JPH06235908A - 液晶光学素子及びその製造法 - Google Patents
液晶光学素子及びその製造法Info
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- JPH06235908A JPH06235908A JP2420393A JP2420393A JPH06235908A JP H06235908 A JPH06235908 A JP H06235908A JP 2420393 A JP2420393 A JP 2420393A JP 2420393 A JP2420393 A JP 2420393A JP H06235908 A JPH06235908 A JP H06235908A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 光散乱状態の散乱性能を向上させ、高コント
ラストが得られる液晶光学素子及びその製造法を提供す
ること。 【構成】 透明電極層17が形成された上下一対の基板
11,12の間に、液晶13、重合性の高分子材料14
及び微粒子15が混合された混合物を挟み込み、この混
合物に紫外線あるいは熱を与えることで、高分子材料1
4を重合させ、微粒子15が混合された高分子分散型液
晶から成る液晶光学素子である。
ラストが得られる液晶光学素子及びその製造法を提供す
ること。 【構成】 透明電極層17が形成された上下一対の基板
11,12の間に、液晶13、重合性の高分子材料14
及び微粒子15が混合された混合物を挟み込み、この混
合物に紫外線あるいは熱を与えることで、高分子材料1
4を重合させ、微粒子15が混合された高分子分散型液
晶から成る液晶光学素子である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶が高分子樹脂マト
リクス中に分散保持された高分子分散型液晶を用いた液
晶光学素子及びその製造法に関するものである。
リクス中に分散保持された高分子分散型液晶を用いた液
晶光学素子及びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶分子の屈折率と同じ屈折率を
有する高分子に、ネマチック液晶を分散保持させた高分
子分散型液晶を、透明電極が形成された上下一対の透明
基板間に挟み込み、電界の有無によって液晶の屈折率を
変化させ、光の散乱状態と透過状態とを切り換える液晶
光学素子が多くの研究者や開発者の注目を集めている
(特表昭58−501631号公報、特開昭60−25
2687号公報、特表昭61−502128号公報)。
有する高分子に、ネマチック液晶を分散保持させた高分
子分散型液晶を、透明電極が形成された上下一対の透明
基板間に挟み込み、電界の有無によって液晶の屈折率を
変化させ、光の散乱状態と透過状態とを切り換える液晶
光学素子が多くの研究者や開発者の注目を集めている
(特表昭58−501631号公報、特開昭60−25
2687号公報、特表昭61−502128号公報)。
【0003】図4は、この液晶光学素子の表示原理を示
す概略図である。同図(a)に示す電圧無印加状態で
は、液晶24の分子軸がランダムな方向を向いているた
め液晶領域の屈折率が周囲の高分子相25の屈折率と異
なり、液晶光学素子に入った入射光22は散乱光23と
なって反対側から出射し、その結果、散乱状態が得られ
る。一方、同図(b)に示すように、対向する透明電極
層21間に電界を印加すると、液晶24の分子軸が電界
方向に配列し、基板に垂直に入射した入射光22に対し
て、液晶領域の屈折率が周囲の高分子相25の屈折率と
ほぼ一致するため、光の散乱が生じず透過光26となっ
て反対側から出射し、その結果、透過状態が得られる。
す概略図である。同図(a)に示す電圧無印加状態で
は、液晶24の分子軸がランダムな方向を向いているた
