JPH09124891A - ポリアセタール樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

ポリアセタール樹脂組成物およびその製造方法

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JPH09124891A
JPH09124891A JP30376495A JP30376495A JPH09124891A JP H09124891 A JPH09124891 A JP H09124891A JP 30376495 A JP30376495 A JP 30376495A JP 30376495 A JP30376495 A JP 30376495A JP H09124891 A JPH09124891 A JP H09124891A
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JP
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polyacetal
group
resin composition
epoxy group
epoxy
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JP30376495A
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English (en)
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Hajime Serizawa
肇 芹澤
Mitsunori Matsushima
三典 松島
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Polyplastics Co Ltd
Original Assignee
Polyplastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリアセタールと他の熱可塑性樹脂をアロイ
化し、機械的特性などに優れる樹脂組成物を得る。 【解決手段】 樹脂組成物は、エポキシ基含有ポリアセ
タールを含む変性ポリアセタール樹脂組成物(1)と、
エポキシ基に対して反応性の官能基を有する樹脂(2)
と、エポキシ反応促進剤(3)とを含んでいる。樹脂
(2)には、カルボキシル基、酸無水物基、アミノ基な
どの官能基を有するオレフィン系ポリマー、スチレン系
ポリマー、ポリエステル、ポリアミドなどが含まれる。
成分(3)としては第三アミン類、第四アミン塩、イミ
ダゾール類、フォスフォニウム塩などが使用できる。各
成分の割合は、樹脂組成物(1)/樹脂(2)=50/
50〜99/1(重量比)であり、前記成分(1)
(2)の総量100重量部に対して、反応促進剤(3)
の割合は0.001〜2重量部程度である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリマーとの親和
性が改善されたエポキシ基含有ポリアセタールを含むポ
リアセタール樹脂組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアセタールは、優れた機械的強度、
摺動性、耐熱性、耐薬品性、成形性、電気的特性を有し
ているため、エンジニアリングプラスチックとして広い
分野で利用されている。しかし、ポリアセタールは、耐
酸性、接着性、塗装性、印刷性、染色性、耐候性などの
点で必ずしも満足できるものではない。そのため、ポリ
アセタールと他の熱可塑性樹脂とのアロイ化により、ポ
リアセタールの欠点を補うとともに、アロイ化の相手樹
脂にポリアセタールの優れた特性を付与し、双方の樹脂
の利点を有効に発現する組成物が期待される。しかし、
ポリアセタールは、他の材料との親和性や相溶性が極め
て小さい。そのため、他の熱可塑性樹脂とブレンドして
も、双方の樹脂の特性が有効に発現しないだけでなく、
ウェルド強度およびウェルド伸度が著しく低下する。特
に、著しく低いウェルド強度およびウェルド伸度は、ポ
リアセタールと他の熱可塑性樹脂とのアロイを工業的に
使用する上で大きな障害となる。
【0003】ポリアセタールの親和性を改善するために
は、ポリアセタールに適当な変性基を導入して変性する
ことが有効であり、従来各種の変性基を導入してポリア
セタールを変性する方法が提案されている(例えば、特
公昭43−23467号公報、特公昭47−19425
号公報、特開平3−21618号公報、特開平3−21
619号公報など)。しかし、これらの方法は、いずれ
も、重合過程で、ホルムアルデヒドやトリオキサンと、
置換基として各種の変性基を有するコモノマー(例え
ば、アミノアルデヒド,ニトロ基、ニトリル基、カルボ
キシル基またはアミド基を有する環状エーテル又は環状
アセタール)とを共重合することにより変性基を直接導
入する方法である。そのため、いずれの方法でも重合反
応性が低下し、高分子量の共重合体を高い収率で得るこ
とが困難である。
【0004】しかも、前記変性基が導入された共重合体
とポリアセタールとを組み合わせても、近年の高度な要
求特性を満足させることができない。すなわち、近年、
ポリアセタールの利用分野の拡大に伴って、ポリアセタ
ールに対してはより高度な特性が要求されている。例え
ば、自動車分野、電気分野などで用いられる部品にはよ
り複雑な形状で高度の耐衝撃性や強度が要求されてい
る。前記変性ポリアセタールを用いるアロイ化手法によ
り、ポリマーアロイ材料のウエルド特性をある程度改善
できる。しかし、前記アロイ材料であっても、未だ耐衝
撃性および機械的強度が十分でなく、高度な要求特性を
充分に満足させることができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ポリアセタールと他の樹脂との特性を有効に発現で
きるポリアセタール樹脂組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、ポリアセタールと樹脂とを有効に
複合化でき、耐衝撃性およびウェルド強度・伸度を顕著
に高めることができる樹脂組成物を提供することにあ
る。本発明のさらに他の目的は、前記の如き高い特性を
有する樹脂組成物を簡単な操作で効率よく得ることがで
きるポリアセタール樹脂組成物の製造方法を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討の結果、エポキシ基の反応性を
活性化することにより、エポキシ基含有ポリアセタール
が、ポリアセタールとエポキシ基に対する反応性の官能
基を有する樹脂との相溶性および親和性を向上するこ
と、ポリアセタールに対して非相溶であってもエポキシ
基に対する反応性の官能基を有する樹脂とポリアセター
ルとを含む組成物に、エポキシ基含有ポリアセタールと
エポキシ反応促進剤とを添加すると、高い耐衝撃性とウ
ェルド強度・伸度を有する樹脂組成物が得られることを
見いだし、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明のポリアセタール樹脂組
成物は、エポキシ基を有するポリアセタール(1a)を含
む変性ポリアセタール樹脂組成物(1)と、エポキシ基
に対する反応性の官能基を有する樹脂(2)と、エポキ
シ反応促進剤(3)とで構成されている。変性ポリアセ
タール樹脂組成物(1)は、エポキシ基を有するポリア
セタール(1a)1〜100重量%とポリアセタール(1
b)0〜99重量%とで構成できる。前記ポリアセター
ル樹脂組成物は、各成分(1)(2)および(3)を混
合することにより調製できる。本発明の方法には、エポ
キシ基を有するポリアセタール(1a)を含む変性ポリア
セタール樹脂組成物(1)と、エポキシ基に対して反応
性の官能基を有する樹脂(2)との共存系にエポキシ反
応促進剤(3)を添加することにより、ポリアセタール
樹脂組成物の機械的特性を改善する方法も含まれる。
【0008】なお、本明細書において、「ポリアセター
ル」とは特に言及しない限り、未変性のポリアセタール
ホモポリマーまたはポリアセタールコポリマーを意味
し、「樹脂」および「熱可塑性樹脂」とは、ポリアセタ
ールおよびエポキシ基を有するポリアセタール以外の熱
可塑性樹脂を意味する。また、「重合性化合物の残基」
とは、重合性化合物の単量体の単位に限らず、その重合
体(例えば、重合により生成したダイマー、トリマー、
テトラマーやポリマー成分)をも意味する。また、「非
自己縮合性官能基」とは、例えば、メチロール基などの
ように、反応成分が介在することなしに縮合可能な官能
基を意味する。さらに、特に言及する場合を除き、アク
リル系単量体およびメタクリル系単量体を「(メタ)ア
クリル系単量体」と総称する。さらには、「エポキシ基
に対する反応性の官能基」を単に「反応性官能基」とい
う場合がある。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂組成物を構成する変
性ポリアセタール樹脂組成物(1)、エポキシ基に対し
て反応性の官能基を有する樹脂(2)およびエポキシ反
応促進剤(3)の内容は次の通りである。
【0010】[変性ポリアセタール樹脂組成物(1)]
変性ポリアセタール樹脂組成物(1)は、少なくともエ
ポキシ基を有するポリアセタール(1a)を含んでおり、
このエポキシ基を有するポリアセタール(1a)はポリア
セタール成分を変性することにより得ることができる。
前記変性ポリアセタール樹脂組成物(1)は、エポキシ
基を有するポリアセタール(1a)単独で構成してもよ
く、このエポキシ基含有ポリアセタール(1a)と未変性
のポリアセタール(1b)とを組み合わせて構成してもよ
い。
【0011】エポキシ含有ポリアセタール(1a)と未変
性ポリアセタール(1b)とを組み合わせる場合、両者の
割合は、エポキシ含有ポリアセタール(1a)におけるエ
ポキシ基の導入量および樹脂(2)の種類に応じて広い
範囲から選択できる。変性ポリアセタール樹脂組成物
(1)において、エポキシ含有ポリアセタール(1a)の
含有量は、例えば、1〜100重量%、好ましくは2〜
80重量%(例えば、5〜70重量%)、さらに好まし
くは5〜50重量%(例えば、5〜30重量%)程度で
あり、未変性ポリアセタール(1b)の含有量は、例え
ば、0〜99重量%、好ましくは20〜98重量%(例
えば、30〜95重量%)、さらに好ましくは50〜9
5重量%(例えば、70〜95重量%)程度である。
【0012】ポリアセタール(1b) 未変性ポリアセタール(1b)はオキシメチレン基(−C
2 O−)を主たる構成単位として含む高分子化合物で
ある。ポリアセタールには、ポリオキシメチレンホモポ
リマーおよびポリアセタールコポリマーが含まれる。こ
のコポリマーは、オキシメチレン基以外に、炭素数2〜
6程度、好ましくは炭素数2〜4程度のオキシアルキレ
ン単位(例えば、オキシエチレン基(−CH2 CH2
−)、オキシプロピレン基、オキシテトラメチレン基な
ど)を構成単位として含んでいる。炭素数2〜6程度の
オキシアルキレン基の割合は、ポリアセタールの用途な
どに応じて適当に選択でき、例えば、ポリアセタール全
体に対して、0.1〜30モル%、好ましくは1〜20
モル%程度である。
【0013】ポリアセタールコポリマーは、二成分で構
成されたコポリマー、三成分で構成されたターポリマー
などの複数の成分で構成されていてもよく、ブロックコ
ポリマーなどであってもよい。また、ポリアセタール
は、線状のみならず分岐構造であってもよく、架橋構造
を有していてもよい。さらに、ポリアセタールの末端
は、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸などのカルボン
酸とのエステル化などにより安定化されていてもよい。
ポリアセタールの重合度、分岐度や架橋度も特に制限は
なく、溶融成形可能であればよい。好ましいポリアセタ
ールには、ポリオキシメチレン、ポリアセタールコポリ
マー(例えば、少なくともオキシメチレン単位とオキシ
エチレン単位とで構成されたコポリマー)が含まれる。
熱安定性の点からは、ポリアセタールコポリマーが好ま
しい。前記ポリアセタールの分子量は特に制限されず、
例えば、5,000〜500,000,好ましくは1
0,000〜400,000程度である。
【0014】前記ポリアセタールは、例えば、ホルムア
ルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒドな
どのアルデヒド類、トリオキサン、エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、1,3−ジオキソランなど
