JPH09120058A - 液晶−高分子複合体及びこの複合体を用いた光透過量制御方法 - Google Patents

液晶−高分子複合体及びこの複合体を用いた光透過量制御方法

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JPH09120058A
JPH09120058A JP27924795A JP27924795A JPH09120058A JP H09120058 A JPH09120058 A JP H09120058A JP 27924795 A JP27924795 A JP 27924795A JP 27924795 A JP27924795 A JP 27924795A JP H09120058 A JPH09120058 A JP H09120058A
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liquid crystal
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polymer material
light transmission
electric field
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JP27924795A
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Naoki Hasegawa
直樹 長谷川
Masaya Kawakado
昌弥 川角
Arimitsu Usuki
有光 臼杵
Akane Okada
茜 岡田
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光散乱型の液晶−高分子複合体において、加熱
手段を必要とすることなく、光透過量の切替えを行うこ
とができるとともに、メモリ性を併せ有する液晶−高分
子複合体を提供する。 【解決手段】透明性の、独立ないし連続空胞を備える高
分子材料と、その空胞を満たす液晶とから、液晶−高分
子複合体6を形成する。液晶は2周波駆動液晶を用い、
高分子材料は、電場印加停止時に液晶分子の配向を規制
する官能基を備えたものを用いることにより、印加する
電場の周波数の切換えにより、光透過状態と光散乱状態
をスイッチングし、電場印加停止後には、停止前の液晶
分子の配列状態を維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、液晶−高分子複
合体に関し、詳しくは、調光素子、表示素子、記録素子
等に利用することができる液晶−高分子複合体及び液晶
−高分子複合体を用いた光透過量の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶と高分子材料との複合体から構成さ
れる光散乱型液晶は、独立空胞を有する透明性の高分子
材料の空胞を液晶が満たしていて、液晶が不連続相をと
るいわゆるPDLC(Polymer Dispersed Liquid Cryst
al )タイプと、連続空胞を有する透明性の高分子材料の
連続空胞を液晶が満たして液晶が連続相をとるいわゆる
PNLC(Polymer Network Liquid Crystal )タイプと
に大別される。このようなPDLCあるいはPNLCと
いう光散乱型液晶では、電場無印加状態では液晶分子が
ランダムに配列することから光散乱状態が形成され、一
方、電場を印加すると液晶が均一に配列して光透過状態
が形成される。しかし、一旦、光透過状態を形成して
も、電場をオフすれば、液晶分子はランダムに配向し、
元の光散乱状態となってしまう。このため、光透過状態
を維持するためには電場を連続して印加しなければなら
ないという問題があった。
【0003】ここに、この問題を解決するために、特開
平5−34668号公報に開示されている技術がある。
この技術は、PDLCやPNLCにおける高分子材料
に、水酸基を有する化合物を導入して、この水酸基と液
晶分子との相互作用により、電場のオフ後も、液晶分子
の均一な配列状態を維持させることでメモリ性を付与し
ようとするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法によれば、電場を除去しても均一な配列状態を維持し
てメモリ性を付与できるものの、水酸基によって維持さ
れた液晶分子の配列状態を解除して光散乱状態を得るに
は、液晶を一旦等方相にまで加熱する必要があった。す
なわち、光透過量の切換えに加熱手段を必要とする。こ
のために、実際のデバイスの構築の点において、大きな
制約となっていた。そこで、本発明では、光散乱型の液
晶−高分子複合体において、加熱手段を必要とすること