め液晶領域の屈折率が周囲の高分子相25の屈折率と異
なり、液晶光学素子に入った入射光22は散乱光23と
なって反対側から出射し、その結果、散乱状態が得られ
る。一方、同図(b)に示すように、対向する透明電極
層21間に電界を印加すると、液晶24の分子軸が電界
方向に配列し、基板に垂直に入射した入射光22に対し
て、液晶領域の屈折率が周囲の高分子相25の屈折率と
ほぼ一致するため、光の散乱が生じず透過光26となっ
て反対側から出射し、その結果、透過状態が得られる。
【0004】このような高分子分散型液晶を用いた液晶
光学素子は、光の散乱を利用するため、偏光板を使用す
る必要がなく、従来のツイステッドネマチック(TN)
型の液晶光学素子のように、直線偏光を得るために、偏
光板を使用しなければならない液晶光学素子に比べ、明
るく、視野角の広い表示が可能になる。さらに、従来の
TN型等の液晶光学素子は、配向処理や上下基板間隔を
正確に制御する必要があり、大面積の表示に関しては、
表示むらが出易いという問題点を有していたが、高分子
分散型液晶を用いた液晶光学素子は、配向処理が不要で
基板間隔の制御も厳密でなく、大面積の液晶光学素子も
容易に作製できるという特徴を有する。
光学素子は、光の散乱を利用するため、偏光板を使用す
る必要がなく、従来のツイステッドネマチック(TN)
型の液晶光学素子のように、直線偏光を得るために、偏
光板を使用しなければならない液晶光学素子に比べ、明
るく、視野角の広い表示が可能になる。さらに、従来の
TN型等の液晶光学素子は、配向処理や上下基板間隔を
正確に制御する必要があり、大面積の表示に関しては、
表示むらが出易いという問題点を有していたが、高分子
分散型液晶を用いた液晶光学素子は、配向処理が不要で
基板間隔の制御も厳密でなく、大面積の液晶光学素子も
容易に作製できるという特徴を有する。
【0005】
【発明が解決しようする課題】一般に、高分子分散型液
晶を用いた液晶光学素子は、高コントラストを実現する
ために高い散乱状態を得る必要がある。そのためには、
液晶相の屈折率と高分子相の屈折率との差を大きくする
必要があり、液晶材料として高屈折率を有するシアノ系
の液晶材料を用いなければならない。
晶を用いた液晶光学素子は、高コントラストを実現する
ために高い散乱状態を得る必要がある。そのためには、
液晶相の屈折率と高分子相の屈折率との差を大きくする
必要があり、液晶材料として高屈折率を有するシアノ系
の液晶材料を用いなければならない。
【0006】しかしながら、シアノ系の液晶材料は、一
般に熱や光などに対する信頼性が乏しく、これらの液晶
材料を用いた液晶光学素子では、十分な信頼性が得られ
ない。近年、以上の問題に対して、信頼性の優れたフッ
素系の液晶材料の応用が検討され、駆動電圧等の電圧応
答特性や信頼性の改善が報告されている(92’液晶化
学討論会、92’SID)が、フッ素系の液晶材料は、
一般に屈折率が低く、液晶光学素子の散乱性能に関して
は、シアノ系の液晶材料等を用いたものに比べると性能
が劣り、得られるコントラストが低いという課題があ
る。
般に熱や光などに対する信頼性が乏しく、これらの液晶
材料を用いた液晶光学素子では、十分な信頼性が得られ
ない。近年、以上の問題に対して、信頼性の優れたフッ
素系の液晶材料の応用が検討され、駆動電圧等の電圧応
答特性や信頼性の改善が報告されている(92’液晶化
学討論会、92’SID)が、フッ素系の液晶材料は、
一般に屈折率が低く、液晶光学素子の散乱性能に関して
は、シアノ系の液晶材料等を用いたものに比べると性能
が劣り、得られるコントラストが低いという課題があ
る。
【0007】本発明は、従来の高分子分散型液晶のこの
ような課題を考慮し、光散乱状態の散乱性能を向上さ
せ、高コントラストが得られる液晶光学素子及びその製
造法をを提供することを目的とするものである。
