JPH09124661A - ピロリドン環を有する含ケイ素モノマーおよび重合体 - Google Patents

ピロリドン環を有する含ケイ素モノマーおよび重合体

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JPH09124661A
JPH09124661A JP28027395A JP28027395A JPH09124661A JP H09124661 A JPH09124661 A JP H09124661A JP 28027395 A JP28027395 A JP 28027395A JP 28027395 A JP28027395 A JP 28027395A JP H09124661 A JPH09124661 A JP H09124661A
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JP
Japan
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general formula
compound
group
integer
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Application number
JP28027395A
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English (en)
Inventor
Yutaka Nagase
裕 長瀬
Tomoko Akimoto
倫子 秋元
Takao Aoyanagi
隆夫 青柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sagami Chemical Research Institute
Original Assignee
Sagami Chemical Research Institute
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリシロキサンのもつ高い気体透過性を生か
し、充分な膜強度を有し、かつ高い気体透過係数および
分離係数を併せ持つ実用的な膜材料を提供する。 【構成】 下記一般式(I)で表されるピロリドン環を
有する含ケイ素モノマー、および該モノマーから合成さ
れる下記一般式(II)で表される繰り返し単位を少な
くとも1モル%以上含む重合体に関する。 【化1】 (式中、R1〜R6は同一もしくは異なってもよく炭素数
1〜6のアルキル基、Aは単結合または2価の有機基、
Rは水素原子またはメチル基、pは0〜6の整数、nは
0〜30の整数、mは1〜3の整数である。) 【効果】 本発明の重合体は、酸素あるいは二酸化炭素
などの気体の透過係数および分離係数が高い膜材料とし
て特に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピロリドン環を有
する新規な含ケイ素モノマー、および該モノマー単位を
必須構成成分とする重合体に関するものである。本発明
の重合体は、酸素あるいは二酸化炭素などの気体の透過
係数および分離係数が高い膜材料として特に有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】高分子膜を用いる気体分離法は、その省
エネルギー性、安全性および操作の簡便性の故に、急激
に用途が拡大しつつある。その中でも混合気体から酸素
あるいは二酸化炭素を分離する技術、特に空気から酸素
または二酸化炭素を分離、濃縮する技術は有用である。
空気より酸素に富む空気、いわゆる酸素富化空気を簡単
に、かつ経済的に製造できれば、各種燃焼機関、医療用
機器、食品工業、廃棄物処理などの分野に多大な貢献を
すると期待される。また、膜を用いて空気より二酸化炭
素を効率良く分離、濃縮することができれば、近年問題
視されている空気中の二酸化炭素の増加という環境問題
を解決する一手段として期待できる。
【0003】かかる目的に用いる膜材料に望まれる特性
は、酸素あるいは二酸化炭素の透過量が大きいこと、お
よび酸素または二酸化炭素と窒素との透過係数の比が大
きいことである。特に前者は分離装置を小型化し、処理
可能な気体量を増加させる上で重要となる。大きな気体
透過量を得るためには、膜材料として気体透過係数の高
いものを選ぶ必要がある。また、透過量は膜厚に逆比例
するので、膜の厚みをできるだけ薄くする必要がある。
