JPH09125247A - スパッタリング装置 - Google Patents

スパッタリング装置

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JPH09125247A
JPH09125247A JP28418995A JP28418995A JPH09125247A JP H09125247 A JPH09125247 A JP H09125247A JP 28418995 A JP28418995 A JP 28418995A JP 28418995 A JP28418995 A JP 28418995A JP H09125247 A JPH09125247 A JP H09125247A
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JP
Japan
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electromagnets
target
film
magnetic
electromagnet
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Application number
JP28418995A
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English (en)
Inventor
Takashi Chiba
隆嗣 千葉
Yukihiro Kojika
行広 小鹿
Kenichi Sato
研一 佐藤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非磁性支持体の幅方向の両端部における膜厚
分布の均一化させる。 【解決手段】 複数の電磁石22a,22b,22c,
22d,22eが非磁性支持体2の幅方向Hのみならず
長手方向Tに配列されてなるとともに、これら複数の電
磁石22a,22b,22c,22d,22eの各々が
独立して電流制御されてなる。そして、複数の電磁石2
2a,22b,22c,22d,22eのうち隣り合う
電磁石(例えば、22aと22b,22bと22c)に
逆向きの電流を供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性層となる磁性
薄膜を真空蒸着により非磁性支持体上に形成してなる磁
気記録媒体の保護膜形成に好適なスパッタリング装置の
技術分野に属し、特に、薄膜の厚みを均一に形成するス
パッタリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気記録媒体としては、酸化
物磁性粉末あるいは合金磁性粉末等の粉末磁性材料を塩
化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリエステル樹脂、
ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂等の有機結合剤中に分
散せしめた磁性塗料を非磁性支持体上に塗布、乾燥する
ことにより作成される塗布型の磁気記録媒体が広く使用
されている。
【0003】これに対して、ビデオテープレコーダー
(VTR)等の分野においては、高画質化を図るため
に、高密度磁気記録化が一層強く要求されており、これ
に対応する磁気記録媒体として、Co−Ni系合金、C
o−Cr系合金、Co−O系等の金属磁性材料を、メッ
キや真空薄膜形成技術(真空蒸着法やスパッタリング
法、イオンプレーティング法等)によってポリエステル
フィルムやポリアミド、ポリイミドフィルム等の非磁性
支持体上に磁性層として直接被着した、いわゆる強磁性
金属薄膜塗布型の磁気記録媒体が提案され注目を集めて
いる。
【0004】そして、この強磁性金属薄膜塗布型の磁気
記録媒体においては、電磁変換特性を向上させ、より大
きな出力を得ることが出来るようにするために、該磁気
記録媒体の磁性層を形成する場合、磁性層を斜めに蒸着
する斜め蒸着が提案され実用化されている。したがっ
て、このような金属薄膜媒体は、磁気特性的な優位さ故
に今後の高密度磁気記録媒体の主流となると考えられ
る。
【0005】ところで、これら強磁性金属薄膜塗布型の
磁気記録媒体は、耐久性、耐錆性に問題があると言われ
