JPH09121172A - データ伝送装置 - Google Patents

データ伝送装置

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JPH09121172A
JPH09121172A JP7277783A JP27778395A JPH09121172A JP H09121172 A JPH09121172 A JP H09121172A JP 7277783 A JP7277783 A JP 7277783A JP 27778395 A JP27778395 A JP 27778395A JP H09121172 A JPH09121172 A JP H09121172A
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transmission
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circuit
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Takayuki Nagai
孝幸 永易
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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03MCODING; DECODING; CODE CONVERSION IN GENERAL
    • H03M13/00Coding, decoding or code conversion, for error detection or error correction; Coding theory basic assumptions; Coding bounds; Error probability evaluation methods; Channel models; Simulation or testing of codes

Abstract

(57)【要約】 【課題】 適切な軟判定値を得ることにより、ビタビ復
号器における誤り率を小さくする。 【解決手段】 生起する可能性のある連続した送信系列
の長さVを、伝送路のメモリ長Lよりも大きくとる(V
>L)。Vの送信系列データの組み合わせに対応するス
テートそれぞれについて枝メトリック作成回路13を2
N(N=2V )個、また、加算比較選択手段(ACS手
段)をN個設けることにより、軟判定値の精度を高め
る。さらに、軟判定値作成回路16は、パスメトリック
でなく、生き残りパスメトリックに基づき処理を行う。
このことによりディジタル信号処理プロセッサは容易に
処理を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車電話等に
おけるディジタルデータ伝送に用いるデータ伝送装置に
関するものであり、特に軟判定装置を備えるものに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ディジタルデータ伝送に用いるデータ伝
送装置は、通常、伝送路において生じたデータの誤りを
訂正する誤り訂正機能を有する。この訂正のために用い
られる符号には、通報と符号語とが逐次的に対応する畳
み込み符号がある。この畳み込み符号を復号するための
手段としてもっとも良く用いられるのがビタビ復号であ
る。
【0003】ビタビ復号とは、畳み込み符号のもつ繰り
返し構造を利用して最尤復号を効率的に実行する復号法
である。詳しくは後述するが、符号器の状態と入力符号
とから定まる状態遷移図(トレリス線図と呼ばれる)に
おいて、ハミング距離が小さい方のパスを選択すること
により途中の誤りを訂正し正しく復号することが可能で
ある。このとき、ハミング距離を形成する際に、復合器
の入力データを0か1かの2値で判定する方法と、復合
器の入力データを2値ではなく多値にする方法とがあ
る。前者を硬判定、後者を軟判定という。軟判定は、硬
判定の場合よりも伝送上の情報の信頼性がより反映され
るという特徴を有する。
【0004】従来の軟判定装置を備えるデータ転送装置
を説明する前に、技術的な理解のためにまず技術的背景
について説明し、その後、従来技術について説明する。
【0005】(技術的背景1) FIRフィルタ FIRフィルタは有限インパルス応答(Finite Impulse
Response )フィルタの略で、インパルス応答が有限時
間に終了するフィルタである。図31にFIRフィルタ
の構成を示す。FIRフィルタは、遅延要素(同図の、
遅延1、遅延2、・・・、遅延L)により入力される信
号に順次遅延を与えるとともに、乗算器(同図のMUL
T 0、・・・、MULT L)によりタップ係数c
0 ,・・・,cL を乗算した後、加算器(同図のSU
M)によりこれら複数の乗算結果を加算するものであ
る。遅延要素の遅延量は、通常、一定値である。
【0006】(技術的背景2) 符号間干渉(ISI)
を有する伝送路モデル 図32にISIを有する伝送路のモデルを示す。本モデ
ルは伝送路特性をFIRフィルタで表現したものであ
る。本モデルにおいて、受信信号は、送信された信号を
直接受信した先行信号と反射等により遅延して受信され
た遅延信号との合成信号である。同図において、各遅延
信号の時間差は遅延回路DELAY(シフトレジスタ)
によって与えられる。先行信号は、乗算器MULT0に
より送信信号In とタップ係数c0,n とを乗算すること
により得られる。ここで、下付きのnは時刻を意味す
る。遅延信号は、乗算器MULT1〜Lにより遅延され
た送信信号In-1 〜In-L とタップ係数c1,n 〜cL,n
とをそれぞれ乗算することにより得られる。そして、乗
算器MULT0〜Lの出力は加算器SUMにより合成さ
れる。更に、加算器ADDにより加算器SUMが出力す
る合成波に雑音Wn が加算されて受信信号rn として出
力される。
【0007】ISIが存在しない場合には、受信信号r
n は次式で表現される。 rn =c0,nn +wn (1) この場合、c0,n が既知で、雑音が小さければ、rn
らIn を容易に推定できる。
【0008】しかし、図32のモデルによれば、伝送路
に対して{In }なる送信系列を送信した場合、この送
信系列は、伝送路で加法的白色ガウス雑音(AWGN)
nばかりでなくISIを受ける。したがって、受信信
号rn は時刻nだけではなく、それより過去のIn を含
む。このときの受信信号rn は次式で表現される。 rn = Σ ci,nn-i +wn (2) ここで、総和Σはi=0,・・・,Lについてとり、L
はISIが影響を与える時間長(伝送路メモリ長)を示
す。
【0009】図32の伝送路モデルでは、時刻nから時
刻(n−L)まで送信系列が含まれることになる。とこ
ろで、rn からIn を推定するときに、最尤系列推定が
しばしば用いられる。
【0010】(技術的背景3) ビタビアルゴリズムを
用いた最尤系列推定 G.D.Forney,Jr 著の“Maxmum-likelihood sequence est
imation of digital sequence in presence of intersy
mbol interference ”(IEEE Trans. Information Theo
ry, vol.IT-18, pp.363-378, May 1972 )に示されたビ
タビアルゴリズムを用いた最尤系列推定の説明を順次行
う。
【0011】ビタビアルゴリズムとは、畳み込み符号の
復号法として最も良く用いられるものである。畳み込み
符号の簡単な例として、情報1ビットの入力で2ビット
の畳み込み符号を出力する場合を考える。1ビットの入
力から2ビットの出力を得ることになるので、この畳み
込み符号の符号化率は1/2になる。この例では、2つ
前の入力が決まるとその次に入力されるデータの0、1
による出力はすべて規則性を持っている。すなわち、符
号化装置に1ビットが入力されるとき、すでに保持され
ている2ビット分のデータによって状態(ステート)が
決まり、このステートごとに次の入力ビットによる符号
の状態が決まることになる。
【0012】図32のISIを有する伝送路モデルによ
れば、受信信号は現在の送信信号だけでなく過去の送信
信号によっても決定される。したがって、現在の送信信
号を推定するためには過去の送信信号も考慮する必要が
ある。
【0013】この過去の送信信号の組み合わせによって
構成される送信系列の候補がステートに相当する。遅延
回路が1シンボル周期(L=1)であれば、ステート
は、ステート[0]とステート[1]の2種類であり、
遅延回路が2シンボル周期(L=2)であれば、ステー
トはステート[0,0]、ステート[1,0]、ステー
ト[0,1]、ステート[1,1]の4種類である。こ
のように、ステートは送信系列の組み合わせで表現され
る。
【0014】ところで、復調アルゴリズムであるビタビ
アルゴリズムのメモリ長をVとすると、時刻nにおける
ステートSn 及び時刻n−1におけるステートSn-1
それぞれ(3)、(4)式で表現できる。 Sn =[In-v+1 ,In-V+2 ,・・・,In ] (3) Sn-1 =[In-V ,In-V+1 ,・・・,In-1 ] (4)
【0015】ただし、これ以降表記を簡単にするため、
ステートSn を単にIn-V+1n-V+ 2 ・・・In と表わ
すことがある。例えば、ステート[0,1]は01と表
現される。ここで、2つのステートSn 、Sn-1 のうち
n-v+1 からIn-1 のV−1個の送信系列は同一値とな
る性質を利用して図33のトレリス図が作成できる。ト
レリス図とは、符号器の状態と入力符号とから定まる状
態遷移図である。
【0016】図33において、送信信号の候補の数Uが
U=2であって、信号が0と1の2値をとる場合、ステ
ート個数MはM=UV =22 =4となる。すなわち、本
例はIn を0,1としV=2としたので、Sn は00、
10、01、11の4ステートでトレリスが構成され
る。これらのステートを仮にA,B,C,Dとする。
【0017】図33において、縦方向は上から順にステ
ートA,B,C,Dを、横方向は左から順に時刻n−
1,n,n+1,n+2,n+3,n+4を示す。ま
た、各ステート(白丸)から次の時刻の2つのステート
にそれぞれ線が引かれているが、この線分は時刻変化に
伴うステートの変化を示す。たとえば、ステートAから
はステートA及びBに対して2本の線が引かれる。ステ
ートAからステートAへの線は入力データが0の場合を
示し、データ入力前とデータ入力後とでステートが同じ
00であることを示す。ステートAからステートBへの
線は入力データが1の場合を示し、データ入力前のステ
ート00からステート10に変化することを意味する。
【0018】このトレリスにおける線分Sn-1 /Sn
枝と呼ばれる。この枝は、送信系列In-V 〜In により
一意的に決定される。これを(5)式のように表現す
る。 Sn-1 /Sn =[In-V ,In-V+1 ,・・・,In ] (5)
【0019】なお、ステートの表記と同様に表記を簡単
にするため、枝Sn-1 /Sn を単にIn-Vn-V+1 ・・
・In と表わすことがある。例えば、枝[1,0,1]
を101のように表現する。
【0020】ところで、V=Lと設定した場合、すなわ
ち、ISIが影響を与える時間長(伝送路メモリ長)と
ビタビアルゴリズムのメモリ長とが等しい場合、(2)
式で示されるrn の推定値(レプリカ)hn は、(6)
式に示すように一意的に推定される。 hn = Σ gi,nn-i (6) ここで、ci,nの推定値をそれぞれgi,nとした。
また、総和Σはi=0,・・・,Lについてとる。
【0021】また、トレリスにおいて、互いに接続され
た折れ線SVV+1 ・・・Sn はパスと呼ばれる。この
パスは一意的に枝SV /SV+1 、SV+1 /SV+2 、・・
・、Sn-1 /Sn を決定するとともに、I0 からIn
送信系列を決定する。図34に、図33のトレリスを用
いて、送信系列[In-2 ,In-1 ,・・・,In+4 ]=
[1,0,1,1,0,0,1]に対応するパスSn-1
n ・・・Sn+4 を示す。太線はパスであり、太い白抜
きの丸はパスの通るステート、ステートとステートを結
ぶ太線はパスによって決定される枝である。なお説明の
都合上、図34のステートBとCとは、図33の場合と
逆になっている。また、図35に図34のパスに沿った
ステート及び枝の遷移を示す。
【0022】図35からわかるように、送信系列のデー
タは2つづつ順次シフトしていく。たとえば、送信系列
の最初の2つのデータ1、0が入力されると時刻n−1
のステートは01になる。これがステートSn-1 であ
る。次にデータ1が入力されると時刻nのステートは1
0になる。これがステートSn である。以下同様にデー
タ1001が入力されると、時刻n+1,・・・,n+
4のステートSn+1 、・・・、Sn+4 は、11、01、
00、10である。以上のように、送信系列[In-2
n-1 ,・・・,In+4 ]に1対1に対応してパスが決
定される。
【0023】逆に、パスが決定できれば送信系列を特定
することができる。受信信号からパスを推定するため
に、各枝において推定がなされる。これには枝メトリッ
クが用いられる。枝メトリックとは、受信信号rn と、
各枝によって決定される送信系列の候補In 及び推定値
i,n によって再生された受信信号のレプリカhn との
2乗誤差のことである。この2乗誤差は、ステートから
次のステートへの遷移の確からしさ、すなわち枝の生起
する確からしさを表している。
【0024】枝Sn-1 /Sn により決定されるIn-V
らIn の送信系列の候補値In-i からrn のレプリカh
n [Sn-1 /Sn ]を以下のように作成できる。 hn [Sn-1 /Sn ]= Σ gi,nn-i (7) ただし、総和Σはi=0,・・・,Lについてとる。
【0025】実際の受信信号rn と枝[Sn-1 /Sn
により決定されるレプリカhn [Sn-1 /Sn ]の2乗
誤差、すなわち枝メトリックEn [Sn-1 /Sn ]は以
下のように表現できる。 En [Sn-1 /Sn ]={ABS(rn −hn [Sn-1 /Sn ])}2 (8) ただし、ABS()はユークリッド空間におけるベクト
ルの長さを意味する。(8) 式では、点rn と点hn [S
n-1 /Sn ]との距離の2乗を示す。つまり、枝[S
n-1 /Sn ]により一意的に枝メトリックEn [Sn-1
/Sn]が決定される。
【0026】また、パスに沿って一意に決定される枝に
ついての枝メトリックの全ての合計累積2乗誤差のこと
をパスメトリックと呼ぶ。各ステートにおいて、U個
(図33ではU=2)のパスがあるが、これらパスの中
でパスメトリックが最小のパスを生き残りパスと呼ぶ。
各ステート毎に生き残りパスが存在する。
【0027】この生き残りパスを求めるための処理がA
CS処理である。ACSとはAdd-Compare-Select(加算
・比較・選択)の略である。加算処理とは、(9)式に
示す1時刻過去のステートSn-1 に対応した生き残りパ
スメトリックFn-1 [Sn-1 ]と枝メトリックEn [S
n-1 /Sn ]を加算する操作である。 Fn [Sn-1 /Sn ]=En [Sn-1 /Sn ]+Fn-1 [Sn-1 ] (9) ここで、Fn [Sn ]はステートSn に対応する生き残
りパスメトリックを表わし、Fn [Sn-1 /Sn ]は枝
n-1 /Sn に対応するパスメトリックである。
【0028】比較処理とは、各ステートに対して作成さ
れるU個のパスメトリックを比較する操作である。最尤
系列推定全体としては、M個のステートにU個の枝が存
在するため(M・ U)個のパスメトリックが作成され
る。選択処理とは、各ステートにおいて比較処理の結果
からパスメトリックの最も小さいものを選択し、選択し
たパスメトリックに対応する系列を現時刻の生き残りパ
スとして選択する操作である。
【0029】以上がビタビアルゴリズムを用いた最尤系
列推定の説明である。このように、G.D.Forneyにより示
された最尤系列推定は、シンボルレートの受信信号を入
力し、各ステートに対して逐次ACS処理を行う。全て
の入力信号系列を入力した後、最終的に残った生き残り
パスの中で最小のパスメトリックを有するパスを最尤パ
スとし、この最尤パスによって決定される唯一の系列
(最尤系列)が送信した系列として判定される。
【0030】(技術的背景4) 軟判定 軟判定について説明する。符号化の一種に畳込み符号化
があり、畳込み符号の最適復号法にはビタビアルゴリズ
ムが用いられる。このビタビアルゴリズムの入力には、
0または1というような2値量子化したデータ(硬判定
値という)でなく、信頼度も含んだ例えば0. 2や0.