ような課題を考慮し、光散乱状態の散乱性能を向上さ
せ、高コントラストが得られる液晶光学素子及びその製
造法をを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明は、液
晶が、重合性の高分子材料の樹脂中に分散保持された材
料が、少なくとも一方が透明な電極層を有する一対の基
板間に挟まれた液晶光学素子において、材料に、その材
料の光透過状態での光透過率に実質上悪影響を与えない
程度の微粒子が混合されている液晶光学素子である。
晶が、重合性の高分子材料の樹脂中に分散保持された材
料が、少なくとも一方が透明な電極層を有する一対の基
板間に挟まれた液晶光学素子において、材料に、その材
料の光透過状態での光透過率に実質上悪影響を与えない
程度の微粒子が混合されている液晶光学素子である。
【0009】請求項4の本発明は、液晶と重合性の高分
子材料との組成物に微粒子を混合した混合物を、少なく
とも一方が透明な電極層を有する一対の基板間に注入
し、混合物の重合を行う液晶光学素子の製造方法であっ
て、混合物の注入は、超音波振動を印加しながら行う液
晶光学素子の製造方法である。
子材料との組成物に微粒子を混合した混合物を、少なく
とも一方が透明な電極層を有する一対の基板間に注入
し、混合物の重合を行う液晶光学素子の製造方法であっ
て、混合物の注入は、超音波振動を印加しながら行う液
晶光学素子の製造方法である。
【0010】
【作用】本発明は、一対の基板間に挟まれ、樹脂中に液
晶が分散保持された材料に、光透過状態での光透過率に
実質上悪影響を与えない程度の微粒子が混合されている
ので、光透過状態での透過率の低下が少なく、光散乱状
態での散乱性能を向上できる。
晶が分散保持された材料に、光透過状態での光透過率に
実質上悪影響を与えない程度の微粒子が混合されている
ので、光透過状態での透過率の低下が少なく、光散乱状
態での散乱性能を向上できる。
【0011】
【実施例】以下に、本発明をその実施例を示す図面に基
づいて説明する。
づいて説明する。
【0012】図1は、本発明にかかる一実施例の高分子
分散型液晶を用いた液晶表示素子の構成を示す断面図で
ある。図1において、まず、インジウム・錫酸化物より
なる透明電極17を形成した上下一対の基板11,12
を用意し、それらをスペーサ兼シール樹脂16を介して
貼り合わせ空セルを完成する(このとき樹脂を注入する
ための開口部を設けておく)。その後、空セルの開口部
より液晶13と未硬化の紫外線硬化性あるいは熱硬化型
性の未硬化高分子材料14の混合物に微粒子15を加
え、加熱、撹拌した溶解物を注入する。注入後、開口部
を封止し、更に紫外線あるいは熱により注入した樹脂を
重合させ、いわゆる高分子分散型液晶からなる液晶セル
を完成した。
分散型液晶を用いた液晶表示素子の構成を示す断面図で
ある。図1において、まず、インジウム・錫酸化物より
なる透明電極17を形成した上下一対の基板11,12
を用意し、それらをスペーサ兼シール樹脂16を介して
貼り合わせ空セルを完成する(このとき樹脂を注入する
ための開口部を設けておく)。その後、空セルの開口部
より液晶13と未硬化の紫外線硬化性あるいは熱硬化型
性の未硬化高分子材料14の混合物に微粒子15を加
え、加熱、撹拌した溶解物を注入する。注入後、開口部
を封止し、更に紫外線あるいは熱により注入した樹脂を
重合させ、いわゆる高分子分散型液晶からなる液晶セル
を完成した。
【0013】図2は、本発明にかかる一実施例の液晶光
学素子の製造法の概略を示す図である。図2において、
まず、インジウム・錫酸化物よりなる透明電極を形成し
た上下一対の基板42,43を用意し、スペーサ兼シー
ル樹脂44を介して貼り合わせ完成した空セル(図面上
左側に開口部を設けている)を、固定板47を介して超
音波発生装置48を備え付けたプレート41上に設置す