したがって、膜素材としては薄膜化に耐え得るための充
分な膜強度を有することも重要である。
【0004】これまで知られている膜素材のうち、大き
な気体透過係数を有する材料の代表としてポリジメチル
シロキサンを挙げることができる。その酸素透過係数は
約6x10-8 cm3(STP)・cm/cm2・sec・cmHgと高い値であ
るが、酸素と窒素の分離係数は2.0と低い。さらにポ
リジメチルシロキサンからなる膜は機械的強度が小さい
ため、数十μm以下では実際の使用に耐え得る膜とする
ことはできない。このため、充分な気体透過量を有する
膜とすることが難しい。ポリジメチルシロキサンの製膜
性を改善する目的で、ポリジメチルシロキサンとポリカ
ーボネート、ポリーαーメチルスチレン、ポリヒドロキシ
スチレンまたはフェノール樹脂等機械的強度の高いポリ
マーとの共重合体が開発されている(例えば、米国特許
第3980456号、同第3874986号、特開昭5
6−26504号、同56−26506号、同56−2
4019号など)。これらの膜材料は機械的強度が高く
薄膜化が可能で大きな気体透過量が得られるためすでに
実用化されてはいるが、単独では酸素と窒素の分離係数
がいまだ不充分であるなど必ずしも満足する性能とはい
えなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上に述べた
従来の気体分離膜の欠点を解決すべく行なわれたもので
あり、充分な膜強度を有し、かつ高い気体透過係数およ
び分離係数を併せ持つ新規の膜素材を提供するものであ
る。特に、ポリジメチルシロキサンのもつ高い気体透過
性を生かし、高い分離係数を示す新規な分離膜材料を開
発すべく行なわれたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、高い気体
透過係数および分離係数を併せ持つ新規の膜素材を得る
べく鋭意検討した結果、ピロリドン環を有する新規な含
ケイ素モノマーが合成可能であり、それを必須構成成分
とする重合体を用いることにより、前述の目的を達成で
きることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、下記一般式(I)
【0008】
【化3】
【0009】(式中、R1〜R6は同一もしくは異なって
もよく炭素数1〜6のアルキル基、Aは単結合または2
価の有機基、Rは水素原子またはメチル基、pは0〜6
の整数、nは0〜30の整数、mは1〜3の整数であ
る。)で表されるピロリドン環を有する含ケイ素モノマ
ー、および該モノマーを用いて得られる下記一般式(I
I)
【0010】
【化4】
【0011】(式中、R1〜R6は同一もしくは異なって
もよく炭素数1〜6のアルキル基、Aは単結合または2
価の有機基、Rは水素原子またはメチル基、pは0〜6
の整数、nは0〜30の整数、mは1〜3の整数であ
る。)で表される繰り返し単位を少なくとも1モル%以
上含み、数平均分子量が1,000以上の重合体に関す
るものである。
【0012】
【発明の実施の形態】前記一般式(I)および(II)
中R1〜R6で表わされる炭素数1〜6のアルキル基とし
ては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、イソプロピル基、t−ブチル基
等を例示することができる。ただし、上記アルキル基の
うちR2〜R6が炭素数3以下のアルキル基、特にメチル
基であるものが合成のし易さおよびシロキサン成分の特
性を生かす上で好ましい。
【0013】前記一般式(I)および(II)中Aで表
される2価の有機基としては、メチレン基、エチレン
基、トリメチレン基、トリメチレンオキシカルボニル
基、テトラメチレンオキシカルボニル基、フェニレン
基、メチレンフェニレン基、エチレンフェニレン基等を
例示することができる。
【0014】本発明の前記一般式(I)で表わされる含
ケイ素モノマーは、例えば、以下に述べる方法により製
造することができる。すなわち、下記一般式(III)
【0015】
【化5】
【0016】(式中、R1〜R3は同一もしくは異なって
もよく炭素数1〜6のアルキル基、pは0〜6の整数で
ある。)で表されるシラノール化合物と、下記一般式
(IV)
【0017】
【化6】
【0018】(式中、R6は炭素数1〜6のアルキル
基、Aは単結合または2価の有機基、Rは水素原子また
はメチル基、Xはハロゲン原子、mは1〜3の整数であ
る。)で表されるハロシラン化合物との縮合反応によ
り、前記一般式(I)で表される含ケイ素モノマーのう