9等というデータ(軟判定値という)を入力した方が良
好な誤り率特性を示す。それゆえ、畳込み符号の復号に
は軟判定値を用いた場合、誤り率特性を改善することが
できる。しかし、上述の最尤系列推定では軟判定値を計
算することができないので、軟判定値の計算に最大事後
確率推定が利用されることが多い。
【0031】L.R.Bahl, 他著の“Optimal decoding of
linear codes for minimizing symbol error rate ”
(IEEE Trans. Information Theory, vol.IT-20, pp.28
4-287,March 1974 )に示された最大事後確率推定の説
明を行う。
【0032】送信信号は0,1の2値をとるとする。I
SIを有した受信信号から送信信号の推定値In-V+1
1である確率を計算するには、上述のトレリスにおい
て、送信系列によって決定するパスがステートSn の中
でIn-V+1 =1となるステートのどれかを通る確率を計
算すればよい。すなわち、In-V+1 =1となる確率P
[In-V+1 =1]を以下のように表現できる。 P[In-V+1 =1]= Σ P[Sn ] (10) ここで、P[Sn ]は送信系列によって決定するパスが
ステートSn を通る確率であり、P[Sn ]はトレリス
図において時刻nより過去のステート遷移の確率に依存
する前方確率Pf [Sn ]と、時刻nより未来のステー
ト遷移の確率に依存する後方確率Pb [Sn ]の積とし
て表わすことができる。また、総和ΣはIn-V+1 =1の
ときにとりうるすべてのステートSn についてとる。
【0033】まず、前方処理について説明する。前方処
理は上述の前方確率Pf [Sn ]を計算する処理であ
る。いま、Sn に繋がる枝の生起確率PE [S0 n-1
n ]及びPE [S1 n-1 /Sn ]と、一時刻過去のス
テートS0 n-1 、S1 n-1 の前方確率Pf [S0
n-1 ]、Pf [S1 n-1 ]がわかっている場合、ステー
トSnの前方確率Pf [Sn ]は(11)式によって計
算できる。 Pf [Sn ]=Pf [S0 n-1 ]・PE [S0 n-1 /Sn ] +Pf [S1 n-1 ]・PE [S1 n-1 /Sn ] (11)
【0034】したがって、(11)式に基づいて生起確
率が既知である始点からの各時刻における全てのステー
トの前方確率を逐次計算することができる。なお、枝の
生起確率については後で説明する。
【0035】同様に、Sn に繋がる枝の生起確率PE
[Sn /S0 n+1 ]及びPE [Sn /S1 n+1 ]と、一
時刻未来のステートS0 n+1 、S1 n+1 の後方確率Pb
[S0 n+1 ]、Pb [S1 n+1 ]がわかっている場合、
ステートSn の後方確率Pb [Sn ]は(12)式によ
って計算できる。 Pb [Sn ]=Pb [S0 n+1 ]・PE [Sn /S0 n+1 ] +Pb [S1 n+1 ]・PE [Sn /S1 n+1 ] (12)
【0036】したがって、(12)式に基づいて生起確
率が既知である終端から各時刻における全てのステート
の後方確率を逐次計算することができる。よって、各時
刻nにおける確率P[In-V+1 =1]は(13)式を用
いて計算できる。 P[In-V+1 =1]= Σ Pf [Sn ]・Pb [Sn ] (13) ここで、総和ΣはIn-V+1 =1のときにとりうるすべて
のステートSn についてとる。確率P[In-V+1 =1]
が0. 5以上の場合はIn-V+1 =1であると、また、
0. 5より小さい場合はIn-V+1 =0と推定することが
できる。
【0037】以上が最大事後確率推定の説明である。こ
の事後確率に基づき、(14)式によって軟判定値y
n-V+1 を計算することができる。 yn-V+1 =log(P[In-V+1 =1]/P[In-V+1 =0]) (14) ここで、P[In-V+1 =0]はIn-V+1 =0となる確率
であり、P[In-V+1=1]と同様の計算によって求め
ることができる。
【0038】軟判定値yn-V+1 が0以上の場合、I
n-V+1 =1であると、0より小さい場合、In-V+1 =0
とそれぞれ判定される。これは硬判定である。このとき
のyn-V+ 1 の絶対値はその信頼度を表わす。
【0039】次に、枝の生起確率について説明する。上
述の伝送路モデルにおいて、枝の生起確率は(15)式
のように表わすことができる。 PE [Sn-1 /S n]={1/(2π)1/2 σ} ・exp(−En [Sn-1 /Sn ]/2σ2 ) (15) ここで、En [Sn-1 /Sn ]は(8)式の枝メトリッ
クであり、σ2 は雑音電力を表わす。
【0040】さらに、σ2 が一定の場合、 A={1/(2π)1/2 σ}・exp(1/2σ2 ) (16) と置くことにより(15)式は(17)式のように書き
換えることができる。 PE [Sn-1 /S n]=A・exp(−En [Sn-1 /Sn ]) (17)
【0041】ところで、軟判定値は、(14)式に示す
ようにP[In-V+1 =1]とP[In-V+1 =0の比に依
存するので、σ2 が一定の場合はA=1として(18)
式のように定義しても、軟判定値は影響を受けない。 PE [Sn-1 /S n]=exp(−En [Sn-1 /Sn ]) (18)
【0042】次に、枝メトリックによる軟判定値の計算
について説明する。各確率P[In-V+1 =1]、Pf
[Sn ]、Pb [Sn ]を(19)〜(21)式のよう
にメトリックで表現する。 P[In-V+1 =1]=exp(−p[In-V+1 =1]) (19) Pf [Sn ]=exp(−pf [Sn ]) (20) Pb [Sn ]=exp(−pb [Sn ]) (21)
【0043】すると、(11)〜(14)式は(22)
〜(25)式のように書き換えることができる。 Pf [Sn ]=−log{exp(−pf [S0 n-1]−En [S0 n-1/Sn ]) +exp(−pf [S1 n-1]−En [S1 n-1/Sn ])} (22) Pb [Sn ]=−log{exp(−pb [S0 n+1]−En+1 [Sn /S0 n+1]) +exp(−pb [S1 n+1]−En+1 [Sn /S1 n+1])} (23) P[In-V+1 =1]= Σ exp(−pf [Sn ]−pb [Sn ]) (24) yn-V+1 =p[In-V+1 =0]−p[In-V+1 =1] (25)
【0044】このように、枝メトリックより軟判定値を
計算する場合、対数・指数演算を頻繁に行うとともに、
大規模なメモリが必要となるため、実時間での処理が困
難である。そこで、(22)〜(25)式を簡略化し
て、軟判定装置に適用している。
【0045】(従来の軟判定装置を備えるデータ転送装
置の説明)次に従来の軟判定装置の一例について説明す
る。図36はデータ伝送装置に用いられた従来の軟判定
装置のブロック図である。この例は特開平3−9617
号に記載された軟判定装置である。
【0046】図36において、11は受信信号入力端
子、362は伝送路の特性gi,n を推定して出力する伝
送路特性推定回路、363−1〜363−(2M)は受
信信号及び伝送路の特性に基づき枝メトリックEn [S
n-1 /Sn ]をそれぞれ求める枝メトリック作成回路、
364−1〜364−Mは2つの枝メトリック作成回路
に基づきACS処理を行うACS回路(i=1,2,・
・・,Mとしたとき、ACS回路364−iと枝メトリ
ック作成回路363−(2i−1)及び(2i)とが対
応する)、365はACS回路364−1〜Mと接続さ
れた共有メモリ、366−1,366−2はACS回路
364−1〜Mの出力に基づき最小のパスを選択する最
小値選択回路、367は最小値選択回路366−1の出
力から最小値選択回路366−2の出力を減算する減算
回路、17はこの軟判定装置の出力端である軟判定値出
力端子である。
【0047】枝メトリック作成回路363−1〜2Mは
いずれも同じ構成を持つ。枝メトリック回路363−i
は、FIRフィルタ3631−i、メモリ3632−
i、減算回路3633−i、2乗回路3634−iから
構成される。枝メトリック作成回路363は、前述の
(6) 式に対応する処理を行う。
【0048】ACS回路364−1〜Mはいずれも同じ
構成をもつ。図37はACS回路364の内部を示すブ
ロック図である。ACS回路364−iは、枝メトリッ
ク入力端子3641a−i,3641b−i、1時刻過
去の生き残りパスメトリック入力端子3642a−i,
3642b−i、加算回路3643a−i,3643b
−i、比較・ 選択回路3644−i、パスメトリック出
力端子3645a−i,3645b−i、現時刻の生き
残りパスメトリック出力端子3646−iから構成され
る。
【0049】従来の軟判定装置の動作について図36を
用いて説明する。送信信号は0、1の2値をとり、M
(=2V )をステート数とし、V=Lである。まず、枝
メトリック作成回路363−1の動作を説明する。FI
Rフィルタ3631は、メモリ3632から出力される
枝に対応した送信系列の候補と伝送路特性推定回路36
2で推定された伝送路特性(タップ係数)を受けて、
(6) 式に基づき受信信号のレプリカ(推定値)を出力す
る。減算回路3633は、受信信号とFIRフィルタ3
631から出力されるレプリカを受けて、受信信号とレ
プリカの差を出力する。2乗回路3634は、減算回路
3633の出力を2乗して、この値を枝メトリックとし
て出力する。以上の動作は(8) 式に対応する。枝メトリ
ック作成回路363−2〜363−(2M)も同様に動
作して、各枝に対応した枝メトリックを出力する。
【0050】M個のACS回路364−1〜364−M
は一時刻過去及び現時刻の生き残りパスメトリックを共
有メモリ365によって共有しており、これらパスメト
リックは互いにアクセス可能である。ACS回路364
−1〜364−Mは、各ACS回路364−1〜364
−Mに対応したステートに繋がる2つの枝に対応した2
系統の枝メトリック作成回路363−1〜363−(2
M)から出力される枝メトリックと、その2つの枝によ
って結ばれる1時刻過去のステートに対応し共有メモリ
365より出力される一時刻過去の生き残りパスメトリ
ックをそれぞれ受けて、(9) 式に基づきACS処理を行
うとともに、さらにACS処理の加算処理を行い各枝に
対応したパスメトリックと現時刻の生き残りパスメトリ
ックを出力する。
【0051】ここで、ACS回路364−1の動作を図
37を用いてさらに詳細に説明する。加算回路3643
a,3643bは、枝メトリック入力端子3641a,
3641bに入力された枝メトリックと、1時刻過去の
生き残りパスメトリック入力端子3642a,3642
bに入力された1時刻過去の生き残りパスメトリックを
それぞれ加算し、その結果をパスメトリック出力端子3
645a,3645bから出力する。比較・ 選択回路3
644は、加算回路3643a,3643bが出力する
パスメトリックを入力し、その中で値の小さい方を現時
刻の生き残りパスメトリックとして、現時刻の生き残り
パスメトリック出力端子3646から出力する。
【0052】共有メモリ365はACS回路364−1
〜364−Mの出力を受けて、現時刻の生き残りパスメ
トリックを一時刻過去の生き残りパスメトリックとす
る。このようにして、共有メモリ365の内容は更新さ
れる。
【0053】最小値選択回路366−1は、枝により決
定される送信系列の最も過去の送信信号が0である枝に
対応したM個のパスメトリックを受けて、その最小値を
出力する。最小値選択回路366−2は、枝により決定
される送信系列の最も過去の送信信号が1である枝に対
応したM個のパスメトリックを受けて、その最小値を出
力する。減算回路367は最小値選択回路366−1よ
り出力される最小値から最小値選択回路366−2より
出力される最小値を減算した結果を、軟判定値として出
力する。
【0054】以上の動作を図38に示すトレリスによっ
て具体的に説明する。ここで、L=V=2、M=2V
4とし、送信信号In の軟判定値を計算する。FIRフ
ィルタ3631−1は、メモリ3632−1から出力さ
れる枝に対応した送信系列の候補[In ,In+1 ,I
n+2 ]=[0,0,0]と伝送路特性推定回路362で
推定された伝送路特性g0 ,g1 ,g2 を入力し、受信
信号のレプリカhn+2 [000]を計算する。 hn+2 [000]=g0n +g1n+1 +g2n+2 (26)
【0055】減算回路3633−1は、受信信号rn+2
とFIRフィルタ351から出力されるレプリカhn+2
[000]を受けて、受信信号とレプリカの差rn+2
n+ 2 [000]を計算する。2乗回路3634−1
は、rn+2 −hn+2 [000]の2乗して、この値を枝
メトリックEn+2 [000]として出力する。 En+2 [000]={ABS(rn+2 −hn+2 [000])}2 (27)
【0056】以上は枝メトリック作成回路363−1の
動作である。他の枝メトリック作成回路363−2〜3
63−8も同様に動作して各枝100、010、・・
・、111に対する枝メトリックEn+2 [100]、E
n+2 [010]、・・・、En+ 2 [111]を出力す
る。
【0057】ACS回路364−1は、ACS回路36
4−1に対応したステート00に繋がる2系統の枝00
0、100に対応する枝メトリック作成回路363−
1、363−2から出力される枝メトリックEn+2 [0
00]、En+2 [100]と一時刻過去の生き残りパス
メトリックFn+1 [000]、Fn+1 [100]をそれ
ぞれ入力し、加算処理によって次の枝000、100に
対応したパスメトリックを得る。 Fn+2 [000]=En+2 [000]+Fn+1 [00] (28) Fn+2 [100]=En+2 [100]+Fn+1 [10] (29)
【0058】パスメトリックFn+2 [000]、Fn+2
[100]は最小値選択回路366−1、366−2に
出力される。さらに、ACS回路内の比較・ 選択回路3
644によってこれら2つパスメトリックの中の小さい
方がステート00に対応する現時刻の生き残りパスメト
リックFn+2 [00]として共有メモリ365に出力さ
れる。ACS回路364−2〜364−4も同様に動作
して、ステート10、01、11に対応した現時刻の生
き残りパスメトリックFn+2 [10]、Fn+2[0
1]、Fn+2 [11]が共有メモリ365に出力され
る。
【0059】最小値選択回路366−1は、ACS回路
364−1〜364−4から出力されるパスメトリック
の中でIn =0となるパスメトリックFn+2 [00
0]、Fn+2 [010]、Fn+2 [001]、Fn+2
[011]を受けて、それらの中で最小のパスメトリッ
クを出力する。最小値選択回路366−2は、ACS回
路364−1〜364−4から出力されるパスメトリッ
クの中でIn =1となるパスメトリックFn+2 [10
0]、Fn+2 [110]、Fn+2 [101]、Fn+2
[111]を受けて、その中で最小のパスメトリックを
出力する。減算回路367は最小値選択回路366−1
より出力される最小値から最小値選択回路366−2よ
り出力される最小値を減算し、その結果を軟判定値とし
て出力する。
【0060】本従来例は、上述の最大事後確率推定に基
づいた軟判定値の計算((22)〜(25)式)を次の
ように簡略化したものである。 Pf [Sn ]=min{(pf [S0 n-1]+En [S0 n-1/Sn ]), (pf [S1 n-1]+En [S1 n-1/Sn ])} (30) P[In-V =1]= min{pf [Sn ]} (31) ただしSn はIn-V =1のときのもの。 yn-V =p[In-V+1 =0]−p[In-V+1 =1] (32)