の環状エーテルを重合することにより製造できる。
【0015】エポキシ基含有ポリアセタール(1a) エポキシ基を有するポリアセタール(1a)は、前記ポリ
アセタール(1b)の項で述べたポリアセタール(すなわ
ちポリアセタールホモポリマーおよびポリアセタールコ
ポリマー)、または重合性ポリアセタールを用い、エポ
キシ基を有する重合性化合物で変性することにより得る
ことができる。以下、「ポリアセタール」および「重合
性ポリアセタール」を単に「(A)ポリアセタール成
分」と総称する場合がある。
【0016】上記重合性ポリアセタールとは、オキシメ
チレン基(−CH2O−)を主たる構成単位とし、分子
中に重合性官能基を有する高分子化合物である。重合性
官能基には、例えば、エチレン性二重結合やアセチレン
結合を有する官能基が含まれ、特にエチレン性不飽和結
合を有する官能基が好ましい。
【0017】重合性ポリアセタールには、ホルムアル
デヒド又はトリオキサンを主モノマーとし、エチレン性
不飽和結合を置換基として有する環状エーテル又は環状
ホルマールをコモノマーとして、カチオン活性触媒の存
在下で共重合した重合性不飽和結合を有するポリアセタ
ールコポリマー、ホルムアルデヒドまたはトリオキサ
ンを主モノマーとし、連鎖移動剤として重合性不飽和結
合を有する直鎖状ホルマール化合物の存在下、カチオン
重合触媒によって重合又は共重合した、末端に重合性不
飽和結合を有するポリアセタールコポリマー、ホルム
アルデヒドを主モノマーとし、更に重合性不飽和結合な
どの重合性官能基を有する連鎖移動剤の存在下、アニオ
ン重合によって重合した重合性不飽和結合を有するポリ
アセタールが含まれる。上記の重合工程では、必
要に応じてコモノマーとして重合性不飽和結合を有しな
い環状エーテル又は環状ホルマールを共存させてもよ
い。さらに、重合性ポリアセタールは、重合反応の
後、重合性不飽和結合を有するカルボン酸又はその酸無
水物をポリアセタールの末端エステル化剤として用いる
方法により得られるポリアセタールであってもよい。
【0018】前記の重合性ポリアセタールにおいて、
重合性不飽和結合を有する環状エーテル又は環状ホルマ
ールとしては、例えば、アリルグリシジルエーテル、2
−クロロアリルグリシジルエーテル、2−ブロモアリル
グリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエー
テル、2−ビニルエチルグリシジルエーテル、4−ビニ
ルフェニルグリシジルエーテル、ビニルベンジルグリシ
ジルエーテル(2−ビニルベンジルグリシジルエーテ
ル、3−ビニルベンジルグリシジルエーテル、4−ビニ
ルベンジルグリシジルエーテルなど)、2−(4−ビニ
ルフェニル)エチルグリシジルエーテルなどが挙げら
れ、前記の方法において、連鎖移動剤としての直鎖状
ホルマール化合物としては、例えば、ジビニルホルマー
ル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチ
レングリコールジビニルエーテル、メチレングリコール
モノビニルエーテル、ジメチレングリコールモノビニル
エーテルなどが挙げられる。また、前記の重合性ポリ
アセタールにおいて、重合性官能基を有する連鎖移動剤
としては、例えば、アリルアルコール、クロトニルアル
コール、α−ビニルエチルアルコールなどのエチレン性
不飽和結合を有するアルコール、プロパルギルアルコー
ルなどのアセチレン結合を有するアルコールが含まれ
る。さらに、前記の方法において、重合性官能基を有
するカルボン酸又はその酸無水物としては、例えば、ア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニルグリコー
ル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸、無水イタコン酸などのエチレン性不飽和結合を有
するモノ又はジカルボン酸、プロピオール酸などのアセ
チレン結合を有するカルボン酸などが使用できる。重合
性官能基を有するカルボン酸としては、アクリル酸又は
メタクリル酸などを用いる場合が多い。
【0019】重合性ポリアセタールにおいて、エチレン
性不飽和結合などの重合性官能基の含有量は、例えば、
0.001〜5モル/kg(例えば、0.02〜3モル
/kg)、好ましくは0.01〜2モル/kg程度であ
り、0.01〜1モル/kg程度である場合が多い。前
記重合性ポリアセタールを用いると、後述する重合性化
合物の導入効率が高くなるので好ましい。
【0020】前記エポキシ基を有するポリアセタール
(1a)は、(A)ポリアセタール成分(すなわち、ポリ
アセタールまたは重合性ポリアセタール)にエポキシ基
を有する重合性化合物の残基を導入することにより得ら
れる。エポキシ基は、前記熱可塑性樹脂(2)、補強剤
や充填剤などの添加剤との親和性を高める上で有用であ
る。これらの重合性化合物は一種又は二種以上組合せて
使用できる。
【0021】エポキシ基を有する重合性化合物は、1分
子中に少なくとも1つの重合性基を有する必要がある。
複数の重合性基を有する化合物は少量添加して変性する
ことにより、過度の架橋を抑制し溶融粘度を抑制して、
ブロー成形やフィルム成形などに適した樹脂組成物を得
るのに有効である。射出成形材料のように流動性を要求
される場合は、架橋を抑制し、成形加工性を高めるた
め、重合性化合物は1分子中に1つの重合性基(例え
ば、エチレン性二重結合、アセチレン結合)、特にエチ
レン性不飽和結合を有する化合物であるのが好ましい。
【0022】エポキシ基を有する重合性化合物として
は、例えば、アリルグリシジルエーテル、カルコングリ
シジルエーテルなどのグリシジルエーテル;グリシジル
(メタ)アクリレート、ビニル安息香酸グリシジルエス
テル、アリル安息香酸グリシジルエステル、ケイ皮酸グ
リシジルエステル、シンナミリデン酢酸グリシジルエス
テル、ダイマー酸グリシジルエステル、エポキシ化ステ
アリルアルコールとアクリル酸又はメタクリル酸とのエ
ステルなどのグリシジル又はエポキシエステル;エポキ
シヘキセン、リモネンオキシドなどのエポキシ化された
不飽和の鎖状又は環状オレフィンなどが挙げられる。な
お、グリシジルエーテル型の重合性化合物には、後述す
るように、式(I)で表される化合物(例えば、N−
[4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5−ジメ
チルベンジル]アクリルアミドなど)も含まれる。エポ
キシ基を有する好ましい重合性化合物には、(メタ)ア
クリロイル基を有するグリシジルエーテル型又はグリシ
ジルエステル型エポキシ化合物が含まれる。
【0023】特に、グリシジル(メタ)アクリレートな
どのエポキシ基とエチレン性重合基を持つエステル化合
物、アミド結合及びエポキシ基とエチレン性重合基を持
つアミド化合物が好ましい。エポキシ基とエチレン性重
合基を有するエステル化合物及びアミド化合物には、下
記式(I)で表される化合物が含まれる。
【0024】
【化2】 (式中、R1 は水素原子又はメチル基、R2 〜R5 は同
一又は異なって水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ア
シルオキシ基を示す。nは0又は1である) 前記ハロゲン原子には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原
子が含まれ、アルキル基には、例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s
ec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オク
チル基など炭素数1〜10程度のアルキル基が含まれ
る。好ましいアルキル基には炭素数1〜6程度、特に炭
素数1〜4程度の低級アルキル基が含まれる。アルコキ
シ基には、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、
ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオ
キシ基などの炭素数1〜6程度の低級アルコキシ基が含
まれる。アルコキシカルボニル基としては、例えば、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカ
ルボニル、ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニ
ル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボ
ニル基などのアルコキシ部分の炭素数が1〜6程度の低
級アルコキシカルボニル基である場合が多い。アシル基
には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、
バレリル、ピバロイル基などの炭素数1〜6程度の低級
アシル基が含まれる。アシルオキシ基としては、例え
ば、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオ
キシ、バレリルオキシ、ピバロイルオキシ基などが例示
できる。R2 〜R5 は同一又は異なって水素原子、ハロ
ゲン原子、低級アルキル基である場合が多い。特にR2
〜R5 は同一又は異なって水素原子又は低級アルキル基
である場合が多い。
【0025】nが0の化合物には、前記グリシジル(メ
タ)アクリレートが含まれる。nが1の化合物の具体例
としては、例えば、N−[4−(2,3−エポキシプロ
ポキシ)フェニルメチル]アクリルアミド、N−[4−
(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5−ジメチルベ
ンジル]アクリルアミド、N−[4−(2,3−エポキ
シプロポキシ)−3,5−ジエチルベンジル]アクリル
アミド、N−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)−
3,5−ジブチルベンジル]アクリルアミドなどのN−
[4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5−ジア
ルキルベンジル]アクリルアミド、N−[4−(2,3
−エポキシプロポキシ)−2,6−ジメチルベンジル]
アクリルアミド、N−[4−(2,3−エポキシプロポ
キシ)−2,5−ジメチルベンジル]アクリルアミド、
N−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)−2,3,
5,6−テトラメチルベンジル]アクリルアミドなどが
例示される。
【0026】エポキシ基を有する重合性化合物は、室
温、大気圧下で液状又は固体状(非ガス状)である場合
が多い。これらの重合性化合物のうち、常圧における沸
点70℃以上、好ましくは100℃以上、さらに好まし
くは120℃以上の化合物を用いる場合が多く、好まし
い重合性化合物の沸点は、無水マレイン酸、(メタ)ア
クリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、前記式
(I)で表される化合物(例えば、N−[4−(2,3
−エポキシプロポキシ)−3,5−ジメチルベンジル]
アクリルアミド)などのように、常圧で140℃以上で
ある場合が多い。
【0027】なお、エポキシ基の導入率、エポキシ基含
有ポリアセタールおよび成形品の利用効率を高めるた
め、エポキシ基含有ポリアセタールは、充填剤や補強剤
の非共存下、前記重合性化合物により変性されたポリア
セタールであるのが好ましい。充填剤や補強剤の非共存
下で変性されたエポキシ基含有ポリアセタールを用いる
と、用途に応じて、ポリアセタールと少なくとも1つの
熱可塑性樹脂と混合するだけで、樹脂組成物を調製で
き、アロイ化や複合化の自由度が大きくなる。エポキシ
基の導入量は、熱可塑性樹脂や添加剤との親和性を向上
できる範囲で選択でき、例えば、(A)ポリアセタール
成分に対して重合性化合物換算で、0.1〜30重量%
(例えば0.1〜20重量%程度)、好ましくは0.2
〜25重量%(例えば0.2〜15重量%程度)、さら
に好ましくは0.3〜20重量%(例えば0.3〜10
重量%程度)であり、0.2〜10重量%程度である場
合が多い。
【0028】前記エポキシ基を有するポリアセタール
(1a)は、(A)ポリアセタール成分と、(B)エポキ
シ基を有する重合性化合物とを加熱し、前記重合性化合
物の残基をポリアセタール成分に導入することにより製
造できる。(A)ポリアセタール成分と(B)エポキシ