る。このプレート41は温度制御が可能なように設計さ
れている。次に超音波発生装置48により一定周波数、
一定強度の超音波を発生させ、固定板47を介して、液
晶と未硬化の紫外線硬化性あるいは熱硬化型性の未硬化
高分子材料との混合物に微粒子を加え、加熱、撹拌した
溶解物45に超音波を印加しながら空セルの開口部から
注入する。注入完了後、開口部を封止し、紫外線あるい
は熱により樹脂を重合させ、いわゆる高分子分散型液晶
からなる液晶セルを完成した。ここでは、超音波振動の
伝播方向49と溶解物45の注入方向46とは同方向平
行になるようにしているが、超音波振動の伝播方向49
はこれに限定されるものでなく、逆方向平行、あるい
は、超音波発生装置48をプレート41の下部に設置
し、溶解物45の注入方向46に垂直になるようにして
もよい。
学素子の製造法の概略を示す図である。図2において、
まず、インジウム・錫酸化物よりなる透明電極を形成し
た上下一対の基板42,43を用意し、スペーサ兼シー
ル樹脂44を介して貼り合わせ完成した空セル(図面上
左側に開口部を設けている)を、固定板47を介して超
音波発生装置48を備え付けたプレート41上に設置す
る。このプレート41は温度制御が可能なように設計さ
れている。次に超音波発生装置48により一定周波数、
一定強度の超音波を発生させ、固定板47を介して、液
晶と未硬化の紫外線硬化性あるいは熱硬化型性の未硬化
高分子材料との混合物に微粒子を加え、加熱、撹拌した
溶解物45に超音波を印加しながら空セルの開口部から
注入する。注入完了後、開口部を封止し、紫外線あるい
は熱により樹脂を重合させ、いわゆる高分子分散型液晶
からなる液晶セルを完成した。ここでは、超音波振動の
伝播方向49と溶解物45の注入方向46とは同方向平
行になるようにしているが、超音波振動の伝播方向49
はこれに限定されるものでなく、逆方向平行、あるい
は、超音波発生装置48をプレート41の下部に設置
し、溶解物45の注入方向46に垂直になるようにして
もよい。
【0014】以下、具体的実施例をあげてさらに詳しく
説明する。
説明する。
【0015】(実施例1)まず、インジウム・錫酸化物
よりなる透明電極を形成したガラス板を2枚用意し、図
3に示すように、その片方の支持板(例えば下側基板3
2)の表面に、スペーサ兼シール樹脂33として直径1
3μmのガラス繊維を分散した酸無水物硬化型エポキシ
樹脂を、1辺のみ辺の中央に5mmの幅を残して(開口
部34を形成するため)他の周辺に0.2mm幅で印刷
した後、上側基板31と下側基板32を対向させた状態
で加圧し、140℃で4時間加熱して硬化接着し、空セ
ルを完成した。
よりなる透明電極を形成したガラス板を2枚用意し、図
3に示すように、その片方の支持板(例えば下側基板3
2)の表面に、スペーサ兼シール樹脂33として直径1
3μmのガラス繊維を分散した酸無水物硬化型エポキシ
樹脂を、1辺のみ辺の中央に5mmの幅を残して(開口
部34を形成するため)他の周辺に0.2mm幅で印刷
した後、上側基板31と下側基板32を対向させた状態
で加圧し、140℃で4時間加熱して硬化接着し、空セ
ルを完成した。
【0016】次に、液晶材料として、メルク(株)製液
晶(商品名:ZLI−4792)を8.200g、高分
子形成モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレー
トを0.954g、オリゴマーとしてポリウレタンアク
リレートを0.808g、光重合開始剤としてダロキュ
ア1173(メルク(株)製)を0.038gを用意
し、それら混合物に、平均粒径が0.1μmの酸化マグ
ネシウムを0.020g(液晶、モノマー、オリゴマー
から成る組成物に対して0.20重量%)加え、上記し
た成分から成る組成物を50℃で十分撹拌し、微粒子が
均一に分散した溶解物(以下溶解物Aとする)を調整し
た。
