JPH078472U

JPH078472U - おむつ洗い器

Info

Publication number: JPH078472U
Application number: JP3793893U
Authority: JP
Inventors: 庄治中村
Original assignee: 日本電気ホームエレクトロニクス株式会社
Priority date: 1993-07-12
Filing date: 1993-07-12
Publication date: 1995-02-07

Abstract

(57)【要約】【目的】トイレ用便器を利用して、おむつを簡単かつ
衛生的に洗浄できるようにする。【構成】便器１２の開口部内周に沿って洗浄ノズル１
３を取り付け、便器１２内にのみ洗浄水を吐出させて便
器１２内でおむつ洗浄する。洗浄ノズル１３へは給水器
１４が一定流量の水を安定的に給水し、しかも洗浄ノズ
ル１３からはおむつ洗いに最適な水シャワーが散水され
るため、便器１２外への洗浄水の跳ね返りはなく、清潔
にしかも衛生的におむつ洗浄が可能である。また、おむ
つ洗いの経過とともに吐出水量が減少したり、或いは一
回のおむつ洗いに使用できる水量が制限されるといった
不都合はなく、必要なときに必要な時間だけおむつ洗い
が可能である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、便器内でおむつを簡単かつ衛生的に洗浄できるようにしたおむつ洗い器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

おむつは、乳幼児用から寝たきり老人用など様々な用途に、使い捨て可能な紙おむつが大量に市販されている。しかし、地球規模での自然環境保護運動の高まりから、使い捨て式の紙おむつと言えどもリサイクルに結び付かない資源消費型の使用に対し、各方面から警鐘が鳴らされている。一方、紙おむつ以前にはごく当たり前に使用されてきた布おむつは、洗濯により繰り返し使用できる点が見直されつつある。しかし、汚物で汚れた布おむつを洗濯するときは、他の洗濯物と一緒に洗濯できないために専用の桶を用いて手洗いしなければならないなど、洗濯に手間がかかるだけに敬遠されるきらいがあった。

【０００３】図５に示すおむつ洗い器１は、実開昭６０−１７２８８２号「洗浄蛇口付き水洗式トイレ装置」に提案されたものであり、便器２と水洗槽３を結ぶ配管４の途中に切換弁５を介して接続した蛇口６を、便器２の上方から器内に向けて配設したものである。切換弁５を切り換えると、水洗槽３から排水された水は、切換弁５にて蛇口６側に分岐され、蛇口６から水洗槽３内に放水される。従って、切換弁５を切り換えた状態で排水レバー７を操作することにより、蛇口６から放水される水におむつを当てて洗浄することができ、おむつから洗い落とされ汚物を便器２内に洗い流すことができる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来のおむつ洗い器１は、おむつ洗い時に便器２内に放水する蛇口６が便器２の開口部の奥まった箇所に開口しており、水は便器２の奥方から手前側にある程度放物線を描きながら放水される。しかし、放水された水は便器２内にシャワー状に散水されるのではなく、ただ一条の滝のごとく流れ落ちるだけであり、便器２内でおむつを漬け洗いするならば別であるが、便器２の傾斜底面からおむつを浮かせて揉み洗いするような用途には適当な水流とは言えず、例えば放水された水流の当たった箇所は汚物が弾き飛ばされるものの、飛び散った汚物がおむつの他の箇所に再付着したり、或いはおむつにて弾かれた水が便器２外に飛び散りやすい等の課題があった。

【０００５】一方また、蛇口６から便器２内に吐出される水の勢いは、蛇口６と水洗槽３内の水位との高低差の平方根にほぼ比例しており、水洗槽３内の水位の低下とともに放水流量も漸減するため、放水当初は便器２のほぼ中央部まで届く勢いのあった水流も、次第に勢いが衰えてしまい、最後には壁際を伝い落ちるだけとなる。このため、排水レバー７を操作して全量排水を選択したとしても、実質的におむつ洗いに使用できるのは水洗槽３の容量の半分以下程度の水でしかなく、洗浄効率が悪いといった課題があった。また、放水の勢いを安定させるため、全量排水ではなく少量排水側に排水レバー７を操作し、小刻みに放水しながらおむつ洗いすることも可能であるが、全量排水時に比べ何回となく洗浄作業が寸断されるために、実用的な方法とは言えなかった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上記課題を解決したものであり、便器と、該便器の開口部内周に沿って取り付けられ、前記便器内にのみ洗浄水を吐出する洗浄ノズルと、該洗浄ノズルに水を供給する給水手段とを具備し、前記洗浄ノズルにより吐出される洗浄水により前記便器内でおむつを洗浄することを特徴とするものである。

