JPH09118625A - 新規生理活性物質nf00233a、その製造法及びその用途 - Google Patents
新規生理活性物質nf00233a、その製造法及びその用途Info
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- JPH09118625A JPH09118625A JP7299353A JP29935395A JPH09118625A JP H09118625 A JPH09118625 A JP H09118625A JP 7299353 A JP7299353 A JP 7299353A JP 29935395 A JP29935395 A JP 29935395A JP H09118625 A JPH09118625 A JP H09118625A
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- drug
- physiologically active
- nf00233a
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
- Compounds Of Unknown Constitution (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】フォスフォジエステラーゼ阻害作用を有す新規
生理活性物質を提供する。 【解決手段】ケトメラ(Chaetomella)属に
属し、生理活性物質NF00233Aを生産する能力を
有する微生物を培地に培養し、培養液中に生理活性物質
NF00233Aを精製蓄積せしめ、これを採取するこ
とにより生理活性物質NF00233Aを得た。生理活
性物質NF00233A又はその薬理学的に許容される
塩はフォスフォジエステラーゼ阻害剤の有効成分として
有用である。
生理活性物質を提供する。 【解決手段】ケトメラ(Chaetomella)属に
属し、生理活性物質NF00233Aを生産する能力を
有する微生物を培地に培養し、培養液中に生理活性物質
NF00233Aを精製蓄積せしめ、これを採取するこ
とにより生理活性物質NF00233Aを得た。生理活
性物質NF00233A又はその薬理学的に許容される
塩はフォスフォジエステラーゼ阻害剤の有効成分として
有用である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規生理活性物質
NF00233A、その製造法及びその用途に関する。
フォスフォジエステラーゼ阻害作用を有する化合物は、
例えば抗喘息薬、気管支拡張薬、気管支炎治療薬、抗ア
レルギー薬、抗炎症薬、抗リウマチ薬、降圧薬、狭心症
治療薬、不整脈治療薬、脳循環代謝改善薬、血液凝固阻
害薬、抗鬱薬などとして使用される生理活性物質として
期待されている。
NF00233A、その製造法及びその用途に関する。
フォスフォジエステラーゼ阻害作用を有する化合物は、
例えば抗喘息薬、気管支拡張薬、気管支炎治療薬、抗ア
レルギー薬、抗炎症薬、抗リウマチ薬、降圧薬、狭心症
治療薬、不整脈治療薬、脳循環代謝改善薬、血液凝固阻
害薬、抗鬱薬などとして使用される生理活性物質として
期待されている。
【0002】
【従来の技術】従来、フォスフォジエステラーゼ阻害作
用を有し、気管支拡張薬、狭心症治療薬、不整脈治療
薬、脳循環代謝改善薬、抗うつ薬などとして使用される
生理活性物質としては、テオフィリン、アムリノン、ロ
リプラム、等が知られている。
用を有し、気管支拡張薬、狭心症治療薬、不整脈治療
薬、脳循環代謝改善薬、抗うつ薬などとして使用される
生理活性物質としては、テオフィリン、アムリノン、ロ
リプラム、等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの化合
物は副作用が強く、満足すべきものではない。これらの
用途に適する新規化合物の発明が待たれている。
物は副作用が強く、満足すべきものではない。これらの
用途に適する新規化合物の発明が待たれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
微生物の代謝産物について、種々検索した結果、ケトメ
ラ属に属する一菌株がフォスフォジエステラーゼ阻害作
用を有する生理活性物質NF00233Aを産生する事
を見い出した。すなわち、本発明は新規生理活性物質N
F00233A又はその薬理学上許容される塩に関す
る。更に本発明はケトメラ(Chaetomella )属に属し、
生理活性物質NF00233Aを生産する能力を有する
微生物を培地に培養し、培養物中に生理活性物質NF0
0233Aを生成蓄積せしめ、これを採取する事を特徴