なく、光透過量の切替えを行うことができるとともに、
メモリ性を併せ有する液晶−高分子複合体を提供するこ
とを目的とする。また、本発明では、そのような性質を
有する液晶−高分子複合体を用いて光透過量を制御する
方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した技術的課題を解
決するために、本発明者は、いわゆる2周波駆動液晶に
着目した。そして、2周波駆動液晶を特定の高分子材料
と組み合わせて用いると、光透過状態と光散乱状態との
切替えを、印加電場の切替えのみで行えることと、メモ
リ機能が実現できることを着想し、本発明を完成するに
到った。
【0006】すなわち、本発明に係わる複合体は、透明
性の、独立ないし連続空胞を備える高分子材料とその空
胞を満たす液晶とからなる液晶−高分子複合体であっ
て、前記液晶は2周波駆動液晶であり、前記高分子材料
は、電場印加停止時における前記2周波駆動液晶の分子
の配向を規制する官能基を備えていることを特徴とする
液晶−高分子複合体である。ここで、前記官能基は、水
酸基、アミド基、アミノ基、ウレア基、ウレタン基、カ
ルボン酸基、フェノール基のうちの1種類以上である。
また、本発明は、光透過量制御方法にも関し、この方法
は、透明性の、独立ないし連続空胞を備える高分子材料
と、その空胞を満たす液晶とからなる液晶−高分子複合
体を用いて光透過量を制御する方法であって、前記液晶
として2周波駆動液晶を用い、前記高分子材料として、
電場印加停止時における前記2周波駆動液晶の分子の配
向を規制する官能基を備える高分子材料を選択し、駆動
周波数のうち一方の駆動周波数の印加で光透過状態を形
成し、他方の駆動周波数の印加で光散乱状態を形成し、
かつそれぞれの駆動周波数の印加停止後に、印加停止前
の液晶分子の配列状態を維持させることを特徴とする光
透過量制御方法である。
【0007】本発明を詳細に説明する。本発明の液晶−
高分子複合体の場合、液晶が独立空胞にあるときには、
完全に高分子材料に囲繞されて液晶が存在し、液晶が連
続空胞内にあるときには、少なくとも部分的に液晶が高
分子材料に囲繞された状態で存在する。この複合体にお
いて、液晶として2周波駆動液晶を用いると、印加する
電場の周波数により、液晶分子が、電場方向に対して平
行に配向したり、電場方向に対して垂直に配向したりす
る。また、電場の印加停止により、本来はランダムに配
向しようとする。一方、高分子材料は、電場印加停止時
における液晶分子の配向を規制する能力を有する官能基
を持つものが選ばれている。本発明では、このような2
周波駆動液晶と特定の高分子材料とからなる液晶−高分
子複合体を用いて、光散乱型液晶を構成することによ
り、以下の作用を奏する。なお、ここでいう配向とは、
多数の液晶分子をある状態にならぶ動作を主としてい
い、配列とは、液晶分子が多数集まって並んでいる状態
を主としていう。
【0008】図1には、一例として、液晶が連続相で存
在する液晶−高分子複合体からなる液晶セルを示す。な
お、以下に説明する液晶駆動作用は、液晶が独立空胞内
にとじ込められて不連続相で存在する液晶−高分子複合
体においても同様である。
【0009】図1の液晶セルにおいては、当初、液晶分
子は、全くランダムな配列を呈し、光散乱状態となって
いる(図1(a)参照)。そして、この液晶の誘電異方
性が正となるような周波数の電場を電極間に印加する
と、液晶分子は、セルのどの部分においても電場方向と
平行に配向し、光透過状態となる(図1(b)(b’)
参照)。次いで、電場の印加を停止すると、高分子材料
との相互作用により、液晶分子の配向が規制され、液晶
分子は元のランダムな配列状態に戻ることなく、電場方
向と平行な配列状態を維持し、この結果、光透過状態が
メモリされる(図1(c)参照)。
【0010】さらに、誘電異方性が負の領域の周波数の
電場を印加すると、この場合、液晶分子は、電場方向に
垂直に配向する。しかし、電場方向に垂直に配向する場
合には、電場方向と平行に配向するのと異なり、垂直方
向の平面上において液晶分子の方向性の自由度があり、
しかも、かかる方向性は、3次元的に存在する高分子材
料の界面に影響される。したがって、液晶分子が高分子
材料に本質的に囲繞されている領域ごとに、電場方向に
垂直な面内での液晶分子の指向する方向が異なってくる
(図1(d)(d’)参照)。この状態では、光散乱状
態となる。この状態で電場の印加を停止すると、高分子
材料との相互作用により、液晶分子の配向が規制され、
各液晶分子の配列状態は維持され、光散乱状態がメモリ
される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明に用いる2周波駆動液晶とは、印加
する周波数により誘電異方性の符号が異なる液晶であ
る。例えば、低周波の印加により液晶分子が電場方向と
