JPH09124493A - 制酸剤及びその製法 - Google Patents

制酸剤及びその製法

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JPH09124493A
JPH09124493A JP7309774A JP30977495A JPH09124493A JP H09124493 A JPH09124493 A JP H09124493A JP 7309774 A JP7309774 A JP 7309774A JP 30977495 A JP30977495 A JP 30977495A JP H09124493 A JPH09124493 A JP H09124493A
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JP
Japan
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antacid
aluminum hydroxide
slurry
hydroxide gel
magnesium hydroxide
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JP7309774A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Machimura
等 町村
Miwako Yoshida
美和子 吉田
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Fuji Chemical Industries Co Ltd
Original Assignee
Fuji Chemical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】酸反応性が速く、制酸力が高く、且つpH3以
上を維持する持続時間が長く、しかも耐老化性に優れた
理想的な制酸剤を得る。 【解決手段】水酸化アルミニウムゲルと水酸化マグネシ
ウムとをスラリー混合し、この混合スラリーを噴霧乾燥
することにより、酸反応性が速く、制酸力が高く、且つ
pH3以上を維持する持続時間が長く、しかも耐老化性
に優れた制酸剤が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は制酸剤及びその製法に関
し、その目的は酸反応性が速く、制酸力が高く、且つp
H3以上を維持する持続時間が長く、しかも耐老化性に
優れた理想的な制酸剤とその製法を提供することを目的
とする。
【0002】
【従来技術】従来より、乾燥水酸化アルミニウムゲル及
び水酸化マグネシウムは、制酸剤として古くよりよく知
られており、酸反応性が高く即効性の期待できる水酸化
マグネシウムと、制酸力が高く且つpH3以上の持続性
に優れた長時間効果が期待できる水酸化アルミニウムゲ
ルとを、併用して使用すれば理想の制酸剤ができるとさ
れている。しかしながら、乾燥水酸化アルミニウムゲル
は、耐老化性に問題があり、製造時の乾燥工程、及び貯
蔵中の特に高温や多湿の条件化では、結晶化が進み急速
に劣化するという欠点があり、実際は我国においてはあ
まり使用されていない。この欠点を改良する方法として
は、炭酸イオンをアルミニウムに結合させて安定化する
方法、或いは、特公平1ー24731号公報に記載され
た乾燥水酸化アルミニウムゲルのアルカリをCa等の2
価イオンで置換して2座配位の炭酸イオンを特定して結
合させ、加水分解を抑制しようとした方法等が例示でき
る。前者の方法は、従来より汎用されている方法で現実
に市販されている乾燥水酸化アルミニウムゲルに採用さ
れているが、実際は炭酸イオンが一座配位の重炭酸イオ
ンとしてアルミニウムと結合しているため結合力が弱
く、耐老化性の悪いものであった。また、後者の方法は
特定して2座配位の炭酸イオンを結合させようとする試
みであったが、実際は2価の金属イオンや炭酸イオンの
含量が増え、その分水酸化アルミニウムの含量が少なく
なり、制酸力が下がるという欠点を有していた。しか
も、この方法は、2価の金属イオンをイオン交換する工
程等があるため工程が煩雑になるという問題もあった。
【0003】
【問題を解決するための手段および作用】上記実状に鑑
み、本発明者らは鋭意検討の結果、水酸化アルミニウム