ており、従来、コーティングによる潤滑剤、防錆剤など
の有機材料の検討や、微粒子を磁性層形成前に非磁性支
持体上に予め塗布する、いわゆる下塗り技術の検討がな
されている。
【0006】しかしながら、これらの技術では、特殊な
環境化における使用や、業務用のような過酷な使用に充
分に対応することができず、新たな手法として、真空蒸
着、スパッタリング、プラズマCVD等の真空薄膜形成
手段による表面保護膜の検討が行われている。
【0007】このような状況の中、スパッタリング法に
よる保護膜形成技術により、耐久性、耐錆性に優れた磁
気記録媒体の製造装置が開発されているが、このスパッ
タリング法による保護膜の形成は、その成膜速度が遅い
ため生産性に劣るという不都合が生じる。
【0008】このような不都合を回避して、成膜速度を
向上させるために、ターゲットの下部に電磁石を配置
し、これによってターゲット表面に形成されている漏洩
磁界を利用するマグネトロン型スパッタリング装置が用
いられている。
【0009】このマグネトロン型スパッタリング装置
は、図11に示すように、非磁性支持体であるベースフ
ィルム102を外周表面に走行させながら支持する円筒
状の冷却キャン101と、この冷却キャン101の下方
位置にカソードターゲット105とが設けられている。
【0010】そして、カソードターゲット105は、電
源に接続されカソード電極としての機能を有するバッキ
ングプレート106と、バッキングプレート106上に
接着される角形ターゲット107と、バッキングプレー
ト106下に角形ターゲット107と対向するように平
行状態に配置される電磁石108とから構成されてい
る。
【0011】電磁石108は、図11及び図12に示す
ように、断面がE状を呈して、センターポールと、この
センターポールの周囲を取り囲む矩形環状のマグネット
リングとから構成されており、これらセンターポールと
マグネットリングは、互いに異なる極性(例えば、セン
ターポールがN極、マグネットリングがS極)とされて
いる。
【0012】そして、電磁石108は、図11に示すよ
うに、その両端部108A,108Bが該電磁石108
が収納されるカソードケースに形成されるマスク110
に被覆されている。なお、電磁石108と角形ターゲッ
ト107とは、約800mm×200mmの大きさで各
々1つ配されている。
【0013】したがって、このスパッタリング装置を使
用して、ベースフィルム102に対してスパッタリング
を行う場合には、電離(プラズマ)されたアルゴンイオ
ンを加速することにより、その運動エネルギーにより角
形ターゲット107の原子をはじき出して、そのはじき
出された原子がベースフィルム102に堆積し、目的と
する薄膜を形成することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来装
置は、非磁性支持体であるベースフィルム102が冷却
キャン101により図中時計方向に走行されるが(図1
1参照)、このとき角形ターゲット107と対向するよ
うに平行状態に配置される電磁石108の形状に対応し
て、図15に示すように、角形ターゲット107表面が
部分的に侵食される、いわゆるエロージョンの問題が生
じる。エロージョンは、角形ターゲット107により発
生する磁界の大きさが一様でないため、この表面磁界に
よって生じるプラズマ密度にむらが生じ、このプラズマ
密度の高い部分のみが集中的にスパッタリング(消費)
される現象である。
【0015】このように、スパッタリングが均一でない
場合には、スパッタリングされにくい部分が使用するこ
とができなくなり、角形ターゲット107の使用効率が
低下する。また、エロージョンの進行は、スパッタリン
グレートを減少させるとともに、角形ターゲット107
の寿命を短くする等の問題がある。
【0016】しかも、このプラズマ密度のむらは、角形
ターゲット107の使用効率を低下させるだけでなく、
被着される保護膜111にも影響を与えている。
【0017】すなわち、磁束密度の模式図である図13
及び図16に示すように、角形ターゲット107により
発生する磁束にむらがあることがわかる。
【0018】これは、電磁石107の形状やスパッタリ
ング装置の構成と密接に関係している。
【0019】すなわち、電磁石108がリング状をした
S極とリング内中央に位置するN極とで構成されている