平行に配向し、高周波の印加により電場方向と垂直に配
向する。このような2周波駆動液晶としては、例えば、
「化1」〜「化6」に示すものがある。
【0012】
【化1】 〔式中、R1 は、炭素数1〜17のアルキル基を表し、
2 は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0013】
【化2】 〔式中、R3 は、炭素数1〜17のアルキル基を表し、
4 は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0014】
【化3】 〔式中、R5 は、炭素数1〜17のアルキル基を表し、
6 は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0015】
【化4】 〔式中、R7 は、炭素数1〜17のアルキル基を表し、
8 は、炭素数1〜17のアルキル基を表す。〕
【0016】
【化5】 〔式中、R9 は、炭素数1〜17のアルキル基を表し、
10は、炭素数1〜17のアルキル基を表す。〕
【0017】
【化6】 〔式中、R11は、炭素数1〜17のアルキル基を表し、
12は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0018】また、2周波駆動液晶は、ネマティック性
又はコレステリック性のものが電場応答性が高いという
理由から好ましいが、スメクチック性のものも、所要の
電場応答性を示す限りにおいて使用可能である。液晶は
1種類のものを単独で用いてもよいが、2種類以上の液
晶の混合物を用いても良い。一般的には、種々の性質を
満足する液晶を得るためにには、液晶の混合物を用いる
ことが好ましい。さらに、2周波駆動液晶の分子量は特
に問わないが、電場応答速度が速くなり、ひいては、電
場応答のため閾値電圧を低く設定することができるとい
う理由から、低分子量のものを用いることが好ましい。
ここでいう「低分子量」とは、液晶分子の化学構造に応
じて異なるが、例えば、分子量が1,000以下である
ことををいう。このような液晶分子の例として、前記
「化1」〜「化6」及び、「化7」〜「化24」に列挙
したものを挙げることができる。ただし、本発明に用い
る2周波駆動液晶が低分子量のものに限定するものでな
いことは言うまでもない。
【0019】
【化7】 〔式中、R13は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0020】
【化8】 〔式中、R14は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0021】
【化9】 〔式中、R15は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0022】
【化10】 〔式中、R16は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0023】
【化11】 〔式中、R17は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0024】
【化12】 〔式中、R18は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0025】
【化13】 〔式中、R19は、炭素数1〜17のアルキル基を表し、
20は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0026】
【化14】 〔式中、R21は、炭素数1〜17のアルキル基を表し、
22は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0027】
【化15】 〔式中、R23は、炭素数1〜17のアルキル基を表し、
24は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0028】
【化16】 〔式中、R25は、炭素数1〜17のアルキル基を表し、
26は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0029】
【化17】 〔式中、R27は、炭素数1〜17のアルキル基を表し、
28は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0030】
【化18】 〔式中、R29は、炭素数1〜17のアルキル基を表し、
30は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0031】
【化19】 〔式中、R31は、炭素数1〜17のアルキル基を表し、
32は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0032】