ゲルと水酸化マグネシウムとをスラリー中で混合し、こ
の混合スラリーを噴霧乾燥して得られる制酸剤が、酸反
応性が速く、制酸力が高く、且つ、pH3以上を維持す
る持続時間が長く、しかも耐老化性に優れた理想的な制
酸剤であることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明に用いる水酸化アルミニウムゲルは、未乾燥で一
度も乾燥されていない水に分散した状態のスラリー又は
ケーキで、乾燥すれば日本薬局方第12版に記載された
乾燥水酸化アルミニウムゲルとなる未乾燥品である。こ
の乾燥水酸化アルミニウムゲルは、定量するとき(Al
23)として50%以上を含むものとして定義づけられ
ている白色の粉体であり、一般的には(Al23)(C
2y・nH2O(0.25≦y≦0.65、2.5<
m<5)で示される炭酸を含有するものである。又、こ
の乾燥水酸化アルミニウムゲルには、主として原料由来
に基づくNa、K、Ca、Mg等の1価及び2価のアル
カリ金属が含有されていることもあるが、本発明ではそ
の制酸活性上は特に問題とならない。しかし、高血圧の
誘因、腎障害の原因等となっているNa、K等は極力少
ない方が好ましい。水酸化マグネシウムは、乾燥品でも
未乾燥の分散液でもよく、日本薬局方外医薬品成分規格
等の医薬用の規格に合致するものであれば特に制限はな
い。本発明に於いては、一度も乾燥に供していない未乾
燥の水酸化アルミニウムゲルを使用することが重要であ
る。即ち、水酸化アルミニウムゲルは、乾燥して乾燥水
酸化アルミニウムゲルとする際、加温条件下で粒子が凝
集することになり、粒子間で加水分解し易い。加水分解
した結果、乾燥水酸化アルミニウムゲルは、結晶化して
酸不溶性の水酸化アルミニウム(例えばギブサイト)に
変化する。
【0004】本発明に使用する水酸化アルミニウムゲル
は、可溶性アルミニウム化合物と、炭酸イオン供給化合
物とを必須の化合物とし、この化合物を水液中でpH5
〜10の条件下で、同時滴下して反応させ、次いで、洗
浄して得ることができる。この際フィルタープレス洗浄
等で得たケーキをスラリーとするのであれば、適宜な量
の水を加え所望の濃度とすればよい。
【0005】上記可溶性アルミニウム化合物としては、
塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウ
ム、アルミニウム金属、硫酸アルミニウムカリウム、臭
化アルミニウム、フッ化アルミニウム、硫酸アルミニウ
ムナトリウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、アルミ
ニウムイソプロポキシド、アルミン酸ナトリウム、アル
ミン酸カリウム等の中から選択された一種又は複数が例
示できる。
【0006】炭酸イオン供給源としては、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウ
ム、尿素、炭酸ガス等の中から選択された一種又は複数
が例示できる。
【0007】この反応では、pH調整剤として、アンモ
ニア、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムなどのアルカリ性物質を使用することができ
る。この反応に於いては、反応温度は30度以下、滞留
時間は20分以下が好ましい。
【0008】本発明に係る制酸剤は、上記水酸化アルミ
ニウムゲルと水酸化マグネシウムとをスラリー混合し、
この混合スラリーを噴霧乾燥することにより得る粒状品
及び/又はこの粒状品を粉砕した粉末品を有効成分とす
る制酸剤である。
【0009】水酸化アルミニウムゲルと水酸化マグネシ
ウムとの混合比は、MgO/Al23のモル比で、2〜
6程度が好ましく、より望ましくは3〜5程度である。
このモル比が2以下であれば、水酸化マグネシウムの量
が少なく酸反応性が劣ると供に、水酸化マグネシウムの
量が少ない為、水酸化アルミニウムゲル同士が凝集し、
加水分解を起こし、結晶化して耐老化性も損なう可能性
が生じる。又、モル比が6を越える範囲であれば、水酸
化マグネシウムの量が多く、乾燥水酸化アルミニウムゲ
ルの量が少ないため、胃内に入った際、高いpHを長時
間持続して、酸分泌反動現象(acid reboun
d)を起こす可能性が極めて高く、人体にとって有害で
ある。
【0010】このスラリーを混合する際、より良く混合
するためには、撹拌処理、コロイドミル処理等行うのが
