JPH09118622A - 血圧降下剤 - Google Patents

血圧降下剤

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JPH09118622A
JPH09118622A JP21960696A JP21960696A JPH09118622A JP H09118622 A JPH09118622 A JP H09118622A JP 21960696 A JP21960696 A JP 21960696A JP 21960696 A JP21960696 A JP 21960696A JP H09118622 A JPH09118622 A JP H09118622A
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JP
Japan
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ahpp
action
hypotensive
amino
endothelium
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Pending
Application number
JP21960696A
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English (en)
Inventor
Yoichi Miyamoto
洋一 宮本
Takaaki Akaike
孝章 赤池
Masaki Yoshida
正貴 吉田
Hiroshi Maeda
浩 前田
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 確実で緩徐な降圧作用を示し、かつこれまで
の血圧降下剤とは異なる作用機序を有する新たな血圧降
下剤を提供すること。 【解決手段】 4−アミノ−6−ヒドロキシピラゾロ
(3,4−d)ピリミジンを有効成分として含有する血
圧降下剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は血圧降下剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、プリンの類縁体であるアロプリノ
ールが痛風および高尿酸血症の治療剤として公知であ
る。また、プリンの類縁体である4−アミノ−6−ヒド
ロキシピラゾロ(3,4−d)ピリミジン(以下、「A
HPP」と略す)は、プリン代謝に関して、キサンチン
オキシダーゼ(J. Biol. Chem., 226, 993-1000, 195
7)、キサンチンデヒドロゲナーゼ(Yokohama Med. Bul
l., 29, 53-58, 1978)およびトリプトファンピロロラ
ーゼ(Life Sci., 8, 843-851, 1969)等の酵素活性を
阻害する効果が見出されている。
【0003】血圧を制御する内因性の物質のひとつであ
る内皮由来血管弛緩因子は血管平滑筋のグアニル酸シク
ラーゼを活性化することにより血管を弛緩させることが
知られている(Pharm. Rev., 43, 109-142, 1991)。ま
た、内皮由来血管弛緩因子はスパーオキシドラジカルに
より不活性化されることが報告されている(Nature,32
0, 454-456, 1986)。拡張期血圧が90mmHg以上か、また
は収縮期血圧が140mmHg以上の場合は高血圧と見なされ
る。高血圧は動脈硬化等の心・血管系疾患の危険因子と
考えられている。食事等の生活習慣の改良で血圧の改善
効果が不十分の場合や重篤な高血圧と診断される場合は
血圧降下剤による薬物療法が行われる。薬物療法による
血圧のコントロールは高血圧患者の心臓・脳・腎等にお
ける合併症による障害を減少させるためにもきわめて重
要である。用いられる血圧降下剤は作用機序の違いによ
り利尿剤、交感神経抑制剤、カルシウム拮抗剤等の血管
拡張剤あるいはアンジオテンシン変換酵素阻害剤に分類
される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】血圧降下剤を用いる場
合は降圧作用は確実でかつ緩徐な薬剤でなければならな
い。降圧作用が急激であると日常生活に支障を来すなど
の弊害が生じる。このため緩徐な降圧作用を示す薬剤が
求められている。また、何らかの血圧降下剤を用いた際
に効果が不十分な場合は単剤で最大量まで増量せずに他
剤を併用すべきであるとされる。すなわち、互いに作用
機序の異なる薬剤を併用することにより、降圧効果の増
強と副作用の軽減が期待されるからである。したがっ
て、これまで用いられてきた血圧降下剤とは作用機序の
異なる新たな血圧降下剤は臨床的に有用である。本発明
の目的は確実で緩徐な降圧作用を示し、かつこれまでの
血圧降下剤とは異なる作用機序を有する新たな血圧降下
剤を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、研究の結