【化20】 〔式中、R33は、炭素数1〜17のアルキル基を表し、
34は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0033】
【化21】 〔式中、R35は、炭素数1〜17のアルキル基を表し、
36は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0034】
【化22】 〔式中、R37は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0035】
【化23】 〔式中、R38は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0036】
【化24】 〔式中、R39は、炭素数1〜17のアルキル基を表す〕
【0037】本発明に用いる高分子材料は、それ自体透
明性があることが必要であり、その屈折率は、液晶の常
光屈折率とほとんど一致することが好ましい。また、本
発明の高分子材料は、前記液晶と複合化され、液晶を連
続相あるいは不連続相として存在させることのできるよ
うな3次元構造を構成するようなものであることが必要
である。複合化は、液晶と高分子材料との複合体を形成
する公知の各種方法(液晶をマイクロカプセル化する方
法、液晶とポリマーを溶解している溶剤を蒸発させる方
法、加熱溶解した液晶と熱可塑性樹脂の均一混合液を冷
却させる方法等)を用いることができるが、重合して高
分子材料を形成することができるモノマーと液晶との混
合液に紫外線照射や加熱等の刺激を加えてモノマーを重
合させるのが好ましく、より好ましくは、紫外線照射に
よる重合によるのが好ましい。なお、重合に際しては、
架橋剤を混入させておいて、重合体を架橋させることも
できる。
【0038】複合体において、液晶が連続相を形成する
場合として、高分子材料が3次元ネットワーク状に分散
して、このネットワーク構造体の空隙に液晶が存在する
いわゆるPNLCタイプを挙げることができる。この場
合、高分子材料のネットワーク構造体により形成される
空隙の大きさや形状は必要に応じて選択することができ
るが、そのサイズは、0.05μm〜10μmであり、
好ましくは、0.1μm〜5μmであり、さらに好まし
くは、0.5μm〜5μmである。空隙のサイズは、可
視光の波長と同等程度が最も光散乱に効果があり、ま
た、大きすぎた場合には、光散乱時の光散乱効果が弱ま
り、また、小さすぎる場合には、光透過時の透明性が損
なわれる。あるいは光透過量のスイッチングを行うのに
高い電圧が必要となる。このような液晶が連続相で存在
するような液晶−高分子複合体は、液晶が不連続相で存
在する複合体に比較して、閾値電圧を低くでき、また、
応答速度も速いため、好ましい。
【0039】また、液晶が不連続相を形成する場合とし
て、高分子材料が独立空胞を有し、この空胞に液晶が存
在するいわゆるPDLCタイプを挙げることができる。
この場合、高分子材料の空胞は、必要に応じて、その大
きさや形状を選択することができるが、そのサイズは、
0.05μm〜10μmであり、好ましくは、0.1μ
m〜5μm、さらに好ましくは0.5μm〜5μmであ
る。空胞のサイズは、可視光の波長と同程度が最も光散
乱に効果があり、大きすぎる場合には、光散乱時の散乱
効果が弱まり、小さすぎる場合には、光透過時の透明性
が損なわれ、あるいは光透過量のスイッチングを行う場
合に高い電圧が必要となる。
【0040】液晶が連続相を形成するか、不連続相を形
成するかは、例えば、モノマー重合法による場合には、
液晶と高分子材料(複合体を形成すなわち高分子を形成
するモノマー)との組み合わせにもよるが、液晶のモノ
マーとの割合を選択することにより、おおよそ作り分け
することができる。一般にモノマーの割合が多いとPD
LCタイプになりやすく、モノマーの割合が少ないとP
NLCタイプになりやすい。液晶−高分子複合体におけ
る高分子材料の割合は、5重量%〜95重量%であり、
好ましくは10重量%〜80重量%である。高分子材料
の割合が多すぎたり、少なすぎる場合には、光散乱時の
散乱効果が弱まる。また、高分子材料の割合が多すぎる
場合には、光透過量のスイッチングを行うのに高い電圧
が必要となる。なお、高分子材料には、光開始重合剤、
光増感剤などの添加剤、反応性希釈剤、有機溶媒等を含
有していてもよい。
【0041】本発明の高分子材料は、電場印加停止時に
おける前記2周波駆動液晶分子の配向を規制することが
できる官能基を有するものが選択されている。ここで
は、高分子材料が官能基を有するモノマーからなり、あ
るいはかかるモノマーを含んでなることにより、官能基
が高分子材料の構造の一部をなす場合や、官能基を含む
化合物が高分子材料に均一に混合される場合も含まれ