晶(商品名:ZLI−4792)を8.200g、高分
子形成モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレー
トを0.954g、オリゴマーとしてポリウレタンアク
リレートを0.808g、光重合開始剤としてダロキュ
ア1173(メルク(株)製)を0.038gを用意
し、それら混合物に、平均粒径が0.1μmの酸化マグ
ネシウムを0.020g(液晶、モノマー、オリゴマー
から成る組成物に対して0.20重量%)加え、上記し
た成分から成る組成物を50℃で十分撹拌し、微粒子が
均一に分散した溶解物(以下溶解物Aとする)を調整し
た。
【0017】次に、上記した製造法で作製した空セルに
50℃で、その開口部34から溶解物Aを注入した。注
入完了後、開口部34を封止し、50℃で紫外線(2
4.5mW/cm2 )を10秒照射し、高分子分散型液
晶からなる液晶セルを完成した。このようにして完成し
た液晶セルについて、セルに垂直な方向の光変調性能を
大塚電子製LCD−5000を用い、測定周波数30H
z、受光角2、8゜、測定温度40℃で調べた。電圧無
印加状態の光透過率を T0(%)、電圧を印加して光透
過率が最大となるときの光透過率を TMAX(%)、コン
トラスト(CR)をCR=TMAX/T0 で表すと、今回
作製した液晶セルの性能は、T0=1.3%、TMAX =
84.0%、CR=64で十分な散乱状態と高コントラ
ストが達成できた。
50℃で、その開口部34から溶解物Aを注入した。注
入完了後、開口部34を封止し、50℃で紫外線(2
4.5mW/cm2 )を10秒照射し、高分子分散型液
晶からなる液晶セルを完成した。このようにして完成し
た液晶セルについて、セルに垂直な方向の光変調性能を
大塚電子製LCD−5000を用い、測定周波数30H
z、受光角2、8゜、測定温度40℃で調べた。電圧無
印加状態の光透過率を T0(%)、電圧を印加して光透
過率が最大となるときの光透過率を TMAX(%)、コン
トラスト(CR)をCR=TMAX/T0 で表すと、今回
作製した液晶セルの性能は、T0=1.3%、TMAX =
84.0%、CR=64で十分な散乱状態と高コントラ
ストが達成できた。
【0018】(実施例2)実施例1に記載した同様の製
造法により作製した空セルを、図2に示すように、固定
板47を介して超音波発生装置48を備え付けた50℃
に調整したプレート41の上に設置し、超音波発生装置
48を動作させることで周波数20kHz、強度35W
/cm2 の超音波振動を与えながら、実施例1記載の溶
解物Aを空セルの開口部から注入した。注入完了後、開
口部を封止し、50℃で紫外線(24.5mW/cm
2 )を10秒照射し、高分子分散型液晶からなる液晶セ
ルを完成した。このようにして完成した液晶セルについ
て、セルに垂直な方向の光変調性能を大塚電子製LCD
−5000を用い、実施例1に記載した同一の測定条件
で調べた。今回作製した液晶セルの性能は、T0=1.
0%、TMAX=84.0%、CR=84で、超音波振動
を印加せずに作製した実施例1記載の液晶セルに比べ、
散乱性及びコントラストがさらに向上した。
造法により作製した空セルを、図2に示すように、固定
板47を介して超音波発生装置48を備え付けた50℃
に調整したプレート41の上に設置し、超音波発生装置
48を動作させることで周波数20kHz、強度35W
/cm2 の超音波振動を与えながら、実施例1記載の溶
解物Aを空セルの開口部から注入した。注入完了後、開
口部を封止し、50℃で紫外線(24.5mW/cm
2 )を10秒照射し、高分子分散型液晶からなる液晶セ
ルを完成した。このようにして完成した液晶セルについ
て、セルに垂直な方向の光変調性能を大塚電子製LCD
−5000を用い、実施例1に記載した同一の測定条件
で調べた。今回作製した液晶セルの性能は、T0=1.