【0061】ただし、pf [Sn ]と(pf [Sn-1
+En [Sn-1 /Sn ])はFn [Sn ]、Fn [S
n-1 /Sn ]にそれぞれ対応する。なお、本従来例は軟
判定値yn を求めるように記述してあるが、(30)〜
(32)式は枝メトリックEn[Sn-1 /Sn ]を基準
にし、En [Sn-1 /Sn ]より計算される軟判定値y
n-V を求めるように記述してある。また、本従来例の処
理は図38のトレリス図に示すように、時刻(n+2)
の全てのステートSn+2 に参入する全てのパスの中から
n =0及びIn =1である最小のパスをそれぞれ選択
し、これら2つのパスのパスメトリックFn+2 [S
n+2 ]の差を軟判定値としている。このように、本従来
例は簡略化することにより、最尤系列推定と同程度の処
理で軟判定値を計算できる。
【0062】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来例に
おいて、対数・ 指数演算を比較・ 選択処理に置き換え、
かつ、トレリスのメモリ長Vと推定伝送路のメモリ長L
を同じ値にして、始点から終端までの全系列より計算さ
れる確率情報を、始点から時刻(n+L)までの部分系
列より計算する。そのため軟判定値に誤差が生じる。こ
の誤差のため、本従来例の軟判定装置により出力される
軟判定値を利用して、ビタビ復号を行った場合、データ
の誤り率が悪くなる。なお、以下ではビタビ復号したデ
ータの誤り率が良くなるような軟判定値を、精度の高い
軟判定値と表現する。
【0063】また、枝メトリックの計算におけるタップ
係数は、雑音などに起因する推定誤差が含まれ、タップ
数に応じてこの誤差が加算されることになる。よって、
本従来例は推定伝送路のメモリ長が固定であるため、伝
送路特性のメモリ長が変化するような伝送路において、
伝送路特性のメモリ長が小さくなった場合、不要なタッ
プのために精度の高い軟判定値を得ることができない。
【0064】また、伝送路特性が時間とともに変動する
場合、本従来例は推定伝送路特性がその変動に追従でき
ないので、時変伝送路において精度の高い軟判定値を得
ることができない。
【0065】また、本従来例はACS処理の途中結果で
あるパスメトリックによって軟判定値を計算するため、
枝メトリックの計算とACS処理を一括して高速計算で
きるようなDSPにおいて、回路規模が大きくなってし
まうという問題がある。
【0066】以上のように、従来の軟判定装置には、受
信した系列の部分系列から軟判定値を計算するため、精
度の高い軟判定値を得ることができないこと、さらに、
推定伝送路特性のメモリ長及びタップ係数が時間変化す
るような伝送路において軟判定値の精度がさらに悪くな
ること、また、枝メトリックの計算とACS処理を専用
ハードウェアで一括して高速計算できるようなDSPに
おいて、回路規模が大きくなってしまうという問題があ
った。
【0067】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、精度の高い軟判定値を得ること
ができる、さらに、推定伝送路特性のメモリ長及びタッ
プ係数が時間変化するような伝送路においても精度の高
い軟判定値を得ることができる、また、枝メトリックの
計算とACS処理を専用ハードウェアで一括して高速計
算できるようなDSPにおいて回路規模を小さくできる
などの性能を向上したデータ伝送装置を提供することを
目的とする。
【0068】
【課題を解決するための手段】請求項1に係るデータ伝
送装置は、伝送路を介して符号化された信号を受信し、
受信信号の状態をステートに対応させ、上記受信信号の
受信に伴うひとつのステートから次のステートへの遷移
をその遷移の指数である枝メトリックに対応させ、上記
符号を逐次受信したときの上記遷移の経路であるパスに
ついて上記枝メトリックに基づき上記パスの指数である
パスメトリックを算出し、上記パスメトリックに基づき
上記パスのうちの一部を生き残りパスとして選択するこ
とにより伝送された信号を軟判定し、この結果を用いて
復号するデータ伝送装置において、上記生き残りパスに
対応する生き残りパスメトリックを上記枝メトリックに
基づき上記ステートごとに算出するとともに、上記生き
残りパスに対応する信号の送信系列中の最も過去の送信
信号に基づき上記生き残りパスメトリックを分類し、こ
の分類された生き残りパスメトリックに基づき軟判定値
を算出する軟判定装置と、軟判定値に基づき復号を行う
復号回路とを備えたものである。
【0069】請求項2に係るデータ伝送装置は、上記軟
判定装置に、伝送路を介して受信した受信信号に基づき
上記伝送路のメモリ長L及び伝送路特性を推定する伝送
路特性推定手段と、連続したV(V≧L)個の送信信号
の組み合わせと上記ステートとを対応させるとともに、
上記受信信号及び上記伝送路特性推定手段の推定伝送路
特性に基づき上記ステートに繋がる枝それぞれの上記枝
メトリックを上記ステートごとに算出する枝メトリック
作成手段と、上記枝メトリック作成手段により出力され
る上記枝メトリック及び1時刻過去の生き残りパスメト
リックを受け、送信系列の候補として上記生き残りパス
のパスメトリックを上記ステートごとに算出し、上記生
き残りパスメトリックとして出力する加算比較選択手段
と、上記生き残りパスメトリックを記憶し、上記加算比
較選択手段が次の処理をするときに上記1時刻過去の生
き残りパスメトリックとして記憶内容を出力するメモリ
と、上記加算比較選択手段が出力する上記ステートごと
の上記生き残りパスメトリックを受け、上記生き残りパ
スメトリックから、その送信信号中の最も過去の候補が
第1の符号であるものを選択するとともに、これら選択
された上記生き残りパスメトリックのうちの最小のもの
を出力する第1の最小値選択手段と、上記加算比較選択
手段が出力する上記ステートごとの上記生き残りパスメ
トリックを受け、上記生き残りパスメトリックから、そ
の送信信号中の最も過去の候補が第2の符号であるもの
を選択するとともに、これら選択された上記生き残りパ
スメトリックのうちの最小のものを出力する第2の最小
値選択手段と、上記第1及び第2の最小値選択出力手段
によりそれぞれ選択された最小生き残りパスメトリック
に基づき軟判定値を出力する軟判定値作成手段とを備え
たものである。
【0070】上記枝メトリック手段は、たとえば、次式
に基づいて上記枝メトリックを算出する。 En [Sn-1 /Sn ] =[ABS{rn −(g0n +g1n-1 +g2n-2 )}]2 ただし、En [Sn-1 /Sn ]は枝メトリック、rn
受信信号、g0 〜g2は推定伝送路特性、In 〜In-2
は各枝メトリック作成回路が保有している送信信号の候
補である。
【0071】上記加算比較選択手段は、たとえば、パス
メトリックFn [S0 n-1 /Sn ]及びFn [S1 n-1
/Sn ]のうちの小さいほうを生き残りパスメトリック
としして選択し出力する。パスメトリックは次式に基づ
いて算出される。 Fn [S0 n-1 /Sn ]=En [S0 n-1 /Sn ]+Fn-1 [S0 n-1 ] Fn [S1 n-1 /Sn ]=En [S1 n-1 /Sn ]+Fn-1 [S1 n-1 ] ただし、En [S0 n-1 /Sn ]、En [S1 n-1 /S
n ]は枝メトリック、Fn-1 [S0 n-1 ]、Fn-1 [S
1 n-1 ]は1時刻過去の生き残りパスメトリックであ
る。また、S0 n-1 /Sn はステートSn につながる
「0」の枝、S1 n- 1 /Sn はステートSn につながる
「1」の枝を意味する。
【0072】上記軟判定値作成手段は、たとえば、次式
に基づいて上記軟判定値を算出する。 yn-3 =min0 (Fn [Sn ])−min1 (Fn
[Sn ]) ただし、yn-3 は軟判定値、min0 (Fn [Sn ])
は第1の最小値選択手段の出力、min1 (Fn [S
n ])は第2の最小値選択手段の出力である。
【0073】請求項3に係るデータ伝送装置は、上記加
算比較選択手段を、上記生き残りパスメトリックととも
に、対応する生き残りパスを出力するように構成し、上
記加算比較選択手段により出力される上記生き残りパス
及びこれらのパスメトリックを受け、硬判定値を算出す
る硬判定値作成手段を備えたものである。
【0074】請求項4に係るデータ伝送装置は、伝送路
を介して符号化された信号を受信し、受信信号の状態を
ステートに対応させ、上記受信信号の受信に伴うひとつ
のステートから次のステートへの遷移をその遷移の指数
である枝メトリックに対応させ、上記符号を逐次受信し
たときの上記遷移の経路であるパスについて上記枝メト
リックに基づき上記パスの指数であるパスメトリックを
算出し、上記パスメトリックに基づき上記パスのうちの
一部を生き残りパスとして選択することにより伝送され
た信号を軟判定し、この結果を用いて復号するデータ伝
送装置において、上記ステートに対応する受信信号の長
さを伝送路のメモリ長よりも長くして上記ステートの数
を増やし、上記パスメトリックを上記ステートごとに算
出するとともに、上記パスに対応する信号の送信系列中
の最も過去の送信信号に基づき上記パスメトリックを分
類し、この分類されたパスメトリックに基づき軟判定値
を算出する軟判定装置と、軟判定値に基づき復号を行う
復号回路とを備えたものである。
【0075】請求項5に係るデータ伝送装置は、上記軟
判定装置に、伝送路を介して受信した受信信号に基づき
上記伝送路のメモリ長L及び伝送路特性を推定する伝送
路特性推定手段と、連続したV(V>L)個の送信信号
の組み合わせと上記ステートとを対応させるとともに、
上記受信信号及び上記伝送路特性推定手段の推定伝送路
特性に基づき上記ステートに繋がる枝それぞれの上記枝
メトリックを上記ステートごとに算出する枝メトリック
作成手段と、上記枝メトリック作成手段により出力され
る上記枝メトリック及び1時刻過去の生き残りパスメト
リックを受け、送信系列の候補として上記生き残りパス
のパスメトリック及び各ステートに繋がる枝を含むパス
のパスメトリックを出力する加算比較選択手段と、上記
生き残りパスメトリックを記憶し、上記加算比較選択手
段が次の処理をするときに上記1時刻過去の生き残りパ
スメトリックとして記憶内容を出力するメモリと、上記
加算比較選択手段が出力する上記ステートごとの上記パ
スメトリックを受け、上記パスメトリックから、その送
信信号中の最も過去の候補が第1の符号であるものを選
択するとともに、これら選択された上記パスメトリック
のうちの最小のものを出力する第1の最小値選択手段
と、上記加算比較選択手段が出力する上記ステートごと
の上記パスメトリックを受け、上記パスメトリックか
ら、その送信信号中の最も過去の候補が第2の符号であ
るものを選択するとともに、これら選択された上記パス
メトリックのうちの最小のものを出力する第2の最小値
選択手段と、上記第1及び第2の最小値選択出力手段に
よりそれぞれ選択された最小生き残りパスメトリックに
基づき軟判定値を出力する軟判定値作成手段とを備えた
ものである。
【0076】上記枝メトリック手段は、たとえば、次式
に基づいて上記枝メトリックを算出する。 En [XXIn-2n-1n ] =[ABS{rn −(g0n +g1n-1 +g2n-2 )}]2 ただし、En [XXIn-2n-1n ]は枝メトリッ
ク、rn は受信信号、g0 〜g2 は推定伝送路特性、I
n 〜In-2 は各枝メトリック作成回路が保有している送
信信号の候補である。また、Xは任意の送信信号を意味
している。
【0077】上記加算比較選択手段は、たとえば、パス
メトリックFn [S0 n-1 /Sn ]及びFn [S1 n-1
/Sn ]のうちの小さいほうを生き残りパスメトリック
としして選択し出力する。パスメトリックは次式に基づ
いて算出される。 Fn [S0 n-1/Sn ]=En [XXIn-2n-1n ]+Fn-1 [S0 n-1] Fn [S1 n-1/Sn ]=En [XXIn-2n-1n ]+Fn-1 [S1 n-1] ただし、En [XXIn-2n-1n ]は枝メトリッ
ク、Fn-1 [S0 n-1 ]、Fn-1 [S1 n-1 ]は1時刻
過去の生き残りパスメトリックである。また、S0 n-1
/Sn はステートSn につながる「0」の枝、S1 n-1
/Sn はステートSn につながる「1」の枝を意味す
る。
【0078】上記軟判定値作成手段は、たとえば、次式
に基づいて上記軟判定値を算出する。 yn-4 =min0 (Fn [Sn-1 /Sn ])−min1
(Fn [Sn-1 /Sn ]) ただし、yn-4 は軟判定値、min0 (Fn [Sn-1
n ])は第1の最小値選択手段の出力、min1 (F
n [Sn-1 /Sn ])は第2の最小値選択手段の出力で
ある。
【0079】請求項6に係るデータ伝送装置は、上記加
算比較選択手段を、上記生き残りパスメトリック及び各
ステートに繋がる枝を含むパスのパスメトリックととも
に、対応する生き残りパスを出力するように構成し、さ
らに、上記加算比較選択手段により出力される上記生き
残りパス及びこれらのパスメトリックを受け、硬判定値
を算出する硬判定値作成手段を備えたものである。
【0080】請求項7に係るデータ伝送装置は、さら
に、上記伝送路特性推定手段により出力される推定伝送
路特性に基づき上記伝送路のメモリ長L及び上記ステー
トを構成する送信信号の個数Vを求めるメモリ長推定手
段を備え、上記枝メトリック作成手段を、上記メモリ長
推定手段の出力に基づき上記枝メトリックを算出するよ
うに構成したものである。
【0081】請求項8に係るデータ伝送装置は、上記メ
モリ長推定手段を、上記推定伝送路特性に基づき信号電
力及び各符号間干渉成分を計算し、この信号電力と各符
号間干渉成分に基づいて上記推定伝送路特性を修正し、
この修正後の推定伝送路特性を上記メモリ長L及び上記
送信信号の個数Vとともに上記枝メトリック作成手段に
出力するように構成したものである。
【0082】請求項9に係るデータ伝送装置は、さら
に、上記受信信号及び上記伝送路特性推定手段により出
力される推定伝送路特性に基づき推定誤差電力を算出す
る誤差電力推定手段を備え、上記軟判定値作成手段を、
上記推定誤差電力に基づき軟判定値を補正するように構
成したものである。
【0083】請求項10に係るデータ伝送装置は、さら
に、上記受信信号及び上記伝送路特性推定手段により出
力される推定伝送路特性に基づき推定誤差電力を算出す
る誤差電力推定手段と、上記誤差電力推定手段により出
力される推定誤差電力及び上記推定伝送路特性に基づき
計算される各符号間干渉成分に基づいて上記メモリ長L
及び上記送信信号の個数Vを求めるメモリ長推定手段と
を備えたものである。
【0084】請求項11に係るデータ伝送装置は、さら
に、上記受信信号と上記軟判定値とに基づき上記推定伝
送路特性を逐次更新し、更新した推定伝送路特性を上記
枝メトリック作成回路に出力する伝送路特性更新手段を
備えたものである。
【0085】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態1.この発明の実施の形態1について
説明する。本発明の実施の形態において、送信信号は0
または1の2値をとる。なお、図において同一の符号を
付した構成要素は、同一または相当のものである。
【0086】この発明の実施の形態1ついて説明する。
図1は、発明の実施の形態1に係るデータ伝送装置の一
例を示すブロック図である。同図において、201は受
信信号入力端子、202は受信信号を増幅する増幅回
路、203は増幅された受信信号をアナログ量からディ
ジタル量に変換するA/D変換器、204はこの発明に
かかる軟判定装置、205は求められた軟判定値を増幅
回路202の出力で除算することにより補正を行う除算