望ましい。スラリー濃度は、噴霧乾燥ができる濃度であ
れば特に問題はないが、通常は20%〜30%程度が好
ましい。
【0011】これら水酸化アルミニウムゲル及び水酸化
マグネシウムの粒径に関しては、特に制限されるもので
はないが、服用時の舌触りや服用感等の観点からは、よ
り細かいものが好ましく、平均粒径5ミクロン以下のも
のが好ましい。この粒径を細かくする方法としては、混
合スラリーを湿式粉砕する方法が最も簡便且つ迅速な方
法である。この湿式粉砕には転動式、振動式、遊星型の
ボールミル、塔式、撹拌漕型、流通管型、アニュラー型
の媒体撹拌型粉砕機、コロイドミル、高圧ホモジナイザ
ー等の粉砕機を用いることができる。
【0012】このようにして得られた混合スラリーは、
噴霧乾燥法で乾燥される。この噴霧乾燥法は、瞬時に乾
燥できることが特徴であり、本発明の如く熱により劣化
する可能性のある制酸剤にとっては、最も有利な乾燥方
法である。乾燥条件は、スラリー濃度、目的とする乾燥
品の粒度等によって異なるので、これら諸条件に併せて
適宜設定すればよい。噴霧乾燥して得られた粒状品の粒
径は用途に応じて適宜設定でき、特に制限はないが、平
均粒径で20〜300ミクロンが一般的である。この粒
状品は、通常使用される粉砕機、例えば、ピンミル、ハ
ンマーミル等を使用して容易に粉末品にできる。
【0013】上記の製法により得られた本発明の制酸剤
の有効成分は、後記実施例で示す如く、単に乾燥水酸化
アルミニウムゲルと水酸化マグネシウムとを粉末混合し
た制酸剤より、耐老化性に優れた制酸剤となっており、
本発明品は60度、湿度75%開放の虐待条件下でも制
酸度は300近い値を示し、且つpH3以上の持続時間
も100分近い値を示しており、制酸剤が高く且つ長時
間効果を有する有効成分である。一方、比較例である単
なる混合品は、同じ組成を有し、初期の値は本発明品と
同様の値を示すが、虐待条件下では、制酸度は180し
かなく、持続時間も50分以下である。
【0014】本発明に係る制酸剤は、噴霧乾燥してでき
た粒状品、或いはこの粒状品を粉砕した粉末品を有効成
分とするものである。従って、各種剤型、例えば、散
剤、顆粒剤、細粒剤、錠剤、縣濁剤、シロップ等に配合
する場合は、用途、目的に併せて適宜選択して使用する
ことができる。また、本発明於いては、前記有効成分
に、必要に応じて希釈剤、賦形剤、崩壊剤、滑剤等医薬
品一般配合成分、或いは他の有効成分、他の制酸剤等配
合して、本発明に係る制酸剤とすることができる。これ
ら他の配合剤や他の有効成分は、配合に際し、本発明の
有効成分の効果を損なわない限り、特に限定されること
はない。
【0015】
【実施例】以下、本発明をより明確にするため実施例を
示す。 実施例1 20リットルの反応タンクを用い、炭酸ナトリウム、硫
酸アルミニウムを以下の条件で反応させ、水酸化アルミ
ニウムゲルを得た。 炭酸ナトリウム/硫酸アルミニウムのモル比:3.45 滞留時間:20分 反応濃度:3.24W/V% 添加方法:同時添加 次いで、フィルタープレスを用いて、水で20倍洗浄
し、得られたケーキに水を加えて24%スラリーに調整
した。この水酸化アルミニウムゲルスラリーにMgO/
Al23のモル比が3となるように水酸化マグネシウム
(商品名:タテホ化学製HD−5)を添加し、20%ス
ラリーとした。コロイドミル処理して充分に撹拌混合し
た後、ボールミル処理(ダイノーミル 1.4リットル
容量、ジルコニアボール1mm径使用、能力20リット
ル/時間)で湿式粉砕して、平均二次粒子径を2.64
ミクロンとした。この粉砕された混合スラリーを、入口
温度280度、出口温度110度で噴霧乾燥(ニロジャ
パン製 モービルマイナースプレードライ)して、白色
の粒状物を得た。上記粒状物の平均粒径は、40ミクロ
ンであった。その粒状物の組成分析の結果は以下に示す
とおりであった。 乾燥水酸化アルミニウムゲル(Al23:55.2%)51.1%、 水酸化マグネシウム (MgO :69.1%)48.9%。
【0016】比較例1 実施例1と同様にして、水酸化アルミニウムゲルを反
応、洗浄湿式粉砕した。この水酸化アルミニウムゲルを
実施例1と同様の条件で噴霧乾燥して、乾燥水酸化アル
ミニウムゲルを得た。次いで、この乾燥水酸化アルミニ
ウムゲルと水酸化マグネシウムとをMgO/Al23
モル比が3となるように混合して、白色の粉体を得た。