0%、TMAX=84.0%、CR=84で、超音波振動
を印加せずに作製した実施例1記載の液晶セルに比べ、
散乱性及びコントラストがさらに向上した。
【0019】(比較例1)実施例1記載と同種、同量の
液晶、モノマー、オリゴマー及び光硬化開始剤を使用
し、酸化マグネシウムを用いないで実施例1と同様の操
作により高分子分散型液晶からなる液晶セルを完成し
た。こうして完成した液晶セルの電気光学特性を実施例
1に記述した同一の測定条件で調べたところ、T0=
8.0%、TMAX=84.5%、CR=10で酸化マグ
ネシウムを混合した実施例1記載の液晶光学素子に比べ
かなり表示性能が悪いものであった。
液晶、モノマー、オリゴマー及び光硬化開始剤を使用
し、酸化マグネシウムを用いないで実施例1と同様の操
作により高分子分散型液晶からなる液晶セルを完成し
た。こうして完成した液晶セルの電気光学特性を実施例
1に記述した同一の測定条件で調べたところ、T0=
8.0%、TMAX=84.5%、CR=10で酸化マグ
ネシウムを混合した実施例1記載の液晶光学素子に比べ
かなり表示性能が悪いものであった。
【0020】一般に、微粒子は光を散乱する性質を有す
る。従って、以上のように微粒子を高分子分散型液晶を
用いた液晶光学素子に応用すると、電圧無印加の状態で
は、液晶相と高分子相の屈折率の差異による散乱に加
え、微粒子からの散乱も加わり、結果として、液晶光学
素子の散乱性能が向上する。微粒子は、電圧無印加の状
態では、液晶光学素子の散乱性が最も大きく、また、電
圧印加の状態では、液晶光学素子の最大透過率が最も高
くなるように、適宜選択し利用できるが、一般的には、
透明性が高く、高屈折率のものが望ましい。要するに微
粒子が存在しない状態に比べて、散乱性を所定以上高く
できればよい。また、混合量は、液晶光学素子の最大透
過率に実質上の悪影響を与えなければよく、大体の目安
として高分子分散型液晶を形成する液晶、モノマー、オ
リゴマーから成る組成物に対して、0.01〜5.0重
量%が望ましい。これは、0.01%以下では、液晶光
学素子の散乱性の向上が期待できず、反対に、5.0%
以上では、液晶表示素子の最大透過率が低下する可能性
があるためである。又、微粒子の形状は、球状、針状な
ど種々の形状のものを単独または混合して用いることが
でき、大きさは0.3μm以下が望ましい。
る。従って、以上のように微粒子を高分子分散型液晶を
用いた液晶光学素子に応用すると、電圧無印加の状態で
は、液晶相と高分子相の屈折率の差異による散乱に加
え、微粒子からの散乱も加わり、結果として、液晶光学
素子の散乱性能が向上する。微粒子は、電圧無印加の状
態では、液晶光学素子の散乱性が最も大きく、また、電
圧印加の状態では、液晶光学素子の最大透過率が最も高
くなるように、適宜選択し利用できるが、一般的には、
透明性が高く、高屈折率のものが望ましい。要するに微
粒子が存在しない状態に比べて、散乱性を所定以上高く
できればよい。また、混合量は、液晶光学素子の最大透
過率に実質上の悪影響を与えなければよく、大体の目安
として高分子分散型液晶を形成する液晶、モノマー、オ
リゴマーから成る組成物に対して、0.01〜5.0重
量%が望ましい。これは、0.01%以下では、液晶光
学素子の散乱性の向上が期待できず、反対に、5.0%
以上では、液晶表示素子の最大透過率が低下する可能性
があるためである。又、微粒子の形状は、球状、針状な
ど種々の形状のものを単独または混合して用いることが
でき、大きさは0.3μm以下が望ましい。
【0021】以上によって、液晶光学素子の散乱性能を
大幅に向上でき、その結果コントラストが大幅に改善さ
れた液晶光学素子の製造が可能になる。
大幅に向上でき、その結果コントラストが大幅に改善さ
れた液晶光学素子の製造が可能になる。
【0022】なお、上記実施例では、使用する液晶材料
に、ZLI−4792を用いたが、これに限定されるも
のではなく、例えば種々のネマチック液晶さらにはコレ
ステリック液晶等を用いてもよい。
に、ZLI−4792を用いたが、これに限定されるも
のではなく、例えば種々のネマチック液晶さらにはコレ
ステリック液晶等を用いてもよい。
【0023】また、上記実施例では、高分子分散型液晶
中の液晶の割合は、82重量%にしたが、これに限定さ
れるものでない。
中の液晶の割合は、82重量%にしたが、これに限定さ
れるものでない。
【0024】また、上記実施例では、高分子形成モノマ
ーとして、2−エチルヘキシルアクリレートを用いた
が、これに限定されるものではなく、例えば、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、ネオペンチルグリコールド
アクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリ
コールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレートな
ど一般に市販されているアクリル系モノマー、さらには
広く、アクリル系以外の市販品も応用可能である。又、