回路、206は補正された軟判定値を規則的に並べ換え
るデインターリーブ回路、207は並べ換えられた軟判
定値を受けて復号処理を行うビタビ復号回路、208は
復号データ出力端子である。
【0087】次に、図1の軟判定装置を含むデータ伝送
装置の動作について説明する。図1の装置はデータの受
信処理を行うものである。増幅回路202は、A/D変
換回路203の入力レベルが適切な範囲になるように、
受信信号を増幅量βnで増幅する。A/D変換回路20
3は増幅された受信信号をアナログ信号からディジタル
信号に変換する。
【0088】軟判定装置204は、ディジタル信号に変
換された受信信号から軟判定値を計算する。軟判定装置
204が、本発明の特徴をなす部分である。この詳細に
ついては後述する。除算回路205は、軟判定装置20
4より出力される軟判定値を、増幅回路202より出力
される増幅量βnで割り、軟判定値を補正する。デイン
ターリーブ回路206は、除算回路205より出力され
る補正された軟判定値を規則的に並びかえる。ビタビ復
号回路207は、並びかえられた軟判定値を入力し、そ
の復号結果を出力する。
【0089】受信信号の信号電力は変化するが雑音電力
が一定であるような伝送路において、受信機は受信信号
が一定レベルに保たれるように増幅量βで受信信号を増
幅する。すると雑音電力が変化するから、この変化を考
慮して軟判定値を補正する必要がある。
【0090】ここで、増幅回路202の入力レベルにお
ける雑音電力をσ2 とする。増幅後の雑音電力は(βn
・ σ2 )となる。そこで、(βn ・ σ2 )で軟判定値を
正規化、すなわち軟判定値を増幅後の雑音電力(βn
σ2 )で割ることにより、増幅回路202における雑音
電力の変化を吸収することができる。あるいは、軟判定
値はその相対値にしか意味が無いので、σ2 =1とおい
て、増幅量βn で軟判定値を割るだけでもよい。
【0091】図1の装置によれば、軟判定装置202の
出力を増幅回路202の増幅量βnで割ることにより、
受信信号の信号電力が変化し、雑音電力が一定であるよ
うな伝送路においても、精度の高い軟判定値を得ること
ができる。
【0092】図2は、図1の軟判定装置の内部構成を示
すブロック図である。図2において、11は受信信号入
力端子、12は伝送路の特性gi,n を推定して出力する
伝送路特性推定回路、13−1〜13−(2N)はメモ
リ長Vとしたトレリス図において2N(ここでN=2
V 、V≧L)個の枝それぞれに対応して設けられ、受信
信号及び伝送路の特性に基づき枝メトリックEn [S
n-1 /Sn]をそれぞれ求める枝メトリック作成回路、
14−1〜14−Nはメモリ長Vとしたトレリス図にお
いてN(=2V )個のステートそれぞれに対応して設け
られ、2つの枝メトリック作成回路に基づきACS処理
を行うACS回路(i=1,2,・・・,Nとしたとき
ACS回路14−iと枝メトリック作成回路13−(2
i−1)及び(2i)とが対応する)、15はACS回
路14−1〜14−Nと接続された共有メモリ、16は
ACS回路14−1〜14−Nが出力するパスメトリッ
クFn [Sn-1 /Sn ]に基づき軟判定値を作成する軟
判定値作成回路、17は軟判定値出力端子である。
【0093】ここで、Nはステート数、LはISIが影
響を与える時間長(伝送路メモリ長)、Vはビタビアル
ゴリズムのメモリ長である。
【0094】枝メトリック作成回路13−1〜13−
(2N)はいずれも同じ構成を持つ。図3は枝メトリッ
ク作成回路13−1の詳細なブロック図である。同図に
おいて、21は推定伝送路特性入力端子、22−1〜2
2−(L+1)は推定伝送路特性gi,n と送信系列In
とをそれぞれ乗算する乗算回路、23は送信系列In
記憶するメモリ、24は乗算回路22−1〜22−(L
+1)の出力の総和を求める加算回路、25は受信信号
n から加算回路24の出力を減算する減算回路、26
は減算回路25の出力の2乗値を求める2乗回路、27
は枝メトリック出力端子である。
【0095】ACS回路14−1〜14−Nはいずれも
同じ構成を持つ。図4はACS回路14−1の詳細なブ
ロック図である。同図において、31−1、31−2は
枝メトリック入力端子、32−1、32−2は1時刻過
去の生き残りパスメトリックの入力端子、33−1、3
3−2は枝メトリックと1時刻過去の生き残りパスメト
リックとを加算してパスメトリックを求める加算回路、
34はパスメトリックのうちで小さな方を選択して生き
残りパスメトリックとして出力する比較・ 選択回路、3
5は生き残りパスメトリック出力端子である。
【0096】図5は軟判定値作成回路16の詳細なブロ
ック図である。同図において、41−1〜41−(N/
2)及び42−1〜42−(N/2)は生き残りパスメ
トリック入力端子、43−1、43−2は入力された生
き残りパスメトリックから最小のものを選択する最小値
選択回路、44は減算回路である。
【0097】ここで、生き残りパスメトリック入力端子
41−1〜41−(N/2)に入力される生き残りパス
メトリックは、送信系列の候補の組み合わせであるステ
ートのうちでもっとも過去のシンボルにあたるもの(正
確に言えば長さVである部分送信系列のうちのもっとも
過去のシンボル)が「1」のものである。また、生き残
りパスメトリック入力端子42−1〜42−(N/2)
に入力される生き残りパスメトリックは、ステートのう
ちでもっとも過去のシンボルにあたるものが「0」のも
のである。このような対応関係に基づき、ACS回路1
4−1〜14−Nと軟判定値作成回路16とは接続され
ている。
【0098】次に軟判定装置の動作について説明する。
まず、装置全体の動作の概要を述べ、次に動作の詳細を
述べる。受信信号は、伝送路特性推定を行うことを目的
としたトレーニング信号と、情報を伝送することを目的
とした情報信号とから構成され、トレーニング信号は軟
判定装置側で既知であるとする。これ以降、受信信号の
情報信号部分を受信信号と呼び、受信信号のトレーニン
グ信号部分をトレーニング信号と呼ぶ。
【0099】伝送路特性推定回路12は、トレーニング
信号とトレーニング信号の既知情報に基づいて伝送路特
性を推定し、gi,n を出力する。2N個の枝メトリック
作成回路13−1〜13−(2N)は、受信信号rn
伝送路特性推定回路が出力する推定伝送路特性gi,n
受けて、メモリ23に記憶された各枝に対応した送信系
列In に基づいて枝メトリックEn [Sn-1 /Sn ]を
出力する。
【0100】ACS回路14−1は、ACS回路14−
1に対応するステートに繋がる2つの枝に対応した2系
統の枝メトリック作成回路が出力する枝メトリックと、
その2つの枝によって結ばれる1時刻過去のステートに
対応して共有メモリ15より出力される1時刻過去の生
き残りパスメトリックFn-1 [Sn-1 ]を受けてACS
処理を行い、現時刻の生き残りパスメトリックFn [S
n ]を出力する。他のACS回路14−2〜14−Nも
同様に動作する。共有メモリ15は、ACS回路14−
1〜14−Nが出力する現時刻の生き残りパスメトリッ
クを受けて1時刻過去の生き残りパスメトリックを更新
する。軟判定値作成回路16はACS回路14−1〜1
4−Nが出力する現時刻の生き残りパスメトリックFn
[Sn ]を受けて軟判定値を計算し、軟判定値出力端子
17から軟判定値を出力する。
【0101】枝メトリック作成回路13−1の動作につ
いて図3を用いて説明する。乗算回路22−1〜22−
(L+1)は、推定伝送路特性入力端子21より入力し
た推定伝送路特性gi,n (タップ数(L+1)個のFI
Rフィルタのタップ係数)と、メモリ23に記憶されて
いる枝メトリック作成回路13−1に対応した枝によっ
て決定される送信系列の候補の一部、すなわち枝によっ
て決定される(V+1)シンボルの送信信号の中で最も
新しい(L+1)シンボルの送信信号との積をそれぞれ
計算する。加算回路24は、乗算回路22−1〜22−
(L+1)から出力される(L+1)個の乗算結果を入
力し、その総和を計算する。減算回路25は、加算回路
24から出力される総和と受信信号の差を計算する。2
乗回路26は、減算回路25から出力される差の2乗を
計算し、その結果を枝メトリックとして枝メトリック出
力端子27から出力する。
【0102】ACS回路14−1の動作について図4を
用いて説明する。枝メトリック入力端子31−1、31
−2は、ACS回路14−1に対応するステートに繋が
る2つの枝に対応した枝メトリック作成回路13−1、
13−2より出力される枝メトリックが入力する。生き
残りパスメトリック入力端子32−1、32−2は、A
CS回路14−1に対応するステートに繋がる2つの枝
によって結ばれる1時刻過去のステートに対応した生き
残りパスメトリックを共有メモリ15から受ける。加算
回路33−1、33−2は、枝メトリック入力端子31
−1、31−2より入力される枝メトリックと生き残り
パスメトリック入力端子32−1、32−2より入力さ
れる生き残りパスメトリックの和をそれぞれ計算する。
比較・ 選択回路34は、加算回路33−1、33−2か
ら出力される和を入力し、2つの和を比較して小さい方
を現時刻の生き残りパスメトリックとして、生き残りパ
スメトリック出力端子35から出力する。
【0103】軟判定値作成回路16の動作について図5
を用いて説明する。生き残りパスメトリック入力端子4
1−1〜41−(N/2)は、ステートを構成する最も
過去の送信信号が0であるステートに対応したACS回
路14から出力される生き残りパスメトリックを受け
る。一方、生き残りパスメトリック入力端子42−1〜
42−(N/2)は、ステートを構成する最も過去の送
信信号が1であるステートに対応したACS回路14か
ら出力される生き残りパスを受ける。最小値選択回路4
3−1は、生き残りパスメトリック入力端子41−1〜
41−(N/2)からの生き残りパスメトリックを受け
て、それらの中で最小の生き残りパスメトリックを選択
して出力する。最小値選択回路43−2は、生き残りパ
スメトリック入力端子42−1〜42−(N/2)から
の生き残りパスメトリックを受けて、それらの中で最小
の生き残りパスメトリックを選択して出力する。減算回
路44は最小値選択回路43−1の出力と最小値選択回
路43−2の出力の差を計算し、この結果を軟判定値と
して軟判定値出力端子15から出力する。
【0104】次に、発明の実施の形態1の具体的な動作
について図6を用いて説明する。L=2、V=4、N=
V =16とする。枝メトリック作成回路13−1〜1
3−32はそれぞれ枝Sn-1 /Sn に対応して設けられ
ている。これら枝メトリック作成回路13は、受信信号
n 、推定伝送路特性g0 、g1 、g2 及び、各枝メト
リック作成回路13が保有している送信信号の候補I
n-2 、In-1 、In に基づいて、(50)式によって枝
メトリックを計算する。 En [Sn-1 /Sn ] =[ABS{rn −(g0n +g1n-1 +g2n-2 )}]2 (50) ただし、In-2 、In-1 、In は、枝Sn-1 /Sn によ
って決定される送信信号の候補In-4 、In-3 、I
n-2 、In-1 、In の中の3シンボルである。これらは
時刻nに依らず各枝メトリック作成回路で常に固定した
値である。また、ABSは絶対値記号である。
【0105】なお、推定伝送路特性g0 、g1 、g2
変化しない場合、推定伝送路特性g0 、g1 、g2 と送
信信号の候補I2 [Sn-1 /Sn ]、I3 [Sn-1 /S
n ]、I4 [Sn-1 /Sn ]より計算されるレプリカ、
すなわち(50)式の{}内は常に一定である。この場
合、レプリカの値をメモリに記憶しておき、枝メトリッ
ク作成回路13を推定伝送路特性が更新されたときだけ
レプリカを更新するように構成することもできる。
【0106】次にACS作成回路14−1〜14−16
はそれぞれステートSn に対応して設けられている。具
体的な対応関係は、たとえば図6に基づく。ACS作成
回路14は、ステートSn に繋がる枝S0 n-1 /Sn
び枝S1 n-1 /Sn にそれぞれ対応する枝メトリック作
成回路13の出力、すなわち枝メトリックEn [S0 n-1
/Sn ]及び枝メトリックEn [S1 n-1 /Sn ]を
受ける。また、ACS作成回路14は、共有メモリ15
の出力する1時刻過去のステートS0 n-1 及びS1 n-1
にそれぞれ対応する生き残りパスメトリックFn-1 [S
0 n-1 ]及びFn-1 [S1 n-1 ]を受ける。ACS作成
回路14は、これら入力に基づき(51)、(52)式
に示す加算処理を行い、現時刻のパスメトリックを計算
する。 Fn [S0 n-1 /Sn ]=En [S0 n-1 /Sn ]+Fn-1 [S0 n-1 ] (51) Fn [S1 n-1 /Sn ]=En [S1 n-1 /Sn ]+Fn-1 [S1 n-1 ] (52)
【0107】そして、ACS回路14は、上記(5
1)、(52)式により得られたパスメトリックFn
[S0 n-1 /Sn ]とFn [S1 n-1 /Sn ]とを比較
して、小さい方をステートSn に対応する現時刻の生き
残りパスメトリックFn [Sn ]として出力する。
【0108】例えば、ステート1011に対応するAC
S回路は、枝01011と枝11011に対応する枝メ
トリックEn [01011]、En [11011]と、
1時刻過去のステート0101とステート1101に対
応する生き残りパスメトリックFn-1 [0101]とF
n-1 [1101]を受けて、枝01011と枝1101
1に対応するパスメトリックを(53)、(54)式に
よって計算する。 Fn [01011]=En [01011]+Fn-1 [0101] (51) Fn [11011]=En [11011]+Fn-1 [1101] (52)
【0109】さらに、ACS回路はパスメトリックFn
[01011]とFn [11011]を比較し、小さい
方をステート1011に対応する生き残りパスメトリッ
クFn [1011]として出力する。
【0110】軟判定値作成回路16は、ACS回路14
−1〜14−16から出力される生き残りパスメトリッ
クを受けて、(55)式によって軟判定値yn-3 を計算
する。 yn-3 =min(Fn [Sn ])−min(Fn [Sn ]) (55) ここで、第1項は、ステートSn によって決定される送
信系列In-3 、In-2、In-1 、In の中で最も過去の
送信信号In-3 =0となるステートに対応する生き残り
パスメトリックの中で最小の生き残りパスメトリックを
計算している。この送信系列In-3 〜In の数はV=2
L に対応する。また、第2項は、In-3 =1となるステ
ートに対応する生き残りパスメトリックの中で最小の生
き残りパスメトリックを計算している。
【0111】図6は、発明の実施の形態1(L=2、V
=4、N=2V =16)によって、送信信号In の軟判
定値yn を計算する場合の例を示したトレリス図であ
る。パスAは、In =0となるステートSn+3 に対応し
た生き残りパスメトリックの中で値が最小になる生き残
りパスメトリックを有するパスである。パスBは、In
=1となるステートSn+3 に対応した生き残りパスメト
リックの中で値が最小になる生き残りパスメトリックを
有するパスである。軟判定値はパスAとパスBのパスメ
トリック差として計算される。
【0112】図7は、理解を容易にするために、図6の
パスAとパスBによって決定される送信系列と同じ送信
系列を構成するパスを、V=2とした場合のトレリス図
に示したものである。図8は、図7との比較のために、
従来例(L=V=2、M=2V =4)によって送信信号
n の軟判定値yn を計算した場合の例をトレリス図に
示したものである。
【0113】従来例において、枝Sn+1 /Sn+2 =00
0に対応するパスC(これは、結果的にステートSn+2
