JPH09123326A - 制振・遮音シート - Google Patents

制振・遮音シート

Info

Publication number
JPH09123326A
JPH09123326A JP6440696A JP6440696A JPH09123326A JP H09123326 A JPH09123326 A JP H09123326A JP 6440696 A JP6440696 A JP 6440696A JP 6440696 A JP6440696 A JP 6440696A JP H09123326 A JPH09123326 A JP H09123326A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sound
damping
vibration
insulating sheet
sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6440696A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirobumi Omura
博文 尾村
Kazuhiro Omori
一弘 大森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP6440696A priority Critical patent/JPH09123326A/ja
Publication of JPH09123326A publication Critical patent/JPH09123326A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Building Environments (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな制振・遮音効果が得られ、且つ500
Hz以上の高い周波数領域でも減衰効果が低下しない制
振・遮音シートを提供する。 【解決手段】 フィラーと、アスファルトからなるバイ
ンダーとを混練してシート状に形成した基材1aの一面
に連続気泡発泡体1cを積層する。また、他面に保護層
1bをさらに積層してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制振・遮音シート
に関する。さらに詳しくは、住宅の床等に使用して振動
や騒音を防止する制振・遮音シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の制振・遮音シートとしては、例え
ば、熱可塑性樹脂、ゴム、アスファルト等の粘結材(バ
インダー)と、砂鉄、スラグ、鉄粉等の骨材とを混練し
てシート状に加工し、その表面に緩衝層として不織布を
積層したものがある(例えば、特公平4−65777号
公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の制振・遮音シートにおいては、積層された不織布の
目付量が小さくなると緩衝効果も小さく、目付量が大き
くなると住宅の床を構成するパーチクルボードやフロー
リングと接着する際に接着剤が不織布に吸収されて硬化
し、緩衝効果が低下するという問題があった。また、目
付量の大きい不織布を緩衝層として用いても、500H
z以上の高い周波数領域での減衰効果が小さいという問
題点もあった。さらに、従来の制振・遮音シートの構成
材料は原料単価が高く、特にゴム等を用いると成形加工
費も高価になるという問題があった。
【0004】本発明は、大きな制振・遮音効果が得ら
れ、且つ500Hz以上の高い周波数領域でも減衰効果
が低下しない制振・遮音シートを提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
制振・遮音シートは、フィラーと、アスファルトからな
るバインダーとを含有するシート状の基材の一面に連続
気泡発泡体が積層された積層体から形成されることを特
徴とする。
【0006】本発明の請求項2記載の制振・遮音シート
は、請求項1記載の制振・遮音シートにおいて、フィラ
ーと、アスファルトからなるバインダーとを含有するシ
ート状の基材の一面に連続気泡発泡体が積層された積層
体の少なくとも一面に、保護層が積層されていることを
特徴とする。
【0007】本発明の請求項3記載の制振・遮音シート
は、請求項1又は請求項2記載の制振・遮音シートにお
いて、基材が、フィラー90〜65重量%と、アスファ
ルトからなるバインダー10〜35重量%とを含有して
いることを特徴とする。
【0008】本発明の請求項4記載の制振・遮音シート
は、請求項1、請求項2又は請求項3記載の制振・遮音
シートにおいて、フィラーが、酸化鉄を主成分とする比
重4.5〜5.5の酸化鉄系フィラーと、軽金属の炭酸
塩又は水酸化物からなる比重2.0〜3.0の軽金属系
フィラーとの混合物であり、シート全体の総比重が2.