オリゴマーも上記したポリウレタンアクリレートに限定
されるものでなく、ポリエステルアクリレート、エポキ
シアクリレートなどが利用できる。
ーとして、2−エチルヘキシルアクリレートを用いた
が、これに限定されるものではなく、例えば、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート、ネオペンチルグリコールド
アクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリ
コールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレートな
ど一般に市販されているアクリル系モノマー、さらには
広く、アクリル系以外の市販品も応用可能である。又、
オリゴマーも上記したポリウレタンアクリレートに限定
されるものでなく、ポリエステルアクリレート、エポキ
シアクリレートなどが利用できる。
【0025】また、上記実施例では、重合開始剤として
ダロキュア1173(メルク(株)製)を用いたが、こ
れに限定されるものでなく、例えば、メルク(株)製の
ダロキュア1116やチバガイキー(株)製のイルガキ
ュア184、イルガキュア651などであってもよい。
ダロキュア1173(メルク(株)製)を用いたが、こ
れに限定されるものでなく、例えば、メルク(株)製の
ダロキュア1116やチバガイキー(株)製のイルガキ
ュア184、イルガキュア651などであってもよい。
【0026】また、上記実施例では、微粒子に酸化マグ
ネシウムを用いたが、これに限定されるものではなく、
例えば、二酸化珪素、臭化カリウム、塩化カリウム、フ
ッ化カルシウム等種々の微粒子が利用でき、更に高分子
分散型液晶に導電性を付与する目的で導電性酸化チタン
等の導電性フィラー等、導電性を有する微粒子を用いて
も勿論よい。
ネシウムを用いたが、これに限定されるものではなく、
例えば、二酸化珪素、臭化カリウム、塩化カリウム、フ
ッ化カルシウム等種々の微粒子が利用でき、更に高分子
分散型液晶に導電性を付与する目的で導電性酸化チタン
等の導電性フィラー等、導電性を有する微粒子を用いて
も勿論よい。
【0027】また、上記実施例では、高分子材料として
光硬化性樹脂を用いたが、これに限定されるものではな
く、例えば熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂であってもよ
い。
光硬化性樹脂を用いたが、これに限定されるものではな
く、例えば熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂であってもよ
い。
【0028】また、上記実施例では、超音波振動の周波
数及び強度は実施例に示したものに限るものでない。
数及び強度は実施例に示したものに限るものでない。
【0029】また、上記実施例では、超音波振動を印加
した後重合を行ったが、これに限らず、超音波振動を印
加しながら高分子材料の重合を行ってもよい。
した後重合を行ったが、これに限らず、超音波振動を印
加しながら高分子材料の重合を行ってもよい。
【0030】また、上記実施例では、微粒子を高分子材
料中に混合したが、これに限らず、微粒子を液晶中に混
合してもよい。あるいは又、それら両方に混合すように
してもよい。
料中に混合したが、これに限らず、微粒子を液晶中に混
合してもよい。あるいは又、それら両方に混合すように
してもよい。
【0031】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明は、液晶が分散保持された材料に、その材料の光透
過状態での光透過率に実質上悪影響を与えない程度の微
粒子が混合されているので、光散乱状態の散乱性能を向
上させ、高コントラストが得られるという長所を有す
る。
発明は、液晶が分散保持された材料に、その材料の光透
過状態での光透過率に実質上悪影響を与えない程度の微
粒子が混合されているので、光散乱状態の散乱性能を向
上させ、高コントラストが得られるという長所を有す
る。
【図1】本発明にかかる一実施例の液晶光学素子の構成
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図2】本発明にかかる一実施例の液晶光学素子の製造
法の概略を示す図である。
法の概略を示す図である。
【図3】同実施例の液晶光学素子の概略を示す平面図で
ある。
ある。
【図4】同図(a)は、従来の液晶光学素子の無電圧時
の光散乱状態を示す図、同図(b)は、電圧印加時の光
透過状態を示す図である。
の光散乱状態を示す図、同図(b)は、電圧印加時の光
透過状態を示す図である。
11、31、42 上側基板 12、32、43 下側基板 13 液晶 14 高分子材料 15 微粒子 22 入射光 23 散乱光 24 液晶分子 25 高分子相 26 透過光 45 溶解物 48 超音波発生装置
Claims (4)
- 【請求項1】 液晶が、重合性の高分子材料の樹脂中に
分散保持されてなる材料が、少なくとも一方が透明な電
極層を有する一対の基板間に挟まれた液晶光学素子にお
