JPH09119018A - 微細繊維状アラミド繊維の製造方法 - Google Patents
微細繊維状アラミド繊維の製造方法Info
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- JPH09119018A JPH09119018A JP27735295A JP27735295A JPH09119018A JP H09119018 A JPH09119018 A JP H09119018A JP 27735295 A JP27735295 A JP 27735295A JP 27735295 A JP27735295 A JP 27735295A JP H09119018 A JPH09119018 A JP H09119018A
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Abstract
繊維状アラミド繊維を得ることを課題とする。 【解決手段】 アラミド繊維懸濁液を、例えばガラスビ
ーズ、アルミナビーズ等をメディアとして用いるサンド
ミルにて処理することにより微細繊維状アラミド繊維を
簡便に、且つ効率良く製造する方法である。
Description
耐熱性、機械的性質などの優れた微細繊維状アラミド繊
維の製造方法に関する。さらに詳しくは耐熱性のシート
材料、樹脂補強剤、摩擦材等の用途に好適な高度にフィ
ブリル化した微細繊維状アラミド繊維を簡便に、且つ効
率良く製造する方法に関する。
の繊維材料そのものの特性に加えて増粘性、水保持力、
バインダー能などが向上するため、その特徴を生かした
用途への利用がなされている。例えばセルロース繊維を
微細化して抄紙原料に供し、繊維間結合を強めて紙力強
度を増強させたり、また剛直鎖高分子を微細化して分離
すべき対象の粒子径に応じた阻止性能と媒体の透過性能
とを兼ね備えたフィルター用材料としての利用等が行わ
れている。
モジナイザー、リファイナー、コロイドミル、ビーター
などがあるが、特に高圧ホモジナイザー(高圧均質化装
置)により繊維懸濁液を処理する方法(特開平3ー17
4091号公報)は有力な手段であることが知られてい
る。この方法は繊維懸濁液を少なくとも3000psiの
圧力差で小径オリフィスを高速度で通過させ、次いでこ
れをオリフィス出口近傍の壁体に衝突させて急速に減速
させることにより、繊維に剪断作用、切断作用を与えて
微細繊維化させる方法である。
において、前記高圧ホモジナイザーによる方法では繊維
懸濁液に高圧をかけて細いオリフィスを何回も通す必要
があるが、細いオリィフィスを通すため単位時間当りの
処理量が小さく、また設備が複雑になるため、経済性の
点で問題がある。またリファイナー、コロイドミル、ビ
ーター等による方法では微細化の程度に限度がある。従
って本発明の課題は、高度の微細化が可能であると共
に、処理設備が単純で大きな処理量が得られる、微細繊
維状アラミド繊維の製造方法を提供することにある。本
発明者等は、高圧ホモジナイザーによる繊維材料の微小
化の作用機構(解繊作用)について特に剪断作用、切断
作用及び摩擦作用に注目し、メディア間の速度差によっ
て生じる剪断力をアラミド繊維に作用させることによ
り、単純な設備で効率的に微細化できることを見い出し
本発明を完成させるに至った。
維の水懸濁液をサンドミルにて処理することにより、保
水度が180%以上、400%以下の微細繊維状アラミ
ド繊維を得ることを特徴とする微細繊維状アラミド繊維
の製造方法である。
定した容器に挿入した攪拌機を高速で回転させて容器内
に充填したメディアとアラミド繊維を攪拌して剪断応力
を発生させて微細化する装置である。なお、サンドミル
の形態には縦型、横型があるが、どちらも使用可能であ
る。具体的には、サンドグラインダー、ダイノミル、ウ
ルトラビスコミルなどが挙げられる。尚、本発明におけ
るアラミド繊維とは芳香族ポリアミド繊維のことであ
り、主鎖に芳香族環とアミド結合−CO−NH−をもつ
重合体の総称である。
ルミナビーズ、ジルコニアビーズ、ジルコンビーズ、ス
チールビーズ、チタニアビーズなどが使用可能であり、
粒径は0.1mmの微小のものから、平均粒径6mmの大粒
径のものまで使用可能である。これらメディアの材質の
種類、平均粒径、サンドミルの回転数および処理濃度等
の処理条件は、要求される微細繊維状アラミド繊維の物
性により適宜選択することが可能である。また、処理方
法としてはバッチ式あるいは連続式の何れの方法でも良
いし、数台の装置を直列に接続して、第一段で粗く処理
し、後段で微細に処理することも可能である。サンドミ
ル容器の中に充填するメディアの量は、容器容積の50
%〜90%であるが、充填率が低いと試料が十分に処理
されずに容器から出てくるいわゆるショートパスを起こ
す。また充填率を高めると処理効率は良好であるが、高
くし過ぎると試料が通り難くなる問題が生じるため、容
器容積の60%〜85%で行うのが好ましい。
水懸濁液の固形分濃度は、ビーズ量とのバランスをとる
ことで、0.1〜4.0重量%の範囲で調節することが
可能であるが、微細化度と処理効率とを考慮すれば、
0.3〜2.0重量%の範囲で調節することが望まし