5〜5.5であることを特徴とする。
【0009】本発明の請求項5記載の制振・遮音シート
は、請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4記載の
制振・遮音シートにおいて、連続気泡発泡体が、ポリ塩
化ビニル、ビニロン、ナイロン、フェノール樹脂、フッ
素樹脂、ポリエチレン、ポリウレタン及びユリア樹脂か
らなる群より選ばれる1種以上からなることを特徴とす
る。
【0010】本発明の請求項6記載の制振・遮音シート
は、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5記載の
制振・遮音シートにおいて、連続気泡発泡体が、ポリ塩
化ビニル、ビニロン、ナイロン、フェノール樹脂、フッ
素樹脂、ポリエチレン、ポリウレタン及びユリア樹脂か
らなる群より選ばれる1種以上からなり、保護層が、不
織布からなることを特徴とする。
【0011】本発明の請求項7記載の制振・遮音シート
は、請求項6記載の制振・遮音シートにおいて、不織布
が、ポリエステル、ポリエチレン、レーヨン及びガラス
からなる群より選ばれる1種以上からなることを特徴と
する。
【0012】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0013】本発明で用いられるシート状の基材は、基
本的にはフィラーとバインダーとしてのアスファルトと
から構成される。
【0014】上記フィラーとしては、鉄鉱石が微粉状に
破砕されたものや、鉄の製鋼、圧延、表面処理工程で発
生する転炉スラグ、圧延スケール、酸洗スケール、BF
鋳床スケール、砂鉄等が挙げられる。これらの中でも、
特に比重が高い鉄鉱石微粉、酸洗スケール、BF鋳床ス
ケールが好適である。これらは、酸化鉄を主成分とする
比重4.5〜5.5のものである。また、フィラーの形
状としては、特に限定されるものではなく、繊維状、球
状、粒状、フレーク状等様々な形状のものを用いること
ができる。形状が粒状の場合は、その粒径は、5〜10
0μmが好ましい。
【0015】上記酸化鉄系フィラーとともに、比重2.
0〜3.0の軽金属の炭酸塩又は水酸化物を併用する
と、シート状の基材の剛性及び密度を向上させることが
できる。併用される比重2.0〜3.0の軽金属の炭酸
塩又は水酸化物としては、例えば、炭酸カルシウム、水
酸化マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等が
挙げられ、これらの中でも炭酸カルシウム、水酸化マグ
ネシウムが好適に用いられる。また、これらの粒径は2
〜60μmが好ましい。
【0016】上記バインダーとしてはアスファルトが用
いられる。アスファルトとしては、例えば、天然アスフ
ァルト、ストレートアスファルト、ブローンアスファル
ト、カットバックアスファルト等の石油アスファルトを
使用することができる。これらの中でも、ストレートア
スファルト又はブローンアスファルトのいずれか一種単
独又はこれら二種以上の混合物が好適に用いられる。
【0017】上記ストレートアスファルトは、主にアス
ファルト基原油の常圧蒸留後に得られる残渣のことであ
り、伸度、粘着力、防水性等が大きく、道路舗装に多く
用いられる。また、上記ブローンアスファルトは、半ア
スファルト基原油の蒸留残渣に熱い状態で空気を吹き込
み、酸化重合させて得られるものであり、軟化点が高
く、弾性が大きい等の特徴がある。
【0018】上記フィラーとバインダーとの配合比は、
90〜65重量%:10〜35重量%が好ましい。フィ
ラーが65重量%未満の場合はシート状の基材の面密度
が小さくなり、制振・遮音性が低下する。一方90重量
%を超える場合はバインダー量が少なくなり過ぎ、シー
ト状の基材の機械的強度、伸び等が不足すると共に成形
加工性も悪くなる。なお、床の制振・遮音に用いる場合
のフィラーとバインダーの配合比は、特に88〜75重
量%:12〜25重量%が好適である。
【0019】上記バインダーであるアスファルトには、
補助バインダーが添加されてもよい。上記補助バインダ
ーとしては、例えば、塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリウレタン等の合成
樹脂;ブチルゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴ
ム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブ
タジエンゴム等の合成ゴム系樹脂の他、ロジン樹脂、テ
ルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、フェノール樹
脂、石油樹脂などが挙げられる。これらは単独で使用さ
れても、二種以上が併用されてもよい。
【0020】上記補助バインダーの中で、特に、ロジン
樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、フェノ