いて、前記材料に、その材料の光透過状態での光透過率
に実質上悪影響を与えない程度の微粒子が混合されてい
ることを特徴とする液晶光学素子。 - 【請求項2】 微粒子は透明材料であって、前記材料の
光散乱状態での散乱性を前記微粒子が存在しない状態に
比べて、所定以上高くできる程度の屈折率であることを
特徴とする請求項1記載の液晶光学素子。 - 【請求項3】 微粒子は、前記材料の0.01〜5重量
%及び/又は0.3μm以下の大きさであることを特徴
とする請求項1、又は2記載の液晶光学素子。 - 【請求項4】 液晶と重合性の高分子材料との組成物に
微粒子を混合した混合物を、少なくとも一方が透明な電
極層を有する一対の基板間に注入し、前記混合物の重合
を行う液晶光学素子の製造方法であって、前記混合物の
注入は、超音波振動を印加しながら行うことを特徴とす
る液晶光学素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2420393A JPH06235908A (ja) | 1993-02-12 | 1993-02-12 | 液晶光学素子及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2420393A JPH06235908A (ja) | 1993-02-12 | 1993-02-12 | 液晶光学素子及びその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06235908A true JPH06235908A (ja) | 1994-08-23 |
Family
ID=12131763
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2420393A Pending JPH06235908A (ja) | 1993-02-12 | 1993-02-12 | 液晶光学素子及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06235908A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0478772A1 (en) * | 1988-10-31 | 1992-04-08 | Fanuc Ltd. | Part program execution method |
JP2008040446A (ja) * | 2006-08-03 | 2008-02-21 | Ind Technol Res Inst | 液晶電気光変調器と光の変調方法 |
JP2010066767A (ja) * | 2008-09-08 | 2010-03-25 | Samsung Electronics Co Ltd | 能動型半透過素子を具備するディスプレイ装置 |
KR101330171B1 (ko) * | 2013-01-17 | 2013-11-15 | 건국대학교 산학협력단 | 광전변환 입자를 포함하는 광투과 조절 필름 및 이를 포함하는 부재 |
CN108628080A (zh) * | 2018-05-16 | 2018-10-09 | 张家港康得新光电材料有限公司 | 一种全息投影膜及其制备方法和应用 |
-
1993
- 1993-02-12 JP JP2420393A patent/JPH06235908A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0478772A1 (en) * | 1988-10-31 | 1992-04-08 | Fanuc Ltd. | Part program execution method |
EP0478772B1 (en) * | 1988-10-31 | 1995-07-26 | Fanuc Ltd. | Part program execution method |
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US7605967B2 (en) * | 2006-08-03 | 2009-10-20 | Industrial Technology Research Institute | Liquid crystal electro-optical modulator and method of optical modulation |
JP2010066767A (ja) * | 2008-09-08 | 2010-03-25 | Samsung Electronics Co Ltd | 能動型半透過素子を具備するディスプレイ装置 |
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CN108628080A (zh) * | 2018-05-16 | 2018-10-09 | 张家港康得新光电材料有限公司 | 一种全息投影膜及其制备方法和应用 |
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