=00に対応する生き残りパスとなる)と枝Sn+1 /S
n+2=110に対応するパスD(結果的に、ステートS
n+2 =10に対応する生き残りパスとなる)の差として
軟判定値yn が計算される。これに対して発明の実施の
形態1においては、さらに枝Sn+2 /Sn+3 を用いて軟
判定値が計算されるので、従来例よりも精度の良い軟判
定値を計算することができる。
【0114】図8の従来例において単純にパスCとパス
Dを延長するだけでは軟判定値の精度を高めることがで
きないことを、図9を用いて説明する。同図において、
ステートの上の数字は各ステートに対応する生き残りパ
スメトリックである。ただし、ステートSn+3 の上下の
数字はステートSn+3 につながる枝に対応するパスメト
リックである。
【0115】従来例(V=L=2)の場合パスCとパス
Dのメトリック差によって軟判定値が計算され軟判定値
n =1となる。しかし、ステートSn+3 につながるパ
スを考えた場合、In =0となるパスの中で最小のパス
メトリックを有するものはパスE、In =1となるパス
の中で最小のパスメトリックを有するものはパスFであ
り、パスE及びパスFは両者ともパスCとパスDを延長
したパスとはならないことがわかる。ここで、パスCと
パスDを延長して軟判定値を計算するとyn =−1とな
る。これに対して、発明の実施の形態1(L=2、V=
4)の場合パスEとパスFのメトリック差によって軟判
定値が計算され軟判定値yn =−2となる。
【0116】このように、トレリスのメモリ長Vを推定
伝送路特性のメモリ長Lより大きくすることによって、
従来例より精度の高い軟判定値が計算できる。従来は、
VをLより大きくしてもなんら効果はないと考えられて
きた。しかし、この発明の実施の形態によれば、ただ単
に枝Sn+2 /Sn+3 の情報が加味されるだけでなく、図
6のようにパスAとパスBが合流した場合、ステートS
n+3 以降のパスまで考慮して軟判定値を計算したことに
なるので、精度の向上が期待できる。
【0117】図7の例ではSn+3 で合流しているが、さ
らに先のステートまで合流しない場合もある。しかし、
トレリスのメモリ長Vと推定伝送路特性のメモリ長Lの
差をある程度大きくすることによって、軟判定値の計算
に使われる2つのパスのほとんどは合流する。合流する
場合、送信系列の終端まで考慮して軟判定値を計算した
ことになる。
【0118】発明者はこの発明の効果を定量的に求め
た。図10は、この軟判定装置を備えるデータ伝送装置
によりビタビ復号した後の誤り率(BER)を計算機シ
ミュレーションによって測定した結果を示す。
【0119】従来例(L=V=2)は、発明の実施の形
態1のL=2,V=3の場合と同じ誤り率である。この
場合、枝に対応したパスメトリックを利用するのと、ス
テートに対応した生き残りパスメトリックを用いるのと
で実質的な相違がないからである。しかし、発明の実施
の形態1においてV=4、V=5とVを大きくするに従
い誤り率BERは従来例よりも小さくなる。V=5程度
にすると送信系列の終端まで考慮した場合と同程度の誤
り率となる。
【0120】図10によれば、C/N=3dBのとき、
従来例のBERは約1×10-2であるのに対し、V=4
のBERは約5×10-3、V=5のBERは約4×10
-3である。同じく、C/N=5dBのとき、従来例のB
ERは約2×10-4であるのに対し、V=4のBERは
約1×10-4、V=5のBERは約2×10-5である。
この発明におけるBERは従来例の半分以下である。
【0121】発明の実施の形態1はACS処理の結果で
ある生き残りパスメトリック(ステートに対応する)に
よって軟判定値を計算する。これに対し、従来例はAC
S処理の途中で結果であるパスメトリック(枝に対応す
る)によって軟判定値を計算する。発明の実施の形態1
は途中結果であるパスメトリックを記憶する必要も、演
算に用いる必要もない。このため発明の実施の形態1
は、枝メトリックの計算とACS処理を一括して高速計
算できるようなDSP(ディジタル信号処理回路)にお
いて、従来よりも簡単に構成することができる。
【0122】さらに、発明の実施の形態1は送信信号の
取り得る数Uを2としたが、2より大きい場合について
も容易に拡張できる。取り得る値についても0と1では
なく、−1と1の組み合わせの方が実用的である。ま
た、枝メトリックとして受信信号とレプリカの2乗誤差
に−1をかけた値を枝メトリックとし、ACS処理及び
軟判定値の計算において最小値を選択する代わりに最大
値を選択するようにして修正することもできる。
【0123】また、以上の説明において、ビタビ復号に
適用する場合を例にとり説明したが、ビタビ復号に限ら
ず軟判定復号アルゴリズム一般に適用できる。例えば、
代数的復号、最大事後確率復号、最尤復号、逐次復号に
も適用できる。また、発明の実施の形態1においてデイ
ンターリーブ回路がない場合も考えられる。さらに、雑
音電力の変動が無視できる場合、軟判定装置の出力を増
幅回路における増幅量によって補正する必要はない。
【0124】発明の実施の形態2.この発明の実施の形
態2について説明する。ただし、本発明の実施の形態は
送信信号が0または1の2値をとる場合の構成例であ
る。なお、図において上述した発明の実施の形態と同一
の符号を付した構成要素は、同一または相当のものであ
る。
【0125】図11はこの発明の軟判定装置の発明の実
施の形態を示すブロック図である。同図において、11
は受信信号入力端子、12は伝送路特性推定回路、13
−1〜13−(2N)はメモリ長V(N=2V 、V≧
L)としたトレリス図において2N個の枝それぞれに対
応して設けられる枝メトリック作成回路、14−1〜1
4−Nはメモリ長Vとしたトレリス図においてN(=2
V )個のステートそれぞれに対応して設けられるACS
回路、15は共有メモリ、16は軟判定値作成回路、1
7は軟判定値出力端子である。
【0126】また、101は枝メトリック作成回路13
が必要とする伝送路特性を伝送路特性推定回路12か、
推定伝送路特性更新回路102から供給するかを選択し
て供給する切り替えスイッチ、102は軟判定値作成回
路16の出力に基づき推定伝送路特性を更新する推定伝
送路特性更新回路である。
【0127】次に、発明の実施の形態2の軟判定装置の
動作について図11を用いて説明する。ただし、受信信
号は、伝送路特性推定を行うことを目的としたトレーニ
ング信号と、情報を伝送することを目的とした情報信号
とから構成され、トレーニング信号は軟判定装置側で既
知であるとする。これ以降、受信信号の情報信号部分を
受信信号と呼び、受信信号のトレーニング信号部分をト
レーニング信号と呼ぶ。
【0128】伝送路特性推定回路12は、トレーニング
信号とトレーニング信号の既知情報に基づいて伝送路特
性を推定する。切り替えスイッチ101は、受信信号に
対する軟判定値に対応して推定伝送路特性回路102が
推定伝送路特性を更新している期間中、その更新された
推定伝送路特性が枝メトリック作成回路13−1〜13
−(2N)に入力されるように切り替え動作を行う。
【0129】推定伝送路特性更新回路102は、伝送路
特性推定回路12からの推定伝送路特性、受信信号入力
端子11からの受信信号、及び、軟判定値作成回路16
からの軟判定値を受けて、推定伝送路特性をLMS(Le
ast Mean Square )アルゴリズムに基づいて推定伝送路
特性を計算して更新する。そして、更新した結果を枝メ
トリック作成回路13−1〜13−(2N)に出力す
る。
【0130】推定伝送路特性の更新は次のように行われ
る。ここで、推定伝送路特性更新回路102の出力する
推定伝送路特性をg0,n 、g1,n 、・・・、gL,n と表
わす。下付きのnは時刻を表わす。
【0131】軟判定値yn は、その値から硬判定値xn
に変換される。この硬判定値xn と受信信号rn 、1時
刻前の推定伝送路特性g0,n-1 、g1,n-1 、・・・、g
L,n- 1 によって、(56)式のアルゴリズム(LMSア
ルゴリズム)で推定伝送路特性を更新する。 gi,n =gi,n-1 +α(rn −Σ gj,n-1 ・xn-j ) (56) ただし、i=0,・・・,L である。総和Σはj=0
からLまでとる。ここで、αは更新アルゴリズムのステ
ップサイズである。この更新アルゴリズムにおけるgの
初期値は、伝送路特性推定回路12が出力する推定伝送
路特性をそのまま用いる。
【0132】枝メトリック作成回路13−1〜13−
(2N)、ACS回路14−1〜14−N、共有メモリ
15、軟判定値作成回路16は発明の実施の形態1と同
様に動作する。
【0133】発明の実施の形態2は、発明の実施の形態
1同様にトレリスのメモリ長Vを推定伝送路のメモリ長
Lよりも大きくとることにより従来例よりも精度の高い
軟判定値を得ることができる。さらに、伝送路特性が高
速に変動する場合、発明の実施の形態2は推定伝送路特
性を逐次更新することによって、従来例よりも精度の高
い軟判定値を計算できる。
【0134】また、発明の実施の形態2では1シンボル
ごとに推定伝送路特性を更新していたが、数シンボルご
とに推定伝送路特性更新することによって処理量を減ら
すことができる。さらに、推定伝送路更新回路内の推定
伝送路特性は1シンボルごとに更新し、枝メトリック作
成回路に出力する推定伝送路特性だけを数シンボルごと
に更新することによって、推定伝送路を更新するために
増える処理量を少なくすることができる。
【0135】また、発明の実施の形態2では推定伝送路
特性の更新にLMSアルゴリズムを用いたが他のアルゴ
リズムで更新することもできる。また、発明の実施の形
態2はACS処理の結果である生き残りパスメトリック
(ステートに対応する)によってを軟判定値を計算する
が、従来例はACS処理の途中で結果であるパスメトリ
ック(枝に対応する)によってを軟判定値を計算する。
このため発明の実施の形態2は、枝メトリックの計算と
ACS処理を一括して高速計算できるようなDSPにお
いて、従来例よりも簡単に構成することができる。
【0136】さらに、発明の実施の形態2は送信信号の
取り得る数Uを2としたが、2より大きい場合について
も容易に拡張でき、取り得る値についても0と1ではな
く−1と1の組み合わせの方が実用的である。また、枝
メトリックとして受信信号とレプリカの2乗誤差に−1
をかけた値を枝メトリックとし、ACS処理及び軟判定
値の計算において最小値を選択する代わりに最大値を選
択するようにして修正することもできる。
【0137】発明の実施の形態3 この発明の実施の形態3について説明する。ただし、本
発明の実施の形態は送信信号が0または1の2値をとる
場合の構成例である。なお、図において上述した発明の
実施の形態と同一の符号を付した構成要素は、同一また
は相当のものである。
【0138】図12は、この発明の軟判定装置の発明の
実施の形態を示すブロック図である。同図において、1
1は受信信号入力端子、12は伝送路特性推定回路、1
13−1〜113−(2M)は(2M)個(M=2L
の枝メトリック作成回路、114−1〜114−Nはメ
モリ長Vとしたトレリス図においてN(=2V )個のス
テートそれぞれに対応して設けられるACS回路、15
は共有メモリ、116は軟判定値作成回路、17は軟判
定値出力端子である。
【0139】図13は、図11におけるACS回路11
4−1の詳細なブロック図である。同図において、12
1は枝メトリック入力端子、122−1、122−2は
1時刻過去の生き残りパスメトリック入力端子、123
−1、123−2は加算回路、124は比較・ 選択回
路、125は生き残りパスメトリック出力端子、126
−1、126−2はパスメトリック出力端子である。
【0140】図14は、図11における軟判定値作成回
路116の詳細なブロックである。同図において、13
1−1〜131−N及び132−1〜132−Nはパス
メトリック入力端子、133−1、133−2は最小値
選択回路、134は減算回路である。
【0141】次に、発明の実施の形態3の軟判定装置の
動作について図12を用いて説明する。ただし、受信信
号は、伝送路特性推定を行うことを目的としたトレーニ
ング信号と、情報を伝送することを目的とした情報信号
とから構成され、トレーニング信号は軟判定装置側で既
知であるとする。これ以降、受信信号の情報信号部分を
受信信号と呼び、受信信号のトレーニング信号部分をト
レーニング信号と呼ぶ。
【0142】まず、動作の概要について説明し、その後
に具体的処理内容について式を用いて説明する。
【0143】伝送路特性推定回路12は、トレーニング
信号とトレーニング信号の既知情報に基づいて伝送路特
性を推定する。2M個の枝メトリック作成回路113−
1〜113−(2M)は、受信信号入力端子11からの
受信信号と伝送路特性推定回路12が出力する推定伝送
路特性を受けて、各枝に対応した送信系列の部分系列に
基づいて枝メトリックを出力する。
【0144】ACS回路114−1は、ACS回路11
4−1に対応するステートに繋がる枝に対応する枝メト
リックを出力する枝メトリック作成回路113−1より
出力される枝メトリックと、ACS回路114−1に対
応するステートに繋がる2つの枝によって結ばれる1時
刻過去のステートに対応して共有メモリ15より出力さ
れる1時刻過去の生き残りパスメトリックを受けて、加
算処理によって計算されるパスメトリック、及び、AC
S処理によって計算される現時刻の生き残りパスメトリ
ックを出力する。他のACS回路14−2〜14−Nも
同様に動作する。
【0145】共有メモリ15はACS回路114−1〜
114−Nが出力する現時刻の生き残りパスメトリック
を受けて、1時刻過去の生き残りパスメトリックを更新
する。
【0146】軟判定値作成回路116はACS回路11
4−1〜114−Nが出力するパスメトリックを受け
て、軟判定値を計算して、軟判定値出力端子17から軟
判定値を出力する。
【0147】ACS回路114−1の動作について図1
3を用いて説明する。枝メトリック入力端子121は、
ACS回路114−1に対応するステートに繋がる2つ
の枝に対応した枝メトリックを出力する枝メトリック作
成回路113−1より枝メトリックを受ける。
【0148】生き残りパスメトリック入力端子122−
1、122−2は、ACS回路114−1に対応するス
テートに繋がる2つの枝によって結ばれる1時刻過去の
ステートに対応した生き残りパスメトリックを共有メモ
リ15から入力する。加算回路123−1、123−2
は、枝メトリック入力端子121より入力される枝メト
リックと生き残りパスメトリック入力端子122−1、
122−2より入力される生き残りパスメトリックの和
をそれぞれ計算する。
【0149】パスメトリック出力端子126−1、12
6−2は、加算回路123−1、123−2から出力さ
れる和をそれぞれ出力する。比較・ 選択回路124は、
加算回路123−1、123−2から出力される和を受
けて、2つの和を比較する。そして、小さい方を現時刻
の生き残りパスメトリックとして、生き残りパスメトリ
ック出力端子125から出力する。
【0150】軟判定値作成回路116の動作について図
14を用いて説明する。パスメトリック入力端子131
−1〜131−Nは、枝によって決定される送信系列の
最も過去の送信信号が0である枝に対応したパスメトリ
ックを受ける。一方、パスメトリック入力端子132−
1〜132−Nは、枝によって決定される送信系列の最
も過去の送信信号が1である枝に対応したパスメトリッ
クを受ける。
【0151】最小値選択回路133−1は、パスメトリ
ック入力端子131−1〜131−Nからのパスメトリ
ックを受けて、その中で最小のパスメトリックを選択し
て出力する。最小値選択回路133−2は、パスメトリ
ック入力端子132−1〜132−Nからのパスメトリ
ックを受けて、その中で最小のパスメトリックを選択し
て出力する。