い。0.1重量%未満で処理を行うと処理効率が悪くな
り水保持力が上がらず、また4.0重量%以上で処理す
ると十分な処理がなされない、もしくは試料が通りにく
くなり、試料の繊維同士が絡まってしまう等の問題が発
生する。また、使用するアラミド繊維の長さが長すぎる
とサンドミル処理中に繊維同士が絡まり合い微細化が進
み難くなるため、アラミド繊維を予め3mm以下、好ま
しくは2mm以下で、0.3mm以上に切ったものを使
用する必要がある。
の度合いを示す指標として、アラミド繊維は微細化を進
めるに従って水を保持する能力が高くなることから保水
度により評価することにした。保水度の測定は、低部に
穴の開いた円筒状の遠心管にG3のガラスフィルターを
取り付け、3000Gの遠心力を15分間作用させるこ
とにより脱水処理し、この遠心脱水された湿潤試料の重
量を測定し、さらに105℃で少なくとも5時間にわた
って乾燥させ乾燥重量を測定した。水保持力は、遠心処
理後の湿潤重量から乾燥試料重量を減算し、これを乾燥
試料重量で除算し、これに100を乗算して得た値であ
る。なお、遠心脱水処理する供試試料については、サン
ドミル処理生成物の水の保持力が高く、そのまま保水度
測定をすると脱水が困難であり液相が試料上部に残るた
め、前処理として濾過等により予め固形分濃度5〜10
重量%程度に予備脱水し、保水度測定に供した。
光学顕微鏡にて観察した結果、未処理のアラミド繊維の
保水度は10%と低いが、サンドミルにて処理を進める
に従い、繊維からヒゲ状の微細繊維が生成する。繊維表
面からヒゲ状の繊維が出ているアラミド繊維が、全体の
アラミド繊維の約半数の状態の保水度は110%程度で
あり、更に処理を進めおおよそ全てのアラミド繊維表面
からヒゲ状の繊維が出ている状態の保水度は約180%
であった。また更に処理を進めほとんどのアラミド繊維
の繊維自体が壊れ微細化した状態の保水度は約300%
であった。保水度が400%を超えると微細化した繊維
が急速に短く切断され、サンドミル処理を進めても水保
持力の上昇はほとんど頭打ちとなる。また、リファイナ
ー処理との比較では、予め平均2mmの長さに切断した
アラミド繊維を固形分濃度1.0重量%にて12インチ
ディスクのリファィナー処理したところ、アラミド繊維
表面から一部ヒゲ状の繊維が生成するが、更に処理を続
けると繊維同士が絡まり合い保水度170%程度が限度
であり、微細化を充分すすめられないことがわかった。
ての特性を失うことなくアラミド繊維の微細化が可能な
範囲の上限は、繊維長が極端に短くならないで微細化が
進行する保水度400%付近と思われる。また保水度1
80%未満の微細化は一般的に使用されているリファイ
ナーでもほぼ可能である。従って、本発明の対象は保水
度180〜400%のアラミド繊維を得ることとした。
しては、例えば、デュポン社により販売されているケブ
ラー(商標名)や、日本アラミド社より販売されている
トワロン(商標名)、帝人社より販売されているコーネ
ックス繊維(商標名)、ユニチカ社のアピエール繊維
(商標名)等が挙げられる。また、リファイナーにより
叩解されたアラミドパルプを試料として供してもよい。
アラミド繊維をサンドミルで処理するときの媒体として
は、取り扱いの容易性、汎用性などから水が通常最も適
しているが、水を嫌う用途など特殊な目的の為にメタノ
ール、エタノールなどの有機溶媒およびこれらの有機溶
剤と水との混合媒体が有用である。また分散液の中に繊
維の分散性を良くするために分散剤等を添加してもよ
い。
に説明するが、勿論本発明はこれらによって限定される
ものではない。なお、実施例において%とあるのは特に
断わらない限り重量%を表す。
ィポン社製ケブラー繊維)を試料として、水にて固形分
濃度2.0%に調整した懸濁液120gを、またメディ
アとして平均粒径1mmのガラスビーズ190gを容量
300mlの縦型サンドミル(アイメックス(株)製六
筒式サンドグラインダー、ディスク7枚)に入れ、攪拌
機の回転数2000rpmで冷却用循環水の温度を調節
することにより処理温度20℃に調節し、バッチ式にて
処理を行った。表1に処理時間と保水度の値、長さ加重
平均繊維長を示す。なお、長さ加重平均繊維長は、フィ
ンランドKAJAANI社製FS−200型繊維長測定
装置で測定した。表1からわかるように処理時間を長く
するに従い長さ加重平均繊維長は短くなり、また保水度
は高くなり微細化のすすんだものが得られる。
トワロン1099)を使用し、これを水にて固形分濃度
0.5%に調整し、平均粒径2.0mmのガラスビーズ
を充填率80%で充填した容量1.4リットルの横型サ
ンドミル(シンマルエンタープライゼス社製ダイノミ
ル、型式:KDL−PILOT型、ディスク5枚)にて
周速10.5m/s、試料の送り量350ml/分でサ
ンドミルに導入、通過させて、通す回数により微細化の
状況を調査した。この時冷却用循環水の温度を調節する
ことにより処理温度20℃に調節して処理を行った。表
2に処理回数と保水度、長さ加重平均繊維長との関係を
示す。処理回数を増やすにつれて保水度は上昇し、微細
化が進むが保水度が403%では繊維長が0.07mm
と短くなることが判る。
ニチカ社製アピエール繊維)を使用し、これを水にて固