【０００７】また、この考案は、洗浄ノズルが、前記便器の開口部内周に沿って固定した噴射口付き湾曲パイプからなること、或いは弧状に湾曲する噴射口付き湾曲パイプからなり、前記便器の開口部内周に沿う退避位置を起点に該開口部を高さで越える位置まで旋回自在に配設したこと等を、他の特徴とするものである。

【０００８】

【作用】

この考案は、便器の開口部内周に沿って洗浄ノズルを取り付け、便器内にのみ洗浄水を吐出させて便器内でおむつ洗浄することにより、おむつを効率よく衛生的に洗浄できるようにする。

【０００９】

【実施例】

以下、この考案の実施例について、図１ないし図４を参照して説明する。図１，２は、それぞれこの考案のおむつ洗い器の一実施例を示す縦断面図及び要部平面図である。

【００１０】図１，２に示すおむつ洗い器１１は、用足し以外におむつ洗浄用にも使用する便器１２と、この便器１２の開口部内周に取り付けられ、便器１２内にのみ洗浄水を吐出する洗浄ノズル１３と、洗浄ノズル１３に洗浄水を供給する給水手段である給水器１４とから大略構成される。便器１２は、上面開口の縁に便座１５を介して腰掛けて用を足す洋式であり、排水管１６に至る排水路を水封により遮断する臭気止め排水孔１７を有する水洗式となっている。このため、便器１２の底部に開口する臭気止め排水孔１７の入り口開口部は常時水封されており、排水管１６側から臭気が逆流しないようになっている。水洗のための水は、便器１２の前端に載置された水洗槽１８内に溜められており、レバー操作によって少量水洗と全量水洗のどちらかを随意選択できるようになっている。便座１５と便器１２の蓋１９は、用足し又はおむつ洗いにさいして図示のごとく水洗槽１８の前壁に立て掛けることができる。

【００１１】洗浄ノズル１３は、便器１２の開口部内周に沿って環状に湾曲する噴射口付き湾曲パイプで構成される。実施例に示した洗浄ノズル１３は、湾曲パイプの内周側に複数の噴射口２０がほぼ等間隔に穿設してあり、個々の噴射口２０の噴射方向は若干上向きとされてる。また、この噴射口付き湾曲パイプからなる洗浄パイプ１３は、便器１２の開口縁部数箇所にフック２１により掛止されており、湾曲パイプの両端を管路２２を介して給水器１４に接続してある。給水器１４は、加熱機能と水温調節機能を有しており、洗浄に必要な水又は温水が不足する場合は、水洗槽１８に通ずる同じ水道管を経由して自動的に水が補給されるようになっている。

【００１２】ところで、洗浄ノズル１３は、便器１２の開口部内周に沿って配設されているため、洗浄ノズル１３が用足しの邪魔になることはなく、また用足し中に汚物が付着しても、水洗槽１８内の水を排水するさいに便器１２の内壁と同様きれいに洗浄される。従って、洗浄ノズル１３が汚れたまま放置されることはなく、常に清潔な状態に保つことができる。