ちnが0のものを製造することができる。一方、前記一
般式(I)で表される含ケイ素モノマーのうちnが1以
上のものは、前記一般式(III)で表されるシラノー
ル化合物を強塩基と反応させた後、下記一般式(V)
【0019】
【化7】
【0020】(式中、R4およびR5は同一もしくは異な
ってもよく炭素数1〜6のアルキル基である。)で表わ
されるシクロトリシロキサン化合物を反応させ、さら
に、前記一般式(IV)で表されるハロシラン化合物で
反応を停止させることにより製造することができる。
【0021】前記一般式(III)で表わされるシラノ
ール化合物と前記一般式(IV)で表わされるハロシラ
ン化合物との縮合反応においては、ハロゲン化水素が発
生するので、その補足剤としてトリエチルアミン、トリ
ブチルアミン、N,N-ジメチルアニリン、ピリジン等の有
機塩基存在下で行なうことにより好適に反応が進行す
る。この反応は、有機溶媒中で0℃から室温の温度範囲
で行なうことが好ましく、好適に用いられる溶媒として
は、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、n-ヘキ
サン、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等が挙
げられる。さらに、この反応はアルゴンや窒素等の不活
性ガス雰囲気下で行なうのが望ましい。
【0022】また、上記の反応において用いる強塩基と
しては、メチルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチ
ルリチウム、t-ブチルリチウム、フェニルリチウム、リ
チウムジイソプロピルアミド、ビストリメチルシリルリ
チウムアミド等の有機リチウム化合物、水素化ナトリウ
ム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物、ヨウ化
メチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、臭化フ
ェニルマグネシウム等のグリニャール化合物等を例示す
ることができるが、比較的副反応が少ないことから、上
記の有機リチウム化合物が好ましい。これらの強塩基は
通常原料の前記一般式(III)で表されるシラノール
化合物に対してほぼ1当量用いる。反応温度は−80℃
から室温までの比較的低温で行うことが副反応を抑える
点で好ましい。また、本反応は、有機溶媒中で行うのが
好ましくここで用いる溶媒としては、テトラヒドロフラ
ン、ジメトキシエタン、ジオキサン、ベンゼン、トルエ
ン、ヘキサン等が好適に用いられる。さらに、この反応
はアルゴンや窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うのが望
ましい。
【0023】上記の製造方法において、前記一般式
(V)で表されるシクロトリシロキサン化合物との反応
の際にその量を調整することにより、前記一般式(I)
で表わされる含ケイ素モノマーにおけるシロキサン成分
の重合度nをコントロールすることができる。すなわ
ち、この重合度nを1以上とするためには、前記一般式
(V)で表わされるシクロトリシロキサン化合物の量を
開始剤に対して少なくとも1/3当量以上用いることが
必要である。ただし、この場合、前記一般式(I)で表
わされる含ケイ素モノマーは、それぞれシロキサン成分
の重合度nが異なる混合物となるので、実測される重合
度は平均値バーn(1以上の実数)として表わされる。
【0024】本発明の前記一般式(I)で表わされるピ
ロリドン環を有する含ケイ素モノマーを分離膜材料の原
料モノマーとして用いる場合には、その重合度nが得ら
れる分離膜の酸素透過性および膜強度に大きく影響す
る。高い酸素透過性を発現させ、なおかつ十分な膜強度
を持たせるためには、上記の重合度nまたは平均重合度
バーnが0〜30の範囲にあることが望ましく、さらに
は0〜10の範囲にあることがより好ましい。
【0025】上記の製造方法で用いられる前記一般式
(IV)で表されるハロシラン化合物としては、ビニル
ジメチルクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、
ビニルトリクロロシラン、アリルジメチルクロロシラ
ン、アリルメチルジクロロシラン、アリルトリクロロシ
ラン、4-ブテニルジメチルクロロシラン、4-ブテニルメ
チルジクロロシラン、4-ブテニルトリクロロシラン、5-
ペンテニルジメチルクロロシラン、5-ペンテニルメチル