ために、角形ターゲット107表面の磁束は、図17及
び図18に示すように、N極からS極に向かって湾曲状
に広がる。したがって、一定方向に流れる磁気テープに
対して、このままスパッタリングした場合、ベースフィ
ルム102上に形成される保護膜111は、図14及び
図15に示すように、角形ターゲット107上での磁束
密度が高い(濃い)部分109Aは、厚い膜111a,
111cが被着され、磁束密度が低い(薄い)部分10
9Bは、薄い膜111bが被着される。
【0020】このため、かかる成膜状態を解消するため
に、従来装置では、図12に示すように、カソードケー
スにマスク110を取り付けることによって、ベースフ
ィルム102上の磁性層の上には、均一な薄膜の保護膜
を被着させるようにしている。このように、実際に薄膜
として成膜されるのは、角形ターゲット107全体のう
ち上記磁束密度が高い部分109Aだけで、残りの部分
は無駄に消費されている。さらに、この磁束密度が高い
部分109Aとされる範囲内においても、中央のN極が
埋め込まれている箇所は、スパッタされることなく残っ
てしまう。
【0021】このように、従来装置では、角形ターゲッ
ト107の大半を無駄にしてしまっているために、スパ
ッタレートを減少させるばかりでなく、角形ターゲット
107の使用効率も悪く、結果的、成膜レートも非常に
小さいという問題を有する。
【0022】他方、成膜レートを向上させるためには、
角形ターゲット107とベースフィルム102との距離
を狭めたり、形成される磁束の強度を上げる等の手段が
考えられるが、どちらも成膜時に角形ターゲット107
上に形成される磁場の形状が、ベースフィルム102に
対して平行でなくなるために、角形ターゲット107の
両端部分109Bと中央部分109Aでは膜厚差が生じ
る。
【0023】なお、円形の電磁石を用いてこれを変身し
て回転させ、より広範囲に均一にターゲット上に磁界を
発生させる構成が提案されている。
【0024】しかしながら、この場合は、ターゲットと
して円形ターゲットが用いられるため、非磁性支持体と
いう長尺物に対するマグネトロン型連続スパッタリング
装置としては不適当である。
【0025】そこで、本発明は、このような実情に鑑み
て提案されたものであって、いわゆるマグネトロン型連
続スパッタリング装置において、ターゲットの使用効
率、成膜レート等を向上させるとともに、非磁性支持体
の幅方向の両端部における膜厚分布の均一化させること
することを目的とし、これによって高精度の保護膜が形
成された磁気記録媒体を効率よく製造できるスパッタリ
ング装置を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、電源に接続されカソード電極としての機
能を有するバッキングプレートと、バッキングプレート
上に接着されるターゲットと、バッキングプレート下に
角形ターゲットと対向するように配置される電磁石とを
備え、支持体に対してスパッタリングを行うスパッタリ
ング装置において、複数の電磁石が少なくとも非磁性支
持体の幅方向に配列されてなるとともに、これら複数の
電磁石の各々が独立して電流制御されてなることを特徴
とする。
【0027】また、複数の電磁石がターゲットの外形形
状に対応して配列されてなることを特徴とする。
【0028】また、複数の電磁石のうち隣り合う電磁石
に逆向きの電流を供給することを特徴とする。
【0029】また、ターゲットを少なくとも2つ以上配
置し、これら複数のターゲットの各々に複数の電磁石が
配列されてなることを特徴とする。
【0030】本発明によれば、非磁性支持体の幅方向に
対して複数の電磁石を連続して配されてなるとともに、
これら複数の電磁石の各々が独立して電流制御されるこ
とから、発生する磁束を制御することができる。すなわ
ち、ターゲット表面に、より広範囲で、かつ、平行に磁
束を発生させることができる。また、中央の例えばN極
が埋め込まれている箇所に対応するターゲット表面もス
パッタされるようになる。
【0031】したがって、ターゲットに対して均一にス
パッタリングを行なわしめることができるため、ターゲ
ットの局部的なエロージョンを軽減して使用効率の向上
を図ることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施の形
態を実験結果に基づいて説明する。