その粉体の組成分析の結果は以下に示すとおりであっ
た。 乾燥水酸化アルミニウムゲル(Al23:55.2%)51.2%、 水酸化マグネシウム (MgO :69.1%)48.8%。
【0017】試験例1 上記実施例1及び比較例1で得られた試料を用いて、フ
ックステスト、制酸力テスト、耐老化性テストを行っ
た。また、実施例1と比較例1の試料が化学的に同様の
ものであることを確認するためにX線分析を行った。
【0018】フックステストのチャートを図1(老化テ
スト前)、図2(老化テスト後)、測定結果を表1に記
す、制酸力テストの結果を図3、X線チャートを図4に
それぞれ記す。
【0019】1.フックステスト (手順1)0.1N-塩酸溶液(f=1.00)50ml
の入ったビーカーを恒温槽(37土2℃)に浸し,撹拌
子(300回転/分)で撹拌する。 (手順2)試料1gを投入し、直ちにpHメーター接続
の自記記録計、ストップウオッチを作動する。 (手順3)pH3.0とpH3.5に到達する時間を記
録する。 (手順4)作動してから正確に10分後、0.1N−塩
酸溶液を2mlをマイクロポンプでビーカーに注加す
る。 (手順5)pH3.0とpH3.5の持続時間を記録す
る。
【0020】2.制酸力テスト 各試料0.2gを精密に量り、共栓フラスコに入れ、
0.1N塩酸100mlを正確に加え、密栓して37±
2℃で1時間振り混ぜた後、濾過する。濾液50mlを
正確に量り、過量の塩酸を0.1N水酸化ナトリウム液
で、pH3.5になるまで、よくかき混ぜながら滴定す
る。0.1N水酸化ナトリウム液の滴定量から試料に消
費された0.1塩酸の量を求める。試料1g当たりに消
費された0.1N塩酸量を制酸度とする。
【0021】3.耐老化性テスト 試料を飽和食塩水を入れたデシケーターに入れ60℃で
7日間放置する。耐老化性はこの老化条件を経た後の試
料について上記1のフックステスト及び上記2の制酸力
テストを行うことにより測定する。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】本発明の制酸剤は、水酸化アルミニウム
ゲルと水酸化マグネシウムとをスラリー混合し、この混
合スラリーを噴霧乾燥することにより得られる。この制
酸剤は、酸反応性が速く、制酸力が高く、且つpH3以
上を維持する持続時間が長く、しかも耐老化性に優れた
理想的な制酸剤であり、医薬産業上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】フックステストのチャート(老化テスト前)
【図2】フックステストのチャート(老化テスト後)
【図3】制酸力テストの結果
【図4】X線チャート

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水酸化アルミニウムゲルと水酸化マグネシ
    ウムとをスラリー混合し、この混合スラリーを噴霧乾燥
    して得られる粒状品を有効成分として含有することを特
    徴とする制酸剤。
  2. 【請求項2】前記水酸化アルミニウムゲルと水酸化マグ
    ネシウムとの乾燥前の二次粒子径が、それぞれ5ミクロ
    ン以下であることを特徴とする請求項1記載の制酸剤。
  3. 【請求項3】前記水酸化アルミニウムゲルと水酸化マグ
    ネシウムとのモル比がMgO/Al23で2〜6である
    ことを特徴とする請求項1記載の制酸剤。
  4. 【請求項4】水酸化アルミニウムゲルと水酸化マグネシ
    ウムとをスラリー混合し、この混合スラリーを噴霧乾燥
    して得られる請求項1記載の制酸剤の製法。
  5. 【請求項5】水酸化アルミニウムゲルと水酸化マグネシ
    ウムとをスラリー混合し、この混合スラりーを湿式粉砕
    して、二次粒子の粒径を5ミクロン以下にしてから噴霧
    乾燥して得られる請求項2記載の制酸剤の製法。
  6. 【請求項6】水酸化アルミニウムゲルと水酸化マグネシ
    ウムとをスラリー混合し、この混合スラリーを噴霧乾燥
    して得られる粒状品を粉砕した粉末品を有効成分として
    含有することを特徴とする制酸剤。
JP7309774A 1995-11-02 1995-11-02 制酸剤及びその製法 Pending JPH09124493A (ja)

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