果、4−アミノ−6−ヒドロキシピラゾロ(3,4−
d)ピリミジン(以下、AHPPと略する)がキサンチ
ンオキシダーゼによるスーパーオキシドラジカル産生を
抑制することにより、スーパーオキシドラジカルと内皮
由来血管弛緩因子である一酸化窒素との反応を抑制し、
内皮由来血管弛緩因子の作用を増強するというこれまで
にない作用機序で降圧作用を示すことを明らかにし、A
HPPを有効成分として含有する組成物が血圧降下剤と
して有効であることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明はAHPPを有効成分とし
て含有する血圧降下剤である。AHPPの化学合成は3
−アミノ−4−シアノピラゾールと尿素との反応により
行うことができる(J. Am. Chem. Soc., 78, 784-790,
1956)。
【0007】本発明の血圧降下剤は、その有効かつ低毒
性量を含有する組成物の形で用いることができる。本発
明の血圧降下剤は経口投与製剤または注射用剤の形で用
いることができる。経口投与製剤として用いられる場
合、患者の年齢、体重、疾患の程度により投与量は調節
されるべきであるが、成人1人あたり100〜9000mgを1
日1回ないし数回に分けて適用するのが好ましい。注射
用剤は主に静脈内投与が好ましい。また、点滴による静
脈注射も可能である。注射用剤の製造は常法に従って行
うことができる。注射用剤においてAHPPの含有量に
ついて特に制限はないが、AHPP含有量が0.001〜0.0
1%(w/w)となるのが好ましい。AHPPを粉末としてア
ンプルまたはバイアルに密閉し、他方、溶解液用のアン
プルまたはバイアルを用意して、いわゆるキットとな
し、両者を用事に一体となして注射用剤とすることも可
能である。
【0008】
【発明の効果】本発明の血圧降下剤は確実で緩徐な降圧
作用を示し、かつこれまでの血圧降下剤とは異なる作用
機序を有する有用な医薬品とすることができる。
【0009】
【実施例】次に製造例、実施例および実験例を挙げて本
発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれ
らのみに限定されるものではない。
【0010】製造例〔AHPPの合成〕 3.4g(57.8mmol)の85%ヒドラジンハイドレートに2.5g
(20.5mmol)のエトキシメチレンマロノニトリルを少量
ずつ加えた。反応液を冷水で冷やした後、さらに2.5g
(20.5mmol)のエトキシメチレンマロノニトリルを少量
ずつ加えた。90〜100℃で1時間加熱し、固体の反応物
を得た。3.3mlの水を加え、4℃で12時間放置した後、
濾過し、次いで水1.5mlで洗浄し、黄褐色の固形物(乾
燥重量3.0g)を得た。得られた固形物を6.0mlの水から
再結晶し、2.5g(23.1mmol)の3−アミノ−4−シアノ
ピラゾールを得た。
【0011】1.08g(10.0mmol)の3−アミノ−4−シ
アノピラゾールと2.16g(36.0mmol)の尿素とを混合
し、200℃で20分間加熱した。生じた固体を33mlの2
N水酸化ナトリウム水溶液に溶解し、活性炭を加えて90
〜100℃で10分間加熱した後、活性炭を濾別した。濾液
に氷酢酸6mlを加え、生じた沈澱を濾別して1.32gの結晶
を得た。この結晶をホルムアミド/ジメチルホルムアミ
ド(2/1,v/v)混液、ホルムアミドおよびアセトンにて洗
浄し、0.6g(4.0mmol)のAHPPを得た。
【0012】UV(λmax):pH11 270nm、pH1 250nm 融点:320℃ 元素分析: 理論値 C:39.80, H: 3.30, N:46.40 実測値 C:38.60, H: 3.27, N:44.75 FAB-MS(Neg):[M-H]-:150
【0013】実施例1〔錠剤の製造〕 AHPP、ラクトースおよびでんぷんを混合し、ポリビ
ニルピロリドン水溶液で湿式粒状化した。乾燥し、ふる
いにかけた後、粒状物をステアリン酸マグネシウムと混
練圧縮し、500mg/錠の錠剤を得た。なお、用いた配合
は次のとおり。 AHPP 100重量部 ラクトース 235重量部 でんぷん 50重量部 ポリビニルピロリドン 50重量部 ステアリン酸マグネシウム 5重量部
【0014】実施例2〔懸濁液シロップの製造〕 ソルビトールとグリセロールを3.0lの水に加えた。安息
香酸ナトリウムを水に溶解し、前記の水溶液に加えた。
次いでセルロースとAHPPとを水溶液に分散させて容
量を調整した。なお、用いた配合は次のとおり。 AHPP 25g ソルビトール 1.5g グリセロール 0.005g 分散性カルボキシメチルセルロース 0.005g 安息香酸ナトリウム 0.01ml 水 5.0l
【0015】実験例1〔キサンチンオキシダーゼによる
尿酸産生に対するAHPPの阻害効果〕 2.19〜21.9μMのキサンチンおよび0〜0.44μMのAH
PPを含む50mMリン酸緩衝液(pH7.5)に最終濃度3.
33mU/mlの牛乳由来キサンチンオキシダーゼを添加し、