とする生理活性物質NF00233Aの製造法に関す
る。更に本発明は、生理活性物質NF00233A又は
その薬理学的に許容される塩を有効成分とする抗喘息
薬、気管支拡張薬、気管支炎治療薬、抗アレルギー薬、
抗炎症薬、抗リウマチ薬、降圧薬、狭心症治療薬、不整
脈治療薬、脳循環代謝改善薬、血液凝固阻止薬、抗鬱薬
に関する。
微生物の代謝産物について、種々検索した結果、ケトメ
ラ属に属する一菌株がフォスフォジエステラーゼ阻害作
用を有する生理活性物質NF00233Aを産生する事
を見い出した。すなわち、本発明は新規生理活性物質N
F00233A又はその薬理学上許容される塩に関す
る。更に本発明はケトメラ(Chaetomella )属に属し、
生理活性物質NF00233Aを生産する能力を有する
微生物を培地に培養し、培養物中に生理活性物質NF0
0233Aを生成蓄積せしめ、これを採取する事を特徴
とする生理活性物質NF00233Aの製造法に関す
る。更に本発明は、生理活性物質NF00233A又は
その薬理学的に許容される塩を有効成分とする抗喘息
薬、気管支拡張薬、気管支炎治療薬、抗アレルギー薬、
抗炎症薬、抗リウマチ薬、降圧薬、狭心症治療薬、不整
脈治療薬、脳循環代謝改善薬、血液凝固阻止薬、抗鬱薬
に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において、生理活性物質N
F00233Aは塩基と塩を作るが、その薬理学的に許
容される塩とはナトリウム、カリウム等の金属アルカリ
塩、カルシウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。好
ましくはナトリウム、カリウム塩である。上記生理活性
物質NF00233Aはケトメラ(Chaetomella )属に
属するNF00233A生産菌を培養し、該化合物を生
成蓄積せしめ、この培養物より採取する事により得られ
る。
F00233Aは塩基と塩を作るが、その薬理学的に許
容される塩とはナトリウム、カリウム等の金属アルカリ
塩、カルシウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。好
ましくはナトリウム、カリウム塩である。上記生理活性
物質NF00233Aはケトメラ(Chaetomella )属に
属するNF00233A生産菌を培養し、該化合物を生
成蓄積せしめ、この培養物より採取する事により得られ
る。
【0006】NF00233Aの生産菌の代表的なもの
として、土壌より分離したケトメララフィゲラ NF
00233(Chaetomella raphigera NF 00233)株(工
業技術院生命工学工業技術研究所FERMP−1519
0)が挙げられる。
として、土壌より分離したケトメララフィゲラ NF
00233(Chaetomella raphigera NF 00233)株(工
業技術院生命工学工業技術研究所FERMP−1519
0)が挙げられる。
【0007】本発明におけるフォスフォジエステラーゼ
阻害活性を有する生理活性物質NF00233A生産菌
はケトメラ(Chaetomella )属に属するが、例えば本発
明者らが分離したNF 00233(受託番号FERM
P−15190)菌株は、本発明に最も有効に使用さ
れる菌株の一例である。
阻害活性を有する生理活性物質NF00233A生産菌
はケトメラ(Chaetomella )属に属するが、例えば本発
明者らが分離したNF 00233(受託番号FERM
P−15190)菌株は、本発明に最も有効に使用さ
れる菌株の一例である。
【0008】本発明に用いるケトメラ属に属する菌株
は、例えば、紫外線、エックス線および薬品などを用い
る人工的な変異手段で容易に変異しうるものであり、ど
の様な変異株であっても本発明の対象とする生理活性物
質NF00233Aの生産能を有するものは、すべて本
発明に使用する事ができる。
は、例えば、紫外線、エックス線および薬品などを用い
る人工的な変異手段で容易に変異しうるものであり、ど
の様な変異株であっても本発明の対象とする生理活性物
質NF00233Aの生産能を有するものは、すべて本
発明に使用する事ができる。
【0009】本発明によりNF00233Aを製造する
には、まず前記菌株を菌が利用し得る栄養物を含有する
培地で好気的に培養する。栄養源としては、従来から菌
の培養に利用されている公知のものが使用でき、例えば
炭素源としてはグルコース、フラクトース、グリセリ
ン、シュークロース、デキストリン、ガラクトース、有
機酸などを単独かまたは組み合わせて用いることができ
る。
には、まず前記菌株を菌が利用し得る栄養物を含有する
培地で好気的に培養する。栄養源としては、従来から菌
の培養に利用されている公知のものが使用でき、例えば