【0152】減算回路134は最小値選択回路133−
1の出力から最小値選択回路133−2の出力を減算
し、この差を軟判定値として軟判定値出力端子15から
出力する。
【0153】発明の実施の形態3の具体的な動作につい
て図12を用いて説明する。なお、L=2、V=4、M
=2L =4、N=2V =16とする。枝メトリック作成
回路113−1〜113−8は、枝Sn-1 /Sn によっ
て決定される送信信号の候補In-4 、In-3 、In-2
n-1 、In の中の右(未来側)から3シンボルI
n-2 、In-1 、In の組み合わせに対応して設けられ
る。枝メトリック作成回路113は、受信信号rn 、推
定伝送路特性g0 、g1 、g2 を受けて、各枝メトリッ
ク作成回路に対応した送信系列の候補In-2 、In-1
n に基づいて、(57)式によって枝メトリックを計
算する。 En [XXIn-2n-1n ] =[ABS{rn −(g0n +g1n-1 +g2n-2 )}]2 (57)
【0154】ここで、枝Sn-1 /Sn =In-4n-3
n-2n-1n という表現をしてきたが、(57)式の
枝メトリックはIn-4 、In-3 に依存することなく一意
的に決定できるので、XXIn-2n-1n と表現す
る。Xは任意の送信信号を意味している。
【0155】なお、推定伝送路特性g0 、g1 、g2
変化しない場合、推定伝送路特性g0 、g1 、g2 と送
信信号の候補In-2n-1n より計算されるレプリ
カ、すなわち(57)式の()内は常に一定なので、こ
の値をメモリに記憶しておき、推定伝送路特性が更新さ
れたときだけレプリカを更新するように構成することも
できる。
【0156】次に、ACS作成回路114−1〜114
−16はそれぞれステートSn に対応して設けられてい
る。ACS作成回路114−1〜114−16は、ステ
ートSn に繋がる枝S0 n-1 /Sn 及び枝S1 n-1 /S
n の両者に対応した枝メトリックを出力する枝メトリッ
ク作成回路113が出力する枝メトリックEn [XXI
n-2n-1n ]と、共有メモリ15が出力する1時刻
過去のステートS n−1及びS n−1にそれぞれ対
応した生き残りパスメトリックFn [S0 n-1]及びFn
[S1 n-1]を受けて、(58)、(59)式に示す加算
処理によって現時刻のパスメトリックを計算する。 Fn [S0 n-1/Sn ]=En [XXIn-2n-1n ]+Fn-1 [S0 n-1] (58) Fn [S1 n-1/Sn ]=En [XXIn-2n-1n ]+Fn-1 [S1 n-1] (59)
【0157】そして、ACS作成回路114−1〜11
4−16は、パスメトリックFn [S0 n-1/Sn ]とF
n [S1 n-1/Sn ]をパスメトリック出力端子126−
1,126−2から出力するとともに、これら2つのパ
スメトリックを比較して小さい方をステートSn に対応
する生き残りパスメトリックFn [Sn ]として出力す
る。
【0158】例えば、ステート1011に対応するAC
S回路114は、枝メトリックEn[XX011]と、
1時刻過去のステート0101とステート1101に対
応する生き残りパスメトリックFn-1 [0101]とF
n-1 [1101]を入力し、枝01011と枝1101
1に対応するパスメトリックを(60)、(61)式に
よって計算する。 Fn [01011]=En [XX011]+Fn-1 [0101] (60) Fn [11011]=En [XX011]+Fn-1 [1101] (61)
【0159】ACS回路114はパスメトリックFn
[01011]とFn [11011]を比較し、小さい
方をステート1011に対応する生き残りパスメトリッ
クFn[1011]とする。
【0160】軟判定値作成回路116は、ACS回路1
14−1〜114−16から出力されるパスメトリック
を受けて(62)式によって軟判定値yn-4 を計算す
る。 yn-4 =min(Fn [Sn-1 /Sn ])−min(Fn [Sn-1 /Sn ]) (62)
【0161】ここで、第1項は、枝Sn-1 /Sn によっ
て決定される送信系列In-4 、In- 3 、In-2 、I
n-1 、In の中で最も過去の送信信号In-4 =0となる
ステートに対応するパスメトリックの中で最小のパスメ
トリックを計算している。第2項は、In-4 =1となる
ステートに対応するパスメトリックの中で最小のパスメ
トリックを計算している。
【0162】発明の実施の形態3は、発明の実施の形態
1同様にトレリスのメモリ長Vを推定伝送路のメモリ長
Lよりも大きくとることにより従来例よりも精度の高い
軟判定値を得ることができる。また、同じ値を出力する
枝メトリック作成回路を共有することにより、回路規模
の増加を抑えつつ、トレリスのメモリ長Vを拡大でき
る。
【0163】また、発明の実施の形態3は、発明の実施
の形態2のように推定伝送路特性を更新するようにし
て、伝送路特性の変動が激しい場合でも精度の高い軟判
定値を得ることができる。
【0164】さらに、発明の実施の形態3は送信信号の
取り得る数U=2としたが、2より大きい場合について
も容易に拡張でき、取り得る値についても0と1ではな
く−1と1の組み合わせの方が実用的である。また、枝
メトリックとして受信信号とレプリカの2乗誤差に−1
をかけた値を枝メトリックとし、ACS処理及び軟判定
値の計算において最小値を選択する代わりに最大値を選
択するようにして修正することもできる。
【0165】発明の実施の形態4 この発明の実施の形態4について説明する。ただし、本
発明の実施の形態は送信信号が0または1の2値をとる
場合の構成例である。なお、図において上述の発明の実
施の形態と同一の符号を付した構成要素は、同一または
相当のものである。
【0166】図15はこの発明の実施の形態4を示すブ
ロック図である。同図において、11は受信信号入力端
子、12は伝送路特性推定回路、141は伝送路特性推
定回路12による伝送路特性の推定値に基づき符号間干
渉(ISI)を有する伝送路のメモリ長を推定するメモ
リ長推定回路、143−1〜143−(2N)はメモリ
長V(N=2V 、V≧L)としたトレリス図において2
N個の枝それぞれに対応して設けられる枝メトリック作
成回路、14−1〜14−Nはメモリ長をVとしたトレ
リス図においてN(=2V )個のステートそれぞれに対
応して設けられるACS回路、15は共有メモリ、16
は軟判定値作成回路、144はメモリ長推定回路141
により制御され、メモリ長推定回路141の推定結果に
基づきFIRフィルタのタップ係数のシフト量に対応し
て軟判定値を遅延させる遅延回路、17は軟判定値出力
端子である。
【0167】図16は、図15におけるメモリ長推定回
路141の詳細なブロック図である。図16において、
151は推定伝送路特性入力端子、152−1〜152
−(L+1)は伝送路特性gi を2乗する2乗回路、1
53は2乗回路152−1〜152−(L+1)の出力
の総和を求める加算回路、156は加算回路153の出
力に対して定数αを乗算してしきい値Qを出力する乗算
回路、154−1〜154−(L+1)は乗算回路15
6の出力と2乗回路152−1〜152−(L+1)の
出力とをそれぞれ比較する比較回路、155はしきい値
Qよりも大きい伝送路特性gi (正確にはgi の2乗)
となるすべてのタップ係数gi が含まれるようにタップ
数を決定するとともに、タップ係数をシフトすることに
より補正を行う推定伝送路特性補正回路、157は推定
された伝送路特性の推定伝送路特性出力端子、158は
推定伝送路特性補正回路155のシフト量が遅延量とし
て出力するための判定値遅延量出力端子である。
【0168】図17は、図15における枝メトリック作
成回路143−1の詳細なブロック図である。図17に
おいて、11は受信信号入力端子、161は推定伝送路
特性入力端子、22−1〜22−(L+1)は乗算回
路、23はメモリ、162−1〜162−Lは乗算回路
22−2〜22−(L+1)にそれぞれ設けられ、メモ
リ長推定回路141の出力に基づき乗算回路22−2〜
22−(L+1)の出力をオン/オフする切り替えスイ
ッチ、24は乗算回路22−1及び切り替えスイッチ1
62−1〜162−Lの出力の総和を求める加算回路、
25は減算回路、26は2乗回路、27は枝メトリック
出力端子である。
【0169】次に、発明の実施の形態4の軟判定装置の
動作について図15を用いて説明する。ただし、受信信
号は、伝送路特性を推定することを目的としたトレーニ
ング信号と、情報を伝送することを目的とした情報信号
とから構成され、トレーニング信号は軟判定装置側で既
知であるとする。これ以降、受信信号の情報信号部分を
受信信号と呼び、受信信号のトレーニング信号部分をト
レーニング信号と呼ぶ。
【0170】まず、動作の概要について説明し、その後
に具体的処理内容について式を用いて説明する。
【0171】伝送路特性推定回路12は、トレーニング
信号とトレーニング信号の既知情報に基づいて伝送路特
性を推定する。メモリ長推定回路141は伝送路特性推
定回路12より出力される伝送路特性に基づき伝送路の
推定メモリ長を推定し、伝送路の推定メモリ長と受信に
関する情報を含む推定伝送路特性と判定値の遅延量を出
力する。
【0172】(2N) 個の枝メトリック作成回路143
−1〜143−(2N)は、受信信号とメモリ長推定回
路141が出力する伝送路の推定メモリ長に関する情報
を含む推定伝送路特性を受けて、各枝に対応した送信系
列に基づいて枝メトリックを出力する。
【0173】ACS回路14−1は、ACS回路14−
1に対応するステートに繋がる2つの枝に対応した2系
統の枝メトリック作成回路が出力する枝メトリックと、
その2つの枝によって結ばれる1時刻過去のステートに
対応して共有メモリ15より出力される1時刻過去の生
き残りパスメトリックをそれぞれ受けて、ACS処理を
行い現時刻の生き残りパスメトリックを出力する。他の
ACS回路14−2〜14−Nも同様に動作する。
【0174】共有メモリ15はACS回路14−1〜1
4−Nが出力する現時刻の生き残りパスメトリックを入
力し、1時刻過去の生き残りパスメトリックを更新す
る。軟判定値作成回路16はACS回路14−1〜14
−Nが出力する現時刻の生き残りパスメトリックを入力
し、軟判定処理を行い、軟判定値を出力する。
【0175】遅延回路144は、メモリ長推定回路14
1により出力される判定値の遅延量に基づき軟判定値作
成回路により出力される軟判定値を遅延させる。この遅
延された軟判定値は軟判定値出力端子17から出力され
る。
【0176】メモリ長推定回路141の動作について図
16を用いて説明する。2乗回路152−1〜152−
(L+1)は、伝送路特性推定回路12より出力される
各タップ係数(推定伝送路特性)の2乗を計算する。加
算回路153は、2乗回路152−1〜152−(L+
1)より出力される値の総和を計算する。乗算回路15
6は、加算回路153より出力される総和をα倍する。
比較回路154−1〜154−(L+1)は、2乗回路
152−1〜152−(L+1)より出力される値と乗
算回路156より出力される乗算結果とを比較する。
【0177】推定伝送路補正回路155は、推定伝送路
特性入力端子151から受けた推定伝送路特性と比較回
路154−1〜154−(L+1)より出力される比較
結果に基づいて、推定伝送路特性の補正を行い、補正し
た結果(タップ係数及びタップ数に関する情報)を推定
伝送路特性出力端子156より出力する。
【0178】枝メトリック作成回路143−1の動作に
ついて図18を用いて説明する。乗算回路22−1〜2
2−(L+1)は、推定伝送路特性入力端子161より
受けた推定伝送路特性(タップ係数)と、メモリ23に
記憶されている枝メトリック作成回路143−1に対応
した枝によって決定される送信系列の候補の一部、すな
わち枝によって決定される(V+1)シンボルの送信信
号の中で最も新しい(L+1)シンボルの送信信号との
積をそれぞれ計算する。ただし、メモリ長推定回路14
2より出力される推定伝送路特性(タップ数)によっ
て、切り替えスイッチ162−1〜162−Lが制御さ
れる。
【0179】加算回路24は、切り替えスイッチ162
−1〜162−Lを経由して乗算回路22−1〜22−
(L+1)から出力される乗算結果を受けて、その総和
を計算する。減算回路25は、加算回路24から出力さ
れる総和と受信信号入力端子11から入力された受信信
号との差を計算する。2乗回路26は、減算回路25か
ら出力される差の2乗を計算し、その結果を枝メトリッ
クとして枝メトリック出力端子27から出力する。
【0180】さらに、発明の実施の形態4の具体的な動
作について図15〜17を用いて説明する。なお、V=
4、L=3、N=2V =16とする。図16において、
比較回路154−1〜154−4は、伝送路特性推定回
路12が推定したタップ係数(推定伝送路特性)g0
1 、g2 、g3 を受けて、下記の(63)式のしきい
値Qとタップ係数gi の絶対値の2乗(ただしi=0,
1,2,3)とをそれぞれ比較する。 Q = α[{ABS(g0 )}2 +{ABS(g1 )}2 +{ABS(g2 )}2 +{ABS(g3 )}2 ] (63)
【0181】推定伝送路特性補正回路155は、{AB
S(gi )}2 >Qとなるタップ係数gi が全て含まれ
るようにタップ数を決定し、{ABS(g0 )}2 ≦Q
とならないようにタップ係数をシフトさせる。このとき
のシフト量が判定値の遅延量となる。推定伝送路特性補
正回路155は、シフトしたタップ係数及び有効なタッ
プ数を推定伝送路特性として枝メトリック作成回路14
3−1〜143−32に対し出力するとともに、判定値
の遅延量を遅延回路144に対し出力する。
【0182】推定伝送路特性の補正の例を図18に示
す。伝送路特性推定回路12で推定されたタップ係数の
中でg1 とg3 が{ABS(gi )}2 >Qとなるの
で、g1、g2 及びg3 が有効なタップ係数である。
{ABS(g0 )}2 ≦Qとならないように、g1 、g
2 及びg3 はそれぞれg'0、g'1及びg'2にシフトされ
る。このときタップ係数は1シンボルだけシフトされた
ので、判定値の遅延量は1シンボルとなる。
【0183】枝メトリック作成回路143−1〜143
−32はそれぞれ枝Sn-1 /Sn に対応して設けられて
いる。これら枝メトリック作成回路143は、受信信号
n、タップ係数g'0、g'1、g'2、g'3、及び有効タ
ップ数(La +1)を受けて、各枝メトリック作成回路
143が保有している送信信号の候補In-3 、In-2
n-1 、In に基づいて、(64)式によって枝メトリ
ックを計算する。 En [Sn-1 /Sn ]={ABS(rn −Σ g'i・In-i )}2 (64) ただし、総和Σはi=0,・・・,La についてとる。
【0184】ACS回路14−1〜14−N、共有メモ
リ15及び軟判定値作成回路は、上述の他の発明の実施
の形態の場合と同様に動作する。遅延回路144はメモ
リ長推定回路141におけるタップ係数のシフト量だけ
軟判定値yn を遅延させる。なお、枝メトリック作成回
路143が保有する送信信号の候補In-3 、In-2 、I
n-1 、In は、タップ係数のシフト量に応じてI
n-D-3 、In-D-2 、In-D-1 、In-D となるが、この系
列は時間に依らず一定なので、上述の説明においては、
時刻(n−D)のところを時刻nとしている。
【0185】発明の実施の形態4の軟判定装置は、推定
伝送路特性のメモリ長Lを変化させることにより、実際
の伝送路のメモリ長が変化するような場合においても追
従することが可能であり、精度の高い軟判定値を得るこ
とができる。
【0186】なお、発明の実施の形態4において、メモ
リ長推定回路141は伝送路のメモリ長Lを推定した
