JPH09119159A - 温水タンクの水抜き方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 温水タンクの水抜きを温水タンクの配置位置
に関わりなく確実に実現し、温水洗浄装置の設計の自由
度を広げる。 【解決手段】 水道との接続部に給水電磁弁を備え、そ
の下流側に、捨て水口（１０）を接続したリザーブタン
ク及び温水タンク（６）が順次設けられ、これらリザー
ブタンクと温水タンク（６）との間に水ポンプが介在す
るとともに、温水タンク（６）には、人体局部に向かっ
て洗浄水を噴射するノズル部（１６，１７）が接続され
た温水洗浄装置（１）において、温水タンク（６）の水
抜きに際して、給水電磁弁を閉じたままの状態で、水ポ
ンプを、人体局部の温水洗浄時とは逆に作動させ、温水
タンク（６）内の貯溜水をリザーブタンクに汲み出し、
捨て水口（１０）から装置外に排出する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、温水タンクの水
抜き方法に関するものである。さらに詳しくは、この発
明は、温水タンクの水抜きを温水タンクの配置位置に関
わりなく確実に実現し、温水洗浄装置の設計の自由度を
広げることのできる水洗便器用温水洗浄装置における温
水タンクの水抜き方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、水洗便器については、その利
便性とともに衛生面での改善を図ってきており、局部温
水洗浄機能、局部乾燥機能等を備えた温水洗浄装置が、
たとえば便座ユニットなどとしてこれまでに提供されて
いる。この温水洗浄装置においては、水道水を温水タン
ク内で加温し、操作スイッチからの外部入力に従って局
部洗浄用の温水を噴射ノズルより噴出させることができ
るようにしている。

【０００３】また、長期不在などにより使用しない場合
に、温水タンク内に貯溜した水が腐敗することのないよ
うに、また、冬季において、貯溜水が温水タンク内で凍
結することがないように、温水タンクから排水すること
ができるようにしてもいる。このような温水タンクから
の水抜きを実現する方法として、従来では、たとえば、
図５（ａ）に示したように、温水タンク（ア）の底部に
排水栓（イ）を設け、水抜きに際しては、図５（ｂ）に
示したように、排水栓（イ）の下に容器（ウ）を置いた
後に、排水栓（イ）を手で開け、温水タンク（ア）内の
貯溜水を容器（ウ）に排出させる方法が知られている。

【０００４】また、図６に示したように、温水タンク
（ア）を水洗便器（エ）のリム（オ）より上方に配置
し、マニュアル操作で、温水タンク（ア）の底部に設け
た排水口（カ）から貯溜水を水洗便器（エ）のボウル
（キ）内に排水する方法も知られている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、たとえ
ば以上に示される従来の温水タンクの水抜き方法では、
前者については、温水タンク（ア）の底部に、必ず手が
入り、しかも容器（ウ）を置くためのスペースを必要と
している。一方、後者については、貯溜水を水位差を利
用して流下させるため、温水タンク（ア）は、水洗便器
（エ）のリム（オ）よりも確実に上方に設置される必要
があり、また、温水タンク（ア）底部の排水口（カ）
は、水洗便器（エ）のボウル（キ）の近くに配置される
必要がある。

【０００６】そのために、図５の（ａ）及び（ｂ）に示
した方法の場合には、温水洗浄装置（ク）における温水
タンク（ア）の設置部位を、水洗便器（エ）よりも横に
はみ出すように配置し、また、図６に示した方法の場合
には、温水洗浄装置（ク）を水洗便器（エ）の高さより
もかなり高く配置せざるを得ない。このような配置形態
は、温水洗浄装置（ク）における温水タンク（ア）の配
置位置を制限するばかりでなく、温水タンク（ア）周辺
の構造並びに温水洗浄装置（ク）の全体形状までも大き
く制約している。このため、従来の温水洗浄装置（ク）
は、設計の自由度に乏しいものとなっていた。