る。なお、ここでいう電場印加停止時とは、電場を印加
した後での電場無印加状態をいう。
【0042】本発明の複合体の高分子材料が備えている
官能基としては、水酸基、アミド基、アミノ基、ウレア
基、ウレタン基、カルボン酸基、フェノール基等の官能
基が好適に用いられる。また、モノマーを重合すること
により高分子材料に官能基を導入する場合に用いるモノ
マーとしては、光又は熱等で重合可能な2重結合等の基
を1つ有した単官能性、又は2つ以上有した多官能性の
ものを挙げることができる。また、モノマーは、前記官
能基を1つ又は2つ以上有していても構わず、2つ以上
の場合その官能基が同一でも、それぞれ異なっていても
構わない。具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、1−又は2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、1−又は2−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メ
タ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メ
タ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレ
ート、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、(メ
タ)アクリルアミド、モノアルキル(メタ)アクリルア
ミド、(メタ)アクリルアミド、モノアルキル(メタ)
アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、4−ヒドロキシ
ベンジル(メタ)アクリレート、Kayarad R-167, Kaya
rad PET-128, Kayarad R-128H(以上前3製品、日本化薬
製) 等を挙げることができる。
【0043】また、高分子材料における前記官能基を有
するモノマーの割合は、5重量%〜100重量%であ
り、好ましくは、20重量%〜100重量%であり、さ
らに好ましくは、40重量%〜100重量%である。前
記官能基を有するモノマーの割合が少なすぎると、メモ
リ性が損なわれる場合がある。
【0044】また、共重合モノマー、架橋剤としては、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)
アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、1,4
−ブタンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキシルジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレンジ(メタ)アクリ
レート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート、Kaya
rad HX-620、KayaradHX-220、Kayarad R-684 、Kayarad
TMPTA 、Kayarad GPO-303 、Kayarad R-551、Kayarad
R-712 ( 以上前7製品は日本化薬製)を挙げることがで
きる。光開始重合剤としては、2−ヒドロキシ−2−メ
チル−1−フェノキシプロパン−1−オン、ベンジルジ
メチルケタール等を挙げることができる。
【0045】このような2周波駆動液晶と高分子材料と
からなる液晶−高分子複合体を用いて液晶セルを形成す
るには、公知の各種方法を使用することができる。例え
ば、前記2周波駆動液晶と、重合して高分子材料を形成
するモノマーの均一な混合物を少なくとも一方が透明な
電極間に挟み込み、スペーサにより一定の電極間隔を維
持した状態で、紫外線、電子線、熱等により、モノマー
を重合させることにより、電極基板間において、複合体
を形成させ、これにより複合体セルを作製することがで
きる。また、一方の電極基板上にこの組成物を塗工し、
紫外線、電子線、又は熱によりモノマーを重合させた
後、もう一方の電極基板を張り合わせることにより、複
合セルを作製することもできる。なお、液晶セルを形成
する場合、スペーサを用いて基板間のセルギャップを均
一にすることが好ましい。セルギャップは2μmから1
00μm、好ましくは5μmから30μm,さらに好ま
しくは10μmから30μmである。なお、電極基板と
しては、特に限定することなく通常に用いられる基板を
用いることができ、例えば、インジウム・スズ化合物
(ITO)付のガラス等を用いることができる。
【0046】本発明の複合体を用いた光散乱型液晶で
は、光透過状態と光散乱状態をスイッチングする場合に
のみ電場を印加すればよく、簡易に、光透過量を制御す