が、同様にトレリスのメモリ長Vについても推定し、こ
の推定値に基づいて不要なACS回路を停止させること
によって、装置の平均処理量を削減できる。また、発明
の実施の形態4の軟判定装置は、発明の実施の形態3の
ように伝送路の推定メモリ長に基づいて、同じ値を出力
する枝メトリック作成回路を停止させることによって、
装置の平均処理量が削減できる。
【0187】また、推定伝送路特性補正回路155にお
いて、{ABS(g'i)}2 ≦Qとなるタップ係数を強
制的にgi =0とするように推定伝送路特性を補正する
こともできる。例えば、図22の推定伝送路特性補正回
路の出力において、{ABS(g'1)}2 ≦Qとなるの
でg' 1 =0とする。また、推定伝送路特性補正回路1
55において、有効でないタップ係数({ABS
(g'i)}2 ≦Qとなるタップ係数)を0にすることに
より、枝メトリック作成回路143−1〜143−(2
N)の切り替えスイッチを省くことができる。
【0188】また、発明の実施の形態4の軟判定装置
は、発明の実施の形態2のように推定伝送路特性を逐次
更新するようにして、伝送路特性の変動が激しい場合で
もこれに追従可能とし、精度の高い軟判定値を得ること
ができる。さらに、発明の実施の形態4の軟判定装置は
送信信号の取り得る数Uを2としたが、2より大きい場
合についても容易に拡張でき、取り得る値についても0
と1ではなく−1と1の組み合わせの方が実用的であ
る。また、枝メトリックとして受信信号とそのレプリカ
の2乗誤差に−1をかけた値を枝メトリックとし、AC
S処理及び軟判定値の計算において最小値を選択する代
わりに最大値を選択するようにして修正することもでき
る。
【0189】発明の実施の形態5 この発明の実施の形態5について説明する。ただし、本
発明の実施の形態は送信信号が0または1の2値をとる
場合の構成例である。なお、図において上述の発明の実
施の形態と同一の符号を付した構成要素は、同一または
相当のものである。
【0190】図19はこの発明の軟判定装置の発明の実
施の形態を示すブロック図である。図19において、1
1は受信信号入力端子、12は伝送路特性推定回路、1
43−1〜143−(2N)はメモリ長V(N=2V
V≧L)としたトレリス図において(2N)個の枝それ
ぞれに対応して設けられる枝メトリック作成回路、17
1はメモリ長推定回路、172は伝送路特性推定回路1
2からの推定伝送路特性及び受信信号入力端子11から
の受信信号に基づき誤差を推定し、推定誤差値をメモリ
長推定回路171及び軟判定値作成回路176に対し出
力する推定誤差検出回路、174−1〜174−Nはメ
モリ長Vとしたトレリス図においてN(=2V )個のス
テートそれぞれに対応して設けられるACS回路、17
5は共有メモリ、176は軟判定値作成回路、144は
遅延回路、17は軟判定値出力端子、178は硬判定値
作成回路、179は硬判定値出力端子である。
【0191】図20は、図19におけるメモリ長推定回
路171の詳細なブロック図である。図20において、
151は推定伝送路特性入力端子、152−1〜152
−(L+1)は推定伝送路特性をそれぞれ2乗する2乗
回路、154−1〜154−(L+1)は2乗回路15
2−1〜152−(L+1)の出力と乗算回路156の
出力とをそれぞれ比較する比較回路、155は比較回路
154−1〜154−(L+1)の出力及び推定伝送路
特性に基づき伝送路を補正するための推定伝送路特性補
正回路、156は推定誤差電力入力端子181からの推
定誤差電力に対し定数αを乗算する乗算回路、157は
推定伝送路特性補正回路155に接続された推定伝送路
特性出力端子、158は推定伝送路特性補正回路155
に接続された判定値遅延量出力端子、181は推定誤差
検出回路172からの推定誤差電力を受ける推定誤差電
力入力端子である。
【0192】図21は、図19における軟判定値作成回
路176の詳細なブロック図である。図21において、
41−1〜41−(N/2)及び42−1〜42−(N
/2)は生き残りパスメトリック入力端子、43−1、
43−2は最小値選択回路、44は減算回路、181は
推定誤差電力入力端子、192は減算回路44の出力を
端子181からの推定誤差電力値で除して軟判定値yn
を出力する除算回路、197は除算回路192に接続さ
れた判定値出力端子である。
【0193】次に発明の実施の形態5の軟判定装置の動
作について図18を用いて説明する。ただし、受信信号
は、伝送路特性を推定することを目的としたトレーニン
グ信号と、情報を伝送することを目的とした情報信号と
から構成され、トレーニング信号は軟判定装置側で既知
であるとする。これ以降、受信信号の情報信号部分を受
信信号と呼び、受信信号のトレーニング信号部分をトレ
ーニング信号と呼ぶ。
【0194】伝送路特性推定回路12は、トレーニング
信号とトレーニング信号の既知情報に基づいて伝送路特
性を推定する。推定誤差検出回路172は、受信信号と
伝送路特性推定回路12より出力される推定伝送路特性
を受けて、推定誤差電力を推定し、その推定値を出力す
る。メモリ長推定回路171は、伝送路特性推定回路1
2が出力する伝送路特性と推定誤差検出回路172が出
力する推定誤差電力を受けて、伝送路のメモリ長を推定
するとともに、伝送路の推定メモリ長に関する情報を含
む推定伝送路特性と判定値の遅延量を出力する。
【0195】(2N) 個の枝メトリック作成回路173
−1〜173−(2N)は、それぞれ、受信信号とメモ
リ長推定回路171が出力する推定伝送路特性のメモリ
長に関する情報を含む推定伝送路特性を受けて、各枝に
対応した送信系列に基づいて枝メトリックを出力する。
ACS回路174−1は、ACS回路174−1に対応
するステートに繋がる2つの枝に対応した2系統の枝メ
トリック作成回路が出力する枝メトリックと、その2つ
の枝によって結ばれる1時刻過去のステートに対応し共
有メモリ175より出力される1時刻過去の生き残りパ
ス及び生き残りパスメトリックを受けて、ACS処理を
行い現時刻の生き残りパス及び生き残りパスメトリック
を出力する。他のACS回路174−2〜174−Nも
同様に動作する。
【0196】共有メモリ175は、ACS回路174−
1〜174−Nが出力する現時刻の生き残りパス及び生
き残りパスメトリックを受けて、1時刻過去の生き残り
パス及び生き残りパスメトリックを更新する。軟判定値
作成回路176は、ACS回路174−1〜174−N
が出力する現時刻の生き残りパスメトリックと推定誤差
検出回路172より出力される推定誤差電力を受けて、
軟判定値計算を行い、軟判定値を出力する。
【0197】遅延回路144は、メモリ長推定回路17
1により出力される判定値の遅延量と軟判定値作成回路
176により出力される軟判定値を受けて、この軟判定
値を判定値の遅延量だけ遅延させた後、軟判定値出力端
子17から出力する。硬判定値作成回路178は、AC
S回路174−1〜174−Nが出力する現時刻の生き
残りパス及び生き残りパスメトリックとメモリ長推定回
路171により出力される判定値の遅延量を受けて、こ
の判定値の遅延量を考慮して送信系列を推定しながら硬
判定値を硬判定値出力端子179より出力する。
【0198】メモリ長推定回路171の動作について図
20を用いて説明する。2乗回路152−1〜152−
(L+1)は、伝送路特性推定回路12より出力される
各タップ係数(推定伝送路特性)の2乗を計算する。乗
算回路156は、推定誤差電力入力端子181より入力
された推定誤差電力をα倍する。
【0199】比較回路154−1〜154−(L+1)
は、2乗回路152−1〜152−(L+1)より出力
される値と乗算回路156より出力される乗算結果とを
比較する。推定伝送路補正回路155は、推定伝送路特
性入力端子151から入力された推定伝送路特性と比較
回路154−1〜154−(L+1)より出力される比
較結果に基づいて、推定伝送路特性の補正を行い、補正
した結果(タップ係数及びタップ数に関する情報)を推
定伝送路特性出力端子157より出力する。
【0200】軟判定値作成回路176の動作について図
21を用いて説明する。生き残りパスメトリック入力端
子41−1〜41−(N/2)は、ステートを構成する
最も過去の送信信号が0であるステートに対応したAC
S回路から出力される生き残りパスメトリックが入力さ
れる。一方、生き残りパスメトリック入力端子42−1
〜42−(N/2)は、ステートを構成する最も過去の
送信信号が1であるステートに対応したACS回路から
出力される生き残りパスが入力される。
【0201】最小値選択回路43−1は、生き残りパス
メトリック入力端子41−1〜41−(N/2)からの
生き残りパスメトリックを受けて、その中で最小の生き
残りパスメトリックを出力する。最小値選択回路43−
2は、生き残りパスメトリック入力端子42−1〜42
−(N/2)からの生き残りパスメトリックを受けて、
その中で最小の生き残りパスメトリックを出力する。
【0202】減算回路44は、最小値選択回路43−1
の出力から最小値選択回路43−2の出力を減算する。
除算回路192は、減算回路44より出力される値を、
推定誤差電力入力端子181からの推定誤差電力で割る
とともに、この計算結果を軟判定値として軟判定値出力
端子197から出力する。
【0203】さらに、発明の実施の形態5の具体的な動
作について説明する。なお、V=4、L=3、N=2V
=16とする。伝送路特性推定回路12は、トレーニン
グ信号r'nとトレーニング信号の既知情報I'nに基づい
てタップ係数(伝送路特性)g0 、g1 、g2 、g3
推定する。推定誤差検出回路172は、(65)式によ
って推定誤差電力を計算する。 e=Σ{ABS(r'n−Σ gi ・I'n-i)}2 /(Ntra −2) (65) ここで、かっこ内の総和Σはi=0,・・・,3につい
てとる。かっこ外の総和Σはj=3,・・・,Ntra
ついてとる。なお、推定誤差電力eは実際の受信信号と
受信信号のレプリカとの平均誤差電力を表わす。
【0204】乗算回路156は推定誤差電力eをα倍
し、しきい値Q(=α・ e)を計算する。比較回路15
4−1〜154−4は、しきい値Qとgi の絶対値の2
乗、すなわち{ABS(gi )}2 (i=0,1,2,
3)とをそれぞれ比較する。推定伝送路特性補正回路1
55は、{ABS(gi )}2 >Qとなるタップ係数g
i が全て含まれるようにタップ数を決定するとともに、
{ABS(g0 )}2 ≦Qとならないようにタップ係数
をシフトさせる。このシフト量が受信信号の遅延量とな
る。推定伝送路特性補正回路155は、シフトしたタッ
プ係数、有効なタップ数及び受信信号の遅延量を推定伝
送路特性として枝メトリック作成回路143−1〜14
3−32に出力する。
【0205】硬判定値作成回路178は、ACS回路1
74−1〜174−16から出力される生き残りパスと
生き残りパスメトリック、及びメモリ長推定回路171
により出力する推定値の遅延量を受けて、生き残りパス
メトリックが最大になる生き残りパスに沿った系列を送
信系列とし、判定値の遅延量だけ遅延した信号を硬判定
値として硬判定値出力端子179から出力する。
【0206】軟判定値作成回路176は、ACS回路1
74−1〜174−16から出力される生き残りパスメ
トリックを入力し、(66)式によって軟判定値yn-3
を計算する。 yn-3 ={min(Fn [Sn ])−min(Fn [Sn ])}/e (6
6)
【0207】ここで、分子の第1項は、ステートS
によって決定される送信系列In-3 、In-2 、In-1
n の中で最も過去の送信信号In-3 =0となるステー
トに対応する生き残りパスメトリックの中で最小の生き
残りパスメトリックを計算している。分子の第2項は、
n-3 =1となるステートに対応する生き残りパスメト
リックの中で最小の生き残りパスメトリックを計算して
いる。
【0208】発明の実施の形態5の軟判定装置は、推定
誤差電力で軟判定値を正規化しているので、雑音電力が
変化するような場合においても、適切な軟判定値を求め
ることができ、精度の高い軟判定値を得ることができ
る。さらに、発明の実施の形態5の軟判定装置は、推定
伝送路特性のメモリ長Lを変化させることにより、実際
の伝送路のメモリ長が変化するような場合においても、
精度の高い軟判定値を得ることができる。
【0209】また、発明の実施の形態5の軟判定装置に
おいて、メモリ長推定回路141は推定伝送路特性のメ
モリ長Lを推定したが、トレリスのメモリ長Vについて
も推定し、この推定値に基づいて不要なACS回路を停
止することによって、装置の平均処理量を削減できる。
さらに、発明の実施の形態5の軟判定装置は、発明の実
施の形態3のように伝送路の推定メモリ長に基づいて、
同じ値を出力する枝メトリック作成回路を停止すること
によって、装置の平均処理量が削減できる。
【0210】また、発明の実施の形態5の軟判定装置
は、発明の実施の形態2のように推定伝送路特性を逐次
更新するようにして、伝送路特性の変動が激しい場合で
も精度の高い軟判定値を得ることができる。さらに、発
明の実施の形態5の軟判定装置は送信信号の取り得る数
U=2としたが、2より大きい場合についても容易に拡
張でき、取り得る値についても0と1ではなく−1と1
の組み合わせの方が実用的である。また、枝メトリック
として受信信号とレプリカの2乗誤差に−1をかけた値
を枝メトリックとし、ACS処理及び軟判定値の計算に
おいて最小値を選択する代わりに最大値を選択するよう
にして修正することもできる。
【0211】軟判定値から計算した硬判定値は、最尤系
列推定によって判定した硬判定値より誤り率が悪くな
る。このため、畳込み符号化した信号と符号化しない信
号を組み合わせて送信するようなシステムにおいて、硬
判定値を軟判定した結果から計算すると符号化しない信
号の誤り率が悪くなる。発明の実施の形態5の軟判定装
置は、軟判定値の計算と同時に最尤系列推定に基づいた
硬判定を行うので、上述のシステムにおいて符号化しな
い信号の誤り率を改善することができる。
【0212】
【発明の効果】以上のように、請求項1または請求項2
の発明によれば、軟判定値をパスメトリックではなく、
生き残りパスメトリックに基づいて求めるので、各ステ
ートに対応する加算比較選択処理(ACS処理)を同時
に行うことができる。ディジタル信号処理プロセッサ
(DSP)を用いた場合、回路規模が小さくなる。
【0213】また、請求項3の発明によれば、僅かな回
路の追加により、軟判定値に加えて、軟判定値から計算
した硬判定した場合よりも誤り率特性の良い硬判定値を
得ることができる。
【0214】また、請求項4または請求項5の発明によ
れば、ステートに対応する受信符号の長さVを伝送路の
メモリ長Lよりも長くしたので、精度の高い軟判定値を
得ることができる。
【0215】また、請求項6の発明によれば、僅かな回
路の追加により、軟判定値に加えて、軟判定値から計算
した硬判定した場合よりも誤り率特性の良い硬判定値を
得ることができる。
【0216】また、請求項7の発明によれば、メモリ長
推定手段の推定結果に基づき最適な推定伝送路のメモリ
長Lを選択して枝メトリックを算出するので、誤差の発
生を抑制できる。たとえば、枝メトリック作成手段をF
IRフィルタで構成する場合、そのタップ数を必要最小
限とすることができる。したがって、タップが多すぎる
ことに起因する推定誤差を抑圧できる。これにより伝送
路のメモリ長が変化するような環境において精度の高い
軟判定値を得ることができる。
【0217】また、請求項8の発明によれば、伝送路特
性の変動に追随できるように推定伝送路特性が修正され
るので、伝送路特性が変化するような環境においても精
度の高い軟判定値を得ることができる。
【0218】また、請求項9の発明によれば、推定誤差
電力で軟判定値を修正するので、雑音電力が変動するよ
うな環境においても、精度の高い軟判定値を得ることが