【０００７】この発明は、以上の通りの事情に鑑みてな
されたものであり、従来の水洗便器用温水洗浄装置にお
ける温水タンクの水抜きについての欠点を解消し、温水
タンクの水抜きを温水タンクの配置位置に関わりなく確
実に実現し、温水洗浄装置の設計の自由度を広げること
のできる温水タンクの水抜き方法を提供することを目的
としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、水道との接続部に給水電磁弁を
備え、その下流側に、捨て水口を接続したリザーブタン
ク及び温水タンクが順次設けられ、これらリザーブタン
クと温水タンクとの間に水ポンプが介在するとともに、
温水タンクには、人体局部に向かって洗浄水を噴射する
ノズル部が接続され、水ポンプの作動によりリザーブタ
ンクに溜めた水を温水タンクに汲み出し、所定温度に加
温した後に、ノズル部に温水を供給する温水洗浄装置に
おいて、温水タンクの水抜きに際して、給水電磁弁を閉
じたままの状態で、水ポンプを、人体局部の温水洗浄時
とは逆に作動させ、温水タンク内の貯溜水をリザーブタ
ンクに汲み出し、リザーブタンクの捨て水口から装置外
に排出することを特徴とする温水タンクの水抜き方法方
法を提供する。

【０００９】以下、図面に沿って、この発明の温水タン
クの水抜き方法についてさらに詳しく説明する。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１、図２及び図３は、各々、こ
の発明の温水タンクの水抜き方法に用いられる温水洗浄
装置の好ましい一形態を示した平面図、縦断面図及び横
断面図である。また、図４は、その温水洗浄装置の給排
水系を例示したブロック図である。

【００１１】これらの図１、図２、図３及び図４に示し
た温水洗浄装置（１）は、水洗便器（２）と一体化さ
れ、便器（２）後方に内蔵されている。もちろん、この
発明の実施は、このような水洗便器一体型の温水洗浄装
置に限定されることはなく、水洗便器と別体とした温水
洗浄装置の場合にも等しく実施可能である。

【００１２】この温水洗浄装置（１）においては、水道
との接続部位に、給水口（３）とともに給水電磁弁
（４）が設けられ、その下流側に、リザーブタンク
（５）及びヒータを備えた温水タンク（６）が順次設け
られている。また、リザーブタンク（５）と温水タンク
（６）との間には水ポンプ（７）が介在している。リザ
ーブタンク（５）は、ホース（８）を介して給水電磁弁
（４）に接続しており、また、ホース（９）を介して捨
て水口（１０）に接続している。この捨て水口（１０）
は、水洗便器（２）のボウル面（１１）内に配置されて
おり、大気に開放している。

【００１３】水ポンプ（７）は、このリザーブタンク
（５）にホース（１２）を介して接続されているととも
に、ホース（１３）を介して温水タンク（６）に接続し
ている。温水タンク（６）は、ホース（１４）を介して
流路切換弁（１５）に接続し、この流路切換弁（１５）
に、人体局部に向かって洗浄水を噴射するノズル部とし
てのビデ洗浄ノズル（１６）及びおしり洗浄ノズル（１
７）が連結されている。また、温水タンク（６）は、そ
の底面が、水洗便器（２）のリム（１８）よりも低い位
置に配置されてもいる。

【００１４】たとえば以上の構成を有する温水洗浄装置
（１）においては、人体局部の洗浄時には、給水電磁弁
（４）が開き、給水口（３）から供給される水道水が、
ホース（８）を通ってリザーブタンク（５）に注水され
る。水ポンプ（７）が正回転すると、その作動にともな
ってリザーブタンク（５）に溜められた水が温水タンク
（６）に汲み出され、これによって、温水タンク（６）
内に貯溜され、ヒータにより加温された温水が押し出さ
れる。この時、流路切換弁（１５）が切り換えられて、
ビデ洗浄ノズル（１６）又はおしり洗浄ノズル（１７）
から温洗浄水が噴射する。

【００１５】通常、給水口（３）からの水道水の供給量
は、ビデ洗浄ノズル（１６）又はおしり洗浄ノズル（１
７）から噴射する局部洗浄水の噴出量よりも多く、この
ため、余分の水は、リザーブタンク（５）から溢れ出
て、ホース（９）を通り、捨て水口（１０）から水洗便
器（２）のボウル面（１１）に流出する。一方、温水タ
ンク（６）の水抜きに際しては、給水電磁弁（４）を閉
じ、このままの状態において、流路切換弁（１５）を開
放し、ビデ洗浄ノズル（１６）あるいはおしり洗浄ノズ
ル（１７）の一方又はその両方の先端から温水タンク
（６）方向に空気の流入を可能とする。この空気の流入
は、必ずしもビデ洗浄ノズル（１６）及びおしり洗浄ノ
ズル（１７）の先端から行う必要はなく、別の経路を通
じて、温水タンク（６）に空気が流れ込むようにしても
よい。その経路については特に制限はない。

