JP4259065B2 - 洗浄給水装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は便器に洗浄水を供給するための洗浄給水装置に係り、特に凍結防止等のために機器から水を抜く水抜き機構を備えた洗浄給水装置に関する。詳しくは、本発明は、水道給水圧によって洗浄水を便器に供給するようにした洗浄給水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
便器に洗浄水を供給する方式としては、ロータンクを用いた洗浄給水装置や、給水圧が高い箇所ではフラッシュレバー弁による洗浄給水装置が用いられている。
【0003】
本願出願人は、ロータンクを用いることなく洋風便器に洗浄水を供給する洗浄給水装置として、図2(a)、(b)に示す構成の装置を開発し、市販している。
【0004】
図2(a)は、この洗浄給水装置を備えた洋風便器の概略的な透視図、図2(b)はこの洗浄給水装置の給水系統図である。
【0005】
洋風便器1は、前部に鉢部2を備え、この鉢部2の上部内周にリム3が設けられている。このリム3へはリムノズル4を介して洗浄水が供給される。また、鉢部2のトラップ部には、該トラップ部にサイホン排出流を誘起するための水(ジェット水)を噴出するジェットノズル5が設けられている。
【0006】
トイレルームの壁面には給水管の末端が突出しており、この給水管の末端に止水栓10が取り付けられている。この止水栓10は給水ホース11を介して洋風便器1の後部に設置されたストレーナ12に接続されている。このストレーナ12を通過した水は電動弁ユニット20へ供給可能とされると共に、該ストレーナ12から分岐した配管13を介して温水洗浄装置の温水タンクへ供給可能とされている。
【0007】
電動弁ユニット20は、内部に配置された弁装置22,23をモータ21で駆動し、リムノズル給水配管24又はジェットノズル給水配管25へ水を供給する。なお、停電時にも便器を使用できるようにするために、モータ21の回転軸に手動式の洗浄ハンドル28が取り付けられている。
【0008】
なお、この電動弁ユニット20には、リムノズル用給水配管24内及びジェットノズル用給水配管25内の負圧をブレークするためのバキュームブレーカ26,27が設けられている。このバキュームブレーカ26,27は、該給水配管24又は25内に負圧が生じたときに開弁して該給水配管24又は25内を大気に連通させるよう構成されている。用便(大便)後に洋風便器1に洗浄水を供給するときには、まず弁22が所定時間開弁してリム3へ洗浄水が供給されて鉢面の汚水がトラップ部へ洗い落とされる。次に、弁23が所定時間開弁し、ジェットノズル25から水が噴出してトラップ部にサイホンが誘起され、汚水が排水管へ排出される。その後、弁22が再度所要時間開弁し、トラップ水が貯溜される。
【0009】
ところで、寒冷地における凍結防止や、メンテナンス時等のために、この電動弁ユニット20から水を抜くことがある。この水抜きを行うには、まず止水栓10の止水ハンドル10aを回して止水栓10を閉栓した後、ハンドル28を回して弁22,23を開弁させる。また、ストレーナ12の下側に容器を配置し、次いで、ストレーナ12のストレーナ本体取り外し用摘み12aを回し、該ストレーナ12から水を流出させる。図2では図示は省略するが、温水タンクにも目の細かいストレーナが設けられており、このストレーナの摘みを回すことにより、温水タンクからも水抜きが行われる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記の水抜きを行う場合、止水栓10を閉栓してからハンドル28を回したりストレーナ12の摘み12aを回す必要があるが、止水栓10を閉め忘れると、ノズル4,5やストレーナ12から水が流れ放しになる。
【0011】
本発明は、止水栓の閉め忘れがあっても水が流れ放しになることがない洗浄給水装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1)の洗浄給水装置は、トイレルーム内の止水栓からの給水を電気駆動式の弁ユニットを介して水道給水圧により便器へ供給する洗浄給水装置において、リモコンに設けられているスイッチのスイッチ操作により所定時間だけ開弁して該弁ユニットの水抜きを行う弁ユニット水抜き用の電磁弁を備えた洗浄給水装置であって、該止水栓からの給水の一部が分岐して温水洗浄装置用の温水タンクへ供給されており、該温水タンクの底部に温水タンク水抜き用の電磁弁が設けられており、該温水タンク水抜き用の電磁弁は、該スイッチ操作により所定時間だけ開弁して該温水タンクの水抜きを行うものであることを特徴とするものである。