ール樹脂及び石油樹脂はアスファルトとの親和性が高
く、同時に樹脂の分子量や軟化点等を変えることによ
り、損失係数のピーク値を0〜60℃の範囲で変化させ
ることが可能となる。
【0021】また、補助バインダーとして用いられる上
記石油樹脂等は、フィラーとアスファルトとの親和性を
高める効果があり、バインダーとしてアスファルトを単
独使用する場合に比べて、フィラーの充填率を高めるこ
とが可能となる。さらに、石油樹脂等の添加により、シ
ート状の基材の成形加工時の溶融粘度が低下し、成形加
工性を向上させることができる。
【0022】上記石油樹脂としては、石油ナフサ等の熱
分解により副産物として生成する不飽和炭化水素を含む
留分を重合させて樹脂化したものであり、石油ナフサの
熱分解で生成するペンテン類、イソプレン、ピペリン等
を含むC5 留分を共重合して得られる脂肪族系石油樹
脂、C9 留分を主成分として重合した芳香族系石油樹脂
及びジシクロペンタジエン系石油樹脂等が挙げられ、こ
れらは単独で使用されても、二種以上が併用されてもよ
い。
【0023】上記石油樹脂の添加量は、少なくなるとフ
ィラーとアスファルトの混合物を溶融混練してシート状
の基材を成形加工するする際に粘度が高くなって成形加
工性が悪くなり、多くなるとシート状の基材の面密度が
低下し臭気が増すので、フィラーとアスファルトの混合
物100重量部に対して1〜10重量部が好ましく、よ
り好ましくは2〜6.5重量部である。
【0024】上記基材には、繊維状物質を含有させても
よい。この繊維状物質は、本発明の制振・遮音シートの
強度を向上させるばかりでなく、運搬・取扱い時の破
損、折れ、形崩れ等を防止する。
【0025】上記繊維状物質としては、天然繊維と人造
繊維とがあり、人造繊維の中でも多くの種類があるのは
合成繊維である。合成繊維の中には、重縮合系としてポ
リアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリ尿
素系等の合成繊維;高重合系としてアクリル系、ポリオ
レフィン系、ポリスチレン系、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン系、ポリフッ化エチレン系、ポリアクリロ
ニトリル系、ポリビニルアルコール系、ポリシアン化ビ
ニリデン系、ポリプロピレン系等の合成繊維などが挙げ
られる。
【0026】また、ポリアクリロニトリルやレーヨン等
の有機繊維や精製した石油ピッチを防糸して造った繊維
を不活性気体中で熱処理、炭化して造った炭化繊維;溶
融ガラスを高速で引き伸ばして繊維状に加工したガラス
繊維が挙げられる。
【0027】上記繊維状物質の形状としては、特に制約
はないが、直径は0.01〜0.5mmが好ましく、長
さは1〜50mmが好ましく、より好ましくは3〜15
mmである。
【0028】上記繊維状物質の添加量は、少なくなると
制振・遮音シートの強度を向上させる効果が発現せず、
多くなると基材中の繊維状物質が多すぎて抵抗が大き
く、カットが難かしくなったり、カットできなくなるの
で、全基材成分の0.1〜3重量%が好ましい。
【0029】本発明の制振・遮音シートは、シート状の
基材の一面に連続気泡発泡体が積層された積層体から形
成される。上記連続気泡発泡体は緩衝層として用いら
れ、その材質としては、ポリ塩化ビニル、ビニロン、ナ
イロン、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレン、
ポリウレタン、ユリア樹脂等を用いることができる。特
に、これらの中でもポリウレタンが好ましい。上記連続
気泡発泡体の発泡倍率は10〜50倍が好ましい。
【0030】上記制振・遮音シートにおいて、シート状
の基材の一面に連続気泡発泡体が積層された積層体の、
基材側もしくは連続気泡発泡体側のいずれか一面、又は
その両面に保護層が積層されてもよい。
【0031】上記緩衝層として用いられる連続気泡発泡
体は、表面の耐擦傷性や発泡体自体の機械的強度が不足
することがあるため、運搬輸送時や施工時に連続気泡発
泡体の損傷や破れが発生し、上記制振・遮音シートの緩
衝効果が低下し易くなる。しかし、上記保護層が、積層
体の連続気泡発泡体側に積層されることにより、連続気
泡発泡体の損傷や破れを防止することができる。
【0032】また、上記制振・遮音シートを床材と接着
する際に、連続気泡発泡体は接着剤によって含浸される
ため緩衝効果が低下することがあり、上記保護層はこの
ような緩衝効果の低下をも防止することができる。
【0033】さらに、上記保護層が基材側に積層された
場合は、激しい衝撃によって基材が割れたり、欠けたり
するのが防止されると共に、上記制振・遮音シートの機
械的強度を向上させることができる。
【0034】上記基材と連続気泡発泡体との積層や、上
記保護層と基材又は連続気泡発泡体との積層には、例え
ば、溶剤型ゴム系等の接着剤が使用される。
【0035】上記保護層としては、天然繊維、合成繊維