基を有する重合性化合物とは、(C)ラジカル発生剤
(重合開始剤)の非存在下で加熱してもよいが、(C)
ラジカル発生剤の存在下で加熱すると、重合性化合物の
残基を効率よく導入できる。
【0029】(C)ラジカル発生剤は、フリーラジカル
を発生し、重合性化合物の重合を開始する重合開始剤と
しての機能を有する化合物であれば、その種類は特に制
限されない。ラジカル発生剤としては、有機過酸化物な
どの過酸化物、アゾ化合物、その他のラジカル重合開始
剤が使用できる。
【0030】過酸化物としては、例えば、t−ブチルヒ
ドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、
クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒ
ドロペルオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5
−ジヒドロペルオキシドなどのアルキルヒドロペルオキ
シド;ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミル
パーオキシド、ジクミルパーオキシド、t−ブチルパー
オキシクメン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、α,α′
−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベ
ンゼンなどの過酸化ジアルキル;ベンゾイルパーオキシ
ド、ラウロイルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパ
ーオキシドなどの過酸化ジアシル;メチルエチルケトン
パーオキシド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカンなどのアル
キリデンペルオキシド;n−ブチル−4,4−ビス(t
−ブチルパーオキシ)バレレート、t−ブチルパーオキ
シベンゾエートなどの過酸化エステルなどが挙げられ
る。
【0031】アゾ化合物としては、例えば、1−[(1
−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、
2,2′−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス
(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド}など
のアゾアミド系化合物;1,1−アゾビス(シクロヘキ
サン−1−カルボニトリル)、2−フェニルアゾ−4−
メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2′
−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリ
ル]、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾニトリル
系化合物;2,2′−アゾビス(2,4,4−トリメチ
ルペンタン)などのアルキルアゾ系化合物が挙げられ
る。
【0032】他のラジカル発生剤としては、例えば、過
硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム
などの過硫酸塩も使用できる。これらのラジカル発生剤
は単独で使用してもよく、同種又は異種のものを組合せ
て使用してもよい。
【0033】重合性化合物(B)のエポキシ基をポリア
セタール成分(A)に効率よく導入するため、好ましい
ラジカル発生剤には、半減期1分に対応する温度が13
0℃以上、好ましくは150℃以上、さらに好ましくは
160℃以上の化合物が含まれる。このようなラジカル
発生剤は、アルキルヒドロペルオキシド、過酸化ジアル
キル、過酸化エステル、アゾ化合物である場合が多い。
【0034】(B)エポキシ基を有する重合性化合物の
割合は、所望する改質度および変性ポリアセタールの用
途などに応じて選択でき、例えば、(A)ポリアセター
ル成分100重量部に対して0.1〜30重量部、好ま
しくは0.3〜25重量部、さらに好ましくは0.5〜
20重量部程度であり、1〜20重量部程度である場合
が多い。(B)エポキシ基を有する重合性化合物の割合
が少ないと、ポリアセタールの変性度が小さく、過多で
あると、重合性化合物の種類によっては、ポリアセター
ルの機械的特性などが低下する場合がある。
【0035】(A)ポリアセタール成分に対する(C)
ラジカル発生剤の割合は、ポリアセタール成分の過度の
低分子量化を抑制でき、かつ変性効率を損わない範囲か
ら選択でき、例えば、(A)ポリアセタール成分100
重量部に対して3.5重量部以下(例えば、0.01〜
3.5重量部程度)、好ましくは0.01〜3重量部、
さらに好ましくは0.01〜1.5重量部程度であり、
0.05〜0.5重量部程度である場合が多い。また、
(A)ポリアセタール成分と(B)エポキシ基を有する
重合性化合物との合計量に対する(C)ラジカル発生剤
の割合は、ラジカル発生剤の加工温度における半減期、
重合性化合物の量、加工温度、加工時間などに応じて選
択でき、(A)ポリアセタール成分と(B)エポキシ基
を有する重合性化合物との合計100重量部に対して
2.5重量部以下(例えば、0.01〜2.5重量部程
度)、好ましくは0.01〜2重量部、さらに好ましく
は0.01〜1重量部程度であり、0.05〜0.5重
量部程度である場合が多い。(C)ラジカル発生剤の使
用量が過少であると、(B)エポキシ基を有する重合性
化合物による変性度が低下し易く、過多であってもさほ
ど変性度が向上しない。また、ラジカル発生剤の使用量
が多過ぎると、ラジカル発生剤の種類によってはポリセ
タール成分の分解が過度に生じる場合がある。なお、
(B)エポキシ基を有する重合性化合物100重量部に
対する(C)ラジカル発生剤の割合は、0.1〜25重
量部、好ましくは0.5〜15重量部、さらに好ましく
は1〜10重量部程度である場合が多い。
【0036】ポリアセタール成分を簡便に変性する方法
には、(C)ラジカル発生剤の存在下、(A)ポリアセ
タール成分と(B)エポキシ基を有する重合性化合物と
を、ポリアセタール成分の溶融状態で混合する方法、特
に溶融混練する方法が含まれる。溶融混合や溶融混練処
理には、慣用の混合機や混練機、例えば、押出機、ブラ
ベンダー、ニーダー、バンバリーミキサー、ロールミル
などが利用できる。好ましい溶融混合又は混練機には、
押出機、ニーダーなどの密閉式装置が含まれる。混練温
度は、ポリアセタールの融点〜分解温度の範囲で選択で
き、好ましくはポリアセタール成分の融点よりも5〜7
0℃(好ましくは10〜50℃程度)高い温度である。
処理時間は、混合又は混練温度に応じて選択でき、例え
ば、20秒〜2時間、好ましくは30秒〜1時間程度で
あり、30秒〜30分程度である場合が多い。溶融混合
又は溶融混練処理は、(A)ポリアセタール成分、
(B)エポキシ基を有する重合性化合物、および必要に
応じて(C)ラジカル発生剤を、個別に前記混合機や混
練機に順次供したり、予め二成分(A)(B)又は三成
分(A)(B)(C)の混合物を前記混合機や混練機に
供することにより同時に行なってもよい。また、溶融混
合又は溶融混練処理は、酸化防止剤の存在下で行なって
もよい。
【0037】なお、(B)エポキシ基を有する重合性化
合物の不存在下に、(A)ポリアセタール成分と(C)
ラジカル発生剤とを溶融混合又は溶融混練すると、ラジ
カル発生剤により、ポリアセタール成分が著しく低分子
量化する。これに対して、(B)エポキシ基を有する重
合性化合物の存在下、(A)ポリアセタール成分と
(C)ラジカル発生剤とを溶融混合又は溶融混練する
と、重合性化合物により変性できるとともに、ラジカル
発生剤の量にもよるが、ポリアセタール成分が過度に低
分子量化するのを抑制できる。そのため、(A)ポリア
セタール成分と(C)ラジカル発生剤との溶融混合物
に、(B)エポキシ基を有する重合性化合物を添加し、
ポリアセタール成分の溶融状態で混合すると、重合性化
合物により変性された比較的低分子量の変性ポリアセタ
ールを得ることができる。このような変性ポリアセター
ルは、相溶化剤や、樹脂、金属、接着剤、塗料などとの
密着性改良剤などとして利用できる。
【0038】ポリアセタール成分の分解を抑制しつつ、
ラジカル発生剤を変性に有効に利用し、重合性化合物に
よる変性効率を高めるためには、(A)ポリアセター
ル成分と(B)官能基を有する重合性化合物と(C)ラ
ジカル発生剤との三成分を、ポリアセタール成分の溶融
状態で混合又は混練したり、(A)ポリアセタール成
分と(B)重合性化合物との共存下、(C)ラジカル発
生剤を添加して、ポリアセタール成分の溶融状態で混合
又は混練する方法、(A)ポリアセタール成分と
(B)官能基を有する重合性化合物との混合物、特に均
一混合物(好ましくはコンパウンド又は溶融混合物)
に、(C)ラジカル発生剤を添加し、ポリアセタール成
分の溶融状態で混合又は混練する方法が有用である。こ
のような方法では、高い分子量とポリアセタールの優れ
た特性を維持しつつ、重合性化合物の官能基を効率よく
導入できる。特に前記方法は、第1の方法に比べ
て、(A)ポリアセタール成分の低分子量化を抑制しつ
つ、変性効率を高めることができるという利点がある。
【0039】このような方法は、例えば、前記押出し機
などの装置に前記三成分やコンパウンドを供給したり、
装置内でポリアセタールと重合性化合物とを溶融混合し
た後、ラジカル発生剤を装置内に添加又は注入し、混合
又は混練することにより行なうことができる。また、前
記コンパウンドとラジカル発生剤との混合物を前記装置
に供給し、混合又は混練してもよい。前記コンパウンド
は、粉粒状又はペレット状で使用する場合が多い。
【0040】さらに、エポキシ基を有する重合性化合物
による変性度およびラジカル発生剤の利用効率を高める
ため、前記の溶融混合又は溶融混練は、補強性充填剤な
どの充填剤の非存在下で行なうのが好ましい。すなわ
ち、充填剤の存在下で溶融混合又は溶融混練すると、ポ
リアセタール成分に対する重合性化合物の変性効率と溶
融粘度とを制御するのが困難である場合が多い。これに
対して、充填剤及び補強剤の非存在下で変性すると、ラ
ジカル発生剤及びエポキシ基を有する重合性化合物をポ
リアセタールの変性に有効に利用できるとともに、比較
的多量に使用される充填剤及び補強剤により改質されて
いないので、変性ポリアセタールと種々の熱可塑性樹脂
とを組み合わせることにより、幅広い組成物を得ること
ができる。
【0041】なお、必要に応じて、添加剤、例えば、酸
化防止剤などの安定化剤を含む樹脂組成物を上記の溶融
混合又は溶融混練操作に供してもよい。その際、エポキ
シ基を有する重合性化合物によるポリアセタール成分の
変性効率、およびラジカル発生剤の利用効率を高めるた
め、添加剤の添加量は少ない方が好ましく、例えば、ポ
リアセタール成分と重合性化合物との合計量100重量
部に対して、10重量部以下、好ましくは0.001〜
5重量部、さらに好ましくは0.01〜3重量部程度で
ある。
【0042】前記添加剤のうち酸化防止剤の添加は、変
性ポリアセタールの安定性を高める上で有用である。前
記酸化防止剤には、例えば、ヒンダードフェノール類、
ヒンダードアミン類、その他の化合物が含まれる。ヒン
タードフェノール類には、例えば、2,6−ジ−t−ブ
チル−p−クレゾール、2,2′−メチレンビス(4−
メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−メチ
レンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,
4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフ
ェノール)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビ
ス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリメチ
ル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、n−オクタデシル−
3−(4′,5′−ジ−t−ブチルフェノール)プロピ
オネート、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート、ジステ
アリル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジルホスホネート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブ
チル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル−4−メチ
ルフェニルアクリレート、N,N′−ヘキサメチレンビ
ス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロ
シンナマミド)、3,9−ビス{2−[3−(3−t−
ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピ
オニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、
4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒド
ロキシ−5−t−ブチルフェノール)ブタンなどが含ま
れる。
【0043】ヒンダードアミン類には、例えば、4−ア
セトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキ
シ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シ
クロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジン、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイ
ルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)オキザレート、ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)マロネート、ビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アジペート、
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アジペー
ト、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)テレフタレート、1,2−ビス(2,2,6,6
−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)エタン、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘ
キサメチレン−1,6−ジカルバメート、トリス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ベンゼン
−1,3,5−トリカルボキシレート、フェニル−α−
ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、N,
N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェ
ニル−N′−シクロヘキシル−p−フェニレンジアミ
ン、N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレ
ンジアミンなどが挙げられる。
【0044】その他の酸化防止剤には、例えば、ジミリ
スチルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピ
オネート、ジステアリルチオジプロピオネートなどのイ
オウ系酸化防止剤;トリイソデシルホスファイト、トリ
フェニルホスファイトなどのリン系酸化防止剤;2,5
−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジアミルヒド
ロキノンなどののヒドロキノン系酸化防止剤;6−エト
キシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノ
リンなどのキノリン系酸化防止剤;メルカプトヘンゾイ
ミダゾールなどが含まれる。これらの酸化防止剤は一種
又は二種以上併用することができる。好ましい酸化防止
剤には、ヒンダードフェノール類(フェノール系酸化防
止剤)、ヒンダードアミン類(アミン系酸化防止剤)が
含まれる。
【0045】酸化防止剤の共存下でポリアセタール成分
を変性する場合、酸化防止剤は(A)ポリアセタール成
分に又は変性過程で添加してもよい。酸化防止剤の使用
量は、(A)ポリアセタール成分100重量部に対し
て、0.001〜2重量部、好ましくは0.01〜1重
量部程度である。このようにして得られた変性ポリアセ
タールは、必要に応じてペレット化してもよい。
【0046】[エポキシ基に対する反応性の官能基を有
する樹脂(2)]エポキシ基に対して反応性の官能基を
有する樹脂(2)の種類は、エポキシ基に対して反応性
を有する種々の官能基を有する限り特に制限されず、例
えば、オレフィン系ポリマー、ジエン系ポリマー、アク
リル系ポリマー、スチレン系ポリマー、ポリ塩化ビニル
などのビニル系ポリマー、ポリエステル、ポリアミド、
ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリ
スルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミ
ド、ポリアミドイミドなどの熱可塑性樹脂が含まれる。
また、前記樹脂(2)には、コアシェルポリマーなども
含まれる。
【0047】エポキシ基に対して反応性を有する官能基
には、遊離の活性水素原子を有する官能基だけでなく、
活性水素原子を生成する前駆体官能基(例えば、活性水
素原子を有する官能基がカルボキシル基である場合に
は、酸無水物基や低級アルコキシカルボニル基など)も
含まれる。エポキシ基に対して反応性を有する官能基に
は、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、ヒドロキシ
ル基、アミノ基、メルカプト基、イミノ基、アミド基、
ウレタン結合、尿素結合などが挙げられる。好ましい官
能基は、カルボキシル基、酸無水物基、ヒドロキシル
基、アミノ基、メルカプト基を有している。
【0048】なお、反応性の官能基を、重合工程で導入
した樹脂は、変性処理することなく、本発明の組成物の
成分としてそのまま使用できる。また、オレフィン系ポ
リマー、ジエン系ポリマーなどのように、エポキシ基に
対する反応性官能基を重合工程で導入することが困難な
樹脂では、重合により生成した樹脂を変性処理し、官能
基を導入することにより、本発明の樹脂組成物の成分と
して使用できる。前記樹脂の変性処理には、高分子反応
を利用して反応性官能基を導入する方法(例えば、「高
分子の化学反応」大河原 信著,(株)化学同人発行,
1976年2月20日発行など参照)、反応性官能基を
有する重合性化合物による樹脂の処理又はグラフトなど
の方法で行なうことができる。
【0049】処理やグラフトなどにより反応性官能基を
樹脂に導入する場合、カルボキシル基を有する重合性化
合物としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、プ
ロピオール酸、クロトン酸などの脂肪族不飽和モノカル
ボン酸;ケイ皮酸などの芳香族不飽和モノカルボン酸;
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸など
の脂肪族不飽和ジカルボン酸;マレイン酸モノメチル、
マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、マレイ
ン酸モノヘキシル、マレイン酸モノオクチル、マレイン
酸モノ2−エチルヘキシルなどのマレイン酸モノエステ
ルやこれらに対応するフマル酸モノエステルなどの不飽
和ジカルボン酸モノエステルなどが挙げられる。好まし
いカルボキシル基を有する化合物には、(メタ)アクリ
ル酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステルな
どが含まれる。
【0050】酸無水物基を有する化合物には、例えば、
無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、
無水ハイミック酸などが含まれる。酸無水物基を有する
好ましい化合物には無水マレイン酸が含まれる。
【0051】ヒドロキシル基を有する化合物としては、
例えば、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレー
ト、ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオ
ペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセ
リンモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、ビニルフェノールなどが挙
げられる。ヒドロキシル基を有する好ましい重合性化合
物には、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなど
が含まれる。
【0052】アミノ基を有する化合物としては、例え
ば、アリルアミン、ジアリルアミンなどのアリル化合
物;4−ビニルアニリン、N−ビニルジフェニルアミン
などのビニル化合物;アミノエチル(メタ)アクリレー
ト、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N
−エチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの(メ
タ)アクリレート類が挙げられる。
【0053】以下に、必要に応じて、ベースポリマーと
して代表的な熱可塑性樹脂と、ベースポリマーに前記官
能基が導入された樹脂(2)とにわけて説明する。
【0054】ベースポリマーとしてのオレフィン系ポリ
マーとしては、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセ
ン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセンなどのα−オ
レフィンの単独重合体又は共重合体(例えば、ランダム
共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体)、前
記α−オレフィンを主成分とし、さらに少なくとも一種
のコモノマー成分とのランダム共重合体、ブロック共重
合体、グラフト共重合体などが含まれる。上記コモノマ
ー成分には、例えば、非共役ジエン(1,4−ヘキサジ
エン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノ
ルボルネン、2,5−ノルボナジエンなど)、共役ジエ
ン(例えば、ブタジエン、イソプレン、ピペリレンな
ど)、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アクリロ
ニトリル、芳香族ビニル化合物(例えば、スチレン、α
−メチルスチレンなど)、ビニルエステル(例えば、酢
酸ビニルなど)、ビニルエーテル(例えば、ビニルメチ
ルエーテルなど)、これらのビニル系化合物の誘導体な
どが含まれる。前記オレフィン系ポリマーの重合度、側
鎖や分岐の有無、分岐度、共重合組成割合などは特に限
定されない。より具体的には、ベースポリマーとしての
オレフィン系ポリマーには、例えば、高密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテン、ポリブチレン、メチルペンテン樹脂、
エチレン−α−オレフィン共重合体(例えば、エチレン
−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体
など)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体などのエチレン−ビニルエス
テル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体
(例えば、エチレン−アクリル酸エチル共重合体など)
などが含まれる。好ましいオレフィン系ポリマーには、
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン
共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体などのエチレ
ン−α−オレフィン共重合体が含まれる。
【0055】反応性官能基を有するオレフィン系ポリマ
ーは、上述のオレフィン系ポリマーに、不飽和カルボン
酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸な
ど)、酸無水物基を有する重合性化合物(例えば、無水
マレイン酸など)、ヒドロキシル基を有する重合性化合
物(例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレートな
ど)などの反応性官能基を有する重合性化合物を、共重
合、グラフト重合などにより重合することにより得られ
る。また、ベースポリマーがエステル基を有する重合性
化合物との共重合体である場合には、反応性官能基を有
するオレフィン系ポリマーは、加水分解反応によっても
得ることができる。より具体的には、反応性官能基を有
するオレフィン系ポリマーとして、例えば、カルボキシ
ル基変性ポリオレフィン(例えば、エチレン−(メタ)
アクリル酸共重合体、アイオノマー、(メタ)アクリル
酸変性ポリエチレン、(メタ)アクリル酸変性ポリプロ
ピレンなど)、酸無水物基変性ポリオレフィン(例え
ば、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸
変性ポリプロピレン)、ヒドロキシル基含有ポリオレフ
ィン(例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート変
性ポリエチレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体
など)などが挙げられる。
【0056】ベースポリマーとしてのジエン系ポリマー
には、例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン
などの共役ジエンを主体とする単独又は共重合体が含ま
れる。ジエン系ポリマーとしては、例えば、ポリブタジ
エン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、アクリロニ
トリル−ブタジエン共重合体などが挙げられる。反応性
官能基を有するジエン系ポリマーとしては、例えば、酸
無水物変性ジエンポリマー(無水マレイン酸変性ポリブ
タジエンなど)、カルボキシル基変性ジエンポリマー
(例えば、(メタ)アクリル酸−アクリロニトリル−ブ
タジエン共重合体、(メタ)アクリル酸変性ポリブタジ
エンなど)、ヒドロキシル基含有ジエンポリマー(末端
ヒドロキシル基含有ポリブタジエンなど)、アミノ基含
有ジエンポリマー(アミノ変性ポリブタジエンなど)な
どが挙げられる。
【0057】べーポリマーとしてのアクリル系ポリマー
には、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分と
する単独又は共重合体、例えば、ポリメタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキルエステル
共重合体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル−スチ
レン共重合体、アクリルゴムなどが含まれる。反応性官
能基を有するアクリル系ポリマーには、カルボキシル基
含有アクリル系ポリマー[例えば、(メタ)アクリル酸
アルキルエステルを主成分とする単独又は共重合体に、
アクリル酸又はメタクリル酸などの単位が導入されたポ
リマー(例えば、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリ
ル酸共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸アルキ
ルエステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)ア
クリル酸変性アクリルゴムなど)]、ヒドロキシル基含
有アクリル系ポリマー(例えば、メタクリル酸メチル−
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート共重合体な
ど)などが挙げられる。
【0058】ベースポリマーとしてのスチレン系ポリマ
ーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、
ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロロメチルス
チレンなどの芳香族ビニル化合物の単独重合又は共重合
体(ランダム共重合体、ブロック共重合体又はグラフト
共重合体)、前記芳香族ビニル化合物と、アクリル系モ
ノマー及び/又は無水マレイン酸誘導体との共重合体が
挙げられる。アクリル系モノマーとしては、例えば、ア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸エス
テルなどが挙げられ、無水マレイン酸誘導体としては、
例えは、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミ
ドなどが挙げられる。また、上記芳香族ビニル化合物と
アクリル系モノマーとを、ジエンモノマー(ブタジエン
など)、オレフィン(エチレン、プロピレンなど)やエ
ラストマー(ブタジエンゴム、アクリルゴム、塩素化ポ
リエチレン、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体などのゴム成分)などと重合
した共重合体又はその水素添加物も使用できる。これら
の共重合体は、ランダム、ブロック、グラフトなどの共
重合の形態、重合度、側鎖や分岐の有無とその程度、共
重合組成割合などは特に制限されない。ベースポリマー
としてのスチレン系ポリマーには、例えば、ポリスチレ
ン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、耐衝撃性ポ
リスチレン、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、ス
チレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アク
リロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリ
ロニトリル−ブタジエン共重合体の水素添加物、スチレ
ン−アクリロニトリル−エチレン共重合体、スチレン系
ブロックコポリマー(例えば、スチレン−ブタジエン−
スチレン(SBS)共重合体、スチレン−イソプレン−
スチレン(SIS)共重合体、スチレン−エチレン−ブ
チレン−スチレン(SEBS)共重合体など)が含まれ
る。好ましいスチレン系ポリマーには、ポリスチレン、
アクリロニトリル−スチレン共重合体、耐衝撃性ポリス
チレン、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重
合体、スチレン系ブロックコポリマーなどが含まれる。
【0059】反応性官能基を有するスチレン系ポリマー
には、例えば、カルボキシル基又は酸無水物基を有する
重合性化合物(例えば、(メタ)アクリル酸、無水マレ
イン酸、イタコン酸など)、ヒドロキシル基を有する重
合性化合物(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレートなど)などの反応性官能基を有する重合性化
合物で変性した前記スチレン系ポリマーが含まれる。具
体的には、例えば、スチレン−無水マレイン酸共重合
体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン
−アクリロニトリル−無水マレイン酸共重合体、スチレ
ン−アクリロニトリル−ブタジエン−無水マレイン酸共
重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン−
(メタ)アクリル酸共重合体、無水マレイン酸変性SE
BS樹脂、無水マレイン酸変性SIS樹脂、スチレン−
2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート共重合体、
スチレン−アクリロニトリル−2−ヒドロキシメチル
(メタ)アクリレート共重合体などが挙げられる。
【0060】ビニル系ポリマーとしては、前記ポリ塩化
ビニル以外に、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルア
セタール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、ポ
リビニルピロリドン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
などが挙げられる。反応性官能基を有するビニル系ポリ
マーとしては、例えば、ポリ酢酸ビニルの部分又は完全
ケン化物(例えば、ポリビニルアルコールなど)の他、
前記ビニル系ポリマーに、カルボキシル基又は酸無水物
基を有する重合性化合物((メタ)アクリル酸、無水マ
レイン酸、イタコン酸など)、ヒドロキシル基を有する
重合性化合物(例えば、2ーヒドロキシエチル(メタ)
アクリレートなど)などの重合性化合物を用い、反応性
官能基を導入した共重合体、例えば、酢酸ビニル−(メ
タ)アクリル酸共重合体、ビニルエーテル−無水マレイ
ン酸共重合体などが挙げられる。
【0061】ポリエステルとは、主鎖にエステル結合を
有する高分子を意味し、ジカルボン酸又はその誘導体と
2価アルコールとの重縮合、ヒドロキシカルボン酸の重
縮合、又は環状エステルの開環重合により得られる。こ
のような反応により得られるポリエステルは、ポリマー
鎖の末端にカルボキシル基又はヒドロキシル基を有して
いたり、主鎖からカルボキシル基又はヒドロキシル基を
含む官能基が懸垂している場合が多い。ポリエステルに
は、例えば、ポリアルキレンテレフタレート(例えば、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ートなど)、アルキレンテレフタレートを主な繰り返し
単位とし、さらにイソフタル酸、ビスフェノールA、シ
クロヘキサンジメタノールなどの共重合成分を含むコポ
リエステル、芳香族ポリエステル(例えば、ビスフェノ
ールAなどの芳香族ジオールと、テレフタル酸、イソフ
タル酸などの芳香族ジカルボン酸とのエステル化により
生成するポリアリレートなど)などが含まれる。ポリエ
ステルには、液晶性ポリエステルやエラストマーも含ま
れる。これらのポリエステルのうち、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリア
ルキレンテレフタレート、アルキレンテレフタレートを
主な繰り返し単位とするコポリエステル、芳香族ポリエ
ステル、液晶性ポリエステルやポリエステルエラストマ
ーなどが好ましい。
【0062】ポリアミドは、主鎖にアミド結合を有する
高分子であり、通常、ジカルボン酸とジアミンとの重縮
合、又は環状ラクタムの開環重合により得られる。この
ような反応により得られるポリアミドは、ポリマー鎖の
末端にカルボキシル基又はアミド基を有していたり、主
鎖からカルボキシル基又はアミノ基を含む官能基が懸垂
している場合が多い。ポリアミドには、脂肪族ポリアミ
ド(例えば、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミ
ド11、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド
610、ポリアミド612やこれらのポリアミドの構成
モノマー単位を含む共重合ポリアミド)、芳香族ポリア
ミドなどが含まれる。ポリアミドには、液晶性ポリアミ
ド、液晶性コポリエステルアミドやエラストマーも含ま
れる。これらのポリアミドのうち、ポリアミド6,ポリ
アミド66、ポリアミド11,ポリアミド12などの脂
肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、液晶性コポリエス
テルアミドやポリアミドエラストマーが好ましい。
【0063】ポリウレタンとは、主鎖にウレタン結合を
含む高分子であり、例えば、脂肪族、脂環族や芳香族ポ
リイソシアネートなどのポリイソシアネート成分(ヘキ
サメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジ
イソシアネート、ナフタレンジイソシアネートなど)
と、低分子量ないし高分子量のポリオール成分(エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオー
ル、ポリカーボネートジオールなど)との反応により生
成する熱可塑性ポリウレタンが含まれる。ポリウレタン
はエラストマーであってもよい。ポリウレタンは、通
常、末端にヒドロキシル基などの反応性官能基を有して