ることができ、しかも、各状態をメモリするために電場
を連続して印加する必要はない。したがって、省電力化
を図ることができるとともに、液晶の劣化を防止して液
晶の寿命が向上される。さらに、電場の印加で光透過量
を切換えできるため、切換えの応答速度を向上させるこ
とができる。また、本発明によれば、当業者にとって、
メモリ性を持たせることを容易には想到しえなかった2
周波駆動液晶に、メモリ性を付与することができる。
【0047】
【発明の効果】本発明の液晶−高分子複合体によれば、
2周波駆動液晶の特性である、電場方向に対する液晶分
子の配列状態が駆動周波数によって異なるという性質に
基づいて、特別な手段を必要とすることなく、簡易に光
透過状態と光散乱状態とを切換えすることができる。ま
た、電場印加停止に液晶分子の配向の変化を規制するこ
とができるように選択された官能基を利用することによ
り、電場印加停止後にも、電圧印加停止前の配列状態を
維持することができ、光透過状態と光散乱状態とをそれ
ぞれメモリすることができる。また、本発明の光透過量
制御方法によれば、2周波駆動液晶の誘電異方性の符号
が異なる状態において、光透過状態と光散乱状態を形成
するため、印加する電場の周波数で、簡易に光透過量を
切換えすることができる。しかも、印加停止後に印加停
止前の、誘電異方性の符号が異なる状態をそれぞれメモ
リして、光透過量を維持することができる。
【0048】(実施例1、2)以下、本発明を具現化し
た実施例について、図2〜4に基づいて説明する。な
お、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1、2では、本発明の液晶−高分子複合体を用い
て液晶セルを作製した。実施例1では、2周波駆動液晶
(DF-05XX,チッソ製)39重量%、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート(和光純薬製)41重量%、架橋剤
(HX-620、日本化薬製)17重量%、光開始剤(Darocu
re1173, チバガイギより購入) 3重量%を混合した。こ
の混合物を、12μmのスペーサ4を介してITOガラ
ス基板2に挟んで、紫外線(3.5mW/cm2 )を1
80秒間照射し、基板間に液晶−高分子複合体6を形成
して、図2に示す複合体セル10を作製した。実施例2
では、実施例1の架橋剤に替えて架橋剤として、日本化
薬製のR−167を同量用いる以外は、実施例1と同様
の2周波駆動液晶と、各種高分子材料構成材料を用い
て、複合体セルを作製した。上記実施例で用いた2周波
駆動液晶は、低周波の電場において正の誘電異方性を示
し、高周波の電場において負の誘電異方性を示すもので
ある。このように形成した実施例1及び2の液晶−高分
子複合体では、PNLCタイプとなっていた。
【0049】一方、比較例として、誘電異方性が正の液
晶(E8,BHI製)39重量%、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート(和光純薬製)58重量%、光開始剤
(Darocure 1173 、チバガイギより購入) 3重量%を混
合し、この混合物を用いて実施例1と同様の方法により
複合体セルを作製した。なお、この比較例においても複
合体は、PNLCタイプとなっていた。
【0050】次に、実施例1、2及び比較例の複合体セ
ルについて、光透過状態と光散乱状態とのスイッチング
及び各状態でのメモリ性につき、以下の各工程を実施し
て試験を行った。 (1)作製した実施例1、2の複合体セルにつき、60
Hz−100Vの低周波を印加して状態1とした。 (2)状態1の複合体セルにつき、電場の印加を停止し
て状態2とした。 (3)状態2において20kHz −100Vの高周波を印
加して状態3とした。 (4)さらに状態3において電場の印加を停止して状態
4とした。
【0051】このように低周波と高周波の電場の印加と
その停止とにとり、4種類の状態を形成し、これらの各
状態につき、光透過量を測定した。図3に光透過量測定
のための装置系を示す。光学系には顕微鏡12を使用
し、光源14は顕微鏡に付属するハロゲンランプを使用
した。フォトマル16からの電流出力は200Ωの抵抗
を直列に接続することにより電圧に変換し、ペンレコー
ダー18を用いて読み取った。セル10への電場の印加
及び印加周波数の調整には、NF ELECTRONI
C INSTRUMENTS製のPOWER AMPR
IFIER MODEL S−4750を用いた。な
お、光透過量の測定に際しては、実施例1と同様のガラ
ス基板とスペーサとを用いて水を封入したブランクセル
を作製し、上記実施例と同様にしてフォトマルからの電
流出力値を測定した。光透過量(%)の計算は、以下の