【0033】(実施の形態1)図1に示すように、スパ
ッタリング装置は、頭部と低部にそれぞれ設けられた排
気口15から排気されて内部が真空状態となされた真空
室1内に、図中の時計回り方向に定速回転する送りロー
ル3と、図中の時計回り方向に定速回転する巻取りロー
ル4とが設けられ、これら送りロール3から巻取りロー
ル4にテープ状の非磁性支持体であるベースフィルム2
が順次走行するようになされている。
【0034】そして、これら送りロール3から巻取りロ
ール4側に上記ベースフィルム2が走行する中途部に
は、各ロール3,4の径よりも大径となされた冷却キャ
ン5が設けられている。この冷却キャン5の周面には、
ベースフィルム2が巻き付けられ、したがって冷却キャ
ン5も前記ロール3,4と同期して図中の時計回り方向
に定速回転する構成とされる。
【0035】また、上記送りロール3、巻取りロール
4、及び、冷却キャン5は、それぞれベースフィルム2
の幅と略同じ長さからなる円筒状をなすものであり、ま
た、冷却キャン5には、内部に図示しない冷却装置が設
けられ、上記ベースフィルム2の温度上昇による変形等
を抑制し得るようになされている。
【0036】したがって、ベースフィルム2は、送りロ
ール3から順次送り出され、さらに上記冷却キャン5の
周面を通過し、巻取りロール4に巻取られて行くように
なされている。尚、上記送りロール3と記冷却キャン5
との間及び該冷却キャン56と上記巻取りロール4との
問にはそれぞれガイドロール6,7が配設され、上記送
りロール3から冷却キャン5及び該冷却キャン5から券
取りロール4にわたって走行するベースフィルム2に所
定のテンションをかけ、該ベースフィルム2が円滑に走
行するようになされている。
【0037】また、上記真空室1内には、上記冷却キャ
ン5の下方にカソードターゲット8が設けられ、このカ
ソードターゲット8の表面にターゲットとして金属磁性
材料9が接着されている。
【0038】ここでカソードターゲット8は、図2に示
すように、電源に接続されカソード電極としての機能を
有するバッキングプレート23と、バッキングプレート
23上に接着される角形ターゲット21と、前記バッキ
ングプレート23の裏側に配置される電磁石22と、コ
イル29(29a,29b,29c)と、カソードケー
ス(図示せず)とから構成されている。
【0039】カソードケースは、筺体状を呈している
が、従来装置のものとは異なり、マスクは形成されてい
ない。
【0040】バッキングプレート23表面は、平面が四
角形状の角形ターゲット21を載置するため該ターゲッ
ト21よりも大きな面積を有する。ここで、この角形タ
ーゲット21の大きさは、約800mm×200mmで
ある。なお、本実施の形態1では、この角形ターゲット
21は1つであるが、後述する実施の形態3では角形タ
ーゲット21は、2つ設けられている。
【0041】そして特に、電磁石22は、図3及び図4
に示すように、ベースフィルム2の幅方向Hに対して複
数配されている。これは、角形ターゲット21表面によ
り広範囲で、かつ、平行に磁束を発生させるするためで
あり、上記1つの角形ターゲット21の角形ターゲット
21の輪郭内にちょうど納まるように配されている。
【0042】まず、電磁石22a,22b,22cの各
々は、所定の長さを有するセンターポール22Aと、こ
のセンターポール22Aの周囲を取り囲む矩形環状のマ
グネットリング22Bとから構成されており、これらセ
ンターポール22Aとマグネットリング22Bは、互い
に異なる極性(例えば、センターポール22AがN極、
マグネットリング22BがS極)とされている。
【0043】また、これら複数の各電磁石22a,22
b,22cは、図3に示すように、これらに各々に電源
装置(スパッタ電源30)に接続されるコイル29a,
29b,29cが巻き付けられて各々が電磁回路を構成
する。そして、各電磁石22a,22b,22cに供給
される電流を、ある範囲内で、自由に制御可能なものと
なされている。
【0044】このように、各電磁石22a,22b,2
2cは、ベースフィルム2の幅方向Hに対して同一直線
上に配されているが、このとき隣り合う電磁石のコイル
(例えば22aと22b,22bと22c)には、必ず
逆方向に電流を流すこととする。
【0045】また、各電磁石22a,22b,22cの
下部31は、Highμ材で連結されている。これは形