いたり、主鎖からヒドロキシル基などを含む官能基が懸
垂している場合が多い。また、ポリウレタンは、ウレタ
ン結合、尿素結合などの反応性官能基を有している。
【0064】ポリカーボネートとは、主鎖にカーボネー
ト結合を有する高分子を意味し、通常、ジヒドロキシ化
合物とホスゲンとの重縮合、又はジヒドロキシ化合物と
炭酸エステルとのエステル交換反応により得られる。ポ
リカーボネートとしては、脂肪族、脂環族および芳香族
ポリカーボネートのいずれであってもよい。好ましいポ
リカーボネートには、芳香族ポリカーボネート、特に、
ビスフェノールA型ポリカーボネートなどのビスフェノ
ール型ポリカーボネートが含まれる。反応性官能基を有
するポリカーボネートとしては、例えば、高分子反応に
よりカルボキシル基、ヒドロキシル基、メルカプト基や
アミノ基などが導入されたポリカーボネートなどが含ま
れ、カルボキシル基又は酸無水物基、ヒドロキシル基な
どの反応性官能基を有する重合性化合物を用い、必要に
応じてラジカル発生剤を添加し、加熱処理した変性ポリ
カーボネートであってもよい。
【0065】ポリエーテルとは、主鎖にエーテル結合を
有する高分子であり、環状エーテルの開環重合、グリコ
ールの自己縮合により得られる。ポリエーテルには、例
えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサ
イド、ポリテトラメチレンオキサイド、ポリフェニレン
エーテルなどが含まれる。これらのポリエーテルは末端
にヒドロキシル基を有している場合が多い。さらに、ポ
リエーテルは、例えば、高分子反応によりカルボキシル
基、ヒドロキシル基、メルカプト基やアミノ基などが導
入されたポリエーテルや、カルボキシル基又は酸無水物
基などの反応性官能基を有する重合性化合物を用い、更
に必要に応じてラジカル開始剤を添加して加熱処理され
た変性ポリエーテルであってもよい。好ましいポリエー
テルには変性ポリエーテルなどが含まれる。
【0066】さらに、熱可塑性樹脂には、エンジニアリ
ングプラスチック、例えば、ポリスルホン、ポリエーテ
ルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドな
どが含まれる。その他の熱可塑性樹脂としては、例え
ば、セルロースエステル(例えば、セルロースアセテー
トなど)、セルロースエーテル(メチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)などの
セルロース系高分子などが挙げられる。これらの熱可塑
性樹脂は、例えば、高分子反応によりカルボキシル基、
ヒドロキシル基、メルカプト基やアミノ基などが導入さ
れた樹脂や、カルボキシル基又は酸無水物基などの反応
性官能基を有する重合性化合物を用い、更に必要に応じ
てラジカル開始剤を添加して加熱処理された変性樹脂で
あってもよい。
【0067】これらの熱可塑性樹脂のうち、ポリアセタ
ールとのアロイ化により優れた特性を有効に発現させる
ためには、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エ
チレン−α−オレフィン共重合体、オレフィン系エラス
トマーなどのオレフィン系ポリマー;ポリメタクリル酸
メチル、アクリルゴムなどのアクリル系ポリマー;ポリ
スチレン、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体などのスチレン系ポリマー;ポリ塩化ビニル;ポ
リアルキレンテレフタレート、アルキレンテレフタレー
トを主体とするコポリエステル、ポリアリレート、液晶
性ポリエステルやポリエステルエラストマーなどのポリ
エステル;脂肪族ポリアミド(例えば、ポリアミド6、
ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12)、
芳香族ポリアミド、液晶性コポリエステルアミド、ポリ
アミドエラストマーなどのポリアミド;ビスフェノール
A型ポリカーボネートなどのポリカーボネート;ポリウ
レタン;ポリフェニレンエーテル;ポリスルホン;ポリ
エーテルスルホン;ポリエーテルイミド;ポリアミドイ
ミドなどの熱可塑性樹脂をベースとし、エポキシ基に対
する反応性の官能基を有する熱可塑性樹脂が好ましい。
【0068】さらに、反応性官能基を有する樹脂(2)
には、耐衝撃性を改善する上で有用なコアシェルポリマ
ーも含まれる。コアシェルポリマーは、コアシェル構造
などの多相構造を有するポリマー粒子で構成されてい
る。すなわち、コアシェルポリマーは、ゴム状ポリマー
(ゴム弾性体)又はゴム状ポリマー相のコアと、最外層
にガラス状ポリマーのシェルとを備えたポリマーであ
り、モノマー、ノニオン系界面活性剤などの界面活性
剤、重合開始剤および水を用い、通常、シード乳化重合
法、例えば、先行する段階で生成した重合体粒子の存在
下、後続する段階でモノマーを重合する多段乳化重合法
によって得られる。このようなシード乳化重合法による
コアシェルポリマーの製造については、特開平3−14
856号公報、特開平5−271361号公報などを参
照できる。また、反応性官能基を有するコアシェルポリ
マーは、多段乳化重合における適当な段階で、反応性官
能基を有する重合性化合物を単独で又は他の単量体と併
用して重合することにより得ることができる。反応性官
能基はコアシェルポリマーのコアに導入してもよいが、
少なくともシェルに導入する場合が多い。
【0069】第一段目の重合において、ゴム状ポリマー
を形成するモノマーとしては、例えば、ガラス転移温度
−30℃以下(例えば、−40℃〜−100℃程度)の
ゴム弾性体を形成する重合性モノマーが使用でき、共役
ジエン(ブタジエンなど)又はC2-8アルキル−アクリ
レート(エチルアクリレート、ブチルアクリレートな
ど)若しくはそれら混合物などが使用できる。第一段目
の重合においては、共重合可能なモノマー、例えば、ス
チレンなどの芳香族ビニル、アクリロニトリル、アルキ
ルメタクリレートなどを共重合させてもよい。
【0070】第一段目の重合において、モノマー中の共
役ジエンの含有量が0〜20重量%程度である場合に
は、架橋性モノマー(ブチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート
など)及びグラフト化モノマー(アリル(メタ)アクリ
レートなどの不飽和カルボン酸アリルエステルなど)を
少量(例えば、全モノマー量に対して、例えば、0〜5
重量%、好ましくは0.1〜2重量%程度)用いること
により、高い耐衝撃性を達成できる。
【0071】最外層のシェルを構成するガラス状ポリマ
ーのガラス転移温度は、例えば、40℃以上(例えば、
50〜120℃程度)、好ましくは60℃以上(例え
ば、70〜120℃程度)である。ガラス状ポリマーを
構成するモノマーとしては、例えば、メチルメタクリレ
ート、エチルメタクリレートなどのC1-4 アルキル−メ
タクリレート(特にメチルメタクリレート)と、これら
のメタクリレートと共重合可能なモノマー(エチルアク
リレート、スチレン、アクリロニトリルなど)が挙げら
れる。コアシェルポリマーのシェルには、カルボキシル
基、酸無水物基、アミド基、ヒドロキシル基などの反応
性官能基を有する重合性モノマーとの共重合により、反
応性官能基を導入してもよい。
【0072】ゴム状ポリマーで構成されたコアと、ガラ
ス状ポリマーで構成されたシェルとの割合は、耐衝撃性
を損わない範囲で選択でき、例えば、コア/シェル=4
0/60〜95/5(重量%)、好ましくは50/50
〜90/10(重量%)、さらに好ましくは60/40
〜80/20(重量%)程度である。
【0073】前記コアシェルポリマーにおいて、コアと
シェルとの間には、中間相が存在していてもよい。中間
相は、例えば、前記官能基を有する重合性モノマー、ガ
ラス状ポリマーを形成する重合性モノマー、ゴム状ポリ
マーを形成する重合性モノマーなどを、シード多段乳化
重合の適当な段階で重合することにより形成できる。中
間相を形成する重合性モノマーの割合も、例えば、モノ
マー全体の1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%
程度である。なお、中間相がガラス状ポリマーである場
合には、中間相はシェルの一部と見なすことができ、中
間相がゴム状ポリマーである場合には、コアの一部と見
なすことができる。中間相を有するコアシェルポリマー
の構造は、例えば、コアとシェルの間に層が介在する多
層構造や、中間相がコア中に粒子状で分散しているサラ
ミ構造であってもよい。
【0074】これらの反応性官能基を有する樹脂(2)
は単独で又は二種以上組み合わせて使用でき、前記熱可
塑性樹脂とコアシェルポリマーと組み合わせて使用して
もよい。さらに、反応性官能基を有する樹脂(2)は、
反応性官能基を有していない樹脂(ベースポリマー)と
組み合わせて使用することもできる。本発明では、エポ
キシ基を有するポリアセタール(1a)およびエポキシ反
応促進剤(3)の併用により、ポリアセタールに対して
非相溶の樹脂であってもポリアセタールと有効に複合化
でき、機械的特性を大幅に改善できる。そのため、本発
明では、ポリアセタールに対して非相溶または非混和性
の樹脂も好ましく使用できる。
【0075】本発明のポリアセタール樹脂組成物は、変
性ポリアセタール樹脂組成物(1)と、反応性官能基を
有する各種のエラストマー(2)(例えば、オレフィン
系エラストマー、アクリル系エラストマー、スチレン系
エラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミド
エラストマー、ポリウレタンエラストマーなど)とを組
み合わせると、ポリアセタール樹脂組成物の耐衝撃性と
ウエルド強度及び伸度を著しく向上することができ、靭
性や強度に優れた成形品を得ることができる。これらの
エラストマーは単独で又は二種以上組み合わせて使用で
きる。オレフィン系エラストマーには、例えば、カルボ
キシル基、酸無水物基、アミノ基などを有する、エチレ
ン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエ
ン共重合体、ブチルゴム、アクリロニトリルブタジエン
ゴム、ポリオレフィンブロック共重合体、ポリイソプレ
ン、ポリノルボルネンゴムなどが含まれる。特に、オレ
フィン系エラストマーとしては、カルボキシル基や酸無
水物基を含有するエラストマーが有利に使用される。ア
クリル系エラストマーには、例えば、アクリル酸エチル
やアクリル酸ブチルなどのアクリル酸アルキルエステル
と、(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有モノ
マーと、必要に応じて、アクリロニトリルおよび塩素含
有モノマーの少なくとも一種との共重合体、カルボキシ
ル基が導入されているエチレンアクリルゴム(すなわち
エチレンとアクリル酸メチルなどのアクリル酸アルキル
エステルと、必要に応じてカルボキシル基含有モノマー
との共重合体)などが含まれる。スチレン系エラストマ
ーとしては、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、ア
ミノ基などを有する、スチレンブタジエンゴムやアクリ
ロニトリルブタジエンスチレンゴム、ブタジエンなどの
ゴム成分にスチレン、アクリロニトリルがグラフトした
重合体、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン
(SBS)ブロック共重合体、ポリスチレン−ポリイソ
プレン−ポリスチレン(SIS)ブロック共重合体、ポ
リスチレン−ポリ(エチレン・ブチレン)−ポリスチレ
ン(SEBS)ブロック共重合体などのトリブロックコ
ポリマーなどが挙げられる。特に、スチレン系エラスト
マーとしては、カルボキシル基や酸無水物基を含有する
エラストマーが有利に使用される。
【0076】ポリエステルエラストマーとしては、ポリ
エステルブロック共重合体、例えば、ポリブチレンテレ
フタレートなどのポリアルキレンテレフタレート単位を
ハードセグメント、ポリテトラメチレングリコール単位
をソフトセグメントとするブロック共重合体などが挙げ
られ、ポリアミドエラストマーには、例えば、脂肪族ポ
リエーテルをソフトセグメントとするブロック共重合体
(例えば、ナイロン12などをハードセグメントとし、
ポリアルキレングリコールをソフトセグメントとするブ
ロック共重合体など)などが含まれ、ポリウレタンエラ
ストマーには、例えば、ジオール成分としてポリエステ
ルジオール、ポリエーテルジオールを用いたポリウレタ
ンなどが含まれる。
【0077】さらに、本発明の樹脂組成物は、反応性官