あるいは糸状の金属などを織ったり編んだりして作った
面状のものや、それらと逆に、同様の材料を織ったり編
んだりする工程によらず作られた面状製品である不織布
あるいは高分子化合物をシート状やメッシュ状に成形し
たもの、金属のシート状のものなどが挙げられる。シー
ト状のものには、必要に応じて、スプリット加工やパン
チング加工などの後加工が施されてもよい。
【0036】上記不織布の材質としては、ポリエステ
ル、ポリエチレン、レーヨン又はガラスのうちのいずれ
か一種単独又は二種以上の混合物が使用され、これらの
中ではポリエステル、ポリエチレン、レーヨンが好適で
ある。その目付量としては、30〜50g/m2 のもの
が床材との接着に好適である。
【0037】(作用)本発明の制振・遮音シートは、連
続気泡発泡体を緩衝層として用いて基材と一体化したも
のであり、これを住宅の床に適用した場合、500Hz
以上の高い周波数領域での振動や音の有効な減衰効果が
得られる。即ち、柔らかい連続気泡発泡体の緩衝層によ
り、空気伝搬音の吸音、固体伝搬音の制振が図られ、鉄
/アスファルト系の基材層により質量を増し、剛性を高
め、固体伝搬音の防振を図ることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について詳
述する。なお、本発明はこれら実施例に何ら限定される
ものではなく、種々の変更が可能である。
【0039】(実施例1)本実施例の制振・遮音シート
1は、図1に示すように、粒径30μmの酸洗スケール
(比重5.1)からなる酸化鉄系フィラーを65重量
%、粒径10μmの炭酸カルシウム(比重2.7)から
なる軽金属系フィラーを20重量%及びバインダーとし
てブローンアスファルト15重量%を加熱混練して製膜
した厚さ4mmのシート状の基材1aの片面に、保護層
として目付量50g/m2 のポリエステルの不織布1b
を溶剤ゴム系接着剤で接着し、他面には、緩衝層とし
て、スキン層を両面に有する厚み2mmのポリウレタン
の45倍発泡の連続気泡発泡体1cを溶剤ゴム系接着剤
で接着したものである。この制振・遮音シートの厚み及
び面密度を表1に示した。
【0040】このように構成された厚み6mmの制振・
遮音シートを、ユニット式2バイ4住宅(積水化学工業
社製「セキスイツーユーホーム」)の二階床に適応した
場合の構成を図2に示す。すなわち、制振・遮音シート
1を連続気泡発泡体1cが上面となるように配置し、そ
の上面に厚さ6mmの乱尺フローリング材2を、下面
(不織布1b側)に厚さ20mmのパーチクルボード3
を敷いて相互に接着した。それぞれの接着には酢酸ビニ
ルペースト系接着剤(積水化学工業社製「エスダイン床
タイル用接着剤」)を用いた。この三層構造の床材を床
根太4上に固定した。なお、床根太4と床根太4の間に
は吸音材5を配置した。
【0041】上述のように構成した住宅において、タッ
ピングマシンを使用してJIS A1418に準拠した
測定方法により軽量床衝撃音レベルを測定し、JIS
A1419に準拠した遮音等級により判定し、その結果
を図3に示した。
【0042】(実施例2)酸化鉄系フィラーとしてBF
鋳床スケールを用いたこと以外は、実施例1と同様にし
て制振・遮音シートを作製した。得られた制振・遮音シ
ートの厚み及び面密度を表1に示した。この制振・遮音
シートを用いて実施例1と同様に住宅の二階床構造を造
り、同様の測定方法及び遮音等級により軽量床衝撃音レ
ベルを測定し、その結果を図4に示した。
【0043】(実施例3)BF鋳床スケールからなる酸
化鉄系フィラーを80重量%及びバインダーとしてのブ
ローンアスファルト20重量%を加熱混練し、厚み4m
mのシート状の基材を製膜した。以後、実施例1と同様
にして制振・遮音シートを作製した。得られた制振・遮
音シートの厚み及び面密度を表1に示した。このシート
を用いて実施例1と同様に住宅の二階床構造を造り、同
様の測定方法及び遮音等級により軽量床衝撃音レベルを
測定し、その結果を図5に示した。
【0044】(実施例4)実施例1と同様にして得られ
た厚さ4mmのシート状基材1aの片面に、緩衝層とし
てスキン層を両面に有する厚さ2mmのポリウレタンの
45倍発泡、連続気泡発泡体1cを溶剤型ゴム系接着剤
で接着し、連続気泡発泡体1cの他面に、保護層として
目付量50g/m2 のポリエステル不織布1bを溶剤型
ゴム系接着剤で接着し、制振・遮音シートを得た。得ら
れた制振・遮音シートの厚み及び面密度を表1に示し
た。この制振・遮音シートを用いて実施例1と同様に住
宅の二階床構造を造り、同様の測定方法及び遮音等級に
より軽量床衝撃音レベルを測定し、その結果を図6に示
した。
【0045】(実施例5)粒径30μmの酸洗スケール
(比重5.1)からなる酸化鉄系フィラー65重量%、
粒径10μmの炭酸カルシウム(比重2.7)からなる
軽金属系フィラー20重量%、バインダーとしてブロー
ンアスファルト13重量%及び補助バインダーとして芳