成された磁界が角形ターゲット21の表面のみに集中し
て、下部に漏れるのを防ぐために必要な処置である。
【0046】したがって、複数の電磁石22a,22
b,22cを連続して配列させると、中央の各N極は、
従来の装置のように1本状のものではなく、縦方向に一
定間隔を開けて形成されることとなる。
【0047】なお、電磁石22はこのような縦方向に配
列されるだけでなく、図9に示すように、横方向に配列
させても良い。
【0048】したがって、上記構成のスパッタリング装
置を用いて、実際に、薄膜を成膜する場合には、電磁石
22をベースフィルム2の幅方向Hに複数個設け、それ
ぞれに流す電流を制御することによって、各電磁石22
a,22b,22cの磁束が制御される。具体的には、
角形ターゲット21の両端部のみならず中央の例えばN
極が埋め込まれている箇所に対応するターゲット表面も
スパッタされるようになる。したがって、従来装置より
も、より広範囲に亘って且つ、均一に磁界を発生させる
ことができ、スパッタリングを均一に行うことができる
こととなる。
【0049】(実施の形態2)本実施の形態は、ベース
フィルム2の幅方向Hだけでなく、更に、図5に示すよ
うに、長手方向Tにも電磁石22d,22eを複数配し
たもので、総数5つの電磁石22a,22b,22c,
22d,22eが組み合わされた電磁石22として構成
されている。
【0050】この場合、ベースフィルム2の幅方向Hの
電磁石22a,22b,22cと長手方向Tの電磁石2
2d,22eとは、互いにずれて形成されるようにする
ことが好ましい。例えば、電磁石22a,22bの中心
に電磁石22dの中心が、電磁石22b,22cの中心
に電磁石22eの中心がそれぞれ長手方向Tにずれて位
置するように配されている。
【0051】そして、これら5つの電磁石22a,22
b,22c,22d,22eは、角形ターゲット21の
輪郭を覆うようにして配列されている。
【0052】したがって、上記構成のスパッタリング装
置を用いて、実際に、薄膜を成膜する場合には、ベース
フィルム2の幅方向Hの電磁石22a,22b,22c
のみならずベースフィルム2の長手方向の電磁石22
d,22eも配されているために、上記幅方向Hの電磁
石22aと電磁石22bの間、電磁石22bと電磁石2
2cの間に磁界の及ばない領域が生じることとなってこ
の部分の成膜レートが低下することを、長手方向Tの電
磁石22d,22eがこれを補償することができ、した
がって、実施の形態1の場合よりも、より均一なスパッ
タリングを行わしめることができる。
【0053】(実施の形態3)本実施の形態は、上述し
た実施の形態1,2と同様に、1つの角形ターゲット2
1に対して複数の電磁石22が配列されてなる。しか
し、本実施の形態は、図6に示すように、角形ターゲッ
ト21を2つ以上配置して、これら2つのターゲットの
各々に複数の電磁石が配列されてなる。この場合、角形
ターゲット21は2つ以上であれば、この2つに限定さ
れるものではないことは言うまでもない。
【0054】したがって、上記構成のスパッタリング装
置を用いて、実際に、薄膜を成膜する場合には、角形タ
ーゲット21を2つ以上配置してなることから、薄膜が
早く成膜されることとなる。
【0055】以上、複数の電磁石22a,22b,22
c,22d,22eは、同じ大きさのもので説明した
が、本発明はこれらに限定されず、大きさの異なるもの
を配列させたり(図10参照)、非対称形に配列させた
もの等、各電磁石の配置構成は種々変更が可能なもので
ある。したがって、これらの組み合わせによって、円形
ターゲットが使用される円形型のマグネトロン型スパッ
タリング装置にも適用することができるものである。
【0056】(実験)次に、上記構成のスパッタリング
装置を使用して磁気記録媒体を製造した。そして、本実
施の形態のスパッタリング装置による角形ターゲット2
1の使用効率(%)と成膜レート(A/min)及び磁
気テープの幅方向Hの膜厚の分布(%)をそれぞれ測定
した。
【0057】ここでは、比較例として、従来の長方形の
1枚の角形ターゲットを用いた場合についても測定し
た。
【0058】まず、実施の形態1,2と、比較例とも
に、非磁性支持体であるベースフィルム2上に、厚さ2
00nmのCo90Ni10(重量%)よりなる磁性層を、