炭素源としてはグルコース、フラクトース、グリセリ
ン、シュークロース、デキストリン、ガラクトース、有
機酸などを単独かまたは組み合わせて用いることができ
る。
【0010】無機および有機窒素源としては塩化アンモ
ニウム、硫酸アンモニウム、尿素、硝酸アンモニウム、
硝酸ナトリウム、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、乾
燥酵母コーン・スチープ・リカー、大豆粉、綿実油カ
ス、カザミノ酸、バクトソイトン、ソリュブル・ベジタ
ブル・プロティン、オートミールなどを単独または組み
合わせて用いることができる。
ニウム、硫酸アンモニウム、尿素、硝酸アンモニウム、
硝酸ナトリウム、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、乾
燥酵母コーン・スチープ・リカー、大豆粉、綿実油カ
ス、カザミノ酸、バクトソイトン、ソリュブル・ベジタ
ブル・プロティン、オートミールなどを単独または組み
合わせて用いることができる。
【0011】その他必要に応じて食塩、炭酸カルシウ
ム、硫酸マグネシウム、硫酸銅、硫酸鉄、硫酸亜鉛、塩
化マンガン、燐酸塩などの無機塩類を加えることができ
るほか有機物、例えばアミノ酸類、ビタミン類、核酸類
や無機物を適当に添加することができる。培養法として
は液体培養法、特に深部攪拌培養法が最も適している。
培養温度は20℃〜45℃、pHは微酸性ないし微アル
カリ性で培養を行うことが望ましい。
ム、硫酸マグネシウム、硫酸銅、硫酸鉄、硫酸亜鉛、塩
化マンガン、燐酸塩などの無機塩類を加えることができ
るほか有機物、例えばアミノ酸類、ビタミン類、核酸類
や無機物を適当に添加することができる。培養法として
は液体培養法、特に深部攪拌培養法が最も適している。
培養温度は20℃〜45℃、pHは微酸性ないし微アル
カリ性で培養を行うことが望ましい。
【0012】液体培養では通常3〜5日間培養を行うと
NF00233A物質が培養液中に生成蓄積される。培
養菌体中の生成量が最大に達したときに培養を停止し、
菌体と培養液をろ別し、菌体より目的物を精製単離す
る。菌体から本物質の精製単離には一般に微生物代謝生
産物をその培養菌体から単離するために、用いられる分
離精製の方法が利用される。
NF00233A物質が培養液中に生成蓄積される。培
養菌体中の生成量が最大に達したときに培養を停止し、
菌体と培養液をろ別し、菌体より目的物を精製単離す
る。菌体から本物質の精製単離には一般に微生物代謝生
産物をその培養菌体から単離するために、用いられる分
離精製の方法が利用される。
【0013】即ち、培養液は通常のろ過法でろ液と菌体
部に分離する。得られたろ液をダイヤイオンHP−20
カラムに吸着せしめ、水洗後50%アセトン水で溶出す
る。その溶出画分を濃縮後酢酸エチル、ブタノールで順
次抽出する。
部に分離する。得られたろ液をダイヤイオンHP−20
カラムに吸着せしめ、水洗後50%アセトン水で溶出す
る。その溶出画分を濃縮後酢酸エチル、ブタノールで順
次抽出する。
【0014】ブタノール層の減圧濃縮物について、水−
メタノールで展開するCHP−20カラムクロマトグラ
フィーにかける。得られた活性画分について、LH−2
0カラムクロマトグラフィー(移動層:メタノール)に
かけ、さらにODSカラムクロマトグラフィー(移動
層:水−メタノール)にかけNF00233Aを得る。
メタノールで展開するCHP−20カラムクロマトグラ
フィーにかける。得られた活性画分について、LH−2
0カラムクロマトグラフィー(移動層:メタノール)に
かけ、さらにODSカラムクロマトグラフィー(移動
層:水−メタノール)にかけNF00233Aを得る。
【0015】上記のようにして得られた生理活性物質N
F00233Aの理化学的性質を下記に示す。
F00233Aの理化学的性質を下記に示す。
【0016】1)外観;黄色粉末 2)分子量;614 3)分子式;C33H58O8 S 4)溶解性;低級アルコールに可溶、ヘキサン、石油エ
ーテル、水に不溶 5)シリカゲル薄層クロマトグラフィーによるRf値;
クロロホルム−メタノール(5:1)の展開溶媒で0.
4を示す。 6)紫外部吸収スペクトル;図1に示す。 7)赤外部吸収スペクトル;臭化カリウム錠剤で測定し
たスペクトルを図2に示す。 8)水素核磁気共鳴スペクトル;重ジメチルスルホキシ
ド中で測定したスペクトルを図3に示す。 9)炭素核磁気共鳴スペクトル;重ジメチルスルホキシ
ド中で測定したスペクトルを図4に示す。 10)呈色反応;バニリン硫酸、ヨウ素に陽性。
ーテル、水に不溶 5)シリカゲル薄層クロマトグラフィーによるRf値;
クロロホルム−メタノール(5:1)の展開溶媒で0.