香族系石油樹脂(軟化点100℃)2重量%を加熱混練
して、厚さ4mmのシート状の基材を得たこと以外は、
実施例1と同様にして制振・遮音シートを得た。この制
振・遮音シートの厚み及び面密度を表1に示した。この
制振・遮音シートを用いて実施例1と同様に住宅の二階
床構造を造り、同様の測定方法及び遮音等級により軽量
床衝撃音レベルを測定し、その結果を図7に示した。
【0046】(実施例6)実施例1の全基材成分100
重量部に対して、さらにポリエステル系繊維状物質(直
径0.3mm、長さ5mm)1重量部添加したこと以外
は、実施例1と同様にして制振・遮音シートを得た。こ
の制振・遮音シートの厚み及び面密度を表1に示した。
この制振・遮音シートを用いて実施例1と同様に住宅の
二階床構造を造り、同様の測定方法及び遮音等級により
軽量床衝撃音レベルを測定し、その結果を図8に示し
た。
【0047】(比較例1)緩衝層として連続気泡発泡体
の代わりに目付量150g/m2 の不織布を使用したこ
と以外は、実施例1と同様にして制振・遮音シートを作
製した。得られた制振・遮音シートの厚み及び面密度を
表1に示した。この制振・遮音シートを用いて実施例1
と同様に住宅の二階床構造を造り、同様の測定方法及び
遮音等級により軽量床衝撃音レベルを測定し、その結果
を図9に示した。
【0048】(比較例2)実施例1と同じシート状の基
材を用いて、連続気泡発泡体からなる緩衝層を設けない
制振・遮音シートを作製した。得られた制振・遮音シー
トの厚み及び面密度を表1に示した。この制振・遮音シ
ートを用いて実施例1と同様に住宅の二階床構造を造
り、同様の測定方法及び遮音等級により軽量床衝撃音レ
ベルを測定し、その結果を図10に示した。
【0049】(比較例3)制振・遮音シートを使用しな
いで住宅の二階床構造を造り、実施例1と同様の測定方
法及び遮音等級により軽量床衝撃音レベルを測定し、そ
の結果を図11に示した。
【0050】
【表1】
【0051】以上を比較して分かるように、実施例1〜
6はいずれもL−65のレベルを達成し、個建ての木造
系住宅では十分な床衝撃音レベルに関する遮音等級であ
る。また、同じL−65等級の比較例1と比較しても、
500Hz以上の周波数域での特性が連続気泡発泡体を
積層した実施例1〜6の方が比較例1よりも優れてい
る。
【0052】また、保護層を連続気泡発泡体の表面に設
けた実施例4は、接着剤の含浸防止効果により、さらに
500Hz以上の周波数域での性能が優れていることが
分かる。実施例5では、補助バインダーである石油樹脂
を、実施例6では繊維状物質をそれぞれシート状の基材
中に添加しているが、いずれも遮音等級に影響なく問題
のないレベルであった。なお、比較例2はL−65のレ
ベルに達しておらず、比較例3はL−75のレベルに留
まっている。
【0053】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の制振・遮音
シートは緩衝層として連続気泡発泡体を用いたことによ
り大きな制振・遮音効果が得られ、且つ500Hz以上
の高い周波数領域でも有効な減衰効果が低下しない。ま
た、基材の原料として、鉄の製鋼、圧延、表面処理等の
処理工程で発生する非常に安価なスケール類を用いたこ
とにより、製造原価を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制振・遮音シートの一実施例を示す断
面図である。
【図2】実施例1の制振・遮音シートをユニット式2バ
イ4住宅の床に適応した状態図を示す。
【図3】実施例1の制振・遮音シートをユニット式2バ
イ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベ
ルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図
である。
【図4】実施例2の制振・遮音シートをユニット式2バ
イ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベ
ルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図
である。
【図5】実施例3の制振・遮音シートをユニット式2バ
イ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベ
ルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図
である。
【図6】実施例4の制振・遮音シートをユニット式2バ
イ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベ
ルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図
である。
【図7】実施例5の制振・遮音シートをユニット式2バ
