密封装置
JP2002115762A (ja) 密封装置
JPH0449413Y2 (ja)
JP3905243B2 (ja) ダブルカルダンジョイント
WO2024048552A1 (ja) 密封構造
JPH0419237Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050316

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050817

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051017

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060418

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060517

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3808300

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100526

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100526

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110526

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110526

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120526

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130526

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130526

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140526

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250