式に従って行った。 光透過量(%)=(複合体セルの各状態でのフォトマル
出力値)/(ブランクセルのフォトマル出力値)×10
【0052】上記状態1〜4における光透過量の測定結
果を表1に示す。
【表1】
【0053】表1の結果によれば、実施例1、2におい
ては、低周波の電場(状態1)において光透過状態が形
成された。そして、電場印加停止状態(状態2)とした
とき、光透過量は低下したものの、光散乱状態に至るこ
とはなく、光透過状態が維持された。また、状態2から
さらに高周波の電場(状態3)への変化において、光透
過量は顕著に低減され、光散乱状態を形成することがで
き、光透過量のスイチッングが異なる周波数の電場の印
加で行うことを確認することができた。そして、電場印
加停止状態(状態4)としたとき、光透過量は若干の増
加が観察されたものの、光散乱状態が維持された。この
ような実施例における光透過量の変化を、模式的に図4
に示す。この図から明らかなように、実施例1、2の複
合体セル10においては、状態1及び3において、光透
過量を調整して光透過状態と光散乱状態を形成でき、し
かも、異なる周波数の電場でこれらの状態のスイッチン
グができることがわかった。また、状態2及び4におい
ては、それぞれ直前の電場印加状態(光透過状態と光散
乱状態)での配列状態が維持されており、実施例1、2
の液晶セルでは、光透過状態と光散乱状態をメモリでき
ることがわかった。なお、実施例1、2について、電場
除去状態(状態1、2)で、光透過量の変化を60日間
経過観察したところ、それぞれ光透過状態、光散乱状態
が維持されており、メモリ性を継続して維持できること
を確認した。
【0054】比較例では、状態1においては、実施例
1、2と同様に、光透過状態を形成でき、その後電場の
印加を停止した状態(状態2)でも、光透過状態を維持
できた。すなわち、光透過状態でのメモリが可能であっ
た。一方、高周波電場(状態3)においては、液晶が正
の誘電異方性液晶のために配向性はほとんど変化がな
く、依然として光透過状態を形成したままであった。こ
のように、比較例では、光透過状態と光散乱状態とのス
イッチングも不可能であり、また、光透過状態でのメモ
リ性は高分子材料に備えた官能基により付与されている
ものの、この配向状態を解除することが不可能であっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における液晶の駆動作用を示す図であ
る。
【図2】実施例の複合体セルの構造を示す図である。
【図3】実施例において複合体セルの光透過量を測定す
る装置の構造の概略図である。
【図4】実施例1、2における光透過量の変化を模式的
に表した図である。
【符号の説明】
2 基板 4 スペーサ 6 液晶−高分子複合体 10 複合体セル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 臼杵 有光 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 岡田 茜 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明性の、独立ないし連続空胞を備える高
    分子材料とその空胞を満たす液晶とからなる液晶−高分
    子複合体であって、 前記液晶は2周波駆動液晶であり、前記高分子材料は、
    電場印加停止時における前記2周波駆動液晶の分子の配
    向を規制する官能基を備えていることを特徴とする液晶
    −高分子複合体。
  2. 【請求項2】前記官能基は、水酸基、アミド基、アミノ
    基、ウレア基、ウレタン基、カルボン酸基、フェノール
    基のうちの1種類以上であることを特徴とする請求項1
    に記載の液晶−高分子複合体。
  3. 【請求項3】透明性の、独立ないし連続空胞を備える高
    分子材料とその空胞を満たす液晶とからなる液晶−高分
    子複合体を用いて光透過量を制御する方法であって、 前記液晶として2周波駆動液晶を用い、前記高分子材料
    として、電場印加停止時における前記2周波駆動液晶の
    分子の配向を規制する官能基を備える高分子材料を選択
    し、駆動周波数のうち一方の駆動周波数の印加で光透過
    状態を形成し、他方の駆動周波数の印加で光散乱状態を
    形成し、かつそれぞれの駆動周波数の印加停止後に、印
    加停止前の液晶分子の配列状態を維持させることを特徴
    とする光透過量制御方法。
JP27924795A 1995-10-26 1995-10-26 液晶−高分子複合体及びこの複合体を用いた光透過量制御方法 Pending JPH09120058A (ja)

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