4を示す。 6)紫外部吸収スペクトル;図1に示す。 7)赤外部吸収スペクトル;臭化カリウム錠剤で測定し
たスペクトルを図2に示す。 8)水素核磁気共鳴スペクトル;重ジメチルスルホキシ
ド中で測定したスペクトルを図3に示す。 9)炭素核磁気共鳴スペクトル;重ジメチルスルホキシ
ド中で測定したスペクトルを図4に示す。 10)呈色反応;バニリン硫酸、ヨウ素に陽性。
【0017】医薬品として使用する場合の製剤化および
投与方法は従来公知の種々の方法が適用できる。すなわ
ち、投与方法としては注射、経口、直腸投与などが可能
である。製剤形態としては注射剤、粉末剤、顆粒剤、錠
剤、坐剤などの形態がとり得る。
投与方法は従来公知の種々の方法が適用できる。すなわ
ち、投与方法としては注射、経口、直腸投与などが可能
である。製剤形態としては注射剤、粉末剤、顆粒剤、錠
剤、坐剤などの形態がとり得る。
【0018】製剤化の際にNF00233Aに悪影響を
与えない限り、医薬用に用いられる種々の補助剤、すな
わち、担体やその他の助剤、例えば安定剤、防腐剤、無
痛化剤、乳化剤等が必要に応じて使用されうる。製剤に
おいて、NF00233Aの含量は製剤形態等により広
範囲に変えることが可能であり、一般にはNF0023
3Aを0.01〜100%(重量)、好ましくは0.1
〜70%(重量)含有し、残りは通常医薬用に使用され
る担体その他の補助剤からなる。
与えない限り、医薬用に用いられる種々の補助剤、すな
わち、担体やその他の助剤、例えば安定剤、防腐剤、無
痛化剤、乳化剤等が必要に応じて使用されうる。製剤に
おいて、NF00233Aの含量は製剤形態等により広
範囲に変えることが可能であり、一般にはNF0023
3Aを0.01〜100%(重量)、好ましくは0.1
〜70%(重量)含有し、残りは通常医薬用に使用され
る担体その他の補助剤からなる。
【0019】NF00233Aの投与量は症状等により
異なるが、成人1人1日当り0.01〜800mg程度で
ある。連投を必要とする場合には1日当り使用量をおさ
えることが好ましい。
異なるが、成人1人1日当り0.01〜800mg程度で
ある。連投を必要とする場合には1日当り使用量をおさ
えることが好ましい。
【0020】
【作用】以下に実験例を挙げて、NF00233Aのフ
ォスフォジエステラーゼ阻害作用について述べる。
ォスフォジエステラーゼ阻害作用について述べる。
【0021】実験例1.ウシ・フォスフォジエステラー
ゼの調製 屠殺後のウシ気道平滑筋50gをはさみおよびメスで細
切して5倍溶のEDTA2mMを含む20mMトリス緩
衝液(pH7.4)に懸濁し、ポリトロンホモジナイザ
ーによって破砕してフォスフォジエステラーゼ粗酵素液
を調製した。10,000×gにて20分間遠心分離を行い上
清を可溶性フォスフォジエステラーゼ粗酵素液とする。
更にQ−セファロース・ファーストフロー・カラム(1
00ml)に可溶性粗酵素画分を添加し緩衝液にて洗浄
後、50mM〜1M酢酸ナトリウムの濃度勾配にて溶出
する。0.7M酢酸ナトリウムで溶出されるフォスフォ
ジエステラーゼ活性画分を粗酵素液とした。
ゼの調製 屠殺後のウシ気道平滑筋50gをはさみおよびメスで細
切して5倍溶のEDTA2mMを含む20mMトリス緩
衝液(pH7.4)に懸濁し、ポリトロンホモジナイザ
ーによって破砕してフォスフォジエステラーゼ粗酵素液
を調製した。10,000×gにて20分間遠心分離を行い上
清を可溶性フォスフォジエステラーゼ粗酵素液とする。
更にQ−セファロース・ファーストフロー・カラム(1
00ml)に可溶性粗酵素画分を添加し緩衝液にて洗浄
後、50mM〜1M酢酸ナトリウムの濃度勾配にて溶出
する。0.7M酢酸ナトリウムで溶出されるフォスフォ
ジエステラーゼ活性画分を粗酵素液とした。
【0022】実験例2.フォスフォジエステラーゼ活性
の測定 フォスフォジエステラーゼ活性は3’,5’−サイクリ
ック・アデノシン・モノフォスフェイト(シグマ社、米
国、以後cAMPと称する)を基質として用い、反応
後、残存したcAMPを高速液体クロマトグラフィーで
測定した。0.3ml容量プラスチックチューブに以下
の添加物:0.02mg/mlcAMP、2.5mMジ
チオスレイトール、6mM塩化マグネシウム、50mM