できる。
【0219】また、請求項10の発明によれば、推定誤
差電力に基づき伝送路特性の変動に追随できるように推
定伝送路特性が修正されるので、伝送路特性のメモリ長
が変化するような環境においても精度の高い軟判定値を
得ることができる。
【0220】また、請求項11の発明によれば、伝送路
特性の変動に追随するように、受信信号及び生き残りパ
スによって推定伝送路特性を逐次更新するので、伝送路
特性が高速に変化するような環境においても精度の高い
軟判定値を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1のデータ伝送装置の
ブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1の軟判定装置のブロ
ック図である。
【図3】 この発明の実施の形態1の軟判定装置の枝メ
トリック作成回路のブロック図である。
【図4】 この発明の実施の形態1の軟判定装置のAC
S回路のブロック図である。
【図5】 この発明の実施の形態1の軟判定装置の軟判
定値作成回路のブロック図である。
【図6】 この発明の実施の形態1の軟判定方法を説明
するためのトレリス図である。ただしV=4である。
【図7】 この発明の実施の形態1の軟判定方法を説明
するためのトレリス図である。ただしV=2である。
【図8】 この発明の実施の形態1の軟判定方法と比較
するための、従来の軟判定方法のトレリス図である。た
だしV=L=2である。
【図9】 この発明の実施の形態1の軟判定方法を説明
するためのトレリス図である。ただしV=2である。
【図10】 この発明の実施の形態1のデータ伝送装置
のビット誤り率BERとキャリア対雑音比C/Nとの関
係を示すグラフである。このグラフは計算機シミュレー
ションにより得られたものである。このグラフには比較
のために従来のデータ伝送装置についてもプロットして
ある。
【図11】 この発明の実施の形態2の軟判定装置のブ
ロック図である。
【図12】 この発明の実施の形態3の軟判定装置のブ
ロック図である。
【図13】 この発明の実施の形態3の軟判定装置のA
CS回路のブロック図である。
【図14】 この発明の実施の形態3の軟判定装置の軟
判定値作成回路のブロック図である。
【図15】 この発明の実施の形態4の軟判定装置のブ
ロック図である。
【図16】 この発明の実施の形態4の軟判定装置のメ
モリ長推定回路のブロック図である。
【図17】 この発明の実施の形態4の軟判定装置の枝
メトリック作成回路のブロック図である。
【図18】 この発明の実施の形態4の軟判定装置のメ
モリ長推定回路による軟判定値の遅延動作の説明図であ
る。
【図19】 この発明の実施の形態5の軟判定装置のブ
ロック図である。
【図20】 この発明の実施の形態5の軟判定装置のメ
モリ長推定回路のブロック図である。
【図21】 この発明の実施の形態5の軟判定装置の軟
判定値作成回路のブロック図である。
【図22】 FIRフィルタのブロック図である。
【図23】 伝送路のモデル図である。
【図24】 V=2のときのトレリス図である。
【図25】 従来の最尤系列推定を説明するためのトレ
リス図である。ただしV=2である。
【図26】 図25のトレリス図に対応したステート遷
移の説明図。
【図27】 従来の軟判定装置のブロック図である。
【図28】 従来の軟判定装置のACS回路のブロック
図である。
【図29】 従来の軟判定装置の原理を説明するための
トレリス図及びステート遷移図である。ただしV=2で
ある。
【符号の説明】
11 受信信号入力端子、12 伝送路特性推定回路、
13−1〜13−(2N) 枝メトリック作成回路、1
4−1〜14−N ACS回路、15 共有メモリ、1
6 軟判定値作成回路、17 軟判定値出力端子、21
推定伝送路特性入力端子、22−1〜22−(L+
1) 乗算回路、23 メモリ、24 加算回路、25
減算回路、26 2乗回路、27 枝メトリック出力
端子、31−1、31−2 枝メトリック入力端子、3
2−1、32−2 1時刻過去の生き残りパスメトリッ
ク入力端子、33−1、33−2 加算回路、34 比
較・ 選択回路、35 生き残りパスメトリック出力端
子、41−1〜41−(N/2)生き残りパスメトリッ
ク入力端子、42−1〜42−(N/2) 生き残りパ
スメトリック入力端子、43−1、43−2 最小値選
択回路、44 減算回路、101 切り替えスイッチ、
102 推定伝送路特性更新回路、113−1〜113
−(2M) 枝メトリック作成回路、114−1〜11
4−N ACS回路、116 軟判定値作成回路、12
1 枝メトリック入力端子、122−1、122−2
1時刻過去の生き残りパスメトリック入力端子、123
−1、123−2 加算回路、124 比較・ 選択回
路、125 生き残りパスメトリック出力端子、126
−1、126−2 パスメトリック出力端子、131−
1〜131−N パスメトリック入力端子、132−1
〜132−N パスメトリック入力端子、133−1、
133−2 最小値選択回路、134 減算回路、14
1 メモリ長性推定回路、143−1〜143−(2
N) 枝メトリック作成回路、144 遅延回路、15
1 推定伝送路特性入力端子、152−1〜152−
(L+1) 2乗回路、153 加算回路、154−1
〜154−(L+1)比較回路、155 推定伝送路特
性補正回路、156 乗算回路、157 推定伝送路特
性出力端子、158判定値遅延量出力端子、161 推
定伝送路特性入力端子、162−1〜162−L 切り
替えスイッチ、171 メモリ長推定回路、172 推
定誤差検出回路、174−1〜174−N ACS回
路、175 共有メモリ、176 軟判定値回路、17
8 硬判定値作成回路、179硬判定値出力端子 、1
81 推定誤差入力端子、192 除算回路、201受
信信号入力端子、202 増幅回路、203 A/D変
換器、204 軟判定装置、205 乗算回路、206
デインターリーブ回路、207 ビタビ復号回路、2
08 復号データ出力端子。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伝送路を介して符号化された信号を受信
    し、受信信号の状態をステートに対応させ、上記受信信
    号の受信に伴うひとつのステートから次のステートへの
    遷移をその遷移の指数である枝メトリックに対応させ、
    上記符号を逐次受信したときの上記遷移の経路であるパ
    スについて上記枝メトリックに基づき上記パスの指数で
    あるパスメトリックを算出し、上記パスメトリックに基
    づき上記パスのうちの一部を生き残りパスとして選択す
    ることにより伝送された信号を軟判定し、この結果を用
    いて復合するデータ伝送装置において、 上記生き残りパスに対応する生き残りパスメトリックを
    上記枝メトリックに基づき上記ステートごとに算出する
    とともに、上記生き残りパスに対応する信号の送信系列
    中の最も過去の送信信号に基づき上記生き残りパスメト
    リックを分類し、この分類された生き残りパスメトリッ
    クに基づき軟判定値を算出する軟判定装置と、上記軟判
    定値に基づき復号を行う復号回路とを備えたデータ伝送
    装置。
  2. 【請求項2】 上記軟判定装置に、 伝送路を介して受信した受信信号に基づき上記伝送路の
    メモリ長L及び伝送路特性を推定する伝送路特性推定手
    段と、 連続したV(V≧L)個の送信信号の組み合わせと上記
    ステートとを対応させるとともに、上記受信信号及び上
    記伝送路特性推定手段の推定伝送路特性に基づき上記ス
    テートに繋がる枝それぞれの上記枝メトリックを上記ス
    テートごとに算出する枝メトリック作成手段と、 上記枝メトリック作成手段により出力される上記枝メト
    リック及び1時刻過去の生き残りパスメトリックを受
    け、送信系列の候補として上記生き残りパスのパスメト
    リックを上記ステートごとに算出し、上記生き残りパス
    メトリックとして出力する加算比較選択手段と、 上記生き残りパスメトリックを記憶し、上記加算比較選
    択手段が次の処理をするときに上記1時刻過去の生き残
    りパスメトリックとして記憶内容を出力するメモリと、 上記加算比較選択手段が出力する上記ステートごとの上
    記生き残りパスメトリックを受け、上記生き残りパスメ
    トリックから、その送信信号中の最も過去の候補が第1
    の符号であるものを選択するとともに、これら選択され
    た上記生き残りパスメトリックのうちの最小のものを出
    力する第1の最小値選択手段と、 上記加算比較選択手段が出力する上記ステートごとの上
    記生き残りパスメトリックを受け、上記生き残りパスメ
    トリックから、その送信信号中の最も過去の候補が第2
    の符号であるものを選択するとともに、これら選択され
    た上記生き残りパスメトリックのうちの最小のものを出
    力する第2の最小値選択手段と、 上記第1及び第2の最小値選択出力手段によりそれぞれ
    選択された最小生き残りパスメトリックに基づき軟判定
    値を出力する軟判定値作成手段とを備えたことを特徴と
    する請求項1記載のデータ伝送装置。
  3. 【請求項3】 上記加算比較選択手段を、上記生き残り
    パスメトリックとともに、対応する生き残りパスを出力
    するように構成し、 上記加算比較選択手段により出力される上記生き残りパ
    ス及びこれらのパスメトリックを受け、硬判定値を算出
    する硬判定値作成手段を備えたことを特徴とする請求項
    2記載のデータ伝送装置。
  4. 【請求項4】 伝送路を介して符号化された信号を受信
    し、受信信号の状態をステートに対応させ、上記受信信
    号の受信に伴うひとつのステートから次のステートへの
    遷移をその遷移の指数である枝メトリックに対応させ、
    上記符号を逐次受信したときの上記遷移の経路であるパ
    スについて上記枝メトリックに基づき上記パスの指数で
    あるパスメトリックを算出し、上記パスメトリックに基
    づき上記パスのうちの一部を生き残りパスとして選択す
    ることにより伝送された信号を軟判定し、この結果を用
    いて復合するデータ伝送装置において、 上記ステートに対応する受信信号の長さを伝送路のメモ
    リ長よりも長くして上記ステートの数を増やし、上記パ
    スメトリックを上記ステートごとに算出するとともに、
    上記パスに対応する信号の送信系列中の最も過去の送信
    信号に基づき上記パスメトリックを分類し、この分類さ
    れたパスメトリックに基づき軟判定値を算出する軟判定
    装置と、上記軟判定値に基づき復号を行う復号回路とを
    備えたデータ伝送装置。
  5. 【請求項5】 上記軟判定装置に、 伝送路を介して受信した受信信号に基づき上記伝送路の
    メモリ長L及び伝送路特性を推定する伝送路特性推定手
    段と、 連続したV(V>L)個の送信信号の組み合わせと上記
    ステートとを対応させるとともに、上記受信信号及び上
    記伝送路特性推定手段の推定伝送路特性に基づき上記ス
    テートに繋がる枝それぞれの上記枝メトリックを上記ス
    テートごとに算出する枝メトリック作成手段と、 上記枝メトリック作成手段により出力される上記枝メト
    リック及び1時刻過去の生き残りパスメトリックを受
    け、送信系列の候補として上記生き残りパスのパスメト
    リック及び各ステートに繋がる枝を含むパスのパスメト
    リックを出力する加算比較選択手段と、 上記生き残りパスメトリックを記憶し、上記加算比較選
    択手段が次の処理をするときに上記1時刻過去の生き残
    りパスメトリックとして記憶内容を出力するメモリと、 上記加算比較選択手段が出力する上記ステートごとの上
    記パスメトリックを受け、上記パスメトリックから、そ
    の送信信号中の最も過去の候補が第1の符号であるもの
    を選択するとともに、これら選択された上記パスメトリ
    ックのうちの最小のものを出力する第1の最小値選択手
    段と、 上記加算比較選択手段が出力する上記ステートごとの上
    記パスメトリックを受け、上記パスメトリックから、そ
    の送信信号中の最も過去の候補が第2の符号であるもの
    を選択するとともに、これら選択された上記パスメトリ
    ックのうちの最小のものを出力する第2の最小値選択手
    段と、 上記第1及び第2の最小値選択出力手段によりそれぞれ
    選択された最小生き残りパスメトリックに基づき軟判定
    値を出力する軟判定値作成手段とを備えたことを特徴と
    する請求項4記載のデータ伝送装置。
  6. 【請求項6】 上記加算比較選択手段を、上記生き残り
    パスメトリック及び各ステートに繋がる枝を含むパスの
    パスメトリックとともに、対応する生き残りパスを出力
    するように構成し、 上記加算比較選択手段により出力される上記生き残りパ
    ス及びこれらのパスメトリックを受け、硬判定値を算出
    する硬判定値作成手段を備えたことを特徴とする請求項
    5記載のデータ伝送装置。
  7. 【請求項7】 上記伝送路特性推定手段により出力され
    る推定伝送路特性に基づき上記伝送路のメモリ長L及び
    上記ステートを構成する送信信号の個数Vを求めるメモ
    リ長推定手段を備え、 上記枝メトリック作成手段を、上記メモリ長推定手段の
    出力に基づき上記枝メトリックを算出するように構成し
    たことを特徴とする請求項2、請求項3、請求項5、請
    求項6いずれかに記載のデータ伝送装置。
  8. 【請求項8】 上記メモリ長推定手段を、上記推定伝送
    路特性に基づき信号電力及び各符号間干渉成分を計算
    し、この信号電力と各符号間干渉成分に基づいて上記推
    定伝送路特性を修正し、この修正後の推定伝送路特性を
    上記メモリ長L及び上記送信信号の個数Vとともに上記
    枝メトリック作成手段に出力するように構成したことを
    特徴とする請求項7記載のデータ伝送装置。
  9. 【請求項9】 上記受信信号及び上記伝送路特性推定手
    段により出力される推定伝送路特性に基づき推定誤差電
    力を算出する誤差電力推定手段を備え、 上記軟判定値作成手段を、上記推定誤差電力に基づき軟
    判定値を補正するように構成したことを特徴とする請求
    項2、請求項3、請求項5、請求項6、請求項7、請求
    項8いずれかに記載のデータ伝送装置。
  10. 【請求項10】 上記受信信号及び上記伝送路特性推定
    手段により出力される推定伝送路特性に基づき推定誤差
    電力を算出する誤差電力推定手段と、上記誤差電力推定
    手段により出力される推定誤差電力及び上記推定伝送路
    特性に基づき計算される各符号間干渉成分に基づいて上
    記メモリ長L及び上記送信信号の個数Vを求めるメモリ
    長推定手段とを備えたことを特徴とする請求項2、請求
    項3、請求項5、請求項6、請求項7いずれかに記載の
    データ伝送装置。
  11. 【請求項11】 上記受信信号と上記軟判定値に基づき
    上記推定伝送路特性を逐次更新し、更新した推定伝送路
    特性を上記枝メトリック作成回路に出力する伝送路特性
    更新手段を備えたことを特徴とする請求項2、請求項
    3、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8いずれか
    に記載のデータ伝送装置。
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