【００１６】そして、水ポンプ（７）を逆回転させる。
すると、水ポンプ（７）は、ホース（１３）を通じて温
水タンク（６）内の貯溜水を吸い上げ、汲み出す。汲み
出された温水タンク（６）内の貯溜水は、ホース（１
２）を通り、リザーブタンク（５）に流入する。上記の
通り、給水電磁弁（４）は閉じているため、このように
して移送された温水タンク（６）内の貯溜水は、ホース
（９）を通って、捨て水口（１０）から水洗便器（２）
のボウル面（１１）へ流れ出る。

【００１７】このように、この発明の温水タンクの水抜
き方法においては、水ポンプ（７）を人体局部の温水洗
浄時と逆に作動させ、温水タンク（６）内の貯溜水を自
動的に汲み出し、装置外に排出するようにしているた
め、温水タンク（６）が温水洗浄装置（１）のどの位置
にあっても確実に水抜きすることができ、その配置位置
は問はない。このため、温水タンク（６）の配置位置に
ついての制約が解消され、その周辺の構造についての制
限もなくなる。従来のように、温水洗浄装置（１）を水
洗便器（２）から横に大きく突出させずに済み、また、
温水洗浄装置（１）の高さを低くすることも可能とな
る。温水洗浄装置（１）の設計の自由度が拡大する。た
とえば、コンパクトですっきりした形状の温水洗浄装置
が実現可能であり、温水洗浄装置（１）、さらには水洗
便器（２）の意匠性の向上が図れる。しかも、水抜き操
作において、マニュアル操作が解消されるため、操作性
が改善され、簡便ともなる。

【００１８】もちろんこの発明は、以上の例によって限
定されるものではない。温水洗浄装置及び水洗便器の細
部の方法については様々な態様が可能であることは言う
までもない。

【００１９】

【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、水洗便器用温水洗浄装置に設けた温水タンクの水
抜きをその配置位置に関わりなく確実に行うことができ
る。温水タンクの配置位置、温水タンク周辺の構造並び
に全体形状についての制約が解消され、温水洗浄装置の
設計の自由度が拡大する。温水洗浄装置、ひいては水洗
便器の意匠性の向上が図れる。また、水抜きに際しての
マニュアル操作が解消され、操作性が改善され、簡便と
なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の温水タンクの水抜き方法に用いるこ
とのできる温水洗浄装置の好ましい一形態を示した平面
図である。

【図２】図１の例の縦断面図である。

【図３】図１の例の横断面図である。

【図４】図１の温水洗浄装置の給排水系を示したブロッ
ク図である。

【図５】＜ａ＞及び＜ｂ＞は、各々、従来の温水洗浄装
置における温水タンクの水抜き方法を示した正面図であ
る。

【図６】従来の温水洗浄装置における温水タンクの水抜
き方法を示した正面図である。

【符号の説明】

１ 温水洗浄装置 ２ 水洗便器 ３ 給水口 ４ 給水電磁弁 ５ リザーブタンク ６ 温水タンク ７ 水ポンプ ８，９，１２，１３，１４ ホース １０ 捨て水口 １１ ボウル面 １５ 流路切換弁 １６ ビデ洗浄ノズル １７ おしり洗浄ノズル

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 水道との接続部に給水電磁弁を備え、そ
   の下流側に、捨て水口を接続したリザーブタンク及び温
   水タンクが順次設けられ、これらリザーブタンクと温水
   タンクとの間に水ポンプが介在するとともに、温水タン
   クには、人体局部に向かって洗浄水を噴射するノズル部
   が接続され、水ポンプの作動によりリザーブタンクに溜
   めた水を温水タンクに汲み出し、所定温度に加温した後
   に、ノズル部に温水を供給する温水洗浄装置において、
   温水タンクの水抜きに際して、給水電磁弁を閉じたまま
   の状態で、水ポンプを、人体局部の温水洗浄時とは逆に
   作動させ、温水タンク内の貯溜水をリザーブタンクに汲
   み出し、リザーブタンクの捨て水口から装置外に排出す
   ることを特徴とする温水タンクの水抜き方法。
2. 【請求項２】 温水タンクの水抜き時に、温水タンク方
   向に空気の流入を可能とした請求項１記載の温水タンク
   の水抜き方法。