能基を有する樹脂(2)の種類に応じて優れた特性を発
現させることができる。例えば、変性ポリアセタール樹
脂組成物(1)と、反応性官能基を有するオレフィン系
ポリマーとを組み合わせると、ポリアセタールの摺動性
を大きく改善できる。また、ポリスチレンやスチレン−
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体のような非晶性
ポリマーを用いると、ポリアセタールの反り・変形など
の寸法精度を向上させるのに有利であり、この場合に
も、寸法精度とウエルド強度及び伸度とのバランスに優
れる材料を得るためには、エポキシ基に対して反応性の
官能基を有する非晶性ポリマーを用いるのが有効であ
る。
【0078】前記変性ポリアセタール樹脂組成物(1)
と反応性官能基を有する樹脂(2)との割合は、各成分
の種類および所望する樹脂組成物の特性に応じて広い範
囲から選択でき、例えば、前者(1)/後者(2)=5
0/50〜99/1(重量比)、好ましくは60/40
〜98/2(重量比)、さらに好ましくは65/35〜
95/5(重量比)程度である。このような樹脂組成物
では、ポリアセタールおよび樹脂の利点を有効に発現で
きる。
【0079】[エポキシ反応促進剤(3)]本発明のポ
リアセタール樹脂組成物の特徴は、前記変性ポリアセタ
ール樹脂組成物(1)と樹脂(2)との共存系にエポキ
シ反応促進剤(3)を添加し、樹脂組成物の機械的特性
を改善する点にある。すなわち、これらの成分(1)
(2)および(3)を混合することにより、前記成分
(1)(2)からなる樹脂組成物よりも、耐衝撃性やウ
エルド強度などの機械的物性が著しく優れたポリアセタ
ール樹脂組成物が得られる。
【0080】エポキシ反応促進剤(3)としては、慣用
の反応促進剤、例えば、アミン系硬化剤、有機酸系硬化
剤なども使用可能であるものの、ジシアンジアミド、有
機酸ジヒドラジドなどの塩基性活性水素化合物、第三ア
ミン類、第四アミン塩、イミダゾール類、フォスフォニ
ウム塩及び有機金属錯体などを用いる場合が多い。これ
らの反応促進剤は1種又は2種以上組み合わせて使用で
きる。これらの反応促進剤のうち、第三アミン類、第4
アミン塩、イミダゾール類、フォスフォニウム塩及び有
機金属錯体が好ましく使用される。
【0081】第三アミン類には、例えば、トリエチルア
ミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、トリア
ミルアミンなどのトリアルキルアミン、トリエタノール
アミン、ジメチルアミノエタノールなどのアルカノール
アミン、トリエチレンジアミンなどの脂肪族又は非芳香
族環状アミン、ジメチルフェニルアミン、ジメチルベン
ジルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェ
ノール、ジメチルアニリンなどの芳香族アミン、ピリジ
ン、ピコリン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)
ウンデセン−1(DBU)などの脂環式アミン、および
これらの第三アミンと有機酸又は無機酸との塩が含まれ
る。
【0082】第四アミン塩としては、例えば、テトラア
ルキルアンモニウムハライド(例えば、テトラメチルア
ンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロ
ライド、テトラブチルアンモニウムブロマイドなどのテ
トラC1-6アルキルアンモニウムハライド)、トリアル
キルアラルキルアンモニウムハライド(例えば、トリメ
チルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルベン
ジルアンモニウムクロライド、トリプロピルベンジルア
ンモニウムクロライドなどのトリC1-6アルキル−C
7-10アラルキルアンモニウムハライド)、N−アルキル
ピリジニウムハライド(例えば、N−メチルピリジニウ
ムクロライドなど)などが挙げられる。
【0083】イミダゾール類としては、2−メチルイミ
ダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピル
イミダゾールなどの2−C1-18アルキルイミダゾール、
2−フェニルイミダゾールなどの2−アリールイミダゾ
ール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、4−フェ
ニル−2−メチルイミダゾールなどの2−位及び/又は
4位にアルキル基又はアリール基を有するイミダゾール
化合物、シアニエチル化イミダゾール(キュアゾールC
N,四国化成(株)製)、シアニエチル化イミダゾール
をトリアジン化した化合物(キュアゾールAZINE,
四国化成(株)製)などのイミダゾール化合物、及びこ
れらのイミダゾール化合物の塩[例えば、トリメリット
酸又はイソシアヌル酸との塩(キュアゾールCNS、キ
ュアゾールOK,四国化成(株)製)など]が挙げられ
る。
【0084】フォスフォニウム塩は、式 [R4P]
(Rはアルキル基、アリール基、シクロアルキル
基、アラルキル基などの炭化水素基を示し、Xはハロゲ
ン原子又は酸基を示す)で表される化合物である。Xで
表されるハロゲン原子は臭素原子又はヨウ素原子である
場合が多い。フォスフォニウム塩には、例えば、テトラ
アルキルホスファニウムハライド(例えば、テトラメチ
ルフォスフォニウムブロマイド、テトラブチルフォスフ
ォニウムブロマイドなどのテトラC1-6アルキルホスフ
ァニウムハライド)、テトラブチルフォスフォニウムベ
ンゾトリアザラート、テトラアリールホスファニウムハ
ライド(例えば、テトラフェニルフォスフォニウムブロ
マイドなど)、エチルトリフェニルフォスフォニウムブ
ロマイド、トリフェニルベンジルフォスフォニウムブロ
マイドなどが含まれる。有機金属錯体としては、例え
ば、錫化合物(例えば、ジブチル錫ジラウレートな
ど)、チタン化合物(トリイソプロポキシメチルチタネ
ートなど)などの有機金属錯体が挙げられる。
【0085】これらエポキシ反応促進剤の中で、ジメチ
ルフェニルアミンなどの第三アミン類、トリエチルベン
ジルアンモニウムクロライドなどの第四アミン塩、テト
ラブチルフォスフォニウムブロマイド、テトラフェニル
フォスフォニウムブロマイドなどのフォスフォニウム
塩、ジブチル錫ジラウレートなどの錫化合物などが好ま
しく用いられる。
【0086】エポキシ反応促進剤(3)の添加量は、エ
ポキシ含有ポリアセタール(1a)を活性化して樹脂
(2)との親和性や反応性を促進できる限り特に制限さ
れず、例えば、前記変性ポリアセタール樹脂組成物
(1)とエポキシ基に対して反応性の官能基を有する樹
脂(2)との総量100重量部に対して、0.01〜2
重量部、好ましくは0.02〜1重量部程度であり、
0.02〜0.5重量部程度である場合が多い。
【0087】本発明の樹脂組成物は、種々の方法、例え
ば、エポキシ基含有ポリアセタール(1a)とエポキシ基
に対する反応性の官能基を有する樹脂(2)とエポキシ
反応促進剤(3)と必要に応じてポリアセタール(1b)
とを粉粒状で混合することにより製造してもよいが、溶
融状態又は溶液状態で混合することにより樹脂組成物を
製造する場合が多い。また、エポキシ基含有ポリアセタ
ール(1a)を、前記のように溶融混合により製造する場
合、ポリアセタールと重合性化合物との溶融混合系に、
エポキシ基に対して反応性の官能基を有する樹脂(2)
と、エポキシ反応促進剤(3)と、必要に応じてポリア
セタール(1b)を共存させることにより、本発明のポリ
アセタール樹脂組成物を得ることも可能である。
【0088】溶融状態で混合する場合、慣用の混合機や
混練機、例えば、押出し機、ブラベンダー、ニーダー、
バンバリーミキサー、ロールミキサーなどが利用でき
る。好ましい溶融混合又は混練機には、押出し機、ニー
ダーなどの密閉式装置が含まれる。混合温度は、エポキ
シ基含有ポリアセタール(1a),反応性官能基を有する
樹脂(2)およびポリアセタール(1b)がそれぞれの溶
融可能な温度の下限(例えば、融点)から分解温度まで
の温度範囲のうち、重複する温度範囲、例えば、100
〜240℃、好ましくは130〜230℃、さらに好ま
しくは160〜220℃程度の範囲から適当に選択でき
る。
【0089】溶液状態で混合する場合には、エポキシ基
含有ポリアセタール(1a)、エポキシ基に対して反応性
の官能基を有する樹脂(2)、エポキシ反応促進剤
(3)および必要に応じてポリアセタール(1b)を、共
通溶媒に溶解又は分散して混合した後、例えば、加熱や
減圧などの手段により溶媒を除去する方法、前記溶液や
分散液を双方の樹脂に対する貧溶媒に注入して析出させ
る方法などにより、組成物を得ることができる。溶液状
態で混合する方法は、前記成分(1a)(2)および(1
b)において溶融可能な温度が重複しない場合や溶融可
能な温度が大きく異なる場合などに有効である。
【0090】エポキシ含有ポリアセタール(1a)は、補
強剤や充填剤に対しても高い親和性、相溶性や濡れ性を
示す。そのため、本発明において、さらに補強剤や充填
剤などを含む樹脂組成物も好ましい。補強剤には、例え
ば、有機繊維(例えば、ポリプロピレン繊維、ビニロン
繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリアミド繊維、ア
ラミド繊維、ポリエステル繊維など)、無機繊維(ガラ
ス繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、金属繊維など)や、
ホイスカー(例えば、アルミナ、酸化ベリリウム、炭化
ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素などのホイスカー)な
どが挙げられる。これらの補強剤は一種又は二種以上使
用できる。充填剤としては、例えば、アルミナ、シリ
カ、カオリン、クレイ、ガラス、酸化亜鉛、酸化マグネ
シウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、水酸化アルミ
ニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリ
ウム、チタン酸カリウム、二硫化モリブデン、カーボ
ン、黒鉛、金属粉などが例示される。これらの充填剤も
一種又は二種以上使用できる。補強剤と充填剤との使用
量は、補強剤や充填剤の種類に応じて、それぞれ成形性
などの特性を損なわない範囲で選択でき、例えば、変性
ポリアセタール樹脂組成物(1)と反応性官能基を有す
る樹脂(2)との総量100重量部に対して、補強剤及
び/又は充填剤1〜250重量部、好ましくは50〜1
00重量部程度の範囲から選択できる。
【0091】さらに、樹脂組成物は、必要に応じて、酸
化防止剤、紫外線吸収剤などの安定化剤、帯電防止剤、
滑剤、難燃剤、着色剤などの添加剤を含んでいてもよ
い。なお、酸化防止剤は、エポキシ基含有ポリアセター
ルに添加してもよい。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、
成形加工により種々の成形品を得る上で有用である。成
形品は、慣用の方法、例えば、射出成形、押し出し成形
などにより得ることができる。
【0092】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、エポキシ基含有
ポリアセタールと樹脂とエポキシ反応促進剤とを組み合
わせているため、ポリアセタール成分と樹脂とを有効に
アロイ化して、ポリアセタール成分と樹脂との特性を有
効に発現できるとともに、耐衝撃性とウェルド強度・伸
度を大きく向上させることができる。特に、ポリアセタ
ールとエポキシ基含有ポリアセタールとを組み合わせて
変性ポリアセタール樹脂組成物を構成すると、さらに有
効にアロイ化でき、耐衝撃性とウェルド強度・伸度を大
きく向上させることができる。本発明の方法では、エポ
キシ基含有ポリアセタールを含む変性ポリアセタール樹
脂組成物とエポキシ基と反応する官能基を有する樹脂と
エポキシ反応促進剤とを混合するという簡単な操作で、
前記の如き高い特性を有する樹脂組成物を効率よく得る
ことができる。
【0093】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定さ
れるものではない。 [エポキシ基含有ポリアセタールの調製] 調製例1(エポキシ基含有ポリアセタール1(E−PO
M1)の調製) (A)ポリアセタール[ポリプラスチックス(株)製、
商品名ジュラコンM25、ポリアセタールコポリマー、
メルトフローレート2.5g/10分(190℃,2.