ジクロロシラン、5-ペンテニルトリクロロシラン、3-メ
タクリロキシプロピルジメチルクロロシラン、3-メタク
リロキシプロピルメチルジクロロシラン、3-メタクリロ
キシプロピルトリクロロシラン、3-アクリロキシプロピ
ルジメチルクロロシラン、3-アクリロキシプロピルメチ
ルジクロロシラン、3-アクリロキシプロピルトリクロロ
シラン、4-メタクリロキシブチルジメチルクロロシラ
ン、4-メタクリロキシブチルメチルジクロロシラン、4-
メタクリロキシブチルトリクロロシラン、4-アクリロキ
シブチルジメチルクロロシラン、4-アクリロキシブチル
メチルジクロロシラン、4-アクリロキシブチルトリクロ
ロシラン、4-ビニルフェニルジメチルクロロシラン、4-
ビニルフェニルメチルジクロロシラン、4-ビニルフェニ
ルトリクロロシラン、4-(1-メチルビニル)フェニルジ
メチルクロロシラン、4-(1-メチルビニル)フェニルメ
チルジクロロシラン、4-(1-メチルビニル)フェニルト
リクロロシラン、4-ビニルベンジルジメチルクロロシラ
ン、4-ビニルベンジルメチルジクロロシラン、4-ビニル
ベンジルトリクロロシラン、4-(1-メチルビニル)ベン
ジルジメチルクロロシラン、4-(1-メチルビニル)ベン
ジルメチルジクロロシラン、4-(1-メチルビニル)ベン
ジルトリクロロシラン、2-(4-ビニルフェニル)エチルジ
メチルクロロシラン、2-(4-ビニルフェニル)エチルメチ
ルジクロロシラン、2-(4-ビニルフェニル)エチルトリク
ロロシラン、等を例示することができる。
【0026】上記の製造方法で、シロキサン骨格を形成
するためのモノマーとなる前記一般式(V)で表される
シクロトリシロキサン化合物としては、ヘキサメチルシ
クロトリシロキサン、ヘキサエチルシクロトリシロキサ
ン、ヘキサプロピルシクロトリシロキサン、ヘキサイソ
プロピルシクロトリシロキサン、ヘキサブチルトリシロ
キサン、ヘキサペンチルシクロトリシロキサン、ヘキサ
ヘキシルシクロトリシロキサン、1,3,5-トリメチル-1,
3,5-トリエチルシクロトリシロキサン、1,3,5-トリメチ
ル-1,3,5-トリ-t-ブチルシクロトリシロキサン、1,3,5-
トリメチル-1,3,5-トリプロピルシクロトリシロキサ
ン、1,3,5-トリメチル-1,3,5-トリヘキシルシクロトリ
シロキサン等を例示することができる。また、これらの
シクロトリシロキサン化合物はこの反応に際して2種類
以上の混合物を用いてもよい。
【0027】本発明の含ケイ素モノマーを製造するため
に用いられる前記一般式(III)で表されるシラノー
ル化合物は、例えば、下記一般式(VI)
【0028】
【化8】
【0029】(式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基
である。)で表わされるピロリドン化合物を強塩基と反
応させた後、下記一般式(VII)
【0030】
【化9】
【0031】(式中、R2およびR3は同一もしくは異な
ってもよく炭素数1〜6のアルキル基、Xはハロゲン原
子、pは0〜6の整数である。)で表わされるシラン化
合物と反応させることにより、下記一般式(VIII)
【0032】
【化10】
【0033】(式中、R1〜R3は同一もしくは異なって
もよく炭素数1〜6のアルキル基、pは0〜6の整数で
ある。)で表されるヒドロシラン化合物をまず合成し、
次に、該ヒドロシラン化合物を、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたはリ
ン酸水素ナトリウムなどの無機塩基を含む水溶液と反応
させることにより製造することができる。なお、ここで
用いられる強塩基としては、前述の前記一般式(II
I)で表されるシラノール化合物から前記一般式(I)
で表される含ケイ素モノマーを製造する際に使用される
ものと同様な試薬が例示でき、またこの反応も前述と同
様な温度、有機溶媒中、不活性ガス雰囲気下において好
適に進行する。
【0034】前記一般式(VI)で表されるピロリドン
化合物としては、1-メチル-2-ピロリドン、1-エチル-2-
ピロリドン、1-プロピル-2-ピロリドン、1-ブチル-2-ピ
ロリドン、1-ペンチル-2-ピロリドン、1-ヘキシル-2-ピ
ロリドン、1-イソプロピル-2-ピロリドン、1-t-ブチル-
2-ピロリドン等を例示することができる。
【0035】前記一般式(VII)で表されるシラン化
合物としては、クロロジメチルシラン、クロロメチルジ
メチルシラン、2-クロロエチルジメチルシラン、3-クロ