【0013】
請求項2の洗浄給水装置は、請求項1において、該スイッチを1回押すと、該リモコンに該止水栓を閉めたかを問う表示がなされ、該スイッチをもう1回押すと、該電磁弁が所定時間開弁することを特徴とするものである。
【0014】
本発明(請求項3)の洗浄給水装置は、トイレルーム内の止水栓からの給水を電気駆動式の弁ユニットを介して水道給水圧により便器へ供給する洗浄給水装置において、リモコンに設けられているスイッチのスイッチ操作により所定時間だけ開弁して該弁ユニットの水抜きを行う弁ユニット水抜き用の電磁弁を備えた洗浄給水装置であって、該スイッチを1回押すと、該リモコンに該止水栓を閉めたかを問う表示がなされ、該スイッチをもう1回押すと、該電磁弁が所定時間開弁することを特徴とするものである。
【0015】
かかる本発明の洗浄給水装置にあっては、止水栓を閉栓してから水抜きスイッチを操作することにより、水抜きが行われる。この場合、止水栓を閉め忘れていたときには、水抜き弁が開弁している間は止水栓を通った水が流出するが、所定時間が経過すると水抜き弁が自動的に閉弁するので、それ以上水が流出することはない。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図1(a)、(b)を参照して実施の形態について説明する。図1(a)は実施の形態に係る洗浄給水装置の通水系統図であり、前記図2(b)と同様の部分を構成を示している。図1(b)はこの洗浄給水装置を備えた洋風便器が設置されたトイレルーム内の側面図である。
【0017】
この実施の形態においても、洋風便器1の鉢部2の上縁のリム3に対しリムノズル4から洗浄水が供給され、トラップ部にはジェットノズル5からジェット水が噴出される。なお、洋風便器1の後部上面には便座ボックス8が設置され、この便座ボックス8に便座6及び便蓋7が起倒方向回動自在に取り付けられている。この便座ボックス8によって覆われるようにして電動弁ユニット20が設置されている。この電動弁ユニット20の構成は前記図2と同じである。この電動弁ユニット20に対しては、止水栓10から給水ホース11を介してストレーナ12Aに水が供給される。このストレーナ12Aの底部には水抜き用電磁弁30が設けられている。この電磁弁30の流出側にはチューブ31が接続されている。
【0018】
ストレーナ12Aからは、前記図2と同じく配管13が分岐し、水が温水タンク40へ供給可能とされている。この温水タンク40の底部には水抜き用電磁弁41が設けられており、この電磁弁41の流出側にはチューブ42が接続されている。図示は省略するが、便座ボックス8内には、この温水タンク40から温水が供給される温水洗浄装置のノズルや、温水供給制御弁、あるいは臀部に向って温風を吹き付けて乾燥させる温風ファンなどが設置されると共に、制御回路基板が設置されている。
【0019】
図1(b)の通り、トイレルームの壁面にはリモコン50が設けられている。このリモコン50には、臀部を洗浄するためのシャワースイッチ50a及びビデスイッチ50b、温風を吹き出すための乾燥スイッチ50c、洗浄強さを調節する洗浄強さ調節ダイヤル50d、洗浄及び乾燥を停止させるストップスイッチ50s、洋風便器10に約8Lの洗浄水を供給するフラッシュスイッチ50e、約6Lの洗浄水を供給する小用フラッシュスイッチ50f、水抜き用スイッチ50m、及び液晶等よりなる表示画面50gが設けられている。
【0020】
便座ボックス8には、このリモコン50からの赤外線信号光を受光する受光素子が設けられ、この受光素子から得られる受信信号が制御回路に入力される。
【0021】
シャワースイッチ50aを押すと、便座ボックス8内に設けたシャワーノズルが前進し、その先端から温水が噴出され、使用者臀部のシャワー洗浄(肛門洗浄)が行われる。ビデスイッチ50bを押すと、同様に便座ボックス8内に設けられているビデノズルが作動され、その先端から温水が噴出されて人体臀部の温水洗浄(ビデ洗浄)が行われる。なお、洗浄強さ調節ダイヤル50dを回すことにより、洗浄強さ(温水噴出量)が調節される。
【0022】
乾燥スイッチ50cを押すと、便座ボックス8内の温風ファンが作動され、人体臀部に温風が吹き付けられて乾燥が行われる。