トリス緩衝液(pH8.0)、1μlのフォスフォジエ
ステラーゼ酵素液及び評価サンプルを加え、最終容量を
水で200μlに調製する。混合物を攪拌し、37℃・
60分間インキュベートする。各チューブに200mM
テトラエチレンジアミン水溶液20μlを添加すること
によって反応を停止させる。本溶液20μlを高速液体
クロマトグラフィー(ODSカラム:3.9mmφ×1
50mm、WATERS社、米国)にかけ残存するcA
MPを測定した。この方法により測定した本発明化合物
のフォスフォジエステラーゼ阻害活性値を〔表1〕に示
す。
の測定 フォスフォジエステラーゼ活性は3’,5’−サイクリ
ック・アデノシン・モノフォスフェイト(シグマ社、米
国、以後cAMPと称する)を基質として用い、反応
後、残存したcAMPを高速液体クロマトグラフィーで
測定した。0.3ml容量プラスチックチューブに以下
の添加物:0.02mg/mlcAMP、2.5mMジ
チオスレイトール、6mM塩化マグネシウム、50mM
トリス緩衝液(pH8.0)、1μlのフォスフォジエ
ステラーゼ酵素液及び評価サンプルを加え、最終容量を
水で200μlに調製する。混合物を攪拌し、37℃・
60分間インキュベートする。各チューブに200mM
テトラエチレンジアミン水溶液20μlを添加すること
によって反応を停止させる。本溶液20μlを高速液体
クロマトグラフィー(ODSカラム:3.9mmφ×1
50mm、WATERS社、米国)にかけ残存するcA
MPを測定した。この方法により測定した本発明化合物
のフォスフォジエステラーゼ阻害活性値を〔表1〕に示
す。
【0023】
【表1】 このようにNF00233Aはフォスフォジエステラー
ゼに対して強い阻害作用を示し、そのIC50値は1.0
8×10-5Mである。
ゼに対して強い阻害作用を示し、そのIC50値は1.0
8×10-5Mである。
【0024】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、これは単な
る一例であって何等本発明を限定するものではなく、種
々の変法が可能である。 製造法 ロータリー型振とう機用500ml三角フラスコに澱粉
2.0%、グルコース2.0%、コーンスチープリカー
1.5%、ペプトン0.3%、酵母エキス0.2%、炭
酸カルシウム0.2%、燐酸2カリウム0.2%、硫酸
マグネシウム0.05%塩化コバルト0.0001%、
プロナールST−10.01%の培地(pH6.5)1
00mlを分注し、120℃、20分間オートクレーブ
滅菌した。これにNF 00233株(工業技術院生命
工学工業研究所菌寄第P−15190)の1白金耳を接
種し、25℃、220回転/分、の条件で2日間振とう
培養した。これとは別にロータリー型振とう機用500
ml三角フラスコに澱粉2.0%、グルコース2.0
%、コーンスチープリカー1.5%、ペプトン0.3
%、酵母エキス0.2%、炭酸カルシウム0.2%、燐
酸2カリウム0.2%、硫酸マグネシウム0.05%塩
化コバルト0.0001%、プロナールST−10.0
1%の培地(pH6.5)100mlを分注し、120
℃、20分間オートクレーブ滅菌したフラスコに前記の
培養液1mlを移植し、25℃、220回転/分、の条
件で5日間振とう培養した。
る一例であって何等本発明を限定するものではなく、種
々の変法が可能である。 製造法 ロータリー型振とう機用500ml三角フラスコに澱粉
2.0%、グルコース2.0%、コーンスチープリカー
1.5%、ペプトン0.3%、酵母エキス0.2%、炭
酸カルシウム0.2%、燐酸2カリウム0.2%、硫酸
マグネシウム0.05%塩化コバルト0.0001%、
プロナールST−10.01%の培地(pH6.5)1
00mlを分注し、120℃、20分間オートクレーブ
滅菌した。これにNF 00233株(工業技術院生命
工学工業研究所菌寄第P−15190)の1白金耳を接
種し、25℃、220回転/分、の条件で2日間振とう
培養した。これとは別にロータリー型振とう機用500
ml三角フラスコに澱粉2.0%、グルコース2.0
%、コーンスチープリカー1.5%、ペプトン0.3
%、酵母エキス0.2%、炭酸カルシウム0.2%、燐