ロプロピルジメチルシラン、3-ブロモプロピルジメチル
シラン、3-ヨードプロピルジメチルシラン、4-クロロブ
チルジメチルシラン、5-クロロヘキシルジメチルシラ
ン、6-クロロヘキシルジメチルシラン等を例示すること
ができる。
【0036】以上述べた製造方法により得られる前記一
般式(I)で表わされる本発明のピロリドン環を有する
含ケイ素モノマーを単独で、あるいは2種以上混合して
重合させるか、または他のモノマーと共重合させること
により、本発明の前記一般式(II)で表わされる繰り
返し単位を必須構成成分とする重合体を得ることができ
る。共重合し得る他のモノマーとしては、メチルメタク
リレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレ
ート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメタクリレ
ート、t-ブチルメタクリレート、t-アミルメタクリレー
ト、2-エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタク
リレート、シクロヘキシルメタクリレートなどのメタク
リル酸のアルキルエステル、スチレン、α-メチルスチ
レンなどのビニル芳香族化合物、酢酸ビニルなどの脂肪
族カルボン酸のビニルエステル、イタコン酸メチル、ク
ロトン酸メチルなどのイタコン酸またはクロトン酸のア
ルキルエステル、2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレ
ート、2,2,3,3-テトラフルオロプロピルメタクリレー
ト、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルメタクリレー
ト、2,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルメタクリ
レート、2-ヒドロキシ−4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,1
1,11,11-ヘキサフルオロ-10-トルフルオロメタクリレー
トなどのメタクリル酸のフッ素置換アルキルエステル、
あるいはアクリルアミド、アクリロニトリルなどを挙げ
ることができ、これらのうちから1種または2種以上を
混合して使用しても良い。さらに、得られる共重合体の
強度や形状安定性を向上させる目的で、エチレングリコ
ールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタク
リレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、
テトラデカエチレングリコールジメタクリレート、トリ
メチロールプロパントリメタクリレート、1,3-ブタンジ
オールジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジメタク
リレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、1,
9-ノナンジオールジメタクリレート、1,10-デカンジオ
ールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールメタク
リレート、2,2'-ビス[p-(γ-メタクリロキシ-β-ヒド
ロキシプロポキシ)フェニル]プロパン、ジビニルベン
ゼンなどの架橋剤を1種または2種以上混合して使用し
ても良い。
【0037】重合に際しては、ラジカル重合、アニオン
重合、カチオン重合など公知の付加重合法を用いること
ができる。ただし、この場合にはラジカル重合法が最も
簡便な方法として好適に用いられる。ラジカル重合法で
行なう場合は、バルク重合、溶液重合、乳化重合等の公
知の方法を用いることができる。ラジカル重合反応は、
単に加熱するか、可視光または紫外線の照射またはラジ
カル開始剤の添加により開始される。反応に好適に用い
られるラジカル開始剤としては、ジラウロイルペルオキ
シド、ジ-t-ブチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキ
シド、t-ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペル
オキシド等の有機過酸化物あるいはアゾビスイソブチロ
ニトリルやアゾビスシクロヘキサンカルボニトリル等の
アゾ化合物などを例示することができる。この場合のラ