尿酸の産生速度を290nMの吸光度の上昇により測定し
た。AHPPは濃度依存的にキサンチンオキシダーゼに
よる尿酸の生成を阻害した。尿酸産生の速度論的な解析
から、AHPPの阻害定数は0.2μMであり、阻害様式
は拮抗阻害であることが明らかとなった。 実験例2〔キサンチンオキシダーゼによるスーパーオキ
シドラジカル産生に対するAHPPの阻害効果〕
【0016】10μMのルシゲニン、10μMのキサンチン
および0〜100μMのAHPPを含む100mMのリン酸緩衝
液(pH7.4)に20mU/mlになるように牛乳由来キサンチン
オキシダーゼを添加し、化学発光を測定した。表1に示
すように、AHPPは用量依存的にキサンチンオキシダ
ーゼによるスーパーオキシドラジカルの産生を阻害し
た。
【0017】
【表1】
【0018】実験例2〔ウサギ大動脈リングのアセチル
コリンによる弛緩に対するAHPPの効果〕 体重2.5〜3.0kgの雌のニュージーランド白ウサギの胸部
大動脈を5mm幅のリングに調製した。このリングをクレ
ブス液を満たした20mlのオーガンバス内に吊るし、張力
を測定した。液温を37℃に維持し、95%酸素/5%二酸
化炭素ガスにてバブリングした。液に0、100あるいは30
0μMのAHPPを添加した。0.15μMのフェニレフリ
ンにてあらかじめ大動脈リングを収縮させた後、0〜1
μMのアセチルコリンによる大動脈リングの弛緩を測定
した。表2に示すように、フェニレフリンによって収縮
した大動脈リングを50%弛緩させるために必要なアセ
チルコリンの濃度はAHPPの濃度に依存して低下し
た。
【0019】
【表2】
【0020】実験例3〔自然発症高血圧ラットの血圧に
対するAHPPの静脈内投与の効果〕 麻酔下に18週齢の雄自然発症高血圧ラットの大腿動脈圧
を測定した。50mg/kg体重のAHPPを1mlの0.1N水酸
化ナトリウム溶液として5分間で静脈内投与した(8
匹)。対照として同容量の0.1N水酸化ナトリウムを同
様に静脈内投与した(8匹)。結果を表3に示す。対照
群の平均血圧は70分後まで有為な変化は認められなかっ
たのに対し、AHPPを静脈内投与したラットの平均血
圧は70分後まで徐々に低下し、投与前の約70%までに改
善された。
【0021】
【表3】
【0022】実験例4〔自然発症高血圧ラットの血圧に
対するAHPPの経口投与の効果〕 体重200g〜450gの雄(4匹)および体重150g〜300gの雌
(4匹)自然発症高血圧ラットに100mg/kgのAHPPを
経口投与した。AHPP投与前およびAHPP投与4時
間後の尾動脈圧(収縮期血圧)を測定した。AHPPを
経口投与したラットの収縮期血圧は投与4時間後に投与
前に比較して平均71%まで低下していた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4−アミノ−6−ヒドロキシピラゾロ
    (3,4−d)ピリミジンを有効成分として含有する血
    圧降下剤。
JP21960696A 1995-08-22 1996-08-21 血圧降下剤 Pending JPH09118622A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21960696A JPH09118622A (ja) 1995-08-22 1996-08-21 血圧降下剤

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21329295 1995-08-22
JP7-213292 1995-08-22
JP21960696A JPH09118622A (ja) 1995-08-22 1996-08-21 血圧降下剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09118622A true JPH09118622A (ja) 1997-05-06

Family

ID=26519709

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21960696A Pending JPH09118622A (ja) 1995-08-22 1996-08-21 血圧降下剤

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JP (1) JPH09118622A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010013411A (ja) * 2008-07-05 2010-01-21 Hiroshi Maeda 抗炎症剤

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010013411A (ja) * 2008-07-05 2010-01-21 Hiroshi Maeda 抗炎症剤

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