酸2カリウム0.2%、硫酸マグネシウム0.05%塩
化コバルト0.0001%、プロナールST−10.0
1%の培地(pH6.5)100mlを分注し、120
℃、20分間オートクレーブ滅菌したフラスコに前記の
培養液1mlを移植し、25℃、220回転/分、の条
件で5日間振とう培養した。
【0025】得られた培養液(10L)を通常のろ過方
法でろ液と菌体に分離した。得られたろ液をダイヤイオ
ンHP−20カラム(1L)に吸着せしめ、水(1
L),20%アセトン水(2L)で順次洗浄し、50%
アセトン水(2L)で溶出した。その溶出画分を500
mlまで濃縮し、酢酸エチル、ブタノールで順次抽出し
た。ブタノール層の減圧濃縮物(3.643g)につい
て、メタノール水(0〜100%)で展開するCHP−
20カラムクロマトグラフィー(φ3×15cm)にか
けた。メタノール濃度が80〜84%で溶出した活性画
分を濃縮し、濃縮乾固物(0.427g)を得た。この
濃縮乾固物(0.133g)をLH−20カラムクロマ
トグラフィー(φ3×90cm、移動相:メタノール)
にかけ活性画分(0.042g)を得、さらにODSカ
ラムクロマトグラフィー(資生堂社製、CAPCELL
PAK、移動相:メタノール−5mM−Na2HPO4
(85:15))にかけ精製し、LH−20カラムクロ
マトグラフィーにより脱塩することでNF00233A
(15.5mg)を得た。精製したNF00233Aを
用いて、外観、分子量、溶解性、シリカゲル薄層クロマ
トグラフィーによるRf値、紫外部吸収スペクトル、赤
外吸収スペクトル、1H−NMRスペクトル、13C−N
MRスペクトルを測定した。NF00233Aの理化学
的性質は前記した通りの値を示した。
法でろ液と菌体に分離した。得られたろ液をダイヤイオ
ンHP−20カラム(1L)に吸着せしめ、水(1
L),20%アセトン水(2L)で順次洗浄し、50%
アセトン水(2L)で溶出した。その溶出画分を500
mlまで濃縮し、酢酸エチル、ブタノールで順次抽出し
た。ブタノール層の減圧濃縮物(3.643g)につい
て、メタノール水(0〜100%)で展開するCHP−
20カラムクロマトグラフィー(φ3×15cm)にか
けた。メタノール濃度が80〜84%で溶出した活性画
分を濃縮し、濃縮乾固物(0.427g)を得た。この
濃縮乾固物(0.133g)をLH−20カラムクロマ
トグラフィー(φ3×90cm、移動相:メタノール)
にかけ活性画分(0.042g)を得、さらにODSカ
ラムクロマトグラフィー(資生堂社製、CAPCELL
PAK、移動相:メタノール−5mM−Na2HPO4
(85:15))にかけ精製し、LH−20カラムクロ
マトグラフィーにより脱塩することでNF00233A
(15.5mg)を得た。精製したNF00233Aを
用いて、外観、分子量、溶解性、シリカゲル薄層クロマ
トグラフィーによるRf値、紫外部吸収スペクトル、赤
外吸収スペクトル、1H−NMRスペクトル、13C−N
MRスペクトルを測定した。NF00233Aの理化学
的性質は前記した通りの値を示した。
【0026】
【発明の効果】以上より明らかなように、本発明の生理
活性物質NF00233A又はその薬理学的に許容され
る塩はフォスフォジエステラーゼ阻害を有し、例えば抗
喘息薬、気管支拡張薬、気管支炎治療薬、抗アレルギー
薬、抗炎症薬、抗リュウマチ薬、降圧薬、狭心症治療
薬、不整脈治療薬、脳循環代謝治療薬、血液凝固阻止
薬、抗鬱薬の有効成分として、期待できる。
活性物質NF00233A又はその薬理学的に許容され
る塩はフォスフォジエステラーゼ阻害を有し、例えば抗
喘息薬、気管支拡張薬、気管支炎治療薬、抗アレルギー
薬、抗炎症薬、抗リュウマチ薬、降圧薬、狭心症治療
薬、不整脈治療薬、脳循環代謝治療薬、血液凝固阻止
薬、抗鬱薬の有効成分として、期待できる。
【図1】NF00233Aのメタノール中で測定した紫
外部吸収スペクトル
外部吸収スペクトル
【図2】NF00233Aの臭化カリウム錠剤で測定し
た赤外吸収スペクトル
た赤外吸収スペクトル
【図3】NF00233Aの重ジメチルスルホキシド中
で測定した水素核磁気共鳴スペクトル
で測定した水素核磁気共鳴スペクトル
【図4】NF00233Aの重ジメチルスルホキシド中
で測定した炭素核磁気共鳴スペクトル