イ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベ
ルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図
である。
【図8】実施例6の制振・遮音シートをユニット式2バ
イ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベ
ルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図
である。
【図9】比較例1の制振・遮音シートをユニット式2バ
イ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベ
ルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図
である。
【図10】比較例2の制振・遮音シートをユニット式2バ
イ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベ
ルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図
である。
【図11】比較例3の制振・遮音シートをユニット式2バ
イ4住宅の床に適応した場合における軽量床衝撃音レベ
ルのオクターブ帯域中心周波数に対する特性を示す線図
である。
【符号の説明】
1 制振・遮音シート 1a 基材 1b 保護層(不織布) 1c 連続気泡発泡体 2 乱尺フローリング材 3 パーチクルボード 4 床根太 5 吸音材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィラーと、アスファルトからなるバイ
    ンダーとを含有するシート状の基材の一面に連続気泡発
    泡体が積層された積層体から形成されていることを特徴
    とする制振・遮音シート。
  2. 【請求項2】 フィラーと、アスファルトからなるバイ
    ンダーとを含有するシート状の基材の一面に連続気泡発
    泡体が積層された積層体の少なくとも一面に、保護層が
    積層されていることを特徴とする請求項1記載の制振・
    遮音シート。
  3. 【請求項3】 基材が、フィラー90〜65重量%と、
    アスファルトからなるバインダー10〜35重量%とを
    含有していることを特徴とする請求項1又は請求項2記
    載の制振・遮音シート。
  4. 【請求項4】 フィラーが、酸化鉄を主成分とする比重
    4.5〜5.5の酸化鉄系フィラーと、軽金属の炭酸塩
    又は水酸化物からなる比重2.0〜3.0の軽金属系フ
    ィラーとの混合物であり、シート全体の総比重が2.5
    〜5.5であることを特徴とする請求項1、請求項2又
    は請求項3記載の制振・遮音シート。
  5. 【請求項5】 連続気泡発泡体が、ポリ塩化ビニル、ビ
    ニロン、ナイロン、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリ
    エチレン、ポリウレタン及びユリア樹脂からなる群より
    選ばれる1種以上からなることを特徴とする請求項1、
    請求項2、請求項3又は請求項4記載の制振・遮音シー
    ト。
  6. 【請求項6】 連続気泡発泡体が、ポリ塩化ビニル、ビ
    ニロン、ナイロン、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリ
    エチレン、ポリウレタン及びユリア樹脂からなる群より
    選ばれる1種以上からなり、保護層が、不織布からなる
    ことを特徴とする請求項2、請求項3、請求項4又は請
    求項5記載の制振・遮音シート。
  7. 【請求項7】 不織布が、ポリエステル、ポリエチレ
    ン、レーヨン及びガラスからなる群より選ばれる1種以
    上からなることを特徴とする請求項6記載の制振・遮音
    シート。
JP6440696A 1995-08-25 1996-03-21 制振・遮音シート Pending JPH09123326A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6440696A JPH09123326A (ja) 1995-08-25 1996-03-21 制振・遮音シート

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-217504 1995-08-25
JP21750495 1995-08-25
JP6440696A JPH09123326A (ja) 1995-08-25 1996-03-21 制振・遮音シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09123326A true JPH09123326A (ja) 1997-05-13

Family

ID=26405520