【0023】
ストップスイッチ50sを押すと、これらシャワーノズル、ビデノズルまたは温風ファンの作動が停止される。
【0024】
大用のフラッシュスイッチ50e又は50fを押したときには、まず弁22が所定時間開弁し、リム給水により鉢面が洗浄され、次いで弁23が所定時間開弁し、トラップ部にサイホンを発生させて汚物を排出し、その後弁22が所定時間開弁し、トラップ水が貯留される。大用フラッシュスイッチ50eが操作されたときには、合計で8L程度の水が供給され、小用のフラッシュスイッチ50fが操作されたときには合計で6L程度の水が供給される。
【0025】
水抜き用スイッチ50mが操作されると、水抜き用電磁弁30,41が所定時間開弁する。
【0026】
この実施の形態では、水抜き用スイッチ50mを1回押すと、画面50gに「止水栓は閉めましたか?水受け用容器をセットしましたか?」と表示がなされ、止水栓10の閉め忘れや、チューブ31,42の下方への容器の配置忘れが抑制される。水抜き用スイッチ50mをもう1回押すと、弁22,23が所定時間開弁すると共に、水抜き用電磁弁30,41が所定時間開弁する。止水栓10が閉まっているときには、これにより電動弁ユニット20、ストレーナ12A、配管13,24,25、温水タンク40等の水抜きが行われる。
【0027】
止水栓10を閉め忘れていても、所定時間が経過すると、弁22,23及び電磁弁30,41が自動的に閉弁するので、止水栓10からの水道水が流れ放しになることがない。
【0028】
上記実施の形態では水抜き用電磁弁30,41を設けているが、水抜き用電磁弁30を省略し、ストレーナ12Aの代りに図2のストレーナ12を設けてもよい。この場合、水抜き用スイッチ50mを操作すると、電動弁ユニット20の弁22,23が所定時間開弁する。止水栓10が閉まっているときには、弁22,23が開弁すると、バキュームブレーカ26,27を介して配管24,25内に大気が流入し、弁22,23や配管24,25内等の残水が洋風便器1側へ排出されて水抜きが行われる。
【0029】
この場合も、所定時間が経過すると、電動弁ユニット20の弁22,23が自動的に閉弁する。そのため、止水栓10を閉め忘れていても、水道水が流れ放しとなることがない。
【0030】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によると、止水栓を閉め忘れて水抜き操作しても水が流れ放しとなることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の説明図である。
【図2】 従来例の説明図である。
【符号の説明】
1 洋風便器
2 鉢部
3 リム
4 リムノズル
5 ジェットノズル
6 便座
7 便蓋
8 便座ボックス
10 止水栓
11 給水ホース
12,12A ストレーナ
20 電動弁ユニット
30,41 水抜き用電磁弁
40 温水タンク
50 リモコン
50m 水抜き用スイッチ
Claims (3)
- トイレルーム内の止水栓からの給水を電気駆動式の弁ユニットを介して水道給水圧により便器へ供給する洗浄給水装置において、
リモコンに設けられているスイッチのスイッチ操作により所定時間だけ開弁して該弁ユニットの水抜きを行う弁ユニット水抜き用の電磁弁を備えた洗浄給水装置であって、
該止水栓からの給水の一部が分岐して温水洗浄装置用の温水タンクへ供給されており、該温水タンクの底部に温水タンク水抜き用の電磁弁が設けられており、
該温水タンク水抜き用の電磁弁は、該スイッチ操作により所定時間だけ開弁して該温水タンクの水抜きを行うものであることを特徴とする洗浄給水装置。 - 請求項1において、該スイッチを1回押すと、該リモコンに該止水栓を閉めたかを問う表示がなされ、該スイッチをもう1回押すと、該電磁弁が所定時間開弁することを特徴とする洗浄給水装置。
- トイレルーム内の止水栓からの給水を電気駆動式の弁ユニットを介して水道給水圧により便器へ供給する洗浄給水装置において、
リモコンに設けられているスイッチのスイッチ操作により所定時間だけ開弁して該弁ユニットの水抜きを行う弁ユニット水抜き用の電磁弁を備えた洗浄給水装置であって、
該スイッチを1回押すと、該リモコンに該止水栓を閉めたかを問う表示がなされ、該スイッチをもう1回押すと、該電磁弁が所定時間開弁することを特徴とする洗浄給水装置。
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