【００１３】一方、おむつ洗いにさいしては、給水器１４の操作パネルに設けられた給水釦（図示せず）を押す。これにより、給水器１４から水（又は温水）が給水され、管路２２を介して洗浄ノズル１３内に送り込まれる。洗浄ノズル１３に送り込まれた水は、複数の噴射口２０から便器１２の開口部ほぼ中央に向けて噴射されるが、噴射口２０から噴射された水は、放物線を描きながらすべて便器１２の内側に落下する。また、噴射された水はシャワー状となって適度の勢いで便器１２内に降り注がれるため、便器１２内にシャワー幕が張られた状態となる。すなわち、便器１２内に一条の滝のごとく水が放水されるのではなく、真上から満遍なく水滴が散水されるため、上から降り注ぐ水シャワーにおむつを当て、便器１２内でおむつを揉み洗いすることにより、おむつに付着した汚物を良好に洗い落とすことができる。また、おむつを便器１２の傾斜底面に当ててシャワーを降り注ぐようにすれば、水によって弾かれた汚物をおむつに再付着させることなく、どの箇所もきれいに洗浄することができる。特に、温水を使用した場合は、常温水による洗浄に比べて汚れ落ちがよいため、洗い残しの少ない効率的なおむつ洗浄が可能である。また、給水器１４からはほぼ一定の流速で給水されるため、時間の経過とともに水の勢いが衰えたりすることはなく、常に安定したおむつ洗浄が可能である。

【００１４】一方、おむつから洗い落とされた汚物は、便器１２の底面に張られた水のなかに沈殿し、洗浄に使われた水とともに溢水として臭気止め排水孔１７から排水管１６側に排水される。このため、おむつを洗い終えた時点で、給水器１４に設けられた給水停止釦（図示せず）を押して洗浄ノズル１２に対する給水を停止し、続いて排水レバー（図示せず）を操作して水洗槽１８から排水することにより、便器１２内と洗浄ノズル１３を洗浄し、いつでも用足しができる状態とすることができる。

【００１５】このように、上記おむつ洗い器１１は、便器１２の開口部内周に沿って洗浄ノズル１３を取り付け、便器１２内にのみ洗浄水を吐出させて便器１２内でおむつ洗浄する構成としたから、用足しの邪魔にならずしかも便器１２にもっとも接近した箇所として最適な場所に洗浄ノズル１３を固定的に設けることができ、しかも洗浄ノズル１３から噴射された洗浄水がすべて便器１２内に降り注ぐよう噴射量と噴射方向を予め適切に制限することができるので、例えばおしりの温水洗浄器のように、洗浄ノズル１３から噴射された水が便器１２の外まで飛ぶような噴射経路ではなく、便器１２内でのおむつ洗いに最適な水シャワーを便器１２内に降らせることができ、これにより便器１２内で安心しておむつを洗浄することができ、また洗浄ノズル１３へは給水器１４が一定流量の水を安定的に給水することができるため、おむつ洗いの経過とともに水量が減少したり、或いは一回のおむつ洗いに使用できる水量が制限されるといった不都合はなく、必要なときに必要な時間だけおむつ洗いが可能である。

【００１６】また、洗浄ノズル１３を、便器１２の開口部内周に沿って湾曲する噴射口付き湾曲パイプから構成したので、湾曲パイプに沿って設けた複数の噴射口２０から便器１２の中央に向けて水シャワーを降り注ぐようにすることで、シャワー幕のなかにおむつを置いて洗浄することができ、様々な方向から降り注ぐ洗浄水によりおむつを効率よく洗浄することができ、便器１２外への洗浄水の跳ね返りを防止して、清潔にしかも衛生的におむつ洗浄が可能である。

【００１７】なお、上記実施例では、便器１２の開口部内周に沿って張り巡らした噴射口付き湾曲パイプを使ってシャワー幕を形成する構成としたが、図３，４に示すおむつ洗い器３１のごとく、便器１２の開口形状に沿って半円弧状に湾曲するパイプからなる洗浄ノズル３２を、片持ち状態で管路２２に水密かつ回転自在に接続し、片持ち部分を中心に正逆方向に回転できるよう構成することもできる。噴射口３３は、湾曲パイプの内周にほぼ等間隔に穿設してあり、湾曲パイプを便器１２の開口部内周に沿う退避位置を起点に開口部を高さで越える位置まで旋回させると、すなわち湾曲パイプを水平状態から９０度回動して垂直に起立させると、便器１２の真上から便器１２の中央に向けて水シャワーを降り注ぐことができる。また、シャワーの方向は、半円弧状に湾曲する湾曲パイプの湾曲中心をほぼ指向するため、便器１２内のおむつに対して理想的な状態で水シャワーを降り注ぐことができ、しかも洗浄時の水の跳ね返りを良好に防止することができる。