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6440696A Pending JPH09123326A (ja) 1995-08-25 1996-03-21 制振・遮音シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09123326A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003074135A (ja) * 2001-09-03 2003-03-12 Shizuoka Rekisei Kogyo Kk 制振遮音シート
JP2007015292A (ja) * 2005-07-08 2007-01-25 Sekisui Chem Co Ltd 制振材
JP2012062710A (ja) * 2010-09-17 2012-03-29 Three M Innovative Properties Co 防音シート
CN103774833A (zh) * 2014-01-23 2014-05-07 浙江润阳新材料科技有限公司 一种隔音地垫
JP2020002541A (ja) * 2018-06-25 2020-01-09 大和ハウス工業株式会社 建物の天井構造

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003074135A (ja) * 2001-09-03 2003-03-12 Shizuoka Rekisei Kogyo Kk 制振遮音シート
JP2007015292A (ja) * 2005-07-08 2007-01-25 Sekisui Chem Co Ltd 制振材
JP2012062710A (ja) * 2010-09-17 2012-03-29 Three M Innovative Properties Co 防音シート
CN103774833A (zh) * 2014-01-23 2014-05-07 浙江润阳新材料科技有限公司 一种隔音地垫
JP2020002541A (ja) * 2018-06-25 2020-01-09 大和ハウス工業株式会社 建物の天井構造

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3304264B2 (ja) 自動車用車体パネルインシュレータ
US7041377B2 (en) Resin composition for vibration-damping material, vibration-damping material, and sound-insulating member
JPS623438B2 (ja)
KR100950602B1 (ko) 자동차 내장용 방음재
CA2505891A1 (en) Ultralight trim composite
WO1995009082A1 (en) Sound attenuation composite and method for forming same
KR100839203B1 (ko) 공동주택의 층간 진동 감쇠용 점탄성 조성물을 이용한 시트및 블록
CN1726133A (zh) 制备弹性汽车内层材料和结构板的方法及此方法制备的产品
JPH09123326A (ja) 制振・遮音シート
KR0156348B1 (ko) 건축용 다기능 적층재조성물 및 그에 의한 적층재
JPH07219556A (ja) 自動車用遮音材及びその製造方法
JP2735812B2 (ja) 制振・遮音シート
JPH0929873A (ja) 制振・遮音シート
JP2000202933A (ja) 遮音材
GB2407296A (en) Composite sheet insulation
JP3264761B2 (ja) ポリプロピレン製サイレンサーパッド
KR100353077B1 (ko) 자동차대쉬보드용절연패드
EP1542863B1 (en) A sound-absorbing and soundproofing panel
JP2000336795A (ja) 制振・遮音シート
KR101151359B1 (ko) 분진 발생이 억제된 흡차음재
JPH04131461A (ja) 防音床材
JPS604556A (ja) 振動吸収用組成物
GB2418643A (en) Composite sheet insulation
JPH0375370B2 (ja)
JPH08309905A (ja) 制振・遮音シート

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040325

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041201

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050406