ジカル重合反応に利用できる有機溶媒は、例えば、ベン
ゼン、トルエン、クロロベンゼン、テトラヒドロフラ
ン、クロロホルム、メチルエチルケトン、フルオロベン
ゼン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプ
ロパノール、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチル
アセトアミド等を用いることができるが、これらに限定
されるものではない。反応は、通常40℃〜100℃の
範囲で円滑に進行する。
【0038】このようにして得られる本発明の重合体
は、前記一般式(II)で表わされる繰り返し単位を少
なくとも1モル%以上含むことが必須であるが、得られ
る膜において、高い気体選択透過性および膜強度を達成
するためには5〜50モル%の範囲にあることがより好
ましい。また、このポリマーの数平均分子量は1,00
0以上であり、さらにこのポリマーから膜を作製する場
合にその強度が重要視されるときには、その数平均分子
量が10,000以上であることがより好ましい。
【0039】
【発明の効果】本発明の前記一般式(I)で表わされる
含ケイ素モノマーから誘導される、本発明の前記一般式
(II)で表わされる繰り返し単位を含む重合体は、後
に使用例として述べるように、優れた酸素や二酸化炭素
の選択透過性を示す。したがって、酸素や二酸化炭素を
効率よく分離するための気体分離膜材料として特に有用
である。
【0040】
【実施例】以下、本発明を参考例、実施例、および比較
例によりさらに詳細に説明する。ただし、本発明がこれ
らに限定されるものではないことはもちろんである。
【0041】参考例1
【0042】
【化11】
【0043】無水ジイソプロピルアミン50.0ml(0.356mo
l)を含む無水テトラヒドロフラン溶液400mlを-78℃に冷
却し、n-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.61mol/l)222
ml(0.357mol)を加え、アルゴンガス雰囲気下、1時間攪
拌してリチウムジイソプロピルアミド(LDA)溶液を
調整した。この溶液に、無水1-メチル-2-ピロリドン34.
2ml(0.356mol)を加え、-78℃でさらに2時間攪拌した
後、クロロメチルジメチルシラン38.6g(0.356mol)を加
え、さらに室温にて一晩攪拌した。溶媒を溜去後、ジエ
チルエーテルを加えて析出した塩を濾別し、減圧蒸留に
より精製し、1-メチル-3-(ジメチルヒドロシリルメチ
ル)-2-ピロリドン(1)45.4gを無色透明液体として得
た。(収率:74.3%、沸点:80-82℃/3mmHg)
【0044】1H-NMR δ (CDCl3, ppm); 0.05 (6H, d),
0.58 (1H, m), 1.22 (1H, m), 1.56(1H, m), 2.20 (2
H, m), 2.80 (3H, s), 3.25 (2H, m), 3.91 (1H, m). IR ν (neat, cm-1); 2960, 2900, 2120 (Si-H), 169
0, 1500, 1430, 1400, 1300, 1250 (Si-C), 1075, 890,
840.
【0045】ここで得られたヒドロシラン化合物(1)
20.0g(0.106mol)をメタノール200mlに溶解させ、4mmol/
lの炭酸ナトリウムを含む水溶液80mlをゆっくりと滴下
した。50℃で3時間攪拌後、メタノールを溜去し、ジエ
チルエーテルで抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥後、ジ
エチルエーテルを溜去し、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=1/2 V
ol.)により精製し、1-メチル-3-ジメチルヒドロキシシ
リルメチル-2-ピロリドン(2)8.30gを無色透明液体と
して得た。(収率:38.0%)
【0046】1H-NMR δ (ppm, CDCl3); 0.05 (6H, s),
0.70 (2H, m), 1.60 (1H, m), 2.32(2H, m), 2.57 (3
H, s), 3.28 (2H, m), 5.32 (1H, s). IR ν (neat, cm-1); 3400 (-OH), 2960, 2900, 1670,
1500, 1430, 1400, 1300, 1250 (Si-C), 900, 830.