16kg)]95重量部および(B)重合性化合物[N
−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5−ジ
メチルベンジル]アクリルアミド(鐘淵化学工業(株)
製、商品名 AXE)]5重量部(ポリアセタール10
0重量部に対して5.3重量部)をドライブレンドした
後、二軸押出機にて190℃の温度で約2分間溶融混練
し、ペレットを得た。得られたペレットと(C)ラジカ
ル発生剤[α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ−m
−イソプロピル)ベンゼン(日本油脂(株)製、商品名
パーブチルP)]0.1重量部(ポリアセタール100
重量部に対して0.11重量部)とをドライブレンドし
た後、再び二軸押出機にて190℃の温度で約2分間溶
融混練し、変性ポリアセタールのペレットを得た。
【0094】重合性化合物による変性量は、1.9重量
%であった。なお、変性量は次のようにして測定した。
ポリアセタールに結合しなかった(B)重合性化合物を
除去するため、変性ポリアセタールを再沈法により精製
し、プロトンNMRにより、ポリアセタールへ導入され
た(B)重合性化合物を定量し、重合性化合物による変
性量を、ポリアセタール成分に対する割合として、重量
%で表示した。なお、再沈は、変性ポリアセタール15
0mgとヘキサフルオロイソプロパノール4mlとの溶
液を、再沈用溶媒(アセトン)中に滴下し、析出したポ
リマーを濾過により回収した。この操作を3回以上繰り
返すことにより、変性ポリアセタールを精製した。
【0095】調製例2(エポキシ基含有ポリアセタール
2(E−POM2)の調製) (A)ポリアセタール90重量部および(B)重合性化
合物[N−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)−
3,5−ジメチルベンジル]アクリルアミド10重量部
を用いる以外、調製例1と同様にして変性ポリアセター
ルを得た。重合性化合物による変性量は、3.3重量%
であった。
【0096】調製例3(エポキシ基含有ポリアセタール
3(E−POM3)の調製) 前記調製例1において、ポリアセタール100重量部に
対して重合性化合物[グリシジルメタクリレート(東京
化成工業(株)]5.3重量部を用いる以外、調製例1
と同様にして変性ポリアセタールを得た。重合性化合物
による変性量は、1.5重量%であった。なお、再沈に
よる精製に際して、再沈用溶媒としてクロロホルムを用
いた。
【0097】調製例4(エポキシ基含有ポリアセタール
4(E−POM4)の調製) 3.3重量%の1,3−ジオキソラン、0.8重量%の
アリルグリシジルエーテルおよび100ppmのメチラ
ールを含有するトリオキサンに、三フッ化ホウ素をトリ
オキサンに対して60ppm添加してカチオン重合し、
重合性ポリアセタールを調製した。前記調製例1におい
て、ポリアセタールに代えて、上記重合性ポリアセター
ルを用いる以外、調製例1と同様にして、変性ポリアセ
タールを得た。重合性化合物による変性量は、3.1重
量%であった。
【0098】実施例1〜6および比較例1〜5 上記調製例で得られたエポキシ基含有ポリアセタール1
(E−POM1)と、ポリアセタール(ポリプラスチッ
クス(株)製,ジュラコンM90)と、ポリエステルエ
ラストマー(ヘキストセラニーズ社製、ライトフレック
ス635)と、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムブ
ロマイド(エポキシ反応促進剤(Cat−1))を表1
及び表2に示す割合でドライブレンドした後、二軸押出
し機にて190℃で溶融混練し、ペレット化した。この
ペレットを射出成形機により成形し、ゲートを両端に有
するウェルド試験片と衝撃試験片を作製した。ASTM
D638に準じて、得られた試験片のウェルド強度およ
びウェルド伸度を測定するとともに、ASTM D25
6に準じて、アイゾット衝撃強度を測定した。表1およ
び表2に結果を示す。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】 表1と表2より、比較例の樹脂組成物に比べて、エポキ
シ反応促進剤を含む実施例の樹脂組成物を用いると、衝
撃強度、ウェルド強度および伸度を大きく改善できる。
【0101】実施例7〜11および比較例6〜11 上記調製例で得られたエポキシ基含有ポリアセタール1
〜4(E−POM1〜4)と、ポリアセタール(ポリプ
ラスチックス(株)製,ジュラコンM90)と、無水マ
レイン酸変性オレフィン系エラストマー(三井石油化学
(株)製、N−タフマーMP0620)と、テトラ−n
−ブチルフォスフォニウムブロマイド(エポキシ反応促
進剤(Cat−1))を表3および表4に示す割合で用
いる以外、前記実施例と同様にして調製した試験片のア
イゾット衝撃強度、ウェルド強度およびウェルド伸度を
測定したところ、表3および表4に示す結果を得た。
【0102】
【表3】
【0103】
【表4】 表3および表4より、比較例の樹脂組成物に比べて、エ
ポキシ反応促進剤を含む実施例の樹脂組成物は、ウェル
ド強度、伸度が大きい。
【0104】実施例12、13および比較例12、13 上記調製例で得られたエポキシ基含有ポリアセタール1
(E−POM1)と、ポリアセタール(ポリプラスチッ
クス(株)製,ジュラコンM90)と、ポリエステル
(30モル%のイソフタル酸が共重合した低融点ポリブ
チレンテレフタレート樹脂,固有粘度IV=0.5)又
はポリアミドエラストマー(ダイセルヒュルス(株)
製、ダイアミドE40)と、テトラ−n−ブチルフォス
フォニウムブロマイド(エポキシ反応促進剤(Cat−
1))を表5に示す割合で用いる以外、前記実施例と同
様にして試験片を調製した。そして、得られた試験片の
アイゾット衝撃強度、ウェルド強度およびウェルド伸度
を測定したところ、表5に示す結果を得た。
【0105】
【表5】 表5より、比較例の樹脂組成物に比べて、エポキシ反応
促進剤を含む実施例の樹脂組成物は、ウェルド強度およ
び伸度が大きい。
【0106】実施例14〜16 前記エポキシ基含有ポリアセタール1(E−POM
1)、ポリアセタール、ポリエステルエラストマーと、
エポキシ反応促進剤として、トリエチルベンジルアンモ
ニウムクロライド(Cat−2,実施例14)、2−フ
ェニル−4−メチルイミダゾール(Cat−3,実施例
15)又はジメチルフェニルアミン(Cat−4,実施
例16)を表6に示す割合で用いる以外、前記実施例と
同様にして試験片を調製した。そして、得られた試験片
のアイゾット衝撃強度とウェルド強度およびウェルド伸
度を測定したところ、表6に示す結果を得た。
【0107】
【表6】 表6より、比較例の樹脂組成物に比べて、エポキシ反応
促進剤を含む実施例の樹脂組成物は、ウェルド強度およ
び伸度が大きい。
【0108】実施例17、18および比較例14 前記エポキシ基含有ポリアセタール1(E−POM
1)、ポリアセタール、スチレン−アクリロニトリル−
ブタジエン共重合体(ABS樹脂)(ダイセル化学工業
(株)製、ABS DP611)、酸変性ABS樹脂
(ダイセル化学工業(株)製、ABS DPT651)
およびエポキシ反応促進剤(Cat−1)を表7に示す
割合で用いる以外、前記実施例と同様にして試験片を作
製した。試験片のウエルド強度、ウエルド伸度、曲げ強
度、曲げ弾性率を表7に示す。
【0109】
【表7】 表7より、比較例の樹脂組成物に比べて、エポキシ反応
促進剤を含む実施例の樹脂組成物は、ウエルド強度及び
伸度、曲げ強度及び弾性率が高い。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ基を有するポリアセタール(1
    a)を含む変性ポリアセタール樹脂組成物(1)と、エ
    ポキシ基に対して反応性の官能基を有する樹脂(2)
    と、エポキシ反応促進剤(3)とで構成されているポリ
    アセタール樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 変性ポリアセタール樹脂組成物(1)
    が、エポキシ基を有するポリアセタール(1a)1〜10
    0重量%とポリアセタール(1b)0〜99重量%とで構
    成されている請求項1記載のポリアセタール樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 変性ポリアセタール樹脂組成物(1)と
    エポキシ基に対して反応性の官能基を有する樹脂(2)
    との割合が、前者(1)/後者(2)=50/50〜9
    9/1(重量比)である請求項1記載のポリアセタール
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 エポキシ基を有するポリアセタール(1
    a)が、分子中にエチレン性二重結合とエポキシ基を有
    する重合性化合物の残基がポリアセタール成分に導入さ
    れているエポキシ基含有ポリアセタールである請求項1
    記載のポリアセタール樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 エポキシ基を有するポリアセタール(1
    a)が、ポリアセタール成分に対してエポキシ基を有す
    る重合性化合物の残基が0.1〜30重量%導入されて
    いるエポキシ基含有ポリアセタールである請求項1記載
    のポリアセタール樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 エポキシ基を有するポリアセタール(1
    a)が、ポリアセタール成分に対してエポキシ基を有す
    る重合性化合物の残基が0.2〜25重量%導入されて
    いるエポキシ基含有ポリアセタールである請求項1記載
    のポリアセタール樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 エポキシ基を有する重合性化合物が、1
    分子中に1つのエチレン性二重結合を有し、かつ常圧に
    おける沸点が70℃以上の化合物である請求項4記載の
    ポリアセタール樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 エポキシ基を有する重合性化合物が、式
    (I) 【化1】 (式中、R1は水素原子又はメチル基R2〜R5は同一又
    は異なって水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アル
    コキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシル
    オキシ基を示す。nは0又は1である。)で表される化
    合物である請求項4記載のポリアセタール樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 エポキシ基を有するポリアセタール(1
    a)が、分子中に1つのエチレン性不飽和結合とエポキ
    シ基とを有し、かつ沸点120℃以上の重合性化合物の
    残基が、ポリアセタール成分に対して0.3〜20重量
    %導入されているエポキシ基含有ポリアセタールである
    請求項4記載のポリアセタール樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 エポキシ基に対して反応性の官能基を
    有する樹脂(2)が、オレフィン系ポリマー、ジエン系
    ポリマー、アクリル系ポリマー、スチレン系ポリマー、
    ビニル系ポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリウ
    レタン、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリスルホ
    ン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリ
    アミドイミドおよびコアシェルポリマーからなる群から
    選択され、かつカルボキシル基、酸無水物基、ヒドロキ
    シル基、アミノ基、メルカプト基からなる群から選択さ
    れた少なくとも一種の官能基を有する樹脂である請求項
    1記載のポリアセタール樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 エポキシ基に対して反応性の官能基を
    有する樹脂(2)が、オレフィン系エラストマー、アク
    リル系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエ
    ステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリウ
    レタンエラストマーからなる群から選択され、かつカル
    ボキシル基、酸無水物基、ヒドロキシル基、アミノ基、
    メルカプト基からなる群から選択された少なくとも一種
    の官能基を有するエラストマーである請求項1記載のポ
    リアセタール樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 エポキシ反応促進剤(3)が、第三ア
    ミン類、第四アミン塩、イミダゾール類、フォスフォニ
    ウム塩及び有機金属錯体からなる群から選ばれる少なく
    とも一種の化合物である請求項1記載のポリアセタール
    樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 変性ポリアセタール樹脂組成物(1)
    とエポキシ基に対して反応性の官能基を有する樹脂
    (2)との割合が、成分(1)/成分(2)=50/5
    0〜99/1(重量比)であり、前記成分(1)(2)
    の総量100重量部に対するエポキシ反応促進剤(3)
    の割合が0.01〜2重量部である請求項1記載のポリ
    アセタール樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 エポキシ基を有するポリアセタール
    (1a)1〜100重量%及びポリアセタール(1b)0〜
    99重量%を含む変性ポリアセタール樹脂組成物(1)
    と、エポキシ基に対して反応性の官能基を有する樹脂
    (2)と、第三アミン類、第四アミン塩、イミダゾール
    類、フォスフォニウム塩及び有機金属錯体からなる群か
    ら選ばれる少なくとも一種のエポキシ反応促進剤(3)
    とで構成され、前記成分(1)(2)の割合が、成分
    (1)/成分(2)=50/50〜99/1(重量比)
    であり、前記成分(1)(2)の総量100重量部に対
    する成分(3)の割合が0.01〜2重量部である請求
    項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
  15. 【請求項15】 エポキシ基を有するポリアセタール
    (1a)を含む変性ポリアセタール樹脂組成物(1)と、
    エポキシ基に対して反応性の官能基を有する樹脂(2)
    と、エポキシ反応促進剤(3)とを混合するポリアセタ
    ール樹脂組成物の製造方法。
  16. 【請求項16】 エポキシ基を有するポリアセタール
    (1a)を含む変性ポリアセタール樹脂組成物(1)と、
    エポキシ基に対して反応性の官能基を有する樹脂(2)
    との共存系にエポキシ反応促進剤(3)を添加し、ポリ
    アセタール樹脂組成物の機械的特性を改善する方法。
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JP2012517516A (ja) * 2009-02-11 2012-08-02 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア ディーゼル適用のためのポリオキシメチレン

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