酸素中で角度50°をもって斜方蒸着した。この後、例
えばSiO2、SiO34,SiNX,BN,カーボン、
ZnO2 等の例えばカーボンよりなる薄膜の保護膜を上
述のいわゆるマグネトロン型連続スパッタリング装置に
より被着形成した。
【0059】この場合、DCマグネトロンの構成とし
て、Arガス雰囲気中において、このArガスを0.5
Pa、パワー密度を6.8W/cm2 として連続スパッ
タリングを行った。
【0060】この場合、角形ターゲット21の材料は、
カーボンを用い、電磁石22はフェライトにより構成し
た。
【0061】これら実施の形態と比較例のスパッタリン
グ装置によるターゲット21の使用効率と、使用可能時
間と、幅120mの範囲における膜厚の分布と、更に、
ターゲット使用初期と、70H後における成膜レート
(成膜速度)をそれぞれ測定した。その結果を表1に示
す。
【0062】
【表1】
【0063】表1から分かるように、ベースフィルム2
の幅方向Hに対してのみ複数の電磁石22を配列にさせ
てなる実施の形態1も、ベースフィルム2の幅方向Hに
対してのみならず長手方向Tにも複数の電磁石22を配
列にさせてなる実施の形態2は、従来の比較例1のもの
よりも、ベースフィルム2上に被着される膜厚分布の均
一性、及び、角形ターゲット21の使用効率が向上し
て、さらに成膜レートをも向上させることがわかる。
【0064】特に、実施の形態2は、従来の比較例で±
8%だった膜厚誤差±4%程度まで向上させることが可
能となった。したがって、角形ターゲット21の表面
に、より広範囲で、かつ、平行に磁束を発生させること
ができることがわかる。
【0065】また、本発明によれば、従来装置のよう
に、カソードケースにマスクが設けられていた部分もそ
のまま使用することができ、角形ターゲットの有効幅を
広げられるために、角形ターゲットと使用効率が高くな
り、そのまま成膜レートの向上につながる。
【0066】ここで、電磁石22の数と薄膜の膜厚との
関係を、模式的に示した図7乃至図10を用いて説明す
る。
【0067】これらの図から明らかなように、電磁石2
2の数を増やす毎に、膜厚が均一化していることが分か
る。
【0068】例えば、電磁石22が2つの場合には、図
8に示すように、電磁石22の各々は、図7の従来の1
つの場合に比べ小さくなっているために、薄膜の膜厚は
やや薄くなるが、中央部と両端部の厚みの差が緩和され
ている。ただし、磁束が発生している以外の部分は、膜
厚みが比較的薄くなっている。なお、図7乃至図10の
各(A)中、太い線が平均化された膜厚を示し、細い線
が従来の膜厚を示す。
【0069】また、電磁石22が3つの場合には、図9
に示すように、電磁石22の各々がさらに小さくなった
分、一度に成膜することができる厚みは薄くなっている
が、全体としての厚みは均一化している。
【0070】さらに、上記電磁石22が2つの場合と電
磁石22が3つの場合とを組み合わせた電磁石22が5
つのものは、図10に示すように、電磁石22が2つの
場合の薄膜部分が埋められ膜厚が均一化していることが
わかる。これにより、部分毎の厚みの違いがなくなり、
上記のように従来の比較例で±8%だった膜厚誤差±4
%程度まで向上させることが可能となった。
【0071】ところで、電磁石22の数が増えるほど膜
厚が均一になるのであれば、際限なく増やすことも考え
らる。しかし、実際には、角形ターゲット21の大きさ
が制限されていることもあり、電磁石22の数が増える
ほどループは小さくして行かなければならない。電磁石
が小さいと、成膜レートは落ちるため、結果的に現在の
寸法(約800mm×200mm)の角形ターゲット2
1の輪郭内には電磁石22は、2〜3個が好ましいと言
える。
【0072】ただし、電磁石22を小さくして、使用す
る電磁石によっては、強い磁場をつくことも可能である
から、この強い磁場をつくれる場合であれば、2〜3個
以上にすることも可能である。なお、従来装置では、磁
束の強度を上げる等しても磁場の形状がベースフィルム
に対して平行でなくなるために膜厚に差が生じるが、本
発明によれば、複数の電磁石が非磁性支持体の幅方向H
に対して連続して配列されてなることから、電磁石22
を小さくしても強い磁場をつくことができる場合には、
理想的なスパッタリングが行われることが期待される。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、非磁性支持体の幅方向