形分濃度1.0%に調整し、更に分散剤としてネオコー
ルSW(第一工業製薬社製)を対アラミド繊維0.01
%添加してサンドミル供試用試料とした。平均粒径2.
0mmのガラスビーズを充填率80%で充填した容量
1.4リットルの横型サンドミル(シンマルエンタープ
ライゼス社製ダイノミル、型式:KDL−PILOT
型、ディスク5枚)にて周速10.5m/s、試料の送
り量350ml/分でサンドミルに導入、通過させて、
通す回数により微細化の状況を調査した。この時冷却用
循環水の温度を調節することにより処理温度20℃に調
節して処理を行った。表3に処理回数と保水度、長さ加
重平均繊維長との関係を示す。処理回数を増やすと保水
度は高くなり微細化が進む。
トワロン1097)を使用し、これをエタノール50%
混合水溶液にて固形分濃度0.5%に調整し、平均粒径
2.0mmのガラスビーズを充填率80%で充填した容
量1.4リットルの横型サンドミル(シンマルエンター
プライゼス社製ダイノミル、型式:KDL−PILOT
型、ディスク5枚)にて周速10.5m/s、試料の送
り量350ml/分でサンドミルに導入、通過させて、
通す回数により微細化の状況を調査した。この時冷却用
循環水の温度を調節することにより処理温度20℃に調
節して処理を行った。保水度測定には、微細化繊維を水
で濾過、洗浄し、エタノールを除去したものを試料とし
た。表4に処理回数と保水度、長さ加重平均繊維長との
関係を示す。エタノール50%水溶液を媒体として使用
しても処理回数を増やすにつれて保水度は上昇し、微細
化アラミド繊維が得られた。
繊維懸濁液を処理することで、保水度の高い微細繊維状
アラミド繊維を簡便に、且つ効率良く製造することがで
きる。
Claims (1)
- 【請求項1】 アラミド繊維の水懸濁液をサンドミルに
て処理することにより、保水度が180%以上、400
%以下の微細繊維状アラミド繊維を得ることを特徴とす
る微細繊維状アラミド繊維の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27735295A JPH09119018A (ja) | 1995-10-25 | 1995-10-25 | 微細繊維状アラミド繊維の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27735295A JPH09119018A (ja) | 1995-10-25 | 1995-10-25 | 微細繊維状アラミド繊維の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09119018A true JPH09119018A (ja) | 1997-05-06 |
Family
ID=17582335
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27735295A Pending JPH09119018A (ja) | 1995-10-25 | 1995-10-25 | 微細繊維状アラミド繊維の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09119018A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003044250A1 (en) * | 2001-11-16 | 2003-05-30 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Method of producing micropulp and micropulp made therefrom |
-
1995
- 1995-10-25 JP JP27735295A patent/JPH09119018A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003044250A1 (en) * | 2001-11-16 | 2003-05-30 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Method of producing micropulp and micropulp made therefrom |
AU2002363930B2 (en) * | 2001-11-16 | 2008-07-03 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Method of producing micropulp and micropulp made therefrom |
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A521 | Written amendment |
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A02 | Decision of refusal |
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