【0047】実施例1
【0048】
【化12】
【0049】参考例1で得られたシラノール化合物
(2)5.00g(26.7mmol)をアルゴンガス雰囲気下0℃に
て無水テトラヒドロフラン50mlに溶解し、無水トリエチ
ルアミン3.76ml(26.7mmol)を加えた。この溶液に、3-メ
タクリロキシプロピルトリクロロシラン1.77g(6.65mmo
l)をゆっくりと滴下し、さらに室温で12時間撹拌した。
析出塩を濾別後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン/アセトン=1/
1 Vol.)により精製し、上記構造式(3)で表される
ピロリドン環を有する含ケイ素モノマー4.55gを淡黄色
液体として得た。(収率:70.8%)
【0050】1H-NMR δ (ppm, CDCl3); 0.05 (18H,
s), 0.45 (6H, m), 1.20 (2H, dd), 1.62 (3H, m), 1.8
2 (3H, s), 2.18 (8H, m), 2.65 (9H, s), 3.15 (6H,
q), 3.90(2H, t), 5.35 (1H, m), 5.92 (1H, m). IR ν (neat, cm-1); 2980, 2900, 1720 (C=O), 1510,
1430, 1400, 1300, 1260 (Si-C), 1160, 1050 (SiOS
i), 840.
【0051】実施例2
【0052】
【化13】
【0053】無水ジイソプロピルアミン2.5ml(22.0mmo
l)を含む無水テトラヒドロフラン溶液60mlに、n-ブチル
リチウムのヘキサン溶液(1.6mol/l)10ml(16mmol)を加
え、アルゴンガス雰囲気下、-30℃で2時間反応させて
リチウムジイソプロピルアミド(LDA)溶液を調製し
た。この溶液に参考例1で得られたシラノール化合物
(1)3.0g(16.0mmol)をテトラヒドロフラン5mlに溶解
した溶液を加え、同温度でさらに2時間攪拌した。次
に、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)3.56g(1
6.0mmol)を含むテトラヒドロフラン溶液10mlを加え、室
温で12時間撹拌した。その後、3-メタクリロキシプロピ
ルジメチルクロロシラン4.24g(19.2mmol)を加え、さら
に室温で1時間攪拌した。溶媒を溜去後、ジエチルエー
テルを加え析出塩を濾別し、濾液を蒸留水で洗浄した。
ジエチルエーテルを溜去後、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(展開溶媒;ヘキサン/ジエチルエーテル=
1/2 Vol.)により精製し、上記構造式(4)で表さ
れるピロリドン環を有する含ケイ素モノマー5.66gを淡
黄色液体として得た。(収率:59.3%) 得られた化合物
(4)におけるシロキサン成分の平均重合度バーnは、
1H−NMRスペクトルのピーク強度比より2.4と算出さ
れた。
【0054】1H-NMR δ (ppm, CDCl3); 0.05 ((12+6n)
H, s), 0.48 (4H, m), 1.20 (1H, dd), 1.59 (2H, m),
1.87 (3H, s), 2.22 (2H, m), 2.79 (3H, s), 3.19 (2
H, q),4.07 (2H, t), 5.51 (1H, m), 6.08 (1H, m). IR ν (neat, cm-1); 2980, 2900, 1720 (C=O), 1510,
1430, 1400, 1300, 1260 (Si-C), 1165, 1050 (SiOS
i), 840.