に対して複数の電磁石を連続して配されてなるととも
に、これら複数の電磁石が各々独立して電流制御ができ
るようになされていることから、発生する磁束が各々制
御され、ターゲット表面により広範囲で、かつ、平行に
磁束を発生させることができる。
【0074】したがって、ターゲットの使用効率、成膜
レートを大幅に向上させることができるとともに、膜厚
のむらのない保護膜が形成された磁気記録媒体を効率よ
く製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパッタリング装置の構成を模式的に
示す図である。
【図2】上記スパッタリング装置のカソードターゲット
の構造を示す図である。
【図3】上記スパッタリング装置の電磁石の配線状態を
示す図である。
【図4】上記スパッタリング装置の電磁石の配置状態を
示す平面図である。
【図5】上記スパッタリング装置の電磁石の配置状態を
示す平面図である。
【図6】上記スパッタリング装置に2つのターゲットを
配した状態を示す模式図である。
【図7】電磁石の数と薄膜の膜厚との関係を示す模式図
であり、(a)は電磁石の数が1つの場合であり、
(b)はその場合の薄膜の成膜状態を示す。
【図8】電磁石の数と薄膜の膜厚との関係を示す模式図
であり、(a)は電磁石の数が2つの場合であり、
(b)はその場合の薄膜の成膜状態を示す。
【図9】電磁石の数と薄膜の膜厚との関係を示す模式図
であり、(a)は電磁石の数が3つの場合であり、
(b)はその場合の薄膜の成膜状態を示す。
【図10】電磁石の数と薄膜の膜厚との関係を示す模式
図であり、(a)は電磁石の数が5つの場合であり、
(b)はその場合の薄膜の成膜状態を示す。
【図11】従来のスパッタリング装置の構成を示す模式
図である。
【図12】従来のスパッタリング装置の電磁石を示す図
である。
【図13】上記カソードターゲットの磁束密度を示す模
式図である。
【図14】従来のスパッタリング装置により非磁性支持
体上に薄膜を形成した状態を示す模式図である。
【図15】上記従来のスパッタリング装置のターゲット
表面のエロージョンの発生状態を示す模式的な平面図で
ある。
【図16】上記カソードターゲットの磁束密度を示す模
式的な側面図である。
【図17】従来のスパッタリング装置の磁束の分布状態
を示す模式図である。
【図18】従来のスパッタリング装置の磁束の分布状態
を示す模式図である。
【符号の説明】
2 非磁性支持体(ベースフィルム) 8 カソードターゲット 21 ターゲット 22 電磁石(複数組み合わせた状態) 22a,22b,22c 電磁石(非磁性支持体の幅方
向の各々の電磁石) 22d,22e 電磁石(非磁性支持体の長手方向の各
々電磁石) 22A,22B マグネットリング H 非磁性支持体の幅方向 T 非磁性支持体の長手方向

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源に接続されカソード電極としての機
    能を有するバッキングプレートと、バッキングプレート
    上に接着されるターゲットと、バッキングプレート下に
    ターゲットと対向して配される電磁石とを備え、支持体
    に対してスパッタリングを行うスパッタリング装置にお
    いて、 複数の電磁石が少なくとも非磁性支持体の幅方向に配列
    されてなるとともに、 これら複数の電磁石の各々が独立して電流制御されてな
    ることを特徴とするスパッタリング装置。
  2. 【請求項2】 複数の電磁石がターゲットの外形形状に
    対応して配列されてなることを特徴とする請求項1記載
    のスパッタリング装置。
  3. 【請求項3】 複数の電磁石のうち隣り合う電磁石に逆
    向きの電流を供給することを特徴とする請求項2記載の
    スパッタリング装置。
  4. 【請求項4】 ターゲットを少なくとも2つ以上配置
    し、これら複数のターゲットの各々に複数の電磁石が配
    列されてなることを特徴とする請求項1記載のスパッタ
    リング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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