【００１８】なお、上記各実施例において、おむつ洗い器１１，３１に使用する便器１２は、洗い落とし式に限らず、サイホン式やセミサイホン式或いはサイホンゼット式、さらにはサイホンボルテックス式等の他の洋式便器でもよく、洋式に限らず和式であってもよい。さらに、給水手段としては温水機能をもった給水器１４に限定されず、水道水を何ら加熱することなく直接供給する構成のものであってもよい。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案は、便器の開口部内周に沿って洗浄ノズルを取り付け、便器内にのみ洗浄水を吐出させて便器内でおむつ洗浄する構成としたから、用足しの邪魔にならずしかも便器にもっとも接近した箇所として最適な場所に洗浄ノズルを固定的に設けることができ、しかも洗浄ノズルから噴射された洗浄水がすべて便器内に降り注ぐよう噴射量と噴射方向を予め適切に制限することができるので、例えばおしりの温水洗浄器のように、洗浄ノズルから噴射された温水が便器の外まで飛ぶような噴射経路ではなく、便器内でのおむつ洗いに最適な水シャワーを便器内に降らせることができ、これにより便器内で安心しておむつを洗浄することができ、また洗浄ノズルへは給水手段が一定流量の水を安定的に給水することができるため、おむつ洗いの経過とともに水量が減少したり、或いは一回のおむつ洗いに使用できる水量が制限されるといった不都合はなく、必要なときに必要な時間だけおむつ洗いが可能である等の優れた効果を奏する。

【００２０】また、この考案は、洗浄ノズルを、前記便器の開口部内周に沿って湾曲する噴射口付き湾曲パイプから構成したので、湾曲パイプに沿って設けた複数の噴射口から便器の中央に向けて水シャワーを降り注ぐようにすることで、シャワー幕のなかにおむつを置いて洗浄することができ、様々な方向から降り注ぐ洗浄水によりおむつを効率よく洗浄することができ、便器外への洗浄水の跳ね返りを防止して、清潔にしかも衛生的におむつ洗浄が可能である等の効果を奏する。

【００２１】さらにまた、洗浄ノズルが、弧状に湾曲する噴射口付き湾曲パイプからなり、前記便器の開口部内周に沿う退避位置を起点に該開口部を高さで越える位置まで旋回自在に配設したことにより、通常は洗浄ノズルを便器の開口部内周に沿う退避位置に収納しておき、用足しの邪魔にならないようにし、おむつを洗浄するときは洗浄ノズルを旋回させて便器のほぼ中央部に山形に架橋させることにより、便器のほぼ中央部上方から洗浄水を降り注ぎ、上から下に降り注ぐシャワー幕によりおむつを効率よく洗浄することができ、おむつ洗浄にはもっとも適したシャワーが得られるため、便器外への洗浄水の跳ね返りを極力抑え、清潔にしかも衛生的におむつ洗浄が可能である等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案のおむつ洗い器の一実施例を示す縦断
面図である。

【図２】図１に示したおむつ洗い器の要部平面図であ
る。

【図３】この考案のおむつ洗い器の他の実施例を示す縦
断面図である。

【図４】図３に示したおむつ洗い器の要部平面図であ
る。

【図５】従来のおむつ洗い器の一例を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１１，３１おむつ洗い器１２便器１３，３２洗浄ノズル１４給水手段（給水器）２０，３３噴射口

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】便器と、該便器の開口部内周に沿って取
り付けられ、前記便器内にのみ洗浄水を吐出する洗浄ノ
ズルと、該洗浄ノズルに水を供給する給水手段とを具備
し、前記洗浄ノズルにより吐出される洗浄水により前記
便器内でおむつを洗浄することを特徴とするおむつ洗い
器。
【請求項２】前記洗浄ノズルは、前記便器の開口部内
周に沿って固定した噴射口付き湾曲パイプからなること
を特徴とする請求項１記載のおむつ洗い器。
【請求項３】前記洗浄ノズルは、弧状に湾曲する噴射
口付き湾曲パイプからなり、前記便器の開口部内周に沿
う退避位置を起点に該開口部を高さで越える位置まで旋
回自在に配設したことを特徴とする請求項１記載のおむ
つ洗い器。