で測定した炭素核磁気共鳴スペクトル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 35/70 ABQ A61K 35/70 ABQ ABR ABR ABS ABS ABU ABU ACB ACB ACD ACD ACF ACF C07G 17/00 C07G 17/00 C C12N 1/14 C12N 1/14 A 9/99 9/99 C12P 1/02 C12P 1/02 Z //(C12N 1/14 C12R 1:645) (C12P 1/02 C12R 1:645)
Claims (6)
- 【請求項1】下記の理化学的性質を示す生理活性物質N
F00233A又はその薬理学的に許容される塩 1)外観;黄色粉末 2)分子量;614 3)分子式;C33H58O8 S 4)溶解性;低級アルコールに可溶、ヘキサン、石油エ
ーテル、水に不溶。 5)シリカゲル薄層クロマトグラフィーによるRf値;
クロロホルム−メタノール(5:1)の展開溶媒で0.
4を示す。 6)紫外部吸収スペクトル;図1に示す。 7)赤外部吸収スペクトル;臭化カリウム錠剤で測定し
たスペクトルを図2に示す。 8)水素核磁気共鳴スペクトル;重ジメチルスルホキシ
ド中で測定したスペクトルを図3に示す。 9)炭素核磁気共鳴スペクトル;重ジメチルスルホキシ
ド中で測定したスペクトルを図4に示す。 10)呈色反応;バニリン−硫酸、ヨウ素に陽性。 - 【請求項2】ケトメラ(Chaetomella )属に属し、生理
活性物質NF00233Aを生産する能力を有する微生
物を培地に培養し、培養物中に生理活性物質NF002
33Aを生成蓄積せしめ、これを採取する事を特徴とす
る請求項1記載の生理活性物質NF00233Aの製造
法。 - 【請求項3】請求項1記載の生理活性物質NF0023
3A又はその薬理学的に許容される塩を有効成分とする
抗喘息薬、気管支拡張薬、気管支炎治療薬、抗アレルギ
ー薬、抗炎症薬、抗リウマチ薬、降圧薬、狭心症治療
薬、不整脈治療薬、脳循環代謝改善薬、血液凝固阻止
薬、抗鬱薬。 - 【請求項4】請求項1記載の生理活性物質NF0023
3A又はその薬理学的に許容される塩を有効成分とする
フォスフォジエステラーゼ阻害剤。 - 【請求項5】請求項1記載の生理活性物質NF0023
3A又はその薬理学的に許容される塩を有効成分とす医
薬。 - 【請求項6】生理活性物質NF00233Aを生産する
能力を有するケトメラNF00233(Chaetomella ra
phigera NF 00233) 。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7299353A JPH09118625A (ja) | 1995-10-25 | 1995-10-25 | 新規生理活性物質nf00233a、その製造法及びその用途 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7299353A JPH09118625A (ja) | 1995-10-25 | 1995-10-25 | 新規生理活性物質nf00233a、その製造法及びその用途 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09118625A true JPH09118625A (ja) | 1997-05-06 |
Family
ID=17871465
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7299353A Pending JPH09118625A (ja) | 1995-10-25 | 1995-10-25 | 新規生理活性物質nf00233a、その製造法及びその用途 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09118625A (ja) |
-
1995
- 1995-10-25 JP JP7299353A patent/JPH09118625A/ja active Pending
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