【0055】実施例3〜5 実施例1および2で得られたピロリドン環を有する含ケ
イ素モノマー(化合物(3)または(4))およびブチ
ルメタクリレート(BMA)を表1記載の量混合し、テ
トラヒドロフランにそれぞれ溶解し、この溶液にアゾビ
スイソブチロニトリル(AIBN)を加えた。(モノマ
ー濃度;200mmol/l、AIBN濃度;約10mmol/l)この
溶液を充分に凍結脱気した後、60℃にて24時間重合反応
を行なった。反応液を過剰のメタノールに注ぎ込み、得
られた沈澱を回収し室温にて24時間真空乾燥を行なった
ところ、それぞれの重合体を白色粉末として得た。1
−NMRおよびIRスペクトルの結果から、これらの重
合体は下記式(5)(実施例3、4)または(6)(実
施例5、バーn=2.4)で表わされるランダム共重合体
であることを確認した。
【0056】
【化14】
【0057】得られた重合体の収量、組成、数平均分子
量および重量平均分子量はそれぞれ表1に記載した通り
である。なお、これらの重合体の1H−NMRおよびI
Rスペクトルにおいてそれぞれのピーク強度は異なって
いるが化学シフトおよび波数の値はいずれも同様であ
り、以下に示した通りの結果であった。また、表1中の
組成は1H−NMRスペクトルにおけるピーク強度比
(ピロリドン環のN位のメチル基のプロトンピーク(2.7
0ppm)と、エステル結合に直結したメチレン基のプロト
ンピーク(3.92ppm)との比)から、数平均および重量平
均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーに
よりポリスチレン換算値としてそれぞれ求めた。
【0058】
【表1】 表1 ─────────────────────────────────── 実施例 含Siモノマー BMAの 収量 組成x/y 数平均 重量平均 番号 とその量,g 量,g g モル% 分子量 分子量 ─────────────────────────────────── 3 (3),0.400 0.720 0.950 11/89 4.24x104 6.55x104 4 (3),0.400 1.100 1.255 5/95 3.66x104 5.32x104 5 (4),0.600 1.402 1.741 10/90 5.68x104 8.89x104 ───────────────────────────────────
【0059】1H-NMR δ (ppm, CDCl3); 0.08 (s), 0.3
0-1.60 (m), 1.85 (s), 2.20 (m), 2.70 (s), 3.20
(m), 3.92 (t). IR ν (neat, cm-1); 2980, 2900, 1725 (C=O), 1500,
1430, 1400, 1300, 1260 (Si-C), 1160, 1050 (SiOS
i), 840.
【0060】使用例1〜3 上記の実施例3〜5で得られた共重合体約400mgをトル
エン10mlに溶解し、その溶液を水平に静置したテフロン
板上に流延し、ゆっくりと溶媒を蒸発除去したところ膜
厚が80μm前後の丈夫な均質膜が得られた。この膜を気
体透過装置に装着し、高真空圧力法により25℃における
窒素、酸素、および二酸化炭素の透過係数をそれぞれ測
定した。結果を表2に示す。なお、表中比較のためポリ
ブチルメタクリレート(PBMA)膜の透過係数を比較
例として示した。表からわかるように、これらの共重合
体すなわち本発明の重合体から得られる膜は、コモノマ
ー成分の単独重合体膜すなわちPBMA膜に比べ気体透
過係数が向上し、また酸素や二酸化炭素に対する高い選
択性を有する膜材料となることがわかった。
【0061】
【表2】 表2 ─────────────────────────────────── 使用例 用いた 窒素透過係数* 酸素透過係数* 二酸化炭素透過係数* 番号 共重合体 (窒素透過係数との比)(窒素透過係数との比) ─────────────────────────────────── 1 実施例3 5.12x10-10 1.81x10-9 (3.54) 9.46x10-9 (18.5) 2 実施例4 2.85x10-10 1.13x10-9 (3.96) 6.35x10-9 (22.3) 3 実施例5 7.46x10-10 2.25x10-9 (3.02) 1.23x10-8 (16.5) 比較例 PBMA 3.55x10-11 1.22x10-10(3.44) 6.13x10-10(17.3) ─────────────────────────────────── *単位;cm3(STP)・cm/cm2・sec・cmHg.

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1〜R6は同一もしくは異なってもよく炭素数
    1〜6のアルキル基、Aは単結合または2価の有機基、
    Rは水素原子またはメチル基、pは0〜6の整数、nは
    0〜30の整数、mは1〜3の整数である。)で表され
    る、ピロリドン環を有する含ケイ素モノマー。
  2. 【請求項2】 下記一般式(II) 【化2】 (式中、R1〜R6は同一もしくは異なってもよく炭素数
    1〜6のアルキル基、Aは単結合または2価の有機基、
    Rは水素原子またはメチル基、pは0〜6の整数、nは
    0〜30の整数、mは1〜3の整数である。)で表され
    る繰り返し単位を少なくとも1モル%以上含み、数平均
    分子量が1,000以上の重合体。
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